JP3729377B2 - 位置合わせ用油圧移動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、二物体間における水平方向への相対位置を調整して位置合わせを行う油圧移動装置に関し、さらに詳しくは、当該油圧移動装置を一方の物体へと装着して二物体間の水平および垂直方向への相対位置関係を調整することのできる位置合わせ用油圧移動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような場合に使用される位置合わせ用油圧移動装置としては、例えば、昭和49年特許出願公告第42742号公報にみられるようなものが既に一般に広く知られている。
【0003】
すなわち、このものは、基台上に摺動盤を介装して油圧ジャッキを移動可能に載せ、これら基台と油圧ジャッキとの間に直角状態を保って二つの油圧シリンダを水平方向へと向けて配置し、かつ、油圧ジャッキに対する一方の油圧シリンダの連結点のみを固定して二つの油圧シリンダを基台と油圧ジャッキに対し水平方向へと揺動自在に連結する。
【0004】
そして、油圧ジャッキの上に一方の物体を載せて支持し、この状態で二つの油圧シリンダを選択的に押引操作して、油圧ジャッキごと一方の物体の移動方向を調整しつつ他方の物体へと向い基台上を移動させて両物体の水平方向への相対位置関係を合わせる。
【0005】
しかる後に、油圧ジャッキを伸縮操作して一方の物体を上下に動かし、このようにして、両物体の垂直方向への相対位置関係をも合わせて二物体の位置合わせを行うようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そのために、このものによれば、区画整理に伴うビルディングや家屋の移設作業などのように重量物を所望の位置に移動させたり、ブロック造船法による各船体ブロック同志の位置合わせのように二物体の位置関係を正確に調整して突き合わせるような場合等の使用には極めて適している。
【0007】
しかし、その反面、フェリー船などの出入口から岸壁に掛け渡す桟橋やギャングウェイなどの搭乗橋、或いは、荷物搬送装置の荷台やトレーラとトラクタなどのように、それ自身が動いて移動する物体に当該位置合わせ用油圧移動装置を装着した場合には、移動中に発生する振動により位置合わせ用油圧移動装置が飛び跳ねて衝撃を発生し、装着物体自体の移動が不安定となったり、場合によっては位置合わせ用油圧移動装置や装着物体に損傷が生じるという問題点を有する。
【0008】
また、そればかりでなく、特に、トレーラとトラクタ或いは橋桁と橋脚のように、二物体を上下に重ねて位置合わせした後にこれらを相互に連結しようとするものにあっては、当該位置合わせ用油圧移動装置の油圧ジャッキが台座上から大きく突き出しているので、位置合わせ後の二物体間に大きな段差ができて連結作業ができなくなるという問題点をも生じる。
【0009】
したがって、この発明の目的は、移動中の振動により位置合わせ用油圧移動装置が装着物体から飛び跳ねるのを制限して移動する物体への設置を可能にすると共に、位置合わせ用油圧移動装置の二物体間への突出寸法を最小限に保ってこれら二物体の連結作業をも可能とした位置合わせ用油圧移動装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的は、この発明において、装着物体に平面盤と側壁盤および鍔状盤とで囲んで取付スペースを設け、この取付スペースの内部に鍔状盤の内面と係合するフランジを備えた油圧ジャッキを平面盤と鍔状盤とで上下方向への相対変位を制限しつつ、一端を鍔状盤から外部へと突出可能として水平方向へとあらゆる向きに移動可能に配置し、かつ、油圧ジャッキの他端と平面盤の内面に低摩擦力となる摺動盤と摺接板を配設する一方、油圧ジャッキと側壁盤との間に直角状態を保って二つの油圧シリンダを水平方向に向けて介装し、これら油圧シリンダを側壁盤へと水平揺動可能に装着すると共に、油圧ジャッキに対してはその一方を水平方向へと揺動自在に、また、他方は水平方向への揺動を拘束して連結することにより達成される。
【0011】
すなわち、上記のように構成することで、位置合わせ用油圧移動装置は、通常時にフランジと鍔状盤の係合(倒立時)によって、または、油圧ジャッキのボトム側である他端に設けた摺動盤と平面盤の当接(正立時)で自重を支持され、かつ、平面盤または鍔状盤で油圧ジャッキの跳ね上がり量をも制限しつつ装着物体に設けた取付スペース内に保持されている。
【0012】
また、上記に加えて、位置合わせ用油圧移動装置のあらかたの部分は、他方の物体に対する装着物体の位置合わせ面から反対側の方向にある取付スペース内へと向って大きく延び、二物体間への位置合わせ用油圧移動装置の突出寸法を最小限に保つことになる。
【0013】
かくして、位置合わせ用油圧移動装置を移動する物体に対して装着したとしても、装着物体の移動中に発生する振動で位置合わせ用油圧移動装置が飛び跳ねるのを平面盤または鍔状盤で制限して抑え、装着物体自体の移動が不安定になったり、或いは、位置合わせ用油圧移動装置や装着物体が損傷を受けるのをも未然に防止する。
【0014】
さらに、装着物体と他方の物体とが位置合わせ後において相互に連結される物体であった場合にも、位置合わせ操作によって装着物体と他方の物体との間に大きな段差ができて連結作業ができなくなるという恐れをも除去する。
【0015】
しかも、これらに加えて、位置合わせ操作時には、何れか一方または両方の物体を動かして両物体を所定範囲内の相対位置関係に移動させ、この状態から位置合わせ用油圧移動装置の油圧ジャッキを伸ばして伸縮ロッドの先端を他方の物体に押し付け、反力で摺動盤を平面盤の摺接板へと押し付けながら油圧ジャッキで両物体間に突っ張り力を加える。
【0016】
しかる後に、油圧ジャッキと側壁盤との間に直角状態を保って水平方向に介装した二つの油圧シリンダを選択的に押引操作し、これら二つの油圧シリンダの押引力により摺動盤と摺接板の間を滑らせつつ装着物体と油圧ジャッキの相対的な水平方向位置を調整する。
【0017】
この場合において、油圧ジャッキに対する一方の油圧シリンダの連結点のみが水平方向への揺動を拘束して連結してあるために、油圧ジャッキは、当該一方の油圧シリンダに対して回動運動を行うことなく移動する。
【0018】
その結果、両物体は、側壁盤と油圧ジャッキを通して二つの油圧シリンダの選択的な押引動作と動作量とに応じ、移動抵抗の小さい方の物体が大きい方の物体に対し所定位置へと移動して両物体の位置合せが行われる。
【0019】
また、両物体の位置合わせ操作の終了後は、油圧ジャッキを縮めて他方の物体から離し、かつ、二つの油圧シリンダを中間動作位置に操作して位置合わせ用油圧移動装置を最初の状態に戻す。
【0020】
これにより、位置合わせ用油圧移動装置は、先に述べた通常時の状態へと戻って鍔状盤或いは平面盤で自重を支持され、かつ、これら平面盤または鍔状盤で跳ね上がりをも制限して取付スペース内に保持され、次の位置合わせ操作に備えることになるのである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を添付図面に基いて説明していくことにする。
【0022】
図1は、この発明による位置合わせ用油圧移動装置1を示すもので、位置合わせを行う二物体2,3の装着側である一方の物体(装着物体)2には、断面で示したように平面盤4と側壁盤5および鍔状盤6とで取り囲んで作った取付スペース7を形成して(勿論、別体にして取り付けてもよい)設けてある。
【0023】
取付スペース7の内部には、フランジ8を備えた油圧ジャッキ9を倒立状態に保って収装し、このフランジ8をテフロン等の低摩擦材料からなる摺動盤10を挟んで鍔状盤6の内面に載せ、当該摺動盤10を介して油圧ジャッキ9を水平方向に移動可能に載置している。
【0024】
油圧ジャッキ9から延びる伸縮ロッド11の先端には、鍔状盤6からの突出を可能にして当接盤12を配設し、かつ、伸縮ロッド11の最圧縮時における鍔状盤6からの突出寸法をも最小限に保って設けてある。
【0025】
なお、当接盤12は、伸縮ロッド11の他方の物体3への当接時において両者間の傾き差を吸収するためのものであって、通常クレーン車などのアウトリガーで広く一般に用いられているように球面体13を介して油圧ジャッキ9における伸縮ロッド11の先端に揺動自在に連結している。
【0026】
このことから、上記した当接時の傾きを吸収する必要がない場合には、球面体13を介することなく当接盤12を伸縮ロッド11の先端に固定するなり、或いは、伸縮ロッド11の先端をそのまま直に他方の物体3へと当てるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0027】
また、油圧ジャッキ9の上端であるボトム側には、プレート14を介して同じく低摩擦材料からなる摺動盤15を取り付け、この摺動盤15を平面盤4の内面に張設したステンレスなどの材料からなる摺接板16との間に僅かの隙間を残して対向させている。
【0028】
かくして、油圧ジャッキ9は、上下動を摺動盤10,15と鍔状盤6および平面盤4との衝合によって規制され、かつ、鍔状盤6と摺動盤10の摺接によって油圧ジャッキ9を水平方向へとあらゆる向きに移動可能に支持している。
【0029】
一方、取付スペース7を形成する側壁盤5と油圧ジャッキ9との間には、直角状態を保って二つの油圧シリンダ17,18をそれぞれ水平方向へと向けて揺動自在に介装してある。
【0030】
図2にみられるように、これら油圧シリンダ17,18の一端は、側壁盤5へと垂直連結ピン19,20で水平方向へと向いそれぞれ揺動自在に軸支して連結している。
【0031】
それに対して、油圧ジャッキ9へは、油圧シリンダ17の他端を垂直連結ピン21で水平方向へと向い揺動自在に軸支し、油圧シリンダ18の他端は、向きを異にする水平連結ピン22で水平方向への揺動を規制して連結している。
【0032】
次に、以上のように構成したこの発明による位置合わせ用油圧移動装置1の作用について説明する。
【0033】
通常時において、油圧ジャッキ9は、装着物体2に対し摺動盤10を介してフランジ8と鍔状盤6との係合により自重を支持され、かつ、これら両者の係合と平面盤4および摺動盤15との係合によって油圧ジャッキ9の跳ね上がりをも制限しつつ装着物体2に設けた取付スペース7内に保持される。
【0034】
しかも、この状態において、油圧ジャッキ9のあらかたの部分は、他方の物体3に対する装着物体2の位置合わせ面から反対側の方向にある取付スペース7内へと向って延び、装着物体2と他方の物体3との間への油圧ジャッキ9の突出寸法を最小限に保つことになる。
【0035】
これによって、位置合わせ用油圧移動装置1を取り付ける装着物体2が移動する物体であったとしても、装着物体2の移動中に発生する振動で油圧ジャッキ9が飛び跳ねるのを平面盤4と鍔状盤6で制限して抑え、装着物体2自体の移動が不安定になったり、位置合わせ用油圧移動装置1や装着物体2が損傷を受けるのを未然に防止する。
【0036】
また、これと併せて、装着物体2と他方の物体3とが位置合わせ後に相互に連結される物体であった場合にも、位置合わせ操作によって装着物体2と他方の物体3との間に大きな段差ができて連結作業ができなくなるという恐れをも除去することができる。
【0037】
一方、位置合わせ操作時には、装着物体2と他方の物体3の何れか一方または両方を動かしてそれらを所定範囲内の相対位置関係に移動させ、この状態から油圧ジャッキ9を伸ばして伸縮ロッド11の先端を他方の物体3に押し当てつつ反力で油圧ジャッキ9の本体部分を押し上げる。
【0038】
これにより、油圧ジャッキ9のフランジ8が装着物体2側の鍔状盤6から浮き上がって離れると共に、プレート14に設けた摺動盤15が平面盤4側にある摺接板16へと押し付けられ、当該油圧ジャッキ9で装着物体2と他方の物体3との間に突っ張り力を加える。
【0039】
しかる後に、油圧ジャッキ9と側壁盤5との間に直角状態を保って水平方向に介装した二つの油圧シリンダ17,18を選択的に押引操作し、これら二つの油圧シリンダ17,18の押引力により、摺動盤15と摺接板16の間を滑らせつつ装着物体2と油圧ジャッキ9の相対的な水平方向位置を調整する。
【0040】
なお、この場合において、油圧ジャッキ9と油圧シリンダ18の連結点のみが水平連結ピン22によって結合されているために、油圧ジャッキ9は、油圧シリンダ18に対して回動運動を行うことなく移動する。
【0041】
その結果、装着物体2と他方の物体3は、側壁盤5と油圧ジャッキ9を通して二つの油圧シリンダ17,18の選択的な押引動作と動作量とに応じ、移動抵抗の小さい方が大きい方に対して所定位置へと移動し、これら装着物体2と他方の物体3との位置合せが行われる。
【0042】
また、上記装着物体2と他方の物体3との位置合わせ操作を終了した後は、油圧ジャッキ9の伸縮ロッド11を縮めて他方の物体3から離し、この状態を保ちながら二つの油圧シリンダ17,18を中間動作位置に操作して位置合わせ用油圧移動装置1を最初の状態に戻す。
【0043】
このときに、油圧ジャッキ9は、フランジ8の摺動盤10を介して鍔状盤6により支持されながら、当該鍔状盤6上に沿いつつ滑って最初の位置に戻ることになる。
【0044】
そのために、油圧ジャッキ9の重量が大きい場合には、当該実施の形態のように鍔状盤6とフランジ8との間に摺動盤10を介装して摺動抵抗を下げてやることが望ましいが、油圧ジャッキ9の重量がある程度以下で摺動抵抗が小さい場合にあっては、必ずしも摺動盤10を介して油圧ジャッキ9支持してやる必要はない。
【0045】
このようにして、位置合わせ用油圧移動装置1は、先に述べた通常時の状態へと戻って取付スペース7へと格納され、鍔状盤6とフランジ8との係合により油圧ジャッキ9の自重を支持しつつ平面盤4と鍔状盤6とで跳ね上がりをも制限する。
【0046】
しかも、これと併せて、装着物体2の位置合わせ面への油圧ジャッキ9の突出寸法を最小限に保ち、装着物体2と他方の物体3が相互に連結される物体であったとしても、その連結作業を容易にして次の位置合わせ操作に備えることになるのである。
【0047】
なお、上記したこの発明の実施の形態にあっては、位置合わせ用油圧移動装置1における油圧ジャッキ9を倒立状態にして上位の物体2に装着した場合について説明してきたが、逆に、油圧ジャッキ9を正立状態にして位置合わせ用油圧移動装置1を下位の物体3側に同様にして装着したとしても使用し得ることは、これまでの説明に基いて容易に理解できよう。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、位置合わせ用油圧移動装置を移動する物体へと装着したとしても、当該物体の移動中に発生する振動で位置合わせ用油圧移動装置が飛び跳ねるのを制限して、装着物体自体の移動が不安定になったり位置合わせ用油圧移動装置や装着物体が損傷を受けるのをも未然に防止することができる。
【0049】
しかも、この場合において、二物体間への位置合わせ用油圧移動装置の突出寸法を最小限に保つことができるので、位置合わせ操作後に二物体間に大きな段差ができて連結作業ができなくなるという点をも除去し得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による位置合わせ用油圧移動装置の実施の形態を一部切断して示す正面図である。
【図2】上記した位置合わせ用油圧移動装置を図1のA−A線から切断して上方からみた平面図である。
【符号の説明】
1 位置合わせ用油圧移動装置
2 装着物体
3 物体
4 平面盤
5 側壁盤
6 鍔状盤
7 取付スペース
8 フランジ
9 油圧ジャッキ
15 摺動盤
16 摺接板
17,18 油圧シリンダ
19,20,21 垂直連結ピン
22 水平連結ピン

Claims (1)

  1. 二物体間に介在した油圧ジャッキを油圧シリンダにより横方向へと向けてあらゆる向きに移動させならがこれら二物体間の位置合わせを行う油圧式の移動装置において、装着物体に平面盤と側壁盤および鍔状盤とで囲んで取付スペースを設け、この取付スペースの内部に鍔状盤の内面と係合するフランジを備えた油圧ジャッキを平面盤と鍔状盤とで上下方向への相対変位を制限しつつ、一端を鍔状盤から外部へと突出可能として水平方向へとあらゆる向きに移動可能に配置し、かつ、油圧ジャッキの他端と平面盤の内面に低摩擦力となる摺動盤と摺接板を配設する一方、油圧ジャッキと側壁盤との間に直角状態を保って二つの油圧シリンダを水平方向に向けて介装し、これら油圧シリンダを側壁盤へと水平揺動可能に装着すると共に、油圧ジャッキに対してはその一方を水平方向へと揺動自在に、また、他方は水平方向への揺動を拘束して連結したことを特徴とする位置合わせ用油圧移動装置。
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