JP4572013B2 - 円錐摩擦リング変速機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平行な軸線上に互いに反対向きに配置された少なくとも2個の円錐摩擦ホイールと、両円錐摩擦ホイールを作用連結する摩擦装置とを備えた円錐摩擦リング変速機に関する。本発明は更に、円錐変速機の変速比を制御するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような円錐摩擦リング変速機は例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第19542726号公報とヨーロッパ特許出願公開第0657663号公報によって知られている。この円錐摩擦リング変速機の場合には、静かな回転を保証できないことが判った。それどころか、この変速機は特に内燃機関に関連して手に負えない振動を発生する傾向がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、手に負えない振動を発生する危険が低下する、冒頭に述べた種類の円錐摩擦リング変速機を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は第1の解決策として、平行な軸線上に互いに反対向きに配置された少なくとも2個の円錐摩擦ホイールと、両円錐摩擦ホイールを作用連結する摩擦装置とを備えた円錐摩擦リング変速機において、両摩擦ホイール軸線を通る平面に対して垂直な成分を有するトルクが摩擦装置に作用することを特徴とする円錐摩擦リング変速機を提案する。摩擦装置はガイドによって円錐摩擦ホイールに沿って移動可能であり、かつトルクによってガイドに押し付けられるように形成されている。
【0005】
このような構造により、摩擦装置ががたつく危険が最少に抑えられるかまたは“零”になる。というのは、摩擦装置が付勢されるからである。これにより、常に存在する案内遊びは重要ではない。なぜなら、摩擦装置がガイドの片側に接触し、トルクによってこの接触位置に保持されるからである。
【0006】
トルクが円錐摩擦ホイールによって摩擦装置に加えられる力によって生じると有利である。これにより、摩擦装置はそれに作用する力に比例してガイドに接触する。
【0007】
このような解決策は特に、摩擦装置が円錐摩擦ホイールの間に配置されている円錐摩擦リング変速機に適している。これにより、一方では、摩擦装置の案内のために充分な遊びが保証され、それにもかかわらず摩擦装置を安定させることができる。他方では、この装置は依然として、回転軸線の回りに動かすことによって摩擦装置を両円錐摩擦ホイールに沿って案内することができる。
【0008】
具体的な実施形は、摩擦装置が円錐摩擦ホイールの間に配置され、かつ両円錐摩擦ホイールの第1の円錐摩擦ホイール上で転動する第1の回転領域と、両円錐摩擦ホイールの第2の円錐摩擦ホイール上で転動する第2の回転領域とを備え、この両回転領域が摩擦装置の回転平面に関してずらして配置されていることによって実現可能である。この場合、回転領域とは、円錐摩擦ホイール上転動する、摩擦装置の各々の幾何学的な領域であると理解される。円錐摩擦リング変速機の運転中、回転領域がやや変更されると理解される。回転平面とは、本発明に従い、摩擦装置の回転軸線上に垂直に配置された平面であると理解される。この場合、ずれた配置とは、両回転領域がこのような回転平面から異なる間隔をおいて配置されていることを意味する。
【0009】
回転平面に関して両回転領域がこのようなずらして配置されることにより、回転領域に接触する円錐摩擦ホイールによってトルクが摩擦装置に加えられる。ガイドは、このトルクが摩擦装置をガイドに押し付けるように形成されている。
【0010】
比較的な簡単な構造では、摩擦装置が摩擦リングを備え、この摩擦リングが少なくとも1個の半径方向外側に配置された回転面と半径方向内側に配置された回転面を備えている。この場合、各々の回転面はそれぞれ円錐摩擦ホイール上を転動する。両回転面が環状平面に関してずらして配置されると、本発明によるトルクが生じる。
【0011】
摩擦装置はガイド内で案内され、このガイドは摩擦装置とガイドの間に滑り軸受を備えている。このような配置構造により、冒頭に述べた装置の場合摩擦装置の案内のために潤滑剤が供されないにもかかわらず、驚くほど静かな摩擦リングの回転が保証される。滑り軸受を備えたこのようなガイドは、円錐摩擦リング変速機のその他の特徴に関係なく、摩擦装置の回転を静かにするという利点がある。しかし、このガイドの利点は、ガイドに押し付けられるトルクによって、摩擦装置が非常に一様な回転になるという利点と同時に生じる。
【0012】
摩擦装置が通常は円錐摩擦ホイールによって固定されているので、摩擦装置を2つだけの案内個所で案内することで充分である。しかし、少なくとも3個の案内個所で案内し、この個所にころがり軸受または滑り軸受を設けると、がたつく傾向が大幅に低下するということが判った。これは特に、摩擦装置が円錐摩擦ホイールの間に配置された摩擦リングである場合である。この摩擦リングはその上下軸線回りにのみ回転可能であるので、1の案内個所または最大で2つの案内個所による案内で充分である。しかし、これだけでは、リングががたつく傾向は低下しない。がたつく傾向が低下するのは3つの案内個所の場合である。この場合、がたつく傾向の低下は、円錐摩擦リング変速機のその他の特徴に関係なく達成可能である。この場合、がたつく傾向はガイドに対して作用するトルクによって更に低下させることが可能である。
【0013】
摩擦装置は少なくとも1本の案内棒に沿って移動可能なキャリッジによって案内され、このキャリッジはボールホイールガイドによって案内棒に沿って案内されている。この場合、回転するボールによって軸方向の案内が行われるすべてのころがりガイドがボールホイールガイドとして役立つ。特に、ボールブッシュを使用することができる。技術水準では滑り軸受によって案内棒に沿って案内されるキャリッジのこのような支承により、摩擦装置および特に摩擦装置として役立つ摩擦リングを一層安定させて案内することができる。このような構造は特に、回転軸線回りの動きによって、特に摩擦リングを案内するキャリッジを保持する案内棒を移動させることによって案内を行う円錐摩擦リング変速機に特に適している。このような保持の際に、摩擦リングまたは摩擦装置を移動させるための力が円錐摩擦ホイールから生じる。キャリッジ自体は駆動されない。これにより、このような構造の場合、特に摩擦装置が円錐摩擦ホイールに沿って移動するときに、摩擦装置のきわめて静かで安定した回転が保証される。このような構造は円錐摩擦リング変速機のその他の特徴に関係なく、摩擦装置ガイドを安定させるために役立つ。
【0014】
このガイドを更に安定させるために、少なくとも1本の案内棒を成形することができる。このような手段は摩擦装置のガイドに直接作用しないが、この手段は装置全体が振動する危険、従って摩擦リングががたつく危険を低下させる。案内棒は好ましくはI字形または正方形の横断面を有するように形成されている。このような横断面は案内棒上でのキャリッジのボールホイールガイドと関係なく、装置全体を安定させるために役立つ。
【0015】
案内棒は金属薄板、ダイカストアルミニウムまたは合成樹脂、特に高性能合成樹脂製の操作枠に固定されている。このような構造によって、軽量化が可能である。更に、製作が大幅に簡単になる。というのは、これらの材料からなる部品は適切に変形または成形されるからである。このような操作枠の使用は、重量と製作コストを低減するために有利である。特に前述のボールホイールガイドまたは成形された案内棒との関連において、このような操作枠は有利であることが判った。というのは、キャリッジのこのような構造の場合、案内棒の安定化が可能であるので、金属薄板製操作枠にもかかわらず、装置全体のガイドが充分に安定するからである。
【0016】
操作枠はリニアモータまたは回転モータによって駆動される。この場合特に、摩擦装置の安定した案内が可能であり、摩擦装置を円錐摩擦ホイールに沿って移動させるためには摩擦装置を回転軸線回りに回転させるだけでよく、比較的に低出力のモータを使用することができる。このモータは特にリニアモータと低価格の回転モータが該当する。このような装置は液圧的な操作機構を省略することを可能にする。それによって、このような円錐摩擦リング変速機はその他の特徴に関係なく、低コストで構成される。
【0017】
冒頭に述べた種類の円錐摩擦リング変速機の場合の不所望な振動は、両円錐摩擦ホイールの少なくとも一方が、貫通する接触範囲を介して円錐摩擦ホイールに接触する軸に配置されていることによって防止される。
【0018】
貫通する接触範囲は軸上での円錐摩擦ホイールの安定した支承を保証するので、円錐摩擦ホイールを軸上で不充分に支持することによる不所望な振動が発生する危険が低下する。このような構造は特に、円錐摩擦ホイールのために、低コストであまり安定していない材料の使用を可能にし、その際回転精度を大幅に低下させたり、振動の危険が生じることがない。
【0019】
冒頭に述べた種類の非常に小型の円錐摩擦リング変速機の場合には、両円錐摩擦ホイールがそれと一体に形成されたジャーナルを備えている。これは同様に、円錐摩擦ホイールの安定した支承を保証するので、不所望な振動が回避される。
【0020】
このような構造の場合、円錐摩擦ホイールが中実に形成されていると安定性が更に高められる。
【0021】
更に、上記構造は、充分な出力伝達を保証するために、充分に大きな力を円錐摩擦ホイールによって摩擦装置に加えることを可能にする。
【0022】
更に、円錐摩擦ホイールを鋼によって形成することができる。これは一方では、摩擦装置と相互作用するときに、円錐摩擦ホイールの所望な弾性を保証する。
他方では、鋼は比較的に低コストである。必要な安定性は上記の構造によって保証される。しかし、円錐摩擦リング変速機のその他の特徴に関係なく、鋼製の円錐摩擦ホイールは有利である。
【0023】
これと異なり、摩擦装置はセラミック表面を有していてもよい。これにより、円錐摩擦ホイールと摩擦装置の間の有利な摩擦特性が低コストで保証される。摩擦装置がセラミック製の摩擦リングを備えていると有利である。
【0024】
特に前述の構造と関連して、牽引流体が設けられる。この牽引流体は摩擦装置と円錐摩擦ホイールの間に摩擦を発生する。すなわち、牽引流体を使用する場合、摩擦装置と円錐摩擦ホイールの間の摩擦は牽引流体を使用しない場合よりもはるかに大きい。牽引流体は好ましくはダイヤモンド粉末または他の固体粒子を含むことができる。このような牽引流体の使用は、円錐摩擦リング変速機のその他の特徴に関係なく有利である。
【0025】
特に牽引流体の使用と関連して、円錐摩擦ホイールの軸受は円錐摩擦ホイールを取り囲む空間に対してシールされている。これにより、軸受が牽引流体に接触し、その回転特性に悪影響を及ぼすことが回避される。このような構造は、円錐摩擦ホイールを取り囲む空間内に吹き付け可能な牽引流体の使用によって初めて可能である。このような構造により、円錐摩擦ホイールを取り囲む空間の下側範囲に牽引流体溜めを設け、牽引流体溜めに浸漬される下側の円錐摩擦ホイールの回転運動によって、牽引流体の分配が保証される。公知の構造は、微細分配されるこのような牽引流体の使用を許容しない。
【0026】
更に、円錐摩擦ホイールを取り囲む空間に対する円錐摩擦ホイール軸受のシールは、複数の軸受を一緒に潤滑することができる。
【0027】
円錐摩擦ホイール室の一方の側に設けられた軸受が互いに接続された軸受室内に配置されている。その際、この軸受室を接続することによって、一緒に潤滑が行われる。この場合、この軸受室は円錐摩擦ホイール室の隣に設けられた空間の一部である。 同様に、円錐摩擦ホイール室の異なる側に設けられた少なくとも2個の軸受は、互いに接続された軸受室内に配置することができる。これは潤滑剤管路によって行うことができる。
【0028】
これにより、円錐摩擦ホイールを支承するすべての軸受のための潤滑剤回路を設けることができる。この構造は特に、公知の円錐摩擦リング変速機と異なり、軸受のために選択された潤滑剤を使用することを可能にする。この潤滑剤は円錐摩擦ホイール室内で使用される液と関係なく選定可能である。
【0029】
このような軸受室の構造は、牽引流体の使用と関係なく、あるいは円錐摩擦リング変速機のその他の特徴と関係なく有利である。
【0030】
共通の軸受室を備えた上記の装置は、円錐摩擦リング変速機が少なくとも1個の円錐ころ軸受を備えていると特に有利である。円錐ころ軸受は公知のごとく、円錐底面の側に高い圧力を発生する。この圧力は、この側に円錐ころ軸受のシールを設けることができないほど大きい。なぜなら、このようなシールはそこに発生する圧力によってこじ開けられるからである。
【0031】
しかし、このシールと円錐ころ軸受の間に捕集室が設けられ、この捕集室から、少なくとも1本の潤滑剤搬送管路が他の軸受まで延びていると、この圧力は潤滑媒体を搬送するために役立つ。
【0032】
これにより、潤滑媒体回路が形成される。この回路は付加的な潤滑剤ポンプ等が不要である。
【0033】
更に、円錐ころ軸受の円錐尖端部側に、潤滑剤溜めを設けることができる。この潤滑剤溜めから、潤滑剤が円錐ころ軸受に供給される。この潤滑剤溜めは他の軸受からの戻り管路に接続可能である。
【0034】
潤滑剤を特に機械装置の他の軸受に供給するために、上記のすべての特徴に関係なく、円錐ころ軸受を使用すると有利である。これにより、構造的にきわめて簡単に実施可能である確実な潤滑剤供給が保証される。
【0035】
少なくとも1個の円錐摩擦ホイールは球面ころ軸受を備えていてもよい。これにより、回転の滑らかさおよび円錐摩擦リング変速機によって伝達されるトルクが増大する。というのは、このような軸承が、両円錐摩擦ホイールと摩擦装置を、円錐摩擦ホイールまたは円錐摩擦ホイールを軸承する軸を曲げるまで負荷することができるからである。このような大きな負荷の下で、円錐摩擦リング変速機の確実でスムースな動きが保証される。
【0036】
更に、少なくとも1個の円錐摩擦ホイールが軸方向に作用する軸受によって軸承され、この軸受が半径方向に移動可能に配置されている。このような軸受によって、非常に大きな軸方向力を受け止めることができる。この場合、半径方向に動くことができることによって、軸受は軸の曲がりに追従することができる。このような軸受としては、適当な半径方向遊びをもって組み立てられるアキシャルアンギュラ玉軸受、アキシャル円筒ころ軸受、アキシャル玉軸受、アキシャル針軸受、アンギュラ玉軸受が使用される。同様に、上記種類の円錐ころ軸受を使用することができる。
【0037】
更に、軸方向に作用する軸受を球面ころ軸受と同じ円錐摩擦ホイールの側に設けることができる。軸承は両軸受に分配される。
【0038】
液圧手段が設けられ、この液圧手段が、特に円錐底面から円錐尖端部の方に向いた軸方向の力によって、少なくとも1個の円錐冊輪を付勢可能である。このような装置によって、円錐摩擦ホイールと摩擦装置の間の締付け固定を構造的に簡単に制御することができる。これは負荷に依存して、しかも選択された仕様または速度に依存して行うことができる。
【0039】
このような液圧調節方法は、従来の公知の機械式調節よりも大幅にフレキシブルである。
【0040】
液圧手段は特に、円錐摩擦ホイールに関して軸方向に調節可能な押圧部材を備えている。この押圧部材は円錐摩擦ホイールの軸受に作用する。更に、力の付勢を可能にする機械的手段を設けることができる。これは特に皿ばねである。この皿ばねは軸方向の締付け力を円錐摩擦ホイールまたは上記のシリンダに加える。
【0041】
本発明では更に、変速比が回転する摩擦要素の相対位置に依存して制御され、摩擦要素が軸線に関する回転姿勢(回転位置)を変更することによって相対位置を変更可能である、円錐変速機の変速比を制御するするための方法において、制御の操作量として、摩擦要素の回転姿勢が使用される。これにより、非常に正確でスムースな変速比の制御が保証される。
【0042】
摩擦要素の回転姿勢は例えば、上述の枠または上述の案内棒を回転させることによって変更可能である。そのために、上述のように、モータが使用可能である。
【0043】
制御精度を高めるために、摩擦要素の回転姿勢が検出され、制御のために使用される。これは特に、検出された回転姿勢を制御量として使用することによって行われるので、この検出された回転姿勢は制御のために間接的に使用される。
【0044】
同様に、円錐に関する摩擦要素の相対位置が検出され、制御に利用される。これは同様に、特に制御量として行われる。摩擦要素の検出された相対位置は、特に操作が迅速に行われる場合に、制御のために直接使用される。
【0045】
前述の制御方法により、円錐変速機の特にスムースな回転が保証される。このように形成された制御回路はその振動状態が比較的に良好に支配可能である。
【0046】
制御量として、円錐変速機の入力側の軸と出力側の軸の間の回転数比が使用可能である。このような制御量は比較的に簡単に検出可能である。これは適切に配置された2個の回転数計測器によって行うことができる。
【0047】
前述の方法と装置は、円錐変速機と円錐摩擦リング変速機の回転精度を改善するために適している。この場合、前述の特徴は個々にまたは互いに独立して回転精度を改善する。しかし、個々の特徴の組み合わせは、このような変速機において、特徴の追加だけでは得られなかった、驚くほど良好な改善を提供する。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明の他の効果、目的および特徴は、添付の図に基づいて次に説明する実施の形態から明らかになる。
【0049】
図に示した円錐摩擦リング変速機の場合には、ケーシング1内に、2個の円錐摩擦ホイール2,3が互いに反対向きに平行な軸上に配置されている。両円錐摩擦ホイール2,3は摩擦装置としての働きをする摩擦リング4に作用連結されている。この摩擦リング4は両円錐摩擦ホイール2,3の間で回転し、この両円錐摩擦ホイール2,3の外周面に接触する。
【0050】
摩擦リング4はガイド5に軸承され、このガイド5によって移動可能である。
このガイド5はキャリッジ50を備えている。このキャリッジは2本の案内棒51上を案内される。図5から判るように、第1の円錐摩擦リング変速機のキャリッジ50は案内棒51のスライドガイドに沿って案内されるが、図8に示す実施の形態の場合この案内はボールブッシュ54によって行われる。図8に示した円錐摩擦リング変速機の案内棒は横断面が正方形に形成されている。
【0051】
両円錐摩擦リング変速機の両案内棒51は操作枠52に固定されている。図8に示した円錐摩擦リング変速機の操作枠52は案内棒51に直接連結されているが、図1〜6に示した円錐摩擦リング変速機の場合にはこの連結は安定させる作用を有する湾曲連結部材55(図6参照)を介して間接的に行われる。
【0052】
操作枠は回転軸線53の回りに動くことができるようにケーシング1に固定されている。この運動は図1〜6に示した円錐摩擦リング変速機の場合には回転モータ56′によって行われ、図8に示した円錐摩擦リング変速機の場合には操作枠52はリニアモータ56″によって駆動される。
【0053】
図1〜6に示した円錐摩擦リング変速機の場合には、摩擦リングの案内は、2個の案内個所に設けられた対のローラ57(図1〜4参照)によって行われる。
これに対して、図8の円錐摩擦リング変速機の場合には、摩擦リング4はスライドガイド58によって案内される。2個の案内個所(図3または図8参照)の代わりに、それ以上の案内個所を設けることができる。
【0054】
図示した両円錐摩擦リング変速機の両摩擦リング4は、円錐摩擦ホイール2,3の軸線に対して平行に向いた軸線回りに回転する。しかし、軸線を角度をなして配置してもよい。軸線は特に、外周面に対して平行に設けてもよい。これに応じて、摩擦リング4は回転軸線に対して垂直な回転平面内で回転する。図7の概略図には、このような回転平面が回転平面40として例示的に示してある。同様に、この平面40はリング平面を示している。
【0055】
図7から判るように、摩擦リング4は2つの回転領域または回転面41,42を備えている。この回転面によって、摩擦リングはそれぞれ円錐摩擦ホイール2,3の一つの上で転動する。図7に示すように、両回転面41,42は平面6に関してずらして配置されている。このような配置により、両円錐摩擦ホイール2,3によってトルクが摩擦リングに加えられる。
【0056】
摩擦リング4はそれが対称であるので、実質的にその上下軸線回りにのみその姿勢を変更可能である。更に、容易に傾動可能である。
【0057】
摩擦リング4に作用するトルクは、摩擦リング4を上述の方向に力で付勢するように選定されている。これによって、摩擦リング4はガイド5に押し付けられる。他方では、摩擦リング4を反対向きのトルクで付勢してもよい。
【0058】
円錐摩擦ホイール2,3と摩擦リング4の間の前述のトルクと充分な摩擦力は、円錐摩擦ホイール2,3が軸方向において相互の方に付勢されていることによって保証される。この付勢に対処するために、図1〜6に示した円錐摩擦リング変速機の両円錐摩擦ホイール2,3はそれぞれ1本の軸20,30上に配置されている。この軸は貫通して延びる接触範囲21,31を介してそれぞれ円錐摩擦ホイール2,3に接触する。そうでない場合には、この円錐摩擦リング変速機の両円錐摩擦ホイール2,3は中実に形成されている。
【0059】
図8に示した円錐摩擦リング変速機の中空室を取り囲む円錐摩擦ホイール2,3の安定性を高めるために、この円錐摩擦ホイールはそれと一体に形成されたジャーナルを備えている。同様に、円錐摩擦ホイール2,3を中実に形成してもよい。
【0060】
両円錐摩擦ホイール変速機の円錐摩擦ホイール2,3は鋼によって形成されている。摩擦リング4はセラミックスからなっている。ケーシング1の下側範囲には、トラクション流体(牽引流体)の液溜めが設けられている。牽引流体にはダイヤモンド粉末を混合することができる。牽引流体の量は、摩擦ホイール3の下側部分がこの液溜めに浸漬され、円錐摩擦リング変速機の運転時にケーシング1内に分布する牽引流体と液溜め内にある牽引流体がつり合うように定められている。
【0061】
円錐摩擦ホイール2,3は軸受22,23または32,33によって支承されている。この軸受22,23または32,33はそれぞれ、シールされた軸受室内にあるので、特に牽引流体はこの軸受室内に達しないかまたはこの軸受22,23,32,33に達しない。すべての軸受室は潤滑剤管路によって互いに接続されている。この潤滑剤管路を通って軸受オイルが循環する。図1〜6に示した円錐摩擦リング変速機の場合には、この循環はオイルポンプによって維持される。一方、図8に示した円錐摩擦リング変速機の場合には、循環の維持は軸受23,33によって行われる。この軸受は円錐ころ軸受として形成されている。円錐ころ軸受33の円錐尖端部の方に軸受オイル溜め34が設けられている。一方、軸受33の円錐底面側には捕集室35が設けられている。この捕集室には、円錐ころ軸受33から軸受オイルが送出される。捕集室35から軸受オイル管路がその他の軸受まで延びている。
【0062】
すべての軸受22,23,32,33は発生する半径方向力を吸収する。これに対して、軸受23,33は更に、軸方向の力を受け止めるために役立つ。これは図8に示した円錐摩擦リング変速機の場合には、反対向きに配置された円錐ころ軸受23,33によって保証される。この円錐摩擦リング変速機の場合には、軸受22,32は円筒ころ軸受として形成されている。
【0063】
これに対して、図1〜6に示した円錐摩擦リング変速機の軸受23,33の場合の軸方向の力は、球面ころ軸受と深溝玉軸受の組み合わせによって相殺される。そのために、軸受23,33は円錐摩擦リング変速機の異なる側に配置されている。この場合、球面ころ軸受は半径方向と軸方向の力を受け止める働きをする。この球面ころ軸受は特に、軸20または30の曲がりに追従するために適している。これに対して、深溝玉軸受は実質的に、軸方向の力を受け止める働きをし、ケーシング1内に半径方向に移動可能に配置されている。
【0064】
必要な軸方向付勢を保証するために、両円錐摩擦リング変速機はそれぞれ、付勢装置を備えている。この付勢装置によって、円錐摩擦ホイールは円錐底面から円錐尖端部の方向に向いた軸方向の力によって付勢可能である。そのために、図8に示した円錐摩擦リング変速機の場合には、皿ばね装置と傾斜カム継手が設けられている。この傾斜カム継手はトルクを適合させることができ一方、皿ばね装置は基礎的な負荷を生じる。傾斜カム継手は半径方向に延びる傾斜部を含み、この傾斜部は円錐摩擦ホイール3に作用するトルクを受けて互いに乗り上げ、これによって押圧力を増大させる。そのために、図1〜6に示した円錐摩擦リング変速機の場合には、液圧手段36が設けられている。この液圧手段は軸方向に摺動可能なシリンダ37である。このシリンダは開口38から液圧的に駆動され、軸受33の深溝玉軸受に作用する。
【0065】
両円錐摩擦リング変速機の変速比の制御は、駆動軸20と被駆動軸30に、回転数測定装置を設けることによって行われる。制御量として、両軸20,30の間の回転数比が役立つ。この回転数比は摩擦リング4の回転姿勢によって調節される。この回転位置はモータ56′,56″によって変更可能である。回転数比が所望の回転数比からそれると、モータ56′または56″によって適当な姿勢変更が行われる。その後で、摩擦リングは円錐摩擦ホイール2,3の外周面に沿って移動する。所望の回転数比が達成されると、摩擦リング4の適当な回転姿勢変更が行われ、この摩擦リングが円錐摩擦ホイール軸線に対して平行に向けられる。
【0066】
摩擦リング4の回転姿勢はモータ56′または56″の位置によって検出され、制御量として利用される。
【0067】
更に、摩擦リング4の相対位置が測定される。測定された相対位置は同様に、操作量として制御回路に入力される。この場合、比較的に迅速な摩擦リング4の移動の場合にのみ、相対位置が使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】円錐摩擦リング変速機の断面図である。
【図2】左側半部は図1のII−II線に沿った図1の円錐摩擦リング変速機の断面図、そして右側半部は図1のIII−III線に沿った図1の円錐摩擦リング変速機の断面図である。
【図3】図1の円錐摩擦リング変速機のための案内キャリッジと、この案内キャリッジ内を案内される摩擦リングの側面図である。
【図4】図3のV−V線に沿った、図3の摩擦リングとその案内キャリッジの断面図である。
【図5】図3のVI−VI線に沿った、図3の摩擦リングとその案内キャリッジの断面図である。
【図6】図1のVII−VII線に沿った図1の円錐摩擦リング変速機の操作枠の断面図である。
【図7】図1の円錐摩擦リング変速機の、2個の円錐摩擦ホイールの間に配置された摩擦リングの概略的な断面図である。
【図8】他の円錐摩擦リング変速機の図1に似た断面図である。
【符号の説明】
2,3 円錐摩擦ホイール
4 摩擦装置
5 ガイド
6 回転面
20,30 軸
22,23,32,33 軸受
34 潤滑剤溜め
35 捕集室
36 液圧手段
41,42 回転領域
48 滑り軸受
50 キャリッジ
52 操作枠
51 案内棒
54 ボールガイド
56′ 回転モータ
56″ リニアモータ
Claims (25)
- 平行な軸線上に互いに反対向きに配置された少なくとも2個の円錐摩擦ホイール(2,3)と、両円錐摩擦ホイール(2,3)を作用連結する摩擦装置(4)とを備えた円錐摩擦リング変速機において、
前記摩擦装置(4)が摩擦リングを備え、前記摩擦リングが少なくとも1個の半径方向外側に配置され、前記円錐摩擦ホイール(2,3)のうちの第1の円錐摩擦ホイール(2)上で転動する回転面(41)、および半径方向内側に配置され、前記円錐摩擦ホイール(2,3)のうちの第2の円錐摩擦ホイール(3)上で転動する回転面(42)を備え、2つの回転面(41,42)が前記摩擦装置(4)の回転平面(40)に対して互いにずらして配置されており、
両摩擦ホイール軸線を通る平面に対して垂直な軸を中心にトルクが摩擦装置(4)に作用し、
前記摩擦装置(4)はキャリッジ(50)を備えるガイド(5)に保持され、
前記摩擦装置(4)が少なくとも2本の案内棒(51)に沿って移動可能なキャリッジ(50)によって案内され、このキャリッジ(50)がボールホイールガイド(54)によって案内棒(51)に沿って案内されており、
前記トルクによって前記摩擦装置(4)が前記ガイド(5)に押し付けられ、前記摩擦装置(4)の振動が抑制されることを特徴とする円錐摩擦リング変速機。 - 変速比が回転する摩擦要素(4)の相対位置に依存して調節され、摩擦要素(4)が第3の軸線に関する回転姿勢を変更することによって相対位置を変更可能であり、操作量として、摩擦要素(4)の回転姿勢が検出され、制御のために制御量として使用されることを特徴とする請求項1記載の円錐摩擦リング変速機。
- トルクが円錐摩擦ホイール(2,3)によって摩擦装置(4)に加えられる力によって生じることを特徴とする請求項1または2記載の円錐摩擦リング変速機。
- 摩擦装置(4)がガイド(5)内で案内され、このガイドが摩擦装置(4)とガイド(5)の間に滑り軸受を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
- 摩擦装置(4)が少なくとも3個の案内個所で案内されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
- 案内棒(51)が、I字形または正方形の横断面を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
- 案内棒(51)が金属薄板、ダイカストアルミニウムまたは合成樹脂製の操作枠(52)に固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
- 操作枠(52)がリニアモータ(56’’)によって駆動されることを特徴とする請求項7記載の円錐摩擦リング変速機。
- 操作枠(52)が回転モータ(56’)によって駆動されることを特徴とする請求項7記載の円錐摩擦リング変速機。
- 両円錐摩擦ホイール(2,3)の少なくとも一方が、貫通する接触範囲を介して円錐摩擦ホイール(2,3)に接触する軸(20,30)に配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
- 両円錐摩擦ホイール(2,3)がそれと一体に形成されたジャーナルを備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
- 円錐摩擦ホイール(2,3)が中実に形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
- 少なくとも1個の円錐摩擦ホイール(2,3)が鋼によって形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
- 摩擦装置(4)がセラミック表面を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
- 摩擦装置(4)がセラミックスからなる摩擦リングを備えていることを特徴とする請求項14記載の円錐摩擦リング変速機。
- 円錐摩擦ホイール(2,3)を取り囲む空間内に、ダイヤモンド粉末または他の固体粒子を有するトラクション流体が設けられていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
- 円錐摩擦ホイール(2,3)の軸受(22,23,32,33)が円錐摩擦ホイール(2,3)を取り囲む空間に対してシールされていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
- 円錐摩擦ホイール室の一方の側に設けられた軸受(22,23,32,33)が互いに接続された軸受室内に配置されていることを特徴とする請求項17記載の円錐摩擦リング変速機。
- 円錐摩擦ホイール室の異なる側に設けられた2個の軸受(22,23,32,33)が、互いに接続された軸受室内に配置されていることを特徴とする請求項17または18記載の円錐摩擦リング変速機。
- 少なくとも1個の円錐ころ軸受を備えていることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
- 円錐ころ軸受の底面側がシールされ、シールと円錐ころの間に捕集室(35)が設けられ、この捕集室から少なくとも1本の潤滑剤搬送管路が延びていることを特徴とする請求項20記載の円錐摩擦リング変速機。
- 円錐ころ軸受の円錐尖端部側に、潤滑剤溜め(34)が設けられていることを特徴とする請求項20または21記載の円錐摩擦リング変速機。
- 少なくとも1個の円錐摩擦ホイール(2,3)が球面ころ軸受を備えていることを特徴とする請求項1〜22のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
- 少なくとも1個の円錐摩擦ホイール(2,3)が軸方向に作用する軸受を備え、この軸受が半径方向に移動可能に配置され、かつ、球面ころ軸受と共に円錐摩擦ホイール(2,3)の片側に配置されていることを特徴とする請求項1〜23のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
- 液圧手段(36)が設けられ、この液圧手段が、円錐底面から円錐尖端部の方に向いた軸方向の力によって、少なくとも1個の円錐摩擦ホイール(2,3)を付勢可能であることを特徴とする請求項1〜24のいずれか一つに記載の円錐摩擦リング変速機。
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