JP5157675B2 - 射出成形用金型及び樹脂成形品の成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、穴を持つ樹脂成形品を成形するのに好適な射出成形用金型及びそれを用いた樹脂成形品の成形方法に関する。
各種製品において開口穴を持つ樹脂成形品は多用されており、例えば自動車でも、バンパのフォグランプ周り、インパネのサイドベント、フロアコンソール等がある。
開口穴を持つ樹脂成形品を成形する際には、射出成形用金型のキャビティ内に注入された溶融樹脂が開口穴の周囲に流れ込んで、その後合流してキャビティ内に充填される。一般にこの合流部にはスジ状の所謂ウェルドラインが形成され、そのままでは樹脂成形品の表面外観に影響してしまう。
従来この種の成形品に生じるウェルドラインの対策として、樹脂成形品の表面に塗装を行い、ウェルドラインを目立たなくする等の手法がとられている。
その一方で、近年では、金属の微粉末が添加された樹脂材料を使用し、塗装を行わないようにした樹脂成形品もある。この場合、塗装を行わないことから、ウェルドラインの発生そのものを抑えることが求められる。
ウェルドラインに着目してなされた発明として、例えば特許文献1には、枠体状成形品(具体的には、テレビジョン受像機等の樹脂キャビネット)の成形方法が開示されている。特許文献1に開示された成形方法では、上金型と下金型とを完全な型締状態に対して間隙を設けた状態でセットし、溶融樹脂を柱状ゲート、フィルム状ゲート、間隙を介して、成形品を成形するための空隙に充填する。そして、空隙への樹脂の充填が完了した後、完全な型締を行うことにより、前記間隙をなくしてゲートカットを行う。
特開平8−132481号公報
しかしながら、特許文献1に開示された成形方法では、ランナを設けない構成となっており(特許文献1の段落[0009]等を参照)、溶融樹脂は、柱状ゲートから空隙までフィルム状ゲートを流れる構成となっている。そのため、溶融樹脂に高い流動性が求められ、高い金型温度設定が必要になる等、コストアップや成形サイクルの長大化を招くという問題がある。
しかも、型締を行うことによりゲートカットを行う構成となっているため、成形機にプレス機能及びそれを制御するための特殊な回路やプログラム等が必要となってしまう。
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、コストアップや成形サイクルの長大化を避けつつ、ウェルドラインの発生を抑えることを目的とする。
本発明の射出成形用金型は、溶融樹脂の流入通路となるスプルーと、前記スプルーに中央で連通する円盤状のランナと、前記円盤状のランナの外周部に沿って配置されたキャビティと、前記円盤状のランナの全周縁部から前記キャビティへと溶融樹脂を流入させるフィルムゲートとを備えたことを特徴とする射出成形用金型であって、固定型と、可動型と、前記可動型に相対移動可能に設けられたコア部とを備え、前記コア部には、前記円盤状のランナ内に成形されるランナ部を保持するZピンが設けられており、前記固定型と前記可動型の型閉状態のまま、前記コア部を移動させて前記Zピンを移動させることにより、前記フィルムゲート内に成形される薄肉部を切断する構成にし、前記円盤状のランナの直径が30mmを超えており、前記Zピンを、前記キャビティから15mm以上離して配置することを特徴とする。
また、本発明の射出成形用金型の他の特徴とするところは、前記円盤状のランナにおいて周縁部が中央部よりも厚くなっている点にある。
また、本発明の射出成形用金型の他の特徴とするところは、複数本の前記Zピンを対称的に配置した点にある。
また、本発明の射出成形用金型の他の特徴とするところは、前記Zピンは他のピンに取り替え可能とされている点にある。
本発明の樹脂成形品の成形方法は、本発明の射出成形用金型を用いて、穴を持つ樹脂成形品を成形することを特徴とする。
本発明によれば、コストアップや成形サイクルの長大化を避けつつ、ウェルドラインの発生を抑えることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1A〜図1Cは、本実施形態に係る射出成形用金型の構造を示す断面図である。また、図2は、本実施形態に係る射出成形用金型の要部拡大図である。本実施形態では、図6に示すように、乗用車のシフトレバー周りに配されるリング状の部品100を成形する例を説明する。
本実施形態に係る射出成形用金型は、固定型1及び可動型2を備える。また、可動型2を貫通するように別体のコア部3が設けられており、可動型2とコア部3とは相対移動可能となっている。なお、図中のPLはパーティングラインを示す。
固定型1には溶融樹脂の流入通路となるスプルー4が形成されており、不図示の射出ノズルから溶融樹脂が供給される。
また、固定型1とコア部3との間には、型閉状態で円盤状となるランナ5が形成される。スプルー4は、ランナ5の中央に連通しており、スプルー2から供給される溶融樹脂が滑らかにランナ5内に流れ込むようにするため、ランナ5の底面にはスプルー4に対向する位置に球面状の凹部5aが形成されている(図2を参照)。
また、固定型1と可動型2との間には、型閉状態でリング状となるキャビティ6が形成される。キャビティ6は、リング状の部品100を成形するための空間であり、ランナ5の外周部に沿って、ランナ5よりもやや上方(固定型1側)に配置されている。
さらに、固定型1と可動型2との間には、型閉状態でランナ5の全周縁部からキャビティ6へと溶融樹脂を流入させるフィルムゲート7が形成される。
ランナ5は、厚さ2〜3mm程度であり、周縁部は上方(固定型1側)に向かってテーパ状に厚みが増す形状とされている。一方、フィルムゲート7は、後述するようにその内部に成形される薄肉部を切断することから、ランナ5に比べて十分に薄くなるように厚さ0.2mm程度とされている。
また、コア部3にはランナ5の底面に開口する複数のピン収容部8が形成されており、各ピン収容部8にZピン9が収容される。図3に示すように、Zピン9は側方から見ると先端がZ形をしており、ランナ5を流れる溶融樹脂の一部はピン収容部8とZピン9により形成される空間10に流れ込む。その状態で溶融樹脂が固まると、ランナ5内に成形されるランナ部101がZピン9で保持された状態となる。
次に、図1A〜図1Cを参照して、本実施形態に係る射出成形用金型を用いた成形方法について説明する。ここでは、金属の微粉末(例えば粒子径5〜20μm程度のアルミニウム)が添加された樹脂材料を使用して、無塗装製品であるリング状の部品100を成形する。
図1Aに示すように、型閉状態で、不図示の射出ノズルからスプルー4に溶融樹脂が供給される。スプルー4からランナ5へと供給された溶融樹脂は、図4の矢印に示すように、ランナ5内において略放射状に流れ、ランナ5の全周縁部からフィルムゲート7を介してキャビティ6へと流入する。このように中央からキャビティ6へと溶融樹脂が略放射状に均一に流入するので、樹脂成形品100にはウェルドラインが形成されない。
キャビティ6に溶融樹脂が充填されて成形が完了したならば、図1Bに示すように、PLロックにより型閉状態のまま、コア部3を所定のストロークlだけスライドさせる(図1Bの矢印Sを参照)。コア部3がスライドすると、それに伴ってZピン9も移動することになる。ここで、上述したように、ランナ5内に成形されるランナ部101はZピン9で保持されているので、Zピン9が移動すると、それに引っ張られるかたちでランナ部101も移動する。一方、キャビティ6内に成形される樹脂成形品100は固定型1と可動型2とで固定されたままとなっている。したがって、コア部3の移動により、フィルムゲート7内に成形される薄肉部が切断されることになる(ゲートカット)。
ゲートカット時において、キャビティ6内に成形される樹脂成形品100は固定型1と可動型2とでしっかりと固定されているので、薄肉部の切断時の外力により樹脂成形品100が変形することがない。また、ランナ5内に成形されるランナ部101は、薄肉部(厚さ0.2mm程度)に比べて十分に厚く(厚さ2〜3mm程度)、更に周縁部にテーパ部101aを有することから、剛性が高く変形しにくく、確実にゲートカットを行うことができる。
ゲートカット後、図1Cに示すように、固定型1に対して可動型2を開くと、キャビティ6内に成形された樹脂成形品(リング状の部品)100が取り出されることになる。
以上のようにして樹脂成形品100を成形した後、スプルー4内に成形された柱状部102やランナ5内に成形されたランナ部101は、粉砕して再利用することができる。この場合に、射出ノズルとして標準ノズルを使用した場合は、粉砕材がペレットのように粒形状が整っていないため、その中の微小部位が射出時に十分溶けきらず、混合が不均一となり、樹脂成形品に樹脂の流れに沿った放射状のフローマークが発生してしまう。しかしながら、ミキシングノズルを使用した場合、かかる問題は生じず、樹脂成形品の外観上の問題はなく、粉砕材を再利用することができる。粉砕材100%を再利用した場合でも、3回程度であれば、ΔE(色差)は3以下に安定し、樹脂成形品の外観上の問題はないことがわかった。なお、粉砕材を用いる場合はミキシングノズルを使用するのが望ましいが、バージン材を用いる場合は標準ノズルであっても良い。
以下では、Zピン9の配置関係について説明する。ゲートカットのためにランナ部101を保持するという観点からいえば、Zピン9はフィルムゲート7の近くに配置するのが好ましいと考えられる。
その一方で、ランナ5内を流れる溶融樹脂の一部はピン収容部8とZピン9により形成される空間10に流れ込むため、その位置で溶融樹脂の流れに多少の乱れが生じることになる。そのため、Zピン9がキャビティ6に近いと、キャビティ6に流入する直前で溶融樹脂の流れが一様でなくなり、樹脂成形品100の外観に悪影響を及ぼすおそれがある。
本願発明者は、円盤状のランナ5の直径が30mmを超える場合に、複数本のZピン9の位置をキャビティ6の内側から10mm、15mm、20mm、25mm、30mmと変更できるように金型を改造して、Zピン9の位置が樹脂成形品100の外観に与える影響を実験した。図5には、楕円形状を有する円盤状のランナ5におけるZピン9の位置(10mm(○)、15mm(×)、20mm(□)、25mm(●)、30mm(△))を示す概要図である。なお、図5において線Rはキャビティ6の内側を示す。
他の条件は同一とし、Zピン9の位置を変更して成形された樹脂成形品100の外観を目視により確認した結果を表1に示す。表1の結果から、Zピン9は、キャビティ6の内側から15mm以上離して配置するのが望ましいことがわかった。
Figure 0005157675
なお、複数本のZピン9は、ランナ5の中心に対して対称的に配置するのが好ましい。また、Zピン9の本数は、ランナ5の大きさや樹脂材料に応じて適宜変更すればよい。
円盤状のランナ5の直径が30mm以下の場合は、1本のZピン9をランナ5の中央に配置すればよい。
以上述べたように、溶融樹脂は、スプルー4からキャビティ6までランナ5を流れる構成となっているので、溶融樹脂の流動性を妨げることがなく、コストアップや成形サイクルの長大化を避けることができる。
しかも、可動型2より先にコア部3をスライドさせる制御を行う必要があるが、基本的には油圧装置等による型開方向への動作のみでゲートカットを行うことができ、従来のようなプレス機能及びそれを制御するための特殊な回路やプログラム等は不要である。
以上、本発明を種々の実施形態とともに説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えばリング状の部品100の穴は真円でも、楕円でもよい。
また、上記実施形態ではリング状の部品100を説明したが、本発明は、穴を持つ樹脂成形品(開口穴外周のウェルドラインが問題となっている部品)全般を成形するのに適用可能である。例えば図7に示すように、フォグランプを設置する穴51を持つバンパ52を成形する場合に適用してもよい。この場合、フォグランプがオプション部品であり、フォグランプの有無が選べるとき、Zピン9を平ピンと取り替えれば、ランナ部101を残したまま、すなわち穴51を塞いだままとすることができ、同じ金型で容易に成形仕分けを行うことができる。
本実施形態に係る射出成形用金型の構造を示す断面図である。 本実施形態に係る射出成形用金型の構造を示す断面図である。 本実施形態に係る射出成形用金型の構造を示す断面図である。 本実施形態に係る射出成形用金型の要部拡大図である。 Zピンを説明するための図である。 樹脂の流れを説明するための模式図である。 Zピンの位置を示す概要図である。 本実施形態における樹脂成形品を説明するための図である。 本発明を適用可能な樹脂成形品の例を説明するための図である。
符号の説明
1 固定型
2 可動型
3 コア部
4 スプルー
5 ランナ
6 キャビティ
7 フィルムゲート
8 ピン収容部
9 Zピン
10 空間
100 リング状の部品(樹脂成形品)
101 ランナ部
101a テーパ部
102 柱状部

Claims (5)

  1. 溶融樹脂の流入通路となるスプルーと、
    前記スプルーに中央で連通する円盤状のランナと、
    前記円盤状のランナの外周部に沿って配置されたキャビティと、
    前記円盤状のランナの全周縁部から前記キャビティへと溶融樹脂を流入させるフィルムゲートとを備えたことを特徴とする射出成形用金型であって、
    固定型と、可動型と、前記可動型に相対移動可能に設けられたコア部とを備え、
    前記コア部には、前記円盤状のランナ内に成形されるランナ部を保持するZピンが設けられており、
    前記固定型と前記可動型の型閉状態のまま、前記コア部を移動させて前記Zピンを移動させることにより、前記フィルムゲート内に成形される薄肉部を切断する構成にし、
    前記円盤状のランナの直径が30mmを超えており、前記Zピンを、前記キャビティから15mm以上離して配置することを特徴とする射出成形用金型。
  2. 前記円盤状のランナにおいて周縁部が中央部よりも厚くなっていることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用金型。
  3. 複数本の前記Zピンを対称的に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形用金型。
  4. 前記Zピンは他のピンに取り替え可能とされていることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の射出成形用金型。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の射出成形用金型を用いて、穴を持つ樹脂成形品を成形することを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
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