JP3634469B2 - ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン系樹脂発泡体は、段ボール、木材、ベニア板などにくらべ、軽量で、加工性、耐熱性、耐水性に優れることから、各種分野にて前記従来物に置き換えられ幅広く使用されている。
【0003】
従来、熱可塑性樹脂発泡体の一般的製造方法としては、押出機内で樹脂と発泡剤とを溶融混練した後、押し出して発泡させる方法が知られている。良好な発泡体を得るためには、押出樹脂温度の調整が重要であるが、ポリプロピレン系樹脂発泡体を製造する場合には、樹脂を発泡させる時の押出樹脂温度を、樹脂の融点付近、すなわち160〜180℃付近に設定するのが好ましいとされている。
【0004】
押出樹脂温度を高く設定した場合、樹脂粘度が低下し発泡ガスを樹脂内に保持できず、気泡が不均一となったり、気泡構造が連続気泡化したりして発泡倍率が低下する。このような不均一な気泡を有する低発泡倍率のポリプロピレン系樹脂発泡体は、耐衝撃性に劣り、成形品を加工する際に割れやすいという問題がある。特に低温での耐衝撃性の低下は顕著である。
【0005】
したがって、剛性に優れ、かつ耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性に優れた発泡体を得るためには、押出樹脂温度をポリプロピレン系樹脂の融点付近の低温側にシフトするのが好ましい。
【0006】
しかし、ポリプロピレン系樹脂は融点付近で急激に樹脂粘度が変化するという特性がある。そのために、ポリプロピレン系樹脂の押出温度を融点付近の低温側に調整しようとして、押出樹脂温度が好ましい押出樹脂温度を少しでも下回ると急激に樹脂粘度が低下し、押出機内で樹脂が詰まって押出しを困難にしたり、部分的に滞留部分が発生し、製品にスジ状のキズを付けたり、発泡体表面が鮫肌状に荒れたり、光沢がなくなるなど、発泡体の表面性が低下するというおそれがある。特に、Tダイを用いた製造では前記傾向が顕著である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決することを目的としてなされたもので、押出樹脂温度がポリプロピレン系樹脂の融点付近の高めに設定されていても、剛性、耐衝撃性が優れ、かつ表面美麗なポリプロピレン系樹脂発泡体を安定して製造することができるポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の請求項1においては、樹脂分がエチレン含有量が5〜20重量%、メルトフローレート0.1〜2g/10minであるエチレン−プロピレンブロック共重合体30〜70重量%と、エチレン含有量が5〜20重量%、メルトフローレート5〜15g/10minのエチレン−プロピレンブロック共重合体またはエチレン−プロピレンランダム共重合体70〜30重量%とからなるエチレン−プロピレン共重合体混合物60〜80重量%と、密度が0.93g/cm 3 以上0.94g/cm 3 未満、メルトフローレート0.1〜2g/10minであるポリエチレン40〜20重量%とからなる樹脂混合物(B)である樹脂組成物に発泡剤を配合し、押し出して発泡させることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法を提供する。
また、本発明の請求項2においては、樹脂分がエチレン含有量が5〜20重量%、メルトフローレート2〜10g/10minであるエチレン−プロピレンブロック共重合体60〜80重量%と密度が0.93g/cm 3 以上0.94g/cm 3 未満、メルトフローレート0.1〜2g/10minであるポリエチレン40〜20重量%とからなる樹脂混合物(A)または樹脂分がエチレン含有量が5〜20重量%、メルトフローレート0.1〜2g/10minであるエチレン−プロピレンブロック共重合体30〜70重量%と、エチレン含有量が5〜20重量%、メルトフローレート5〜15g/10minのエチレン−プロピレンブロック共重合体またはエチレン−プロピレンランダム共重合体70〜30重量%とからなるエチレン−プロピレン共重合体混合物60〜80重量%と、密度が0.93g/cm 3 以上0.94g/cm 3 未満、メルトフローレート0.1〜2g/10minであるポリエチレン40〜20重量%とからなる樹脂混合物(B)70〜93重量%とメルトフローレート0.1〜10g/10min、酢酸ビニル含有量7〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体7〜30重量%とからなる樹脂混合物(C)である樹脂組成物に発泡剤を配合し、押し出して発泡させることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法を提供する。
さらに、本発明の請求項3においては、前記樹脂組成物の融解ピーク温度の最高温度+10℃でのメルトテンションが5g以上であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法を提供する。
【0009】
【発明を実施する形態】
本発明において用いられるエチレン−プロピレンブロックもしくはランダム共重合体のエチレン含有量は5〜20重量%が好ましい。エチレン含有量が20重量%を越えると得られる発泡体の剛性が劣る傾向にある。エチレン含有量がこの範囲内であるエチレン−プロピレン共重合体を用いることによって、均一な気泡、高独立気泡率、高発泡倍率の発泡体であって、耐衝撃性に優れた発泡体を得ることができる。
【0010】
本発明におけるMFRは190℃で測定した値である。
【0011】
また、請求項1では、MFR0.1〜1g/10minのエチレン−プロピレンブロック共重合体とMFR5〜15g/10min、好ましくは7〜10g/10minのエチレン−プロピレンブロックまたはランダム共重合体からなるエチレン−プロピレン共重合体混合物が用いられる。特に、MFR5〜15g/10minのエチレン−プロピレン共重合体は、ブロック共重合体を選択すると剛性、耐衝撃性の点でより優れた発泡体となる。
【0012】
請求項1において、エチレン−プロピレン共重合体混合物は、それぞれ前記の範囲のMFRを有する、エチレン−プロピレンブロック共重合体30〜70重量%とエチレン−プロピレンブロックまたはランダム共重合体70〜30重量%からなる。配合比を特に30〜50重量%と70〜50重量%とすると、押出加工時の加工性に優れ、かつ得られる発泡体の表面が平滑で、気泡径が均一となる。
【0013】
本発明の製造方法に用いられるポリエチレンは、密度0.93g/cm3以上0.94g/cm3未満、MFR0.1〜2g/10minのものが好ましい。密度が上記の範囲内である場合には、押出加工時の加工性に優れ、かつ得られる発泡体が剛性に優れたものとなる。
【0014】
樹脂分がエチレン含有量が5〜20重量%、メルトフローレート2〜10g/10minであるエチレン−プロピレンブロック共重合体60〜80重量%と密度が0.93g/cm 3 以上0.94g/cm 3 未満、メルトフローレート0.1〜2g/10minであるポリエチレン40〜20重量%とからなる樹脂混合物(A)、樹脂分がエチレン含有量が5〜20重量%、メルトフローレート0.1〜2g/10minであるエチレン−プロピレンブロック共重合体30〜70重量%と、エチレン含有量が5〜20重量%、メルトフローレート5〜15g/10minのエチレン−プロピレンブロック共重合体またはエチレン−プロピレンランダム共重合体70〜30重量%とからなるエチレン−プロピレン共重合体混合物60〜80重量%と、密度が0.93g/cm 3 以上0.94g/cm 3 未満、メルトフローレート0.1〜2g/10minであるポリエチレン40〜20重量%とからなる樹脂混合物(B)は、エチレン−プロピレンブロック共重合体またはエチレン−プロピレン共重合体混合物60〜80重量%とポリエチレン40〜20重量%とからなっている。本発明においては、特定の樹脂が前記の割合で配合されている樹脂混合物を使用しているために、発泡に適した粘弾性を広い温度範囲にわたって達成することができ、エチレン−プロピレン共重合体の融点よりも20℃程度高い温度で押し出すことができるのである。
【0015】
本発明の請求項2で用いられるエチレン酢酸ビニル共重合体は、MFR0.1〜10g/10min、好ましくは0.5〜5g/10min、酢酸ビニル含有量7〜20重量%、好ましくは7〜10重量%である。MFR、酢酸ビニル含有量がこの範囲外である場合、樹脂混合物(A)、(B)との相溶性を低下させ、得られる発泡体の気泡径が不均一となる傾向がみられる。
【0016】
請求項2の樹脂分である樹脂混合物(C)は、樹脂混合物(A)または(B)と前記特性のエチレン−酢酸ビニル共重合体とからなる。請求項2において得られるポリプロピレン系樹脂発泡体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体が配合されているために、耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性が改善されたものとなる。エチレン−酢酸ビニル共重合体の配合量は、樹脂混合物(C)中7〜30重量%、好ましくは7〜15重量%である。配合量が30重量%を越えると発泡体の剛性の低下傾向がみられ、7重量%未満では耐衝撃性の改善効果が低い。
【0017】
また、本発明における樹脂組成物の、JIS K7121による示差走査熱量計(DSC)にて測定される最高融解ピーク温度+10℃におけるメルトテンションが5g以上であれば、連続気泡化に対する抑制効果が大きく、剛性、耐衝撃性ともに優れたものとなる。
【0018】
なお、本発明における樹脂組成物のメルトテンションは、JIS K 7121により測定した最高融解ピーク温度+10℃に樹脂組成物の温度を保ち、キャピラリーレオメーターに取り付けられたダイス(直径2mm、長さ8mm)から速度10mm/minで樹脂組成物を押し出し、プーリーを介して速度4m/minで安定に引き取ったときに、プーリーに取り付けられたロードセルによって検出された張力の測定値とする(東洋精機(株)製、キャピログラフにより測定)。
【0019】
本発明で使用される発泡剤としては、加熱により分解し気体を発生する熱分解型、例えば、アゾジカルボンアミド、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、などがあげられ、場合によっては、亜鉛華、ステアリン酸亜鉛などの発泡助剤により分解温度を適宜調整することができる。
【0020】
また、押出機のシリンダー途中などからガスを圧入し発泡させてもよい、発泡剤として用いるガスは、窒素ガス、炭酸ガス、ブタン、ペンタン、プロパンなどが挙げられる。
熱分解型発泡剤の配合量、ガス注入量は、所望の発泡倍率に応じて適宜調整する。
【0021】
本発明における樹脂組成物には、さらに、より気泡を均一微細にするためには、タルク、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸などを気泡核剤として添加することが望ましい。
また、必要に応じて各種添加剤として、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、難燃剤、導電性付与剤、着色剤を適量配合してもよい。
【0022】
【実施例】
実施例1〜8、比較例1〜6以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。表1、表2に示した組成比の樹脂組成物を押出機(φ90mm)を用いて溶融混練し、発泡倍率3倍、発泡体厚さ5mmとなるように、押出機途中より炭酸ガスを圧入し、押出機先端に取り付けられた幅1000mmのTダイより押出樹脂温度193〜195℃または164〜166℃で押出発泡した後、金属ロールにより冷却、成形して発泡体を得た。実施例、比較例にて使用した樹脂は表3にまとめて示す。
【0023】
測定方法 (発泡特性以外は、押出樹脂温度193〜195℃で製造された発泡体について測定)
・MFR:JIS K 7210に準拠する。
・見かけ密度:JIS K6767に準拠する。
・曲げ弾性率:JIS K7203に準拠する。
・衝撃試験:ASTM D4272に準拠する(タップφ1/2インチ、荷重2.72kgでの最大荷重値を測定)。
・メルトテンション:本文中記載の方法による。
・独立気泡率:ASTM D2856に準拠する。
・発泡特性(表中194℃は押出樹脂温度を193〜195℃とした場合、165℃は164〜166℃とした場合):
○:表面平滑で、気泡径が均一なもの
△:部分的に発泡体が得られるが、ダイに滞留してスジが発生するもの
×:表面凹凸大で、発泡ガスが脱離して気泡径、発泡倍率が不均一なもの
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
比較例1〜6は、ポリエチレンが配合されていないか、本発明で規定されている密度の範囲外のポリエチレンが配合されているために、押出樹脂温度195℃で作製された発泡体は発泡特性が劣るものとなっている。
【0028】
それに対して、実施例1〜8では、165℃、195℃いずれの押出樹脂温度で作製された発泡体も、すべての測定項目において優れた発泡体となっている。また、衝撃試験項目中の総エネルギーとは、発泡体の耐衝撃性でも与えられた衝撃により発泡体が破壊するまでに要するエネルギーを示し、最大荷重値が脆性破壊特性を示す値であるのに対して、延性破壊という特性を表すものであるが、実施例3〜8は、特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体が適当量配合されているために、この延性破壊特性がさらに改善されたものとなっている。
【0029】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、気泡が均一微細で高い独立気泡率を有し、剛性、衝撃性に優れ、かつ表面平滑なポリプロピレン系樹脂発泡体を得ることができる。さらに、特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体を配合することにより、延性破壊特性を改善することができる。
Claims (3)
- 樹脂分がエチレン含有量が5〜20重量%、メルトフローレート0.1〜2g/10minであるエチレン−プロピレンブロック共重合体30〜70重量%と、エチレン含有量が5〜20重量%、メルトフローレート5〜15g/10minのエチレン−プロピレンブロック共重合体またはエチレン−プロピレンランダム共重合体70〜30重量%とからなるエチレン−プロピレン共重合体混合物60〜80重量%と、密度が0.93g/cm 3 以上0.94g/cm 3 未満、メルトフローレート0.1〜2g/10minであるポリエチレン40〜20重量%とからなる樹脂混合物(B)である樹脂組成物に発泡剤を配合し、押し出して発泡させることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法。
- 樹脂分がエチレン含有量が5〜20重量%、メルトフローレート2〜10g/10minであるエチレン−プロピレンブロック共重合体60〜80重量%と密度が0.93g/cm 3 以上0.94g/cm 3 未満、メルトフローレート0.1〜2g/10minであるポリエチレン40〜20重量%とからなる樹脂混合物(A)または樹脂分がエチレン含有量が5〜20重量%、メルトフローレート0.1〜2g/10minであるエチレン−プロピレンブロック共重合体30〜70重量%と、エチレン含有量が5〜20重量%、メルトフローレート5〜15g/10minのエチレン−プロピレンブロック共重合体またはエチレン−プロピレンランダム共重合体70〜30重量%とからなるエチレン−プロピレン共重合体混合物60〜80重量%と、密度が0.93g/cm 3 以上0.94g/cm 3 未満、メルトフローレート0.1〜2g/10minであるポリエチレン40〜20重量%とからなる樹脂混合物(B)70〜93重量%とメルトフローレート0.1〜10g/10min、酢酸ビニル含有量7〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体7〜30重量%とからなる樹脂混合物(C)である樹脂組成物に発泡剤を配合し、押し出して発泡させることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法。
- 前記樹脂組成物の融解ピーク温度の最高温度+10℃でのメルトテンションが5g以上であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法。
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| JP29086995A JP3634469B2 (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法 |
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