JP3629295B2 - ドラムインディスクブレーキのシューリターンスプリング - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はドラムインディスクブレーキに係り、特に、ドラムブレーキ部分のブレーキレバーやストラットのがたつきを簡単な構成で防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディスクブレーキの内部にパーキングブレーキ用のドラムブレーキを組み込んだドラムインディスクブレーキが知られており、その場合のドラムブレーキは、(a)バッキングプレートに配設された一対の第1ブレーキシューおよび第2ブレーキシューと、(b)前記第1ブレーキシューの前記バッキングプレート側に略垂直なピンまわりの回動可能に取り付けられたブレーキレバーと、(c)少なくとも一端部に切欠が形成されて前記ブレーキレバーと係合させられ、そのブレーキレバーと前記第2ブレーキシューとに跨がって配設されたストラットとを備え、前記ブレーキレバーが前記ピンまわりに回動させられることにより、前記ストラットを介して前記第1ブレーキシューおよび第2ブレーキシューが互いに離間させられ、車輪と共に回転する回転体の円筒部内周面に押圧されて制動力を発生するように構成されているのが普通である。実開平5−66344号公報に記載されている装置はその一例である。
【0003】
図5は、このような従来のドラムインディスクブレーキにおけるドラムブレーキ部分の一例を示す図で、バッキングプレート10には一対の第1ブレーキシュー12および第2ブレーキシュー14が配設されているとともに、第1ブレーキシュー12の裏側すなわちバッキングプレート10側には、図の上側の一端部において略垂直なピン16まわりの回動可能にブレーキレバー18が取り付けられている。ブレーキレバー18と第2ブレーキシュー14との間にはストラット20が架け渡されており、パーキングブレーキ操作レバーやペダルなどが操作されてケーブル22が引っ張られ、ブレーキレバー18がピン16の左まわりに回動させられると、ストラット20と共に第2ブレーキシュー14が右方向へ押圧されて図示しない回転体の円筒部内周面に押圧されるとともに、ストラット20を支点としてピン16更には第1ブレーキシュー12が左方向へ押圧され、同じく回転体の円筒部内周面に押圧される。ストラット20の両端部には切欠19,21が形成され、その切欠19,21内にブレーキレバー18,第2ブレーキシュー14のシューウェブ14aがそれぞれ係合させられている。一方の切欠19内には、ブレーキレバー18と共に第1ブレーキシュー12のシューウェブ12aも係合させられている。また、バッキングプレート10に固設されたアンカ部材24と第1ブレーキシュー12および第2ブレーキシュー14との間にはそれぞれシューリターンスプリング26,28が張設され、ブレーキ解除時に両ブレーキシュー12,14を内側へ戻すようになっている。
【0004】
ところで、このようなドラムインディスクブレーキにおいては、車両走行時の振動などでストラット20やブレーキレバー18ががたついて異音が生じることを防止するため、ストラット20については、アンチラトルスプリング30によってストラット20をシューウェブ12a,14a側へ強制的に押し付けるようにしている。前記切欠19,21は、ブレーキレバー18およびシューウェブ12aが噛み込んだり、シューウェブ14aが噛み込んだりしないように、大きめの寸法に設定されているのである。また、ブレーキレバー18については、図6に示すように取付け用のCワッシャ32とブレーキレバー18との間に所定厚さのシム34を介挿し、ブレーキレバー18とシューウェブ12aとの間の隙間が略零となるようにしている。シム34は、板厚が異なる複数種類のものを用意しておき、隙間の大きさに応じて使い分けるようにすれば良い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のがたつき防止方法は、そのための部品を新たに追加するものであるため、部品点数が多くなって組付けが面倒であるとともに製造コストが高くなる。特に、シムについては隙間に応じて複数種類のものを使い分ける必要があるため、組付作業が一層面倒である。
【0006】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、ブレーキレバーやストラットのがたつきを簡単な構成で防止し、部品点数を少なくするとともに組付作業の簡略化を図り、装置を安価に提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、(a)バッキングプレートに配設された一対の第1ブレーキシューおよび第2ブレーキシューと、(b)前記第1ブレーキシューの前記バッキングプレート側に略垂直なピンまわりの回動可能に取り付けられたブレーキレバーと、(c)少なくとも一端部に切欠が形成されて前記ブレーキレバーと係合させられ、そのブレーキレバーと前記第2ブレーキシューとに跨がって配設されたストラットとを備え、前記ブレーキレバーが前記ピンまわりに回動させられることにより、前記ストラットを介して前記第1ブレーキシューおよび第2ブレーキシューが互いに離間させられ、車輪と共に回転する回転体の円筒部内周面に押圧されて制動力を発生するドラムブレーキを有するドラムインディスクブレーキにおいて、前記バッキングプレートに固設されたアンカ部材と前記第1ブレーキシューまたは第2ブレーキシューとに跨がって配設され、ブレーキ解除時にそのブレーキシューを内側へ戻すシューリターンスプリングであって、(d)前記ブレーキシューに係止される第1係止部と、(e)前記アンカ部材に係止される第2係止部と、(f)その第2係止部と前記第1係止部との間に設けられて両者を接近させるように付勢する引張コイル部と、(g)前記第1係止部および第2係止部の何れか一方から延び出して前記ストラットに係止させられ、そのストラットの少なくとも前記一端部側を前記バッキングプレートから離間する方向へ付勢する第3係止部とを有することを特徴とする。
【0008】
【作用】
すなわち、ブレーキ解除時にブレーキシューを内側へ戻すシューリターンスプリングに第3係止部を設け、その第3係止部をストラットに係止させることにより、そのストラットの少なくとも一端部側すなわちブレーキレバーと係合させられる側の端部をバッキングプレートから離間する方向へ付勢するようにしたのであり、これによりストラットの一端部側の切欠がブレーキレバーに押圧されて密着させられ、ブレーキレバーは更に第1ブレーキシューに押圧されて密着させられる。したがって、それ等のストラットおよびブレーキレバーは、第1ブレーキシューに一体的に密着させられることになり、車両走行時の振動などに起因するがたつきが防止される。
【0009】
一方、本発明ではシューリターンスプリングに第3係止部を設けてストラットと係止させるだけであるため、従来のアンチラトルスプリングやシムが不要となり、部品点数が少なくなるとともに組付作業を容易且つ迅速に行うことができ、製造コストが低減される。
【0010】
【発明の効果】
このように、本発明のシューリターンスプリングによれば、車両走行時の振動に起因するストラットやブレーキレバーのがたつきが防止される一方、従来のアンチラトルスプリングやシムが不要となるため、部品点数が少なくなるとともに組付作業を容易且つ迅速に行い得るようになり、製造コストが低減される。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、前記図6の従来例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0012】
図1において、前記ブレーキシュー12,14は、それぞれシューホルドダウン装置52,54によりバッキングプレート10に向かって押圧された状態で互いに拡開可能に支持されている。また、ブレーキシュー12,14の一端部は、一対の第1シューリターンスプリング56および第2シューリターンスプリング58の付勢力に従ってアンカ部材24の側面に当接させられるようになっており、ブレーキシュー12,14の他端部は、アジャストホイール60の回転に伴って伸長させられることによりシュー間隙を調節する連結部材62の両端部に図示しないスプリングによって係合させられている。アンカ部材24には係止部材68が一体的に取り付けられ、その係止部材68の一対の係止部70,72にシューリターンスプリング56,58は掛け止められるようになっている。係止部70,72には切欠が設けられ、その切欠にシューリターンスプリング56,58が掛け止められることにより、その高さ位置およびコイル中心線まわりの姿勢が略位置決めされる。
【0013】
第1シューリターンスプリング56は本発明の一実施例を成すもので、第1ブレーキシュー12のシューウェブ12aに係止される第1係止部74と、アンカ部材24に固設された係止部材68の係止部70に掛け止められる第2係止部76と、それ等の第1係止部74と第2係止部76との間に設けられて両者を接近させるように付勢する引張コイル部78と、第2係止部76から延び出してストラット20に掛け止められる第3係止部80とを備えている。ストラット20には、図3および図4に明らかに示されているように長手方向すなわち図1における左右方向に長い長穴82が前記切欠19側、言い換えればブレーキレバー18に係合させられる一端部側に形成されており、上記第3係止部80はその長穴82に長手方向の相対移動可能に掛け止められている。また、第3係止部80は、第1係止部74および第2係止部76がそれぞれシューウェブ12aおよび係止部70に掛け止められた状態において、自然状態では図3に一点鎖線で示すように上方すなわちバッキングプレート10から離間する方向へ延び出すもので、この第3係止部80が長穴82に掛け止められることにより、ストラット20の特に第1ブレーキシュー12側がバッキングプレート10から離間する方向へ付勢される。
【0014】
図1のII−II断面を示す図2において、一点鎖線で示す回転体40は、底壁42を有する有底円筒状の円筒部44と、その円筒部44の開口側の端部から外周側へ突き出す円板部46とを一体に備えており、底壁42に車輪が取り付けられて一体的に回転させられる。回転体40の円板部46はディスクブレーキのブレーキディスクに相当する部分で、前記バッキングプレート10に配設される図示しないキャリパにより一対のブレーキパッドが両側から押圧されることによって制動される一方、回転体40の円筒部44はドラムブレーキのブレーキドラムに相当する部分で、前記一対のブレーキシュー12,14が内周面に押圧されることによって制動される。バッキングプレート10は、複数のボルト48によってアクスルハウジングに固定されるようになっているとともに、バッキングプレート10の外周部には合成樹脂製のダストカバー50が一体的に取り付けられている。なお、図2においては、前記ストラット20やケーブル22,連結部材62などが省略されている。
【0015】
以上のように構成されたドラムインディスクブレーキにおいては、通常の走行時などには、ブレーキペダルの踏込み操作などで前記キャリパに設けられた一対のパッドが回転体40の円板部46に押圧されることによって制動力を発生し、パーキング時には、パーキングブレーキ操作レバーやペダルなどの操作でケーブル22によってブレーキレバー18が図1においてピン16の左回りに回動させられることにより、シューリターンスプリング56,58の付勢力に抗してブレーキシュー12,14が互いに離間させられ、回転体40の円筒部44の内周面に押し付けられて制動力を発生する。パーキングブレーキによる制動の解除時においては、シューリターンスプリング56,58の付勢力に従ってブレーキシュー12,14が互いに接近させられ、それぞれ一端部がアンカ部材24に当接する位置まで戻される。本実施例のドラムインディスクブレーキはパーキングブレーキ専用のデュオサーボ型ドラムブレーキを備えており、ブレーキシュー12,14に生じた制動トルクは両ブレーキシュー12,14の何れか一方からアンカ部材24に伝達される。
【0016】
ここで、本実施例のドラムインディスクブレーキにおいては、パーキングブレーキ解除時に第1ブレーキシュー12を内側へ戻す第1シューリターンスプリング56に第3係止部80が設けられ、その第3係止部80が掛け止められたストラット20の特に一端部側がバッキングプレート10から離間する方向へ付勢されるようになっているため、ストラット20の一端部すなわち切欠19がブレーキレバー18に押圧されて密着させられ、ブレーキレバー18は更に第1ブレーキシュー12のシューウェブ12aに押圧されて密着させられる。したがって、それ等のストラット20およびブレーキレバー18は、第1ブレーキシュー12に一体的に密着させられることになり、車両走行時の振動などに起因するがたつきが防止される。
【0017】
このように、本実施例では第1シューリターンスプリング56により、車両走行時の振動などに起因するストラット20やブレーキレバー18のがたつきが防止されるため、前記アンチラトルスプリング30やシム34が不要となり、部品点数が少なくなるとともに組付作業を容易且つ迅速に行うことができ、製造コストが低減される。
【0018】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもできる。
【0019】
例えば、前記実施例ではストラット20を付勢する第3係止部80が第1シューリターンスプリング56に設けられていたが、第2シューリターンスプリング58に設けても良いし、その両方に設けることも可能である。
【0020】
また、前記実施例では第3係止部80が第2係止部76から延び出していたが、第1係止部74側に第3係止部を設けることも可能である。その場合に、シューウェブ12aの一部を曲げ起こしたりピンを立設したりして第1係止部74を掛け止め、前記実施例と同様にシューウェブ12aの上側から第3係止部を延び出させても良いが、シューウェブ12aおよびブレーキレバー18の下側、すなわちブレーキレバー18とバッキングプレート10との間を通してストラット20側へ延び出させることもできる。
【0021】
また、前記実施例ではストラット20の一端部すなわち切欠19側に第3係止部80が係止させられるようになっていたが、少なくとも切欠19側をバッキングプレート10から離間する方向へ付勢できれば、ストラット20の中央部など他の部位に係止させても差し支えない。
【0022】
また、前記実施例では切欠19内にブレーキレバー18と共に第1ブレーキシュー12のシューウェブ12aが挿入されるようになっていたが、ブレーキレバー18のみが切欠19内に挿入されるようになっていても良い。
【0023】
また、前記実施例のドラムインディスクブレーキはデュオサーボ型ドラムブレーキを有して構成されているが、それ以外の型式のドラムブレーキを有するものであっても差し支えない。
【0024】
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるシューリターンスプリングを備えたドラムインディスクブレーキの一例のドラムブレーキ部分を示す図である。
【図2】図1におけるII−II断面図であって、一部を省略して示す図である。
【図3】図1の実施例におけるシューリターンスプリングの第3係止部とストラットとの係止状態を示す図である。
【図4】図3を右方向から見た図である。
【図5】従来のドラムインディスクブレーキのドラムブレーキ部分を示す図である。
【図6】図5のドラムインディスクブレーキにおけるブレーキシューとブレーキレバーとの連結部を示す断面図である。
【符号の説明】
10:バッキングプレート
12:第1ブレーキシュー
14:第2ブレーキシュー
16:ピン
18:ブレーキレバー
19:切欠
20:ストラット
56:第1シューリターンスプリング
74:第1係止部
76:第2係止部
78:引張コイル部
80:第3係止部
Claims (1)
- バッキングプレートに配設された一対の第1ブレーキシューおよび第2ブレーキシューと、前記第1ブレーキシューの前記バッキングプレート側に略垂直なピンまわりの回動可能に取り付けられたブレーキレバーと、少なくとも一端部に切欠が形成されて前記ブレーキレバーと係合させられ、該ブレーキレバーと前記第2ブレーキシューとに跨がって配設されたストラットとを備え、前記ブレーキレバーが前記ピンまわりに回動させられることにより、前記ストラットを介して前記第1ブレーキシューおよび第2ブレーキシューが互いに離間させられ、車輪と共に回転する回転体の円筒部内周面に押圧されて制動力を発生するドラムブレーキを有するドラムインディスクブレーキにおいて、前記バッキングプレートに固設されたアンカ部材と前記第1ブレーキシューまたは第2ブレーキシューとに跨がって配設され、ブレーキ解除時に該ブレーキシューを内側へ戻すシューリターンスプリングであって、
前記ブレーキシューに係止される第1係止部と、
前記アンカ部材に係止される第2係止部と、
該第2係止部と前記第1係止部との間に設けられて両者を接近させるように付勢する引張コイル部と、
前記第1係止部および第2係止部の何れか一方から延び出して前記ストラットに係止させられ、該ストラットの少なくとも前記一端部側を前記バッキングプレートから離間する方向へ付勢する第3係止部と
を有することを特徴とするドラムインディスクブレーキのシューリターンスプリング。
Priority Applications (1)
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| JP09078095A JP3629295B2 (ja) | 1995-04-17 | 1995-04-17 | ドラムインディスクブレーキのシューリターンスプリング |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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| JP09078095A Expired - Lifetime JP3629295B2 (ja) | 1995-04-17 | 1995-04-17 | ドラムインディスクブレーキのシューリターンスプリング |
Country Status (1)
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1995
- 1995-04-17 JP JP09078095A patent/JP3629295B2/ja not_active Expired - Lifetime
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