JP3701099B2 - 感圧複写下用紙およびこれを有した感圧複写帳票 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノーカーボンタイプの感圧複写下用紙および感圧複写帳票に関し、さらに詳しくは、感圧複写上用紙から感圧複写下用紙に複写された情報の改ざんやカラーコピー機などによる偽造の防止に好適に利用できる感圧複写下用紙およびこれを有した感圧複写帳票に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、基体シート裏面にクリスタルバイオレットラクトン、ベンゾロイコメチレンブルーなどの電子供与性の発色剤を包含したマイクロカプセル層が施された感圧複写上用紙と、基体シート表面にフェノールホルムアルデヒドレジンや活性白土などの電子受容性の顕色剤層が施された感圧複写下用紙とを組み合わせた感圧複写帳票は公知であり、各種の配送票、申込書、DMなどに好適に利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、感圧複写下用紙に複写された情報は、時として、悪意の第三者などにより改ざんされたり、偽造されたりする場合がある。これらは、例えば、複写情報を削り取り、新たに別の感圧複写上用紙をもって改ざん情報を書き加えたり、あるいは高性能のカラーコピー機をもって感圧複写下用紙そのものを偽造することによりなされる場合もある。
【0004】
そこで、本発明は、このような問題を鑑み、感圧複写下用紙に複写された情報の改ざんやコピー機による偽造を防止させる感圧複写下用紙およびこれを有した感圧複写帳票の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
近年、レーザに関する技術の発展は目覚ましく、特に、可変マスク、プロッター機構(XY軸方向移動機構)、ポリゴンミラーなどによってレーザ光を自在に移動・偏向させる技術は、部品製造業の分野、とりわけ金属面へのマーキングなどに多用されており、最近、急速にその技術が発達し、マイクロ文字などのマーキングも可能となっている。
【0006】
そこで、本発明者は、このレーザ技術に着目し、上記目的を達成するため、レーザ照射により基体シート表面の顕色剤層を選択的に削り取り、所定形状の複写不能部を施してなる新規の感圧複写下用紙を作成し、これを利用することにより改ざんや偽造を困難とさせる感圧複写帳票を提供できることを見いだし、本発明を想到した。
【0007】
すなわち本発明の感圧複写下用紙は、基体シート裏面に施された顕色剤層に、レーザ照射にて選択的に顕色剤が削り取られてなる所定形状の複写不能部が施されてなることを特徴とする。
【0008】
また、好ましい本発明の感圧複写下用紙は、上記複写不能部の形状がマイクロ文字、線条、繰り返し模様などの微細パターンであることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の感圧複写帳票は、所定形状の複写不能部が施された顕色剤層表面所定部に情報複写部を有した上記感圧複写下用紙からなる下位帳票と、表面に前記情報複写部に対応した情報記入部を有した感圧複写上用紙からなる上位帳票とを分離可能に綴じ合わせてなる。
【0010】
感圧複写下用紙の顕色剤層への所定形状の複写不能部の形成は、レーザ照射装置に入力された所定の形状データに基づき、該顕色剤層に対してレーザ光を照射することにより行われる。選択的にレーザ照射を受けた部分の顕色剤は燃焼もしくは昇華して瞬時に削り取られ、これにより所定形状の複写不能部が施される。
【0011】
所定形状の複写不能部は、複写記入欄の大きさ、すなわち記入文字の大きさにによるが、通常は複写情報を判読し難くさせない程度の微細のものが好ましい。したがって、マイクロ文字、線条、繰り返し模様などの微細パターンが好適である。このような形状の複写不能部が形成されると、複写情報に微細パターンなどからなる白抜き画像が組み込まれるため、改ざんが困難であると共にコピー機により現出し難く偽造も困難となる。
【0012】
【発明の実施形態】
以下、本発明を好適な実施例に基づき詳細に説明する。なおここにおいて、図1は本発明の感圧複写下用紙の表面平面図および付帯の部分拡大図、図2は図1の部分拡大図の概略的断面説明図、図3は本発明の感圧複写帳票の分解説明図、図4は感圧複写下用紙に施された複写情報の拡大説明図、図5は顕色剤層への所定形状の複写不能部の形成方法説明図である。
【0013】
図1に示すように、本発明の感圧複写下用紙1の基本構成は、基体シートFの裏面に顕色剤層Cが施され、かつ、付帯の部分拡大図が示すように、顕色剤層Cには、レーザ照射により顕色剤が選択的に削り取られてなる所定形状の複写不能部Dが施されてなる。この複写不能部Dは、例えば、部分拡大図(イ):マイクロ文字や(ロ):線条(直線、波線、破線、点線等)などの微細パターンで構成され、図2に示すように、顕色剤が除去されているために複写機能を有さない。
【0014】
次に、本発明の感圧複写帳票の実施例を挙げる。
図3に示すように、本実施例の感圧複写帳票10は、「領収証(控)」たる本発明の感圧複写下用紙1からなる下位帳票11と「領収証」たる感圧複写上用紙2からなる上位帳票12とが端部でミシン線と接着剤により分離可能に綴じ合わされてなる。感圧複写下用紙1、感圧複写下用紙2の基体シートF表面の所定部にはタイトル、会社名、説明文などの一般情報3が施されていると共に、感圧複写上用紙2には顧客名欄、領収年月日欄、金額欄などの情報記入部4が、感圧複写下用紙1には、これに対応する情報複写部5がそれぞれ施され、もって下位帳票11および上位帳票12を構成している。
【0015】
したがって、上位帳票12の情報記入部4に所定情報を記入すると、下位帳票11の情報複写部5に施された複写情報6には、図4に示すように、感圧複写下用紙1における顕色剤層Cの所定形状の複写不能部Dに対応した微細パターンの白抜き画像d(本図では点線で表示)が組み込まれる。
【0016】
なお、本発明における感圧複写下用紙は、顕色剤の水性塗料を基体シート表面全面に塗布して顕色剤層が施されてなるものであっても、顕色剤インクにて情報複写部を包含した所定領域にスポット的に顕色剤層が施されてなるものであっても良い。また、所定形状の複写不能部は、顕色剤層全面でも、あるいは所望の部分にのみスポット的に施されていても構わない。さらに、基体シート裏面に発色剤マイクロカプセル層を形成し、感圧複写中用紙としても構成してもよい。
【0017】
以下、図5に基づき、顕色剤層への所定形状の複写不能部の形成方法の一例を挙げ説明する。顕色剤層Cへの所定形状の複写不能部の形成は、マージナル部に多数の送り孔Hが設けられた従来構成の感圧複写下用紙ウエブW(以下、ウエブWと記す)に対して行われる。このウエブWは、長尺の基体シートF表面に顕色剤インキをもってスポット的に顕色剤層Cが施されてなる。
【0018】
送り孔Hはトラクタ装置Tのトラクタピンに係合しており、ウエブWはトラクタ装置Tの駆動により所定方向に移送される。ウエブWの移送経路には、可変マスクを内蔵した炭酸ガスレーザ光発振器Lと、これから発せられたレーザ光の進行方向を変換し可変情報を形成するため、ウエブWの幅方向および移送方向に移動可能なプロッター機構(図示せず)に組み込まれ、回転自在に構成された二対の偏光ミラーM,Mなどが備えられている。
【0019】
トラクタ装置TにはウエブWの送り量検出用のエンコーダが連繋しており、トラクタ装置Tの回転量をパルス信号に変換することで送り量を検出している。変換されたパルス信号が制御部に送られると、制御部は送り量に対応するタイミング、すなわち、レーザ照射位置(この位置には焦点安定用の吸引ドラムVが設置されている)に顕色剤層Cが到達した時点で、入力された形状データに基づき、レーザ光発振器Lと偏光ミラーM,Mの駆動部に制御信号を発し、レーザ発振と駆動を制御する。
【0020】
このようにして、選択的にレーザ照射を受けた部分の顕色剤は瞬時に削り取られ、これにより顕色剤層Cに所定形状の複写不能部Dが施される。また、複写不能部Dの形状の変更は、制御部に入力された別の形状データに基づいた別の制御信号によりなされる。
【0021】
なお、この図5に示す複写不能部の形成例では、顕色剤層への所定形状の複写不能部の形成のため、可変マスクを介してレーザ光を照射し、かつプロッター機構に組み込まれ、回転自在に構成された偏光ミラーを備えたレーザ照射装置を使用しているが、本発明はこれに限定されず、レーザ画像形成に使用される種々のタイプのレーザ照射装置が利用できる。
【0022】
また、レーザ光照射時にレーザ光の焦点距離がブレないように、レーザ照射位置には焦点安定用の吸引ドラムVが設置され、さらにトラクタ装置Tと二対のガイドロールR,R間にテンションを掛け、帳票が弛まないようにしているが、この方法以外でも、例えば、所定のラップアングルにて大径ロールに巻き込み、このラップ部分にレーザ照射部を設定してもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の感圧複写下用紙およびこれを有した感圧複写帳票によれば、レーザ照射により顕色剤を選択的に削り取り、顕色剤層に所定形状の複写不能部を施したことで、複写情報に微細パターンなどからなる白抜き画像が組み込まれ、改ざんが困難であると共に、これはコピー機により現出し難いので偽造も困難となるといった効果を泰する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感圧複写下用紙の表面平面図および付帯の部分拡大図。
【図2】図1の部分拡大図の概略的断面説明図。
【図3】本発明の感圧複写帳票の分解説明図。
【図4】感圧複写下用紙に施された複写情報の拡大説明図。
【図5】顕色剤層への所定形状の複写不能部の形成方法説明図。
【符号の説明】
1 感圧複写下用紙
2 感圧複写上用紙
4 情報記入部
5 情報複写部
6 複写情報
10 感圧複写帳票
11 下位帳票
12 上位帳票
F 基体シート
C 顕色剤層
D 複写不能部
d 白抜き画像
W 従来構成の感圧複写下用紙ウエブ
L レーザ光発振器
M 偏光ミラー
V 吸引ドラム

Claims (3)

  1. 基体シート裏面に施された顕色剤層に、レーザ照射にて選択的に顕色剤が削り取られてなる所定形状の複写不能部が施されてなる感圧複写下用紙。
  2. 複写不能部の形状がマイクロ文字、線条、繰り返し模様などの微細パターンである請求項1記載の感圧複写下用紙。
  3. 所定形状の複写不能部が施された顕色剤層表面所定部に情報複写部を有した請求項1記載の感圧複写下用紙からなる下位帳票と、表面に前記情報複写部に対応した情報記入部を有した感圧複写上用紙からなる上位帳票とを分離可能に綴じ合わせてなる感圧複写帳票。
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