JPH0123571B2 - - Google Patents
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- JPH0123571B2 JPH0123571B2 JP59209628A JP20962884A JPH0123571B2 JP H0123571 B2 JPH0123571 B2 JP H0123571B2 JP 59209628 A JP59209628 A JP 59209628A JP 20962884 A JP20962884 A JP 20962884A JP H0123571 B2 JPH0123571 B2 JP H0123571B2
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は芳香族ポリアミド繊維の製造方法に関
するものである。更に詳しくは、特定のポリマー
繰返し単位からなる実質的にパラ配向の芳香族ポ
リアミドの糸条を高温下で高倍率に延伸して、優
れた品位の高強力高モジユラス芳香族ポリアミド
繊維を良好な工程調子にて製造する方法に関する
ものである。 従来技術 近年、産業用の合成繊維に対する要求が高度化
し、特に高強力高モジユラス化の要請に対し、
種々の新規な繊維素材が開発されつつある。 それらのうち、或る種の芳香族ポリアミド繊
維、殊に英国特許第1501948号明細書に記載のよ
うなポリアミド繰返し単位の一部にエーテル結合
を含む実質的にパラ配向の芳香族コポリアミドの
繊維にあつては、その性能を発現させるため、糸
条を400℃以上の最高延伸温度で6倍以上の全延
伸倍率に1段又は2段以上で延伸する方法が採用
される。この場合、該糸条はネツクを生ずること
なく徐々に延伸され、所謂フロー延伸の形態をと
る。 ところで、芳香族ポリアミドの糸条を400℃以
上のような高温下で延伸を行うと、該糸条を構成
する繊維は延伸時に著しく軟化するため、単繊維
間での融着現象がさけられない。特に、該糸条を
構成する単繊維の数が多くなると融着はますます
増大し、得られる延伸糸は著しく柔軟性の低い低
品位のものとなつてしまう。また、このように糸
条が著しく軟化した状態で延伸する場合、糸条を
均一に加熱することが特に重要であり、もし加熱
が均一に行われないと工程調子が低下する。 発明の目的 本発明の主たる目的は、前述の如き芳香族ポリ
アミドの糸条を高温下で延伸を行う際に生ずる単
繊維間の融着を防止すると共に、延伸時に個々の
単繊維に対して均一に熱を与えることにより、高
品位の高強力高モジユラス芳香族ポリアミド繊維
を優れた工程調子で製造する方法を提供すること
にある。 発明の構成 前述の目的は、本発明に従い、特定の芳香族ポ
リアミドからなる糸条を、最高延伸温度400℃以
上にて、6倍以上の全延伸倍率に1段又は2段以
上で延伸して高強力高モジユラスの芳香族ポリア
ミド繊維を製造する方法において、400℃以上の
温度で延伸を行う際に、延伸される糸条を扁平状
に拡げ、かつ延伸直前の糸条の幅に対する延伸直
後の糸条の幅が1.1〜10倍となるように開繊して
延伸することによつて達成される。 本発明の方法が適用される芳香族ポリアミド
は、ポリマー繰返し単位の80モル%以上が下記の
繰返し単位: ―NH―Ar1―NHCO―Ar2―CO― 〔ここで、Ar1,Ar2は、それぞれ
するものである。更に詳しくは、特定のポリマー
繰返し単位からなる実質的にパラ配向の芳香族ポ
リアミドの糸条を高温下で高倍率に延伸して、優
れた品位の高強力高モジユラス芳香族ポリアミド
繊維を良好な工程調子にて製造する方法に関する
ものである。 従来技術 近年、産業用の合成繊維に対する要求が高度化
し、特に高強力高モジユラス化の要請に対し、
種々の新規な繊維素材が開発されつつある。 それらのうち、或る種の芳香族ポリアミド繊
維、殊に英国特許第1501948号明細書に記載のよ
うなポリアミド繰返し単位の一部にエーテル結合
を含む実質的にパラ配向の芳香族コポリアミドの
繊維にあつては、その性能を発現させるため、糸
条を400℃以上の最高延伸温度で6倍以上の全延
伸倍率に1段又は2段以上で延伸する方法が採用
される。この場合、該糸条はネツクを生ずること
なく徐々に延伸され、所謂フロー延伸の形態をと
る。 ところで、芳香族ポリアミドの糸条を400℃以
上のような高温下で延伸を行うと、該糸条を構成
する繊維は延伸時に著しく軟化するため、単繊維
間での融着現象がさけられない。特に、該糸条を
構成する単繊維の数が多くなると融着はますます
増大し、得られる延伸糸は著しく柔軟性の低い低
品位のものとなつてしまう。また、このように糸
条が著しく軟化した状態で延伸する場合、糸条を
均一に加熱することが特に重要であり、もし加熱
が均一に行われないと工程調子が低下する。 発明の目的 本発明の主たる目的は、前述の如き芳香族ポリ
アミドの糸条を高温下で延伸を行う際に生ずる単
繊維間の融着を防止すると共に、延伸時に個々の
単繊維に対して均一に熱を与えることにより、高
品位の高強力高モジユラス芳香族ポリアミド繊維
を優れた工程調子で製造する方法を提供すること
にある。 発明の構成 前述の目的は、本発明に従い、特定の芳香族ポ
リアミドからなる糸条を、最高延伸温度400℃以
上にて、6倍以上の全延伸倍率に1段又は2段以
上で延伸して高強力高モジユラスの芳香族ポリア
ミド繊維を製造する方法において、400℃以上の
温度で延伸を行う際に、延伸される糸条を扁平状
に拡げ、かつ延伸直前の糸条の幅に対する延伸直
後の糸条の幅が1.1〜10倍となるように開繊して
延伸することによつて達成される。 本発明の方法が適用される芳香族ポリアミド
は、ポリマー繰返し単位の80モル%以上が下記の
繰返し単位: ―NH―Ar1―NHCO―Ar2―CO― 〔ここで、Ar1,Ar2は、それぞれ
【式】及び
【式】から選ばれた少くと
も1種の芳香族残基を示す。なおAr1,Ar2は互
いに同一でも相異るものでもよい。またこれらの
芳香族残基における水素原子の全部又は一部がハ
ロゲン原子又は低級アルキル基で置換されていて
もよい。〕 で構成される実質的にバラ配向の芳香族ポリアミ
ドであればよいが、なかでも、前記Ar1,Ar2の
合計の80モル%以上が、次のような芳香族残基(A)
及び(B)もしくは(B′)からなり、かつ(B)もしく
は(B′)の比率が10〜40%を占める芳香族コポ
リアミドが好適である。 〔これらの芳香族残基の水素原子は、ハロゲン
原子及び/又は低級アルキル基で置換されていて
もよい。〕 このような芳香族コポリアミドの製造方法の詳
細については、英国特許第1501948号明細書、米
国特許第3738964号明細書、特開昭49−100322号
公報等に記載されている。 好適な芳香族ポリアミドの例としては、次の3
種のモノマー単位より構成されるコポリアミドが
あげられる。 このような芳香族ポリアミドは、その溶液を紡
糸口金から押出して水性凝固浴中で凝固させて糸
条となし、該糸条(未延伸糸)を最高延伸温度
400℃以上、好ましくは420〜550℃の高温で、全
延伸倍率が6倍以上となるように1段又は2段以
上で延伸することによつて、高強力高モジユラス
の繊維となる。 前記芳香族ポリアミドを溶解して紡糸原液を調
製するための溶媒としては、アミド系溶媒が好ま
しく、例えば、N―メチル―2―ピロリドン
(NMP)、N,N′―ジメチルアセトアミド
(DMA)、N,N′―ジメチルホルムアミド
(DMF)、テトラメチル尿素(TMU)が好適で
ある。これらの溶媒中には、周期律表第族又は
第族の金属のハロゲン化物を含有せしめてもよ
い。このようなハロゲン化物としては、例えば、
塩化リチウム、塩化カルシウム等が特に好適であ
る。 一方、紡糸口金から押出された糸条を凝固させ
る水性凝固浴としては、紡糸原液となる芳香族ポ
リアミド溶液中のアミド系溶媒と同種の溶媒を含
む水性凝固浴が好ましく、凝固浴中の溶媒濃度は
芳香族ポリアミドの種類や紡糸条件等によつても
異るが、一般に約5〜50重量%の範囲内が好まし
い。なお、この凝固浴中には前記のハロゲン化物
を含有せしめてもよい。 紡糸に際しては、紡糸口金を凝固浴中に設けて
紡糸原液を直接凝固浴中に押出してもよいが、紡
糸口金を凝固浴上面の数mm〜数cm上方に設けて紡
糸原液を一たん空気中に押出した後、凝固浴中に
導入するのが好ましい。 凝固浴から引上げられた湿潤状態の糸条は、水
洗により溶媒が除去される。この水洗は定長状態
で行われるが、又は湿潤状態で1.05〜2.0倍に予
備延伸するのと併行して行われる。水洗の過程で
このような若干の予備延伸を行うのは、水洗効率
を上げるばかりでなく、個々の単繊維の真円性を
向上させるのに有効である。 水洗された糸条は、通常、定長状態又は若干の
緊張もしくは若干の弛緩状態で乾燥される。乾燥
時の緊張率又は弛緩率は高々10%である。 前述の如く乾燥された芳香族ポリアミドの糸条
は、必要に応じてさらに400℃未満の温度で1.5〜
3倍に予備延伸した後、400℃以上(好ましくは
420〜550℃)の高温下での延伸に供せられるが、
該糸条はこの高温延伸において高い温度のために
軟化し、単繊維が互いに融着して工程調子が悪化
し、さらに得られた延伸糸の品質も低下するとい
う問題がある。 このような問題を解決するために、湿潤状態の
糸条或いは乾燥後の糸条に、予め不活性な無機微
粉末を延伸助剤として付着せしめ、続いて400℃
以上の温度で延伸することにより、前記の融着現
象を抑制する方法が開発された。 前記無機微粉末としては、平均粒径が20ミクロ
ン以下、特に10ミクロン以下の、硅酸アルミニウ
ム、硅酸マグネシウム、グラフアイト、タルク、
シリカ、マイカ等の微粉末が好適であり、これら
の微粉末は単一成分で使用してもよく、2種以上
併用してもよい。これらの微粉末は水性分散浴中
で水和してコロイド状になるものや、単に分散す
るだけのものもあるが、いずれも使用可能であ
る。 前記の微粉末を糸条に均一に付着せしめるに
は、予め微粉末を水等の分散媒に分散させた浴を
用意し、湿潤状態にある水洗された糸条を分散浴
に浸漬させた後乾燥を行う方法を採用するのが好
ましい。なお、微粉末の分散を均一に行うため有
機又は無機の分散を浴中に添加したり、或いは、
糸条の収束性を安定化させるため帯電防止剤を併
用することもできる。 無機微粉末の糸条への付着量は、繊維重量を基
準にして0.1〜3重量%が好適である。付着量が
少な過ぎると効果が減少し、多過ぎると繊維が微
粉末で汚れ後加工工程でのトラブルの原因となり
易い。 このように無機微粉末を芳香族ポリアミド糸条
に付着させて400℃以上の温度で高温延伸を行う
と融着現象がかなり防止され工程調子も良好化す
るものの、未だ十分満足できる水準に達しない。
特に、延伸断糸や単糸切れに基く毛羽発生等を極
力防止するためには、更に飛躍的な改善が必要で
ある。 本発明の方法では、かかる高温延伸において、
延伸される糸条を偏平状に拡げ、かつ、延伸直前
の糸条の幅に対する延伸直後の糸条の幅の比が
1.1〜10、好ましくは1.3〜5になるように開繊し
て延伸するという特殊な拡幅開繊状態での高温フ
ロー延伸を採用することにより、融着がほゞ完全
に防止され、かつ工程調子も大幅に改善される。 従来より一般に知られているポリエステルやナ
イロンの糸条の代表的な延伸方法においては、延
伸調子を向上させるには出来るだけ糸条を収束さ
せる手段が採用されている。これは単繊維が糸条
から遊離すると単繊維切れが発生し易くなるので
糸条は可能な限り密に収束している方が好ましい
からである。そして、糸条の収束性を向上させる
ために、糸条に油剤を付与したり空気の攪乱によ
る交絡(インターレース)を付与した後に該糸条
を延伸するのが常識とされている。また、ステー
プルフアイバー製造用トウのように単繊維数が著
しく多い場合は、均一加熱を目的として糸条即ち
トウを拡げて延伸する方法が採用されているが、
延伸直前のトウ幅に比べて延伸直後のトウ幅は変
化しないか若干狭くなる。これは糸条が延伸され
ると単繊維の直径が小さくなるから糸条が収束力
(単繊維間の油剤による密着力や単繊維間のわず
かの絡みによる拘束力等)をもつ限り延伸後の糸
条幅は小さくなるのが通常である。 これに対し、本発明方法では、延伸される糸条
を偏平状に拡げ、かつ延伸の過程において更に糸
条の幅を増大させるという従来全く考えられなか
つた特殊な延伸方式により良好な延伸が実現され
る。しかも、延伸に供給される前の糸条は実質的
に単繊維間の交絡のないものである。本発明方法
におけるこのような延伸過程での漸進的な開繊に
より単繊維間の圧着状態が軽減され、かつ糸条の
厚みが減少するので糸条の加熱が均一に行われる
ようになり、その結果として融着防止及び工程調
子の著しい改善が達成される。従来の常識ではこ
のような拡幅開繊状態で延伸することは延伸調子
を悪化させる原因とされており、本発明方法の如
き単繊維間の融着防止、工程調子の改善等の効果
が生ずることは全く予測できない所である。 本発明方法において延伸される糸条は、100本
以上の単繊維からなる糸条が好適である。該糸条
を扁平状に拡げる度合は大きい方が良いが、実際
上は、1000本の単繊維からなる糸条の場合は、厚
さ方向に2〜5本の単繊維が積重つており糸条の
幅方向に200〜500本の単繊維が並んでいるような
扁平状にするのが好適である。均一加熱の目的だ
けを考えると、1000本の単繊維がすべて横一列に
並んでいる極限的な形状が有効と考えられるが、
現実には実施が困難であり糸条自体の収束性も不
安定になり易い。 本発明方法において、糸条を扁平状に拡げるに
は、紡糸された糸条をローラーで平行的に搬送し
つつ水洗,乾燥を行うだけでも十分な扁平状の糸
条となるが、必要に応じて、ニツプローラーで糸
条を押圧したり、移動しつつある糸条を曲率を有
する板や棒に押圧して扁平の度合を増加させても
よい。 また、扁平状に拡げた糸条を開繊するには、糸
条の有する静電気による単繊維間の反撥力を利用
する。この静電気による反撥力は小さいものであ
るから、従来のポリエステルやナイロン等のよう
に高張力で延伸する場合は、本発明方法の如き漸
進的な開繊は生じない。 本発明方法では、この漸進的な開繊を適切な程
度に制御して、延伸直前の糸条の幅に対する延伸
直後の糸条の幅の比を1.1〜10(好ましくは1.3〜
5.0)にする必要がある。 ここで、延伸直前直後の糸条の幅は、400℃以
上の温度で延伸する工程において、それぞれ熱板
或いは気体浴等の加熱手段に入る直前の糸条の幅
及び同加熱手段を出た直後の糸条の幅を言う。 延伸の直前と直後における糸条の幅の比が1.1
未満では、延伸過程での開繊が不十分で単繊維間
の融着が生じ易く、工程調子も悪化する。一方、
前記の比が10を超えると糸条の開繊が大き過ぎ
て、単繊維が糸条の束から遊離して単繊維切れが
生じ易く、巻取後の糸条パツケージの端面の毛羽
が増加して製品の品位が悪化する。 このような漸進的な開繊の程度を前記範囲に調
整するには、次のような開繊を助長する手段と開
繊を抑制する手段とを適宜組合せることにより実
現することができる。 まず、漸進的な開繊を助長する手段としては、 1 タルク微粉末,シリカ微粉末,マイカ微粉末
の少くとも1種からなる延伸助剤を糸条に付与
する。 2 乾燥後に糸条の揉みほぐしを行う。 3 延伸張力を下げるような条件に設定する。 等の手段が挙げられる。 一方、漸進的な開繊を抑制する手段としては、 1 硅酸アルミニウム微粉末からなる延伸助剤を
糸条に付与する。 2 静電気を除去する。 等の手段が挙げられる。 本発明方法を実施する場合は、これらの手段の
幾つかを巧みに組合せることにより、延伸直前と
直後の糸条幅の比を1.1〜10の範囲内の適当な値
に保つことができる。 本発明方法において、糸条を400℃以上の温度
で延伸するには、熱板による接触延伸或いは空
気、水蒸気、炭酸ガス、窒素ガス等の不活性ガス
等の雰囲気中で行う非接触延伸のいずれも採用で
きる。 延伸温度は、延伸のうち少くとも1段を400℃
以上(好ましくは420〜550℃)とする必要があ
る。これは、前述の芳香族ポリアミドは、高分子
の分子鎖が剛直なため、最高延伸温度が400℃未
満では、十分な強力が発現しないからである。 本発明方法では、全部の延伸を400℃以上の温
度で行う必要はなく、湿潤状態で1.05〜2倍に予
備延伸したり、更に、400℃未満の温度で1.5〜
3.5倍に追加の予備延伸することも可能であるが、
最終的には、400℃以上の温度で拡幅開繊状態に
て延伸を行う必要がある。 なお、前述の如く400℃以上の温度で延伸する
に当り、熱板を用いて接触式で行う場合、熱板の
一部(例えば両端)が400℃未満となるような温
度分布を有してもよく、また、不活性ガス中で非
接触式で行う場合、雰囲気の一部(例えば入口と
出口近辺)が400℃未満となるような温度分布を
有してもさしつかえない。要は、実質的な延伸を
400℃以上で行えばよい。 延伸倍率は、全延伸倍率にして6倍以上、好ま
しくは8〜12倍となるように設定する。予備延伸
を行う場合は、全延伸倍率が6倍以上となれば
400℃以上の温度で延伸する段階での倍率は6倍
未満でもさしつかえない。 このような本発明方法に従つて延伸された糸条
は、必要に応じ仕上剤処理,脱延伸助剤処理等を
行つた後、ボビンに巻取られる。 発明の作用及び効果 前述の如き本発明方法によれば、芳香族ポリア
ミド繊維を糸条温度400℃以上となるような著し
く軟化した状態で高倍率に延伸して優れた物性を
発現させる際に、延伸に必要な熱が均一に単繊維
にゆきわたると共に、高温での延伸過程における
単繊維間の融着がほゞ完全に防止され、しかも優
れた工程調子で延伸を行うことが可能となる。 そして、得られた芳香族ポリアミド繊維は、強
度及びモジユラスが大きく、柔軟性にすぐれ、か
つ毛羽等も少いため、ゴムや樹脂の補強材をはじ
め種々の用途に広く使用することができる。 特に、好適な条件で製造された繊維は、25g/
deを超える高い強度と560g/de以上の高いモジ
ユラスを示し、従来の芳香族ポリアミド繊維に比
べて格段にすぐれた物性を有する。 実施例 以下、本発明の方法を実施例によつて更に詳し
く説明する。なお、以下の例において用いる主な
特性値は次の如く測定される値である。 (1) ポリマーの固有粘度() オストワルド型粘度管を用い、溶媒のみの流
下時間をto(秒)、ポリマーの希薄溶液の流下時
間をt(秒)、該希薄溶液中のポリマー濃度をc
(g/dl)とすると、 =ln(t/to)/c で表わされる。特に断らない限り、溶媒は97.5
%硫酸,c=0.5g/dlとし、30℃で測定する。 (2) 融着度 延伸された糸条のフイランド総数(N)のう
ち、融着がなく、分離可能なフイラメント(即
ち完全に単繊維として取り出すことのできるフ
イラメント)数(n)を数え、次式で融着度を
表わす。 融着度=N―n/2N×100(%) この測定を5回行つてその平均値をとる。 実施例 1 下記モノマー単位 により構成される..=3.1の芳香族コポリア
ミドを塩化カルシウム(CaCl2)を含有する
NMPに6重量%のポリマー濃度となるよう溶解
せしめた溶液を、孔径0.3mm、孔数250の紡糸口金
から83g/分の吐出速度で押出し、空気中を約10
mm走行させた後、50℃のNMP/水(30/70重量
%)の凝固浴中で凝固させ、11m/分の速度で引
き上げた。続いて、得られた凝固糸を50℃の水浴
中で洗浄しつつ、階段的に1.3倍に予備延伸し、
絞りローラに通して表面付着水を除去し、表1に
示すような組成からなる延伸助剤の浴に約5秒間
ネルソンローラに懸けて浸漬し、次いで絞りロー
ラに通し、延伸助剤分散液の付着した水洗糸を得
た。引続いて該水洗糸を表面温度が120℃の直径
20cmの乾燥ローラと直径3cmのセパレートローラ
の組と250℃の直径15cmの乾燥ローラと直径1.5cm
のセパレートローラの組にそれぞれ10ターンと5
ターン巻きつけて、ほぼ絶乾した糸となし、これ
を表面温度が500℃、長さ1mの熱板に接触させつ
つ、全延伸倍率が11.0倍となるように延伸して巻
取つた。 各条件で1時間ずつ製糸テストを行ない、その
結果を表1に示す。 実験No.1では延伸助剤を付与しないため、延伸
の直前に対する直後の糸条幅の比(直後/直前)
が1.1未満となり、単繊維間の融着が激しく、工
程調子も悪く、毛羽やループの発生も多かつた。
実験No.2〜4ではフイラメント間のタルクによる
滑りとセパレートローラ上でのほぐし作用によ
り、糸間膠着が解除され、前記糸条幅の比が1.1
よりも大きくなり、単繊維間融着が激減する。し
かし、実験No.2では糸条幅の比が10倍を超えてあ
まりに大きく、工程は不安定となり、断糸の発
生、毛羽、ループの増大を生じた。
いに同一でも相異るものでもよい。またこれらの
芳香族残基における水素原子の全部又は一部がハ
ロゲン原子又は低級アルキル基で置換されていて
もよい。〕 で構成される実質的にバラ配向の芳香族ポリアミ
ドであればよいが、なかでも、前記Ar1,Ar2の
合計の80モル%以上が、次のような芳香族残基(A)
及び(B)もしくは(B′)からなり、かつ(B)もしく
は(B′)の比率が10〜40%を占める芳香族コポ
リアミドが好適である。 〔これらの芳香族残基の水素原子は、ハロゲン
原子及び/又は低級アルキル基で置換されていて
もよい。〕 このような芳香族コポリアミドの製造方法の詳
細については、英国特許第1501948号明細書、米
国特許第3738964号明細書、特開昭49−100322号
公報等に記載されている。 好適な芳香族ポリアミドの例としては、次の3
種のモノマー単位より構成されるコポリアミドが
あげられる。 このような芳香族ポリアミドは、その溶液を紡
糸口金から押出して水性凝固浴中で凝固させて糸
条となし、該糸条(未延伸糸)を最高延伸温度
400℃以上、好ましくは420〜550℃の高温で、全
延伸倍率が6倍以上となるように1段又は2段以
上で延伸することによつて、高強力高モジユラス
の繊維となる。 前記芳香族ポリアミドを溶解して紡糸原液を調
製するための溶媒としては、アミド系溶媒が好ま
しく、例えば、N―メチル―2―ピロリドン
(NMP)、N,N′―ジメチルアセトアミド
(DMA)、N,N′―ジメチルホルムアミド
(DMF)、テトラメチル尿素(TMU)が好適で
ある。これらの溶媒中には、周期律表第族又は
第族の金属のハロゲン化物を含有せしめてもよ
い。このようなハロゲン化物としては、例えば、
塩化リチウム、塩化カルシウム等が特に好適であ
る。 一方、紡糸口金から押出された糸条を凝固させ
る水性凝固浴としては、紡糸原液となる芳香族ポ
リアミド溶液中のアミド系溶媒と同種の溶媒を含
む水性凝固浴が好ましく、凝固浴中の溶媒濃度は
芳香族ポリアミドの種類や紡糸条件等によつても
異るが、一般に約5〜50重量%の範囲内が好まし
い。なお、この凝固浴中には前記のハロゲン化物
を含有せしめてもよい。 紡糸に際しては、紡糸口金を凝固浴中に設けて
紡糸原液を直接凝固浴中に押出してもよいが、紡
糸口金を凝固浴上面の数mm〜数cm上方に設けて紡
糸原液を一たん空気中に押出した後、凝固浴中に
導入するのが好ましい。 凝固浴から引上げられた湿潤状態の糸条は、水
洗により溶媒が除去される。この水洗は定長状態
で行われるが、又は湿潤状態で1.05〜2.0倍に予
備延伸するのと併行して行われる。水洗の過程で
このような若干の予備延伸を行うのは、水洗効率
を上げるばかりでなく、個々の単繊維の真円性を
向上させるのに有効である。 水洗された糸条は、通常、定長状態又は若干の
緊張もしくは若干の弛緩状態で乾燥される。乾燥
時の緊張率又は弛緩率は高々10%である。 前述の如く乾燥された芳香族ポリアミドの糸条
は、必要に応じてさらに400℃未満の温度で1.5〜
3倍に予備延伸した後、400℃以上(好ましくは
420〜550℃)の高温下での延伸に供せられるが、
該糸条はこの高温延伸において高い温度のために
軟化し、単繊維が互いに融着して工程調子が悪化
し、さらに得られた延伸糸の品質も低下するとい
う問題がある。 このような問題を解決するために、湿潤状態の
糸条或いは乾燥後の糸条に、予め不活性な無機微
粉末を延伸助剤として付着せしめ、続いて400℃
以上の温度で延伸することにより、前記の融着現
象を抑制する方法が開発された。 前記無機微粉末としては、平均粒径が20ミクロ
ン以下、特に10ミクロン以下の、硅酸アルミニウ
ム、硅酸マグネシウム、グラフアイト、タルク、
シリカ、マイカ等の微粉末が好適であり、これら
の微粉末は単一成分で使用してもよく、2種以上
併用してもよい。これらの微粉末は水性分散浴中
で水和してコロイド状になるものや、単に分散す
るだけのものもあるが、いずれも使用可能であ
る。 前記の微粉末を糸条に均一に付着せしめるに
は、予め微粉末を水等の分散媒に分散させた浴を
用意し、湿潤状態にある水洗された糸条を分散浴
に浸漬させた後乾燥を行う方法を採用するのが好
ましい。なお、微粉末の分散を均一に行うため有
機又は無機の分散を浴中に添加したり、或いは、
糸条の収束性を安定化させるため帯電防止剤を併
用することもできる。 無機微粉末の糸条への付着量は、繊維重量を基
準にして0.1〜3重量%が好適である。付着量が
少な過ぎると効果が減少し、多過ぎると繊維が微
粉末で汚れ後加工工程でのトラブルの原因となり
易い。 このように無機微粉末を芳香族ポリアミド糸条
に付着させて400℃以上の温度で高温延伸を行う
と融着現象がかなり防止され工程調子も良好化す
るものの、未だ十分満足できる水準に達しない。
特に、延伸断糸や単糸切れに基く毛羽発生等を極
力防止するためには、更に飛躍的な改善が必要で
ある。 本発明の方法では、かかる高温延伸において、
延伸される糸条を偏平状に拡げ、かつ、延伸直前
の糸条の幅に対する延伸直後の糸条の幅の比が
1.1〜10、好ましくは1.3〜5になるように開繊し
て延伸するという特殊な拡幅開繊状態での高温フ
ロー延伸を採用することにより、融着がほゞ完全
に防止され、かつ工程調子も大幅に改善される。 従来より一般に知られているポリエステルやナ
イロンの糸条の代表的な延伸方法においては、延
伸調子を向上させるには出来るだけ糸条を収束さ
せる手段が採用されている。これは単繊維が糸条
から遊離すると単繊維切れが発生し易くなるので
糸条は可能な限り密に収束している方が好ましい
からである。そして、糸条の収束性を向上させる
ために、糸条に油剤を付与したり空気の攪乱によ
る交絡(インターレース)を付与した後に該糸条
を延伸するのが常識とされている。また、ステー
プルフアイバー製造用トウのように単繊維数が著
しく多い場合は、均一加熱を目的として糸条即ち
トウを拡げて延伸する方法が採用されているが、
延伸直前のトウ幅に比べて延伸直後のトウ幅は変
化しないか若干狭くなる。これは糸条が延伸され
ると単繊維の直径が小さくなるから糸条が収束力
(単繊維間の油剤による密着力や単繊維間のわず
かの絡みによる拘束力等)をもつ限り延伸後の糸
条幅は小さくなるのが通常である。 これに対し、本発明方法では、延伸される糸条
を偏平状に拡げ、かつ延伸の過程において更に糸
条の幅を増大させるという従来全く考えられなか
つた特殊な延伸方式により良好な延伸が実現され
る。しかも、延伸に供給される前の糸条は実質的
に単繊維間の交絡のないものである。本発明方法
におけるこのような延伸過程での漸進的な開繊に
より単繊維間の圧着状態が軽減され、かつ糸条の
厚みが減少するので糸条の加熱が均一に行われる
ようになり、その結果として融着防止及び工程調
子の著しい改善が達成される。従来の常識ではこ
のような拡幅開繊状態で延伸することは延伸調子
を悪化させる原因とされており、本発明方法の如
き単繊維間の融着防止、工程調子の改善等の効果
が生ずることは全く予測できない所である。 本発明方法において延伸される糸条は、100本
以上の単繊維からなる糸条が好適である。該糸条
を扁平状に拡げる度合は大きい方が良いが、実際
上は、1000本の単繊維からなる糸条の場合は、厚
さ方向に2〜5本の単繊維が積重つており糸条の
幅方向に200〜500本の単繊維が並んでいるような
扁平状にするのが好適である。均一加熱の目的だ
けを考えると、1000本の単繊維がすべて横一列に
並んでいる極限的な形状が有効と考えられるが、
現実には実施が困難であり糸条自体の収束性も不
安定になり易い。 本発明方法において、糸条を扁平状に拡げるに
は、紡糸された糸条をローラーで平行的に搬送し
つつ水洗,乾燥を行うだけでも十分な扁平状の糸
条となるが、必要に応じて、ニツプローラーで糸
条を押圧したり、移動しつつある糸条を曲率を有
する板や棒に押圧して扁平の度合を増加させても
よい。 また、扁平状に拡げた糸条を開繊するには、糸
条の有する静電気による単繊維間の反撥力を利用
する。この静電気による反撥力は小さいものであ
るから、従来のポリエステルやナイロン等のよう
に高張力で延伸する場合は、本発明方法の如き漸
進的な開繊は生じない。 本発明方法では、この漸進的な開繊を適切な程
度に制御して、延伸直前の糸条の幅に対する延伸
直後の糸条の幅の比を1.1〜10(好ましくは1.3〜
5.0)にする必要がある。 ここで、延伸直前直後の糸条の幅は、400℃以
上の温度で延伸する工程において、それぞれ熱板
或いは気体浴等の加熱手段に入る直前の糸条の幅
及び同加熱手段を出た直後の糸条の幅を言う。 延伸の直前と直後における糸条の幅の比が1.1
未満では、延伸過程での開繊が不十分で単繊維間
の融着が生じ易く、工程調子も悪化する。一方、
前記の比が10を超えると糸条の開繊が大き過ぎ
て、単繊維が糸条の束から遊離して単繊維切れが
生じ易く、巻取後の糸条パツケージの端面の毛羽
が増加して製品の品位が悪化する。 このような漸進的な開繊の程度を前記範囲に調
整するには、次のような開繊を助長する手段と開
繊を抑制する手段とを適宜組合せることにより実
現することができる。 まず、漸進的な開繊を助長する手段としては、 1 タルク微粉末,シリカ微粉末,マイカ微粉末
の少くとも1種からなる延伸助剤を糸条に付与
する。 2 乾燥後に糸条の揉みほぐしを行う。 3 延伸張力を下げるような条件に設定する。 等の手段が挙げられる。 一方、漸進的な開繊を抑制する手段としては、 1 硅酸アルミニウム微粉末からなる延伸助剤を
糸条に付与する。 2 静電気を除去する。 等の手段が挙げられる。 本発明方法を実施する場合は、これらの手段の
幾つかを巧みに組合せることにより、延伸直前と
直後の糸条幅の比を1.1〜10の範囲内の適当な値
に保つことができる。 本発明方法において、糸条を400℃以上の温度
で延伸するには、熱板による接触延伸或いは空
気、水蒸気、炭酸ガス、窒素ガス等の不活性ガス
等の雰囲気中で行う非接触延伸のいずれも採用で
きる。 延伸温度は、延伸のうち少くとも1段を400℃
以上(好ましくは420〜550℃)とする必要があ
る。これは、前述の芳香族ポリアミドは、高分子
の分子鎖が剛直なため、最高延伸温度が400℃未
満では、十分な強力が発現しないからである。 本発明方法では、全部の延伸を400℃以上の温
度で行う必要はなく、湿潤状態で1.05〜2倍に予
備延伸したり、更に、400℃未満の温度で1.5〜
3.5倍に追加の予備延伸することも可能であるが、
最終的には、400℃以上の温度で拡幅開繊状態に
て延伸を行う必要がある。 なお、前述の如く400℃以上の温度で延伸する
に当り、熱板を用いて接触式で行う場合、熱板の
一部(例えば両端)が400℃未満となるような温
度分布を有してもよく、また、不活性ガス中で非
接触式で行う場合、雰囲気の一部(例えば入口と
出口近辺)が400℃未満となるような温度分布を
有してもさしつかえない。要は、実質的な延伸を
400℃以上で行えばよい。 延伸倍率は、全延伸倍率にして6倍以上、好ま
しくは8〜12倍となるように設定する。予備延伸
を行う場合は、全延伸倍率が6倍以上となれば
400℃以上の温度で延伸する段階での倍率は6倍
未満でもさしつかえない。 このような本発明方法に従つて延伸された糸条
は、必要に応じ仕上剤処理,脱延伸助剤処理等を
行つた後、ボビンに巻取られる。 発明の作用及び効果 前述の如き本発明方法によれば、芳香族ポリア
ミド繊維を糸条温度400℃以上となるような著し
く軟化した状態で高倍率に延伸して優れた物性を
発現させる際に、延伸に必要な熱が均一に単繊維
にゆきわたると共に、高温での延伸過程における
単繊維間の融着がほゞ完全に防止され、しかも優
れた工程調子で延伸を行うことが可能となる。 そして、得られた芳香族ポリアミド繊維は、強
度及びモジユラスが大きく、柔軟性にすぐれ、か
つ毛羽等も少いため、ゴムや樹脂の補強材をはじ
め種々の用途に広く使用することができる。 特に、好適な条件で製造された繊維は、25g/
deを超える高い強度と560g/de以上の高いモジ
ユラスを示し、従来の芳香族ポリアミド繊維に比
べて格段にすぐれた物性を有する。 実施例 以下、本発明の方法を実施例によつて更に詳し
く説明する。なお、以下の例において用いる主な
特性値は次の如く測定される値である。 (1) ポリマーの固有粘度() オストワルド型粘度管を用い、溶媒のみの流
下時間をto(秒)、ポリマーの希薄溶液の流下時
間をt(秒)、該希薄溶液中のポリマー濃度をc
(g/dl)とすると、 =ln(t/to)/c で表わされる。特に断らない限り、溶媒は97.5
%硫酸,c=0.5g/dlとし、30℃で測定する。 (2) 融着度 延伸された糸条のフイランド総数(N)のう
ち、融着がなく、分離可能なフイラメント(即
ち完全に単繊維として取り出すことのできるフ
イラメント)数(n)を数え、次式で融着度を
表わす。 融着度=N―n/2N×100(%) この測定を5回行つてその平均値をとる。 実施例 1 下記モノマー単位 により構成される..=3.1の芳香族コポリア
ミドを塩化カルシウム(CaCl2)を含有する
NMPに6重量%のポリマー濃度となるよう溶解
せしめた溶液を、孔径0.3mm、孔数250の紡糸口金
から83g/分の吐出速度で押出し、空気中を約10
mm走行させた後、50℃のNMP/水(30/70重量
%)の凝固浴中で凝固させ、11m/分の速度で引
き上げた。続いて、得られた凝固糸を50℃の水浴
中で洗浄しつつ、階段的に1.3倍に予備延伸し、
絞りローラに通して表面付着水を除去し、表1に
示すような組成からなる延伸助剤の浴に約5秒間
ネルソンローラに懸けて浸漬し、次いで絞りロー
ラに通し、延伸助剤分散液の付着した水洗糸を得
た。引続いて該水洗糸を表面温度が120℃の直径
20cmの乾燥ローラと直径3cmのセパレートローラ
の組と250℃の直径15cmの乾燥ローラと直径1.5cm
のセパレートローラの組にそれぞれ10ターンと5
ターン巻きつけて、ほぼ絶乾した糸となし、これ
を表面温度が500℃、長さ1mの熱板に接触させつ
つ、全延伸倍率が11.0倍となるように延伸して巻
取つた。 各条件で1時間ずつ製糸テストを行ない、その
結果を表1に示す。 実験No.1では延伸助剤を付与しないため、延伸
の直前に対する直後の糸条幅の比(直後/直前)
が1.1未満となり、単繊維間の融着が激しく、工
程調子も悪く、毛羽やループの発生も多かつた。
実験No.2〜4ではフイラメント間のタルクによる
滑りとセパレートローラ上でのほぐし作用によ
り、糸間膠着が解除され、前記糸条幅の比が1.1
よりも大きくなり、単繊維間融着が激減する。し
かし、実験No.2では糸条幅の比が10倍を超えてあ
まりに大きく、工程は不安定となり、断糸の発
生、毛羽、ループの増大を生じた。
【表】
【表】
実施例 2
実施例1と同じ芳香族ポリアミド溶液を、孔径
0.25mm、孔数1000の紡糸口金から1111g/分の吐
出速度で押し出し空気中を7mm走行させた後、温
度50℃、濃度30重量%のNMP水溶液の凝固浴中
で凝固させ、38.5m/分の速度で引き上げた。続
いて得られた凝固糸を50℃の水浴中で洗浄しつつ
階段的に1.3倍に延伸し、絞りローラーに通して
表面付着水を除去し、表2に示すような組成から
なる濃度2重量%の延伸助剤の水系分散浴に約1
秒間浸漬し、絞りローラーに通し延伸助剤の付着
した水洗糸を得た。 表2 延伸助剤の組成 タルク 85部 硅酸アルミニウム 15部 ポリエチレングリコール 7部 ヘキサメタリン酸ソーダ 3部 次いで、この水洗糸を120℃の乾燥ローラーに
30回巻きつけて乾燥した後、三角歯を有する一対
のギヤーロールの間で乾燥した糸条のもみほぐし
を行つた。なお、各ギヤーロールは直径84mmで円
周上に40個の三角歯を有しており、三角歯の先端
は曲率半径1mmの丸みになるように仕上げてあ
る。ギヤーロールはお互にある深さに噛み合つて
いるが、この噛合の深さによつて揉みほぐしの程
度を変化させる。噛み合いの深さは0mm(噛合な
し)から1.5mmまで変化させた。噛合が深くなる
と糸条の揉みほぐしが強くなつて、後述するよう
に400℃以上での延伸に於いて開繊し易くなる。 揉みほぐし後、乾燥された糸条を温度360℃、
長さ2mの熱板上で2倍に延伸し、最後に温度500
℃、長さ3mの熱板上で4倍に延伸した。(したが
つて、全延伸倍率は10.4倍である。) かくして延伸された糸条に仕上オイルを付与し
て400m/minで巻き取つた。得られた糸条の繊
度は1550デニールであつた。 この延伸に於いて、500℃の熱板に入る延伸直
前の糸条の幅と熱板を出た延伸直後の糸条の幅を
測定し、糸質、品位、工程調子と併せてその結果
を表3に示す。
0.25mm、孔数1000の紡糸口金から1111g/分の吐
出速度で押し出し空気中を7mm走行させた後、温
度50℃、濃度30重量%のNMP水溶液の凝固浴中
で凝固させ、38.5m/分の速度で引き上げた。続
いて得られた凝固糸を50℃の水浴中で洗浄しつつ
階段的に1.3倍に延伸し、絞りローラーに通して
表面付着水を除去し、表2に示すような組成から
なる濃度2重量%の延伸助剤の水系分散浴に約1
秒間浸漬し、絞りローラーに通し延伸助剤の付着
した水洗糸を得た。 表2 延伸助剤の組成 タルク 85部 硅酸アルミニウム 15部 ポリエチレングリコール 7部 ヘキサメタリン酸ソーダ 3部 次いで、この水洗糸を120℃の乾燥ローラーに
30回巻きつけて乾燥した後、三角歯を有する一対
のギヤーロールの間で乾燥した糸条のもみほぐし
を行つた。なお、各ギヤーロールは直径84mmで円
周上に40個の三角歯を有しており、三角歯の先端
は曲率半径1mmの丸みになるように仕上げてあ
る。ギヤーロールはお互にある深さに噛み合つて
いるが、この噛合の深さによつて揉みほぐしの程
度を変化させる。噛み合いの深さは0mm(噛合な
し)から1.5mmまで変化させた。噛合が深くなる
と糸条の揉みほぐしが強くなつて、後述するよう
に400℃以上での延伸に於いて開繊し易くなる。 揉みほぐし後、乾燥された糸条を温度360℃、
長さ2mの熱板上で2倍に延伸し、最後に温度500
℃、長さ3mの熱板上で4倍に延伸した。(したが
つて、全延伸倍率は10.4倍である。) かくして延伸された糸条に仕上オイルを付与し
て400m/minで巻き取つた。得られた糸条の繊
度は1550デニールであつた。 この延伸に於いて、500℃の熱板に入る延伸直
前の糸条の幅と熱板を出た延伸直後の糸条の幅を
測定し、糸質、品位、工程調子と併せてその結果
を表3に示す。
【表】
表3から明らかなようにギヤーロールの噛合の
深さが0.3mm以下では開繊が不十分で、融着防止
が改善されておらず、強度は低目で、断糸率も高
くなつている(実験No.5,6)。実験No.7,8,
9ではギヤーロールの噛合の深さが0.6〜1.0mm迄
変化しているが、高温延伸下での糸条の開繊が本
発明で特定した範囲にあり、融着は殆んどなく、
強度も高く、断糸率も著しく低くなつている。
又、毛羽の数も少い。 しかし、ギヤーロールの噛合が1.5mm迄深くな
ると開繊が大き過ぎて、かえつて単繊維が断糸し
易く、そのために断糸率が若干高くなると共に巻
き取られた繊維の毛羽が増加して好ましくない
(実験10)。 実施例 3 下記モノマー単位 により構成される=4.0の芳香族ポリアミドを
塩化カルシウム(CaCl2)を含有するNMP中に
6重量%溶解せしめた溶液を、孔径0.3mm、孔数
250の紡糸口金から93g/分の吐出速度で押出し
た。空気中を約10mm走行させた後、50℃の
NMP/水(30/70重量%)の凝固浴中で凝固さ
せ15m/分の速度で引き上げ、引き続き50℃の水
浴で洗浄し、表2に示される不活性な無機微粉末
を水に分散させた分散浴に1秒浸漬して引き上
げ、ゴムローラーと金属ローラーとの間で絞りを
かけて後、乾燥した。 次いで、直径30mm、長さ1mのスリツト状中空
パイプにて12倍に延伸した。但し、この場合スチ
ームの雰囲気温度は460℃であり、糸条の温度は
約430℃であつた。 この延伸に於いて、延伸された糸条が中空パイ
プを出た後、約30cm走行した時点で回転ローラー
に摺接せしめて帯電防止剤を付与した。この回転
ローラーは通常オイルを付与するのに使用さるオ
イリングローラーと同じものである。糸条は帯電
防止剤を付与された後、コデツトローラーを介し
て巻き取つた。帯電防止剤はモノソデイウムジオ
クチルスルホサクシネートの2%水溶液を用い
た。回転ローラーの回転数を上げると帯電防止剤
の付着量が増加し、延伸直後の糸条の幅を収束さ
せようとする力が働く。 このような実験を行つた結果を表4に示す。
深さが0.3mm以下では開繊が不十分で、融着防止
が改善されておらず、強度は低目で、断糸率も高
くなつている(実験No.5,6)。実験No.7,8,
9ではギヤーロールの噛合の深さが0.6〜1.0mm迄
変化しているが、高温延伸下での糸条の開繊が本
発明で特定した範囲にあり、融着は殆んどなく、
強度も高く、断糸率も著しく低くなつている。
又、毛羽の数も少い。 しかし、ギヤーロールの噛合が1.5mm迄深くな
ると開繊が大き過ぎて、かえつて単繊維が断糸し
易く、そのために断糸率が若干高くなると共に巻
き取られた繊維の毛羽が増加して好ましくない
(実験10)。 実施例 3 下記モノマー単位 により構成される=4.0の芳香族ポリアミドを
塩化カルシウム(CaCl2)を含有するNMP中に
6重量%溶解せしめた溶液を、孔径0.3mm、孔数
250の紡糸口金から93g/分の吐出速度で押出し
た。空気中を約10mm走行させた後、50℃の
NMP/水(30/70重量%)の凝固浴中で凝固さ
せ15m/分の速度で引き上げ、引き続き50℃の水
浴で洗浄し、表2に示される不活性な無機微粉末
を水に分散させた分散浴に1秒浸漬して引き上
げ、ゴムローラーと金属ローラーとの間で絞りを
かけて後、乾燥した。 次いで、直径30mm、長さ1mのスリツト状中空
パイプにて12倍に延伸した。但し、この場合スチ
ームの雰囲気温度は460℃であり、糸条の温度は
約430℃であつた。 この延伸に於いて、延伸された糸条が中空パイ
プを出た後、約30cm走行した時点で回転ローラー
に摺接せしめて帯電防止剤を付与した。この回転
ローラーは通常オイルを付与するのに使用さるオ
イリングローラーと同じものである。糸条は帯電
防止剤を付与された後、コデツトローラーを介し
て巻き取つた。帯電防止剤はモノソデイウムジオ
クチルスルホサクシネートの2%水溶液を用い
た。回転ローラーの回転数を上げると帯電防止剤
の付着量が増加し、延伸直後の糸条の幅を収束さ
せようとする力が働く。 このような実験を行つた結果を表4に示す。
【表】
本実験ではスチームによる非接触延伸を行つた
ために、糸条は著しく開繊し易い。したがつて前
記延伸助剤を付与すると単に延伸するだけで著し
く開繊し、帯電防止剤を使用しない実験No.11では
糸条が開繊しすぎて、ボビン端面の毛羽が多く断
糸率も若干高い。適当に帯電防止剤を付与すると
開繊の状態が適度に調整されて実験No.12,13に示
す如く繊維の品質、品位、工程調子共に満足され
た状態で製糸される。 しかし、過度に帯電防止剤を付与すると実験No.
14の如く、開繊が全く消失し、その結果として融
着が発生する。
ために、糸条は著しく開繊し易い。したがつて前
記延伸助剤を付与すると単に延伸するだけで著し
く開繊し、帯電防止剤を使用しない実験No.11では
糸条が開繊しすぎて、ボビン端面の毛羽が多く断
糸率も若干高い。適当に帯電防止剤を付与すると
開繊の状態が適度に調整されて実験No.12,13に示
す如く繊維の品質、品位、工程調子共に満足され
た状態で製糸される。 しかし、過度に帯電防止剤を付与すると実験No.
14の如く、開繊が全く消失し、その結果として融
着が発生する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ポリマー繰返し単位の80モル%以上が下記繰
返し単位 ―NH―Ar1―NHCO―Ar2―CO― 〔ここで、Ar,Ar2は、【式】 【式】【式】及び 【式】から選ばれた少くと も1種の芳香族残基を示す。これらの芳香族残基
は、その水素原子の一部又は全部がハロゲン原子
又は低級アルキル基で置換されていてもよい。〕 で構成される芳香族ポリアミドの糸条を、最高延
伸温度400℃以上にて、6倍以上の全延伸倍率に、
1段又は2段以上で延伸して高強力高モジユラス
の芳香族ポリアミド繊維を製造する方法におい
て、400℃以上の温度で延伸を行う際に、延伸さ
れる糸条を扁平状に拡げ、かつ延伸直前の糸条の
幅に対する延伸直後の糸条の幅が1.1〜10になる
ように開繊して延伸することを特徴とする芳香族
ポリアミド繊維の製造方法。 2 Ar1,Ar2の合計の80モル%以上が、下記芳
香族残基(A)及び(B) 〔ここで、芳香族残基(A),(B)は、その水素原子
の全部又は一部がハロゲン原子及び/又は低級ア
ルキル基で置換されていてもよい。〕 であり、かつ芳香族残基(B)の比率が10〜40モル%
である特許請求の範囲第1項記載の芳香族ポリア
ミド繊維の製造方法。 3 Ar1,Ar2の合計の80モル%以上が、下記芳
香族基(A)及び(B′) 〔ここで、芳香族残基(A),(B′)は、その水素
原子の全部又は一部がハロゲン原子及び/又は低
級アルキル基で置換されていてもよい。〕 であり、かつ構成単位(B′)の比率が10〜40モ
ル%である特許請求の範囲第1項記載の芳香族ポ
リアミド繊維の製造方法。 4 400℃以上の延伸を熱板上で行う特許請求の
範囲第1項記載の芳香族ポリアミド繊維の製造方
法。 5 400℃以上の延伸を気体浴中で行う特許請求
の範囲第1項記載の芳香族ポリアミド繊維の製造
方法。 6 糸条を水浴中で1.05〜2倍に予備延伸した
後、乾燥し、次いで400℃以上の温度で延伸を行
う特許請求の範囲第1項記載の芳香族ポリアミド
繊維の製造方法。 7 糸条を水浴中で1.05〜2倍に第1次予備延伸
した後、乾燥し、次いで400℃未満の温度で1.5〜
3倍に第2次予備延伸し、しかる後400℃以上の
温度で延伸を行う特許請求の範囲第1項記載の芳
香族ポリアミド繊維の製造方法。 8 糸条が100本以上の単繊維から構成される特
許請求の範囲第1項記載の芳香族ポリアミド繊維
の製造方法。 9 糸条に延伸助剤を付着させた後、400℃以上
の温度で延伸する特許請求の範囲第1項記載の芳
香族ポリアミド繊維の製造方法。 10 糸条に機械的なもみほぐし作用を与えた
後、400℃以上の温度で延伸する特許請求の範囲
第1項記載の芳香族ポリアミド繊維の製造方法。 11 延伸直前の糸条の幅に対する延伸直後の糸
条の幅が1.3〜5となるように開繊する特許請求
の範囲第1項記載の芳香族ポリアミド繊維の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20962884A JPS6189317A (ja) | 1984-10-08 | 1984-10-08 | 芳香族ポリアミド繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20962884A JPS6189317A (ja) | 1984-10-08 | 1984-10-08 | 芳香族ポリアミド繊維の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6189317A JPS6189317A (ja) | 1986-05-07 |
| JPH0123571B2 true JPH0123571B2 (ja) | 1989-05-08 |
Family
ID=16575942
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20962884A Granted JPS6189317A (ja) | 1984-10-08 | 1984-10-08 | 芳香族ポリアミド繊維の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6189317A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4263721B2 (ja) * | 2003-06-18 | 2009-05-13 | 電気化学工業株式会社 | 延伸装置 |
| RU2756957C1 (ru) * | 2018-05-10 | 2021-10-07 | Тейдзин Лимитед | Полностью ароматическое полиамидное волокно |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59137535A (ja) * | 1983-01-24 | 1984-08-07 | 帝人株式会社 | 合成繊維の延伸方法 |
| JPS6017113A (ja) * | 1983-07-07 | 1985-01-29 | Teijin Ltd | 芳香族ポリアミド繊維の製造法 |
-
1984
- 1984-10-08 JP JP20962884A patent/JPS6189317A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6189317A (ja) | 1986-05-07 |
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Legal Events
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