JP3843379B2 - ディスクブレーキ及びディスクブレーキ用パッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に装着されるキャリパ浮動形のディスクブレーキの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一例として、一般に自動車に装着されるキャリパ浮動形のディスクブレーキについて図4を用いて説明する。
【0003】
図4に示すように、ディスクブレーキ1は、キャリパ浮動形ディスクブレーキであって、キャリパ本体2には、車輪(図示せず)と共に回転するディスクロータ3の一側(通常は、車体に対して内側、図4では図の背面側)の摺動面に対向させてピストン(図示せず)を嵌装した油圧シリンダ(図示せず)が設けられ、他側の摺動面に対向させて爪部4が設けられており、キャリパ本体2の油圧シリンダ側と爪部4側とがディスクロータ3を跨ぐブリッジ部5によって互いに連結されている。ディスクロータ3の両側には、油圧シリンダのピストンおよび爪部4にそれぞれ対向する一対のパッド6(爪部4側のみ図示する)が設けられている。
【0004】
キャリパ本体2は、キャリヤ8に取付けられたスライドピン9によってディスクロータ3の軸方向に沿って移動可能に案内されている。また、ディスクロータ3の両側に配置されたパッド6は、その裏金10のディスクロータ3の回転方向両端部に設けられた凹部11がキャリア8の凸部12に嵌合されて、ディスクロータ3の軸方向に沿って摺動可能に案内されている。キャリヤ8は、ディスクロータ8の一側に配置された取付部13を車体側(図示せず)に結合して固定される。
【0005】
そして、マスタシリンダ(図示せず)からの圧油をキャリパ本体2の油圧シリンダに供給してそのピストンを前進させることにより、一方のパッド6の摩擦材14(図示せず)をディスクロータ3の一側の摺動面に押しつけるとともに、その反力によってキャリパ本体2をスライドピン9に沿って移動させて、ブリッジ部5を介して爪部4によって他方のパッド6の摩擦材14(図5参照)をディスクロータ3の他側の摺動面に押しつけて制動力を発生させる。このとき、パッド6に作用するディスクロータ3の回転力をキャリア8で受けて取付部13を介して車体側に伝達する。
【0006】
ところで、前述したようなディスクブレーキ1では、図5に示すように、キャリパ本体2のブリッジ部5と爪部4との結合部の強度を確保するために、結合部は内側にアール部(丸み)rが設けられた形状となっている。そして、このアール部rとの干渉を避けるために、パッド6の裏金10の爪部4との対向面の外周部には、面取り部15が形成されている。これにより、この面取り分だけ、パッド6をキャリパ本体2のブリッジ部5の近傍まで配置することができ、パッド6の摩擦材14の摺動面積をディスクロータ3の径方向(以下、径方向という)に大きくとることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のディスクブレーキ1では、キャリパ本体2のブリッジ部5の内周面5a(半径R1)と、パッド6の裏金10の外周部10a (半径R2)と、裏金10の面取り部15の内周部15a (半径R3)とは、ディスクロータ3の中心O1を中心とする同心円上にあり、それらの半径R1,R2,R3の関係は、R1>R2>R3となっている。
【0008】
このため、上記のようなキャリパ浮動形のディスクブレーキおいて、例えば、大径のディスクロータのキャリパをより小径のディスクロータにも適用しようとした場合、すなわち、径の異なるディスクロータ間でキャリパを共用しようとした場合には、ブリッジ部5の内周面5aの半径R1、パッド6の裏金10の外周部10a の半径R2、裏金10の面取り部15の内周部15a の半径R3が同心であるため、次に述べるような問題点があった。
【0009】
例えば、上記図4および図5に示すキャリパをより小径のディスクロータに適用しようとした場合、ブリッジ部5の内周面5aの半径R1とパッド6の裏金10の外周部10a の半径R2とが当該大径のディスクロータ3に合わせて同心となっているため、ブリッジ部5のディスクロータ回転方向の両端部(入口側および出口側)において、パッド6の摩擦材14の外周側部分が小径のディスクロータの外周からはみ出すことになってしまう。
【0010】
そこで、ブリッジ部5のディスクロータ回転方向両端部において、パッド6の摩擦材14の外周部が小径のディスクロータの外周からはみ出さないように、例えば、図6に示すように、小径のディスクロータに合わせて、パッド6の裏金10の外周部10a の半径R2をより小径の半径R2′(<R2)とし、その中心を中心O1から図中上方へずらして中心O1′(小径のディスクロータの中心)とすることが考えられる。
【0011】
しかしながら、このようにした場合、裏金10の外周部10a の面取り部15の幅が一定であるため、外周部10a の半径R2′を小さくした(曲率を大きくした)分だけ、裏金10の両端部の凹部11と面取り部15の両端部との間の寸法C1が小さくなり、裏金10の両端部の強度が低下する虞がある。
【0012】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、キャリパ浮動形のディスクブレーキにおいて、より小径のディスクロータに対してキャリパを共用することができるディスクブレーキを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、車体側に固定されたキャリヤと、デ
ィスクロータの両側に配置されて前記キャリヤによって前記ディスクロータの軸方向に移動可能に支持された一対のパッドと、該一方のパッドに対向するピストンを嵌装したシリンダと前記他方のパッドに対向する爪部と前記ディスクロータを跨いで前記シリンダと爪部とを互いに連結するブリッジ部とを有し、前記キャリヤによって前記ディスクロータの軸方向に移動可能に支持されたキャリパ本体とを備え、前記パッドの裏金の両端部に前記キャリヤに設けた凸部に嵌合する凹部を設け、前記爪部に対向するパッドの裏金の外周部に面取り部を設けたキャリパ浮動形のディスクブレーキにおいて、前記キャリパ本体のブリッジ部の内周面と、前記パッドの裏金の面取り部の内周部とを同心円上に配置し、前記パッドの裏金の外周部を前記面取り部の内周部よりも小径として、その中心を前記ブリッジ部の内周面および前記面取り部の内周部の中心に対して前記ブリッジ部の内周面よりに配置したことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、車体側に固定されたキャリヤと、該キャリヤによってディスクロータの軸方向に移動可能に支持され、ピストンを嵌装したシリンダと前記ディスクロータを挟んで前記ピストンに対向する爪部と前記ディスクロータを跨いで前記シリンダと爪部とを互いに連結するブリッジ部とを有したキャリパ本体とを備えたキャリパ浮動形のディスクブレーキに用いられ、摩擦材と裏金とから構成されて、少なくとも前記ディスクロータと前記爪部との間に設けられ、前記裏金の両端部に設けられた凹部が前記キャリヤに設けられた凸部に嵌合して前記ディスクロータの軸方向に移動可能に支持され、前記爪部に対向する前記裏金の外周部に面取り部が形成されたディスクブレーキ用パッドであって、前記パッドの前記面取り部の内周部の半径が前記裏金の外周部の半径よりも大きくなっていることを特徴とする。
【0014】
このように構成したことにより、キャリパ本体のブリッジ部の内周面とパッドの裏金の外周部との間隔は、ディスクロータの周方向の中央部付近よりも両端部付近の方が広くなり、また、パッドの裏金の面取り部は、ディスクロータの中央部付近の幅よりも両端部付近の幅の方が狭くなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態のディスクブレーキは、図4ないし図6に示す従来例に対して、キャリパ本体のブリッジ部、パッドの裏金の外周部および面取り部の形状が異なる以外は、概して同様の構造であるから、図4ないし図6に示すものと同様の部分には同一の番号を付して異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0016】
図1ないし図3に示すように、本実施形態のディスクブレーキ16では、キャリパ本体2のブリッジ部5の内周面5aの半径R4(中心O2)と、裏金10の外周部10a の半径R5(中心O3)と、裏金10の面取り部15の内周部15a の半径R6(中心O2)との関係がR4>R6>R5となっており、ブリッジ部5の内周面5aと面取り部15の内周部15a とが中心O2の同心円上に配置されており、裏金10の外周部10a は、その半径R5が面取り部15の内周部15a の半径R6よりも小さい分、その中心O3が中心O2に対してブリッジ部5の内周面5aよりに配置されている。
【0017】
したがって、ブリッジ部5の内周面5aと裏金10の外周部10a との間隔は、周方向の中央部付近よりも両端部付近の方が広くなっており、また、裏金10の面取り部10a は、中央部付近の幅W1よりも両端部付近の幅W2の方が狭くなっている(図1参照)。
【0018】
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
【0019】
ブリッジ部5の内周面5aの半径R4と、裏金10の外周部10a の半径R5と、裏金10の面取り部15の内周部15a の半径R6とをR4>R6>R5とし、ブリッジ部5の内周面5aと面取り部15の内周部15a とを中心O2を中心とする同心円上に配置し、裏金10の外周部10a の中心O3を中心O2に対してブリッジ部5の内周面5aよりに配置するようにしたことにより、ブリッジ部5の内周面5aと裏金10の外周部10a との間隔は、周方向の中央部付近よりも両端部付近の方が広くなり、また、裏金10の面取り部10a は、中央部付近の幅W1よりも両端部付近の幅W2の方が狭くなる。
【0020】
ブリッジ部5の内周面5aと裏金10の外周部10a との間隔が周方向の中央部付近よりも両端部付近の方が広くなるので、裏金10の面取り部10a の周方向両端部付近の幅W2が狭くても、ブリッジ部5と爪部4との結合部の内側に設けられたアール部rと裏金10との干渉を確実に防止することができる。そして、裏金10の面取り部10a の両端部付近の幅W2が狭くなるので、小径のディスクロータに合わせてパッド6の裏金10の外周部10a の半径R5を小さく(曲率を大きく)した場合でも、裏金10の両端部の凹部11と面取り部15の両端部との間の寸法C2を充分大きくとることができ、裏金10の両端部の強度を充分に確保することができる。
【0021】
その結果、例えば、キャリパ本体2の剛性を高めるために、大径のディスクロータ用のキャリパをより小径のディスクロータに適用することが可能となり、また、径の異なるディスクロータ間で大径のディスクロータ用のキャリパを共用することが可能となる。なお、本実施形態に係るパッド6の裏金10の面取り部15は、従来と同様にプレス成形等によって容易に形成することができるので、製造コストが高くなることもない。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明におけるディスクブレーキは、キャリパ本体のブリッジ部の内周面と、パッドの裏金の面取り部の内周部とを同心円上に配置し、パッドの裏金の外周部を面取り部の内周部よりも小径として、その中心をブリッジ部の内周面および面取り部の内周部の中心に対してブリッジ部の内周面よりに配置しているので、キャリパ本体のブリッジ部の内周面とパッドの裏金の外周部との間隔は、ディスクロータの周方向の中央部付近よりも両端部付近の方が広くなり、また、パッドの裏金の面取り部は、ディスクロータの中央部付近の幅よりも両端部付近の幅の方が狭くなる。また、請求項2の発明におけるディスクブレーキパッドは、前記パッドの前記面取り部の内周部の半径を前記裏金の外周部の半径よりも大きくしているので、パッドの裏金の面取り部は、ディスクロータの中央部付近の幅よりも両端部付近の幅の方が狭くなる。その結果、ブリッジ部と爪部との結合部の内側に設けられたアール部と裏金との干渉を確実に防止するとともに、小径のディスクロータに合わせてパッドの裏金の外周部の半径を小さくした場合でも、裏金の両端部と面取り部の両端部との間の寸法を充分大きくとることができ、裏金の両端部の強度を充分に確保することができるので、より小径のディスクロータに対してキャリパを共用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスクブレーキのキャリパ本体およびパッドを拡大して示す図である。
【図2】図1のA−A線による断面の拡大図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るディスクブレーキの側面図である。
【図4】従来のキャリパ浮動形ディスクブレーキの側面図である。
【図5】図4のディスクブレーキのキャリパ本体およびパッドを示す図6のB−B線による断面の拡大図である。
【図6】図4のディスクブレーキにおいて、パッドの裏金の外周部の半径を小さくした場合のキャリパ本体およびパッドを拡大して示す図である。
【符号の説明】
2 キャリパ本体
3 ディスクロータ
4 爪部
5 ブリッジ部
5a 内周面
6 パッド
10 裏金
10a 外周部
15 面取り部
15a 内周部
16 ディスクブレーキ
O2,O3 中心
R4,R5,R6 半径
Claims (2)
- 車体側に固定されたキャリヤと、ディスクロータの両側に配置されて前記キャリヤによって前記ディスクロータの軸方向に移動可能に支持された一対のパッドと、該一方のパッドに対向するピストンを嵌装したシリンダと前記他方のパッドに対向する爪部と前記ディスクロータを跨いで前記シリンダと爪部とを互いに連結するブリッジ部とを有し、前記キャリヤによって前記ディスクロータの軸方向に移動可能に支持されたキャリパ本体とを備え、前記パッドの裏金の両端部に前記キャリヤに設けた凸部に嵌合する凹部を設け、前記爪部に対向するパッドの裏金の外周部に面取り部を設けたキャリパ浮動形のディスクブレーキにおいて、前記キャリパ本体のブリッジ部の内周面と、前記パッドの裏金の面取り部の内周部とを同心円上に配置し、前記パッドの裏金の外周部を前記面取り部の内周部よりも小径として、その中心を前記ブリッジ部の内周面および前記面取り部の内周部の中心に対して前記ブリッジ部の内周面よりに配置したことを特徴とするディスクブレーキ。
- 車体側に固定されたキャリヤと、該キャリヤによってディスクロータの軸方向に移動可能に支持され、ピストンを嵌装したシリンダと前記ディスクロータを挟んで前記ピストンに対向する爪部と前記ディスクロータを跨いで前記シリンダと爪部とを互いに連結するブリッジ部とを有したキャリパ本体とを備えたキャリパ浮動形のディスクブレーキに用いられ、摩擦材と裏金とから構成されて、少なくとも前記ディスクロータと前記爪部との間に設けられ、前記裏金の両端部に設けられた凹部が前記キャリヤに設けられた凸部に嵌合して前記ディスクロータの軸方向に移動可能に支持され、前記爪部に対向する前記裏金の外周部に面取り部が形成されたディスクブレーキ用パッドであって、前記パッドの前記面取り部の内周部の半径が前記裏金の外周部の半径よりも大きくなっていることを特徴とするディスクブレーキ用パッド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05098197A JP3843379B2 (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | ディスクブレーキ及びディスクブレーキ用パッド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05098197A JP3843379B2 (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | ディスクブレーキ及びディスクブレーキ用パッド |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10231867A JPH10231867A (ja) | 1998-09-02 |
| JP3843379B2 true JP3843379B2 (ja) | 2006-11-08 |
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ID=12873989
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP05098197A Expired - Fee Related JP3843379B2 (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | ディスクブレーキ及びディスクブレーキ用パッド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3843379B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0341610B1 (de) * | 1988-05-07 | 1994-01-19 | ITT Automotive Europe GmbH | Teilbelag-Scheibenbremse |
-
1997
- 1997-02-19 JP JP05098197A patent/JP3843379B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
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| JPH10231867A (ja) | 1998-09-02 |
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