JP3626005B2 - 写真用分光増感色素 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は写真用分光増感色素に関するものであり、さらに詳しくはハロゲン化銀写真感光材料に用いる増感色素として有用な色素に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀写真感光材料はその使用目的に応じて、それぞれ異なる特定波長域において高い感度をもつことが要求される。そのようなハロゲン化銀写真感光材料の製造技術の1つとして、いろいろの型の増感色素がハロゲン化銀写真乳剤に添加され、そのハロゲン化銀の固有の感光波長域より長波長域において、特定の波長域における感度を極めて有効に高めることは一般によく知られている。
【0003】
色素によって分光増感をハロゲン化銀写真乳剤に適用する場合には、単に分光増感効果の付与および感度の上昇のみならず、次のような諸要求を満足するものでなければならない。(1)分光増感域が適当であること。(2)感光材料の保存中において安定な写真特性を維持していること。(3)現像処理後に分光増感のために投与した色素の残存による汚染やカブリを残さないこと。(4)他の写真用添加剤との悪い相互作用がないこと。
【0004】
上記諸要求を満足させるために、従来から様々なタイプのシアニン色素やメロシアニン色素類が提案されてきている。例えば、He−Neレーザー、赤色LD、赤色LEDといった赤色光源対応の増感色素については米国特許4,965,183号、同5,116,722号等に記載の色素などが提案されており、これらは現像処理後の残色汚染が少ないことを特長の一つとして挙げている。
【0005】
しかし、これらの増感色素でさえ前記諸要求を完全に満たすものではなく、さらなる改良が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は前記諸要求を満足させる高い感度を有し、かつ現像処理後の残色汚染が少ない優れた写真用分光増感色素を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは種々検討の結果、色素分子構造中にピリジン環のN原子が4級化(アルキル化)されたピリド[2,3−d]オキサゾール環含有色素が上記目的を満足させる色素であることを見い出し、特に下記化6〜化10で表される色素が優れた色素であることを見いだした。
【0008】
【化6】
[式中Z1は5または6員の含窒素ヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表 し、R1およびR2は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。L1〜L3は置換もしくは無置換のメチン基を表す。M1は該分 子の電荷を中和するのに必要なカウンターイオンを表し、lは整数0〜3を表し、mは整数0〜2を表す。]
【化7】
[式中Q1およびQ2はオキサゾリジン環、イミダゾリジン環またはチアゾリジン環を形成するのに必要な原子群を表し、R3は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。L4およびL5は置換もしくは無置換のメチン基を表し、nは整数0〜2を表す。]
【化8】
[式中Z2は5または6員の含窒素ヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表 し、Q3およびQ4はオキサゾリジン環、イミダゾリジン環またはチアゾリジン環を形成するのに必要な原子群を表す。R4およびR5は置換もしくは無置換のアルキル基を表し、L6〜 L10は置換もしくは無置換のメチン基を表し、M2は該分子の電荷を中和するためのカウンターイオン を表す。p、qおよびrは整数0〜2を表す。]
【化9】
[式中Q5〜Q8はオキサゾリジン環、イミダゾリジン環またはチアゾリジン環を形成するのに必要な原子群を表し、R6は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。L11〜L14は置換もしくは無置換のメチン基を表す。sおよびtはそれぞれ整数0〜2を表し、sとtが共に整数0となることはない。]
【化10】
[式中R7は置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R8〜R11は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。L15およびL16は置換もしくは無置換のメチン基を表し、M3は該分子の電荷を中和す るためのカウンターイオンを表す。uは整数1または2を表す。]
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。上記化6におけるZ1の5または6員の含窒素ヘテロ環の例としては、例えば、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾール環、テルラゾール環、ベンゾテルラゾール環、ナフトテルラゾール環、ピリジン環、ピリド[2,3−d]オキサゾール環、キノリン環、ベンゾキノリン環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、ベンゾイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、等があり、これらのヘテロ環および縮合ベンゼン環やナフタレン環は置換基を有していても良い。置換基の例としては、例えば、メチル、エチル基のようなアルキル基、メトキシ、エトキシ基のようなアルコキシ基やメチレンジオキシ基、フェニル、メトキシフェニル基のようなアリール基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基のようなアルコキシカルボニル基、フッ素、塩素、臭素、沃素のようなハロゲン原子などが挙げられる。R1およびR2のアルキル基の例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、n−アミル、β−ヒドロキシエチル、γ−ヒドロキシプロピル、β−アセトキシエチル、γ−アセトキシプロピル、β−メトキシエチル、γ−メトキシプロピル、カルバモイルメチル、カルバモイルエチル、N−メチルカルバモイルメチル、N−エチルカルバモイルメチル、N−メチルカルバモイルエチル、N,N−ジメチルカルバモイルメチル、N,N−ジメチルカルバモイルエチル、N,N−ジエチルカルバモイルメチル、カルボキシメチル、β−カルボキシエチル、γ−カルボキシプロピル、δ−カルボキシブチル、ω−カルボキシペンチル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、β−メトキシカルボニルエチル、γ−メトキシカルボニルプロピル、δ−メトキシカルボニルブチル、エトキシカルボニルエタンスルホニルエチル、カルバモイルエタンスルホニルエチル、カルボキシエタンスルホニルエチル、β−スルホエチル、γ−スルホプロピル、γ−スルホブチル、δ−スルホブチル、ベンジル、フェネチル、p−カルボキシベンジル、p−スルホフェネチル、アリル、プロパルギル、トリフルオロエチル基などが挙げられる。これらのうち、炭素数5個以下の置換もしくは無置換のアルキル基が好ましい。L1〜L3のメチン基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては例えば、メチル、エチル、プロピルのようなアルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシのようなアルコキシ基、メチルチオ、エチルチオのようなアルキルチオ基、フェノキシのようなアリールオキシ基、フェニル、トリルのようなアリール基、フリル、チエニル、ピリジル、テトラヒドロピラニル基のようなヘテロ環基などが挙げられ、また、それぞれがお互いに結合して環を形成しても良い。M1の例としては、例えば、メチル硫酸、エチル硫酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸、塩素、臭素、よう素、過塩素酸。カリウム、ナトリウム、トリエチルアンモニウム、ピリジニウムなどが挙げられる。
【0010】
次に化7について具体的に説明する。式中Q1およびQ2のオキサゾリジン環、イミダゾリジン環およびチアゾリジン環は置換されていてもよく、置換基の例としては、例えば、上記化6のR1、R2で述べたものやアリール基(例えば、フェニル)が挙げられる。これらのうち、炭素数5個以下の置換もしくは無置換のアルキル基が好ましく、炭素数3以下のカルボキシ置換アルキル基や無置換のアルキル基が特に好ましい。R3で表されるアルキル基としては上記化6のR1、R2と同義である。また、L4およびL5は同様に上記化6のL1〜L3と同義である。
【0011】
次に化8について具体的に説明する。式中のZ2、R4、R5、L6〜L10およびM2はそれぞれ上記化6のZ1、R1、R2、L1〜L3、M1と同義であり、Q3およびQ4は上記化7のQ1、Q2と同義である。
【0012】
次に化9について具体的に説明する。式中のQ5〜Q8は上記化7のQ1、Q2と同義であり、R6、L11〜L14はそれぞれ上記化6のR1、R2およびL1〜L3と同義である。
【0013】
次に化10について具体的に説明する。式中のR7〜R11のアルキル基は上記化6のR1と同義であり、R8〜R11のアリール基としてはフェニル基が挙げられるが、該フェニル基には上記化6のR1で述べたような置換基で置換されていても良い。さらに、R9とR10で連結してベンゼン環を形成していても良い。L15およびL16は上記化6のL1〜L3と同義である。
【0014】
次に本発明で用いられる増感色素の具体例を示す。但し、本発明に用いる増感色素がこれらに限定されるものではない。
【0015】
【化11】
【0016】
【化12】
【0017】
【化13】
【0018】
【化14】
【0019】
【化15】
【0020】
【化16】
【0021】
【化17】
【0022】
【化18】
【0023】
【化19】
【0024】
【化20】
【0025】
【化21】
【0026】
【化22】
【0027】
【化23】
【0028】
【化24】
【0029】
【化25】
【0030】
【化26】
【0031】
【化27】
【0032】
【化28】
【0033】
【化29】
【0034】
【化30】
【0035】
【化31】
【0036】
【化32】
【0037】
【化33】
【0038】
【化34】
【0039】
【化35】
【0040】
【化36】
【0041】
【化37】
【0042】
【化38】
【0043】
【化39】
【0044】
【化40】
【0045】
【化41】
【0046】
【化42】
【0047】
【化43】
【0048】
【化44】
【0049】
【化45】
【0050】
【化46】
【0051】
次に代表的な合成例を挙げるが、他の例示化合物も同様の方法、あるいは、例えば、Frances M. Hamer著“Cyanine Dyes and Related Compounds”(1964、 Interscience Publishers発刊)等に記載された従来公知の方法を参考に容易に合成することができる。
【0052】
化11の合成
2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン49gとオルト酢酸トリエチル94gを混合し、浴温95〜100℃で2時間加熱還流した。冷却後析出した結晶を濾取し、n−ヘキサンで再結晶した。乾燥後、融点69.5〜70.5℃の無色板状晶55.7gを得た。
【0053】
上記で得た2−メチルピリド[2,3−d]オキサゾール13.4gにヨー化エチル50mlを加え、4時間加熱還流した。冷却後析出した結晶を濾取し、アセトンで洗浄後乾燥して融点163.0〜164.0℃の淡黄色の立方晶26.4gを得た。NOESY測定により四級化はピリジン環に起こっていることを確認した。
【0054】
上記で得た四級塩0.58g、アンヒドロ−2−(3−スルホプロピルチオ)−3−(3−スルホプロピル)ベンゾチアゾリウムヒドロキシド0.82g、メタノール10mlを混合後加熱還流する中へトリエチルアミン0.81gを加え、30分反応させた。冷却後イソプロピルエーテルを加え、上澄みをデカントした。さらに洗浄を繰り返した後アセトンで処理し析晶を濾取した。メタノールで洗浄後乾燥して融点348.0℃(分解)の黄色結晶性粉末0.40gを得た。メタノール溶液の吸収極大値は456.0nmであった。
【0055】
化15の合成
上記化11と同じ四級塩5.80gにオルトぎ酸エチル3.84g、アニリン4.84gを混合し、95〜100℃で4時間加熱した。冷却後析出した結晶にアセトン20mlを加え、濾取した。アセトンで洗浄後エタノールで再結晶した。乾燥後融点180.0〜181.0℃の黄色針状晶3.70gを得た。
【0056】
上記で得たアニリノビニル体0.39g、3−エチル−5,6−ジメチル−2−(3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イリデン)メチルベンゾチアゾリウムヨージド0.45g、無水酢酸2.0ml、トリエチルアミン0.30gを混合後、浴温95〜100℃で15分間加熱した。冷却後アセトンを加え、よくかき混ぜてから濾取した。アセトン次いでエタノールで洗浄後乾燥して黄緑色結晶性粉末0.26gを得た。メタノール溶液の吸収極大値は786.5nmであった。
【0057】
化17の合成
上記の化15の合成時で得たアニリノビニル中間体0.36g、1−〔2−(2−エトキシカルボニルエタンスルホニル)エチル〕−3−フェニル−2−チオヒダントイン0.38g、無水酢酸1.0ml、トリエチルアミン0.30gを混合し、95〜100℃で30分間加熱撹拌した。冷却後、イソプロピルエーテルで洗浄を繰り返した後メタノールで処理して析晶を濾取した。メタノールで洗浄後乾燥して融点224.0℃(分解)の黒色結晶性粉末0.18gを得た。メタノール溶液の吸収極大値は548.0nmであった。
【0058】
化19の合成
85%水酸化カリウム14.5gを水140mlに溶かし、これにエタノール200ml、二硫化炭素19.2ml、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン22.0gを加え、2時間加熱還流した。冷却後、酢酸で酸性にした後溶媒を留去した。析晶を濾取し。水洗後アセトンで洗浄した。乾燥後融点245.0℃の灰褐色結晶性粉末12.4gを得た。
【0059】
上記で得たメルカプトピリド[2,3−d]オキサゾール12.2gを85%水酸化カリウム5.81g、水16.5ml、エタノール165mlのアルカリ液に溶かし、さらにヨウ化メチル10.0mlを加え、室温で2時間撹拌した。水500ml、クロロホルム500mlを加え、分液ロート中振とうし、クロロホルム層を分取した。硫酸ナトリウムで乾燥後クロロホルムを留去し、残留液をn−ヘキサンで処理し、析晶濾取した。乾燥後融点53.5〜57.5℃の淡桃色結晶性粉末9.7gを得た。
【0060】
上記で得たS−メチル体1.66gをジメチル硫酸1.26gを混合し、発熱がおさまってから浴温95〜100℃で30分加熱した。冷却後イソプロピルエーテルで洗浄後3−カルボキシメチル−5−nプロピリデンローダニン2.31gとジメチルホルムアミド5.0mlを加え、加温溶解後トリエチルアミン3.03gを加え、浴温95〜100℃で30分間加熱した。冷却後析晶にアセトン5mlを加え、濾取した。アセトンで洗浄後乾燥して融点252.0℃(分解)の青黒色結晶性粉末1.10gを得た。メタノール溶液の吸収極大値は571.0nmであった。
【0061】
化20の合成
2−メチルチオピリド[2,3−d]オキサゾール1.66gと1,3−プロパンスルトン1.22gを混合し、浴温95〜100℃で30分間加熱した。冷却後固化物を砕き、イソプロピルエーテルで洗浄した。次いで3−カルボキシメチル−5−nプロピリデンローダニン2.31g、ジメチルホルムアミド5.0mlを加え、加温溶解後トリエチルアミン3.03gを加え、95〜100℃で30分間加熱した。冷却後、イソプロピルエーテルで洗浄を繰り返した後酢酸カリウムのエタノール溶液(2.0g/20ml)を加え、析晶を濾取した。エタノールで洗浄後乾燥して融点300.0℃以上の濃紫色結晶性粉末0.70gを得た。メタノール溶液の吸収極大値は573.5nmであった。
【0062】
化21の合成
2−メチルチオピリド[2、3−d]オキサゾール1.16g、ジメチル硫酸0.90gを混合し、浴温90℃に15分間加熱した。反応後生成した4級塩固化物に、5−(1−エトキシ−エチリデン)−3−エトカルボキシメチルローダニン2.03gとDMF7mlを加えて浴温70℃に加熱溶解し、その中へトリエチルアミン2.12gを加え同温にて1時間撹拌した。反応後DMFを留去しイソプロピルエーテルを数回加えこねて固化させた。濾取後水洗して濃紫色粉末2.53gを得た。メタノール溶液の吸収極大値は541.0nmであった。
【0063】
化24の合成
2−メチルピリド[2,3−d]オキサゾール1.34g、1,3−プロパンスルトン1.22gを混合し、浴温95〜100℃で1時間加熱した。反応固化物を砕き、イソプロピルエーテルで洗浄後、3−エトキシメタアクロレイン1.14gと無水酢酸10.0mlを加え、1時間加熱還流した。反応後無水酢酸を留去し、残留物に3−カルボキシメチルローダニン1.91g、アセトニトリル20.0mlを加え、加熱還流する中へトリエチルアミン4.04gを加え、10分間加熱還流した。冷却後析晶を濾取し、アセトニトリル次いでアセトンで洗浄した。エタノールに溶解後酢酸カリウムを加え、析晶濾取した。エタノール次いでアセトンで洗浄後乾燥して融点246.0℃の暗黄緑色結晶性粉末0.78gを得た。メタノール溶液の吸収極大値は655.5nmであった。
【0064】
化26の合成
化19を0.46g、p−トルエンスルホン酸メチル0.19g、m−クレゾール2.0mlを混合し、浴温50〜55℃で1時間加熱撹拌した。その後、3−カルボキシメチルローダニン0.19gを加え、加熱撹拌する中へトリエチルアミン0.30gを加え、同温で30分加熱撹拌を続けた。次いで、酢酸カリウムのエタノール溶液(0.2g/10.0ml)を加え、析晶を濾取した。エタノールで洗浄後温湯に溶かし、濾過後エタノールで再沈させた。さらにこの再沈操作を行った後乾燥して融点300.0℃以上の濃青紫色結晶性粉末0.27gを得た。メタノール溶液の吸収極大値は625.5nmであった。
【0065】
化31の合成
2−メチルチオピリド[2、3−d]オキサゾール0.166g、ジメチル硫酸0.126gを混合し、浴温90℃に15分間加熱した。生成した4級塩固化物に、3−カルボキシメチルローダニン0.191g、DMF2mlを加えて溶解後、トリエチルアミン0.30gを加え浴温70℃に1時間加熱した。冷却後析出した反応液にイソプロピルアルコールを加えてろ過し、橙色の結晶0.32gを得た。次にこの固体0.32g、p−トルエンスルホン酸メチル0.186g、m−クレゾール2mlを加え浴温70℃に5時間加熱撹拌し、s−メチル体を得、次いでこれに5−(1−エトキシ−エチリデン)−3−エトカルボキシメチルローダニン0.217g、トリエチルアミン0.23gを加えて浴温70℃で1時間加熱撹拌した。反応液にイソプロピルエーテルを加えてこね、アメ状の沈殿物を得た。この沈殿物をクロロホルム/メタノール混合溶媒を使ってシリカゲル(和光純薬製ワコーゲルB−0)のクロマトグラフィー処理により精製して、濃紫色粉末61mgを得た。メタノール溶液の吸収極大値は590nmであった。
【0066】
化32の合成
化21を2.31g、p−トルエンスルホン酸メチル0.97g、m−クレゾール8mlを混合し、浴温80℃に1.5時間加熱撹拌し、反応液にイソプロピルエーテルを数回加えこねてアメ状のs−メチル体を得た。次にこのアメ状物に3−カルボキシメチルローダニン0.77g、DMF10mlを加えて溶解後、トリエチルアミン1.21gを加え浴温70℃に10分間加熱した。反応後DMFを留去し、残留物をイソプロピルエーテルで数回こねて洗浄し、アメ状物にメタノールを加えて結晶化させ、ろ過して中間体色素(エステル体)1.20gを得た。(この色素のメタノール溶液の吸収極大値は594.5nmであった。)次にこの中間体色素0.68gをエタノール10ml中にて室温下撹拌する中へ1N−苛性ソーダ3mlと水7mlを添加して1時間撹拌した。反応後1N−酢酸で中和し生成したナトリウム塩を濾取し、エタノールで数回洗浄して、黒色粉末0.57gを得た。メタノール溶液の吸収極大値は598.5nmであった。
【0067】
化33の合成
化21を0.211g、p−トルエンスルホン酸メチル0.14g、m−クレゾール1.5mlを混合し、浴温80℃に1.5時間加熱撹拌し、反応液にイソプロピルエーテルを数回加えこねてアメ状のs−メチル体を得た。次いでこれに5−(1−エトキシ−エチリデン)−3−エトカルボキシメチルローダニン0.145g、エタノール3ml、トリエチルアミン0.15gを加えて浴温70℃で10分間加熱した。析出物を濾取しエタノールで洗浄して精製し、中間体色素(エステル体)の濃緑黒色の粉末0.122gを得た。(この色素のメタノール溶液の吸収極大値は655.5nmであった。)
次にこの中間体色素0.102gをエタノール2ml、1N−苛性カリ0.45ml、水0.55mlの混合溶液中で加水分解し、カリウム塩として濃緑黒色粉末を63mgを得た。メタノール溶液の吸収極大値は657nmであった。
【0068】
化34の合成
上記化20を0.27g、p−トルエンスルホン酸メチル0.09g、m−クレゾール1.0mlを混合し、浴温50〜55℃で1時間加熱した。次にアンヒドロ−2−メチル−3−(2−スルホエチル)ベンゾチアゾリウムヒドロキシド0.13g、トリエチルアミン0.15gを加え、同温で30分間加熱した。反応物にエタノールを加え、濾取した。エタノールで洗浄後温湯に溶かし濾過後エタノールで再沈した。再沈操作をさらに2回行い、エタノールで洗浄後乾燥して融点300.0℃以上の濃紫色結晶性粉末0.10gを得た。メタノール溶液の吸収極大値は639.0nmであった。
【0069】
化37の合成
化21を0.421g、p−トルエンスルホン酸メチル0.28g、m−クレゾール3mlを混合し、浴温80℃に1.5時間加熱撹拌し、反応液にイソプロピルエーテルを数回加えこねてアメ状のs−メチル体を得た。次いでこれにアンヒドロ−2−メチル−3−(3−スルホプロピル)ベンゾチアゾリウムヒドロキシド0.271g、DMF3ml、トリエチルアミン0.3gを加え、浴温65℃に30分間加熱撹拌した。反応液にメタノールを加えて濾取し、メタノールで洗浄して精製し、濃紫色粉末0.35gを得た。メタノール溶液の吸収極大値は606.5nmであった。
【0070】
化45の合成
化11と同じ四級塩0.67g、3−ホルミル−1,2−ジメチルインドール0.35g、無水酢酸4mlを混合し、15分間加熱還流した。析晶を濾取し、アセトンで洗浄後メタノールで再結晶し乾燥して融点273.0℃の黒褐色結晶性粉末0.75gを得た。メタノール溶液の吸収極大値は478.0nmであった。
【0071】
本発明の増感色素が用いられるハロゲン化銀写真乳剤は、通常の方法によって製造された塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀等のいずれでもよい。
【0072】
本発明の増感色素をこれらのハロゲン化銀写真乳剤に添加するには、水溶液や水と任意に混和可能なメタノール、エタノール、アセトン、セロソルブ、ピリジン、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒の単独または混合溶媒の溶液として添加することができる。また、これらの増感色素をハロゲン化銀写真乳剤に添加する時期は、一般には第2熟成の終了直後が好適である。その添加量は増感色素の種類又はハロゲン化銀写真乳剤の種類によって異なるが、硝酸銀に換算して100g当りおおよそ4〜1,200mgの広範囲で使用することができる。
【0073】
本発明の増感色素が用いられるハロゲン化銀写真乳剤は貴金属増感、硫黄増感、還元増感およびそれらの組み合わせられた増感あるいはポリアルキレンオキサイド系化合物等の添加などが施されていてもよい。
【0074】
本発明の増感色素が用いられるハロゲン化銀写真乳剤は必要に応じて他の増感色素、例えば、公知のシアニン、メロシアニン色素を併用して分光増感してもよく、さらに公知の方法により安定剤、界面活性剤、硬膜剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、フィルター染料、イラジエーション防止染料、ハレーション防止染料、防腐剤、可塑剤、マット化剤、カラーカプラー、硬調化剤(例えば、特開平8−6193号、同8−248549号、同8−262609号等)、硬調化促進剤(例えば、特開平8−190165号、同8−171166号、同8−248579号等)等のような添加剤を含有することができる。さらに、安定化処理用感光材料に用いられる場合には現像主薬やその前駆体を含むことができる。
【0075】
本発明の増感色素が用いられるハロゲン化銀写真乳剤の保護コロイドとしては、ゼラチンの他にフタル化ゼラチン、マロン化ゼラチンのようなゼラチン誘導体やセルローズ誘導体、可溶性デンプン、水溶性ポリマー等が挙げられる。
【0076】
本発明の増感色素が用いられるハロゲン化銀写真乳剤の塗布される支持体としては例えば、バライタ紙、プラスチックがラミネートされた紙、合成紙、セルローズトリアセテート、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フイルム等が使用できる。これらの支持体には必要に応じて公知の方法によって下引き層、ハレーション防止層を設けることもできる。
【0077】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0078】
実施例1
慣用のハロゲン化銀写真乳剤の製法によって調製された塩化銀乳剤に、本発明の増感色素と比較の増感色素化47、48、49の0.025%メタノール溶液を1.2ml/gAg添加した。これらの乳剤を40℃の浴で45分間経時して分光増感作用を安定化させた。その後、安定剤、界面活性剤、硬膜剤の所定量を添加してから、ポリエチレンをラミネートした紙支持体上に塗布、乾燥し、35℃で一夜経時した。次いで適当な大きさに裁断し、試験サンプルとした。このようにして得た各サンプルをISO法に基づきウエッジ露光し、D−72現像液(米国イーストマンコダック社現像液処方)を用い、20℃で90秒間現像し、停止、定着をさせ、さらに水洗を行い、乾燥後所定の黒白像をもつストリップスを得た。これを米国マクベス・コーポレーション社製MACHBETH−TD504濃度計を用い濃度測定して、感度、カブリおよび残色を評価した。感度を決定した光学濃度の基準点は[カブリ+0.75]の点であった。白光感度は増感色素を投与していない未添加サンプルの感度を100とした時の相対値、また赤感度はイーストマンコダック社製ラッテンゼラチンフィルターNo.29を用いて求め、比較の増感色素化49の感度値を100とした時の相対値として、それぞれ示した。残色性は未露光部分の色相を視覚的に評価した。「5」が最もよく
、「1」が最も悪い品質を表す。結果を表1に示した。
【0079】
【化47】
【0080】
【化48】
【0081】
【化49】
【0082】
【表1】
【0083】
実施例2
ハロゲン化銀として臭化銀、本発明の増感色素と比較の増感色素化50、51を用い、赤感度を比較の増感色素化51の感度値を100とした時の相対値で示した以外は実施例1と同様にして、感度、カブリおよび残色を評価した。結果を表2に示した。
【0084】
【化50】
【0085】
【化51】
【0086】
【表2】
【0087】
実施例3
ハロゲン化銀が塩臭化銀(塩化銀70モル%)、本発明の増感色素と比較の増感色素化52の0.05%メタノール溶液を1.2ml/gAg添加し、赤感度を比較の増感色素化52の感度値を100とした時の相対値で示した以外は実施例1と同様にして、感度、カブリおよび残色を評価した。結果を表3に示した。
【0088】
【化52】
【0089】
【表3】
【0090】
表1、表2および表3より明らかなように、本発明の増感色素は比較の増感色素に比べ、高感度で、カブリや処理後の残色汚染が少なく、良好な写真特性を備えていることが分かる。
実施例4
【0091】
コントロールダブルジェット法を用いてヨウ臭化銀乳剤(ヨード2モル%)を調製した。この原乳剤は晶癖が立方体で、平均粒子サイズ0.25μ、平均粒子サイズ30%以内に95重量%の粒子を含む単分散乳剤であった。沈殿、水洗後ゼラチンを加え、pHを8.0,pAgを5.0に調整して、塩化金酸カリウム2mg/moleAgを加え、60℃で2時間かぶらせた。その後、pHを5.0、pAgを8.5に調整して試料分割し、本発明の増感色素と比較の増感色素化53を350mg/moleAgを添加し、硬膜剤と界面活性剤を加え、下引き加工したポリエチレンをラミネートした紙支持体上に、硝酸銀に換算して3.7g/m2の塗布量で塗布した。乾燥後、各試料を適当な大きさに裁断し、0.15の濃度差のあるウエッジを通して露光した後、コダック社処方D−72現像液を用いて20℃で90秒間現像し、酸性定着液を用いて定着した後、水洗し乾燥した。濃度測定して感度、ガンマおよびカブリを評価した。感度を決定した光学濃度の基準点は[カブリ+0.75]の点であった。感度は比較色素化53の感度値を100とした相対値で表した。ガンマは濃度0.5と1.5の間の直線部の傾きを表した。結果を表4に示した。
【0092】
【化53】
【0093】
【表4】
【0094】
表4より明らかなように、本発明の増感色素は比較の増感色素に比べ、増感性に優れていることが分かる。また、現像処理後、残存色素による残色は認められなかった。
【0095】
【発明の効果】
本発明の増感色素を用いることにより、色素汚染による残色が少なく、かつ高感度でカブリの少ないハロゲン化銀写真感光材料を得ることができる。
Claims (1)
- 写真用分光増感色素が下記一般式化1〜化5で表されることを特徴とする写真用分光増感色素。
[式中Z1は5または6員の含窒素ヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表 し、R1およびR2は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。L1〜L3は置換もしくは無置換のメチン基を表す。M1は該分 子の電荷を中和するのに必要なカウンターイオンを表し、lは整数0〜3を表し、mは整数0〜2を表す。]
[式中Q1およびQ2はオキサゾリジン環、イミダゾリジン環またはチアゾリジン環を形成するのに必要な原子群を表し、R3は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。L4およびL5は置換もしくは無置換のメチン基を表し、nは整数0〜2を表す。]
[式中Z2は5または6員の含窒素ヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表 し、Q3およびQ4はオキサゾリジン環、イミダゾリジン環またはチアゾリジン環を形成するのに必要な原子群を表す。R4およびR5は置換もしくは無置換のアルキル基を表し、L6〜 L10は置換もしくは無置換のメチン基を表し、M2は該分子の電荷を中和するためのカウンターイオン を表す。p、qおよびrは整数0〜2を表す。]
[式中Q5〜Q8はオキサゾリジン環、イミダゾリジン環またはチアゾリジン環を形成するのに必要な原子群を表し、R6は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。L11〜L14は置換もしくは無置換のメチン基を表す。sおよびtはそれぞれ整数0〜2を表し、sとtが共に整数0となることはない。]
[式中R7は置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R8〜R11は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。L15およびL16は置換もしくは無置換のメチン基を表し、M3は該分子の電荷を中和するた めのカウンターイオンを表す。uは整数1または2を表す。]
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