JP5356723B2 - 砥石のドレッシング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークを加工する砥石を目立てするドレッシング装置に関するものである。
例えば研削砥石で研削加工を行う場合、一般に、研削砥石の切れ味を回復させるために目立てをするドレッシングが行われる。そのようなドレッシングが行われる装置としては、例えば、導電性の砥石と、その砥石と所定の間隔を空けて設けられたドレッシング電極との間に導電性液を供給しながら直流電圧を印加して、砥石を電解によりドレッシングする装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。ここで、上記装置においては、さらに、上記砥石のツルーイングをするために、別途設けられた放電電極と上記砥石との間に加圧ミストを供給しながら直流電圧をパルス的に印加して放電させることにより加工面を整形するプラズマ放電ツルーイングが行われるようになっている。
特開2000−246634号公報
しかしながら、上記のようにプラズマ放電ツルーイングがなされる一方で行われる電界ドレッシングは、電解液の流れ不良や、加工物の突起部などにより電解集中を起し易く、必ずしも、十分なチップポケットを有したり潤滑剤の保持性が良好な砥面が得られるようにドレッシングすることが容易ではなかった。さらに、電解液を貯留、供給する装置を有する必要があり、複雑かつ高価な装置を必要とした。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、ドレッシングによって容易に良好な砥面を得ることを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明は、
対向して設けられた1対の電極と、
上記電極間に、スパークを生じるよりも低い電圧を印加する電源装置とを備え、
上記電極間に砥石を何れの上記電極とも非接触に位置させた状態で、上記電源装置からの電圧を印加することによって、上記砥石の目立てを行うことを特徴とする。
上記電源装置は、パルス電圧(三角波、サイン波等を含む。)を印加するようにしてもよい。
また、上記砥石は、円柱状または円筒状の砥石であって、その中心軸回りに回転させながら、上記目立てを行うようにしてもよい。
さらに、上記砥石によって被加工物を加工する加工部を備え、上記砥石を上記加工部と上記電極間とに移動させるようにしてもよい。
これらにより、上記電極間に電圧が印加されることによって生成されたイオン等が砥石に衝突すると、砥粒とボンド部の通電性差や硬度差により、砥石のボンド部分が除去されることにより目立てが行われる。
本発明によれば、ワークを加工する砥石を目立てして、良好な砥面を得ることが容易にできる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
砥石のドレッシング装置は、例えば図1に示すように、対向して設けられた1対の電極11,12と、これらの電極11,12に所定の電圧を印加する電源装置13とを備えている。上記所定の電圧は、電極11,12間にスパークが生じるよりも低い電圧に設定されている。具体的には、例えば、電極11,12間が真空に保たれる場合、4kV程度で4000kHzのパルス電圧が印加されるようになっている。
目立てが行われる円柱状または円筒状の砥石14は、図2に示すように上記電極11,12の間に配置され、図示しない回転装置によって回転するようになっている。上記砥石14としては、例えば鉄系材料中にダイヤモンド砥粒が埋め込まれたメタルボンド砥石が用いられる。
上記ドレッシング装置は、例えば図3に示すようにワークWを研削する研削装置(加工部)と組み合わせて設けられる。この研削装置の例では、主軸ヘッド21は、図示しない主軸モータによって回転駆動可能であり、その端面には凹部Sを有するワークWが保持されている。このワークWはその凹部Sの内面が研削されるようになっている。
ホィールヘッド22は、モータ23によって回転駆動可能であるとともに、駆動装置24によってZ軸方向及びX軸方向に移動可能になっている。ホィールヘッド22には、ワークWの凹部Sの内面を研削する前記砥石14が取り付けられている。
次に、上記のように構成されたドレッシング装置および研削装置の動作について説明する。砥石14によるワークWの研削加工は、ホィールヘッド22をワークWに向かってZ軸(−)方向に移動し、さらにX軸(+または−)方向に移動して、回転するワークWの凹部Sの内面に砥石14の側面を押し付けて所定の切り込み送りを与えることによって行う。
上記研削作業によって、砥石14の研削面の目こぼれや切れ味の低下が生じた場合には、ホィールヘッド22は、Z軸(+)方向、X軸(−または+)方向、およびZ軸(−)方向に移動して、砥石14を電極11,12間に位置させる。そして電極11,12間に所定の電圧を印加しながら、ホィールヘッド22を所定の回転速度で回転させる。
これによって、例えば図4に処理前後それぞれ2サンプルの走査型電子顕微鏡写真、図5、図6に処理前後の模式的な断面図を示すように、処理前にはダイヤモンド砥粒(写真の黒い部分)はボンド部分に囲まれて埋もれた状態になっていたのが、処理後には、砥石14の表面のボンド部分が脱落することにより除去され、ダイヤモンド砥粒はボンド部分から10μmほど突出した状態になる。また、ダイヤモンド砥粒自体には特に変化は見られないが、ボンド部分は、直径が2μm以下程度の微小な孔が多数形成された多孔状になっている。すなわち、良好な目立てが行われてチップポケットが形成されるとともに、潤滑剤の保持性も高くなり、理想的な砥石表面が形成されるので、ホーニング加工の加工精度や加工時間などの加工能力を大幅に向上させることが可能になるうえ、砥石寿命も長くすることができる。
上記のような目立てがなされるのは、次のようなメカニズムによると考えられる。すなわち、電極11,12間に上記のような高電圧が印加されると、電極11,12の周辺にプラズマが生成され、電子、イオン、ラジカルが存在する状態になる。そして、上記イオン等は、その電荷の極性に応じて、逆極性の電極11,12の方向に加速され、主としてダイヤモンド砥粒よりも導電率が高いために電気力線が集中するボンド部分に衝突する。この衝突によりボンド部分の原子がはじき飛ばされて脱落する一方、ダイヤモンド砥粒は上記のように衝突が発生しにくいうえ発生しても脱落が生じにくいので、上記のように目立てがなされると考えられる。
なお、上記の例では電極11,12間は真空中に保たれるとして説明したが、ドレッシングが行われる際にだけ真空にされるようにしてもよいし、また、電極11,12間により高い電圧を印加するようにすれば、必ずしも真空にしなくてもよい。
また、電極11,12間に印加する電圧の高さや、パルス状の電圧であるか直流電圧であるか、パルス状である場合の周波数などは上記に限らず、電極11,12間を真空にするかどうかや電極11,12間の距離、砥石14の種類などに応じて、所望のドレッシングが行われるように設定すればよい。
また、砥石14は、上記のように鉄系材料中にダイヤモンド砥粒が埋め込まれたメタルボンド砥石等は、ボンド部分と砥粒との導電性や硬度の差等の点で上記のような目立てに特に適しているが、これに限るものではなく、砥粒よりもボンド部分の脱落程度が大きいものであればよい。
また、電極11,12の少なくとも一方を絶縁体で覆い、例えば直流以外の電圧を印加するようにしてもよい。絶縁体表面の帯電を利用してプラズマの密度を高め、より多くの電子を飛ばして効率を向上させることなどができる。
また、上記のようなドレッシング装置は、例えば特開2000−246634号公報に記載されているものなど、種々のツルーイング装置と組み合わせたりしてもよい。
本発明にかかる砥石のドレッシング装置は、ワークを加工する砥石を目立てするドレッシング装置等として有用である。
本発明の実施の形態に係る砥石のドレッシング装置要部の構成を示す正面図である。 上記ドレッシング装置の要部の構成を示す側面図である。 上記ドレッシング装置と組み合わされた上記ドレッシング装置とを示す正面図である。 目立て前後の砥石の状態を示す顕微鏡写真である。 目立て前の砥石の状態を模式的に示す断面図である。 目立て後の砥石の状態を模式的に示す断面図である。
符号の説明
11,12 電極
13 電源装置
14 砥石
21 主軸ヘッド
22 ホィールヘッド
23 モータ
24 駆動装置

Claims (4)

  1. 対向して設けられた1対の電極と、
    上記電極間に、スパークを生じるよりも低い電圧を印加する電源装置とを備え、
    上記電極間に砥石を何れの上記電極とも非接触に位置させた状態で、上記電源装置からの電圧を印加することによって、上記砥石の目立てを行うことを特徴とする砥石のドレッシング装置。
  2. 請求項1記載の砥石のドレッシング装置であって、
    上記電源装置は、パルス電圧を印加することを特徴とする砥石のドレッシング装置。
  3. 請求項1記載の砥石のドレッシング装置であって、
    上記砥石は、円柱状または円筒状の砥石であって、その中心軸回りに回転させながら、上記目立てを行うように構成されていることを特徴とする砥石のドレッシング装置。
  4. 請求項1記載の砥石のドレッシング装置であって、
    さらに、上記砥石によって被加工物を加工する加工部を備え、
    上記砥石を上記加工部と上記電極間とに移動させるように構成されていることを特徴とする砥石のドレッシング装置。
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