JPH0116764B2 - - Google Patents

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JPH0116764B2
JPH0116764B2 JP55146800A JP14680080A JPH0116764B2 JP H0116764 B2 JPH0116764 B2 JP H0116764B2 JP 55146800 A JP55146800 A JP 55146800A JP 14680080 A JP14680080 A JP 14680080A JP H0116764 B2 JPH0116764 B2 JP H0116764B2
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silicon carbide
fine powder
carbide fine
composite plating
powder
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Akira Enomoto
Kazuhisa Hara
Yoshuki Iwata
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は分散性に優れた高純度炭化珪素微粉末
とその製造方法ならびに前記微粉末を使用する複
合メツキ方法に関する。 近年、金属を不溶性の共析物質例えば酸化物、
炭化物、ダイヤモンドあるいは金属性物質のよう
な無機質の微粉末とともに電着し、耐摩耗性、耐
食性、耐熱性、あるいは耐衝撃性に優れた被覆膜
を形成する技術が開発され、例えばロケツトエン
ジンの燃焼室、内燃機関のピストンリングあるい
はシリンダ内壁面等の摺動部への複合メツキ技術
が実用化されている。 例えば、特公昭36−3806号公報に電解液中に炭
化珪素、酸化アルミニウム、炭化タングステンあ
るいは酸化ジルコニウム等の粉末状物質を懸濁さ
せ、被メツキ物からなる陰極と陽極との間に適当
な電流を印加し、被メツキ物表面に前記粉末状物
質を沈降させながら複合メツキする方法が開示さ
れている。 最近では、耐摩耗性に優れた被覆膜を得ること
を目的としてニツケルマトリツクス中に炭化珪素
粉末を共析させる複合メツキが盛んに行なわれて
いる。しかしながら、炭化珪素粉末は一般的に凝
集し易い特性を有するため、従来各種の分散剤を
使用する複合メツキ方法が報告されている。 例えば、特開昭50−62136号公報に共析物質の
分散剤としてケイ酸アルミナをメツキ液に添加す
ることにより、複合メツキ層における共析物質の
分散性を改良する方法が開示されている。 特開昭52−135837号公報にメツキ液中にメツキ
液より比重のわずかに大きな高分子材料よりなる
分散促進材料を混入して複合メツキ層における共
析物質を均一に共析できる複合メツキ液が開示さ
れている。 さらに、特開昭52−88549号公報には微細な炭
化珪素粉末を共析させた複合メツキでは、摺動材
料として使用した場合炭化珪素の微粒子が剥落し
たり、ニツケルマトリツクス内へ埋没したりして
複合メツキ層の耐摩耗性が低下するため、共析物
質としての炭化珪素は平均粒子径3.5〜20μの範囲
内が適していると記載されており、平均粒子径が
1μm以下の極めて微細な粒子よりなる炭化珪素
微粉末を共析物質として使用することは好ましく
ないと記載されている。 したがつて、従来知られた前記諸公報記載の複
合メツキ方法において使用されている炭化珪素粉
末はいずれも平均粒径が2μm以上の比較的粗粒
であつた。 以上従来知られた炭化珪素粉末を共析させる複
合メツキ方法においては炭化珪素微粉末を共析物
質として使用することには種々の欠点があつた。 本発明は、前記種々の欠点を除去、改善した分
散性に優れた高純度炭化珪素微粉末とその製造方
法ならびに前記微粉末を使用する複合メツキ方法
を提供することを目的とするものであり、特許請
求の範囲記載の炭化珪素微粉末とその製造方法な
らびにこの微粉末を使用する複合メツキ方法を提
供することによつて前記目的を達成することがで
きる。 次に本発明を詳細に説明する。 本発明者らは複合メツキの共析物質として従来
好ましくないとされていた極めて微細な粒子より
なる炭化珪素微粉末について研究した結果、次に
述べるような機構が存在しているという結論に到
達した。 即ち、従来一般に市販されている炭化珪素粉末
の殆どは合成時あるいは粉砕時において混入する
不純物を塩酸、硫酸、フツ化水素酸あるいは硝酸
等の無機酸の水溶液に浸漬することによつて洗浄
除去したものである。例えば、α型結晶よりなる
炭化珪素粉末はアチエソン型電気炉で合成された
塊状の生成物を粉砕分級することによつて製造さ
れる。このような塊状のα型結晶よりなる炭化珪
素の如く硬い材料を微粉砕することは極めて困難
であるばかりでなく、粉砕中に不純物が混入する
ため通常塩酸あるいは硫酸の水溶液に浸漬する精
製処理が施される。また不純物として遊離シリカ
や遊離珪素を含有している場合には通常フツ化水
素酸あるいはフツ化水素酸と硝酸の混酸に浸漬す
ることによつて前記不純物が除去されている。し
かしながら、前記無機酸は通常の水洗処理では炭
化珪素粉末より充分に除去されることが難かし
く、このようにして製造された炭化珪素粉末の粒
子表面には前記酸成分が付着しているため粉末の
PH値は極めて低く、かつ凝集性が強い。特に1μ
m以下の如き超微粉末においては凝集性が著し
く、メツキ液中に懸濁させた場合でも従来の分散
剤では単一粒子までほぐして懸濁させることは困
難で、炭化珪素微粉末は凝集した粒子の状態で懸
濁される。このようなメツキ液を使用すると共析
物質である炭化珪素微粉末は凝集した粒子のまま
マトリツクス金属中に共析し、第1図aに示す如
き構造となるため炭化珪素微粉末の粒子とマトリ
ツクス金属との接着面積が小さく、表面に露出し
た粒子は剥落し易い欠点を有するし、また分散性
も不均一となるため複合メツキ膜の硬度や耐摩耗
性を向上させる効果がなかつた。 前述の如く、PH値が低く、粒子表面に酸成分が
多量に付着している炭化珪素微粉末を複合メツキ
の共析物質として使用した場合、メツキ液中に単
一粒子にまでほぐして懸濁させることが極めて困
難で、炭化珪素微粉末が凝集した粒子のままマト
リツクス金属中に共析されるために複合メツキ膜
の物性を著しく劣化させることは知られていなか
つた。さらに、極めて微細な炭化珪素微粉末のPH
値を調整したり、粒子表面に付着している酸成分
を除去することは工業上極めて困難で従来実施さ
れず、PH値が中性に近く、かつ残留酸成分含有量
の少ない炭化珪素微粉末が複合メツキの共析物質
として適していることは知られなかつた。 本発明者らは炭化珪素微粉末のPH値を調整し、
残留酸成分を除去して複合メツキの共析物質とし
て使用した結果、従来共析物質として良好である
とは推測だにされなかつた炭化珪素微粉末が共析
物質として極めて優れており、しかも比較的粗粒
の炭化珪素粉末に比較して複合メツキ膜の物性を
著しく向上させるおどろくべき効果を有している
ことを発見した。 本発明の炭化珪素微粉末は従来複合メツキの共
析物質として使用されていた炭化珪素粉末と比較
して、極めて微細であり、かつ酸洗処理されてい
るにもかかわらず液中分散性特にスルフアミン酸
ニツケル浴中での分散性に極めて優れているた
め、従来の炭化珪素粉末では得ることのできなか
つた硬度、耐摩耗性等の優れた複合メツキ膜を得
ることができる。 本発明の炭化珪素微粉末が複合メツキの共析物
質として優れている理由は、 (1) 粒径が非常に微細な超微粉であり、比表面積
が非常に大きいため、マトリツクス金属との接
着面積が大きく剥落し難い。 (2) 炭化珪素微粉末は硬い材料であり、しかも第
1図bに示す如く単一粒子の状態でマトリツク
ス金属中に共析されるため、粒子が凝集した状
態で共析したもののように小さな応力によつて
壊れることがない。 (3) 超微粉がマトリツクス金属中に均一に分散す
るため、応力が局所的に集中することがない。 (4) 共析物質が超微粉でしかもマトリツクス金属
中に均一に分散するため、メツキ層表面は平滑
性に優れ、相手材を異常摩耗させることがな
い。 本発明の高純度炭化珪素微粉末において、その
PH値は4.5〜8.0の範囲であることが必要である。
前記PH値を4.5〜8.0の範囲内に限定する理由は、
粉末のPH値が4.5より低いとメツキ液中における
分散性が悪く、単一粒子にまで分散させることが
極めて困難であるし、一方PH値が8.0より高い場
合には粉末中に含有される塩基性物が共電着しメ
ツキ膜の特性を劣化させるからである。 前記PH値が4.5より低い場合には炭化珪素微粉
末がメツキ液中に分散し難い原因は、粒子表面に
付着している電解質が極端に酸性側となつている
ため、メツキ液中に投入しても粒子表面における
水分子の配位が生ぜず、電気二重層を形成しない
からであると考えられる。 また、本発明によれば、炭化珪素微粉末中に含
有される酸成分量を0.3重量%以下とすることが
必要である。前記炭化珪素微粉末中に含有される
酸成分は炭化珪素微粉末の表面に比較的強固に付
着しており、前記酸成分量が0.3重量%よりも多
い炭化珪素微粉末を共析物質として使用すると、
酸成分はメツキ膜中に共電着され、マトリツクス
金属と粉末粒子との接着強度を劣化させるため、
共析物質として使用しても、複合メツキ膜の硬度
や耐摩耗性を向上させる効果が極めて小さいから
である。 本発明によれば、炭化珪素微粉末の比表面積が
5m2/g以上、平均粒子径が1μm以下であるこ
とが好ましい。前記炭化珪素微粉末の比表面積が
5m2/gより小さいとマトリツクス金属との接着
面積が小さく接着強度が弱いため、摺動材料等に
使用した場合に剥落し易いと、一方平均粒子径が
1μmより大きいと摺動材料等に使用した場合相
手材との接触点が減少し相手材の接触点における
剪断応力が大きくなるため相手材の摩耗量が増大
するからである。 本発明によれば炭化珪素粉末は粒子の長径/短
径比の平均値(以下、平均粒径比で表す。)が1.1
〜1.7の範囲内であることが有利である。前記平
均粒径比が1.7より大きい粒子形状を有する炭化
珪素粉末を摺動材料に共析物質として複合メツキ
すると使用時において表面に露出している各粒子
にかかる面圧が不均一となり相手材に深い傷を発
生させたり、著しく摩耗したりするため、共析物
質として使用する場合には厳重な粒度管理を必要
とする等の欠点を有するし、一方前記平均粒径比
が1.1より小さい範囲であれば非常に好ましいと
考えられるが、このような形状の微粉末を得るこ
とは非常に困難で、例え製造できたとしても極め
て高価となり、実用的でないと考えられるからで
ある。 本発明によれば、炭化珪素微粉末原料を塩基性
水溶液に浸漬した後、固液分離操作を施す必要が
ある。炭化珪素微粉末を塩基性水溶液に浸漬した
後、固液分離操作を施す理由は、炭化珪素微粉末
の粒子表面に付着しており、特に水洗では除去す
ることの極めて困難な不純物、即ち酸洗時に付着
した残留酸成分を塩基性水溶液に浸漬することに
よつて塩基性水溶液に溶出させ、さらに固液分離
することによつて前記溶出した酸成分を効率的に
除去するためである。 しかしながら、従来微粉末の固液分離操作は極
めて困難であることが知られており、特に分散性
を向上させた微粉末の固液分離操作を工業的に実
施することは設備的にも経済的にも極めて困難で
あるため、分散性を向上させた微粉末の懸濁液よ
り微粉末を分散性を維持したまま固液分離するこ
とは当業者の間では実施されなかつた。したがつ
て、前記の如き処理を施された炭化珪素微粉末が
複合メツキの共析物質として極めて顕著な複合メ
ツキ膜の強化作用を有することは従来予想だにさ
れなかつたことである。 本発明によれば、前記基塩性水溶液の規定度を
少なくとも0.01Nとすることが好ましい。前記塩
基性水溶液の規定度が0.01Nより低いと炭化珪素
微粉末に含有されている残留酸成分の浸漬液中へ
の溶出量が少なくなり残留酸成分の除去効率が極
めて低いからである。一方、前記塩基性水溶液の
規定度が余り高い場合には逆に塩基性成分が炭化
珪素微粉末に付着し、むしろ炭化珪素微粉末の不
純物含有量が増加するため、塩基性水溶液の規定
度は1N以下とすることが有利である。 前記塩基性水溶液に炭化珪素微粉末を浸漬する
割合は25g/〜200g/の範囲内とすること
が有利である。前記割合が200g/より多いと
残留酸成分の除去効率が低く、しかも固液分離操
作が困難であるし、一方25g/より少ないと設
備あたりの処理量が極めて少なく効率的でないか
らである。 前記塩基性水溶液としては、例えばアンモニ
ア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
カルシウム等の無機塩基性物質あるいはヒドロキ
シルアミン、メチルアミン、エチルアミン等の有
機アミン類の水溶液を使用することができるが、
なかでもアンモニアの水溶液が最も好ましい。そ
の理由は必要とされる量より過剰に添加しても加
熱することによつて容易に過剰分を気化せしめて
除去することができ、炭化珪素微粉末の粒子表面
に付着したりして残存し悪影響を及ぼすことが極
めて少ないからである。 本発明によれば、炭化珪素微粉末の塩基性水溶
液による懸濁液を80℃以上に加熱することが好ま
しい。その理由は、炭化珪素微粉末の粒子表面に
付着している残留酸成分を速やかに溶出でき、工
程に要する時間を短縮できる利点を有するからで
ある。 なお、本発明における固液分離は炭化珪素微粉
を沈降させて上澄み液を排除する方法によること
が有利である。 前記炭化珪素微粉末は先に本発明者らが出願し
た特願昭54−146389号公報記載の主としてβ型結
晶よりなる炭化珪素の製造方法によつて製造され
るβ型炭化珪素微粉末を有利に使用することがで
きる。 なお、前記の如き方法で得られた生成物には
SiC化反応にあずからなかつた未反応炭素や未反
応シリカが含有されているため、これらを除去精
製することによつて炭化珪素純度が向上する。例
えば未反応シリカはフツ化水素酸あるいはフツ化
水素酸と硝酸の混酸に浸漬し洗浄除去される。こ
のようにして精製された炭化珪素微粉末は極めて
活性な炭化珪素の表面が露出されるため、複合メ
ツキの共析物質として使用するとマトリツクス金
属との接着性が良好であり、複合メツキ膜の物性
を向上させる効果が極めて顕著である。 次に前述の如き分散性に優れた高純度炭化珪素
微粉末を使用する複合メツキ方法について述べ
る。 本発明によれば、ニツケルマトリツクス中に炭
化珪素微粉末を共析させた複合メツキ膜のメツキ
方法において、PH値が4.5〜8.0の範囲内で、かつ
酸成分含有量が0.3重量%以下の分散性に優れた
高純度炭化珪素微粉末が共析物質として使用され
る。前記共析物質としての炭化珪素微粉末は目的
とするマトリツクス金属の金属イオンを含有する
メツキ液例えばスルフアミン酸ニツケル浴に70〜
250g/の割合で添加され、超音波撹拌させな
がら被メツキ物を陰極とし電圧を印加して複合メ
ツキされる。浴のPH値は5.0〜6.5の範囲内が好ま
しく、浴温は50〜70℃の範囲内、電流密度は10〜
30A/dm2の範囲内とすることが有利である。前
記浴のPH値が5.0〜6.5の範囲内であることが好ま
しい理由は、PH値が5.0より低いとメツキ液中に
おいて炭化珪素微粉末が凝集し易いし、一方6.5
より高い場合には陽極からの金属イオンの溶出速
度が低くメツキ液中における金属イオン濃度が減
少するため、メツキ効率が低下するからである。
また複合メツキ膜の炭化珪素微粉末含有率として
は2〜15重量%の範囲内とすることが有利であ
る。その理由は炭化珪素微粉末の含有率が2重量
%より少ないと複合メツキ膜の硬度や耐摩耗性を
向上させる効果が低く、一方15重量%より多いと
炭化珪素微粉末の均一分散性が損なわれ炭化珪素
微粉末が剥落したり、メツキ膜が剥離し易くなり
複合メツキ膜の物性が低下するからである。 複合メツキのマトリツクス金属としては前述の
ニツケルの他にクロムあるいは銅を使用すること
もできる。 なお、本発明の炭化珪素微粉末は無電解メツキ
法の共析物質としても優れた特性を有している。 以下に、本発明を実施例について説明する。 実施例 1 前記特願昭54−146389号公報記載の主としてβ
型結晶よりなる炭化珪素の製造方法により、SiC
化反応させ、空気気流中で500℃に加熱して遊離
炭素を除去した後フツ化水素酸に浸漬して遊離シ
リカを除去精製し、さらに粒度分級することによ
つてβ型炭化珪素微粉末(PH値:3.2、残留酸成
分含有量:0.41重量%、比表面積:10.1m2/g、
平均粒子径:0.33μm、平均粒径比:1.42、α型
炭化珪素含有率:3.5重量%)を製造した。 前記β型炭化珪素微粉末を0.17Nのアンモニア
水溶液に懸濁液濃度が7.7重量%となるよう添加
し懸濁させた。前記懸濁液を90℃迄加熱した後β
型炭化珪素微粉末を沈降させて上澄み液を除去
し、約120℃の温度で乾燥した。上澄み液を除去
した後の懸濁液濃度は約24重量%であつた。得ら
れたβ型炭化珪素微粉末のPH値は5.8、残留酸成
分含有量は0.12重量%であつた。 なお、粉末のPH値はJIS−R−6129に従つて測
定した。 上記β型炭化珪素微粉末1gをスルフアミン酸
ニツケル浴(スルフアミン酸ニツケル:480g/
、塩化ニツケル:15g/、ホウ酸:30g/
)200ml中に投入し、20分間超音波撹拌した後、
島津自動粒度測定器を使用し粒子の沈降状況を観
察することによつて分散性を調べた。この測定方
法によれば、沈降速度が遅いほど分散性が良好で
あるといえる。 第2図に示した結果よりわかるように、本実施
例の処理を施したβ型炭化珪素微粉末は、処理を
施していないβ型炭化珪素微粉末に比較して沈降
速度が極めて遅く、殆ど単一粒子の沈降が進行し
ているだけであり、凝集による見掛けの粒子粗大
化は殆ど生成しないことがわかる。 さらに、本実施例の処理を施したβ型炭化珪素
微粉末をスルフアミン酸ニツケル浴に150g/
の割合で添加し、鋼板を陰極とし陽極にニツケル
を使用し、メツキ液を超音波撹拌しながら180分
間複合メツキを行つた。メツキ条件は浴温60℃、
浴のPH値5.8、両極間距離8cm、電流密度20A/
dm2とした。なおメツキ液のPH値はアンモニア水
を使用して調整した。 得られた複合メツキ膜中のβ型炭化珪素微粉末
含有量は5.5重量%であり、第3図の走査型電子
顕微鏡写真(1500倍)に示す如く、β型炭化珪素
微粉末が複合メツキ膜中に極めて均一に分散して
いることがわかる。 複合メツキ膜の硬度および耐摩耗性は複合メツ
キを施した後最終的に#1500の研磨紙で研磨を行
つたものと、さらに400℃のアルゴンガス気流中
で4時間熱処理したものについて調べ、第1表に
示した。硬度はマイクロビツカース硬度計を使用
し、荷重500Kg、保持時間5秒で測定した。耐摩
耗性は大越式迅速摩耗試験機を用いてその摩耗量
で表わした。回転円板は鋳鉄(FC−35)を用い、
潤滑油(モービル#20)滴下注油潤滑方式、摩擦
速度1.96m/秒、最高荷重18.8Kg/cm2および摩擦
距離600mで行つた。
【表】
【表】 比較例 1 実施例1に記載したβ型炭化珪素微粉末であつ
て、アンモニア水溶液に浸漬する処理を施してい
ないβ型炭化珪素微粉末25gを蒸留水300ml中に
投入し、5分間煮沸した後過する処理を4回繰
返し、約120℃の温度で乾燥した。得られたβ型
炭化珪素微粉末のPH値は4.1、残留酸成分含有量
は0.38重量%であつた。液中分散性については実
施例1と同様にして測定し第2図に示したが、こ
のような処理では本発明の目的としている如き分
散性の良好な炭化珪素微粉末を得ることが困難で
あることがわかる。 実施例2、比較例2 実施例1に記載したβ型炭化珪素微粉末を使用
し、アンモニア水溶液の規定度、懸濁液の濃度等
の条件を変えて粉末の処理を行つた。得られたβ
型炭化珪素微粉末の物性は第1表に、液中分散性
については実施例1と同様にして測定し代表的な
ものを第2図に示した。 さらに、上記の如くして得られたβ型炭化珪素
微粉末を共析物質として実施例1と同様の方法で
複合メツキ膜を得た。得られた複合メツキ膜の硬
度および耐摩耗性については実施例1と同様の方
法で調べ結果は第1表に示した。 実施例 3 市販のα型炭化珪素粉末(GC#6000)を鉄製
ボールミルで粉砕し、10%塩酸水溶液に浸漬する
ことによつて粉砕時に混入した鉄分を除去して粒
度分級したα型炭化珪素微粉末(PH値:3.8、残
留酸成分含有量:0.36重量%、比表面積:10.5
m2/g、平均粒子径:0.34μm、平均粒径比:
1.9)を製造した。 前記α型炭化珪素微粉末を0.23Nのアンモニア
水溶液に懸濁液濃度が9.1重量%となるよう添加
し懸濁させた。前記懸濁液を85℃迄加熱した後α
型炭化珪素微粉末を沈降させて上澄み液を除去し
約130℃の温度で乾燥した。上澄み液を除去した
後の懸濁液濃度は約28重量%であつた。得られた
粉末のPH値は6.2、残留酸成分含有量は0.11重量
%であつた。得られたα型炭化珪素微粉末の分散
性については実施例1と同様にして測定したとこ
ろ極めて良好であつた。 実施例4、比較例3 実施例1によつて得られたβ型炭化珪素微粉末
を共析物質として使用し、実施例1と同様の方法
ではあるが、メツキ液中へのβ型炭化珪素微粉末
の添加量、浴のPH値を変化させて複合メツキを行
つた。得られた複合メツキ膜のβ型炭化珪素微粉
末含有量およびその他の物性については実施例1
と同様の方法で調べ、結果は第2表に示した。
【表】 実施例 5 実施例1によつて得られたβ型炭化珪素微粉末
を共析物質として使用し、クロムおよび銅のいず
れかをマトリツクス金属として複合メツキを行つ
た。これらの複合メツキ膜の物性を実施例1を同
様の方法で調べた結果、上記のいずれの複合メツ
キ膜も硬度および耐摩耗性が著しく向上している
ことがわかつた。 以上説明した如く、本発明の炭化珪素微粉末は
分散性が極めて良好であり、複合メツキの共析物
質として最適の炭化珪素微粉末であり、さらに耐
摩耗性に極めて優れた複合メツキ膜を形成するの
に使用することができ、工業上極めて有用なもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図aは、共析物質を凝集した粒子のままマ
トリツクス金属中に複合メツキされている複合メ
ツキ膜の断面を示す模式図、第1図bは、共析物
質が単一粒子に分散してマトリツクス金属中に複
合メツキされている複合メツキ膜の断面を示す模
式図、第2図は、スルフアミン酸ニツケル浴中に
おける炭化珪素微粉末の沈降状況と時間の関係を
示す図、第3図は、実施例1で得た複合メツキ膜
中における炭化珪素微粉末の共析状態を観察した
走査型電子顕微鏡写真である。 1……被メツキ物、2……マトリツクス金属、
3……凝集した状態の炭化珪素微粉末、4……単
一粒子の炭化珪素微粉末。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 比表面積が5m2/g以上、平均粒子径が1μ
    m以下の粉末であつて、PH値が4.5〜8.0の範囲内
    にあり、かつ酸成分含有量が0.3重量%以下であ
    る分散性に優れた高純度炭化珪素微粉末。 2 酸処理によつて不純物を溶出除去した炭化珪
    素微粉末原料を、塩基性水溶液に浸漬して溶出さ
    せ、ひきつづき固液分離操作を施すことにより、
    不純物を除去し、これによつて比表面積が5m2
    g以上、平均粒子径が1μm以下、PH値が4.5〜8.0
    の範囲内にあり、かつ酸成分含有量が0.3重量%
    以下である微粉末を得ることを特徴とする分散性
    に優れた高純度炭化珪素微粉末の製造方法。 3 前記炭化珪素微粉末原料を0.01N以上の塩基
    性水溶液に浸漬する特許請求の範囲第2項に記載
    の製造方法。 4 前記炭化珪素微粉末原料を0.01N以上のアン
    モニア水溶液に浸漬する特許請求の範囲第2ある
    いは3項のいずれか1つに記載の製造方法。 5 炭化珪素微粉末原料を塩基性水溶液に浸漬さ
    せてなる懸濁液を80℃以上に加熱する特許請求の
    範囲第2〜4項のいずれか1つに記載の製造方
    法。 6 ニツケルマトリツクス中に炭化珪素微粉末を
    共析させてなる複合メツキ膜のメツキ方法におい
    て、比表面積が5m2/g以上、平均粒子径が1μ
    m以下、PH値が4.5〜8.0の範囲内にあり、かつ酸
    成分含有量が0.3重量%以下である分散性に優れ
    た高純度炭化珪素微粉末を、共析物質として使用
    することを特徴とする複合メツキ方法。 7 メツキ液としてスルフアミン酸ニツケル浴を
    使用し、浴のPH値を5.0〜6.5の範囲内とすること
    を特徴とする特許請求の範囲第6項に記載の複合
    メツキ方法。
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