JPH0118886Y2 - - Google Patents
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- JPH0118886Y2 JPH0118886Y2 JP1982103176U JP10317682U JPH0118886Y2 JP H0118886 Y2 JPH0118886 Y2 JP H0118886Y2 JP 1982103176 U JP1982103176 U JP 1982103176U JP 10317682 U JP10317682 U JP 10317682U JP H0118886 Y2 JPH0118886 Y2 JP H0118886Y2
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- bearing
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Description
産業上の利用分野
本考案は、自動車のステアリング系統やサスペ
ンシヨン系統などに使用するボールジヨイントの
低トルク用ベアリングに関するものである。 従来の技術 第1図は従来のベアリングを使用したボールジ
ヨイントの一例を示す部分断面図である。 従来からボールジヨイントは、自動車などのス
テアリング系統やサスペンシヨン系統に使用され
ている。一般に、球体部7aの直径は従来のベア
リング20の内壁面21の内径よりもわずかに大
きく作られている。このため球体部7aはプレロ
ードされた状態で保持される。つまり球体部7a
はベアリング20に締め付けられた状態で保持さ
れる。 考案が解決しようとする問題点 このため、従来のボールジヨイントではボール
スタツド7とベアリング20の間の摺動抵抗が大
きかつた。 そこで、摺動抵抗を小さくするために、第2図
に示すベアリング22がつくられた。この従来の
ベアリング22は、赤道線X上及び赤道線Xの上
下にわたつて細い溝23が形成されている。溝2
3によつてボールスタツド7とベアリング22の
接触面積が減少して摺動抵抗が小さくなる。 しかし、従来のベアリング22は、溝23が赤
道線Xの上下にわたつて形成されているため、球
体部7aにかかる荷重のバランスが悪く耐久性の
点で問題があつた。また、従来のベアリング22
は溝23の幅が狭く摺動抵抗の低減が十分ではな
かつた。 考案の目的 本考案は、上記の実情に鑑みてなされたもの
で、耐久性に優れ、しかも摺動抵抗が小さく、従
つてボールスタツドの起動トルク及び回転トルク
が低い低トルク用ベアリングを提供することを目
的としている。 考案の要旨 前述の目的を達成するために、この考案は実用
新案登録請求の範囲第1項に記載の低トルク用ベ
アリングを要旨としている。 問題点を解決するための手段 本考案の低トルク用ベアリングは、ベアリング
の内壁に前記球体部の半径に等しいかまたは僅か
に小さい半径を有し前記球体部を全体的に包む球
状の内壁面を形成し、前記内壁面の赤道線よりも
上方に前記内壁面を一周するように溝を形成し、
しかも前記溝を前記赤道線に沿つてかつ前記ベア
リングの内壁面と前記球体部の接触面積が前記赤
道線の上方と下方でほぼ等しくなる溝幅で形成
し、前記内壁面の接触面で前記ボールスタツドの
球体部を摺動可能に保持したものである。 実施例 以下、図面を参照して本考案の好適な実施例に
ついて説明する。 第3図は本考案の低トルク用ベアリングを使用
したボールジヨイントの一例を示す部分断面図で
ある。 本考案の低トルク用ベアリング1の球状の内壁
面8にはボールスタツド7の球体部7aが嵌合し
ている。そして、本考案の低トルク用ベアリング
1はハウジング11に嵌め込まれ、かしめ部11
aで固定されている。12はキヤツプでベアリン
グ1を押さえる。球体部7aの半径r′はベアリン
グ1の内壁面8の基本半径rに等しいかわずかに
大きい。従つて、球体部7aを内壁面8を嵌合し
たとき、球体部7aは低トルク用ベアリング1か
ら予圧Aを受ける。 第4図は本考案の低トルク用ベアリングの一例
を示す断面図である。 本考案の低トルク用ベアリング1は耐摩耗性に
優れしかも低摩擦性の合成ゴムあるいは合成樹脂
で作られる。本考案の低トルク用ベアリング1は
底壁2、頂壁3及び側壁4により構成されてい
る。底壁2には内壁面8が形成されている。内壁
面8は基本半径rの球面となつている。内壁面8
の中心Oは低トルク用ベアリング1内に存する。 頂壁3には貫通孔5が形成されている。貫通孔
5によつて頂壁3と内壁面8はつながつている。
貫通孔5は内壁面8側の半分が広くなつている。
貫通孔5は中心線Y上に形成されている。貫通孔
5は内壁面8にボールスタツド7の球体部7aを
嵌め込む際の空気抜きの役目と余剰潤滑剤を溜め
る役目をする。貫通孔5は省略してもかまわな
い。内壁面8の周縁8cにはR面が形成されてい
る。接触面8a,8bはボールスタツド7の球体
部7aを摺動可能に保持する。8aは赤道線Xよ
りも下方の接触面である。 側壁4にはテーパーがつけられている。側壁4
は底壁2に向うにしたがつてわずかに狭くなる。 本考案の低トルク用ベアリング1は中心線Yに
関して左右対称で、赤道線Xは内壁面8の中心O
を通り底壁2に平行な線である。 さて、内壁面8には溝9が形成されている。溝
9は赤道線Xよりも上方に形成されている。溝9
は赤道線Xに沿つて形成されている。溝9は内壁
面8を一周している。 接触面8a,8bには複数の凹部10が形成さ
れている。凹部10はボールスタツド7の球体部
7aが摺動する際に潤滑剤を供給する油溜めの役
目をする。凹部10は極く浅いくぼみである。凹
部10はなくても構わない。接触面8a,8bは
凹凸のない滑らかな曲面であつても構わない。 ボールスタツド7の起動トルク及び回転トルク
は、球体部7aとベアリング1内壁面の接触面8
a及び8bとの摺動抵抗により決まるが、溝9に
よつて球体部7aの摺動抵抗を低減することがで
きる。つまり、溝9によつて低トルク用ベアリン
グ1の内壁面8とボールスタツド7の球体部7a
の接触面積が減少するのである。摺動抵抗は球体
部とベアリングが相対的に移動する場合に接触面
に働く低抗力を意味する。 前述のように、球体部7aの摺動抵抗を低減さ
せるためには、内壁面8と球体部7aとの接触面
積を減少させればよい。しかし、起動トルク及び
回転トルクに強く影響を及ぼす摺動抵抗は、赤道
線X付近の摺動抵抗である。以下にこのことにつ
いて説明する。 第10図で明らかなように、球体部7a上の微
小面積ΔSにかかる摺動抵抗Δfは Δf=μ・AΔS となる。ここで、μは摩擦係数、Aは低トルク用
ベアリング1が球体部7aに及ぼす予圧である。
従つて、微小面積ΔSをY軸を回転軸として回転
させるのに必要なトルクΔTは ΔT=Δf・rcosθ となる。ここでθは微小面積ΔSと中心Oを結ぶ
線が赤道線Xとなす角である。 ボールスタツド7をY軸を回転軸として回転さ
せるために必要なトルクTはΔTのトータルであ
るから、赤道線X(θ=0)に近いΔTがトルク
Tに大きく影響する。 このように、溝9の溝幅aはあまり大きくとつ
ても意味がない。溝幅aは接触面8aの面積と接
触面8bの面積が等しくなる程度がよい。 また、ボールジヨイントの耐久性を考えた場
合、予圧Aが球体部7aにバランスよく働くこと
が必要である。つまり、低トルク用ベアリング1
の中心線Yを境にして球体部7aにかかる荷重が
左右で釣り合うことと、赤道線Xを境にして球体
部7aにかかる荷重が上下で釣り合うことが必要
である。 球体部7aにかかる荷重のバランスを考えるた
めに接触面の投影面積を利用する。中心線Yの左
右方向のバランスは、本考案の低トルク用ベアリ
ング1が中心線Yに関して左右対称であることか
ら常にバランスがとれている。従つて、荷重のバ
ランスは赤道線Xに関して上下方向だけで考えれ
ばよい。 第9図は接触面8a,8bの上下方向(中心線
Y方向)の投影面を示す。すなわち、第9図で矢
印Bの方向の投影面を示す。接触面8aの投影面
は32となる。また、接触面8bの投影面は33
となる。低トルク用ベアリング1の耐久性を優れ
たものにするには、投影面32の投影面積を投影
面33の投影面積にできるだけ近づけ上下方向の
荷重のバランスをとることが大切である。溝9を
赤道線Xよりも上方に形成するのはこのためであ
る。 投影面32の投影面積と投影面33の投影面を
等しくした場合は、ボールスタツド7の長手方向
のみの荷重だけなら耐久性に問題はない。しか
し、投影面33のY方向と垂直な方向への投影面
積は狭いので、ボールスタツド7の長手方向に直
角に荷重がかかつた場合はこの投影面積は極端に
狭くなつてしまい耐久性の点で問題が出る。 この問題を解決するためには接触面8aと接触
面8bの接触面積を大体等しくする。接触面積及
び投影面積を考える場合には凹部10を考慮に入
れなければならない。 第11図は、第4図の低トルク用ベアリングの
一部拡大図で、内壁面8の基本半径rはスタツド
の球体部の半径r′に等しいか少し小さい程度に
し、スタツド球体部7aを挿入したとき、スタツ
ド球体部全周にわずかにプレロードがかかり、底
部及び上部の周縁部30,31(第4図参照)が
スタツド球体部に密着し凹部10内の潤滑剤が外
部に漏洩しないようにされている。またRは凹部
の半径でrより数ミクロンから数十ミクロン大き
い。内壁面8の凹部10以外の接触面8a,8b
は球体部と弾発的に接触する。凹部10と接触面
8a,8bとの境界は適当な丸みR1を有する。 第12図は、第3図のボールジヨイント組立体
の一部拡大図であり、低トルク用ベアリング1に
はプレロードが加えられ、ベアリング内壁面の半
径Rは球体部半径r′まで拡張される。従つて、凹
部10の底面の半径Rは低トルク用ベアリング1
がハウジング11と球体部7aとにより圧縮され
ることによりR′に縮小され、このため凹部10
の容積は減少しこの凹部10内に蓄積された潤滑
剤は内圧を増大して表面積が拡大された接触面8
a,8b全面に漏出され、凹部10の底面及び接
触面8a,8bと球体部7aとの間に強固な潤滑
フイルム面が形成され、球体部7aを高圧下の潤
滑剤中にフロート(浮かせる)状態に保持させ
る。なお、潤滑剤は底部及び上部の周縁部30,
31により密封されて外部に漏洩することはな
い。この状態にあるボールジヨイントはスタツド
の回動を常に容易ならしめ長時間の静止状態から
急にスタツドを回動させた場合にも起動トルクが
低く円滑に動く。 また外力が球体部7aに加わると、ベアリング
作用面の歪はさらに増大し凹部10の容積は一層
減少し潤滑剤内圧が増大して潤滑剤が接触面8
a,8bの方に押出され潤滑フイルムを一層強固
にするとともに接触面8a,8bの圧縮による面
積増大と凹部10の底面の中央部18も球体部7
aに接触し接触面を増大する役目をはたすように
なり、外力による応力増加を減少せしめる利点を
も有する。 第5図〜第8図によつて、接触面積の計算例を
示す。尚、以下の計算例は凹部10が形成されて
いない低トルク用ベアリングについて行なつたも
のである。 接触面8a,8bの接触面積を計算する。第5
図に示す実施例では溝9の溝幅aは5.538(mm)で
ある。溝9の下縁9bと赤道線Xとの間隔jは
0.173(mm)である。従つて、溝9の上縁9aと赤
道線Xとの間隔kは5.711(mm)である。 第3図にみるようにボールスタツド7の球体部
7aには、ボールスタツド7の中心線Zを中心に
してフラツト部16が形成されている。従つて、
低トルク用ベアリング1の内壁面8に球体部7a
を嵌合させたときに、球体部7aは水平線Wまで
しか達しない(中心線Yと中心線Zが一致してい
る場合)。 従つて、接触面8aは水平線Wと溝9の上縁9
aとの間である。接触面8bは赤道線Xと底壁2
の間である。 ボールスタツド7の球体部7aの半径r′は10
(mm)である。球体部7aを低トルク用ベアリン
グ1の内壁面8に嵌合させたとき、内壁面8の基
本半径rはr′となる。また、フラツト部16の直
径eは8(mm)である。貫通孔5の直径fは3
(mm)である。 内壁面8の頂点15(但し、貫通孔5のために
頂点15は実際には存在しない。)と上縁9aの
間隔hは h=r−k =10−5.711=4.289(mm) である。 従つて、頂点15と水平線Wの間隔iは i=10−(1/2)√4×102−82 =0.8349(mm) である。 よつて、接触面8aの接触面積Saは Sa=2πrh−2πri =2πr(h−i) =217.028(mm) となる。 また、ボールスタツド7を揺動させたときに、
ボールスタツド7の球体部7aが貫通孔5に接す
る場合がある。このとき、接触面積Saは減少す
る。この接触面積Saの減少値を計算する。 第6図は貫通孔5の部分を示した説明図であ
る。貫通孔5の周縁5aと頂点15の間隔mは m=10−(1/2)√4×102−32 =0.11314(mm) である。 従つて、接触面積Saの減少値は最大で 2πrm=7.109(mm) となる。 以上により、接触面8aの接触面積Saは最大
で217.028(mm)、最小で209.919(mm)となる。 接触部8bの接触面積Sbは次のようになる。 赤道線Xと底壁2との間隔nは3.5(mm)であ
る。従つて、内壁面8の下方の頂点17と底壁2
との間隔bは b=r−n=10−3.5=6.5(mm) である。 内壁面8の周縁8cは半径0.4(mm)のR面とな
つている。従つて、接触面8bの面積Sbは Sb={4πr2/2−2πr(b+0.4)}+{4πr2/2
−2πr(r−j)}=205.643(mm) 以上の結果を表にまとめると、第1表のように
なる。
ンシヨン系統などに使用するボールジヨイントの
低トルク用ベアリングに関するものである。 従来の技術 第1図は従来のベアリングを使用したボールジ
ヨイントの一例を示す部分断面図である。 従来からボールジヨイントは、自動車などのス
テアリング系統やサスペンシヨン系統に使用され
ている。一般に、球体部7aの直径は従来のベア
リング20の内壁面21の内径よりもわずかに大
きく作られている。このため球体部7aはプレロ
ードされた状態で保持される。つまり球体部7a
はベアリング20に締め付けられた状態で保持さ
れる。 考案が解決しようとする問題点 このため、従来のボールジヨイントではボール
スタツド7とベアリング20の間の摺動抵抗が大
きかつた。 そこで、摺動抵抗を小さくするために、第2図
に示すベアリング22がつくられた。この従来の
ベアリング22は、赤道線X上及び赤道線Xの上
下にわたつて細い溝23が形成されている。溝2
3によつてボールスタツド7とベアリング22の
接触面積が減少して摺動抵抗が小さくなる。 しかし、従来のベアリング22は、溝23が赤
道線Xの上下にわたつて形成されているため、球
体部7aにかかる荷重のバランスが悪く耐久性の
点で問題があつた。また、従来のベアリング22
は溝23の幅が狭く摺動抵抗の低減が十分ではな
かつた。 考案の目的 本考案は、上記の実情に鑑みてなされたもの
で、耐久性に優れ、しかも摺動抵抗が小さく、従
つてボールスタツドの起動トルク及び回転トルク
が低い低トルク用ベアリングを提供することを目
的としている。 考案の要旨 前述の目的を達成するために、この考案は実用
新案登録請求の範囲第1項に記載の低トルク用ベ
アリングを要旨としている。 問題点を解決するための手段 本考案の低トルク用ベアリングは、ベアリング
の内壁に前記球体部の半径に等しいかまたは僅か
に小さい半径を有し前記球体部を全体的に包む球
状の内壁面を形成し、前記内壁面の赤道線よりも
上方に前記内壁面を一周するように溝を形成し、
しかも前記溝を前記赤道線に沿つてかつ前記ベア
リングの内壁面と前記球体部の接触面積が前記赤
道線の上方と下方でほぼ等しくなる溝幅で形成
し、前記内壁面の接触面で前記ボールスタツドの
球体部を摺動可能に保持したものである。 実施例 以下、図面を参照して本考案の好適な実施例に
ついて説明する。 第3図は本考案の低トルク用ベアリングを使用
したボールジヨイントの一例を示す部分断面図で
ある。 本考案の低トルク用ベアリング1の球状の内壁
面8にはボールスタツド7の球体部7aが嵌合し
ている。そして、本考案の低トルク用ベアリング
1はハウジング11に嵌め込まれ、かしめ部11
aで固定されている。12はキヤツプでベアリン
グ1を押さえる。球体部7aの半径r′はベアリン
グ1の内壁面8の基本半径rに等しいかわずかに
大きい。従つて、球体部7aを内壁面8を嵌合し
たとき、球体部7aは低トルク用ベアリング1か
ら予圧Aを受ける。 第4図は本考案の低トルク用ベアリングの一例
を示す断面図である。 本考案の低トルク用ベアリング1は耐摩耗性に
優れしかも低摩擦性の合成ゴムあるいは合成樹脂
で作られる。本考案の低トルク用ベアリング1は
底壁2、頂壁3及び側壁4により構成されてい
る。底壁2には内壁面8が形成されている。内壁
面8は基本半径rの球面となつている。内壁面8
の中心Oは低トルク用ベアリング1内に存する。 頂壁3には貫通孔5が形成されている。貫通孔
5によつて頂壁3と内壁面8はつながつている。
貫通孔5は内壁面8側の半分が広くなつている。
貫通孔5は中心線Y上に形成されている。貫通孔
5は内壁面8にボールスタツド7の球体部7aを
嵌め込む際の空気抜きの役目と余剰潤滑剤を溜め
る役目をする。貫通孔5は省略してもかまわな
い。内壁面8の周縁8cにはR面が形成されてい
る。接触面8a,8bはボールスタツド7の球体
部7aを摺動可能に保持する。8aは赤道線Xよ
りも下方の接触面である。 側壁4にはテーパーがつけられている。側壁4
は底壁2に向うにしたがつてわずかに狭くなる。 本考案の低トルク用ベアリング1は中心線Yに
関して左右対称で、赤道線Xは内壁面8の中心O
を通り底壁2に平行な線である。 さて、内壁面8には溝9が形成されている。溝
9は赤道線Xよりも上方に形成されている。溝9
は赤道線Xに沿つて形成されている。溝9は内壁
面8を一周している。 接触面8a,8bには複数の凹部10が形成さ
れている。凹部10はボールスタツド7の球体部
7aが摺動する際に潤滑剤を供給する油溜めの役
目をする。凹部10は極く浅いくぼみである。凹
部10はなくても構わない。接触面8a,8bは
凹凸のない滑らかな曲面であつても構わない。 ボールスタツド7の起動トルク及び回転トルク
は、球体部7aとベアリング1内壁面の接触面8
a及び8bとの摺動抵抗により決まるが、溝9に
よつて球体部7aの摺動抵抗を低減することがで
きる。つまり、溝9によつて低トルク用ベアリン
グ1の内壁面8とボールスタツド7の球体部7a
の接触面積が減少するのである。摺動抵抗は球体
部とベアリングが相対的に移動する場合に接触面
に働く低抗力を意味する。 前述のように、球体部7aの摺動抵抗を低減さ
せるためには、内壁面8と球体部7aとの接触面
積を減少させればよい。しかし、起動トルク及び
回転トルクに強く影響を及ぼす摺動抵抗は、赤道
線X付近の摺動抵抗である。以下にこのことにつ
いて説明する。 第10図で明らかなように、球体部7a上の微
小面積ΔSにかかる摺動抵抗Δfは Δf=μ・AΔS となる。ここで、μは摩擦係数、Aは低トルク用
ベアリング1が球体部7aに及ぼす予圧である。
従つて、微小面積ΔSをY軸を回転軸として回転
させるのに必要なトルクΔTは ΔT=Δf・rcosθ となる。ここでθは微小面積ΔSと中心Oを結ぶ
線が赤道線Xとなす角である。 ボールスタツド7をY軸を回転軸として回転さ
せるために必要なトルクTはΔTのトータルであ
るから、赤道線X(θ=0)に近いΔTがトルク
Tに大きく影響する。 このように、溝9の溝幅aはあまり大きくとつ
ても意味がない。溝幅aは接触面8aの面積と接
触面8bの面積が等しくなる程度がよい。 また、ボールジヨイントの耐久性を考えた場
合、予圧Aが球体部7aにバランスよく働くこと
が必要である。つまり、低トルク用ベアリング1
の中心線Yを境にして球体部7aにかかる荷重が
左右で釣り合うことと、赤道線Xを境にして球体
部7aにかかる荷重が上下で釣り合うことが必要
である。 球体部7aにかかる荷重のバランスを考えるた
めに接触面の投影面積を利用する。中心線Yの左
右方向のバランスは、本考案の低トルク用ベアリ
ング1が中心線Yに関して左右対称であることか
ら常にバランスがとれている。従つて、荷重のバ
ランスは赤道線Xに関して上下方向だけで考えれ
ばよい。 第9図は接触面8a,8bの上下方向(中心線
Y方向)の投影面を示す。すなわち、第9図で矢
印Bの方向の投影面を示す。接触面8aの投影面
は32となる。また、接触面8bの投影面は33
となる。低トルク用ベアリング1の耐久性を優れ
たものにするには、投影面32の投影面積を投影
面33の投影面積にできるだけ近づけ上下方向の
荷重のバランスをとることが大切である。溝9を
赤道線Xよりも上方に形成するのはこのためであ
る。 投影面32の投影面積と投影面33の投影面を
等しくした場合は、ボールスタツド7の長手方向
のみの荷重だけなら耐久性に問題はない。しか
し、投影面33のY方向と垂直な方向への投影面
積は狭いので、ボールスタツド7の長手方向に直
角に荷重がかかつた場合はこの投影面積は極端に
狭くなつてしまい耐久性の点で問題が出る。 この問題を解決するためには接触面8aと接触
面8bの接触面積を大体等しくする。接触面積及
び投影面積を考える場合には凹部10を考慮に入
れなければならない。 第11図は、第4図の低トルク用ベアリングの
一部拡大図で、内壁面8の基本半径rはスタツド
の球体部の半径r′に等しいか少し小さい程度に
し、スタツド球体部7aを挿入したとき、スタツ
ド球体部全周にわずかにプレロードがかかり、底
部及び上部の周縁部30,31(第4図参照)が
スタツド球体部に密着し凹部10内の潤滑剤が外
部に漏洩しないようにされている。またRは凹部
の半径でrより数ミクロンから数十ミクロン大き
い。内壁面8の凹部10以外の接触面8a,8b
は球体部と弾発的に接触する。凹部10と接触面
8a,8bとの境界は適当な丸みR1を有する。 第12図は、第3図のボールジヨイント組立体
の一部拡大図であり、低トルク用ベアリング1に
はプレロードが加えられ、ベアリング内壁面の半
径Rは球体部半径r′まで拡張される。従つて、凹
部10の底面の半径Rは低トルク用ベアリング1
がハウジング11と球体部7aとにより圧縮され
ることによりR′に縮小され、このため凹部10
の容積は減少しこの凹部10内に蓄積された潤滑
剤は内圧を増大して表面積が拡大された接触面8
a,8b全面に漏出され、凹部10の底面及び接
触面8a,8bと球体部7aとの間に強固な潤滑
フイルム面が形成され、球体部7aを高圧下の潤
滑剤中にフロート(浮かせる)状態に保持させ
る。なお、潤滑剤は底部及び上部の周縁部30,
31により密封されて外部に漏洩することはな
い。この状態にあるボールジヨイントはスタツド
の回動を常に容易ならしめ長時間の静止状態から
急にスタツドを回動させた場合にも起動トルクが
低く円滑に動く。 また外力が球体部7aに加わると、ベアリング
作用面の歪はさらに増大し凹部10の容積は一層
減少し潤滑剤内圧が増大して潤滑剤が接触面8
a,8bの方に押出され潤滑フイルムを一層強固
にするとともに接触面8a,8bの圧縮による面
積増大と凹部10の底面の中央部18も球体部7
aに接触し接触面を増大する役目をはたすように
なり、外力による応力増加を減少せしめる利点を
も有する。 第5図〜第8図によつて、接触面積の計算例を
示す。尚、以下の計算例は凹部10が形成されて
いない低トルク用ベアリングについて行なつたも
のである。 接触面8a,8bの接触面積を計算する。第5
図に示す実施例では溝9の溝幅aは5.538(mm)で
ある。溝9の下縁9bと赤道線Xとの間隔jは
0.173(mm)である。従つて、溝9の上縁9aと赤
道線Xとの間隔kは5.711(mm)である。 第3図にみるようにボールスタツド7の球体部
7aには、ボールスタツド7の中心線Zを中心に
してフラツト部16が形成されている。従つて、
低トルク用ベアリング1の内壁面8に球体部7a
を嵌合させたときに、球体部7aは水平線Wまで
しか達しない(中心線Yと中心線Zが一致してい
る場合)。 従つて、接触面8aは水平線Wと溝9の上縁9
aとの間である。接触面8bは赤道線Xと底壁2
の間である。 ボールスタツド7の球体部7aの半径r′は10
(mm)である。球体部7aを低トルク用ベアリン
グ1の内壁面8に嵌合させたとき、内壁面8の基
本半径rはr′となる。また、フラツト部16の直
径eは8(mm)である。貫通孔5の直径fは3
(mm)である。 内壁面8の頂点15(但し、貫通孔5のために
頂点15は実際には存在しない。)と上縁9aの
間隔hは h=r−k =10−5.711=4.289(mm) である。 従つて、頂点15と水平線Wの間隔iは i=10−(1/2)√4×102−82 =0.8349(mm) である。 よつて、接触面8aの接触面積Saは Sa=2πrh−2πri =2πr(h−i) =217.028(mm) となる。 また、ボールスタツド7を揺動させたときに、
ボールスタツド7の球体部7aが貫通孔5に接す
る場合がある。このとき、接触面積Saは減少す
る。この接触面積Saの減少値を計算する。 第6図は貫通孔5の部分を示した説明図であ
る。貫通孔5の周縁5aと頂点15の間隔mは m=10−(1/2)√4×102−32 =0.11314(mm) である。 従つて、接触面積Saの減少値は最大で 2πrm=7.109(mm) となる。 以上により、接触面8aの接触面積Saは最大
で217.028(mm)、最小で209.919(mm)となる。 接触部8bの接触面積Sbは次のようになる。 赤道線Xと底壁2との間隔nは3.5(mm)であ
る。従つて、内壁面8の下方の頂点17と底壁2
との間隔bは b=r−n=10−3.5=6.5(mm) である。 内壁面8の周縁8cは半径0.4(mm)のR面とな
つている。従つて、接触面8bの面積Sbは Sb={4πr2/2−2πr(b+0.4)}+{4πr2/2
−2πr(r−j)}=205.643(mm) 以上の結果を表にまとめると、第1表のように
なる。
【表】
溝9を第5図を示す位置に形成した場合、ボー
ルスタツド7の揺動角度を28度以下にすることが
望ましい。その理由は、揺動角度が28度よりも大
きくなると、ボールスタツド7のフラツト部16
によつて、溝9のかき取り、揺動回転のひつかか
り等が発生するためである。 考案の効果 本考案によるボールジヨイントの低トルク用ベ
アリングは、以上のように溝が赤道線よりも上方
に形成されている。このため、球体部にかかる荷
重のバランスが良くなる。このため、本考案の低
トルク用ベアリングを使用したボールジヨイント
は優れた耐久性を示す。 また、本考案の低トルク用ベアリングは球体部
にかかる荷重のバランスが良いため、溝の幅を広
くとることができる。このため、本考案の低トル
ク用ベアリングを使用したボールジヨイントは、
起動トルク及び回転トルクを非常に低くすること
ができる。
ルスタツド7の揺動角度を28度以下にすることが
望ましい。その理由は、揺動角度が28度よりも大
きくなると、ボールスタツド7のフラツト部16
によつて、溝9のかき取り、揺動回転のひつかか
り等が発生するためである。 考案の効果 本考案によるボールジヨイントの低トルク用ベ
アリングは、以上のように溝が赤道線よりも上方
に形成されている。このため、球体部にかかる荷
重のバランスが良くなる。このため、本考案の低
トルク用ベアリングを使用したボールジヨイント
は優れた耐久性を示す。 また、本考案の低トルク用ベアリングは球体部
にかかる荷重のバランスが良いため、溝の幅を広
くとることができる。このため、本考案の低トル
ク用ベアリングを使用したボールジヨイントは、
起動トルク及び回転トルクを非常に低くすること
ができる。
第1図は従来のベアリングを用いたボールジヨ
イントを示した部分断面図、第2図は従来のベア
リングを示した断面図、第3図は本考案による低
トルク用ベアリングを使用したボールジヨイント
の一例を示す部分断面図、第4図は本考案による
低トルク用ベアリングの一例を示す断面図、第5
図は本考案による低トルク用ベアリングの接触面
積を計算するために示した説明図、第6図は接触
面積を計算するために貫通孔5の部分を示した説
明図、第7図は接触面積を計算するために本考案
による低トルク用ベアリングの赤道線より上方を
示した説明図、第8図は接触面積を計算するため
に本考案による低トルク用ベアリングの赤道線よ
り下方を示した説明図、第9図は本考案による低
トルク用ベアリングの投影面を示す断面図、第1
0図は起動トルク及び回転トルクの計算例を示す
説明図、第11図は第4図の低トルク用ベアリン
グの一部拡大図、第12図は第3図のボールジヨ
イント組立体の一部拡大図である。 1……低トルク用ベアリング、2……底壁、3
……頂壁、4……側壁、5……貫通孔、7……ボ
ールスタツド、8……内壁面、9……溝、10…
…凹部、11……ハウジング、12……キヤツ
プ、16……フラツト部。
イントを示した部分断面図、第2図は従来のベア
リングを示した断面図、第3図は本考案による低
トルク用ベアリングを使用したボールジヨイント
の一例を示す部分断面図、第4図は本考案による
低トルク用ベアリングの一例を示す断面図、第5
図は本考案による低トルク用ベアリングの接触面
積を計算するために示した説明図、第6図は接触
面積を計算するために貫通孔5の部分を示した説
明図、第7図は接触面積を計算するために本考案
による低トルク用ベアリングの赤道線より上方を
示した説明図、第8図は接触面積を計算するため
に本考案による低トルク用ベアリングの赤道線よ
り下方を示した説明図、第9図は本考案による低
トルク用ベアリングの投影面を示す断面図、第1
0図は起動トルク及び回転トルクの計算例を示す
説明図、第11図は第4図の低トルク用ベアリン
グの一部拡大図、第12図は第3図のボールジヨ
イント組立体の一部拡大図である。 1……低トルク用ベアリング、2……底壁、3
……頂壁、4……側壁、5……貫通孔、7……ボ
ールスタツド、8……内壁面、9……溝、10…
…凹部、11……ハウジング、12……キヤツ
プ、16……フラツト部。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 1 ハウジングとボールスタツドの球体部の間に
プレロード状態で組込まれる弾性変形可能な合
成樹脂または合成ゴムから成るボールジヨイン
ト用ベアリングにおいて、前記ベアリングの内
壁に前記球体部の半径に等しいかまたは僅かに
小さい半径を有し前記球体部を全体的に包む球
状の内壁面を形成し、前記内壁面の赤道線より
も上方に前記内壁面を一周するように溝を形成
し、しかも前記溝を前記赤道線に沿つてかつ前
記ベアリングの内壁面と前記球体部の接触面積
が前記赤道線の上方と下方でほぼ等しくなる溝
幅で形成し、前記内壁面の接触面で前記ボール
スタツドの球体部を摺動可能に保持したことを
特徴とする低トルク用ベアリング。 2 前記接触面が、凹凸のない滑らかな曲面であ
ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
1項に記載の低トルク用ベアリング。 3 前記接触面が、油溜めの凹部を複数有する曲
面であることを特徴とする実用新案登録請求の
範囲第1項または第2項に記載の低トルク用ベ
アリング。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10317682U JPS597914U (ja) | 1982-07-09 | 1982-07-09 | 低トルク用ベアリング |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10317682U JPS597914U (ja) | 1982-07-09 | 1982-07-09 | 低トルク用ベアリング |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS597914U JPS597914U (ja) | 1984-01-19 |
| JPH0118886Y2 true JPH0118886Y2 (ja) | 1989-06-01 |
Family
ID=30242854
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10317682U Granted JPS597914U (ja) | 1982-07-09 | 1982-07-09 | 低トルク用ベアリング |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS597914U (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2016132885A1 (ja) * | 2015-02-17 | 2016-08-25 | 日本発條株式会社 | スタビリンク |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19930445C2 (de) * | 1999-07-02 | 2002-03-07 | Zf Lemfoerder Metallwaren Ag | Radialkugelgelenk |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5127745U (ja) * | 1974-08-21 | 1976-02-28 | ||
| JPS529781A (en) * | 1975-07-12 | 1977-01-25 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | Hydraulic system for control function |
| JPS5610U (ja) * | 1979-06-14 | 1981-01-06 |
-
1982
- 1982-07-09 JP JP10317682U patent/JPS597914U/ja active Granted
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2016132885A1 (ja) * | 2015-02-17 | 2016-08-25 | 日本発條株式会社 | スタビリンク |
| CN107429732A (zh) * | 2015-02-17 | 2017-12-01 | 日本发条株式会社 | 平衡杆 |
| US10415633B2 (en) | 2015-02-17 | 2019-09-17 | Nhk Spring Co., Ltd. | Stabilizer link |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS597914U (ja) | 1984-01-19 |
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