JPH0140145B2 - - Google Patents
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- JPH0140145B2 JPH0140145B2 JP56024953A JP2495381A JPH0140145B2 JP H0140145 B2 JPH0140145 B2 JP H0140145B2 JP 56024953 A JP56024953 A JP 56024953A JP 2495381 A JP2495381 A JP 2495381A JP H0140145 B2 JPH0140145 B2 JP H0140145B2
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- polyester
- fibers
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- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Description
本発明は染色性改善ポリエステル繊維の製造法
に関する。更に詳細には、特殊な微細孔を有し、
着色した際に改善された色の深みと鮮明性を呈す
るポリエステル繊維の製造法に関する。 ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆ
えに合成繊維として広く使用されている。しかし
ながら、ポリエステル繊維は羊毛や絹の如き天然
繊維、レーヨンやアセテートの如き繊維素系繊
維、アクリル系繊維等に比較して、着色した際に
色に深みがないため発色性、鮮明性に劣る欠点が
ある。 従来より、この欠点を解消せんとして、染料の
改善やポリエステルの化学改質等が試みられてき
たが、いずれも充分な効果は得られていない。ま
た、ポリエステル繊維表面に透明薄膜を形成させ
る方法や織編物表面に80〜500mA・sec/cm2のプ
ラズマ照射を施して繊維表面に微細な凹凸を形成
させる方法等が提案されている。しかしながら、
これらの方法によつても、色の深みを改善する効
果は不充分であり、その上繊維表面に形成された
透明薄膜は洗濯等によつて容易に脱落し、その耐
久性も不充分であり、プラズマ照射を施す方法で
は、照射面の影になる繊維部分の織編の表面に凹
凸が生じないため、着用中に生じる織編組織内で
の糸の転び等によつて平滑繊維面が表面にでて色
斑になる欠点がある。 他方、ポリエステル繊維の表面に凹凸を付与す
る方法として、ポリオキシエチレングリコール又
はポリオキシエチレングリコールとスルホン酸化
合物を配合したポリエステルよりなる繊維をアル
カリ水溶液で処理することにより繊維軸方向に配
列した皺状の微細孔を繊維表面に形成させる吸湿
性繊維の製造法、又は酸化亜鉛、リン酸マグネシ
ウム等の如き不活性無機物質の微粒子をポリエス
テル反応系内に添加配合せしめてなるポリエステ
ル繊維を、アルカリ水溶液で処理して無機微粒子
を溶出することにより微細孔を形成させる吸湿性
繊維の製造法等が提案されている。しかしなが
ら、これらの方法によつて得られる繊維には、色
の深みを改善する効果は認められず、かえつて視
感濃度の低下が認められる。即ち、これらの方法
において、アルカリ水溶液による処理が充分でな
いときは、凹凸が繊維のごく表面のみに生じるた
めか、色の深みを改善する効果は全く認められ
ず、またアルカリ水溶液による処理が充分なとき
は、色の深みを改善するどころか、微細孔による
光の乱反射によるためか、視感濃度が低下し、濃
色に着色しても白つぽく見えるようになり、その
上得られる繊維の強度が著しく低下し、容易にフ
イブリル化するようになり実用に耐えない。 また、粒子径80mμ以下のシリカの如き無機微
粒子を配合したポリエステルよりなる繊維をアル
カリ減量処理して、繊維表面に0.2〜0.7μの不規
測な凹凸を付与すると共にこの凹凸内に50〜200
mμの微細な凹凸を存在せしめることによつて色
の深みを改善する方法が提案されている。しかし
ながら、この方法によつても、色の深みを改善す
る効果は不充分であり、その上かかる極めて複雑
な凹凸形態によるためか、フイブリル化し易い欠
点がある。 本発明者は、ポリエステル繊維に微細孔を付与
することによつて、上記欠点がなく、色の深みと
鮮明性に優れたポリエステル繊維を提供せんとし
て鋭意検討を行つた結果、驚くべきことに特定量
の正リン酸とこの正リン酸に対して特定量化の酢
酸マンガン又は酢酸マグネシウムを予め反応させ
ることなく、ポリエステル反応系に添加して製造
したポリエステルを溶融紡糸して得たポリエステ
ル繊維をアルカリ処理することによつて、特殊な
微細孔を多数形成することができ、こうすること
によつて着色した時の色の深みと鮮明性に優れ且
つ摩擦によるフイブリル化に充分耐えるポリエス
テル繊維が得られることを見出し、この知見に基
づいて更に検討を重ねた結果本発明を完成したも
のである。 即ち、本発明はテレフタル酸を主とするジカル
ボン酸又はそのエステル形成性誘導体と少なくと
も1種のグリコールとを反応せしめてジカルボン
酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体
を生成させる第1段階の反応及び該反応生成物を
重縮合させる第2段階の反応とによつてポリエス
テルを製造するに当り、(a)該ジカルボン酸成分に
対して0.3〜5モル%の正リン酸及び(b)該正リン
酸に対して1.2〜2倍モルのMn及び/又はMgの
化合物を(a)と(b)とを予め反応させることなく添加
してなるポリエステルを溶融紡糸して繊維とな
し、該繊維をアルカリ水溶液で処理して(a)の正リ
ン酸と(b)のMn及び/又はMgの化合物との反応
によつて生成した塩を溶出せしめることを特徴と
するポリエステル繊維の製造法である。 このようにして得られたポリエステルは、溶融
紡糸して繊維となし、次いで得られた繊維をアル
カリ化合物の水溶液で処理してその2〜50重量%
を溶出することによつて、繊維軸方向に配列し且
つ度数分布の最大値が、繊維軸の直角方向の幅が
0.1〜0.3μの範囲であつて繊維軸方向の長さが0.1
〜5μの範囲になる大きさを有する微細孔を多数
形成せしめることができ、染色した際に優れた色
の深みを呈するようになる。 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリコー
ル、好ましくはエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコールから選
ばれた少なくとも1種のアルキレングリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルを主た
る対象とする。 また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性
カルボン酸成分で置換えたポリエステルであつて
もよく、及び/又はグリコール成分の一部を主成
分以外の上記グリコール、若しくは他のジオール
成分で置換えたポリエステルであつてもよい。 ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性
カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフ
タリンジカルボン酸、ジフエニルジカルボン酸、
ジフエノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキ
シエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
の如き芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボ
ン酸をあげることができる。また、上記グリコー
ル以外のジオール化合物としては例えばシクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグ
リコール、ビスフエノールA、ビスフエノールS
の如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物
およびポリオキシアルキレングリコールをあげる
ことができる。 かかるポリエステルは任意の方法によつて合成
したものでよい。例えばポリエチレンテレフタレ
ートについて説明すれば、通常、テレフタル酸と
エチレングリコールとを直接エステル化反応させ
るか、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸
の低級アルキルエステルとエチレングリコールと
をエステル交換反応させるか又はテレフタル酸と
エチレンオキサイドとを反応させるかしてテレフ
タル酸のグリコールエステル及び/又はその低重
合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の
反応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になる
まで重縮合反応させる第2段階の反応によつて製
造される。 本発明で使用するMn又はMg化合物としては、
正リン酸と反応してポリエステルに不溶性のMn
又はMgの塩を形成するものであれば特に制限は
ないが、Mn、Mgの酢酸塩、しゆう酸塩、安息
酸香酸塩、フタル酸塩、ステアリン酸塩の如き有
機酸塩、硼酸塩、硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、重炭
酸塩の如き無機酸塩、塩化物の如きハロゲン化
物、エチレンジアミン4酢酸錯塩の如きキレート
化合物、水酸化物、酸化物、メチラート、エチラ
ート、グリコレート等のアルコラート類、フエノ
ラート等をあげることができ、特にエチレングリ
コールに可溶性であつて且つ該グリコール中にお
いて正リン酸と反応して塩を形成する有機酸塩、
ハロゲン化物、キレート化合物、アルコラートが
好ましく、なかでも有機酸塩が特に好ましい。上
記のMn、Mgの化合物は1種のみ単独で使用し
ても、また2種以上併用してもよい。 本発明で使用する正リン酸及びMn、Mg化合
物の使用量は、得られるポリエステルが色の深み
と耐フイブリル性共に優れたポリエステル繊維を
最終的に与えるためには相互に密接な関係があ
り、しかも夫々の使用量も特定する必要がある。
即ち、本発明で使用する正リン酸の添加量はあま
りに少ないと最終的に得られるポリエステル繊維
の色の深みが不充分になり、この量を多くするに
従つて色の深みは向上するが、あまりに多くなる
と最早色の深みは著しい向上を示さず、かえつて
耐フイブリル性が悪化し、その上充分な重合度の
ポリエステルが得られ難く、更に紡糸時にトラブ
ルを発生し易い。このため、正リン酸の添加量は
ポリエステルを構成する酸成分に対して0.3〜5
モル%の範囲にすべきであり、特に0.4〜3モル
%の範囲が好ましい。また、Mn、Mg化合物の
添加量が正リン酸の添加量に対して1.2倍モルに
達しない量では、得られるポリエステル繊維の色
の深みが不充分であり、その上得られるポリエス
テルが著しく着色するため、最終的な繊維で鮮明
な色彩が得られない。逆に正リン酸に対して2倍
モルを越える量の使用はポリエステルの熱分解を
著しく促進するようになり、得られるポリエステ
ルが着色し且つ紡糸時にトラブルが発生し易くな
る。このため、正リン酸に対するMn、Mgの化
合物の添加量は、1.2〜2倍モルの範囲にすべき
であり、特に1.4〜1.6倍モルの範囲が好ましい。 上記Mn、Mgの化合物と正リン酸とは予め反
応させることなくポリエステル反応系内に添加す
る必要がある。こうすることによつて、不溶性粒
子をポリエステル中に超微粒子状態で且つ均一に
分散した状態で生成せしめることができるように
なる。予め外部で上記Mn、Mgの化合物と正リ
ン酸とを反応させて正リン酸のMn、Mgの塩を
一且生成させた後にポリエステル反応系に添加し
たのでは、ポリエステル中での不溶性粒子の分散
性が悪くなり且つ粗大凝集粒子が含有されるよう
になるため、最終的に得られるポリエステル繊維
の色の深みを改善する効果は認められなくなり、
その上耐フイブリル性にも劣るようになるので好
ましくない。 上記のMn、Mgの化合物及び正リン酸の添加
時期はそれぞれポリエステルの製造が完了するま
での任意の時期でよいが、Mn、Mgの化合物の
添加時期を正リン酸の添加時期よりも著しく遅く
すると、得られるポリエステルの着色が増大し、
また軟化点が低下する傾向にあるのでMn、Mg
の化合物の添加時期は、反応系にこのような悪影
響を及ぼさない範囲で正リン酸の添加時期より遅
れてもよいが、実質的に正リン酸の添加時期と同
時又はそれ以前であるのが好ましい。また、正リ
ン酸の添加時期としては、第1段階の反応が未終
了の段階では第1段の反応の完結が阻害されるこ
とがあり、また第2段階の反応の段階では、あま
りに反応が進行した段階では得られるポリエステ
ルが着色する等のトラブルが発生することがある
ので、正リン酸の添加時期は第1段階の反応が実
質的に終了した時点以降であつて且つ第2段階の
反応における反応混合物の極限粘度が0.4に到達
する以前であることが好ましい。Mn、Mgの化
合物の好ましい添加時期として具体的には、第1
段階の反応の開始前、第1段階の反応中、第1段
階の反応終了後から第2段階の反応開始前までの
間等をあげることができ、正リン酸の好ましい添
加時期として具体的には、第1段階の反応終了後
から第2段階の反応開始前までの間等をあげるこ
とができる。 上記のMn、Mgの化合物及び正リン酸は夫々
の使用量の全量を、上記の添加時期において一時
に添加しても、また上記の添加時期において2回
以上に分割して添加してもよい。 本発明においては第1段階の反応に任意の触媒
を使用することができるが、上記Mn、Mgの化
合物の中で第1段階の反応の触媒能を有するもの
があり、かかる化合物を使用する場合は別に触媒
を使用することを要さず、このMn、Mgの化合
物の全量又は一部を第1段階の反応開始前に添加
して、触媒としても兼用することができる。 以上説明したように、上記の正リン酸とMn、
Mgの化合物とを予め反応させることなく上記の
ような特定量使用することにより、色の深みと耐
フイブリル性共に優れた繊維を与えるポリエステ
ルを得ることができる。 このようにして得られたポリエステルを溶融紡
糸して繊維とするには、格別な方法を採用する必
要はなく、ポリエステルの繊維の溶融紡糸方法が
任意に採用される。ここで紡出する繊維は中空部
を有しない中実繊維であつても、中空部を有する
中空繊維であつてもよいが、中空繊維の場合には
微細孔を形成せしめても、色の深みが中実繊維に
比べてやゝ劣る傾向があるので、中実繊維にする
のが好ましい。また、紡出する繊維の横断面にお
ける外形や中空部の形状は、円形であつても異形
であつてもよい。更に、紡糸するに際して、上記
の正リン酸とMn、Mgの化合物とを添加した変
性ポリエステルと添加しない未変性ポリエステル
とを使用し、変性ポリエステルを鞘成分とし、未
変性ポリエステルを芯成分とする芯鞘型複合繊維
にしても、変性ポリエステルと未変性ポリエステ
ルとを用いて2層又はそれ以上の多層のサイド・
バイ・サイド型複合繊維にしてもよい。 かくして得られるポリエステル繊維から、その
一部を除去するには、必要に応じて延伸熱処理又
は仮撚加工等を施した後、又は更に布帛にした後
アルカリ化合物の水溶液に浸漬処理することによ
り容易に行なうことができる。 ここで使用するアルカリ化合物としては水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアン
モニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム等をあげることができる。なかでも
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好まし
い。 かかるアルカリ化合物の水溶液の濃度は、アル
カリ化合物の種類、処理条件等によつて異なる
が、通常0.01〜40重量%の範囲が好ましく、特に
0.1〜30重量%の範囲が好ましい。処理温度は常
温〜100℃の範囲が好ましく、処理時間は1分〜
4時間の範囲で通常行なわれる。また、このアル
カリ化合物の水溶液の処理によつて溶出除去する
量は、繊維重量に対して2〜50重量%の範囲にす
べきである。このようにアルカリ化合物の水溶液
で処理することによつて、繊維軸方向に配列し且
つ度数分布の最大値が繊維軸の直角方向の幅が
0.1〜0.3μの範囲であつて繊維軸方向の長さが0.1
〜5μの範囲になる大きさを有する微細孔を多数
形成せしめることができ、染色した際に優れた色
の深みを呈するようになる。 なお、本発明の方法により得られるポリエステ
ルには、必要に応じて任意の添加剤、例えば触
媒、着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、螢光増白剤、
艶消剤、着色剤、無機微粒子等が含まれていても
よい。 以下に実施例をあげて更に説明する。実施例中
の部は重量部を示し、得られるポリエステル繊維
を染色した際の色の深み、アルカリ処理後の強度
低下率、耐フイブリル性、微細孔の大きさは以下
の方法で測定した。 (i) 色の深み ポリエチレンテレフタレートよりなる73デニ
ール/36フイラメントのマルチフイラメントを
メリヤス編みした標準布と、この標準布と同一
布帛構成にした試験布とを同一条件下で染色
し、両者を隣接して並べ、曇天の昼光下北窓付
近で観察し、下記の判定基準で判定者5名の平
均をとり、4級以上を合格とした。 1級;標準布より深み感がない。 2級;標準布との差が認められない。 3級;標準布との差は認められるが、差が小さ
い。 4級;標準布に比べかなり深み感がある。 5級;標準布に比べ深み感が顕著である。 (ii) アルカリ処理による強度低下率 アルカリ処理する前の布帛を解舒して得た繊
維の強度とアルカリ処理後の布帛を解舒して得
た繊維の強度を比較した。 (iii) 耐フイブリル性 摩擦堅ろう度試験用の学振型平面摩耗機を使
用して、摩擦布としてポリエチレンテレフタレ
ート100%からなるジヨーゼツトを用い、試験
布を500gの加重下で所定回数平面摩耗して、
フイブリル化の発生の有無を調べた。 (iv) 微細孔の大きさ アルカリ処理後の布帛を解舒して得た繊維の
表面を3000倍の電子顕微鏡写真により肉眼判定
した。 実施例 1 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ
ール60部、酢酸カルシウム1水塩0.06部をエステ
ル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間かけ
て140℃から230℃まで昇温して生成するメタノー
ルを系外に留去しながらエステル交換反応を行つ
た。続いて得られた生成物にリン酸トリメチル
0.06部を添加し、次いで5分後に三酸化アンチモ
ン0.06部及び酢酸マンガン4水塩2.62部(テレフ
タル酸ジメチルに対して2.08モル%)を加え、更
に5分後に正リン酸0.7部(テレフタル酸ジメチ
ルに対して1.39モル%)と二酸化チタン0.07部を
添加して重合缶に移した。次いで1時間かけて
760mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に1時間
30分かけて230℃〜285℃まで昇温した。1mmHg
以下の減圧下、重合温度285℃に更に3時間、合
計4時間30分重合して極限粘度0.641、軟化点260
℃、色相Col−L75、Col−(b)5.0のポリマーを得
た。反応終了後ポリマーを常法に従いチツプ化し
た。 このチツプを常法により乾燥し、孔径0.3mmの
円形紡糸孔を36個穿設した紡糸口金を使用し、常
法に従つて溶融紡糸し、306デニール/36フイメ
ントの未延伸糸を得た。次いでこの未延伸糸を常
法に従つて4.2倍に延伸し、73デニール/36フイ
ラメントのマルチフイラメントを得た。 得られたフイラメントをメリヤス編地になし、
常法により精練、プリセツトを施した後、減量率
が20%になるように3.5%の水酸化ナトリウム水
溶液で沸騰温度にて処理した。 このアルカリ処理による強度低下率、微細孔の
大きさを第1表に示した。この処理后の布帛を常
法により黒色に高圧染色し、染色布の色の深みを
第1表に示した。また摩耗200回后の顕微鏡観察
でフイブリル化は認められなかつた。 実施例 2 実施例1においてエステル交換反応触媒及び安
定剤として用いた酢酸カルシウム1水塩およびリ
ン酸トリメチルを使用せず、そのかわりに実施例
1でエステル交換反応終了後に使用した酢酸マン
ガン4水塩2.62部の中の0.03部(テレフタル酸ジ
メチルに対して0.024モル%)をエステル交換反
応開始前に添加してエステル交換反応触媒として
用い、残りの2.59部(テレフタル酸ジメチルに対
して2.05モル%)をエステル交換反応終了後に添
加する以外は実施例と同様に行なつた。結果は第
1表に示した通りであつた。 実施例 3 実施例1において使用した酢酸マンガン4水塩
の添加時期をエステル交換反応終了後からエステ
ル交換反応開始前に変更する以外は実施例1と同
様に行なつた。結果は第1表に示した通りであつ
た。 実施例 4 実施例1において使用した酢酸マンガン4水塩
に代えて酢酸マグネシウム4水塩1.10部(テレフ
タル酸ジメチルに対して1.0モル%)を添加し、
また正リン酸の添加量を0.34部(テレフタル酸ジ
メチルに対して0.67モル%)とする以外は実施例
1と同様に行なつた。結果は第1表に示した通り
であつた。 実施例 5 実施例1において使用した酢酸マンガン4水塩
に代えて酢酸マグネシウム4水塩0.90部(テレフ
タル酸ジメチルに対して0.81モル%)を添加し、
また正リン酸の添加量を0.34部(テレフタル酸ジ
メチルに対して0.67モル%)とする以外は実施例
1と同様に行なつた。結果は第1表に示した通り
であつた。 比較例 1 実施例1において使用した酢酸マンガン4水塩
に代えて酢酸マグネシウム4水塩1.10部(テレフ
タル酸ジメチルに対して1.0モル%)を使用し、
またその添加時期を実施例1のエステル交換反応
終了後からエステル交換反応開始前に変更し、更
に正リン酸の使用量を0.57部(テレフタル酸ジメ
チルに対して1.13モル%)に変更する以外は実施
例1と同様に行なつた。結果は第1表に示した通
りであり、色の深みは改善されなかつた。 比較例 2 高速撹拌分散機(撹拌翼外径28mm、外筒環内径
29mm、英国シルバーソンマシーン社製ラボラト
リ・ミキサ・エマルシフアイヤ)を用い、
5000rpmの回転速度下正リン酸の56%水溶液100
部とエチレングリコール150部との混合液中に酢
酸マンガン4水塩の20%エチレングリコール溶液
1050部を徐々に加え、60分間高速撹拌分散処理し
た。この時の最終到達内温は70℃であり、正リン
酸のマンガン塩が大部分0.3μ以下の微粒子として
均一に分散したスラリーが得られた。このスラリ
ーを72時間にわたり容器内に放置して粗大凝集粒
子を分離した。このスラリーを実施例1における
正リン酸および酢酸マンガン4水塩の代りに、実
施例1の正リン酸および酢酸マンガン4水塩の使
用量に相当する量、リン酸トリメチル添加5分後
に添加する以外は実施例1と同様に行なつた。結
果は第1表に示した通りであり、色の深みは改善
されるどころか、視感濃度の低下が認められ、
200回の摩耗でフイブリル化が認められた。
に関する。更に詳細には、特殊な微細孔を有し、
着色した際に改善された色の深みと鮮明性を呈す
るポリエステル繊維の製造法に関する。 ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆ
えに合成繊維として広く使用されている。しかし
ながら、ポリエステル繊維は羊毛や絹の如き天然
繊維、レーヨンやアセテートの如き繊維素系繊
維、アクリル系繊維等に比較して、着色した際に
色に深みがないため発色性、鮮明性に劣る欠点が
ある。 従来より、この欠点を解消せんとして、染料の
改善やポリエステルの化学改質等が試みられてき
たが、いずれも充分な効果は得られていない。ま
た、ポリエステル繊維表面に透明薄膜を形成させ
る方法や織編物表面に80〜500mA・sec/cm2のプ
ラズマ照射を施して繊維表面に微細な凹凸を形成
させる方法等が提案されている。しかしながら、
これらの方法によつても、色の深みを改善する効
果は不充分であり、その上繊維表面に形成された
透明薄膜は洗濯等によつて容易に脱落し、その耐
久性も不充分であり、プラズマ照射を施す方法で
は、照射面の影になる繊維部分の織編の表面に凹
凸が生じないため、着用中に生じる織編組織内で
の糸の転び等によつて平滑繊維面が表面にでて色
斑になる欠点がある。 他方、ポリエステル繊維の表面に凹凸を付与す
る方法として、ポリオキシエチレングリコール又
はポリオキシエチレングリコールとスルホン酸化
合物を配合したポリエステルよりなる繊維をアル
カリ水溶液で処理することにより繊維軸方向に配
列した皺状の微細孔を繊維表面に形成させる吸湿
性繊維の製造法、又は酸化亜鉛、リン酸マグネシ
ウム等の如き不活性無機物質の微粒子をポリエス
テル反応系内に添加配合せしめてなるポリエステ
ル繊維を、アルカリ水溶液で処理して無機微粒子
を溶出することにより微細孔を形成させる吸湿性
繊維の製造法等が提案されている。しかしなが
ら、これらの方法によつて得られる繊維には、色
の深みを改善する効果は認められず、かえつて視
感濃度の低下が認められる。即ち、これらの方法
において、アルカリ水溶液による処理が充分でな
いときは、凹凸が繊維のごく表面のみに生じるた
めか、色の深みを改善する効果は全く認められ
ず、またアルカリ水溶液による処理が充分なとき
は、色の深みを改善するどころか、微細孔による
光の乱反射によるためか、視感濃度が低下し、濃
色に着色しても白つぽく見えるようになり、その
上得られる繊維の強度が著しく低下し、容易にフ
イブリル化するようになり実用に耐えない。 また、粒子径80mμ以下のシリカの如き無機微
粒子を配合したポリエステルよりなる繊維をアル
カリ減量処理して、繊維表面に0.2〜0.7μの不規
測な凹凸を付与すると共にこの凹凸内に50〜200
mμの微細な凹凸を存在せしめることによつて色
の深みを改善する方法が提案されている。しかし
ながら、この方法によつても、色の深みを改善す
る効果は不充分であり、その上かかる極めて複雑
な凹凸形態によるためか、フイブリル化し易い欠
点がある。 本発明者は、ポリエステル繊維に微細孔を付与
することによつて、上記欠点がなく、色の深みと
鮮明性に優れたポリエステル繊維を提供せんとし
て鋭意検討を行つた結果、驚くべきことに特定量
の正リン酸とこの正リン酸に対して特定量化の酢
酸マンガン又は酢酸マグネシウムを予め反応させ
ることなく、ポリエステル反応系に添加して製造
したポリエステルを溶融紡糸して得たポリエステ
ル繊維をアルカリ処理することによつて、特殊な
微細孔を多数形成することができ、こうすること
によつて着色した時の色の深みと鮮明性に優れ且
つ摩擦によるフイブリル化に充分耐えるポリエス
テル繊維が得られることを見出し、この知見に基
づいて更に検討を重ねた結果本発明を完成したも
のである。 即ち、本発明はテレフタル酸を主とするジカル
ボン酸又はそのエステル形成性誘導体と少なくと
も1種のグリコールとを反応せしめてジカルボン
酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体
を生成させる第1段階の反応及び該反応生成物を
重縮合させる第2段階の反応とによつてポリエス
テルを製造するに当り、(a)該ジカルボン酸成分に
対して0.3〜5モル%の正リン酸及び(b)該正リン
酸に対して1.2〜2倍モルのMn及び/又はMgの
化合物を(a)と(b)とを予め反応させることなく添加
してなるポリエステルを溶融紡糸して繊維とな
し、該繊維をアルカリ水溶液で処理して(a)の正リ
ン酸と(b)のMn及び/又はMgの化合物との反応
によつて生成した塩を溶出せしめることを特徴と
するポリエステル繊維の製造法である。 このようにして得られたポリエステルは、溶融
紡糸して繊維となし、次いで得られた繊維をアル
カリ化合物の水溶液で処理してその2〜50重量%
を溶出することによつて、繊維軸方向に配列し且
つ度数分布の最大値が、繊維軸の直角方向の幅が
0.1〜0.3μの範囲であつて繊維軸方向の長さが0.1
〜5μの範囲になる大きさを有する微細孔を多数
形成せしめることができ、染色した際に優れた色
の深みを呈するようになる。 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリコー
ル、好ましくはエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコールから選
ばれた少なくとも1種のアルキレングリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルを主た
る対象とする。 また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性
カルボン酸成分で置換えたポリエステルであつて
もよく、及び/又はグリコール成分の一部を主成
分以外の上記グリコール、若しくは他のジオール
成分で置換えたポリエステルであつてもよい。 ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性
カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフ
タリンジカルボン酸、ジフエニルジカルボン酸、
ジフエノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキ
シエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
の如き芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボ
ン酸をあげることができる。また、上記グリコー
ル以外のジオール化合物としては例えばシクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグ
リコール、ビスフエノールA、ビスフエノールS
の如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物
およびポリオキシアルキレングリコールをあげる
ことができる。 かかるポリエステルは任意の方法によつて合成
したものでよい。例えばポリエチレンテレフタレ
ートについて説明すれば、通常、テレフタル酸と
エチレングリコールとを直接エステル化反応させ
るか、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸
の低級アルキルエステルとエチレングリコールと
をエステル交換反応させるか又はテレフタル酸と
エチレンオキサイドとを反応させるかしてテレフ
タル酸のグリコールエステル及び/又はその低重
合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の
反応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になる
まで重縮合反応させる第2段階の反応によつて製
造される。 本発明で使用するMn又はMg化合物としては、
正リン酸と反応してポリエステルに不溶性のMn
又はMgの塩を形成するものであれば特に制限は
ないが、Mn、Mgの酢酸塩、しゆう酸塩、安息
酸香酸塩、フタル酸塩、ステアリン酸塩の如き有
機酸塩、硼酸塩、硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、重炭
酸塩の如き無機酸塩、塩化物の如きハロゲン化
物、エチレンジアミン4酢酸錯塩の如きキレート
化合物、水酸化物、酸化物、メチラート、エチラ
ート、グリコレート等のアルコラート類、フエノ
ラート等をあげることができ、特にエチレングリ
コールに可溶性であつて且つ該グリコール中にお
いて正リン酸と反応して塩を形成する有機酸塩、
ハロゲン化物、キレート化合物、アルコラートが
好ましく、なかでも有機酸塩が特に好ましい。上
記のMn、Mgの化合物は1種のみ単独で使用し
ても、また2種以上併用してもよい。 本発明で使用する正リン酸及びMn、Mg化合
物の使用量は、得られるポリエステルが色の深み
と耐フイブリル性共に優れたポリエステル繊維を
最終的に与えるためには相互に密接な関係があ
り、しかも夫々の使用量も特定する必要がある。
即ち、本発明で使用する正リン酸の添加量はあま
りに少ないと最終的に得られるポリエステル繊維
の色の深みが不充分になり、この量を多くするに
従つて色の深みは向上するが、あまりに多くなる
と最早色の深みは著しい向上を示さず、かえつて
耐フイブリル性が悪化し、その上充分な重合度の
ポリエステルが得られ難く、更に紡糸時にトラブ
ルを発生し易い。このため、正リン酸の添加量は
ポリエステルを構成する酸成分に対して0.3〜5
モル%の範囲にすべきであり、特に0.4〜3モル
%の範囲が好ましい。また、Mn、Mg化合物の
添加量が正リン酸の添加量に対して1.2倍モルに
達しない量では、得られるポリエステル繊維の色
の深みが不充分であり、その上得られるポリエス
テルが著しく着色するため、最終的な繊維で鮮明
な色彩が得られない。逆に正リン酸に対して2倍
モルを越える量の使用はポリエステルの熱分解を
著しく促進するようになり、得られるポリエステ
ルが着色し且つ紡糸時にトラブルが発生し易くな
る。このため、正リン酸に対するMn、Mgの化
合物の添加量は、1.2〜2倍モルの範囲にすべき
であり、特に1.4〜1.6倍モルの範囲が好ましい。 上記Mn、Mgの化合物と正リン酸とは予め反
応させることなくポリエステル反応系内に添加す
る必要がある。こうすることによつて、不溶性粒
子をポリエステル中に超微粒子状態で且つ均一に
分散した状態で生成せしめることができるように
なる。予め外部で上記Mn、Mgの化合物と正リ
ン酸とを反応させて正リン酸のMn、Mgの塩を
一且生成させた後にポリエステル反応系に添加し
たのでは、ポリエステル中での不溶性粒子の分散
性が悪くなり且つ粗大凝集粒子が含有されるよう
になるため、最終的に得られるポリエステル繊維
の色の深みを改善する効果は認められなくなり、
その上耐フイブリル性にも劣るようになるので好
ましくない。 上記のMn、Mgの化合物及び正リン酸の添加
時期はそれぞれポリエステルの製造が完了するま
での任意の時期でよいが、Mn、Mgの化合物の
添加時期を正リン酸の添加時期よりも著しく遅く
すると、得られるポリエステルの着色が増大し、
また軟化点が低下する傾向にあるのでMn、Mg
の化合物の添加時期は、反応系にこのような悪影
響を及ぼさない範囲で正リン酸の添加時期より遅
れてもよいが、実質的に正リン酸の添加時期と同
時又はそれ以前であるのが好ましい。また、正リ
ン酸の添加時期としては、第1段階の反応が未終
了の段階では第1段の反応の完結が阻害されるこ
とがあり、また第2段階の反応の段階では、あま
りに反応が進行した段階では得られるポリエステ
ルが着色する等のトラブルが発生することがある
ので、正リン酸の添加時期は第1段階の反応が実
質的に終了した時点以降であつて且つ第2段階の
反応における反応混合物の極限粘度が0.4に到達
する以前であることが好ましい。Mn、Mgの化
合物の好ましい添加時期として具体的には、第1
段階の反応の開始前、第1段階の反応中、第1段
階の反応終了後から第2段階の反応開始前までの
間等をあげることができ、正リン酸の好ましい添
加時期として具体的には、第1段階の反応終了後
から第2段階の反応開始前までの間等をあげるこ
とができる。 上記のMn、Mgの化合物及び正リン酸は夫々
の使用量の全量を、上記の添加時期において一時
に添加しても、また上記の添加時期において2回
以上に分割して添加してもよい。 本発明においては第1段階の反応に任意の触媒
を使用することができるが、上記Mn、Mgの化
合物の中で第1段階の反応の触媒能を有するもの
があり、かかる化合物を使用する場合は別に触媒
を使用することを要さず、このMn、Mgの化合
物の全量又は一部を第1段階の反応開始前に添加
して、触媒としても兼用することができる。 以上説明したように、上記の正リン酸とMn、
Mgの化合物とを予め反応させることなく上記の
ような特定量使用することにより、色の深みと耐
フイブリル性共に優れた繊維を与えるポリエステ
ルを得ることができる。 このようにして得られたポリエステルを溶融紡
糸して繊維とするには、格別な方法を採用する必
要はなく、ポリエステルの繊維の溶融紡糸方法が
任意に採用される。ここで紡出する繊維は中空部
を有しない中実繊維であつても、中空部を有する
中空繊維であつてもよいが、中空繊維の場合には
微細孔を形成せしめても、色の深みが中実繊維に
比べてやゝ劣る傾向があるので、中実繊維にする
のが好ましい。また、紡出する繊維の横断面にお
ける外形や中空部の形状は、円形であつても異形
であつてもよい。更に、紡糸するに際して、上記
の正リン酸とMn、Mgの化合物とを添加した変
性ポリエステルと添加しない未変性ポリエステル
とを使用し、変性ポリエステルを鞘成分とし、未
変性ポリエステルを芯成分とする芯鞘型複合繊維
にしても、変性ポリエステルと未変性ポリエステ
ルとを用いて2層又はそれ以上の多層のサイド・
バイ・サイド型複合繊維にしてもよい。 かくして得られるポリエステル繊維から、その
一部を除去するには、必要に応じて延伸熱処理又
は仮撚加工等を施した後、又は更に布帛にした後
アルカリ化合物の水溶液に浸漬処理することによ
り容易に行なうことができる。 ここで使用するアルカリ化合物としては水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアン
モニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム等をあげることができる。なかでも
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好まし
い。 かかるアルカリ化合物の水溶液の濃度は、アル
カリ化合物の種類、処理条件等によつて異なる
が、通常0.01〜40重量%の範囲が好ましく、特に
0.1〜30重量%の範囲が好ましい。処理温度は常
温〜100℃の範囲が好ましく、処理時間は1分〜
4時間の範囲で通常行なわれる。また、このアル
カリ化合物の水溶液の処理によつて溶出除去する
量は、繊維重量に対して2〜50重量%の範囲にす
べきである。このようにアルカリ化合物の水溶液
で処理することによつて、繊維軸方向に配列し且
つ度数分布の最大値が繊維軸の直角方向の幅が
0.1〜0.3μの範囲であつて繊維軸方向の長さが0.1
〜5μの範囲になる大きさを有する微細孔を多数
形成せしめることができ、染色した際に優れた色
の深みを呈するようになる。 なお、本発明の方法により得られるポリエステ
ルには、必要に応じて任意の添加剤、例えば触
媒、着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、螢光増白剤、
艶消剤、着色剤、無機微粒子等が含まれていても
よい。 以下に実施例をあげて更に説明する。実施例中
の部は重量部を示し、得られるポリエステル繊維
を染色した際の色の深み、アルカリ処理後の強度
低下率、耐フイブリル性、微細孔の大きさは以下
の方法で測定した。 (i) 色の深み ポリエチレンテレフタレートよりなる73デニ
ール/36フイラメントのマルチフイラメントを
メリヤス編みした標準布と、この標準布と同一
布帛構成にした試験布とを同一条件下で染色
し、両者を隣接して並べ、曇天の昼光下北窓付
近で観察し、下記の判定基準で判定者5名の平
均をとり、4級以上を合格とした。 1級;標準布より深み感がない。 2級;標準布との差が認められない。 3級;標準布との差は認められるが、差が小さ
い。 4級;標準布に比べかなり深み感がある。 5級;標準布に比べ深み感が顕著である。 (ii) アルカリ処理による強度低下率 アルカリ処理する前の布帛を解舒して得た繊
維の強度とアルカリ処理後の布帛を解舒して得
た繊維の強度を比較した。 (iii) 耐フイブリル性 摩擦堅ろう度試験用の学振型平面摩耗機を使
用して、摩擦布としてポリエチレンテレフタレ
ート100%からなるジヨーゼツトを用い、試験
布を500gの加重下で所定回数平面摩耗して、
フイブリル化の発生の有無を調べた。 (iv) 微細孔の大きさ アルカリ処理後の布帛を解舒して得た繊維の
表面を3000倍の電子顕微鏡写真により肉眼判定
した。 実施例 1 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ
ール60部、酢酸カルシウム1水塩0.06部をエステ
ル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間かけ
て140℃から230℃まで昇温して生成するメタノー
ルを系外に留去しながらエステル交換反応を行つ
た。続いて得られた生成物にリン酸トリメチル
0.06部を添加し、次いで5分後に三酸化アンチモ
ン0.06部及び酢酸マンガン4水塩2.62部(テレフ
タル酸ジメチルに対して2.08モル%)を加え、更
に5分後に正リン酸0.7部(テレフタル酸ジメチ
ルに対して1.39モル%)と二酸化チタン0.07部を
添加して重合缶に移した。次いで1時間かけて
760mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に1時間
30分かけて230℃〜285℃まで昇温した。1mmHg
以下の減圧下、重合温度285℃に更に3時間、合
計4時間30分重合して極限粘度0.641、軟化点260
℃、色相Col−L75、Col−(b)5.0のポリマーを得
た。反応終了後ポリマーを常法に従いチツプ化し
た。 このチツプを常法により乾燥し、孔径0.3mmの
円形紡糸孔を36個穿設した紡糸口金を使用し、常
法に従つて溶融紡糸し、306デニール/36フイメ
ントの未延伸糸を得た。次いでこの未延伸糸を常
法に従つて4.2倍に延伸し、73デニール/36フイ
ラメントのマルチフイラメントを得た。 得られたフイラメントをメリヤス編地になし、
常法により精練、プリセツトを施した後、減量率
が20%になるように3.5%の水酸化ナトリウム水
溶液で沸騰温度にて処理した。 このアルカリ処理による強度低下率、微細孔の
大きさを第1表に示した。この処理后の布帛を常
法により黒色に高圧染色し、染色布の色の深みを
第1表に示した。また摩耗200回后の顕微鏡観察
でフイブリル化は認められなかつた。 実施例 2 実施例1においてエステル交換反応触媒及び安
定剤として用いた酢酸カルシウム1水塩およびリ
ン酸トリメチルを使用せず、そのかわりに実施例
1でエステル交換反応終了後に使用した酢酸マン
ガン4水塩2.62部の中の0.03部(テレフタル酸ジ
メチルに対して0.024モル%)をエステル交換反
応開始前に添加してエステル交換反応触媒として
用い、残りの2.59部(テレフタル酸ジメチルに対
して2.05モル%)をエステル交換反応終了後に添
加する以外は実施例と同様に行なつた。結果は第
1表に示した通りであつた。 実施例 3 実施例1において使用した酢酸マンガン4水塩
の添加時期をエステル交換反応終了後からエステ
ル交換反応開始前に変更する以外は実施例1と同
様に行なつた。結果は第1表に示した通りであつ
た。 実施例 4 実施例1において使用した酢酸マンガン4水塩
に代えて酢酸マグネシウム4水塩1.10部(テレフ
タル酸ジメチルに対して1.0モル%)を添加し、
また正リン酸の添加量を0.34部(テレフタル酸ジ
メチルに対して0.67モル%)とする以外は実施例
1と同様に行なつた。結果は第1表に示した通り
であつた。 実施例 5 実施例1において使用した酢酸マンガン4水塩
に代えて酢酸マグネシウム4水塩0.90部(テレフ
タル酸ジメチルに対して0.81モル%)を添加し、
また正リン酸の添加量を0.34部(テレフタル酸ジ
メチルに対して0.67モル%)とする以外は実施例
1と同様に行なつた。結果は第1表に示した通り
であつた。 比較例 1 実施例1において使用した酢酸マンガン4水塩
に代えて酢酸マグネシウム4水塩1.10部(テレフ
タル酸ジメチルに対して1.0モル%)を使用し、
またその添加時期を実施例1のエステル交換反応
終了後からエステル交換反応開始前に変更し、更
に正リン酸の使用量を0.57部(テレフタル酸ジメ
チルに対して1.13モル%)に変更する以外は実施
例1と同様に行なつた。結果は第1表に示した通
りであり、色の深みは改善されなかつた。 比較例 2 高速撹拌分散機(撹拌翼外径28mm、外筒環内径
29mm、英国シルバーソンマシーン社製ラボラト
リ・ミキサ・エマルシフアイヤ)を用い、
5000rpmの回転速度下正リン酸の56%水溶液100
部とエチレングリコール150部との混合液中に酢
酸マンガン4水塩の20%エチレングリコール溶液
1050部を徐々に加え、60分間高速撹拌分散処理し
た。この時の最終到達内温は70℃であり、正リン
酸のマンガン塩が大部分0.3μ以下の微粒子として
均一に分散したスラリーが得られた。このスラリ
ーを72時間にわたり容器内に放置して粗大凝集粒
子を分離した。このスラリーを実施例1における
正リン酸および酢酸マンガン4水塩の代りに、実
施例1の正リン酸および酢酸マンガン4水塩の使
用量に相当する量、リン酸トリメチル添加5分後
に添加する以外は実施例1と同様に行なつた。結
果は第1表に示した通りであり、色の深みは改善
されるどころか、視感濃度の低下が認められ、
200回の摩耗でフイブリル化が認められた。
【表】
Claims (1)
- 1 テレフタル酸を主とするジカルボン酸又はそ
のエステル形成性誘導体と少なくとも1種のグリ
コールとを反応せしめてジカルボン酸のグリコー
ルエステル及び/又はその低重合体を生成させる
第1段階の反応及び該反応生成物と重縮合させる
第2段階の反応とによつてポリエステルを製造す
るに当り、(a)該ジカルボン酸成分に対して0.3〜
5モル%の正リン酸及び(b)該正リン酸に対して
1.2〜2倍モルのMn及び/又はMgの化合物(a)と
(b)とを予め反応させることなく添加してなるポリ
エステルを溶融紡糸して繊維となし、該繊維をア
ルカリ水溶液で処理して(a)の正リン酸と(b)のMn
及び/又はMgの化合物との反応によつて生成し
た塩を溶出せしめることを特徴とするポリエステ
ル繊維の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56024953A JPS57139118A (en) | 1981-02-24 | 1981-02-24 | Production of polyester for fiber |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56024953A JPS57139118A (en) | 1981-02-24 | 1981-02-24 | Production of polyester for fiber |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS57139118A JPS57139118A (en) | 1982-08-27 |
| JPH0140145B2 true JPH0140145B2 (ja) | 1989-08-25 |
Family
ID=12152353
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56024953A Granted JPS57139118A (en) | 1981-02-24 | 1981-02-24 | Production of polyester for fiber |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS57139118A (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JPS5971325A (ja) * | 1982-10-14 | 1984-04-23 | Toyobo Co Ltd | ポリエステルの製造方法 |
| JPH0663177B2 (ja) * | 1984-11-20 | 1994-08-17 | 東洋紡績株式会社 | 表面に微細凹部を有するポリエステル繊維の製造法 |
| JPH0653988B2 (ja) * | 1985-01-30 | 1994-07-20 | 東洋紡績株式会社 | 微細孔を有するポリエステル系合成繊維の製造方法 |
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| JP6709639B2 (ja) * | 2016-03-10 | 2020-06-17 | 日本エステル株式会社 | 潜在濃染性ポリエステル繊維、濃染性ポリエステル繊維、及び濃染性ポリエステル繊維の製造方法 |
-
1981
- 1981-02-24 JP JP56024953A patent/JPS57139118A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS57139118A (en) | 1982-08-27 |
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