JP5121105B2 - 光学的に純粋なテトラヒドロプテリンおよびその誘導体、特に光学的に純粋なテトラヒドロ葉酸およびその誘導体を立体特異的水素化によって製造する方法 - Google Patents
光学的に純粋なテトラヒドロプテリンおよびその誘導体、特に光学的に純粋なテトラヒドロ葉酸およびその誘導体を立体特異的水素化によって製造する方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、プテリンおよびプテリン誘導体、特に葉酸または葉酸塩、または葉酸エステルまたは葉酸エステル塩を水素化触媒としての、極性反応媒体中で溶解した金属錯塩を用いて水素化することによってテトラヒドロプテリンおよびその誘導体、特にテトラヒドロ葉酸、テトラヒドロ葉酸塩、−エステルおよび−エステル塩を製造する方法に関する。本発明は更に葉酸エステルおよびテトラヒドロ葉酸エステルの付加塩にも関する。
【0002】
プテリンは式
【0003】
【化6】
【0004】
で表され、このビ−ヘテロ環化合物の誘導体が天然に産しそして天然および合成誘導体が生理学上の作用を示すことが知られている。その作用はしばしば5,6,7,8−テトラヒドロプテリンによって発揮される。それ故に中間生成物または生理学的に有効な化合物としてテトラヒドロプテリンおよびその誘導体を入手し易くすることに興味が持たれている。公知の生理学的に有効な一つのテトラヒドロプテリン誘導体は、中でも白血球の成長要素として血液形成に作用するテトラヒドロ葉酸である。テトラヒドロ葉酸は葉酸から誘導される。
【0005】
葉酸は式I
【0006】
【化7】
【0007】
で表され、この場合グルタミン酸残基の不斉α−C原子がS−立体配置(αS)で存在するかまたはR−立体配置(αR)で存在し得る。葉酸のエナンチオマーは以下では(αS)−葉酸および(αR)−葉酸と称する。葉酸エステルおよびそれの誘導体についても同様なことが言える。これらは(αS)−葉酸エステルおよび(αR)−葉酸エステルと呼ぶ。天然に産する葉酸は(αS)−葉酸に相当する。
【0008】
テトラヒドロ葉酸は式II
【0009】
【化8】
【0010】
で表され、この場合グルタミン酸残基の不斉α−炭素原子がS−立体配置(αS)で存在するかまたはR−立体配置(αR)で存在しそしてテトラヒドロプテリン残基中の不斉炭素原子6がR−立体配置(6R)で存在するかまたはS−立体配置(6S)で存在し得る。テトラヒドロ葉酸のジアステレオマーは以下では(6S,αS)−、(6S,αR)−、(6R,αS)−および(6R,αR)−テトラヒドロ葉酸と呼ぶ。テトラヒドロ葉酸エステルおよびそれの誘導体についても同様なことが言える。これらは(6S,αS)−、(6S,αR)−、(6R,αS)−および(6R,αR)−テトラヒドロ葉酸エステルと称する。天然に産するテトラヒドロ葉酸は(6S,αS)−テトラヒドロ葉酸に相当する。
【0011】
以下において葉酸、葉酸エステルおよび葉酸エステル塩という言葉は他に表示が無い限り、常に両方のエナンチオマー(αS)および(αR)を包含しそしてテトラヒドロ葉酸、テトラヒドロ葉酸エステルおよびテトラヒドロ葉酸エステル塩も可能なあらゆるジアステレオマーを包含する。本発明において葉酸エステル塩およびテトラヒドロ葉酸エステル塩は葉酸エステルテトラヒドロ葉酸エステルと酸との付加塩を含む。
【0012】
テトラヒドロ葉酸は5−ホルミル−または5−メチル誘導体およびそれの生理学上親和性のある塩の状態で広く治療に使用されてきた。還元された葉酸塩の天然に産するおよび天然に産しないジアステレオマー、例えばテトラヒドロ葉酸の天然の(6S,αS)−ジアステレオマーおよびテトラヒドロ葉酸の合成のテトラヒドロ葉酸の(6R,αS)−ジアステレオマーの生物活性が著しく相違することが久しい以前から公知である。それ故に最も活性のある状態でのみ含まれているかまたはこれが少なくとも高濃度である治療用調剤を提供することは合目的的である。
【0013】
テトラヒドロ葉酸は工業的には一般に(αS)−葉酸のペテリン骨格の二つのイミン基を不均一水素化することによって製造され、その際に通常2つのジアステレオマーの当モル混合物、即ち(6S,αS)−テトラヒドロ葉酸および(6R、αS)−テトラヒドロ葉酸の当モル混合物が得られる。当モル混合物は製薬調剤に使用することができる。しかしながら以前にもテトラヒドロ葉酸の所望のジアステレオマーを分別結晶によって濃縮するかまたは純粋な状態で製造することが可能である。これのためには種々の方法が公知である。例えばヨーロッパ特許第0,495,204号明細書参照。この方法は経済的観点から見て、不所望のジアステレオマーを何処か他で使用しなければならないので、納得できるものではない。
【0014】
この様な物質損失を減少させるかまたは完全に回避するために、葉酸のジアステレオマー選択的(不均一)水素化も既に提案されている。例えばヨーロッパ特許第0,551,642号明細書には、光学活性のジホスフィンで担体上に固定されたRh(I)−錯塩を葉酸を水性緩衝溶液中で水素化するために用いることを説明している。光学的収率は約50%deまで達成され、その際にこの値は光学的収率を測定する前に誘導体化することによってごまかすことができそして水素化の後の実際の値に要求が合わせる必要がないことを考慮しなければならない。確かに、発明者自身すらヨーロッパ特許第0,551,642号明細書に記載の値に疑いをもっている(これについては、H.Brunner等、Chem.Ber./Receuil,1997、No.130,第55〜61頁、特に第56頁、右欄第1段落参照)。この不均一水素化の一つの欠点は、担体材料の影響に起因してジアステレオマー選択性が顕著に変動することである。これは再現性に著しい影響を及ぼす。更に、>40の基質/触媒−比の場合には化学的収率並びに光学的収率が劇的に低下するので、基質と触媒との低い比(多い触媒量)を使用しなければならない。触媒の分離、精製および再使用も同様に化学的および光学的収率を悪化させる。特別な欠点は触媒活性が低く、高い触媒濃度にもかかわらず比較的に長い反応時間が必要とされる点である。それ故にこの方法は工業的規模には適していない。
【0015】
ヨーロッパ特許第0,256,982号明細書、同第0,564,406号明細書および同第0,646,590号明細書からは、キラルなジホスフィン配位子を有するイリジウム金属錯塩をプロキラルなイミンの立体選択的水素化に使用できることが公知である。しかしながら芳香族環系の一部であるイミン基を水素化することは開示されていない。
【0016】
P.H.Boyle等はTetraherdron 第44巻、No.16(1988)、第5179〜5188頁に、非対称ロジウム/ジホスフィン錯塩を用いてベンゼン性溶液中で水の存在下で葉酸シリルエステルを水素化する際に決して水素を取り込まずそして基質が変化せずに回収されることが開示されている。
【0017】
プテリンおよびプテリン誘導体、例えば葉酸を反応媒体中で該媒体中に溶解された金属錯塩の状態の水素化触媒を用いて水素で水素化することは、かゝる方法が工業的に要求されているにもかかわらず未だ知られていない。
【0018】
【発明の構成】
本発明者は驚くべきことに、極性反応媒体、例えば水性またはアルコール性反応媒体を使用した場合に、芳香族プテリン系、特に葉酸および葉酸エステル中のイミン基を水素化触媒としての溶解された金属錯塩の存在下に水素で水素化できることを見出した。この方法は高い転化率のもとで驚く程短い反応時間であることに特徴がある。このことは基質と触媒との比が高い場合でさえ認められる高い触媒活性および−生産性を示している。この方法は経済的であり且つ再現性があり、工業的規模にも適している。
【0019】
更に驚くべきことに本発明者は、水素化触媒としてキラルな配位子を持つ金属錯塩を使用した場合に、この反応条件のもとで不均一水素化すら実施することができそしてそれどころか50%eeまたはde以上であり得る高い光学的収率が達成されることを見出した。不均一水素化反応によって例えば(αS)−葉酸または(αS)−葉酸エステルあるいは(αS)−葉酸エステル塩から配位子の光学的誘導次第で、(6R,αS)−あるいは(6S、αS)−ジアステレオマーが主であるジアステレオマー混合物を得ることができる。(αR)−葉酸または(αR)−葉酸エステルあるいは(αR)−葉酸エステル塩から出発した場合には、(6R,αR)−あるいは(6S、αR)−ジアステレオマーが主である混合物が得られる。
【0020】
本発明の第一の対象は、プテリンおよびプテリン誘導体を水素化触媒の存在下に水素で水素化することによってテトラヒドロプテリンおよびテトラヒドロプテリン誘導体を製造する方法において、水素化を極性反応媒体中で実施しそして反応媒体中に溶解する金属錯塩を水素化触媒として用いることを特徴とする、上記方法である。
【0021】
この水素化はジヒドロプテリン中間体段階を経ることができる。本発明には、かゝる中間体、あるいはジヒドロプテリンおよびジヒドロプテリン誘導体を出発化合物として水素化に使用することも包含される。これらの出発化合物はあらゆる互変異性体、例えば5,6−、7,8−および5,8−ジヒドロプテリンおよびジヒドロプテリン誘導体、およびエナンチオマー(6−アミノエテニル−テトラヒドロプテリンおよび−誘導体)が適する。
【0022】
本発明の範囲において極性反応媒体は特に水性またはアルコール反応媒体を意味する。
【0023】
本発明の特に有利な対象は、葉酸、葉酸塩、葉酸エステルまたは葉酸エステル塩を水素化触媒の存在下に水素で水素化することによってテトラヒドロ葉酸、テトラヒドロ葉酸塩、テトラヒドロ葉酸エステルまたはテトラヒドロ葉酸エステル塩を製造する方法において、水素化を水素化触媒としての、反応媒体に溶解した金属錯塩の存在下で高圧で水素化を実施し、ただし葉酸およびそのカルボン酸塩を用いる場合には水性の反応媒体が存在しており、葉酸エステルおよび葉酸エステル塩を使用する場合にはアルコール性反応媒体が存在することを前提とする、上記方法である。
【0024】
別の有利な本発明の対象は、プロキラルなプテリン誘導体を水素化触媒の存在下で水素で不均一水素化することによってキラルなテトラヒドロプテリン誘導体を製造する方法において、水素化を極性反応媒体中で実施しそして反応性媒体に可溶性の金属錯塩を水素化触媒として使用し、その際に金属錯塩がキラルな配位子を含有している、上記方法である。不均一水素化のためのプロキラルなプテリン誘導体は主として6−位、7−位にまたは6−および7−位で置換されたプテリンである。
【0025】
他の特に有利な本発明の対象は、葉酸、葉酸塩、葉酸エステルまたは葉酸エステル塩を水素化触媒の存在下で水素で不均一水素化することによってキラルなテトラヒドロ葉酸、キラル並びにテトラヒドロ葉酸塩、テトラヒドロ葉酸エステルまたはテトラヒドロ葉酸エステル塩を製造する方法において、水素化を水素化触媒としての、反応媒体に溶解した金属錯塩の存在下で高圧で実施し、その際に金属錯塩がキラルな配位子を含有しており、ただし葉酸およびそのカルボン酸塩を用いる場合には水性の反応媒体が存在しており、葉酸エステルおよび葉酸エステル塩を使用する場合にはアルコール性反応媒体が存在することを前提とする、上記方法である。
【0026】
(αS)−または(αR)−葉酸またはそれのカルボン酸塩、葉酸エステルまたは葉酸エステル塩を水素化のための出発物質として用いる場合には、金属錯塩中の配位子による光学的誘導次第で反応生成物は(6S,αS)−または(6S、αR)−ジアステレオマー、あるいは(6S,αR)−または(6R,αR)−ジアステレオマーを過剰に含む。(αS)−葉酸と(αR)−葉酸またはそれのカルボン酸塩、葉酸エステルおよび葉酸エステル塩との等モル混合物を使用する場合には、金属錯塩中の配位子による光学的誘導次第で反応生成物は(6R,αS)−、(6R、αR)−ジアステレオマーまたは(6S,αS)−、(6S,αR)−ジアステレオマーを過剰に含む。
【0027】
本発明の範囲において、不均一水素化の際の光学的過剰はジアステレオマーの混合物中に1種類のジアステレオマーまたは1つのジアステレオマー対が専ら存在していることを意味する。1つのジアステレオマーと他のジアステレオマーまたはジアステレオマー対との比が少なくとも55:45、特に好ましくは少なくとも60:40、特に好ましくは少なくとも75:25であるのが特に有利である。
【0028】
プテリンおよびプロキラルなプテリンは公知であるかまたは公知のまたは類似の方法で製造できる。プロキラルなプテリンは6−または7−位であるいは6−および7−位で置換されている。プロキラルなプテリンは式A
【0029】
【化9】
【0030】
[式中、R101 は水素原子であるかまたは無関係にR100 の意味を有し、そして R100 はC−、O−またはN−原子を介して結合した炭素原子数1〜50の有
機残基であり、この有機残基は中断されていないかまたは−O−、−NH−、
−N(C1 〜C4 −アルキル)−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(
O)−、−OC(O)O−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−NHC
(O)O−、−OC(O)NH−、−NHC(O)NH−、−C(O)N(C
1 〜C4 −アルキル)−、−N(C1 〜C4 −アルキル)C(O)−、−N(
C1 〜C4 −アルキル)C(O)O−、−OC(O)N(C1 〜C4 −アルキ
ル)−、−N(C1 〜C4 −アルキル)C(O)N(C1 〜C4 −アルキル)
−よりなる群から選択される1つまたは複数の基で中断されており、且つ非置
換であるかまたはF、Cl、Br、−CN、−OCN、−NCO、−OH、−
NH2 、−NHC1 〜C4 −アルキル、−N(C1 〜C4 −アルキル)2 、C
1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −ハロゲン化アルキル、C1 〜C4 −ヒドロ
キシアルキル、C1 〜C4 −アルコキシ、C1 〜C4 −ハロゲン化アルコキシ
、−C(O)OH、−C(O)OM100 、−C(O)OC1 〜C4 −アルキル
、−C(O)NH2 、−C(O)NHC1 〜C4 −アルキル、−C(O)N(
C1 〜C4 −アルキル)2 、R102 −C(O)O−、R102 −OC(O)O−
、R102 −C(O)NH−、R102 −C(O)N(C1 〜C4 −アルキル)、
R102 −NHC(O)NH−、R103 C(O)−または−CH(O)で置換さ
れており、
M100 はLi、K、Na、NH4 + または炭素原子数1〜16のアンモニウム
であり、
R102 はC1 〜C8 −アルキル、C5 またはC6 −シクロアルキル、フェニル
またはベンジルでありそして
R103 はC1 〜C4 −アルキル、フェニルまたはベンジルを意味する。]
で表される。
【0031】
R100 は炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20、特に好ましくは1〜12で場合によってはO、NおよびPの群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を持つ有機残基として含まれている。有機残基の例にはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、ナフチル、フェニルアルキルおよびナフチルアルキル、並びにOおよびNの群から選択されるヘテロ原子を持つ相応するヘテロ残基がある。
【0032】
C1 〜C4 −アルキル基はメチルまたはエチル基が有利である。炭素原子数1〜16のアンモニウムとしてのM100 は例えばH3 N(C1 〜C4 −アルキル)+ 、H2 N(C1 〜C4 −アルキル)2 + 、HN(C1 〜C4 −アルキル)3 + またはN(C1 〜C4 −アルキル)4 + があり、ただしアルキルはメチル、エチルまたはn−ブチルである。R102 はアルキル基としては好ましくは1〜4個の炭素原子を有し、例えばメチル、エチル、プロピルおよびブチルがある。R103 はメチル、エチルまたはフェニルを意味するのが有利である。
【0033】
式Aの化合物の有利なサブグループには、R101 がHでありそしてR100 が−CH3 、フェニル、−CH=O、場合によってはアセチル、トリフルオロアセチルまたは=Oで置換されたC2 〜C6 −モノ−またはポリヒドロキシアルキル、−C(O)−C1 〜C4 −アルキル、−C(O)OH、−C(O)OC1 〜C4 −アルキル、−C(O)NH2 、−C(O)NHC1 〜C4 −アルキル、−C(O)N(C1 〜C4 −アルキル)2 、−CH2 (CH2 )0.1 −OH、−CH2 (CH2 )0.1 −NH2 、−CH2 (CH2 )0.1 −NH−C1 〜C4 −アルキルまたは−CH(R104 )−(R105 )−p−C6 H4 −C(O)−R106 を意味し、
R104 はH、メチルまたはエチルであり、
R105 は直接結合、−CH2 −、−O−、−NH−、−NCH3 −、−N[HC(O)]−、−N[CH3 C(O)]−、−N[CF3 C(O)]−、−NHC(O)−または−OC(O)−を意味し、そして
R106 は−OH、−NH2 、−NHCH3 、−N(CH3 )2 または−NHR107 であり、ただしR107 はα−炭素原子に結合した天然または合成のアミノ酸の、または2〜12のアミノ酸単位を有する天然または合成のアミノ酸よりなるペプチドのα−炭素原子に結合した残基である。
【0034】
モノまたはポリヒドロキシアルキルは好ましくは2〜4個の炭素原子、および特に好ましくは種々の炭素原子に結合した1〜4個のOH基を有している。
【0035】
式A中のR100 の若干の例には−CHO−、−C(O)−CH3 、−CH2 −NH2 、−CH2 CH2 NH2 、−CH2 −OH、−CH2 CH2 −OH、−C(O)−OH、−CH2 −C(O)−OH、−C(O)−NH2 、−CH2 −C(O)−NH2 、−CH2 −NH−p−C6 H4 −C(O)OH(R101 がHである場合にはプテロイン酸)、−CH2 CH2 −NH−p−C6 H4 −C(O)OH、−CH2 CH2 −NH−p−C6 H4 −C(O)−NH−CH(CO2 H)−CH2 CH2 −C(O)OH(R101 がHである場合にはホモ葉酸)、−C(O)−CH(OH)−CH3 、R101 がHでそしてR100 が−CH(OH)−CH(OH)−CH3 の場合にはバイオプテリン、およびR101 がHでそしてR100 が−CH(OH)−CH(OH)−CH2 −OHの場合にはネオプテリン、−CH2 −N(CHO)−p−C6 H4 −C(O)−NH−CH(CO2 H)−CH2 CH2 −C(O)OH(R101 がHである場合には10−ホルミル葉酸)、並びに−CH2 −NH−p−C6 H4 −C(O)−NH−CH(CO2 H)−CH2 CH2 −C(O)OH(R101 がHである場合には葉酸)がある。バイオプテリンおよびネオプテリンのキラルな炭素原子はラセミ体または光学異性体として存在し得る。例えば
【0036】
【化10】
【0037】
可溶性水素化触媒としての金属錯塩は実質的にd−8金属を含有している。特に好ましいd−8金属はロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)およびルテニウム(Ru)より成る群から選択される。
【0038】
可溶性水素化触媒としての金属のための配位子はしばしば第三アミンおよび/またはホスフィン基を錯塩形成性基として含有しており、配位子と金属原子とが5〜10、好ましくは5〜7の環員数の環を形成している。特に第三アミン基と第三ホスフィン基または2つの第三ホスフィン基を含有する配位子が有利である。
【0039】
アキラルなまたはキラルな有機系ジ第三ジホスフィン配位子が特に有利である。本発明においてキラルなジ第三ジホスフィン配位子は、ホスフィンが少なくとも1つのキラルな元素を有しておりそして少なくとも2つの光学異性体を包含することを意味している。光学異性体は例えばステレオジエン中心(不斉炭素原子)、アトロプ異性体または平面キラリティーによって決定され得る。ステレオジエン中心はホスフィン置換基におよび/または骨格におよび/またはジホスフィンの骨格の側鎖基に存在し得る。配位子のエナンチオマーまたはジアステレオマーの選択によって光学誘導を制御しあるいは逆にすることができる。これが予測できない場合には、光学誘導を簡単な予備実験によって決めることができる。触媒Rh/(R)−BINAPでの葉酸エステル塩の水素化は、例えばテトラヒドロ葉酸ジメチルエステル塩の(6S,αS)−ジアステレオマーの濃縮をもたらす。触媒Rh/(S)−BINAPを用いて同じ水素化を実施した場合には、テトラヒドロ葉酸ジメチルエステル塩の(6R,αS)−ジアステレオマーの同じ高度な濃縮が達成される。
【0040】
葉酸は純粋な(αS)−または(αR)−葉酸としてまたは両方のエナンチオマーのあらゆる任意の混合比で使用できる。相応する葉酸エステルは通例のエステル化法によって得ることができる。各葉酸エステルは、式III の化合物について以下に説明する様に、優位なものを含めて、エステル基に同じ炭化水素残基またはヘテロ炭化水素残基を含有していてもよい。(αS)−葉酸および(αS)−葉酸エステルが特に有利である。
【0041】
葉酸はそのカルボン酸塩の状態で存在し得る。例えばアルカリ金属−およびアルカリ土類金属−並びにアンモニウム塩が適している。アルカリ金属−およびアルカリ土類金属塩にはナトリウム−、カリウム−、マグネシウム−およびカルシウム塩が特に有利である。アンモニウム塩ではNH4 + および第一、第二および第三アミンのカチオン並びに第四アンモニウムが適している。これらアミンは例えば1〜30、好ましくは1〜24の炭素原子を有し、そして第四アンモニウムは例えば4〜40、好ましくは4〜32の炭素原子を有し得る。アンモニウムの幾つかの例にはメチル−、エチル−、n−プロピル−,n−ブチル−、n−ヘキシル−、n−オクチル−、フェニル−、ベンジル−、ジメチル−、ジエチル−、ジ−n−プロピル−,ジ−n−ブチル−、ジ−n−ヘキシル−、ジ−n−オクチル−、メチル−エチル−、メチル−n−ブチル−、メチル−n−オクチル−、テトラ−またはペンタメチレン−、トリメチル−、トリエチル−、トリ−n−ブチル−、トリ−n−オクチル−、テトラメチル−、テトラ−n−ブチル−、テトラ−n−オクチル−およびトリメチル−n−オクチル−アンモニウムがある。葉酸塩のアミン基は追加的に1〜3塩基性の無機酸または有機酸と塩を形成し、そして基xHAを含有していてもよく、その際xおよびHAは式III の葉酸エステル塩について以下に規定する意味を特に有利なものを含めて有する。
【0042】
エナンチオマーまたはそれらの混合物の状態の葉酸エステル塩は式III
【0043】
【化11】
【0044】
[式中、R1 またはR2 が水素原子であり、そしてR1 またはR2 の一つまたは
R1 およびR2 の両方が互いに無関係に一価の炭化水素基、または−O−、−
S−および−N−の群から選択されるヘテロ原子を持つ、C−原子を介して結
合するヘテロ炭化水素残基であり、
HAは1〜3塩基性の無機または有機酸であり、
そしてxは1〜6の整数であるかまたは0〜6の分数を意味する。]
で表すことができる。
【0045】
R1 またはR2 は互いに無関係に選択することができ、特に互いに同じであるのが有利である。R1 またはR2 が炭化水素残基であるのが有利である。炭化水素残基としてのR1 またはR2 は炭素原子数1〜20、好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8の、中でも炭素原子数1〜4の脂肪族残基、環中炭素原子数3〜8個および脂肪族残基中炭素原子数1〜6の脂環式または脂環−脂肪族残基、炭素原子数6〜14の、好ましくは6〜10の芳香族炭化水素残基、または炭素原子数7〜15、好ましくは7〜10の芳香族脂肪族残基が適する。
【0046】
ヘテロ炭化水素残基は炭素原子数2〜16、好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜6のヘテロアルキル基、環員数3〜8、好ましくは5または6個のヘテロ脂環式残基、環員数3〜8、好ましくは5または6でそして脂肪族残基中炭素原子数1〜6、好ましくは1〜4のヘテロ脂環式−脂肪族残基、炭素原子数4〜13、好ましくは4〜9でそして少なくとも1つのヘテロ原子を持つヘテロ芳香族残基、炭素原子数4〜13、好ましくは4〜9でそして少なくとも1つのヘテロ原子および脂肪族残基中炭素原子数1〜6、好ましくは1〜4のヘテロ芳香族−脂肪族残基が適している。ただしヘテロ残基は−O−、−S−および−N−の群、好ましくは−O−および−N−の群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有している。
【0047】
炭化水素残基は例えば直鎖状のまたは分岐したC1 〜C20−アルキル、C3 〜C8 −、好ましくはC4 〜C7 −シクロアルキル基、C3 〜C8 −シクロアルキル−C1 〜C6 −アルキルおよび好ましくはC4 〜C7 −シクロアルキル−C1 〜C4 −アルキル、C6 〜C10−アリールまたはC7 〜C12−アルアルキルより成る群から選択することができる。
【0048】
ヘテロ炭化水素残基は例えばC2 〜C16−ヘテロアルキル、C2 〜C7 −、好ましくはC4 〜C5 −ヘテロシクロアルキル、C4 〜C7 −、好ましくはC4 〜C5 −ヘテロシクロアルキル−C1 〜C6 −アルキル、C4 〜C9 −、好ましくはC4 〜C5 −ヘテロアリール、およびC5 〜C12−、好ましくはC5 〜C10−ヘテロアルアルキルより成る群から選択することができる。ただしヘテロ残基は−O−および−N−の群から選択される1〜3、好ましくは1または2つのヘテロ原子を含有している。
【0049】
R1 またはR2 は好ましくは炭素原子数1〜12、殊に好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4の直鎖状のまたは分岐したアルキル基である。例えばメチル、エチル、およびプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルおよびエイコシルの各異性体がある。アルキルが直鎖状であるのが好ましく、アルキルがメチル、エチル、n−プロピルおよびn−ブチルであるのが有利である。
【0050】
R1 またはR2 はシクロアルキルとしては4〜7、好ましくは5または6の環員炭素原子を有しているのが有利である。シクロアルキルの例にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルがある。シクロヘキシルが特に有利である。
【0051】
R1 またはR2 はシクロアルキル−アルキルとしては4〜7、好ましくは5または6の環員炭素原子および1〜4、好ましくは1または2の脂肪族残基中炭素原子を有しているのが有利である。シクロアルキル−アルキルの例にはシクロプロピルメチルまたは−エチル、シクロブチルメチルまたは−プロピル、シクロペンチルメチルまたは−エチル、シクロヘキシルメチルまたは−エチル、シクロヘプチルメチルおよびシクロオクチルメチルがある。シクロヘキシルメチルまたは−エチルが特に有利である。
【0052】
R1 またはR2 はアリールとしてはナフチル、特にフェニルがあり得る。R1 およびR2 はアルアルキルとしてはフェニルアルキル、特にアルキル基中炭素原子数1〜4のものが好ましい。例えばベンジルおよびβ−フェニルエチルがある。
【0053】
R1 またはR2 はヘテロアルキルとして例えばC1 〜C4 −アルキル−X1 −C2 〜C4 −アルキルがあり、その際にX1 はOまたはNC1 〜C4 −アルキルである。例にはメトキシエチルおよびエトキシエチルがある。
【0054】
R1 またはR2 はヘテロシクロアルキルとしては例えばピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニルまたはピペラジニルがある。
【0055】
R1 またはR2 はヘテロシクロアルキル−アルキルとしては例えばピロリジニルメチルまたは−エチル、ピペリジニルメチルまたは−エチル、モルホリニルメチルまたは−エチル、テトラヒドロピラニルメチルまたは−エチルまたはピペラジニルメチルまたは−エチルがある。
【0056】
R1 またはR2 はヘテロアリールとしては例えばチオフェニル、フラニル、ピラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、キノリニル、オクサゾリルまたはイソオクサゾリルがある。
【0057】
R1 またはR2 はヘテロアルアルキルとしては例えばフラニルメチルまたは−エチル、ピラニルメチルまたは−エチル、ピロリイルメチルまたは−エチル、イミダゾリルメチルまたは−エチル、ピリジニルメチルまたは−エチル、ピリミヂニルメチルまたは−エチル、ピラジニルメチルまたは−エチル、インドリルメチルまたは−エチル、キノリニルメチルまたは−エチルがある。
【0058】
式III の化合物の有利な群には、R1 またはR2 が互いに無関係にC1 〜C4 −アルキル、C5 −またはC6 −シクロアルキル、フェニル、C1 〜C4 −アルキルフェニル、ベンジルまたはC1 〜C4 −アルキルベンジルであるもがある。R1 およびR2 が同じ残基であるのが特に有利である。中でもR1 およびR2 がC1 〜C4 −アルキルであり、例えばメチルまたはエチルであるのが特に有利である。
【0059】
式III 中、xは1〜4の整数または0.2〜4の分数、特に1〜3の整数または0.5〜3の分数、中でも1または2または0.5〜2の分数であるのが有利である。
【0060】
式III 中の酸HAを無機酸から誘導する場合には、該酸は例えばHCl、HBr、HI、H2 SO3 、H2 SO4 、H2 CO3 、HNO3 、H3 PO3 、H3 PO4 、HBF4 またはH2 PF6 が適している。
【0061】
式III 中のHAが有機酸であるのが有利である。この有機酸は炭素原子数1〜18、好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8のカルボン酸、スルホン酸およびホスホン酸から誘導するのが有利である。
【0062】
有機酸は好ましくは式IV
R3 −X2 −OH (IV)
[式中、X2 は−C(O)−、−S(O)2 −または−P(O)OH−でありそ
してR3 は非置換のまたはハロゲンで、特に弗素または塩素、水酸基、カルボ
キシル基、ニトリル基、C1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシまた
はC1 〜C4 −ハロゲン化アルキルで置換された直鎖状または分岐したC1 〜
C18−アルキル、好ましくはC3 〜C8 −アルキル、C3 〜C8 −シクロアル
キル、好ましくはC4 〜C7 −シクロアルキル、C3 〜C8 −および好ましく
はC4 〜C7 −シクロアルキル−C1 〜C4 −アルキル、C6 〜C10−アリー
ルまたはC7 〜C12−アルアルキル基を意味する。]
R3 は直鎖状または分岐したアルキルでもよく、このアルキルは好ましくは1〜4個の炭素原子を含有している。例えばメチル、エチルおよび、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルおよびエイコシルの各異性体である。アルキルは好ましくは直鎖状であり、特にアルキルはメチル、エチル、n−プロピルおよびn−ブチルであるのが有利である。
【0063】
R3 はシクロアルキルとしては好ましくは4〜7、特に好ましくは5または6の環員炭素原子を持つ。シクロアルキルの例にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルがある。シクロヘキシルが特に有利である。
【0064】
R3 はシクロアルキル−アルキルとしては好ましくは4〜7、特に好ましくは5または6の環員炭素原子および好ましくは1〜4、特に好ましくは1または2の脂肪族残基中炭素原子を持つ。シクロアルキル−アルキルの例にはシクロプロピルメチルまたは−エチル、シクロブチルメチルまたは−プロピル、シクロペンチルメチルまたは−エチル、シクロヘキシルメチルまたは−エチル、シクロヘプチルメチルおよびシクロオクチルメチルがある。シクロヘキシルメチルまたは−エチルが特に有利である。
【0065】
R3 はアリールとしてはナフチル、特にフェニルがあり得る。R2 はアルアルキルとしてはフェニルアルキル、特にアルキル基中炭素原子数1〜4のものが好ましい。例えばベンジルおよびβ−フェニルエチルがある。
【0066】
式IV中のX2 は−S(O)2 −が特に好ましい。
有機酸の幾つかの有利な例には醋酸、プロピオン酸、酪酸、モノ−、ジ−およびトリクロロ醋酸、モノ−、ジ−およびトリフルオロ醋酸、ヒドロキシ醋酸、蓚酸、マロン酸、シクロヘキサンモノ−および−ジカルボン酸、安息香酸、フタル−およびテレフタル酸、トリフルオロメチル安息香酸、フェニル醋酸、フェニルホスホン酸、メチル−、エチル−、プロピル−、ブチル−、シクロヘキシル−、フェニル−、メチルフェニル−、トリフルオロメチルフェニル−、モノ−、ジ−およびトリクロロメチル−、モノ−、ジ−およびトリフルオロメチルスルホン酸がある。非置換のおよび置換されたフェニルスルホン酸が特に有利である。
【0067】
葉酸エステルの(αS)−あるいは(αR)−エナンチオマーは式III a
【0068】
【化12】
【0069】
[式中、R1 およびR2 は特に有利な意味も含めて、式III の化合物に付いて規
定した意味を有する。]
葉酸またはそのカルボン酸塩、葉酸エステルおよび葉酸エステル塩およびそれらのエナンチオマーは反応媒体に部分的にまたは完全に溶解し得る。部分的に溶解した溶液の場合には懸濁液またはエマルジョンで存在する。葉酸またはそれのカルボン酸、葉酸エステルおよび葉酸エステル塩は反応媒体の溶剤1Lに少なくとも0.5g、好ましくは1L当り少なくとも1g、特に好ましくは1L当り少なくとも5g、中でも1L当り少なくとも10g溶解するのが有利であることがわかっている。
【0070】
この方法は1〜500bar、好ましくは1〜150bar、特に好ましくは1〜120bar、中でも5〜100barの水素圧で実施することができる。
【0071】
反応温度は例えば0〜150℃、好ましくは10〜120℃、特に好ましくは10〜100℃であり得る。
【0072】
触媒量は一般に所望の反応時間におよび経済性を考慮して左右される。基質と触媒とのモル比は例えば10〜100000、好ましくは20〜20000、特に好ましくは50〜10000、中でも100〜5000である。
【0073】
本発明において水性反応媒体は、水だけ、または有機溶剤との混合物の状態の水である。水の割合は少なくとも30容量%、好ましくは少なくとも50容量%、特に好ましくは少なくとも70容量%である。中でも特に好ましい場合は、反応媒体が水だけを含有する。適する溶剤は例えばアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、およびエチレングリコールモノメチルエーテル;エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン;スルホキシドおよびスルホン、例えばジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン;およびN−置換カルボン酸アミドおよびラクタム、例えばN−メチルピロリドンおよびジメチルホルムアミドがある。溶剤が水と混合できない場合には、二段階水素化を行なう。
【0074】
水性反応媒体に緩衝剤、塩基および/または酸を添加してもよい。反応は例えば1〜10、好ましくは3〜9、特に好ましくは5〜8のpH値で実施することができる。
【0075】
適する緩衝剤は特にリン酸塩緩衝液である。しかしながらカルボン酸、炭酸、リン酸および硼酸も使用することができる。適する塩基は例えばアルカリ金属−およびアルカリ土類金属水酸化物、アミン、およびカルボン酸、炭酸、リン酸および硼酸のアルカリ金属塩である。適する酸は例えばHCl、HBr、HI、HBF4 、HClO4 、カルボン酸(場合によっては弗素化−または塩素化醋酸、安息香酸、クエン酸)、硼酸、リン酸、メタンスルホン酸、硫酸および炭酸がある。塩基および酸は可溶性または非可溶性ポリマー、例えばイオン交換体も適し得る。塩基、酸および/または緩衝剤の量は1Lの水に対して0〜2、好ましくは0〜1、特に好ましくは0〜0.5モルである。
【0076】
本発明においてアルコール性反応媒体はアルコールが単独でまたは他の有機溶剤との混合物として存在していることを意味する。適するアルコールは脂肪族、脂環式、脂環式−脂肪族および芳香脂肪族アルコールである。幾つかの有利な例にはメタノール、エタノール、n−またはイソプロパノール、n−、イソ−または第三ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサンジオール、ヒドロキシメチル−またはジヒドロキシメチルシクロヘキサン、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、エチレングリコールモノメチル−または−モノエチルエーテル、およびジエチレングリコールモノメチル−または−モノエチルエーテルがある。特にメタノール、エタノール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオールおよびイソプロパノールが有利である。アルコールの割合は好ましくは少なくとも30容量%、特に好ましくは少なくとも50容量%、中でも少なくとも70容量%である。アルコールだけを用いるのが特に有利である。水素化の立体選択率は使用する反応媒体に左右される。溶剤がアルコールに混和できない場合には、二段回で水素化を行なう。
【0077】
適する有機溶剤は例えばエーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン;スルホキシドおよびスルホン、例えばジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン;N−置換カルボン酸アミドおよびラクタム、例えばN−メチルピロリドンおよびジメチルホルムアミド;ケトン、例えばアセトンまたはメチルイソブチルケトン;およびカルボン酸エステル、例えば醋酸メチルエステル、醋酸エチルエステル、プロピオン酸メチルエステルである。
【0078】
有利な触媒金属はロジウム、イリジウムおよびルテニウムである。触媒は水素化の前または水素化の際に水素と接触することによって触媒活性スペシーズに変換される触媒前駆体も意味する。
【0079】
使用されるジホスフィン触媒の触媒特性が金属ハロゲン化物およびアンモニウムハロゲン化物の添加によって影響され得ることは公知である。それ故に、反応混合物にアルカリ金属−またはアンモニウム塩化物、−臭化物または−沃化物、例えばLiCl、LiBr、LiI、NaI、NaBrまたはテトラブチルアンモニウム沃化物を添加するのが有利であり得る。その量は例えば1Lの溶剤当り0.001〜5モルでよい。更に他の変性剤および助触媒、例えばフタルイミド、ヒダントインまたはパラボン酸を添加してもよい。
【0080】
【化13】
【0081】
金属錯塩のための適する配位子には、第三ホスフィン、特にトリアリールホスフィン、例えばトリフェニル−、トリトルイル−およびトリキシリルホスフィンおよびトリシクロアルキルホスフィン、例えばトリシクロヘキシルホスフィン、並びに第三ホスファン、例えばテトラメチレン−またはペンタメチレン−フェニルホスフィンがある。特に適するものには二座配位子、例えばアキラルなまたはキラルなジ第三ジホスフィン、または第三ホスフィノイミンがある。第三ホスフィノイミンの例はA.Lightfoot等、Angew.Chem.Int.Ed.1998、37、No.20、第2897〜2899頁およびP.Schnider等、Chem.Eur.J.,1997、第3巻、No.6に説明されている。
【0082】
アルコール反応媒体中での不均一水素化触媒のためのアキラルなジ第三ジホスフィンおよびキラルなジ第三ジホスフィンは沢山の文献に説明されている。例えばBrunnerおよびW.Zettlmeier、“Handbook of Enanbtioselective Catalyst”、第II巻:Ligand References,VCH Verlagsgesellschaft mbH、ワインハイム(1993)参照。
【0083】
アキラルなおよびキラルなジ第三ジホスフィンは、ホスフィン基が(a)炭素原子数2〜4の炭素鎖の色々な炭素原子にまたは(b)シクロペンタジエニル環のオルト位に直接的にまたはブリッジ基−CRa Rb −を介してまたはフェロセニルの各シクロペンタジエニルに結合しているものであり、その際にRa およびRb は互いに同じか異なり、H、C1 〜C8 −アルキル、C1 〜C4 −フルオロアルキル、C5 〜C6 −シクロアルキル、フェニル、ベンジルまたは1〜3個のC1 〜C4 −アルキルまたはC1 〜C4 −アルコキシで置換されたフェニルまたはベンジルである。Ra は水素であるのが好ましく、Rb はC1 〜C4 −アルキルであるのが好ましい。
【0084】
ホスフィン基は2つの同じまたは異なる、好ましくは同じ、炭素原子数1〜20、特に1〜12の非置換のまたは置換された炭化水素残基を含有している。ジ第三ジホスフィンは、2つのホスフィン基が以下の群から選択される2つの同じまたは異なる残基を有しているものが特に有利である:炭素原子数1〜12の直鎖状または分岐したアルキル;C1 〜C6 −アルキルまたはC1 〜C6 −アルコキシで置換されたC5 〜C12−シクロアルキル、C5 〜C12−シクロアルキル−CH2 −,フェニルまたはベンジル;ハロゲン(例えばF、ClおよびBr)、C1 〜C6 −アルキル、C1 〜C6 −ハロゲン化アルキル(例えばトリフルオロメチル)、C1 〜C6 −アルコキシ、C1 〜C6 −ハロゲン化アルコキシ(例えばトリフルオロメトキシ)、(C6 H5 )3 Si、(C1 〜C12−アルキル)3 Si、−NH2 、−NH(C1 〜C12−アルキル)、−NH(フェニル)、−NH(ベンジル)、−N(C1 〜C12−アルキル)2 、−N(フェニル)2 、−N(ベンジル)2 、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、−アンモニウム−X3 −、−SO3 M1 、−CO2 M1 、−PO3 M1 または−CO2 −C1 〜C6 −アルキル(例えば−CO2 CH3 )で置換されたフェニルまたはベンジルが含まれる。ただしM1 はアルカリ金属または水素であり、そしてX3 は一塩基酸のアニオンである。M1 はH、Li、NaおよびKであるのが好ましい。X3 - の一塩基性酸のアニオンとしては好ましくはCl- 、Br- またはモノカルボン酸のアニオン、例えば蟻酸塩、醋酸塩、トリクロロアセテートまたはトリフルオロアセテートである。
【0085】
ホスフィン基の2つの残基はそれぞれ一緒に、非置換のまたはハロゲン、C1 〜C6 −アルキルまたはC1 〜C6 −アルコキシで置換されたテトラメチレン、ペンタメチレンまたは3−オキサ−ペンタン−1,5−ジイルを意味し得る。置換基はP原子に対してオルト位に結合しているのが好ましい。
【0086】
ホスフィン基は式
【0087】
【化14】
【0088】
[mおよびnは互いに無関係に2〜10の整数であり、m+nの合計は4〜12
、好ましくは5〜8である]
で表されるものでもよい。例には式
【0089】
【化15】
【0090】
で表される[3.3.1]−および[4.2.1]−ホビルがある。
【0091】
好ましくは1〜6個の炭素原子を含有するアルキルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第三ブチルおよびペンチルおよびヘキシルの異性体がある。アルキルで場合によっては置換されたシクロアルキルの例にはシクロペンチル、シクロヘキシル、メチル−およびエチルシクロヘキシル、およびジメチルシクロヘキシルがある。アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキルおよびハロゲン化アルコキシで置換されたフェニルおよびベンジルの例にはメチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、メチルベンジル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、トリフルオロメチルフェニル、ビス−トリフルオロメチルフェニル、トリス−トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメトキシフェニルおよびビス−トリフルオロメトキシフェニルがある。
【0092】
特に有利なホスフィン基は、C1 〜C6 −アルキル、非置換のまたは1〜3個のC1 〜C4 −アルキルまたはC1 〜C4 −アルコキシで置換されたシクロペンチルまたはシクロヘキシル、ベンジルおよび特に、非置換のまたは1〜3個のC1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシ、F、Cl、C1 〜C4 −フルオロアルキルまたはC1 〜C4 −フルオロアルコキシで置換されたフェニルを有するものである。
【0093】
好ましいジホスフィンは式IV
R4 R5 P−R6 −PR7 R8 (IV)
[式中、R4 、R5 、R7 およびR8 は互いに無関係に炭素原子数1〜20の炭
化水素残基であり、該炭化水素残基は非置換であるかまたはハロゲン原子、C
1 〜C6 −アルキル、C1 〜C6 −ハロゲンアルキル、C1 〜C6 −アルコキ
シ、C1 〜C6 −ハロゲンアルコキシ、(C6 H5 )3 Si、(C1 −C12−
アルキル)3 Si、−NH2 、−NH(C1 −C12−アルキル)、−NH(フ
ェニル)、−NH(ベンジル)、−N(C1 −C12−アルキル)2 、−N(フ
ェニル)2 、−N(ベンジル)2 、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニ
ル、ピペラジニル、−アンモニウム−X3 - 、−SO3 M1 、−CO2 M1 、
−PO3 M1 、または−CO2 −C1 〜C6 −アルキルであり、ただしM1 は
アルカリ金属または水素であり、そしてX3 - は一塩基性酸のアニオンであり
;
またはR4 およびR5 並びにR7 およびR8 はそれぞれ一緒に、非置換のまた
はハロゲン原子、C1 〜C6 −アルキルまたはC1 〜C6 −アルコキシで置換
されたテトラメチレン、ペンタメチレンまたは3−オキサ−ペンタン−1,5
−ジイルを意味し;そして
R6 は非置換のまたはC1 〜C6 −アルキル、C1 〜C6 −アルコキシ、C5
またはC6 −シクロアルキル、フェニル、ナフチルまたはベンジルで置換され
たC2 〜C4 −アルキレン;非置換のまたはC1 〜C6 −アルキル、フェニル
またはベンジルで置換された炭素原子数4〜10の1,2−または1,3−シ
クロアルキレン、1,2−または1,3−シクロアルケニレン、1,2−また
は1,3−ビシクロアルキレンまたは1,2−または1,3−ビシクロアルケ
ニレン;非置換のまたはC1 〜C6 −アルキル、フェニルまたはベンジルで置
換された炭素原子数4〜10の1,2−または1,3−シクロアルキレン、1
,2−または1,3−シクロアルケニレン、1,2−または1,3−ビシクロ
アルキレンまたは1,2−または1,3−ビシクロアルケニレン、ただしそれ
らの1−および/または2−位にまたはそれらの3−位にメチレンまたはC2
〜C4 −アルキリデンが結合している;2,3−位においてR9 R10C(O−
)2 で置換され、かつ1−および/または4−位では置換されていないかまた
はC1 〜C6 −アルキル、フェニルまたはベンジルで置換されている1,4−
ブチレン(ただしR9 およびR10は互いに無関係に水素原子、C1 〜C6 −ア
ルキル、フェニルまたはベンジルである);窒素原子が水素原子、C1 〜C12
−アルキル、フェニル、ベンジル、C1 〜C12−アルコキシカルボニル、C1
〜C8 −アシル、C1 〜C12−アルキルアミノカルボニルで置換されている3
,4−または2,4−ピロリジニレンまたはメチレン−4−ピロリジン−4−
イル;または非置換のまたはハロゲン原子、−OH、C1 〜C6 −アルキル、
C1 〜C6 −アルコキシ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシまたはベンジ
ルオキシで置換された1,2−フェニレン、2−ベンジレン、1,2−キシリ
レン、1,8−ナフチレン、2,2’−ジナフチレンまたは2,2’−ジフェ
ニレンを意味するか;
またはR6 は式
【0094】
【化16】
【0095】
(式中、R9 は水素原子、C1 〜C8 −アルキル、C1 〜C4 −フルオロアル
キル、非置換のまたは1〜3個のF、Cl、Br、C1 〜C4 - アルキル、C
1 〜C4 −アルコキシまたはフルオロメチルで置換されたフェニルを意味する
。)
で表される残基である。]
で表される。
【0096】
R4 、R5 、R7 およびR8 は以下の群から選択される互いに同じでか異なる、特に同じ基である:C1 〜C6 −アルキル、非置換のまたは1〜3個のC1 〜C4 −アルキルまたはC1 〜C4 −アルコキシで置換されたシクロペンチルまたはシクロヘキシル、非置換のまたは1〜3個のC1 〜C4 −アルキルまたはC1 〜C4 −アルコキシで置換されたベンジル、特に非置換のまたは1〜3個のC1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシ、−NH2 、OH、F、Cl、C1 〜C4 −フルオロアルキルまたはC1 〜C4 −フルオロアルコキシで置換されたフェニルである。
【0097】
アキラルなおよびキラルなジホスフィンの特に有利な群は下記式V〜XXIII で表されるものである:
【0098】
【化17】
【0099】
【化18】
【0100】
ただしR4 、R5 、R7 およびR8 は特に有利なものを含めて上述の意味を有する。
【0101】
R10およびR11は互いに無関係に水素原子、C1〜C4−アルキルまたは非置換のまたは1〜3個のC1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシで置換されたベンジルまたはフェニルを意味し、
R12およびR13は互いに無関係に水素原子、C1〜C4−アルキル、フェニルまたはベンジルを意味し、
R14およびR15は互いに無関係に水素原子、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシまたは非置換のまたは1〜3個のC1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシで置換されたベンジルまたはフェニルを意味し、
R16は水素原子、C1〜C 12 −アルキル、非置換のまたは1〜3個のC1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシで置換されたベンジルまたはフェニル、C6〜C12−アルコキシ−C(O)−、非置換のまたは1〜3個のC1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシで置換されたフェニル−C(O)−またはベンジル−C(O)−、C1〜C12−アルキル−NH−CO−、または非置換のまたは1〜3個のC1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシで置換されたフェニル−NH−C(O)−またはベンジル−NH−C(O)−であり、
nは0、1または3であり、
R17およびR18はC1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシであるかまたは一緒にオキサジメチレンを意味し、
R19、R20、R21、R22、R23およびR24は互いに無関係に水素原子、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C5−またはC6−シクロアルキルまたは−アルコキシ、フェニル、ベンジル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ハロゲン、OH、−(CH2)3−C(O)−O−C1〜C4−アルキル、−(CH2)3−C(O)−N(C1〜C4−アルキル)2または−N(C1〜C4−アルキル)2であるかまたはR19およびR20、および/またはR17およびR21、および/または20およびR22、および/または18およびR22、または 21およびR23、および/または22およびR24はそれぞれ融合して5−または6−員環、モノ−または二環式炭化水素環でもよく、そして
R25はC1〜C4−アルキルである。
【0102】
キラルなジ第三ジホスフィンの幾つかの有利な例には下記式V〜XLで表されるものがある:
【0103】
【化19】
【0104】
【化20】
【0105】
【化21】
【0106】
これらの式中、Rはシクロヘキシルまたは非置換のまたは1〜3個のC1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシ、トリフルオロメチル、または−NH2 (C1 〜C4 −アルキル)NH−、(C1 〜C4 −アルキル)2 N−で置換されたフェニルであり、
R26およびR27は互いに無関係にC1 〜C4 −アルキル、フェニルまたはベンジルであり、特に好ましくはメチルを意味し、
R28はC1 〜C8 −アルキル、C1 〜C8 −アシルまたはC1 〜C8 −アルコキシカルボニルであり、
R29は水素原子であるかまたは無関係にR30の意味を有しそしてR30はC1 〜C4 −アルキル、フェニルまたはベンジルであり、
R31はメチル、メトキシまたは両方のR31が一緒になってオキサジメチレンを意味し、
R32およびR33は互いに無関係に水素原子、C1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシまたは(C1 〜C4 −アルキル)2 N−であり、
R34およびR35は互いに無関係に水素原子、C1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシ、−(CH2 )3 −C(O)−O−C1 〜C4 −アルキル、または−(CH2 )3 −C(O)−N(C1 〜C4 −アルキル)2 −であるかまたはR34およびR35の一緒になた一つの対は式XLI の一つの残基でありそしてR34およびR35の一緒になたもう一つの対は式XLIIの一つの残基であり;
【0107】
【化22】
【0108】
R36はC1 〜C4 −アルキルおよび好ましくはメチルである。
【0109】
ヘテロ環骨格を持つ適するジ第三ジホスフィンはヨーロッパ特許第0,770,085、T.Benincori等,J.of Organomet.Chem.529(1997)、第445〜453頁およびJ.Org.Chem.、61、第6244頁(1996)、F.Bonifacio等、Chiratech 1997、1997年11月11日〜13日、フィラデルヒア、ペンシルバニア州、米国およびL.F.Tietze等、Chem.Commun、第1811〜1812頁(1999)に記載されている。
【0110】
幾つかの例には以下のものがある:
【0111】
【化23】
【0112】
水溶性触媒のためのアキラルなおよびキラルなジ第三ジホスフィンも同様に公知であり、文献に開示されている。かゝるジホスフィンは、直接的にまたはブリッジ基を介してホスフィン基の置換基に結合しているかおよび/またはジホスフィンの骨格に結合している1または2つの水溶性の極性置換基を有している。ジホスフィンは追加的に水溶性の極性置換基を有する、有利なものを含めた、前に規定した様な同じアキラルなまたはキラルなジ第三ジホスフィンでもよい。かゝる配位子は例えばG.Papadogianakis等、James J.Spivey(著者)、Catalysis 第13巻、The Poyal Society of Chenuistry Information Service(1997)、第115〜193頁に記載されている。
【0113】
極性置換基は水酸基および酸またはアンモニウム基でもよい。酸基の例にはカルボン酸、スルホン酸、硫酸およびホスホン酸の各基がある。アンモニウムの例には−NH3 + 並びに炭素原子数1〜12、好ましくは1〜6の第二アンモニウム;炭素原子数2〜24、好ましくは2〜12の第三アンモニウム;および炭素原子数3〜36、好ましくは3〜18の第四アンモニウムがあり、その際アンモニウム基は無機または有機酸のアニオンを含有している。
【0114】
極性置換基の非常に有利な基は−OH、−CO2 M1 、−SO3 M1 、−O−SO3 M1 、−PO(OM1 )2 および−NR37R38R39 + X4 - よりなる群から選択され、その際にM1 はH、アルカリ金属カチオンまたはアンモニウムカチオンであり、R37、R38およびR39は互いに無関係にH、C1 〜C4 −アルキル、フェニルまたはベンジルであるか、またはR37およびR38は一緒になってテトラメチレン、ペンタメチレンまたは3−オキサペンチレンであり、そしてX4 は無機または有機酸のアニオンである。アニオンを誘導することができる酸の例にはHCl、HBr、HI、H2 SO4 、C1 〜C8 −カルボン酸、C1 〜C8 −スルホン酸、C1 〜C8 −ホスホン酸、HClO4 、HBF4 、HSbF6 およびHPF6 がある。アンモニウムカチオンとしてのM1 は式
+ NR37R38R39R40
[式中、R37、R38、R39およびR40は互いに無関係にH、C1 〜C4 −アルキル、フェニルまたはベンジルであるか、R37およびR38は一緒になってテトラメチレン、ペンタメチレンまたは3−オキサペンチレンである]
で表される。ホスフィン基は1〜4個の極性置換基を有しており、ホスフィン基の少なくとも1つの残基が少なくとも1つの極性置換基を有している。
【0115】
本発明によれば、水溶性ポリマーまたはオリゴマーの骨格、例えばポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールおよびポリアクリル酸へのジホスフィンの一つの(直接的にまたはブリッジ基を介する)共役結合によって水溶性が達成されるジ第三ジホスフィンも包含される。
【0116】
骨格基は式
−X5 −R41−
[式中、X5 は直接結合、O、NH、Si(CH3 )2 、N(C1 〜C4 −アルキル)、NH−CO、N(C1 〜C4 −アルキル)CO、CO−NH、CON(C1 〜C4 −アルキル)、NH−CO−O、N(C1 〜C4 −アルキル)CO−O、O−CO−NH、O−CON(C1 〜C4 −アルキル)、NH−CO−NH、N(C1 〜C4 −アルキル)CO−NHまたはN(C1 〜C4 −アルキル)CO−N(C1 〜C4 −アルキル)であり、そしてR41はX5 に対して上記で規定した様なヘテロ原子またはヘテロ基で一カ所以上中断されていてもよい炭素原子数1〜40、好ましくは1〜30、特に好ましくは1〜20の1〜4価炭化水素残基である。炭化水素残基の例には直鎖状のまたは分岐したC1 〜C18−アルキレン、C5 −またはC6 −シクロアルキレン、C5 −またはC6 −シクロアルキレン−C1 〜C6 −アルキレン、C5 −またはC1 〜C6 −アルキレン−C6 −シクロアルキレン−C1 〜C6 −アルキレン、フェニレン、フェントリイル(phentriyl) 、C1 〜C6 −アルキレン−C6 H4 −、C1 〜C6 −アルキレン−C6 H4 −C1 〜C6 −アルキレン、(C1 〜C6 −アルキレン)3 −C6 H3 −である。
【0117】
アキラルなおよびキラルなジホスフィンの有利な基は式V〜XXIII で表されるものであり、式XXIV〜XLの有利なジホスフィンが有利である。ただしR10〜R36は上述の意味を有し、R4 、R5 、R7 およびR8 は互いに同じであり、二つのRが式
【0118】
【化24】
【0119】
[式中、X6 は−SO3 M1 、−CO2 M1 、−C1 〜C4 −アルキレン−SO3 M1 、−C1 〜C4 −アルキレン−CO2 M1 、−N(C1 〜C4 −アルキル)2 または+ N(C1 〜C4 −アルキル)2 X4 - であり、M1 はH、NaまたはKを意味しそしてX4 はCl、BrまたはIである。
【0120】
ポリマーの水溶性ジホスフィンの幾つかの例がヨーロッパ特許第0,329,043号明細書並びに国際特許WO98/01457号明細書並びにW.D.Mueller等、Chem.Commun、(1996)第1135〜1136頁に記載されている。
【0121】
別の特に有利なジホスフィンの群は式XLIII
(M1O2C-CH2CH2-O-CH2)3C-NR42-CO-R41 (XLIII)
[式中、M1 は水素原子、アルカリ金属カチオンまたはアンモニウムカチオンで
あり、R42はC1 〜C4 −アルキルまたは好ましくは水素原子を意味し、そし
てR41はキラルなジ第三ジホスフィンの一価の残基であり、その際にCO−基
はジホスフィン骨格のC−またはN−原子に直接的に結合しているかまたはO
−原子またはN−原子に、またはジホスフィン骨格のブリッジ基のC−原子に
結合している。]
で表されるものである。適するブリッジ基は例えば−O−、−NH−、C1 〜C6 −アルキレン−、−N(C1 〜C4 −アルキル)−、−O−C1 〜C6 −アルキレン−、−NH−C1 〜C6 −アルキレン−および−N(C1 〜C4 −アルキル)−C1 〜C6 −アルキレン−である。M1 については上述の実施態様および有利な態様を用いる。
【0122】
式XLIIIのジホスフィンの特に有利なサブグループには式XLIIIa
(M1O2C−CH2CH2−O−CH2)3C−NH−CO−R43 (XLIIIa)
[式中、M1は上述の意味を有しそしてR43は下記式で表される残基を意味する:]
【0123】
【化25】
【0124】
水溶性のフェロセニルジホスフィンの他の例には国際特許98/01457号明細書に記載の式で表される化合物がある:
【0125】
【化26】
【0126】
同様に以下の式の化合物も含まれる:
【0127】
【化27】
【0128】
[式中、R44およびR45は互いに同じでも異なっていてもよく、フェニル、o−
トルイル、p−トルイル、m−トルイル、ブチル、プロピル、キシリル、シク
ロヘキシルまたはプロバン
【0129】
【化28】
【0130】
または式
【0131】
【化29】
【0132】
で表される化合物がある。]
相応する化合物はU.Englert等、Organometallics(提出された)およびA.Salzer等、Organometallics(提出された)に記載されている。
【0133】
式XLIII およびXLIIIaのホスフィンは新規であり、以下の様にして得られる。公知のアミン(HO2 C−CH2 CH2 −O−CH2 )3 C−NH2 あるいはそのアルキルエステルは相応するジ第三ジホスフィンのカルボキシル基と反応させてアミドとすることができる。アミンは誘導されて、イソシアネートまたは(例えばカルボニルジイミダゾールで)ブロックされたイソシアネートを得、これを相応するジ第三ジホスフィンのOH−またはNH基と反応させてウレタン−または尿素ブリッジを生成し得る。
【0134】
本発明で使用される触媒あるいは触媒前駆体は式XLIV、XLIVa およびXLIVb
[X7Me2YZ] (XLIV) 、[X7Me2Y]+ A2 - (XLIVa)、[X7Ru(II)X8X9] (XLIVb) [式中、Yは2つのモノオレフィン配位子またはジエン配位子であり;
X7 は金属原子Me2 またはRuと5〜7員環を形成するアキラルなまたはキ
ラルなジ第三ジホスフィンであり;
Me2 はIr(I) またはRh(I) を意味し;
Zは−Cl、−Brまたは−Iであり;そして
A2 は酸素酸または錯塩酸のアニオンであり、
X8 およびX9 は互いに同じでも異なっていてもよくそしてZおよびA2 の意
味を有するかまたはX8 およびX9 はアリルまたは2−メチルアリルであり、
またはX8 はZまたはAの意味を有しそしてX9 はヒドリドである。]
で表される金属錯塩が適する。
【0135】
特にYが1,5−ヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエンまたはノルボルネンである金属錯塩が有利である。本発明の金属錯塩においてZは−Cl、−Brまたは−Iである。特に有利な金属錯塩においてA2 はClO4 - 、CF3 SO3 - 、CH3 SO3 - 、HSO4 - 、BF4 - 、B(フェニル)4 - 、PF6 - 、SbCl6 - 、AsF6 - またはSbF6 - である。
【0136】
他の適するルテニウム錯塩は文献から公知であり、例えば米国特許第4,691,037号明細書、同第4,739,085号明細書、同第4,739,084号明細書、ヨーロッパ特許第0,269,395号明細書、同第0,271,310号明細書、同第0,271,311号明細書、同第0,307,168号明細書、同第0,366,390号明細書、同第0,470,756号明細書、特開平8−081,484号公報、特開平8−081,485号公報、特開平9−294,932号公報、ヨーロッパ特許第0,831,099号明細書、同第0,826,694号明細書、同第0,841,343号明細書、J.P.Genet,Arcos Organics Acta,1(1995)4、N.C.Zanetti等,Organometallics 15(1996)860に記載されている。
【0137】
式XLIV、XLIVa およびXLIVb の金属錯塩は文献から公知の方法で製造される。その製法は例えばヨーロッパ特許出願公開(A1)第564,406号明細書に開示されている。触媒あるいは触媒前駆体は単離された化合物として反応混合物に添加することができる。触媒あるいは触媒前駆体を反応の前に溶剤を用いてまたは用いずにその場で製造して、次に反応混合物と一緒にして反応させるのが有利であることがわかっている。
【0138】
詳細にはこの方法は、最初に触媒を製造し、次いでその触媒を水素化すべきプテリン、例えば葉酸またはそれのカルボン酸エステル、葉酸エステルまたは葉酸エステル塩の溶液または懸濁液に添加するかまたはこの逆に行なう様に実施することができる。オートクレーブ中に水素を圧入しそしてその様にして、使用するのが有利である保護ガスを除く。場合によっては加熱しそして反応混合物を水素化する。反応終了後に場合によっては冷却しそしてオートクレーブを放圧する。反応混合物を例えば窒素を用いて反応器から押し出し、水素化反応生成物を公知の様に、例えば抽出、沈殿および結晶化によって単離するかまたはその場で後続反応させる。(6S,αS)−および(6S,αR)−テトラヒドロ葉酸エステルおよび(6S,αR)−テトラヒドロ葉酸エステル塩が水素化反応の間に沈殿し得ることがわかった。このことは、反応混合物からの単離を著しく容易とする。
【0139】
これは葉酸を使用する場合に特に有利でありそしてエステル化および水素化を相前後して一つの反応容器で実施するのに特に有利である。酸HAの存在下でのエステル化のためには水素化の際と同じ溶剤、特にアルコール、例えばメタノールまたはエタノールを使用するのが有利である。即ち葉酸もこれらアルコールでエステル化される。
【0140】
他の有利な変法では葉酸のエステル化および水素化を同時に行なう。この場合にはテトラヒドロ葉酸エステルおよびその塩をその場で生成しそして同時に水素化する。この目的のためには、あらゆる成分(葉酸、アルコール、溶剤、酸HAおよび触媒)を反応容器に導入し、水素を圧入しそして水素化を実施する。溶剤がエステル化に使用されるアルコール、例えばメタノールまたはエタノールと同じであるのが有利である。
【0141】
水素化は色々な種類の反応器で連続的にまたは不連続的に実施することができる。有利な良好な混合および良好な熱排除を許容する反応器、例えば循環式反応器が有利である。この種の反応器は僅かな量の触媒を使用する場合に特に有利であることがわかって実証されている。
【0142】
テトラヒドロ葉酸誘導体からの所望のジアステレオマー、例えば(6S,αS)−テトラヒドロ葉酸またはその塩、(6S,αS)−テトラヒドロ葉酸エステルおよび(6S,αR)−テトラヒドロ葉酸エステル塩を単離するためには、公知の方法、例えばクロマトグラフィー法または分別結晶を使用することができる。この場合には予めに公知の方法で誘導を行なっても良い。テトラヒドロ葉酸エステルおよびテトラヒドロ葉酸エステル塩はこの場合には、ジアステレオマーの分離を一度に有機溶剤でも行なうことができ、驚くべきことに結晶中での(6S,αS)−または(6S,αR)−ジアステレオマーのおよび母液での(6R,αS)−または(6R,αR)−ジアステレオマーの高度の濃縮が観察される。テトラヒドロ葉酸エステルおよびテトラヒドロ葉酸エステル塩からはテトラヒドロ葉酸を公知の様に加水分解によって製造できる。
【0143】
テトラヒドロ葉酸エステルおよびテトラヒドロ葉酸エステル塩の単離はアルコール性反応媒体から有利には結晶化によって行なう。驚くべきことに(6S,αS)−または(6S,αR)−ジアステレオマーは良好に結晶化しそしてその結晶体はこれらのジアステレオマーを非常に高い濃縮度で含有していることを見出した。例えばテトラヒドロ葉酸ジメチルエステル−スルホン酸付加物の場合には、殆どの結晶体において(6S,αS):(6R,αS)ジアステレオマー比は99:1であることを発見した。逆に(6R,αS)−または(6R,αR)−ジアステレオマーは母液中に濃縮されている。結晶が実質的に触媒を含有しておらず、(6S,αS):(6R,αS)ジアステレオマーが高純度で含まれていることは驚くべきことである。
【0144】
純粋な(αS)−および(αR)−エナンチオマーまたは任意の混合比の混合物の状態の式III の有機酸HA含有化合物は新規であり、本発明の別の対象である。R1 、R2 、HAおよびxは式III の化合物について前述した実施態様に該当する。式III においてR1 およびR2 がそれぞれメチルまたはエチルであるのが好ましく、HAがベンゼン−またはトルエンスルホン酸であるのが好ましくそしてxは1の数または0.5〜1.5の分数であるのが好ましい。
【0145】
本発明の別の対象は、その純粋なジアステレオマーおよび任意の混合比のそれの混合物の状態の式IIIaのテトラヒドロ葉酸エステル塩である:
【0146】
【化30】
【0147】
式中、R1 またはR2 が水素原子であり、そしてR1 またはR2 の一つまたはR1 およびR2 の両方が互いに無関係に一価の炭化水素基、または−O−、−S−および−N−の群から選択されるヘテロ原子を持つ、C−原子を介して結合するヘテロ炭化水素残基であり、
HAは1〜3塩基性の無機酸または有機酸であり、
そしてxは1〜6の整数であるかまたは0〜6の分数を意味する。R1 、R2 、HAおよびxは式III の化合物についての上述の実施態様に該当する。式III 中のR1 およびR2 がそれぞれメチルまたはエチルを意味し、HAがベンゼン−またはトルエンスルホン酸でありそしてxが1または2の数または0.5〜2の分数であるのが特に有利である。
【0148】
本発明の更に別の対象は、式III b
【0149】
【化31】
【0150】
[式中、R1 またはR2 が水素原子であり、そしてR1 またはR2 の一つまたは
R1 およびR2 の両方が互いに無関係に一価の炭化水素基、または−O−、−
S−および−N−の群から選択されるヘテロ原子を持つ、C−原子を介して結
合するヘテロ炭化水素残基である。]
で表される化合物である。R1 およびR2 は式III の化合物について上述した実施態様に該当する。R1 およびR2 はそれぞれC1 〜C12−アルキル、好ましくはC1 〜C4 −アルキル、例えばメチルまたはエチルである。式III bの化合物は式IIIaの化合物を塩基で処理することによって得られる。
【0151】
光学的濃縮度は上記の方法の場合には存在する添加物、使用される溶剤、温度および濃度に左右される。簡単な実験によってそれぞれの目的に適合する最適な方法条件を決めることができる。
【0152】
以下の実施例は、一般的にまたは特別に説明する反応成分および/または本発明の反応条件を以下の実施例に記載するものに交換することによって実施することができる。同様に以下の特別な実施態様は全くの例示であり、本発明の開示する内容をいかようにも制限するものではない。
【0153】
本願明細書で引用されている全ての特許出願、特許および公開明細書の全部の開示内容はここに全部記載されたものとする。
【0154】
上記説明に基づいてこの分野の当業者は本発明の重要な構成要件を容易に誘導し、そして本発明の基礎をなす思想および範囲から逸脱することなく変更および補充しそしてそれによって本発明を種々の要求および条件に適合させることが可能である。
【0155】
光学的収率または(6S,αS)−と(6R,αS)−ジアステレオマーとの比あるいは(6S,αR)−と(6R,αR)−ジアステレオマーとの比は,以下の様に高圧液体クロマトグラフィーを(HPLC)用いて反応混合物において直接的に測定する:
15mgの反応溶液を、6.8gのβ−シクロデキストリンおよび270mLの37%濃度ホルムアルデヒドから1000mLの水中で製造される1mLの溶剤に溶解する。分離はMacherey−Nagel社の5mm、240×4mmのカラムNucleosil C−8および以下の様に製造された移動溶媒によって行なった:6.8gのβ−シクロデキストリンを8.5mLのトリエチルアミン、850mLの水および150mLのアセトニトリルよりなる混合物に溶解する。この溶液のpH値を醋酸の添加によって7.5のpHに調整し、更に270mLの37%濃度ホルムアルデヒドを添加する。両方のジアステレオマーの検出は300n mの波長で行なった。
【0156】
使用したジ第三ジホスフィンについては以下の略字を使用する:
a アルコール性反応媒体での水素化
【0157】
【化32】
【0158】
【化33】
【0159】
b 水性反応媒体中での水素化
【0160】
【化34】
【0161】
【化35】
【0162】
触媒および水素化溶液の製造、溶液および懸濁液の運搬並びに水素化の実施は酸素を排除して行なう。この場合、当業者が熟知するぶら下げ(Schlenk)技術を使用することができる。脱気しそして保護ガス、例えば窒素ガスまたは希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴンまたはクリプトン)を導入した溶剤およびオートクレーブを使用する。水素化反応はマグネットスタラーまたはガス吹き込み式攪拌器を備えたスチール製オートクレーブ中で実施する。
【0163】
【実施例】
A 葉酸エステル塩の製造
実施例A1:(αS)葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートの製造 800gの(αS)−葉酸二水和物(1.68mol)を、530gのベンゼンスルホン酸(3.35mmol)および20Lの水不含メタノールよりなる溶液に40℃で窒素ガス雰囲気で最初に導入する。この混合物を30分間還流下に加熱し、冷却しそして5Lの容量に濃縮する。析出する生成物を吸引濾過によって濾別し、1Lのメタノールで洗浄しそして乾燥室で40℃、20mbarで乾燥する。966gの(αS)−葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナート(1.45mmol、理論収量の86%)が得られる。この生成物は26.2%のベンゼンスルホン酸、1.67%の水および2.26%のメタノールを含有している。
【0164】
この物質は150℃以上で分解する。
【0165】
1H−NMR(DMSO−d6 ):8.78(1H,s)、8.46(2H,bs)、8.32(1H,d)、7.64−7.68(m)、7.35−7.40(m)、6.66(2H,d)、0.8(2H,s)、4.39(1H,m)、3.62(3H,s)、3.57(3H、s),2.42(2H,m)、1.98−2.11(2H,m)。
【0166】
実施例A2:(αS)葉酸ジエチルエステル−ベンゼンスルホナートの製造
8gの(αS)−葉酸二水和物(16.76mmol)を、3.18gのベンゼンスルホン酸(20.11mmol)および1.5Lの水不含メタノールよりなる溶液に最初に導入する。この混合物を5時間還流下に過熱し、室温に冷却しそして沈殿する生成物を12時間後に吸引濾過する。40℃、20mbarで乾燥した後に10.09gの(αS)−葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナート(15.29mmol、理論収量の92%、この生成物は21.8%のベンゼンスルホン酸を含有している)が得られる。
【0167】
この物質は150℃以上で分解する。
【0168】
1H−NMR(DMSO−d6 ):8.77(1H,s)、8.27(3H,d、bs)、7.66(m)、7.35(m)、6.66(2H,d)、4.59(2H、s)、4.37(1H、m)、3.98−4.13(4H、m)、2.40(2H,m)、1.97−2.06(2H,m)、1.06−1.21(6H,m)。
【0169】
B 水溶性ジ第三ジホスフィンの製造
実施例B1: 2S,4S−W−BPPMの製造
a トリエステルの製造
2.5mLのトルエンに377mg(0.83mmol)の2−ジフェニルホスフィノメチル−4−ジフェニルホスフィノ−ピロリジン(PPM)を溶解した溶液を実施例A1の溶液(1.1mmolのイソシアネート−トリエステル)に添加し、その混合物を夜通し攪拌する。回転蒸発器で濃縮しそして減圧下にトルエンを部分的に除いた後に、粗生成物をクロマトグラフィーで精製する(シリカゲル:Merck60;移動剤 醋酸エチルエステル)。605mgの生成物が得られる(収率:81%)。
【0170】
b トリ酸の製造
5mLのエタノールに実施例B1aの590mgのトリエステルを溶解した溶液に、1mLの水および0.6gのKOHを添加しそしてこの混合物を3時間の間攪拌する。次いで減圧下にエタノールを留去し、混合物を25mLの水に溶解する。この溶液を次いで2NのHClで酸性に調整し、醋酸エチルエステルで数度抽出処理する。有機相を集め、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥しそして最後に減圧下に乾燥するまで蒸発処理する。生成物が白色の固体として88%の収率で得られる。
【0171】
実施例B2: W−PYRPHOSの製造
a トリエステルの製造
実施例B1aと同様に実施するが、3,4−ジフェニルホスフィノ−ピロリジン(Pyrphos)を出発化合物として使用する。反応生成物は63%の収率で得られる。
【0172】
b トリ酸の製造
実施例B1bと同様に実施する。生成物は95%の収率で白色の固体として得られる。
【0173】
実施例B3: R−W−BIPHEMPの製造
a トリエステルの製造
実施例B1aと同様に実施するが、2,2’−ジフェニルホスフィノ−5−メチル−5’−ヒドロキシメチル(HO−Biphemp)を出発化合物として使用する。反応生成物は82%の収率で得られる。
【0174】
b トリ酸の製造
実施例B1bと同様に実施する。生成物は92%の収率で白色の固体として得られる。
【0175】
実施例B4: W−XYLIPHOSの製造
a トリエステルの製造
【0176】
【化36】
【0177】
(アミン配位子A、国際特許第98/01457参照)
8mLのメチレンクロライドに1g(1.5mmol)のアミン配位子Aを溶解した溶液を、6mLのメチレンクロライド中の等モル量のカルボニルジイミダゾールに0℃で添加し、その反応混合物を最後に室温で2時間攪拌する。次いで1.6当量のH2 N−C(CH2 −O−CH2 CH2 C(O)−OCH2 CH3 および5mgのジブチル錫ジラウレートを添加し、その混合物を50℃で48時間攪拌する。クロマトグラフィーで精製(シリカゲル:Merck60;移動剤 ヘキサン/醋酸エチルエステル=1:1)した後に、生成物がほぼ固体のオレンジ色の油として65%の収率で得られる。
【0178】
b トリ酸の製造
10mLのエタノールに1gのジホスフィン−トリエステルを溶解し、1mLの20%濃度KOH水溶液と混合する。2時間攪拌した後にエタノールを減圧下に留去し、生成物を20mLの水に溶解する。2NのHClを添加することによって生成物を沈殿させ、濾別し、水で数回洗浄し、最後に50℃で高圧で乾燥する。生成物は橙黄色の固体として92%の収率で得られる。
【0179】
実施例B5: PA−JOSIPHOSの製造
配位子を国際特許第98/01457の実施例B25に従って製造する。平均分子量:1480。
【0180】
C アルコール性反応媒体での水素化
実施例C1〜C29:
方法A:
6.72mgの[Ir(COD)Cl]2 (10μmol)およびジホスフィン配位子(25μmol)を秤量し、脱気しそしてジクロロメタンに溶解する。ジクロロメタンを高減圧下に凝縮除去しそして残りを5mLのメタノールにとる。実施例A1aに従う(αS)−葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナート1.25g(2mmol)を25mLのメタノールに懸濁させそして触媒に添加する。この懸濁液を向流窒素ガス中で100mLのオートクレーブに添加しそして、水素の吸収がもはやなくなるまでの間水素化する。CODはシクロオクタジエンである。
【0181】
方法B:
8.12mgの[Rh(COD)2 ]BF4 (20μmol)およびジホスフィン配位子(25μmol)を秤量し、脱気しそしてテトラヒドロフランとメタノールとの混合物に溶解する。溶剤を高減圧下に凝縮除去しそして残りを5mLのメタノールにとる。実施例A1に従う(αS)−葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナート1.25g(2mmol)を25mLのメタノールに懸濁させそして触媒に添加する。この懸濁液を向流窒素ガス中で100mLのオートクレーブに添加しそして、水素の吸収がもはやなくなるまでの間、水素化する。
【0182】
水素化は70℃の温度(実施例C9では25℃)および80barの圧力(実施例C9およびC10では20bar)で実施する。結果を表1に示す。
【0183】
実施例C25:
28.79gの(αS)葉酸二水和物(60mmol)を1Lのオートクレーブで秤量しそして脱気する。121.82mgの[Rh(COD)2 ]BF4 (300μmol)および233.5mgのR−BINAP(375μmol)を秤量し、脱気しそしてテトラヒドロフランとメタノールとの混合物に溶解する。溶剤を高減圧下に凝縮除去しそして残りを5mLのメタノールにとる。9.49gの無水ベンゼンスルホン酸(60mmol)を200mLのメタノールに溶解しそして向流窒素流中でオートクレーブに添加する。550mLのメタノールを更に添加し、そして触媒溶液も添加する。70℃、20barの水素圧のもとで15時間にわたって水素化する。テトラヒドロ葉酸ジメチル−ベンゼンスルホナートへの転化率は80%である。ジアステレオマー比(6S,αS):(6R,αS)は71:28である。
【0184】
実施例C26:
16.68mgのRu(BINAP)(2−メチルアリル)2 (20μmol)(J.P.Genet等、Tetrahedron Asymmety,第5巻、No.4、第665〜674頁、1994に従って製造)を脱気済みメタノール5mLに懸濁させ、実施例A1に従う1.25gの(αS)−葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナート(2mmol)を25mLのメタノールに懸濁させた懸濁液と混合する。この懸濁液を向流窒素ガス中で100mLのオートクレーブに移しそして17時間の間70℃、80barの水素圧で水素化する。テトラヒドロ葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートへの転化率は30%である。ジアステレオマー(6S,αS):(6R、αS)の比は62:37である。
【0185】
実施例C27:
8.12mgの[Rh(COD)2 ]BF4 (20μmol)および15.57mgのBINAP(25μmol)を秤量し、脱気しそしてテトラヒドロフランとメタノールとの混合物に溶解する。溶剤を高減圧下に凝縮除去しそして残りを5mLのメタノールにとる。0.39gの6−ヒドロメチルプテリン(2mmol)(P.H.Boyle等、Chem.Ber.;第113巻、第1514頁、1980に従って製造)および0.32gのベンゼンスルホン酸(2mmol)を25mLのメタノールに懸濁した懸濁液を上記触媒に添加する。この混合物を向流窒素流中で100mLのオートクレーブに添加し、70℃、80barの水素圧のもとで15時間にわたって水素化する。6−ヒドロキシメチル−5,6,7,8−テトラヒドロプテリンへの転化率は85%であり、HPLCを用いて反応溶液から直接的に測定する。使用したHPLC−法は、テトラヒドロ葉酸の定量測定に使用されるものと同じである。
【0186】
実施例C28:
8.12mgの[Rh(COD)2 ]BF4 (20μmol)および15.57mgのBINAP(25μmol)を秤量し、脱気しそしてテトラヒドロフランとメタノールとの混合物に溶解する。溶剤を高減圧下に凝縮除去しそして残りを5mLのメタノールにとる。0.48gの6−フェニルプテリン(2mmol)(H.Yamamoto等、Chem.Ber.;第106巻、第3175頁、1973に従って製造)および0.32gのベンゼンスルホン酸(2mmol)を25mLのメタノールに懸濁した懸濁液を上記触媒に添加する。この混合物を向流窒素流中で100mLのオートクレーブに添加し、70℃、80barの水素圧のもとで15時間にわたって水素化する。6−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロプテリンへの転化率は64%であり、HPLCを用いて反応溶液から直接的に測定する。使用したHPLC−法は、テトラヒドロ葉酸の定量測定に使用されるものと同じである。
【0187】
実施例C29:
8.12mgの[Rh(COD)2 ]BF4 (20μmol)および15.57mgのBINAP(25μmol)を秤量し、脱気しそしてテトラヒドロフランとメタノールとの混合物に溶解する。溶剤を高減圧下に凝縮除去しそして残りを5mLのメタノールにとる。0.35gの6−メチルプテリン(2mmol)(P.Waring等、Aust.J.Chem.;第38巻、第629頁、1985に従って製造)および0.32gのベンゼンスルホン酸(2mmol)を25mLのメタノールに懸濁した懸濁液を上記触媒に添加する。この混合物を向流窒素流中で100mLのオートクレーブに添加し、70℃、80barの水素圧のもとで15時間にわたって水素化する。6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロプテリンへの転化率は63%であり、HPLCを用いて反応溶液から直接的に測定する。使用したHPLC−法は、テトラヒドロ葉酸の定量測定に使用されるものと同じである。
【0188】
【表1】
【0189】
脚注:
Buはブチルであり、MeOHはメタノールであり、EtOHはエタノールであり、i−PrOHはイソプロパノールでありそしてTHFはテトラヒドロフランであり、Paはパラバン酸(Parabanic acid)である。
1)この実験では73.9mgのテトラブチルアンモニウム沃化物(0.2mm
ol)を触媒に添加する。
2)この実験では8.48mgの塩化リチウム(0.2mmol)を触媒に添加
する。
3)この実験では29.98mgの沃化ナトリウム(0.2mmol)を触媒に
添加する。
4)この実験では3.55gの(αS)−葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスル
ホナート(5.66mmol)を方法Bに従って記載した溶剤容量中で反応
させ、基質濃度を15%とする。
5)この実験では1.31gの(αS)−葉酸ジエチルエステル−ベンゼンスル
ホナート(2mmol)を方法Bに従ってエタノール中で反応させ、テトラ
ヒドロ葉酸ジエチルエステル−ベンゼンスルホナートとする。
6)この実験では葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートの水素化を30
mLのi−プロパノール中で実施する。
7)この実験では葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートの水素化を30
mLの1,2−プロパンジオール中で実施する。
8)この実験では葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートの水素化を30
mLのエチレングリコール中で実施する。
9)この実験では4.06mgの[Rh(COD)2 ]BF4 (10μmol)
および7.78mgのR−BINAP(25μmol)より成る触媒を製造
する。
10)この実験では15mLのTHFと15mLのMeOHとの混合物中で水素化
を実施する。
11)この実験では1.16mgの[Rh(COD)2 ]BF4 (2.86μmo
l)および2.22mgのR−BINAP(3.57μmol)より成る触
媒を製造する。
12)この実験では4.56mgのパラバン酸(40mmol)を触媒に添加する
水素化はMeOH/THF(1:1)中で実施する。
【0190】
D 水性反応媒体中での水素化
実施例D1〜D8:
0.0025mmolの配位子を5mLの水および0.5mLの緩衝液pH7(1Lの水に0.041molのNa2 HPO4 および0.028mmolのKH2 PO4 )に溶解する。次いで配位子のカルボン酸基を、透明な溶液が生じるまで0.1NのNaOHと反応させる。得られる溶液を7.4mg(0.02mmol)の[Rh(NBD)2 ]BF4 に添加し、溶液が生じるまで攪拌する(NBDはノルボルナジエンである)。この溶液を、11mLの水および1.5mLの緩衝液pH7に2mmolの(αS)−葉酸二ナトリウムを溶解した溶液に添加し、その混合物をカニューレによって向流アルゴン中で、ガス吹き込み式攪拌器を備えた水素化用オートクレーブに移す。オートクレーブを密封し、アルゴンを水素に交換し、最後に水素を所望の圧力まで圧入する。その水素圧は貯蔵用容器からの減圧弁を通して維持する。以下の表2に反応が停止するまでの水素化時間(水素の吸収がもはやなくなるまで)を示す。他に表示が無い場合には、これは(αS)−葉酸の完全転化に相当する。圧力は80barであり、反応温度は70℃(実施例D6では30℃)である。基質と触媒とのモル比(S/C)は実施例D1〜D7においては100であり、実施例D8では1000である。結果を表2に総括掲載する:
【0191】
【表2】
【0192】
脚注:
1)緩衝液pH6:1Lの水に0.01molのNa2 HPO4 および0.07
1molのKH2 PO4 ;反応が終わった時に再度4mLの1NのKH2 P
O4 を添加する。
2)5mmolの(αS)−葉酸二ナトリウム塩、0.005mmolの[Rh
(NBD)2 ]BF4 および0.00675mmolの配位子を全部で16
mLの水および2mLの緩衝液pH7を使用する。
【0193】
E テトラヒドロ葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートおよびテトラ
ヒドロ葉酸ベンゼンスルホナートの単離
実施例E1:反応C1から
a テトラヒドロ葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートの単離
反応C1からの反応溶液を酸素の排除下に1/6の容積に濃縮する。こうして得られた懸濁液を窒素ガス雰囲気で4℃で2時間保存し、沈殿する生成物を吸引濾過し、僅かに冷たいメタノールで洗浄しそして40℃、20mbarで乾燥する。0.55gのテトラヒドロ葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナート(0.87mmol、理論収量の44%)が得られる。テトラヒドロ葉酸ジメチルエステル−ベンゼンスルホナートのジアステレオマー比(6S,αS):(6R,αS)は99:1である(HPLCによって測定)。[a]589 =−69.8℃(c=1、ジメチルスルホキシド中)。
【0194】
この物質は150℃以上で分解する。
【0195】
1H−NMR(DMSO−d6 ):10.61(1H,s)、8.35(1H,d)、7.6−7.74(m)、7.51(1H,bs)、7.30−7.37(m)、6.70(2H,d,2H,bs)、4.42(2H、m)、3.63(3H、s)、3.58(3H,s)、3.50(1H,m)、3.38(1H,m)、3.38(1H,m)、3.28(1H,m)、2.44(2H,m)、2.01−2.13(2H,m)。
【0196】
b.テトラヒドロ葉酸ジメチルエステル−ベンゾスルホナートの水素化:
0.55gのテトラヒドロ葉酸ジメチルエステル−ベンゾスルホナート[(6S,αS):(6R,αS)=99:1](0.87mmol)および0.32gの炭酸ナトリウム(3.02mmol)を酸素の排除下に4mLの水に溶解する。85℃に加熱し、30分後にpH値を37%濃度塩酸でpH=7.5に調整する。75℃で、0.6mLの水に0.2gのベンゼンスルホン酸を添加し、次いでpH値を37%濃度塩酸でpH=8.0に調整する。この溶液を室温に冷し、更に3時間攪拌する。生成物を吸引濾過しそして乾燥室で30℃、20mbarで4日間にわたって乾燥する。8.4gのテトラヒドロ葉酸−ベンゼンスルホナート(13.92mmol、理論値の88%)が得られる。
【0197】
テトラヒドロ葉酸ベンゼンスルホナートのジアステレオマー比(6S,αS):(6R,αS)=99:1である。測定方法はヨーロッパ特許第0,495,204号明細書に説明されている。
【0198】
テトラヒドロ葉酸ベンゼンスルホナートの性質はヨーロッパ特許(B1)第0,495,204号明細書に記載の生成物と一致している。
Claims (12)
- プテリンおよび葉酸、そのカルボン塩又はそれらの二水和物を水素化触媒の存在下に水素で水素化することによってテトラヒドロプテリンおよびテトラヒドロプテリン誘導体を製造する方法において、水素化を水性反応媒体中で実施しそして反応媒体中に溶解する水素化触媒が配位子として式XLIII
(M1O2C−CH2CH2−O−CH2)3C−NR42−CO−R41
(XLIII)
[式中、M1は水素原子、アルカリ金属カチオンまたはアンモニウムカチオンで
あり、R42はC1〜C4−アルキルまたは水素原子を意味し、そしてR41はキラルなジ第三ジホスフィンの下記式で表される一つの一価の残基である。]
で表されるジホスフィンを有する金属錯塩であることを特徴とする、上記方法。 - 水素化触媒の存在下での水素での水素化のために、水素化を、水素化触媒としての、水性反応媒体中に溶解した金属錯塩の存在下に1〜500barの水素圧の下で実施する、請求項1に記載の方法。
- プロキラルなプテリン誘導体を水素化触媒の存在下で水素で不均一水素化する請求項1に記載の方法において、水素化を水性反応媒体中で実施しそして水性反応性媒体に可溶性の金属錯塩を水素化触媒として使用し、その際に金属錯塩がキラルな配位子を含有している、上記方法。
- 反応温度が0〜150℃である請求項1に記載の方法。
- 基質と触媒とのモル比が10〜100000である請求項1に記載の方法。
- 水性反応媒体が水、または有機溶剤との混合物の状態の水である請求項1に記載の方法。
- 金属錯塩がイリジウム、ロジウムまたはルテニウムを含有する請求項1に記載の方法。
- 式III中のR1およびR2がそれぞれメチルまたはエチルを意味し、HAはベンゼン−またはトルエンスルホン酸でありそしてxが1または2の数または0.5〜2の分数である請求項8に記載の化合物。
- R1およびR2がそれぞれC1〜C12−アルキルであり、HAが芳香族スルホン酸でありそしてxが1〜6の整数または0〜6の分数である請求項10に記載の化合物。
- R1およびR2がそれぞれメチルまたはエチルを意味し、HAはベンゼン−またはトルエンスルホン酸でありそしてxが1または2の数または0.5〜2の分数である請求項11に記載の化合物。
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