JP4052013B2 - ディスクブレーキ用キャリパ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクブレーキに用いられるキャリパに関し、特には、制動により発熱したキャリパを冷却する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両のディスクブレーキでは、そのディスクブレーキに用いられるキャリパを冷却する構造として、例えば、特開平8−86325号公報に示すものがある。この文献では、自動車の走行に伴い走行方向へ流れる外気を取り込み、その外気を、ディスクロータやキャリパを収容する収容空間内に導入し、その導入された外気でキャリパやディスクロータを冷却するものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の冷却構造では、タイヤホイールの穴を塞ぐ回転収容部材や、その回転収容部材とともにディスクロータ及びキャリパを収容する固定収容部材や、走行方向へ流れる外気を取り込んで収容空間内に外気を導入するためのエア導入口等を設けなければならない。それゆえ、大掛かりな構成となり、重量や製造コストが増大することに加えて、部品レイアウトの設計自由度にも制限がかかることが懸念される。
【0004】
そこで、本発明は、簡易な構成によりキャリパを効果的に冷却でき、かつ、キャリパの車両への取付け位置の制約を抑制させることにより設計自由度を向上できるディスクブレーキ用キャリパを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的のため、本発明は、車両の車輪と共に回転するブレーキディスクの、インナ側とアウタ側とに配置する脚部と、前記ディスクの外周部を跨いで前記インナ側及び前記アウタ側の脚部を結合するブリッジ部とを有する本体が、取付部材を介して前記車両に支持されるディスクブレーキ用キャリパに適用するものである。そして本発明のディスクブレーキ用キャリパは、以下の点を特徴とするものである。即ち、前記車輪の回転方向へ開口し、前記車両の走行中の前記車輪の回転に伴い前記回転方向へ流れる外気を前記キャリパ内へ導入する外気導入口と、前記外気導入口から導入された外気を前記キャリパ外へ排出する外気排出口と、前記外気導入口と前記外気排出口とを連通し、前記外気を流通させる外気流路と、をブレーキ用キャリパのアウタ側に配設し、前記外気流路にその一部の断面積を小さくする絞り部を設けている。
【0006】
【発明の効果】
本発明のディスクブレーキ用キャリパにあっては、外気導入口が、車輪の回転方向に開口して車両の走行中の車輪の回転に伴いその回転方向へ流れる外気をキャリパ内に導入し、外気排出口が、キャリパ内に導入した外気を排出する。また、外気流路が、外気導入口と外気排出口とを連通しそれらの間で外気を流通させるとともに、その流路に設けられた絞り部で外気流路の断面積が小さくされて、外気流路内を通過する外気が絞られる。
【0007】
ところで、車両の走行中においては車輪の回転に伴い外気がその車輪のリムに引きずられる等により、キャリパの配置される車輪の内側の外周部付近では、車輪の回転に伴いその回転方向に外気が流れる。なお、本願発明者の研究過程においてベンチレーテッド型ディスクロータを具えるものについて車両走行中のタイヤホイール内部の外気の流れを調べてみたところ、車輪の回転方向に流れる外気が存在しその外気がディスクブレーキのキャリパの表面にも流れていることが確認できた。
【0008】
即ち、車両の走行により、車輪が回転すると、車輪周辺の外気がディスクロータの中心付近から吸い込まれてそのロータの外周部から排出される。さらに、排出された外気は、ディスクロータ及び車輪の回転に伴いその回転方向へ流れてキャリパの表面(脚部表面)や背面(ブリッジ部表面)を通過して車輪の後方下部から車輪の外へ排出される。また排出される外気の量は、車輪のディッシュ面に比べてキャリパの配置される外周側開放部の方が多くなる。一方、車輪のディッシュ面を塞いだ場合には、車輪内の風の流れはほとんど変化しないものの流速は低下するが、蓋の外周部付近に穴を設けることにより、流速もディッシュ面を塞がない場合とほぼ同様になることも確認できた。
【0009】
従って、上述したように車両の走行中の車輪の回転に伴いディスクブレーキ用キャリパの表面を車輪の回転方向に流れる外気が存在するところ、本発明のディスクブレーキ用キャリパによれば、外気導入口が、車両走行時の車輪の回転に伴いその回転方向へ流れる外気をキャリパ内に導入する。そして、キャリパ内に導入された外気が外気流路の絞り部で絞られて流速が早くなり外気排出口から排出される。これにより、キャリパ内の温度を効果的に低下させることができる。しかも、キャリパが、外気導入口、外気排出口、外気流路を具えることから、大掛かりな構成とならずに重量やコストの増大を抑制できるとともに、部品レイアウトの設計自由度が制限されるのを抑制することができる。さらに、サスペンション等の周辺部品との関係で車体へのキャリパの取付け位置も制限されることがないので、設計自由度をより向上させることができる。
【0010】
また、本発明のディスクブレーキ用キャリパは、前記外気導入口と、前記外気排出口と、前記外気流路と、前記絞り部とを、前記本体とその本体に取付けるカバー部材とにより構成しても良い。
【0011】
かかる構成によれば、カバー部材を本体に取付けることで、ディスクブレーキ用キャリパに、外気導入口と、外気排出口と、外気流路とを設けることができる。それゆえ、キャリパの本体は通常使われるものを流用でき、その本体にカバー部材を取付けるためのボルト穴を追加するなどの簡易な加工により、小改造で前述の作用及び効果を奏することができるディスクブレーキ用キャリパを実現することができる。従って、ベースとなる本体を共用化させることができて、キャリパの本体の種類の増加によるコストの増加をも防ぐことができる。なお、表面に図形や文字などを造形したカバー部材を本体に取り付けることも簡易にでき、これにより車輪周辺の美的外観の向上が図れる。さらにカバー部材を耐熱樹脂材料で製造することで、カバー部材の造形自由度をより向上させることもできる。
【0012】
そして、本発明のブレーキディスク用キャリパでは、前記外気導入口と、前記外気排出口と、前記外気流路と、前記絞り部とを、前記本体により構成しても良い。このようにすれば、カバー部材を用いることなく、より簡易な構成とすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明のディスクブレーキ用キャリパの第1の実施の形態となる、カバー部材を取り付けた状態で示すディスクブレーキ用キャリパの正面図である。また図2は、図1のディスクブレーキ用キャリパを一部断面にて示す側面図である。なお、図中符号1は、自動車のディスクブレーキ用キャリパ、2は本体、3はカバー部材、4は外気導入口、5は外気排出口、6は外気流路、7は連結部、8は腕部、9はインナ側脚部、10はアウタ側脚部、11はブリッジ部、12は取付部材(トルクメンバ)、13はインナ側ブレーキパッド、14はアウタ側ブレーキパッド、15、16、17は爪部である。
【0014】
図1及び図2に示す本実施の形態のディスクブレーキ用キャリパ1は、フローティング式キャリパであって、インナ側脚部9、アウタ側脚部10及びブリッジ部11を有する本体(シリンダボディ)2が取付部材12を介して図示しない自動車の非回転部材に支持されて、タイヤホイールの内側の外周部に配置される。ここでのインナ側脚部9は、自動車の車輪と共に回転するブレーキディスクD(図1中仮想線で示す。)のインナ側に配置される。また、アウタ側脚部10は、ディスクDのアウタ側に配置される。そして、ブリッジ部11が、ディスクDの外周部を跨いでインナ側脚部9とアウタ側脚部10とを結合する。
【0015】
なお、上記取付部材12は一対の腕部8,8と連結部7とで一体的に形成された部材であって、一対の腕部8,8が、ディスクDの周方向に離間するとともにディスクDの外周部を跨ぐように形成され、連結部7が各腕部8の端部を連結しこの連結部7がボルト等の締結部材により自動車の非回転部分に取付けられる。そして、キャリパ1がディスクDの軸方向に摺動自在となるように、摺動ピン等を用いてそのキャリパ1を取付部材12に支持する。
【0016】
さらに、インナ側脚部9の内部には、インナ側ブレーキパッド13に対して進退可能なピストンを具えるシリンダ(図示せず)が設けられている。一方、アウタ側脚部10にはディスクDの回転方向に所定の間隔で、基部をブリッジ部11に一体的に形成された三つの爪部15,16,17が配設されている。また、ディスクDのインナ側ブレーキパッド13及びアウタ側ブレーキパッド14では、ディスクDの回転方向に延在する扇形の裏金13a,14aが設けられるとともに、それら裏金13a,14aの表面側にはブレーキ操作時にディスクDと摩擦接触するライニング13b,14bが設けられる。
【0017】
上記構成のキャリパによれば、上記シリンダが外部からのブレーキ液圧の供給によりピストンをインナ側ブレーキパッド13へ進出させると、そのインナ側ブレーキパッド13でディスクDがインナ側から押圧される。一方、そのディスクDからの反力でインナ側脚部9がインナ方向の力を受けてその力がブリッジ部11を介してアウタ側脚部10へ伝達されて三つの爪部15,16,17でアウタ側ブレーキパッド14が押圧されてそのアウタ側ブレーキパッド14でディスクDがアウタ側からも押圧される。このようにして、ディスクブレーキの制動を行なうことができる。
【0018】
さらに、本実施の形態のディスクブレーキ用キャリパ1は、外気導入口4と、外気排出口5と外気流路6とを具える。ここでの外気導入口4は、自動車の走行中の車輪の回転方向に開口して設けられ、その車輪の回転に伴いその回転方向へ流れる外気(車外の空気)をキャリパ1内に導入する用をなし、外気排出口5は、外気導入口4から導入された外気をキャリパ1外へ排出する用をなす。また、外気流路6は、外気導入口4と外気排出口5とを連通し外気を流通する用をなす。そして、本実施の形態においては、外気導入口4と、外気排出口5と、外気流路6と、その外気流路の有する絞り部6aを設けるために、キャリパ1の本体2とその本体2に取付けるカバー部材3とを以下のような構成とする。
【0019】
即ち、本実施の形態では、カバー部材3がキャリパ1の本体2のアウタ側脚部10に取り付けられる。ここでのカバー部材3は、耐熱樹脂材料で形成され、その形状は、図1,図3に示すように、アウタ側脚部10の形状に合わせるように略長方形にするとともに、その表面には文字や図形等が造形される(図1参照)。この一方、キャリパ1の本体2と対向する裏面には、中央部の断面積が小さくされたベンチュリ溝3a(図3参照)が形成される。また、キャリパ1の本体2にも、図4に示すように、アウタ側脚部10の表面に、中央部付近の断面積が小さくされたベンチュリ溝10aが形成される。
【0020】
さらにアウタ側脚部10とカバー部材3とには、図3及び図4に示すように、カバー部材3を本体2に取り付けるための取付穴(ボルト穴)3b,10bが設けられる。そして、ボルト等の締結部材で、カバー部材3のベンチュリ溝3aの両端の開口がディスクDの回転方向に向くようにしてキャリパ1の本体2に取付ける。
【0021】
このようにして、本体2に設けられたベンチュリ溝10aと、カバー部材3に設けたベンチュリ溝3aとで、外気導入口4と、外気排出口5と、外気流路6と、その外気流路6の周方向中央部付近に断面積を部分的に小さくする絞り部6aとが画成されて、前述の図1に示す本実施の形態のキャリパ1の構成となる。
【0022】
なお、本実施の形態においては、キャリパ1のカバー部材3以外の構成については、従来の一般的な構成のものを用いることができる。また、キャリパ1は、車輪内側の外周付近に位置するように車体に支持すれば良く、キャリパ1の配置例としては、ディスクDの、中心軸に対して上側、前方側、又は後方側などである。また、本体2に設けられたベンチュリ溝10aは必ずしも必要でない。
【0023】
図5は、本実施の形態のキャリパ1を自動車に取付けたディスクブレーキについて、制動によりキャリパが発熱した状態(ブレーッキパッドの表面温度が一定の温度に達した状態)から一定速度で自動車が走行した時の走行時間に対するキャリパの所定の場所の温度変化を、従来一般的に用いられているノーマルキャリパ及び本実施の形態の構成との比較のために構成した通風ダクト付きキャリパにおける温度変化と比較して示す関係線図である。ここでのノーマルキャリパは、図示しないが従来の一般的な構成のキャリパを用いている。また、通風ダクト付きキャリパは、本実施の形態のキャリパ1において外気流路(ダクト)に絞り部を設けないでその外気流路が一定の断面積を有するように構成したものを用いている。
【0024】
上記図5について詳述すると、制動によりブレーキパッドの温度が所定温度になってから所定の一定速度で走行した際の、爪部16の爪先のa部(図1及び図2参照)とアウタ側ブレーキパッド14に設けた裏金14bのb部(図1及び図2参照)との温度及びブレーキパッドの表面温度の変化をキャリパの種類別に測定した結果を示している。なお、図5中、本実施の形態のキャリパ1については実線で、ノーマルキャリパについては一点鎖線で、通風ダクト付きキャリパについては二点鎖線でそれぞれ示す。
【0025】
これによると、本実施の形態のキャリパ1は、ノーマルキャリパ及び通風ダクト付きキャリパのいずれに対しても、走行中のa部(爪先)及びb部(裏金)の温度が低くなっていることが分かる。なお、ノーマルキャリパに対して通風ダクト付きキャリパの値が高くなっているが、これは、測定誤差やキャリパ内に熱がこもった等の逆作用原因によるものと推測される。
【0026】
従って、本実施の形態のキャリパ1では、外気流路6の絞り部6aによる効果、即ち、自動車の走行中にキャリパ1内を通過する外気が外気流路6に設けられた絞り部6aにより流速が早くなり、キャリパ1が効果的に冷却されていることが認められる。
【0027】
上述のように、自動車の走行中の車輪の回転に伴いディスクブレーキ用キャリパの表面を、図1中矢印Aで示すように車輪の回転方向に流れる外気が存在するところ、本実施の形態のディスクブレーキ用キャリパ1によれば、外気導入口4が、自動車走行時の車輪の回転に伴いその回転方向へ流れる外気をキャリパ1内に導入する。そして、キャリパ1内に導入された外気が外気流路6の絞り部6aで絞られて流速が早くなり外気排出口5から排出される。これにより、キャリパ1内の温度を効果的に低下させることができる。
【0028】
しかも、キャリパ1が、外気導入口4、外気排出口5、外気流路6を具えることから、大掛かりな構成とならずに重量やコストの増大を抑制できるとともに、部品レイアウトの設計自由度が制限されるのを抑制することができる。さらに、車体へのキャリパ1の取付け位置も制限されることがないので、設計自由度をより向上させることができる。
【0029】
さらに、本実施の形態のディスクブレーキ用キャリパ1にあっては、外気導入口4と、外気排出口5と、外気流路6と、絞り部6aとを、本体2とその本体2に取付けるカバー部材3とにより構成している。
【0030】
かかる構成によれば、カバー部材3を本体2に取付けることで、ディスクブレーキ用キャリパ1に、外気導入口4と、外気排出口5と、外気流路6と、外気流路の絞り部6aとを設けることができる。それゆえ、キャリパ1の本体2は通常使われるものを流用でき、その本体2にカバー部材3を取付けるためのボルト穴を追加するなどの簡易な加工により、小改造で上述の作用及び効果を奏することができるディスクブレーキ用キャリパを実現することができる。
【0031】
従って、ベースとなる本体2を共用化させることができて、キャリパ1の本体2の種類の増加によるコストの増加をも防ぐことができる。なお、本実施の形態においては、カバー部材3を耐熱樹脂材料で製造しているから、図1に示すように、図形や文字などをカバー部材3の表面に造形してそれをキャリパ1に取り付けることを簡易に行うことができる。これにより、車輪周辺の美的外観の向上が図れるとともに、耐熱樹脂材料での製造により、カバー部材3の造形自由度をより向上させることができる。
【0032】
なお、図6及び図7は、本実施の形態のディスクブレーキ用キャリパの変形例を示す正面図及び一部を断面にて示す側面図である。この変形例では、キャリパ1の本体2のアウタ側脚部10にはベンチュリ溝を設けずに構成する。一方、カバー部材3の裏面には、ベンチュリ溝を設ける代わりに、その表面に突出させてベンチュリ形状の凹部を形成する。そして、そのカバー部材3を、溝の両端の開口がディスクDの回転方向に向くようにして本体2のアウタ側脚部10に取付ける。これにより、キャリパ1に、外気導入口4と外気排出口5と外気流路6とが設けられるとともに、その外気流路6に絞り部6aが形成される。
【0033】
さらに、本実施の形態では、カバー部材3に設けられる外気流路6を、その中心線がキャリパ1の幅方向に平行な直線上にのるように構成したが、外気流路6の構成はこれに限られず、例えば、ディスクDの回転中心を中心とする円弧上に外気流路の中心線がのるように外気流路を構成しても良い。
【0034】
そして、上記本実施の形態のブレーキディスク用キャリパ1では、外気導入口4と、外気排出口5と、外気流路6と、絞り部6aとを、本体2とカバー部材3とにより構成しているが、カバー部材3を用いずに、本体2のみで外気導入口4と、外気排出口5と、外気流路6と、絞り部6aとを一体構成しても良い。このように構成することで、カバー部材を用いることなく、ブレーキディスク用キャリパをより簡易な構成のものとすることができる。
【0035】
また、図8は、本発明のディスクブレーキ用キャリパの第2の実施の形態となる、カバー部材を取り付けた状態で示すディスクブレーキ用キャリパの正面図である。また図9は、図1のディスクブレーキ用キャリパを一部断面にて示す側面図である。本実施の形態におけるキャリパ21は、先の第1の実施の形態のディスクブレーキ用キャリパ1における本体2と同様の構成の本体22が取付部材23を介して図示しない自動車の非回転部材に支持される。なお、図中、24はブリッジ部、25はカバー部材、26は外気導入口、27は外気排出口、28は外気流路、28aは絞り部である。
【0036】
ここでのディスクブレーキ用キャリパ21は、本体22のブリッジ部24の背面にカバー部材25を取り付けた構成としている。本実施の形態におけるカバー部材25は、ブリッジ部24を覆うようにそのブリッジ部24と対向する裏面を湾曲させるとともに、その裏面に、ベンチュリ形状の溝25aを、ディスクDの周方向に延在するように形成する。ここでの溝25aは、キャリパ21の厚さ方向(キャリパ21がディスクDを跨ぐ方向)に関して、溝25aの中央部付近の断面積が最も小さくなるように形成する。また、本体22のブリッジ部24及びカバー部材25に、カバー部材25を本体22に取り付けるための図示しない取付穴(ボルト穴)を形成し、ボルト等の締結部材でカバー部材25を、溝の両端の開口部がディスクDの回転方向に向くようにして本体22のブリッジ部24に取付ける。なお、上記溝25aは、カバー部材25の厚さ方向に関して、溝25aの中央部付近の断面積が最も小さくなるように形成しても良い。
【0037】
ところで、先に述べたように、本願発明者の実験により、タイヤホイール内部では、車輪(ディスクD)の回転方向に流れる外気が存在しその外気がディスクブレーキのキャリパの表面にも流れていることを確認できたが、キャリパの本体を構成するブリッジ部の背面にも図8中矢印Bに示すように車輪の回転方向に外気が流れていることが認められた。従って、本実施の形態のディスクブレーキ用キャリパ21にあっては、そのキャリパ21に取り付けたカバー部材25の外気導入口26が、図示しない車輪の回転方向に開口して自動車の走行中の車輪の回転に伴いその回転方向へ流れる外気をキャリパ21内に導入し、外気排出口27が、キャリパ21内に導入した外気を排出する。また、外気流路28が、外気導入口26と外気排出口27とを連通しそれらの間で外気を流通させるとともに、その流路に設けられた絞り部28aで外気流路の断面積が小さくされて、外気流路内を通過する外気が絞られる。
【0038】
従って、上記構成の本実施の形態のディスクブレーキ用キャリパ21によれば、先の第1の実施の形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0039】
また、本発明の第3の実施の形態は、図示しないが、図1及び図2に示した先の第1の実施の形態のカバー部材3と同様の構成のカバー部材を、キャリパの本体のアウタ側脚部に取り付けるとともに、図8及び図9に示した先の第2の実施の形態のカバー部材24と同様の構成のカバー部材を、キャリパの本体のブリッジ部の背面に取り付けてディスクブレーキ用キャリパを構成する。なお、キャリパの本体は、先の第1及び第2の実施の形態と同様の構成を有するものを用いている。
【0040】
本実施の形態のディスクブレーキ用キャリパにあっては、キャリパの本体の、アウタ側脚部とブリッジ部とに、外気導入口と、外気排出口と、外気流路と、その外気流路の絞り部とが設けられた構成となる。従って、かかる構成の本実施の形態のディスクブレーキ用キャリパによれば、自動車の走行中の車輪の回転に伴いその回転方向へ流れる外気を効率よく取り入れることができ、キャリパを二方向から効率良く冷却することができるので、キャリパの冷却性能をより向上させることができる。
【0041】
なお、本実施の形態では、アウタ側脚部に取り付けるカバー部材とブリッジ部に取り付けるカバー部材とを別体として構成したが、これらのカバー部材を一体的に形成したカバー部材を本体に取り付けた構成とすることもできる。また、第1の実施の形態と同様にカバー部材を耐熱樹脂材料で製造しても良い。
【0042】
以上、図示例に基づき説明したが、本発明のディスクブレーキ用キャリパは、上記実施の形態に示す構成に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、フローティング式キャリパに本発明の技術的思想を適用したが、キャリパの種類はこれに限られず、例えば対向ピストン式キャリパに適用することもできる。
【0043】
また、上記第1の実施の形態において、外気導入口4と、外気排出口5と、外気流路6と、絞り部6aとを、本体2とその本体2に取付けるカバー部材3とにより画成する構成は、上記構成に限定されるものではなく、他の構成にすることもできる。従って、例えば、キャリパの本体に、ディスクDに周方向溝を形成して、その溝を板状のカバー部材で覆う構成にすることもできる。また、キャリパに取り付けるカバー部材の大きさや形状も、上記実施の形態の構成に限定されるものではなく適宜変更できることはもちろんである。また、第1の実施の形態と第2の実施の形態とを同時に組合せて構成してもよいし、第1の実施の形態と第2の実施の形態との間の位置となるキャリパの角に構成してもよく、キャリパ本体の表面の、走行中の車輪の回転に伴いその回転方向へ流れる外気を取り入れることができる所であればどこに構成されても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のディスクブレーキ用キャリパの第1の実施の形態となる、カバー部材を取り付けた状態で示すディスクブレーキ用キャリパの正面図である。
【図2】 図1のディスクブレーキ用キャリパを一部断面にて示す側面図である。
【図3】 上記第1の実施の形態のディスクブレーキ用キャリパを構成するカバー部材を裏側から見て示す平面図である。
【図4】 上記第1の実施の形態のディスクブレーキ用キャリパを構成する本体を表側から見て示す平面図である。
【図5】 第1の実施の形態のディスクブレーキ用キャリパの効果を、他の構成のディスクブレーキ用キャリパと比較して示す説明図である。
【図6】 第1の実施の形態のディスクブレーキ用キャリパの変形例である、カバー部材を取り付けた状態で示すディスクブレーキ用キャリパの正面図である。
【図7】 図6のディスクブレーキ用キャリパを一部断面にて示す側面図である。
【図8】 本発明のディスクブレーキ用キャリパの第2の実施の形態となる、カバー部材を取り付けた状態で示すディスクブレーキ用キャリパの正面図である。
【図9】 図8のディスクブレーキ用キャリパを一部断面にて示す側面図である。
【符号の説明】
1,21 自動車のディスクブレーキ用キャリパ
2,22 キャリパの本体
3,25 カバー部材
4,26 外気導入口
5,27 外気排出口
6,28 外気流路
7 連結部
8 腕部
9 インナ側脚部
10 アウタ側脚部
11,24 ブリッジ部
12,23 取付部材
13 インナ側ブレーキパッド
14 アウタ側ブレーキパッド
15,16,17 爪部
D ブレーキディスク
Claims (3)
- 車両の車輪と共に回転するブレーキディスクの、インナ側とアウタ側とに配置する脚部と、前記ディスクの外周部を跨いで前記インナ側及び前記アウタ側の脚部を結合するブリッジ部とを有する本体が、取付部材を介して前記車両に支持されるディスクブレーキ用キャリパにおいて、
前記車輪の回転方向へ開口し、前記車両の走行中の前記車輪の回転に伴い前記回転方向へ流れる外気を前記キャリパ内へ導入する外気導入口と、
前記外気導入口から導入された外気を前記キャリパ外へ排出する外気排出口と、
前記外気導入口と前記外気排出口とを連通し、前記外気を流通させる外気流路と、をブレーキ用キャリパのアウタ側に配設し、
前記外気流路にその一部の断面積を小さくする絞り部を設けたことを特徴とするディスクブレーキ用キャリパ。 - 前記外気導入口と、前記外気排出口と、前記外気流路と、前記絞り部とを、前記本体とその本体に取付けるカバー部材とにより画成することを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ用キャリパ。
- 前記外気導入口と、前記外気排出口と、前記外気流路と、前記絞り部とを、前記本体により構成することを特徴とする、請求項1に記載のディスクブレーキ用キャリパ。
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| KR101928077B1 (ko) | 2017-04-07 | 2018-12-11 | 백유빈 | 차량용 브레이크의 강제 공기 순환 냉각을 위한 브레이크 캘리퍼 및 이를 이용한 차량용 브레이크 |
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