JP4706871B2 - ダイバーシティ受信装置及びその利得調整方法 - Google Patents

ダイバーシティ受信装置及びその利得調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式の無線通信システムに適用して好適なダイバーシティ受信装置及びその利得調整方法に関する。
最初に、ダイバーシティ受信方式を採用しない、W−CDMA方式の無線通信システム等で用いられる従来の受信装置の構成について、図1を参照して説明する。なお、図1に示す受信装置は、受信した無線周波数信号をベースバンド信号へ直接変換するダイレクトコンバージョン方式を前提とした構成である。ダイレクトコンバージョン方式の受信装置については、例えば特許第3329264号公報や特許第3479835号公報等にも詳細に記載されている。
図1に示すように、従来の受信装置では、アンテナ1で受信した信号がLNA(低雑音アンプ)2によって増幅される。LNA2から出力された信号は、帯域フィルタ3によって受信帯域外の不要波成分が除去された後、直交復調器4によりベースバンド信号に変換される。ここでは、ダイレクトコンバージョン方式を想定しているため、ローカル発振器5の出力周波数が受信信号のキャリア周波数と同じになる。
直交復調器4からは、ローカル信号と同相の成分であるI信号と、ローカル信号と直交する成分であるQ信号の2つのベースバンド信号がそれぞれ出力される。I信号及びQ信号は、それぞれ可変利得増幅器(VGA)6、7によって増幅され、ローパスフィルタ8、9によりチャンネル外の不要波成分が除去された後、A/D変換器10、11にてディジタル信号に変換される。
A/D変換器10、11は、一般に回路規模や動作速度の観点から8ビット程度のものが使用される。したがって、A/D変換可能な無歪最大入力レベルと量子化雑音との差(ダイナミックレンジ)は50dB程度になる。A/D変換器10、11は、入力信号のピークファクタや所要のS/N比を考えると、その全てのダイナミックレンジを使うことはできない。したがって、A/D変換器10、11への入力レベルが最適な値となるように可変利得増幅器6、7の利得がそれぞれ調整される。具体的には、A/D変換器10、11で変換可能な無歪最大入力レベルから約10dB程度低いレベルを目標(これをターゲットレベルと呼ぶ)にして可変利得増幅器6、7の利得が調整される。
A/D変換機10、11から出力された、ディジタル信号に変換後のI信号及びQ信号は、不図示の復調回路(Demodulator)へ供給されて原信号が再生される。また、A/D変換器10、11から出力されたI信号及びQ信号は、受信レベル測定器(Level Calculation)12へ供給され、下記演算式(1)にしたがって1スロット毎の平均受信レベル(電力)Pが計算される。
Figure 0004706871
演算式(1)のI、Qのサフィックスは、ディジタル信号に変換されたI信号及びQ信号のサンプル番号を示し、Kはそのスロットの直前番号である。また、Mはスロット内のサンプル数を示し、K+1はスロットの起点のサンプル番号である。なお、「スロット」は、W−CDMA方式で決められた、演算処理のための単位時間である。W−CDMA方式では、このスロット毎に平均受信レベルが計算され、その値に基づいて可変利得増幅器6、7の利得が制御される。
受信レベル測定器12によって算出された平均受信レベルPは利得設定回路(Gain Setting)13へ供給される。利得設定回路(Gain Setting)13は、受信レベル測定器12から受け取った平均受信レベルPと上記ターゲットレベルとの差分に対応した制御信号を出力し、可変利得増幅器(VGA)6、7の利得を設定する。可変利得増幅器6、7としては、制御信号である入力電圧に応じて利得を変更する構成、あるいは制御信号であるディジタル信号に応じて離散的に利得を制御する構成等が知られている。このようにして、A/D変換機10、11に対する入力レベルが最適となるようにフィードバック制御が行なわれる。
以上が、ダイバーシティ受信方式を採用しない、W−CDMA方式の無線通信システム等で用いられる従来の受信装置の構成である。
ところで、現在、W−CDMA方式の無線通信システムで使用されている無線周波数は2GHz帯であり、PDC(Personal Digital Cellular)やその他の無線通信システムで使用される800MHz帯に比べて室内等での伝播特性が劣化する。したがって、低電界領域における受信性能の劣化を補う目的として、W−CDMA方式の無線通信システムにもダイバーシティ受信方式を適用することが検討されている。
W−CDMA方式への適用を前提としない、一般的なダイバーシティ受信装置については、例えば特開2002−141844号公報にその構成例が記載されている。特開2002−141844号公報には、無線周波数信号を中間周波数信号に変換し、エンベロープ検波することで二つのブランチ(受信装置)毎の受信電力をそれぞれ測定する、ダイレクトコンバージョン方式を採用しないダイバーシティ受信装置が記載されている。
上述したW−CDMA方式の無線通信システムへダイバーシティ受信方式を適用する場合、図1に示した従来の受信装置を単純に用いて図2に示すようなダイバーシティ受信方式の受信装置を構成すると、以下に記載するような問題が生じる。
図2は二つのブランチ(受信装置)A、Bを有するダイバーシティ受信方式を例に、図1に示した回路をブランチA及びブランチBにそのまま適用した構成である。但し、ローカル発振器5のみブランチA、Bで共用している。なお、図2では、各構成要素に図1と同様の符号を付与しているが、ブランチAでは“a”のサフィックスを追加し、ブランチBでは“b”のサフィックスを追加することで区別している。
このような構成では、可変利得増幅器の利得がブランチA、B毎に独立して調整される。その調整方法は図1に示した回路と全く同様である。但し、ブランチA、Bでは平均受信レベルが異なるため、各可変利得増幅器の利得は、所属するブランチが備えるA/D変換器に対する入力レベルがそれぞれターゲットレベルとなるように調整される。
図3は図2に示した構成における各ブランチの利得調整後の可変利得増幅器の出力レベルを示している。図3のグラフの縦軸の単位はデシベル(dB)である。また、ここではブランチAがブランチBよりも平均受信レベルが低いと仮定する。このような場合、上述したように可変利得増幅器の利得をブランチ毎に独立して調整するため、結果として可変利得増幅器の出力レベルはいずれもターゲットレベルに収束する。
ここで、仮にブランチBのS/N比(Sb/Nb)を30dBとする。すなわち、
Figure 0004706871
である。このとき各ブランチの受信入力におけるノイズレベルは等しく、利得調整後の信号電力Sa、Sbは、
Sa=Sb=ターゲットレベル…(3)
であるから、ブランチAの平均受信レベルがブランチBの平均受信レベルよりも、例えば10dB低いとすると、そのS/N比(Sa/Na)は、
Figure 0004706871
となる。したがって、利得調整後のブランチAのノイズレベルNaは、利得調整後のブランチBのノイズレベルNbよりも10dB大きくなり、真値では10倍の電力になる。
これら2つのブランチからの出力信号を不図示の後段回路で合成すると、各信号は同相で加算されるため、トータルの信号電力Sは、
Figure 0004706871
となる。また、雑音についてはブランチAとブランチBで相関がないため、トータルの雑音電力Nはそれらの電力和になる。すなわち、
Figure 0004706871
である。したがって、図2に示した回路全体のS/N比は、
Figure 0004706871
となり、平均受信レベルが大きいブランチBのみで受信するよりもS/N比が4.4dB劣化してしまう。
このように、図1に示した回路を2組用意してブランチ毎に独立して利得を調整したのでは、平均受信レベルが大きいブランチのみで受信するよりもS/N比が劣化してしまう。さらに、利得を調整するフィードバックループがブランチ数だけ存在するため、回路構成が複雑になるという欠点もある。
そこで、本発明は、簡易な回路構成で、かつS/N比の劣化を低減できるダイバーシティ受信装置及びその利得調整方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明では、ブランチ毎の受信レベルの測定結果を比較し、最も高い受信レベルである最大受信レベルの測定結果を選択し、最大受信レベルに対応するブランチが備える可変利得増幅器の出力レベルが予め設定されたターゲットレベルとなるように、該可変利得増幅器を含む全てのブランチの可変利得増幅器を同一の利得に調整する。
そのため、本発明のダイバーシティ受信装置及びその利得調整方法では、図1に示した回路を2組用意してブランチ毎に独立して利得を調整する図2に示した構成に比べてS/N比の劣化が抑制され、ダイバーシティ受信方式を採用したことによる効果を得ることができる。
また、ブランチ毎に利得調整のためのフィードバックループを個別に持つ必要がないため、回路規模を削減できる。
図1はダイバーシティ受信方式を採用しない従来の受信装置の構成を示すブロック図である。 図2は図1に示した受信装置をブランチ毎に用いたダイバーシティ受信装置の一構成例を示すブロック図である。 図3は図2に示したダイバーシティ受信装置の利得調整後の各ブランチの出力レベルを示すグラフである。 図4は本発明のダイバーシティ受信装置の一構成例を示すブロック図である。 図5は図4に示したダイバーシティ受信装置の利得調整後の各ブランチの出力レベルを示すグラフである。
図4は本発明のダイバーシティ受信装置の一構成例を示すブロック図であり、図5は図4に示したダイバーシティ受信装置の利得調整後の各ブランチの出力レベルを示すグラフである。なお、図4では、図2に示した従来の受信装置と同様の構成要素について、図2と同様の符号を付与している。
本発明のダイバーシティ受信装置は、W−CDMA方式のように、受信レベルのダイナミックレンジが大きく、最適で安定した受信を行うために、受信装置の利得をきめ細かく調整する必要のある無線通信システムに適用して好適である。
図4に示すように、本実施形態の受信装置は、ブランチ(Branch)A、Bを有するダイバーシティ受信装置であり、ローカル発振器5及び利得設定回路13をブランチA、Bで共用した構成である。
また、本実施形態のダイバーシティ受信装置は、ブランチ(Branch)A、B毎の平均受信レベルPを受け取り、最も大きい平均受信レベルP(最大受信レベル)を選択して利得設定回路(Gain Setting)13へ供給するレベル選定回路(Level select)14を有する点で図2に示した構成と異なっている。本実施形態のダイバーシティ受信装置は、このレベル選定回路(Level select)14で選択された最大受信レベルにしたがってブランチA、Bの利得がそれぞれ調整される。
より具体的には、受信レベル測定器12a、12bの算出結果を基に、平均受信レベルPが大きい方のブランチが有するA/D変換器の入力レベルがターゲットレベルとなるように調整される。すなわち、平均受信レベルPが低い方のブランチも、利得設定回路(Gain Setting)13からの出力信号にしたがって、平均受信レベルPが高い方のブランチと同一の利得に設定される。
したがって、本実施形態の構成では、各ブランチの出力信号レベル差は受信信号のレベル差と等しいままである。一方、雑音レベルについては、ブランチAとブランチBで同一構成の回路を通過し、かつ利得も等しいため、各ブランチでほぼ同じレベルになる。
図5のグラフは図4に示した構成における利得調整後のブランチA、Bの各可変利得増幅器6a、6b、7a、7bの出力レベルを示している。なお、図5の縦軸の単位はdBである。
ここでは、ブランチAがブランチBよりも受信信号レベルが低いと仮定する。
具体的には、
ブランチBのS/N比:Sb/Nb=30dB
ブランチAのレベル:ブランチB−10dB
ブランチAのS/N比:Sa/Na=Sb/Nb−10dB=20dB
とする。
本実施形態では、図5に示すようにブランチBの出力レベルSbがターゲットレベルとなるように利得が調整される。
このとき、ブランチA、Bの利得及び回路構成は同一であるため、ノイズ電力Na、Nbは等しくなる。
Figure 0004706871
一方、ブランチAの信号電力Sa及びブランチBの信号電力Sbは、
Figure 0004706871
Figure 0004706871
となり、これらを同相で合成したトータルの信号電力Sは、
Figure 0004706871
となる。また、トータルの雑音電力Nは、ブランチ間で相関がなく2倍となるので、
Figure 0004706871
となる。これより、図4に示す回路全体のS/N比は、
Figure 0004706871
となる。したがって、平均受信レベルが大きいブランチBのみで受信したときに比べてS/N比の劣化は0.6dB程度で済む。
なお、上記説明では、二つのブランチ(受信装置)を有する構成を例にして、本発明のダイバーシティ受信装置について説明したが、ブランチ数は二つに限らず、それ以上であってもよい。その場合、レベル選定回路(Level select)14は、複数の受信レベル測定器(Level Calculation)で算出されたブランチ毎の平均受信レベルPを受け取り、その中で最大の平均受信レベル(最大受信レベル)の測定結果を選択して出力すればよい。その場合、利得設定回路(Gain Setting)13は最大受信レベルに基づき全ての可変利得増幅器を同一の利得に設定する。
本実施形態のダイバーシティ受信装置によれば、ブランチ毎の受信レベルの測定結果を比較し、最も高い受信レベルである最大受信レベルの測定結果を選択し、最大受信レベルに対応するブランチが備える可変利得増幅器の出力レベルが予め設定されたターゲットレベルとなるように、該可変利得増幅器を含む全ての可変利得増幅器を同一の利得に調整する。そのため、図1に示した回路を2組用意してブランチ毎に独立して利得を調整する、図2に示した構成に比べてS/N比の劣化が抑制され、ダイバーシティ受信方式を採用したことによる効果を得ることができる。また、ブランチ毎に利得調整のためのフィードバックループを個別に持つ必要がないため、回路規模を削減できる。
ところで、W−CDMA方式の無線通信システムでは、上述したスロット毎に信号処理が実施される。したがって、可変利得増幅器の利得についても1スロット毎の平均受信電力値に基づいて制御される。ここで、1スロット内では利得が一定であり、次のスロットで前回の演算結果(平均受信電力)が反映されて、最大受信レベルに基づき全ての可変利得増幅器が同一の利得に設定される。すなわち、本実施形態のダイバーシティ受信装置を備える移動端末装置では、記憶素子(スロット)を備えていることになるため、通信が途切れた場合でも一つ前のスロットの演算結果を利用できる。例えば、待ち受け(間欠受信)状態やパケットが無くなったときに、一つ前のスロットの演算結果を参照して利得調整を含む様々な制御を行うことが可能である。
また、図4に示した構成では、A/D変換器10a、10b、11a、11bから後段に配置される合成回路や復調回路(不図示)、受信レベル測定器12及びレベル選定回路14等の回路を1つの集積回路装置へ収容することが可能である。その場合、該集積回路装置から外部(利得設定回路13)への出力は、ストローブ、データ、及びクロックの3つの信号で済む。
一方、図2に示した構成では、集積回路装置から外部(利得設定回路13)へ出力する信号数が2倍となる。近年の移動端末装置は、実装面積の拡大が非常に困難であり、ダイバーシティ受信方式を採用することで受信装置の構成要素が増え、さらに集積回路装置の端子数が増えることで実装面積が大きくなると、移動端末装置への実装が不可能となるおそれがある。したがって、本願発明のように、回路規模を削減することで、例え3本でも端子数の増大を防止できれば、その効果は非常に大きなものとなる。

Claims (3)

  1. ダイレクトコンバージョン方式の受信装置から成るブランチを複数備えたダイバーシティ受信装置であって、
    前記ブランチ毎の受信信号を増幅する、利得の制御が可能な複数の可変利得増幅器と、
    前記ブランチ毎の受信レベルを測定し、該測定結果を出力する複数の受信レベル測定回路と、
    前記ブランチ毎の受信レベルの測定結果を比較し、最も高い受信レベルである最大受信レベルの測定結果を選択して出力する受信レベル選定回路と、
    前記最大受信レベルに対応するブランチが備える可変利得増幅器の出力レベルが予め設定された所定値となるように、該可変利得増幅器を含む全てのブランチの可変利得増幅器を同一の利得に調整する利得設定回路と、
    を有し、
    前記受信レベル測定回路は、
    予め設定された所定の時間間隔であるスロット毎に前記受信レベルの平均電力を算出し、前記受信レベルの測定結果として出力し、
    前記受信レベル選定回路は、
    前記スロット毎に、前記最大受信レベルを決定し、該最大受信レベルに基づき、全ての可変利得増幅器を同一の利得に設定するダイバーシティ受信装置。
  2. 前記受信レベル測定回路及び前記受信レベル選定回路を、
    一つの集積回路装置内に備える請求項1記載のダイバーシティ受信装置。
  3. 利得の制御が可能な複数の可変利得増幅器をそれぞれ備えた、ダイレクトコンバージョン方式の受信装置から成るブランチを複数備えたダイバーシティ受信装置の利得調整方法であって、
    前記ブランチ毎の受信レベルを測定して該測定結果をそれぞれ出力し、
    前記ブランチ毎の受信レベルの測定結果を比較し、最も高い受信レベルである最大受信レベルの測定結果を選択し、
    前記最大受信レベルに対応するブランチが備える可変利得増幅器の出力レベルが予め設定された所定値となるように、該可変利得増幅器を含む全てのブランチの可変利得増幅器を同一の利得に調整し、
    前記受信レベルの測定結果として、予め設定された所定の時間間隔であるスロット毎に前記受信レベルの平均電力を算出し、
    前記スロット毎に、前記最大受信レベルを決定し、該最大受信レベルに基づき全ての可変利得増幅器を同一の利得に設定するダイバーシティ受信装置の利得調整方法。
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