JP4592841B2 - ケーキの処理方法及びこの方法で調製された細粒化処理ケーキ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、砕石工場で副生される砕石フィルタープレスケーキを効率的に処理して有効に活用するための処理技術に関するものである。
【0002】
砕石工場で副生される、砕石フィルタープレスケーキは、通常、産業廃棄物として排出される。
【0003】
従来、ケーキにその改良剤を添加して再生させ、有効利用する技術が実施されている。例えば、土木、建築等の建設産業においては、ケーキに生石灰系又はセメント系の土質改良剤を添加してこれを改良する方法が従来より行なわれている。その一般的方法として、ケーキに土質改良剤を添加し、これを2軸のパドル式ミキサーや多軸式解砕混合機(例えば特開平9−99245号公報)等で混合し解砕する(以下、先行技術1という)。しかし、このような方法では、ケーキを粒径20mm程度までしか加工処理できないので、その処理目的は、ケーキを堆積させた場合の強度の向上やケーキを廃棄する場合の取扱い性の改善(付着性の改善)等に留まっている。
【0004】
また、特開昭64−4298号公報には、フィルタープレスケーキの処理方法として、砕石プラントに生ずる原石山の風化岩と剥土に当該ケーキを生石灰と共に添加し、予備混合し、解砕混合し、そして篩い分けして路床土の埋め戻し材として活用する技術が開示されている。この場合には、風化岩及び剥土とケーキとの処理品は、粒子径10mmアンダー(10mm未満を指す。以下同じ)まで小さくでき、路床土の埋め戻し材に利用される(以下、先行技術2という)。
【0005】
一方、砕石工場で副生するフィルタープレスケーキを粒径数mmまで小さく加工処理する方法があり、得られたケーキは河川の不透水層施工材として使用される。この方法は、ケーキと生石灰とを混合したものを数日間養生し、ケーキ中の水分と石灰とを反応させて細粒化すると同時に、その反応熱によりケーキ中の水分を蒸発させてケーキを乾燥させた後に解砕機で解砕し、数mmの粒径にまで加工するというものである(以下、先行技術3という)。しかし、この方法では、ケーキの養生工程が必要であり、設備が複雑になると共に、養生ヤード等の設置場所が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、建設産業において砕石工場で副生されるフィルタープレスケーキについては、先行技術1や2によれば、粒子径が10mmアンダーまで細粒化処理される。しかし、砕石路床材については、粒径を5mm以下に加工することにより、従来の砕石路盤材であるC−40、M−40(以上、JIS A5001「道路用砕石」)、あるいは道路舗装廃材を主原料として製造し、C−40の品質規格に準じたRC−40(東京都提示規格)に対してある一定の比率で混合して使用することが可能となり、砕石ケーキを製品として有効活用することができるので、砕石工場にとって多大の効果がもたらされる。従って、先行技術1及び2の一層の改善が望まれる。一方、先行技術3によれば、粒径数mmまでの細粒化が可能であるが、処理効率及び設備コスト高等の問題がある。
【0007】
従って、この発明の目的は、砕石工場で副生されるフィルタープレスケーキの粒径を5mm程度以下の細粒化処理されたケーキに、効率的に低コストで処理することが可能な、ケーキの処理方法及びこの方法により処理されたケーキを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記観点から試験研究を重ねた結果、下記知見を得た。
【0009】
一般に、ケーキを数mm以下の細粒に処理する装置としては、バッチ式高速カッターミキサー(通称アイリッヒミキサー)が知られている。なお、本発明者等の特許出願中に係るベルトコンベア上に高速カッター(チョッパー)を配置した連続式分散造粒機等も同様の処理に適する。カッターによるケーキの解砕ないし剪断が進行するにつれて、ケーキの表面に水分が遊離し、解砕された細粒ケーキが再凝集を起こすので、ケーキの細粒化、即ち粒径分布には限界がある。
【0010】
そこで、本発明者等は、初めにケーキを圧延して薄板状に加工することにより比表面積の増大を図り、同時に生石灰系あるいはセメント系改良剤を添加することにより、ケーキ表面に生石灰あるいはセメントを付着させ、ケーキ相互の付着による再凝集を防止すると共に、圧延加工時にケーキ表面に遊離した水分を速やかに改良剤と反応させることができることを知見した。こうして、次工程における上記の連続式分散造粒機あるいはバッチ式高速カッター等によるケーキの分散処理所要時間を短縮することが可能となり、ケーキの再凝集を防止し、従来よりもケーキを細粒化することができ、その細粒化率を高めることが可能であることを実証した。
【0011】
この発明は、上記知見と実証に基づきなされたものであり、その要旨は下記の通りである。即ち、請求項1記載のケーキの処理方法は、砕石フィルタープレスケーキに、生石灰またはセメントからなるケーキ改良剤を添加し、前記ケーキ改良剤が添加されたケーキをロールにより薄板状に圧延加工してケーキの比表面積を増大させ、当該ケーキと前記ケーキ改良剤との反応を促進させると共に、当該ケーキ相互の付着凝集を防止し、こうして得られたケーキに、剪断のみ、分散のみ、又は、剪断及び/又は分散と造粒との両方の処理を施し、そして所定粒度のケーキに調製し、前記圧延加工は、スクレーパーを備えた2軸の平ロール圧延機により行うことに特徴を有するものである。
【0012】
請求項2記載のケーキの処理方法は、砕石フィルタープレスケーキをロールにより薄板状に圧延加工してその比表面積を増大させ、得られたケーキに、生石灰またはセメントからなるケーキ改良剤を添加して、当該ケーキとケーキ改良剤との反応を促進させると共に、当該ケーキ相互の付着凝集を防止し、こうして得られたケーキに、剪断のみ、分散のみ、又は、剪断及び/又は分散と造粒との両方の処理を施し、そして所定粒度のケーキに調製し、前記圧延加工は、スクレーパーを備えた2軸の平ロール圧延機により行うことに特徴を有するものである。
【0013】
請求項3記載の細粒化処理ケーキは、請求項1又は請求項2記載のケーキの処理方法により処理されたケーキであって、分級処理により当該ケーキの所定粒度が実質的に5mm未満に調製されていることに特徴を有するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、この発明を図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1に、本発明のケーキの処理方法を説明するフローの一例を示す。同図に示すように、ケーキ1と生石灰等のケーキ改良剤14との混合物15を圧延機3に投入し、薄板状ケーキ4に加工する。次いで、ベルトコンベア5上で、始めに、縦切りカッター6で、コンベアベルト5の進行方向と平行な方向にケーキ1を切断する。次に、縦切りされたケーキを横切りカッター7で、コンベアベルト5の進行方向と直角な方向に切断する。図3に縦切りカッター6例の概略図を、そして、図4に横切りカッター7例の概略図を示す。いずれも(a)は正面図、(b)は側面図である。但し、上記縦切り及び横切りの工程は適宜省略する。
【0016】
次に、連続式分散造粒機9又はバッチ式高速カッターミキサー8等、剪断機能のみ、分散機能のみ、又は、剪断及び/又は分散機能と造粒機能とを備えた、いわゆる分散造粒装置16で処理する。。このようにしてケーキ1を剪断、分散ないし造粒処理した後、篩分け装置10で分級する。篩分け装置10としては、回転多盤式分級機あるいは振動篩い等を用いる。
【0017】
上述したケーキの処理フローにおいて、圧延処理を行なう装置3としては、ケーキ1を薄板状に圧延加工することができる、2軸の平ロール圧延機12を用いる。ケーキ1の圧延においてはロール表面にその付着が発生するので、平ロール11にスクレーパー13を備えた二軸の平ロール圧延機12を用いる。
【0018】
上記のケーキ処理フローおいて、篩分け装置10により、所定の篩目サイズ、例えば5mmサイズで分級を行なう。ケーキは一般にかなりの水分を含有しているので、篩い目が閉塞しない方式の篩分け装置を選定する事が重要である。この観点から回転多盤式分級機が望ましい。こうして、粒径5mm未満のケーキを調製する。
【0019】
縦切りカッター6及び横切りカッター7による剪断処理工程、及び、回転多盤式分級機や振動篩い等による分級処理工程の実施、不実施は、処理対象ケーキの物性及び調製目標粒度に応じて決める。
【0020】
この発明におけるケーキ処理メカニズムの最大の特徴は、ケーキを薄板状に圧延してその比面積を増大させ、増大したケーキ表面にケーキ改良材を均一に付着させ、ケーキ相互の付着による再凝集を防止すると共に、圧延加工時にケーキ表面に遊離した水分を改良剤と速やかに反応させて再凝集を抑制することにより、以降の適切な処理工程と組み合わせることにより、目標とする粒径のケーキを調製することにある。また、上記処理メカニズムからわかるように、ケーキ表面にケーキ改良材を均一に付着させることができる方法であれば、ケーキへのケーキ改良材の添加時期は、他の工程条件の利便性を考慮してその圧延加工処理の前後のいずれでもよい。一般には、圧延時のケーキ改良材のケーキへの練混み効果があるので、圧延前にこれを添加するのが望ましい。
【0021】
このようにして、処理対象ケーキの物性と調製目標の粒径に応じて、圧延加工によるケーキの厚さを決めること、圧延加工後ケーキの剪断、分散及び造粒の内、各機能を適宜備えた装置を適切に組み合わせて使用すること、並びに、ケーキ改良剤の種類及び添加量を調整することにより、効率よく目標粒径のケーキを調製することができる。
【0022】
【実施例】
この発明を実施例により更に説明する。
【0023】
図1に示したケーキの処理フローに準じた工程により、砕石フィルタープレスケーキを処理した。即ち、砕石フィルタープレスケーキに生石灰を3%添加し、これを平ロール圧延機で厚さ5mmの薄板状ケーキに圧延加工した。圧延加工には、図2に示したスクレーパー13付きの平ロール圧延機12を用いた。ケーキ1は比面積の増大に伴い、ケーキ改良材14としての生石灰が表面に均一に付着して、圧延加工中及び後においてケーキ相互の付着による再凝集が抑制されると共に、圧延加工中にケーキ表面に遊離した水分が改良剤と速やかに反応する。
【0024】
こうして得られた薄板状ケーキ4を連続式分散造粒機9に装入した。連続式分散造粒機9を用いると、薄板状ケーキ4に剪断、分散及び造粒作用が生じて、ケーキ粒子を更に細粒化することができた。また、同時にケーキ粒子の強度も向上させることができた。
【0025】
この剪断、分散及び造粒作用は、コンベアベルト5’上に、その長手方向にコンベアベルト5’の進行方向に逆らって回転するチョッパーを備えた連続式分散造粒装置9で、当該コンベアベルト5’上の薄板状ケーキをチョッパーの剪断と流動との複合作用により、緻密に凝集した粒子に一旦分散させると共に、薄板状ケーキを構成している粒子間の結合水を結合粒子表面に滲み出させる。このように、チョッパーの直接駆動力によるケーキの剪断と、チョッパーの間接駆動力によるケーキの流動とのバランスにより、強固で適切な粒径に分散させると共に造粒する。
【0026】
上記分散造粒過程で形成された、表面に水分が滲み出たケーキの結合粒子に、生石灰が均一に付着してこれと反応する。その結果、生石灰粒子表面に消石灰の薄膜が形成し、ケーキ粒子を適切に乾燥させると共に造粒作用によりこれに強度が付与され、且つその流動性を高められる。こうして、ケーキは剪断、分散、乾燥及び造粒により所定の物性を付与された細粒処理ケーキ18に調製することができた。これを回転多盤式分級機で篩分けして、5mmアンダーの細粒化ケーキ19と+5mmの篩い上の細粒化ケーキ20とを得た。
【0027】
この試験では、砕石フィルタープレスケーキに、薄板状の圧延加工を実施した場合と実施しなかった場合とについて、ケーキの細粒化効果の違いを試験すると共に、ケーキの細粒化効果に及ぼす連続式分散造粒機9による処理程度の影響についても試験した。上記連続式分散造粒機9には、ベルトコンベア5’上に5基の回転チョッパーが所定の間隔を開けて設けられている。この試験においては、チョッパーによるケーキの処理回数を2〜8回まで変化させた。ここで、ケーキのチョッパーによる処理回数がnとは、ケーキが累計n基のチョッパーを通って処理されることを指す。
【0028】
図5に、上記試験結果を示す。ケーキを圧延処理した場合(実施例)と圧延処理しなかった場合(比較例)とについて、得られたケーキの細粒化状況を粒子径が5mmアンダーのものの割合で比較する。実施例によれば、チョッパー処理回数6で、80%強の細粒化ケーキが得られ、チョッパー処理回数を更に増やして8回以上にすると、90%以上が細粒化されている。
【0029】
これに対して、比較例によれば、同じくチョッパー処理回数6では、50%弱の細粒化に留まり、チョッパー処理回数を8回以上に増やしても細粒化の割合は50%強に留まり、これ以上チョッパー処理回数を増やしても、ケーキの細粒化の割合は増大せず飽和傾向を示す。なお、実施例においても、チョッパー処理回数を8回以上に増やしても、ケーキの細粒化割合は、95%程度で飽和する。上記細粒化の飽和傾向は、連続式分散造粒機9における造粒作用が持続するためである。
【0030】
前述したように、砕石フィルタープレスケーキを細粒化処理して、これを砕石路盤材あるいは再生路盤材に一定比率で混合して使用可能とするためには、粒径5mm以下の細粒化比率を、目安として90%以上に確保することが望まれる。
かかる観点から、上記実施例により、砕石フィルタープレスケーキの有効利用が可能となる。
【0031】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、砕石工場で発生する砕石フィルタープレスケーキを設備費及び運転費共に安価で効率よく細粒化することができる。その結果、従来有効活用が困難であった砕石フィルタープレスケーキの活用が可能となる。このような砕石フィルタープレスケーキの処理方法及びこの方法で調製された砕石フィルタープレスケーキを提供することができ、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のケーキの処理方法を説明するフローの一例である。
【図2】スクレーパーを備えた二軸の平ロール圧延機の概念図である。
【図3】縦切りカッターの概念図である。
【図4】横切りカッターの概念図である。
【図5】実施例及び比較例における、チョッパー処理回数と5mmアンダーの細粒化処理ケーキの割合との関係を、実施例及び比較例で比較するグラフである。
【符号の説明】
1 ケーキ
2 生石灰
3 圧延機
4 薄板状ケーキ
5、5’ コンベアベルト
6 縦切りカッター
7 横切りカッター
8 バッチ式高速カッターミキサー
9 連続式分散造粒機
10 篩分け装置
11 回転多盤式分級機
12 平ロール圧延機
13 スクレーパー
14 ケーキ改良剤
15 混合物
16 分散造粒装置
17 チョッパー
18 細粒処理ケーキ
19 5mmアンダー細粒化ケーキ
20 +5mm細粒化ケーキ
Claims (3)
- 砕石フィルタープレスケーキに、生石灰またはセメントからなるケーキ改良剤を添加し、前記ケーキ改良剤が添加されたケーキをロールにより薄板状に圧延加工してケーキの比表面積を増大させ、当該ケーキと前記ケーキ改良剤との反応を促進させると共に、当該ケーキ相互の付着凝集を防止し、こうして得られたケーキに、剪断のみ、分散のみ、又は、剪断及び/又は分散と造粒との両方の処理を施し、そして所定粒度のケーキに調製し、前記圧延加工は、スクレーパーを備えた2軸の平ロール圧延機により行うことを特徴とする、ケーキの処理方法。
- 砕石フィルタープレスケーキをロールにより薄板状に圧延加工してその比表面積を増大させ、得られたケーキに、生石灰またはセメントからなるケーキ改良剤を添加して、当該ケーキとケーキ改良剤との反応を促進させると共に、当該ケーキ相互の付着凝集を防止し、こうして得られたケーキに、剪断のみ、分散のみ、又は、剪断及び/又は分散と造粒との両方の処理を施し、そして所定粒度のケーキに調製し、前記圧延加工は、スクレーパーを備えた2軸の平ロール圧延機により行うことを特徴とする、ケーキの処理方法。
- 請求項1又は請求項2記載のケーキの処理方法により処理されたケーキであって、分級処理により当該ケーキの前記所定粒度が実質的に5mm未満に調製されていることを特徴とする細粒化処理ケーキ。
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