JP3664285B2 - 転写シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDP)における下地層、誘電体層、障壁層、電極層或いはフィールドエミッションディスプレイ(FED)、蛍光表示ディスプレイ、液晶表示装置等のディスプレイ、あるいは多層プリント配線板等における絶縁層等を転写により形成するのに適した転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
PDPや多層プリント配線板等においては、一般に、ガラス基板からのアルカリ分の溶出による電極層の保護を目的とした下地層や絶縁性を高める観点、或いは駆動電圧を制御する観点から誘電体層をその層構成中に有している。PDPを例としてその構造を説明する。
【0003】
図2にAC型PDPの一構成例を示す。この図は前面板と背面板を離した状態で示したもので、2枚のガラス基板1、2が互いに平行に且つ対向して配設されており、両者は背面板となるガラス基板2上に互いに平行に設けられたセル障壁3により一定の間隔に保持されている。前面板となるガラス基板1の背面側には、放電維持電極である透明電極4とバス電極である金属電極5とで構成される複合電極が互いに平行に形成され、これを覆って誘電体層6が形成されており、さらにその上に保護層(MgO層)が形成されている。また、背面板となるガラス基板2の前面側には介して前記複合電極と直交するようにセル障壁3の間に位置してアドレス電極8が互いに平行に形成されており、さらにセル障壁3の壁面とセル底面を覆うようにして蛍光面9が設けられている。
【0004】
また、図3に示すように、背面板となるガラス基板2に誘電体からなる下地層10を形成した後、アドレス電極8を設け、更にその上に誘電体層6′を積層した後、セル障壁3、蛍光体面9を設けた構造としたものもある。このAC型PDPは面放電型であって、前面板上の複合電極間に交流電圧を印加し、空間に漏れた電界で放電させる構造である。この場合、交流をかけているために電界の向きは周波数に対応して変化する。
【0005】
なお、DC型PDPにあっては、電極は誘電体層で被覆されていない構造を有する点で相違するが、その放電現象は同一である。そして、この放電により生じる紫外線により蛍光体9を発光させ、前面板を透過する光を観察者が視認できるものである。
【0006】
従来、このような層を形成するには、厚膜ペーストを用いてスクリーン印刷により形成されているが、膜厚分布が大きい、メッシュ目等の表面の凹凸が大きい、更に量産性に劣るといった問題を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、PDPや多層電極板における構成層を別途用意した転写シートにより形成するシステムに使用するのに適した転写シートであって、作製時間を短縮でき、転写抜け等がなく転写性に優れ、歩留りを向上させることができるものであり、更に、形成層の表面平滑性に優れ、かつ膜厚が均一で分布精度の良好な層形成を可能とする転写シートの提供にある。
【0008】
本発明の転写シートは、ベースフイルム上に、少なくもガラスフリットを有する無機粒子および焼成により除去される樹脂とを含有するインキ層を有する転写シートにおいて、該インキ層が無機粒子100重量部に対して焼成により除去される樹脂を2重量部〜70重量部の割合で含有すると共に、該インキ層の乾燥膜厚より粒子径が大である無機粒子が、全無機粒子中4.0625重量%〜30重量%の割合であり、プラズマディスプレイパネルにおける誘電体形成層または下地形成層作製用であることを特徴とする。
【0009】
上記の転写シートは、プラズマディスプレイパネル作製用転写シートであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の転写シートの断面図であり、図中、11はベースフイルム、12はインキ層である。まず、インキ層12がPDPにおける下地形成層や誘電体層形成層である場合について説明する。
【0011】
ベースフイルム11は、インキ層形成用塗液における溶剤に侵されず、また、溶剤の乾燥工程、転写工程での加熱処理により収縮延伸しないことが必要でありポリエチレンテレフタレート、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリサルホン、アラミド、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリイミド、アイオノマー等の各フイルム、シート、更にアルミニウム、銅等の金属箔が例示され、膜厚4μm〜400μm、好ましくは4.5μm〜200μmのものである。
【0012】
次に、インキ層12は、少なくともガラスフリットを有する無機粒子と焼成により除去される樹脂とからなる。
【0013】
ガラスフリットとしては、その軟化点が350℃〜650℃で、熱膨張係数α300 が60×10-7/℃〜100×10-7/℃のものが挙げられる。ガラスフリットの軟化点が650℃を越えると焼成温度を高くする必要があり、その積層対象によっては熱変形したりするので好ましくなく、また、350℃より低いと熱可塑性樹脂等が分解、揮発する前にガラスフリットが融着し、層中に空隙等の発生が生じるので好ましくない。また、熱膨張係数が60×10-7/℃〜100×10-7/℃の範囲外であると、PDPの場合、ガラス基板の熱膨張係数との差が大きく、歪み等を生じるので好ましくない。
【0014】
また、無機粒子として、ガラスフリットの他に無機骨材、無機顔料をそれぞれ2種以上を混合して使用してもよい。
【0015】
無機骨材は、必要に応じて添加されるものであり、焼成に際しての流延防止、緻密性向上を目的とし、ガラスフリットより軟化点が高いものである。例えば酸化アルミニウム、酸化硼素、シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、炭酸カルシウム等の各無機骨材が利用できる。 無機骨材の使用割合はガラスフリット100重量部に対して0重量部〜30重量部とするとよい。
【0016】
また、無機顔料としては、例えばPDPの外光反射を低減し、実用上のコントラストを向上させるために必要に応じて添加されるものであり、暗色にする場合には、耐火性の黒色顔料として、Co−Cr−Fe、Co−Mn−Fe、Co−Fe−Mn−Al、Co−Ni−Cr−Fe、Co−Ni−Mn−Cr−Fe、Co−Ni−Al−Cr−Fe、Co−Mn−Al−Cr−Fe−Si等が挙げられる。また、耐火性の白色顔料としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0017】
次に、焼成により除去される樹脂としては、PDPや多層電極板作製に際して焼成除去されるものであり、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等が使用される。
【0018】
これらの樹脂は、無機粒子のバインダーとして、また、転写性の向上を目的として含有させるものであり、熱可塑性樹脂としては、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキプロピルアクリレート、ヒドロキプロピルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン等の1種以上からなるポリマーまたはコポリマー、エチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。
【0019】
特に、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキプロピルアクリレート、ヒドロキプロピルメタクリレート等の1種以上からなるポリマーまたはコポリマー、エチルセルロースが好ましい。
【0020】
また、硬化性樹脂としては、硬化後、焼成に際して分解・除去されるものであり、公知の電離放射線硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂を用いることができる。電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線或いは電子線硬化性樹脂等が使用でき、分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー及び/または単量体を適宜混合した組成物を用いることができる。プレポリマー、オリゴマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート等のアクリレート類が挙げられる。
【0021】
単量体としては、少なくとも1つの重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物が挙げられる。例えばアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及び上記のアクリレート体をメタクリレート体に変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン等の1種または2種以上の混合物が挙げられる。
【0022】
特に、紫外線硬化型の場合には、前記組成物に光開始剤として、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、α−アミノアセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロロアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンゾチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイル、エオシン、メチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の組合せ等が挙げられ、また、これらの光開始剤の1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
硬化性樹脂として、感光性樹脂を使用する場合には、マスクを介して電極形成層等のパターニングが可能とできる。
【0023】
無機粒子と樹脂との使用割合は、無機粒子100重量部に対して樹脂2重量部〜70重量部、好ましくは5重量部〜50重量部の割合からなる。インキ層において、樹脂が2重量部より少ないと、インキ層の保持性が低く、特に、巻き取った状態での保存性、取り扱い性に問題を生じ、また、70重量部より多くなると、焼成後の膜中にカーボンが残り、品質が低下するので好ましくない。
【0024】
また、インキ層には、必要に応じて可塑剤、分散剤、沈降防止剤、消泡剤、剥離剤、レベリング剤等が添加される。
【0025】
可塑剤は、転写性、インキの流動性を向上させることを目的として添加され、例えばジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート等のノルマルアルキルフタレート類、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル類、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリ−n−アルキルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジー2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジー2−エチルヘキシルアゼテート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジー2−エチルヘキシルセバケート、ジー2−エチルヘキシルマレート、アセチル−トリ−(2−エチルヘキシル)シトレート、アセチル−トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート等の脂肪族二塩基酸エステル類、ポリエチレングリコールベンゾエート、トリエチレングリコール−ジ−(2−エチルヘキソエート)、ポリグリコールエーテル等のグリコール誘導体、グリセロールトリアセテート、グリセロールジアセチルモノラウレート等のグリセリン誘導体、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸などからなるポリエステル系、分子量300〜3,000の低分子量ポリエーテル、同低分子量ポリ−α−スチレン、同低分子量ポリスチレン、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート等の正リン酸エステル類、メチルアセチルリシノレート等のリシノール酸エステル類、ポリ−1,3−ブタンジオールアジペート、エポキシ化大豆油等のポリエステル・エポキシ化エステル類、グリセリントリアセテート、2−エチルヘキシルアセテート等の酢酸エステル類が例示される。
【0026】
分散剤、沈降防止剤としては、無機粒子の分散性、沈降防止性の向上を目的とするものであり、例えば燐酸エステル系、シリコーン系、ひまし油エステル系、各種界面滑性剤等が例示され、消泡剤としては、例えばシリコーン系、アクリル系、各種界面滑性剤等が例示され、剥離剤としては、例えばシリコーン系、フッ素油系、パラフィン系、脂肪酸系、脂肪酸エステル系、ひまし油系、ワックス系、コンパウンドタイプが例示され、レベリング剤としては、例えばフッ素系、シリコーン系、各種界面滑性剤等が例示され、それぞれ、適宜量添加される。
【0027】
上記の形成用材料は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン等のアノン類、塩化メチレン、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、α−若しくはβ−テルピオネール等のテルペン類に溶解、または分散させ、ベースフイルム上にダイコート、ブレードコート、コンマコート、ロールコート、グラビアリバースコート法、グラビアダイレクト法、スリットリバース法等により塗布し、乾燥させ、所定の膜厚とされる。
【0028】
次に、インキ層12がPDPにおける電極形成層である場合について説明する。電極形成層は少なくともガラスフリットからなる無機粒子、焼成により除去される樹脂、導電性粒子、必要に応じて増粘剤とから構成される。
【0029】
まず、焼成により除去される樹脂が熱可塑性樹脂の場合について説明する。無機粒子としては、上述したガラスフリット、無機骨材、無機顔料と同様のものが使用でき、無機骨材はガラスフリット100重量部に対して0重量部〜10重量部とするとよい。また、熱可塑性樹脂としては、上述した誘電体層形成層における樹脂と同様のものが使用され、樹脂成分の電極形成層形成用ペースト中の含量は、2〜70重量%、好ましくは5〜50重量%である。
【0030】
導電性粒子としては、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の球形金属粒子が挙げられ、導電性粒子100重量部に対してガラスフリットを2重量部〜20重量部とするとよい。
【0031】
増粘剤は、粘度を増大させるものであり、公知のものを使用できるが、例えばヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、カゼイン、カゼイン酸ソーダ、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリエーテルウレン変性物、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、モンモタロナイト、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸アルミニウム、水添加ひまし油、ひまし油エステル、脂肪酸アマイド、酸化ポリエチレン、デキストリン脂肪酸エステル、ジベンジリデンソルビトール、植物油系重合油、表面処理炭酸カルシウム、有機ベントナイト、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ等の微粉末等が挙げられる。増粘剤の含有量は、導電性粉末100重量部に対して0.1重量部〜20重量部、好ましくは0.1重量部〜10重量部であり、0.1重量部未満であると増粘効果がなく、20重量部より多いと電極としての特性に断線等の悪影響を引き起こす。
【0032】
また、電極形成層には、その塗布性等を改善するために、可塑剤、分散剤、沈降防止剤、消泡剤、剥離剤、レベリング剤を添加してもよく、いずれも、上述した誘電体層形成層で記載したと同様のものを同様の溶剤と混合され、ロールミルにより混練してペースト状の塗液とするか、またはポールミル等により混練してスラリー状の塗液とされる。
【0033】
次に、焼成により除去される樹脂が硬化型樹脂の場合について説明する。硬化性の電極形成層形成用ペーストは、少なくともガラスフリットからなる無機粒子、硬化性樹脂、導電性粒子とから構成される。
【0034】
無機粒子としては、上述した誘電体層形成層における無機粒子で記載したガラスフリット、無機骨材、無機顔料と同様のものが使用できる。また、硬化性樹脂としては、上述した誘電体層形成層に記載する硬化性樹脂が同様に使用できる。硬化性樹脂の電極形成層形成用ペースト中の含量は、5〜95重量%、好ましくは10〜50重量%である。また、導電性粒子については上述と同様であり、導電性粉末の電極形成層形成用ペースト中の含量は95〜30重量%、好ましくは95〜60重量%である。
【0035】
また、電極形成層形成用ペーストには、必要に応じて可塑剤、分散剤、沈降防止剤、消泡剤、剥離剤、レベリング剤を添加してもよく、いずれも、上述した誘電体層形成層で記載したものを同様に溶剤と混合され、ロールミルにより混練してペースト状の塗液とするか、またはポールミル等により混練してスラリー状の塗液とされる。
【0036】
塗液は、特願平8−124003号に記載する凹版オフセット印刷による方法、また、特開平7−32476号公報に記載する凹版ロールを使用する方法にり、電極形成層をベースフイルム上にパターン状に形成することができるが、凹版ロールを使用する方法においては、焼成により除去される樹脂として、好ましくは感光性硬化性樹脂を使用するよい。また、塗液をベタ塗布し、焼成により除去される樹脂が熱可塑性樹脂の場合にはフォトリソグラフィー法により電極パターン化してもよく、また、感光性樹脂の場合にはマスクを介してパターン露光し、電極パターン形状としてもよい。さらに、ベースフイルム上に塗液をベタ塗布し、基板に転写した後、電極形成層をフォトリソグラフィー法により電極パターン形状としてもよい。
【0037】
このようなPDP作製用転写シートにおいて、インキ層12が下地形成層の場合には、乾燥膜厚としては5μm〜30μm、好ましくは15μm〜25μmとされる。また、誘電体層形成層の場合には、乾燥膜厚としては5μm〜30μm、好ましくは8μm〜25μmとされる。電極形成層の場合には、乾燥膜厚としては2μm〜15μm、好ましくは3μm〜8μmとされる。
【0038】
本発明の転写シートは、所望するインキ層の乾燥膜厚に対して、そのインキ層成分中におけるガラスフリット、必要に応じて添加される無機骨材、無機顔料等の無機粒子の粒径が大である無機粒子分が、全無機粒子中30重量%以下、好ましくは0重量%とするとよい。インキ層の乾燥膜厚より粒径が大の無機粒子が30重量%より多く含まれていると、転写層表面がマット状となり転写しにくくなるという問題や、また、転写に際して気泡が混入し、転写不良となるという問題が発生する。
【0039】
そのため、無機粒子は、ガラスフリット、無機骨材、無機顔料それぞれの粒子径分布において、所望する乾燥膜厚より大の粒子の割合が30重量%以下のものを選択して使用するか、又はメッシュによる篩分けにより、所望する乾燥膜厚より大きい粒径の粒子を除去して使用するとよい。
【0040】
本発明の転写シートにおいては、インキ層12上には保護フイルムが必要に応じて積層されてもよく、また、保護フイルムはインキ層12上に必要に応じて接着層を介して積層されてもよい。また、転写性を向上させることを目的として、インキ層12とベースフイルム11の間に必要に応じて剥離層を設けてもよく、更に、ベースフイルム11におけるインキ層12を設けた面とは反対側の面には、必要に応じて耐熱層が設けられてもよい。
【0041】
本発明の転写シートは、PDPの層構成の積層に際して、そのインキ層を、熱ロール、レーザー光、サーマルヘッド、熱プレス等の方法によりPDP基板上に転写されるのに使用されるが、そのインキ層表面は平滑であり、転写性に優れるものであり、また、気泡等を巻き込まないものとできる。
【0042】
PDP基板上に転写されたそれぞれのインキ層は、350℃〜650℃の焼成温度でインキ層における樹脂等の有機成分を気化、分解、揮発させ、また、溶融したガラスフリットにより無機骨材が緻密に結合したものとできるものであり、転写されたインキ層の表面もベースフイルムの平滑性に対応した平滑面とできる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0044】
(実施例1)・・・(誘電体層形成用転写シート)
組成
をビーズミルを使用して混合分散処理した後、ポリエチレンテレフタレートフイルム上にコンマコート塗布し、100℃で乾燥し、膜厚20±2μmのインキ層を形成した。形成されたインキ層表面は、平滑性に優れるものであった。そのインキ層表面上にポリエチレンフイルムをラミネートし、本発明の転写シートを作製した。
【0045】
得られた転写シートを、曲げ試験(JIS K5400 6.16 耐屈曲性試験)したところが、10mmに耐え、インキ層は剥離せず、良好に保持されていた。
【0046】
次いで、ポリエチレンフイルムを剥離し、オートカットラミネーター(旭化成(株)製、型式ACL−9100)を使用し、基板プレヒート温度80℃、ラミロール温度100℃の転写条件で、電極付きガラス基板上にラミネートした。
【0047】
ポリエチレンテレフタレートフイルムを剥離し、転写性について目視、光学顕微鏡及び電子顕微鏡により確認したところ、抜けもなく、きれいに転写した。
【0048】
次に、ピーク温度570℃で焼成し、誘電体層を形成した。焼成後の膜厚は10±1μmであり、表面平滑性に優れる誘電体層を形成できた。
【0049】
(実施例2)・・・(下地層形成用転写シート)
組成
をビーズミルを使用して混合分散処理した後、ポリエチレンテレフタレートフイルム上にロールコート塗布し、100℃で乾燥し、膜厚20±2μmのインキ層を形成した。形成されたインキ層表面は、平滑性に優れるものであった。そのインキ層表面上にポリエチレンフイルムをラミネートし、本発明の転写シートを作製した。
【0050】
得られた転写シートを、曲げ試験(JIS K5400 6.16 耐屈曲性試験)したところが、10mmに耐え、インキ層は剥離せず、良好に保持されていた。
【0051】
次いで、ポリエチレンフイルムを剥離し、オートカットラミネーター(旭化成(株)製、型式ACL−9100)を使用し、基板プレヒート温度60℃、ラミロール温度100℃の転写条件で、ガラス基板上にラミネートした。
【0052】
ポリエチレンテレフタレートフイルムを剥離し、転写性について目視、光学顕微鏡及び電子顕微鏡により確認したところ、気泡の抱き込み等がなく、また、抜けのない、転写性に優れるものであった。
【0053】
次いで、ピーク温度600℃で焼成し、ガラス基板上に下地層を形成した。焼成後の膜厚は9±1μmであり、表面平滑性に優れた下地層を形成できた。
【0054】
(参考例)・・・(電極形成層形成用転写シート)
下記組成
・感光性樹脂(下記組成) ・・・・ 20重量部
・銀粉(平均粒径1μm、粒径が15μm以上の粒子が0重量%)
・・・・ 70重量部
・ガラスフリット{主成分;Bi2 O3 、SiO2 、B2 O3 (無アルカリ)平均粒径1μm、粒径が15μm以上の粒子が0重量%、軟化点600℃}
・・・・ 5重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・・ 20重量部
(感光性樹脂内訳
・アルカリ現像型バインダーポリマー(メチルメタクリレート/メタクリル酸共 重合体にグリシジルアクリレートを7mol%添加したもの、酸価100mg KOH/g) ・・ 100重量部
・ポリオキシエチル化トリメチロープロパントリアクリレート
・・・ 60重量部
・光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア907」)
・・・ 10重量部)
の電極形成層形成用塗布液を、ポリエチレンテレフタレートフイルム上にスリットリバースコート法により塗布し、乾燥膜厚15μmの電極形成層を有する電極形成用転写シートを作製した。形成された電極形成層表面は、平滑性に優れるものであった。
【0055】
実施例2において、ガラス基板上に転写形成した下地形成層上に、上記で作製した電極形成用転写シートを電極形成層側から90℃の熱ロールを使用してラミネートした。
【0056】
次いで、ポリエチレンテレフタレートフイルム上からPDPのアドレス電極のネガパターンマスクを介して紫外線を700mJ/cm2 照射した後、ポリエチレンテレフタレートフイルムを剥離し、0.5%炭酸ナトリウム水溶液現像液を使用し未露光部を剥離し、現像した。
【0057】
得られたついてアドレス電極を目視、光学顕微鏡及び電子顕微鏡により確認したところ、抜けもなく、転写性に優れるものであった。
【0058】
次いで、基板全体を600℃で焼成し、膜厚9μmの下地層と膜厚6μm、幅70μmのPDP用アドレス電極パターンを形成できた。
【0059】
(比較例)
組成
をビーズミルを使用して混合分散処理した後、ポリエチレンテレフタレートフイルム上にコンマコート塗布し、100℃で乾燥し、膜厚20±2μmのインキ層を形成した。形成されたインキ層表面はマット状であった。
【0060】
次いで、オートカットラミネーター(旭化成(株)製、型式ACL−9100)を使用し、基板プレヒート温度80℃、ラミロール温度100℃の転写条件で、電極付きガラス基板上にラミネートした。ポリエチレンテレフタレートフイルムを剥離し、転写性について目視、光学顕微鏡及び電子顕微鏡により確認したところ、転写面に抜けが生じ、転写シートとしては使用できないものであった。
【0061】
【発明の効果】
本発明の転写シートは、例えば、PDP構成層を別途用意した転写シートにより形成するシステムに使用するのに適し、作製時間を短縮でき、歩留りを向上させることができると共に、転写抜け等がなく転写性に優れる転写シートとでき、また、転写により形成されるPDP構成層は、ベースフイルムの表面に対応したものであるので表面平滑性に優れ、かつ膜厚が均一で分布精度の良好なものとできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の転写シートをその断面で説明するための図である。
【図2】 AC型プラズマディスプレイパネルを説明するための図である。
【図3】 AC型プラズマディスプレイパネルの他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
1は前面板、2は背面板、3はセル障壁、4は維持電極、5はバス電極、6、6′は誘電体層、7はMgO層、8はアドレス電極、9は蛍光体層、10は下地層、11はベースフイルム、12はインキ層である。
Claims (1)
- ベースフイルム上に、少なくもガラスフリットを有する無機粒子および焼成により除去される樹脂とを含有するインキ層を有する転写シートにおいて、該インキ層が無機粒子100重量部に対して焼成により除去される樹脂を2重量部〜70重量部の割合で含有すると共に、該インキ層の乾燥膜厚より粒子径が大である無機粒子が、全無機粒子中4.0625重量%〜30重量%の割合であり、プラズマディスプレイパネルにおける誘電体形成層または下地形成層作製用であることを特徴とする転写シート。
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