JPH0144194B2 - - Google Patents
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- JPH0144194B2 JPH0144194B2 JP19681384A JP19681384A JPH0144194B2 JP H0144194 B2 JPH0144194 B2 JP H0144194B2 JP 19681384 A JP19681384 A JP 19681384A JP 19681384 A JP19681384 A JP 19681384A JP H0144194 B2 JPH0144194 B2 JP H0144194B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は一般式
(但し、Xは、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ
基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基又
はビス(ハロアルキル)アミノ基であり、Rは水
素原子又はアルキル基であり、nは1以上の整数
である。)で示されるシラトラン化合物及び該シ
ラトラン化合物を有効成分とする制癌剤を提供す
るものである。 (従来の技術) 有機ケイ素化合物については、合成や生理活性
について研究が重ねられており、特定の有機ケイ
素化合物群が制癌活性や抗菌活性等の優れた生理
活性を有することが知られている。 有機ケイ素化合物のうち、下記式で示されるシ
ラトランと呼ばれる化合物は、抗菌・抗カビ作
用、殺虫作用、殺鼠作用、発毛促進作用、抗腫腸
作用等の種々の生理活性を有することが見い出さ
れている。 (但し、Rは置換又は非置換のアルキル基、アル
コキシ基、フエニル基を示す。)さらにルゲヴイ
ツチらは、下記式で示されるシラトラン誘導体を
合成し、数種のマウス癌細胞に対する制癌活性を
測定した結果、エールリツヒ癌に対してのみ若干
の効果を示すことを報告している〔Izv.Akad.
Nauk.Latv.SSR、338(1978)〕。 (但し、XはCl、OH、OCH3、NO2、N
(C2H5)2を示す。) (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、これらの化合物の制癌剤として
の効果は、未だ不十分であり、さらに優れた制癌
効果を有する化合物の探索が望まれている。 (問題点を解決するための手段及び効果) 本発明者は長年に渡り、数多くの新規な有機ケ
イ素化合物を合成し、該有機ケイ素化合物に関す
る種々の生理活性作用に関する研究を続けて来
た。 その結果、本発明者は、芳香環に特定の置換基
を有する一群のシラトラン化合物を合成すること
に成功し、該化合物群が比類のない顕著な制癌活
性を発現することを見出し、本発明を完成し、こ
こに提案するに至つた。 即ち、本発明は、下記一般式(1) (但し、Xは、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ
基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基又
はビス(ハロアルキル)アミノ基であり、Rは水
素原子又はアルキル基であり、nは1以上の整数
である。)で示されるシラトラン化合物及び該シ
ラトラン化合物を有効成分とする制癌剤である。 本発明に於いては、シラトラン化合物のベンゼ
ン環に置換した基の種類は、上記したように、臭
素原子、ヨウ素原子、シアノ基、アルキルチオ
基、アルコキシカルボニル基又はビス(ハロアル
キル)アミノ基であることが重要である。上記の
臭素原子やヨウ素原子と同じハロゲン原子である
塩素原子やフツ素原子では本発明の効果を得るこ
とができない。例えば、後述する比較例からも明
らかなとおり塩素原子を置換基とする化合物の制
癌効果は、臭素原子やヨウ素原子を置換基とする
本発明のシラトラン化合物の制癌効果に比べて極
めて劣つたものとなつている。 このような事実から、本発明のシラトラン化合
物の制癌効果は、そのベンゼン環に置換した種類
に大きく基因しているものと思われる。 上記一般式(1)中、Xで示されるアルキルチオ基
の炭素数は特に限定されないが、後述する制癌効
果の面からは、炭素数が1〜4のものが好まし
い。このような基を具体的に例示すると、例え
ば、メルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ
基、ブチルチオ基等が挙げられる。 また、上記一般式(1)中、Xで示されるアルコキ
シカルボニル基の炭素数も特に制限されないが、
やはり、制癌効果の面から、炭素数が1〜4のも
のが好ましい。このような基を例示すると、メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロ
ポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が
挙げられる。 さらに、一般式(1)中、Xで示されるビス(ハロ
アルキル)アミノ基のハロアルキル基としては、
炭素数には特に制限されないが、この場合もやは
り制癌効果の面から炭素数が1〜4のものが好ま
しい。また、アルキル基の置換基であるハロゲン
原子として、フツ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原
子が使用し得る。 また、一般式(1)中、Rで示されるアルキル基と
しては、炭素数には特に制限されないが、原料の
入手の容易さから、炭素数は1〜4であることが
が好ましい。このようなアルキル基は、具体的に
例示するとメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基等が挙げられる。 さらに、前記一般式(1)中、nは1以上の整数で
あれば良い。しかし、原料の入手の容易さから、
nは1〜4の整数、特に1、3又は4であること
が好ましい。 本発明のシラトラン化合物は、ほとんどの場合
常温常圧に於いては一定の融点を有する結晶状の
固体であり、まれに粘稠物である。 該シラトラン化合物が前記一般式(1)で示される
化学構造であることは一般に次の(イ)〜(ニ)の手段に
よつて確認、固定することが出来る。 (イ) 赤外吸収スペクトル(IR)を測定すること
によりシラトラン化合物分子内に存在する特徴
的な化学結合ならびに官能基の種類を確認する
ことが出来る。例えば該シラトラン化合物は
3000〜2800cm-1付近にCH結合に基づく吸収、
1650〜1620cm-1にCR=N結合に基づく吸収を
示す。さらに該シラトラン化合物中の置換基X
がアルコキシカルボニル基の場合には1710cm-1
付近にエステル基のカルボニル結合に基づく強
い吸収を示す。 (ロ) 質量スペクトル(MS)を測定し、観察され
る各ピーク(一般にはイオンの分子量mを荷電
数eで割つたm/eで表わされる数)に相当す
る組成式を算出することにより、測定に供した
試料の結合様式さらに終局的にはその分子量を
推定することが出来る。即ち、測定に供した試
料を一般式 (但し、Xは、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ
基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基
又はビス(ハロアルキル)アミノ基であり、R
は水素原子又はアルキル基であり、nは1以上
の整数である。)で表わした場合、一般に分子
量に相当する分子イオンピーク(M 、分子イ
オンピークからC6H4Xが脱離したM −
C6H4Xに相当するピーク、およびm/e174に
N(CH2CH2O)3Si に相当する強いピークが現
われる。 (ハ) 13C−核磁気共鳴スペクトル( 13C−
NMR)を測定することにより、測定に供した
シラトラン化合物中の炭素原子の個数、炭素鎖
の配列様式、炭素原子の結合様式を知ることが
出来る。即ち 13C−NMR(テトラメチルシラ
ン基準)に於いて、上記一般式中の置換基Xに
かかわらず、6個の特有なピークが観察され、
一般的にそれぞれのピークの化学シフトの概値
(δ、ppm)は、n=3の場合以下の様に帰属
することが出来る。 又、上記一般式中の芳香環を構成する6個の
炭素原子の各ピークのシフト値は置換基Xの種
類によつて変動するが一般に110〜150ppmに観
察される。さらに置換基Xが炭素原子を含む基
であるアルキルチオ基、アルコキシカルボニル
基、ビス(ハロアルキル)アミノ基である場合
にはそれぞれの炭素原子に対応するピークが特
定の位置に観察されることは当然である。 (ニ) 元素分析によつて炭素、水素、窒素、ケイ素
(さらにハロゲン、イオウを含む場合にはハロ
ゲンならびにイオウ)の各重量%を求め、次い
で認知された各元素の重量%の和を100から減
じることにより、酸素の重量%を算出すること
が出来、従つて該シラトラン化合物の組成式を
決定することが出来る。 本発明のシラトラン化合物は前記一般式中の
置換基Xの種類によつてその性状が多少異なる
が、一般には常温常圧に於いては白色、淡黄
色、淡褐色、黄色、橙黄色、橙色、赤色、深赤
色の結晶状固体であるが、粘稠物である場合も
ある。該シラトラン化合物はクロロホルム、メ
チレンクロリド等の塩素系溶剤、メタノール、
エタノール等のアルコール系溶剤、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等
の極性非水溶媒等には比較的よく溶け、ベンゼ
ン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等には可溶であり、ヘキサン、エーテル、リ
グロインには難溶であり、水には不溶である。 本発明のシラトラン化合物の製造方法は特に
限定されず、如何なる方法によつてもよい。一
般に好適に採用される代表的な製造方法を以下
に説明する。即ち、一般式 (但し、Xは、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ
基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基又
はビス(ハロアルキル)アミノ基であり、Rは水
素原子又はアルキル基であり、nは1以上の整数
であり、R′はアルキル基である。)で示されるト
リアルコキシシランとトリエタノールとを反応さ
せることによつて好収率で目的とする本発明のシ
ラトラン化合物を得ることが出来る。上記反応式
を示せば下記の通りである。 上記式で示されるトリアルコキシシランは、そ
の製法に限定されず、公知の製法で得られるもの
が特に制限されず使用出来る。一般式中のR′で
示されるアルキル基の具体例としてはメチル基、
エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、
n−ブチル基等が挙げられる。また、上記の反応
には触媒を用いることが好ましい。触媒として
は、ケイ素に結合したアルコキシ基を切断してト
リエタノールアミンとの交換反応を行なわせるも
のであれば特に限定されず使用することが出来る
が、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム等のアルカリ金属の水酸化物で代表され
る塩基性化合物の少量でしかも効果的である場合
が多いので好適である。上記反応の代表例は後述
する実施例で詳述する。該反応は無溶媒に於いて
も実施することが出来るが、通常溶媒の存在下に
実施するのが一般的である。該溶媒としては、原
料、生成物あるいは触媒と反応しない溶媒であれ
ば特に限定されず使用することが出来、一般には
エタノール、メタノール、イソプロピルアルコー
ル等のアルコール系溶媒、ジメトキシエタン、ジ
オキサン、アセトニトリル等が好適に使用され
る。また前記反応条件は特に限定されるものでは
ないが、一般には0〜200℃、好ましくは20〜150
℃の温度下に数分〜数日、通常5分〜50時間の範
囲で選べば充分である。また反応圧力は大気圧下
で充分反応が進行するので通常は常圧で実施すれ
ば良く、必要に応じて加圧下あるいは減圧下で実
施することも出来る。 また、本発明のシラトラン化合物はアミノアル
キルシラトランと置換ベンゾイル化合物とを反応
させることによつても好収率で得ることが出来
る。該反応式を示せば下記の通りである。 上記反応の代表例は後述する実施例で詳述する
が、該反応は通常溶媒の存在下に実施するのが一
般的である。該溶媒としては原料又は生成物と反
応しない溶媒であれば特に限定されず使用するこ
とが出来、一般にはベンゼン、トルエン、エタノ
ール、プロパノール、アセトニトリル、N,N−
ジメチルホルムアミド、クロロホルム、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等が
好適に使用される。また前記反応条件は特に限定
されるものではないが、一般には0〜200℃、好
ましくは20〜150℃の温度下に数分〜数日、通常
10分〜50時間の範囲に選べば充分である。また該
反応にいわゆる脱水反応であり、反応の進行と共
に水が生成するので、溶媒として水と共沸する性
質を有するベンゼン、クロロホルム、エタノール
を用い、反応液を加熱還流させ、生成した水を共
沸させて系外に除去する手段を用いたり、必要に
応じて脱水剤や脱水触媒を用いることは、該反応
を効率的に進行させる上で好都合である。 本発明のシラトラン化合物は、通常上述のいず
れの反応式に従つても、各原料を等モル比で用い
て好収率で得られる。該シラトラン化合物が、反
応終了後、結晶として析出する場合には、結晶を
濾過することによつて極めて純品で得ることが出
来る。また、該シラトラン化合物が反応終了後に
於いても溶液中に溶解している場合には溶媒等の
揮発成分を、常圧蒸留、減圧蒸留、真空蒸留等の
手段によつて除くことにより得られる。このよう
にして得られたシラトラン化合物は一般に純品で
あるが、さらに高純度のシラトラン化合物を得る
必要がある場合には、再結晶、再沈澱等の精製方
法を用いることも出来る。 本発明のシラトラン化合物は著しく生理活性に
すぐれていて、特に制癌活性にすぐれた効果を発
揮する。例えばマウスにおけるエールリツヒ復水
癌、ラツトにおけるウオーカーカルシノサルコー
マ256腹水癌、およびマウスにおける388白血病に
対して極めて強力な制癌効果を発揮する。これら
の効果から本発明のシラトラン化合物は各種癌の
予防、治療または処理の目的に好適に使用するこ
とができる。本発明のシラトラン化合物は、後述
する比較例からも明らかなとおり、先に述べたル
ケヴイツチらの合成したシラトラン誘導体に比し
て著しく高い制癌活性を有している。このように
高い制癌活性はシラトラン化合物のシラトラン構
造に起因しているが、芳香環に置換した置換基の
種類にも大きく起因しているものと考えられる。 本発明のシラトラン化合物を制癌剤として使用
する使用形態は公知の如何なる形態でも使用する
ことができる。該使用形態の代表的なものを例示
すると、経口、非経口(例えば筋注、静注、皮
下、腹腔内、直腸内)または局所投与のいずれか
によつても患者に投与することができる。その際
の有効成分であるシラトラン化合物の有効投与量
は、投与すべき患者の年令、体重、症状の軽重、
癌の種類等に応じて異なるが、一般には、200〜
0.002mg/Kg日、好ましくは50〜0.02mg/Kg/日
とすることができる。該1日の投与量は1日1回
のみ又は1日数回(3〜5回)に分けて投与する
ことができる。また、上記の投与量は単なる指針
であり、処置を行なう医師の判断により、上記範
囲を越えて投与することも可能であることはいう
までもない。 上記有効成分の投与にあたつて、上記シラトラ
ン化合物は、希望とする投与方法(経口、非経口
又は局所)に応じて、種々の剤形に製剤すること
ができる。 例えば、経口投与に際しては、錠剤、丸薬、摺
衣剤、散薬包、顆粒、シロツプ、カプセル剤等の
剤形に製剤することができ、また、非経口投与に
際しては、溶液又は懸濁液、坐薬等の剤形に製剤
することができ、さらに局所投与に際しては、軟
膏、硬膏、クリーム等の剤形に製剤することがで
きる。 これら製剤中における有効成分の濃度は特に制
限されるものではなく、剤形に応じて広範に変え
ることができるが、一般には0.05〜90重量%、好
ましくは1〜60重量%程度の濃度とすることがで
きる。 上記製剤に使用しうる賦形剤としては当該分野
で常用されているものはいずれも使用可能であ
り、固体形態の製剤に対しては、例えば、乳糖、
しよ糖、でん粉、グリシン、結晶セルロース、マ
ンニツト、ステアリン酸マグネシウム、流動パラ
フイン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等
が挙げられ、また、液体形態の製剤に対しては、
例えば生理食塩水、界面活性剤液、ぶどう糖液、
アルコール、エステル類等が挙げられる。 かかる製剤の具体例を示せば次のとおりであ
る。 製剤例 1 :注射剤 シラトラン化合物の所定量を含有するようにバ
イアルに無菌的に分配し、密封して水分およびバ
クテリアを除去する。使用前にリドカイン0.5%
を含む生理食塩水の所定量を添加して注射剤とす
ればよい。 製剤例 2 :カプセル剤 ステアリン酸マグネシウム0.6重量部に乳糖4.5
重量部を加えて撹拌混合することにより均一と
し、さらに乳糖5重量部と結晶セルロース重量部
を加えて混合する。この混合物に予め微粉末化し
た前記シラトラン化合物20重量部加えて、再度混
合することにより調製粉末を得る。この粉末をカ
プセル充填機を用いゼラチンカプセルに充填する
ことによりカプセル剤を製造すればよい。 製剤例 3 :軟こう剤 ステアリルアルコール10重量部、流動パラフイ
ン20重量部およびワセリン160重量部を80℃に加
温溶解した後、コレステロール0.5重量部ならび
に予め微粉末化した前記シラトラン化合物10重量
部をよく撹拌しながら加え、さらによく撹拌を行
つた後、室温に放置し、適当な硬さにして軟こう
剤を得るとよい。 製剤例 4 :錠 剤 シラトラン化合物25重量部とマンニツト20重量
部をよく混合粉砕した後、でんぷん糊として馬鈴
署でんぷん4.7重量部を加えて粒状化する。この
粒子を60メツシユふるいを通し、乾燥して所定の
重量とし16メツシユふるいにかける。次に、この
粒子をステアリン酸マグネシウム0.3重量部と混
合して、なめらかにし、通常の方法により錠剤成
型機により圧縮して適当な大きさの錠剤とすれば
よい。 以下に本発明の制癌剤において有効成分として
使用されるシラトラン化合物及びその製造例並び
に薬理活性試験法及びその結果を示す。しかしな
がら、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例 1 N−(P−エトキシカルボニルフエニルメチリ
デン)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
(9.75g)、トリエタノールアミン(3.81g)、水
酸化カリウム(0.30g)およびエタノール(30
ml)の混合物を3時間加熱還流した後、実施例1
と同様に後処理を施し、エタノールから再結晶す
ることによつて融点131.5〜133.5℃の白色結晶
(5.09g)を得た。該生成物について赤外吸収ス
ペクトルを測定したところ、第1図に示すような
スペクトルが得られ、1710cm-1にCOOC2H5基の
カルボニル結合に基づく吸収、1640cm-1にCH=
N結合に基づく吸収を示した。その元素分析値は
C56.93%、H7.18%、N7.00%であつて。
C19H28N2O5Si(392.52なる組成式に対する計算値
であるC58.13%、H7.19%に一致した。また、質
量スペクトルを測定したところ、m/e391にM
−Hに対応するピーク、m/e243にM −
C6H4COOC2H5に対応するピーク、m/e174N
(CH2CH2O)3Si に対応するピークを示した。さ
らに 13C−NMRを測定した結果、観察される各
ピークは次の様に帰属された(化学シフト値δ、
ppm。 以上の結果から、得られた白色結晶がN−(P
−エトキシカルボニルフエニルメチリデン)−γ
−アミノプロピルシラトランであることが明らか
となつた。収率は50.7%であつた。 実施例 2 N−〔P−ビス(β−クロロエチル)アミノフ
エニルメチリデン〕−γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン(7.04g)、トリエタノールアミン
(2.68g)、水酸化カリカム(0.80g))エタノー
ル(20ml)の混合物を40分間加熱還流した後、冷
所に一旦放置したところ融点146.5〜148.5℃の淡
黄色結晶(6.04g)が得られた。該生成物につい
て赤外吸収スペクトルを測定したところ、第2図
に示すようなスペクトルが得られ、1625cm-1に
CH=N結合に基づく吸収を示した。その元素分
析値はC51.95%、H6.66%、N8.86%であつて、
C20H31N3O3Cl2Si(460.47)なる組成式に対する
計算値であるC52.16%、H6.79%、N9.13%によ
く一致した。また、質量スペクトルを測定したと
ころ、m/e461と459にM に対応するピーク、
m/e219と217に
基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基又
はビス(ハロアルキル)アミノ基であり、Rは水
素原子又はアルキル基であり、nは1以上の整数
である。)で示されるシラトラン化合物及び該シ
ラトラン化合物を有効成分とする制癌剤を提供す
るものである。 (従来の技術) 有機ケイ素化合物については、合成や生理活性
について研究が重ねられており、特定の有機ケイ
素化合物群が制癌活性や抗菌活性等の優れた生理
活性を有することが知られている。 有機ケイ素化合物のうち、下記式で示されるシ
ラトランと呼ばれる化合物は、抗菌・抗カビ作
用、殺虫作用、殺鼠作用、発毛促進作用、抗腫腸
作用等の種々の生理活性を有することが見い出さ
れている。 (但し、Rは置換又は非置換のアルキル基、アル
コキシ基、フエニル基を示す。)さらにルゲヴイ
ツチらは、下記式で示されるシラトラン誘導体を
合成し、数種のマウス癌細胞に対する制癌活性を
測定した結果、エールリツヒ癌に対してのみ若干
の効果を示すことを報告している〔Izv.Akad.
Nauk.Latv.SSR、338(1978)〕。 (但し、XはCl、OH、OCH3、NO2、N
(C2H5)2を示す。) (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、これらの化合物の制癌剤として
の効果は、未だ不十分であり、さらに優れた制癌
効果を有する化合物の探索が望まれている。 (問題点を解決するための手段及び効果) 本発明者は長年に渡り、数多くの新規な有機ケ
イ素化合物を合成し、該有機ケイ素化合物に関す
る種々の生理活性作用に関する研究を続けて来
た。 その結果、本発明者は、芳香環に特定の置換基
を有する一群のシラトラン化合物を合成すること
に成功し、該化合物群が比類のない顕著な制癌活
性を発現することを見出し、本発明を完成し、こ
こに提案するに至つた。 即ち、本発明は、下記一般式(1) (但し、Xは、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ
基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基又
はビス(ハロアルキル)アミノ基であり、Rは水
素原子又はアルキル基であり、nは1以上の整数
である。)で示されるシラトラン化合物及び該シ
ラトラン化合物を有効成分とする制癌剤である。 本発明に於いては、シラトラン化合物のベンゼ
ン環に置換した基の種類は、上記したように、臭
素原子、ヨウ素原子、シアノ基、アルキルチオ
基、アルコキシカルボニル基又はビス(ハロアル
キル)アミノ基であることが重要である。上記の
臭素原子やヨウ素原子と同じハロゲン原子である
塩素原子やフツ素原子では本発明の効果を得るこ
とができない。例えば、後述する比較例からも明
らかなとおり塩素原子を置換基とする化合物の制
癌効果は、臭素原子やヨウ素原子を置換基とする
本発明のシラトラン化合物の制癌効果に比べて極
めて劣つたものとなつている。 このような事実から、本発明のシラトラン化合
物の制癌効果は、そのベンゼン環に置換した種類
に大きく基因しているものと思われる。 上記一般式(1)中、Xで示されるアルキルチオ基
の炭素数は特に限定されないが、後述する制癌効
果の面からは、炭素数が1〜4のものが好まし
い。このような基を具体的に例示すると、例え
ば、メルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ
基、ブチルチオ基等が挙げられる。 また、上記一般式(1)中、Xで示されるアルコキ
シカルボニル基の炭素数も特に制限されないが、
やはり、制癌効果の面から、炭素数が1〜4のも
のが好ましい。このような基を例示すると、メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロ
ポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が
挙げられる。 さらに、一般式(1)中、Xで示されるビス(ハロ
アルキル)アミノ基のハロアルキル基としては、
炭素数には特に制限されないが、この場合もやは
り制癌効果の面から炭素数が1〜4のものが好ま
しい。また、アルキル基の置換基であるハロゲン
原子として、フツ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原
子が使用し得る。 また、一般式(1)中、Rで示されるアルキル基と
しては、炭素数には特に制限されないが、原料の
入手の容易さから、炭素数は1〜4であることが
が好ましい。このようなアルキル基は、具体的に
例示するとメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基等が挙げられる。 さらに、前記一般式(1)中、nは1以上の整数で
あれば良い。しかし、原料の入手の容易さから、
nは1〜4の整数、特に1、3又は4であること
が好ましい。 本発明のシラトラン化合物は、ほとんどの場合
常温常圧に於いては一定の融点を有する結晶状の
固体であり、まれに粘稠物である。 該シラトラン化合物が前記一般式(1)で示される
化学構造であることは一般に次の(イ)〜(ニ)の手段に
よつて確認、固定することが出来る。 (イ) 赤外吸収スペクトル(IR)を測定すること
によりシラトラン化合物分子内に存在する特徴
的な化学結合ならびに官能基の種類を確認する
ことが出来る。例えば該シラトラン化合物は
3000〜2800cm-1付近にCH結合に基づく吸収、
1650〜1620cm-1にCR=N結合に基づく吸収を
示す。さらに該シラトラン化合物中の置換基X
がアルコキシカルボニル基の場合には1710cm-1
付近にエステル基のカルボニル結合に基づく強
い吸収を示す。 (ロ) 質量スペクトル(MS)を測定し、観察され
る各ピーク(一般にはイオンの分子量mを荷電
数eで割つたm/eで表わされる数)に相当す
る組成式を算出することにより、測定に供した
試料の結合様式さらに終局的にはその分子量を
推定することが出来る。即ち、測定に供した試
料を一般式 (但し、Xは、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ
基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基
又はビス(ハロアルキル)アミノ基であり、R
は水素原子又はアルキル基であり、nは1以上
の整数である。)で表わした場合、一般に分子
量に相当する分子イオンピーク(M 、分子イ
オンピークからC6H4Xが脱離したM −
C6H4Xに相当するピーク、およびm/e174に
N(CH2CH2O)3Si に相当する強いピークが現
われる。 (ハ) 13C−核磁気共鳴スペクトル( 13C−
NMR)を測定することにより、測定に供した
シラトラン化合物中の炭素原子の個数、炭素鎖
の配列様式、炭素原子の結合様式を知ることが
出来る。即ち 13C−NMR(テトラメチルシラ
ン基準)に於いて、上記一般式中の置換基Xに
かかわらず、6個の特有なピークが観察され、
一般的にそれぞれのピークの化学シフトの概値
(δ、ppm)は、n=3の場合以下の様に帰属
することが出来る。 又、上記一般式中の芳香環を構成する6個の
炭素原子の各ピークのシフト値は置換基Xの種
類によつて変動するが一般に110〜150ppmに観
察される。さらに置換基Xが炭素原子を含む基
であるアルキルチオ基、アルコキシカルボニル
基、ビス(ハロアルキル)アミノ基である場合
にはそれぞれの炭素原子に対応するピークが特
定の位置に観察されることは当然である。 (ニ) 元素分析によつて炭素、水素、窒素、ケイ素
(さらにハロゲン、イオウを含む場合にはハロ
ゲンならびにイオウ)の各重量%を求め、次い
で認知された各元素の重量%の和を100から減
じることにより、酸素の重量%を算出すること
が出来、従つて該シラトラン化合物の組成式を
決定することが出来る。 本発明のシラトラン化合物は前記一般式中の
置換基Xの種類によつてその性状が多少異なる
が、一般には常温常圧に於いては白色、淡黄
色、淡褐色、黄色、橙黄色、橙色、赤色、深赤
色の結晶状固体であるが、粘稠物である場合も
ある。該シラトラン化合物はクロロホルム、メ
チレンクロリド等の塩素系溶剤、メタノール、
エタノール等のアルコール系溶剤、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等
の極性非水溶媒等には比較的よく溶け、ベンゼ
ン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等には可溶であり、ヘキサン、エーテル、リ
グロインには難溶であり、水には不溶である。 本発明のシラトラン化合物の製造方法は特に
限定されず、如何なる方法によつてもよい。一
般に好適に採用される代表的な製造方法を以下
に説明する。即ち、一般式 (但し、Xは、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ
基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基又
はビス(ハロアルキル)アミノ基であり、Rは水
素原子又はアルキル基であり、nは1以上の整数
であり、R′はアルキル基である。)で示されるト
リアルコキシシランとトリエタノールとを反応さ
せることによつて好収率で目的とする本発明のシ
ラトラン化合物を得ることが出来る。上記反応式
を示せば下記の通りである。 上記式で示されるトリアルコキシシランは、そ
の製法に限定されず、公知の製法で得られるもの
が特に制限されず使用出来る。一般式中のR′で
示されるアルキル基の具体例としてはメチル基、
エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、
n−ブチル基等が挙げられる。また、上記の反応
には触媒を用いることが好ましい。触媒として
は、ケイ素に結合したアルコキシ基を切断してト
リエタノールアミンとの交換反応を行なわせるも
のであれば特に限定されず使用することが出来る
が、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム等のアルカリ金属の水酸化物で代表され
る塩基性化合物の少量でしかも効果的である場合
が多いので好適である。上記反応の代表例は後述
する実施例で詳述する。該反応は無溶媒に於いて
も実施することが出来るが、通常溶媒の存在下に
実施するのが一般的である。該溶媒としては、原
料、生成物あるいは触媒と反応しない溶媒であれ
ば特に限定されず使用することが出来、一般には
エタノール、メタノール、イソプロピルアルコー
ル等のアルコール系溶媒、ジメトキシエタン、ジ
オキサン、アセトニトリル等が好適に使用され
る。また前記反応条件は特に限定されるものでは
ないが、一般には0〜200℃、好ましくは20〜150
℃の温度下に数分〜数日、通常5分〜50時間の範
囲で選べば充分である。また反応圧力は大気圧下
で充分反応が進行するので通常は常圧で実施すれ
ば良く、必要に応じて加圧下あるいは減圧下で実
施することも出来る。 また、本発明のシラトラン化合物はアミノアル
キルシラトランと置換ベンゾイル化合物とを反応
させることによつても好収率で得ることが出来
る。該反応式を示せば下記の通りである。 上記反応の代表例は後述する実施例で詳述する
が、該反応は通常溶媒の存在下に実施するのが一
般的である。該溶媒としては原料又は生成物と反
応しない溶媒であれば特に限定されず使用するこ
とが出来、一般にはベンゼン、トルエン、エタノ
ール、プロパノール、アセトニトリル、N,N−
ジメチルホルムアミド、クロロホルム、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等が
好適に使用される。また前記反応条件は特に限定
されるものではないが、一般には0〜200℃、好
ましくは20〜150℃の温度下に数分〜数日、通常
10分〜50時間の範囲に選べば充分である。また該
反応にいわゆる脱水反応であり、反応の進行と共
に水が生成するので、溶媒として水と共沸する性
質を有するベンゼン、クロロホルム、エタノール
を用い、反応液を加熱還流させ、生成した水を共
沸させて系外に除去する手段を用いたり、必要に
応じて脱水剤や脱水触媒を用いることは、該反応
を効率的に進行させる上で好都合である。 本発明のシラトラン化合物は、通常上述のいず
れの反応式に従つても、各原料を等モル比で用い
て好収率で得られる。該シラトラン化合物が、反
応終了後、結晶として析出する場合には、結晶を
濾過することによつて極めて純品で得ることが出
来る。また、該シラトラン化合物が反応終了後に
於いても溶液中に溶解している場合には溶媒等の
揮発成分を、常圧蒸留、減圧蒸留、真空蒸留等の
手段によつて除くことにより得られる。このよう
にして得られたシラトラン化合物は一般に純品で
あるが、さらに高純度のシラトラン化合物を得る
必要がある場合には、再結晶、再沈澱等の精製方
法を用いることも出来る。 本発明のシラトラン化合物は著しく生理活性に
すぐれていて、特に制癌活性にすぐれた効果を発
揮する。例えばマウスにおけるエールリツヒ復水
癌、ラツトにおけるウオーカーカルシノサルコー
マ256腹水癌、およびマウスにおける388白血病に
対して極めて強力な制癌効果を発揮する。これら
の効果から本発明のシラトラン化合物は各種癌の
予防、治療または処理の目的に好適に使用するこ
とができる。本発明のシラトラン化合物は、後述
する比較例からも明らかなとおり、先に述べたル
ケヴイツチらの合成したシラトラン誘導体に比し
て著しく高い制癌活性を有している。このように
高い制癌活性はシラトラン化合物のシラトラン構
造に起因しているが、芳香環に置換した置換基の
種類にも大きく起因しているものと考えられる。 本発明のシラトラン化合物を制癌剤として使用
する使用形態は公知の如何なる形態でも使用する
ことができる。該使用形態の代表的なものを例示
すると、経口、非経口(例えば筋注、静注、皮
下、腹腔内、直腸内)または局所投与のいずれか
によつても患者に投与することができる。その際
の有効成分であるシラトラン化合物の有効投与量
は、投与すべき患者の年令、体重、症状の軽重、
癌の種類等に応じて異なるが、一般には、200〜
0.002mg/Kg日、好ましくは50〜0.02mg/Kg/日
とすることができる。該1日の投与量は1日1回
のみ又は1日数回(3〜5回)に分けて投与する
ことができる。また、上記の投与量は単なる指針
であり、処置を行なう医師の判断により、上記範
囲を越えて投与することも可能であることはいう
までもない。 上記有効成分の投与にあたつて、上記シラトラ
ン化合物は、希望とする投与方法(経口、非経口
又は局所)に応じて、種々の剤形に製剤すること
ができる。 例えば、経口投与に際しては、錠剤、丸薬、摺
衣剤、散薬包、顆粒、シロツプ、カプセル剤等の
剤形に製剤することができ、また、非経口投与に
際しては、溶液又は懸濁液、坐薬等の剤形に製剤
することができ、さらに局所投与に際しては、軟
膏、硬膏、クリーム等の剤形に製剤することがで
きる。 これら製剤中における有効成分の濃度は特に制
限されるものではなく、剤形に応じて広範に変え
ることができるが、一般には0.05〜90重量%、好
ましくは1〜60重量%程度の濃度とすることがで
きる。 上記製剤に使用しうる賦形剤としては当該分野
で常用されているものはいずれも使用可能であ
り、固体形態の製剤に対しては、例えば、乳糖、
しよ糖、でん粉、グリシン、結晶セルロース、マ
ンニツト、ステアリン酸マグネシウム、流動パラ
フイン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等
が挙げられ、また、液体形態の製剤に対しては、
例えば生理食塩水、界面活性剤液、ぶどう糖液、
アルコール、エステル類等が挙げられる。 かかる製剤の具体例を示せば次のとおりであ
る。 製剤例 1 :注射剤 シラトラン化合物の所定量を含有するようにバ
イアルに無菌的に分配し、密封して水分およびバ
クテリアを除去する。使用前にリドカイン0.5%
を含む生理食塩水の所定量を添加して注射剤とす
ればよい。 製剤例 2 :カプセル剤 ステアリン酸マグネシウム0.6重量部に乳糖4.5
重量部を加えて撹拌混合することにより均一と
し、さらに乳糖5重量部と結晶セルロース重量部
を加えて混合する。この混合物に予め微粉末化し
た前記シラトラン化合物20重量部加えて、再度混
合することにより調製粉末を得る。この粉末をカ
プセル充填機を用いゼラチンカプセルに充填する
ことによりカプセル剤を製造すればよい。 製剤例 3 :軟こう剤 ステアリルアルコール10重量部、流動パラフイ
ン20重量部およびワセリン160重量部を80℃に加
温溶解した後、コレステロール0.5重量部ならび
に予め微粉末化した前記シラトラン化合物10重量
部をよく撹拌しながら加え、さらによく撹拌を行
つた後、室温に放置し、適当な硬さにして軟こう
剤を得るとよい。 製剤例 4 :錠 剤 シラトラン化合物25重量部とマンニツト20重量
部をよく混合粉砕した後、でんぷん糊として馬鈴
署でんぷん4.7重量部を加えて粒状化する。この
粒子を60メツシユふるいを通し、乾燥して所定の
重量とし16メツシユふるいにかける。次に、この
粒子をステアリン酸マグネシウム0.3重量部と混
合して、なめらかにし、通常の方法により錠剤成
型機により圧縮して適当な大きさの錠剤とすれば
よい。 以下に本発明の制癌剤において有効成分として
使用されるシラトラン化合物及びその製造例並び
に薬理活性試験法及びその結果を示す。しかしな
がら、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例 1 N−(P−エトキシカルボニルフエニルメチリ
デン)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
(9.75g)、トリエタノールアミン(3.81g)、水
酸化カリウム(0.30g)およびエタノール(30
ml)の混合物を3時間加熱還流した後、実施例1
と同様に後処理を施し、エタノールから再結晶す
ることによつて融点131.5〜133.5℃の白色結晶
(5.09g)を得た。該生成物について赤外吸収ス
ペクトルを測定したところ、第1図に示すような
スペクトルが得られ、1710cm-1にCOOC2H5基の
カルボニル結合に基づく吸収、1640cm-1にCH=
N結合に基づく吸収を示した。その元素分析値は
C56.93%、H7.18%、N7.00%であつて。
C19H28N2O5Si(392.52なる組成式に対する計算値
であるC58.13%、H7.19%に一致した。また、質
量スペクトルを測定したところ、m/e391にM
−Hに対応するピーク、m/e243にM −
C6H4COOC2H5に対応するピーク、m/e174N
(CH2CH2O)3Si に対応するピークを示した。さ
らに 13C−NMRを測定した結果、観察される各
ピークは次の様に帰属された(化学シフト値δ、
ppm。 以上の結果から、得られた白色結晶がN−(P
−エトキシカルボニルフエニルメチリデン)−γ
−アミノプロピルシラトランであることが明らか
となつた。収率は50.7%であつた。 実施例 2 N−〔P−ビス(β−クロロエチル)アミノフ
エニルメチリデン〕−γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン(7.04g)、トリエタノールアミン
(2.68g)、水酸化カリカム(0.80g))エタノー
ル(20ml)の混合物を40分間加熱還流した後、冷
所に一旦放置したところ融点146.5〜148.5℃の淡
黄色結晶(6.04g)が得られた。該生成物につい
て赤外吸収スペクトルを測定したところ、第2図
に示すようなスペクトルが得られ、1625cm-1に
CH=N結合に基づく吸収を示した。その元素分
析値はC51.95%、H6.66%、N8.86%であつて、
C20H31N3O3Cl2Si(460.47)なる組成式に対する
計算値であるC52.16%、H6.79%、N9.13%によ
く一致した。また、質量スペクトルを測定したと
ころ、m/e461と459にM に対応するピーク、
m/e219と217に
【式】
に対応するピーク、m/e174のN(CH2CH2O)3Si
に対応するピークを示した。さらに、 13C−
NMRを測定した結果、観察されるピークは次の
様に帰属された(化学シフト値δ、ppm)。 以上の結果から、得られた淡黄色結晶がN−
〔P−ビス(β−クロロエチル)アミノフエニル
メチリデン〕−γ−アミノプロピルシラトランで
あることが明らかとなつた。収率は79.5%であつ
た。 実施例 3 γ−アミノプロピルシラトラン(4.65g)P−
エトキシカルボニルベンズアルデヒド(3.56g)、
ベンゼン(70ml)の混合物を3時間加熱還流さ
せ、生成する水を共沸させることにより除去しな
がら反応させることにより実施例1で得られた生
成物と同じN−(P−エトキシカルボニルフエニ
ルメチリデン)−γ−アミノプロピルシラトラン
(3.08g)を得た。 実施例 4 N−〔P−ビス(β−クロロエチル)アミノフ
エニルメチリデン〕−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン(5.03g)、トリエタノールアミン
(1.84g)、水酸化リチウム(0.3g)、メタノール
(20ml)の混合物を実施例2と同様に反応させる
ことにより、実施例2で得られた生成物と同じN
−〔P−ビス(β−クロロエチル)アミノフエニ
ルメチリデン〕−γ−アミノプロピルシラトラン
(4.56g)を得た。 実施例 5 実施例1又は3に記載したのと同様な方法によ
つて下記一般式で示されるシラトラン化合物を合
成した。シラトラン化合物の構造。物性値、機器
分析結果、収量(収率)ならびに反応混合組成を
併せて第1表に示した。なお、第1表に示した化
合物の質量スペクトルを測定したところ、全ての
化合物について分子量に相当する分子イオンピー
ク(M )とm/e174にシラトラニル基、すなわ
ちN(CH2CH2O)3Si に対応するピークが観察さ
れた。
に対応するピークを示した。さらに、 13C−
NMRを測定した結果、観察されるピークは次の
様に帰属された(化学シフト値δ、ppm)。 以上の結果から、得られた淡黄色結晶がN−
〔P−ビス(β−クロロエチル)アミノフエニル
メチリデン〕−γ−アミノプロピルシラトランで
あることが明らかとなつた。収率は79.5%であつ
た。 実施例 3 γ−アミノプロピルシラトラン(4.65g)P−
エトキシカルボニルベンズアルデヒド(3.56g)、
ベンゼン(70ml)の混合物を3時間加熱還流さ
せ、生成する水を共沸させることにより除去しな
がら反応させることにより実施例1で得られた生
成物と同じN−(P−エトキシカルボニルフエニ
ルメチリデン)−γ−アミノプロピルシラトラン
(3.08g)を得た。 実施例 4 N−〔P−ビス(β−クロロエチル)アミノフ
エニルメチリデン〕−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン(5.03g)、トリエタノールアミン
(1.84g)、水酸化リチウム(0.3g)、メタノール
(20ml)の混合物を実施例2と同様に反応させる
ことにより、実施例2で得られた生成物と同じN
−〔P−ビス(β−クロロエチル)アミノフエニ
ルメチリデン〕−γ−アミノプロピルシラトラン
(4.56g)を得た。 実施例 5 実施例1又は3に記載したのと同様な方法によ
つて下記一般式で示されるシラトラン化合物を合
成した。シラトラン化合物の構造。物性値、機器
分析結果、収量(収率)ならびに反応混合組成を
併せて第1表に示した。なお、第1表に示した化
合物の質量スペクトルを測定したところ、全ての
化合物について分子量に相当する分子イオンピー
ク(M )とm/e174にシラトラニル基、すなわ
ちN(CH2CH2O)3Si に対応するピークが観察さ
れた。
【表】
【表】
実施例 6
実施例1〜5で得られた下記一般式で示される
シラトラン化合物を、界面活性剤ツイーン80を含
む生理食塩水に加えて規定量の試料を含む懸濁液
を作成し、この試料溶液を用いて、マウスのエー
ルリツヒ腹水癌に対する制癌活性を試験した。 即ち、該試料溶液を、エールリツヒ癌細胞数5
×106個を有するスイスマウス(雄)6匹の腹腔
内に0.5mlずつ9日間連続注射投与した。その60
日又は55日間にわたる延命効果の結果から、平均
生存日数(MST)を求め、対照群(30匹)の平
均生存日数と比較することによりT/C(%)を
算出した。即ち、平均生存日数を験体(T)と対
照体(C)について求め、T/C×100(%)で算出し
た。概値は6匹の験体中4匹目が死亡した日数を
平均生存日数とし、これを対照体から同様に求め
た平均生存日数で除した値に100を掛けることる
ことにより求められる。結果を第2表に示す。た
だし、対照群としてはマウス30匹を使用したが表
には6匹としての平均値を記載した。
シラトラン化合物を、界面活性剤ツイーン80を含
む生理食塩水に加えて規定量の試料を含む懸濁液
を作成し、この試料溶液を用いて、マウスのエー
ルリツヒ腹水癌に対する制癌活性を試験した。 即ち、該試料溶液を、エールリツヒ癌細胞数5
×106個を有するスイスマウス(雄)6匹の腹腔
内に0.5mlずつ9日間連続注射投与した。その60
日又は55日間にわたる延命効果の結果から、平均
生存日数(MST)を求め、対照群(30匹)の平
均生存日数と比較することによりT/C(%)を
算出した。即ち、平均生存日数を験体(T)と対
照体(C)について求め、T/C×100(%)で算出し
た。概値は6匹の験体中4匹目が死亡した日数を
平均生存日数とし、これを対照体から同様に求め
た平均生存日数で除した値に100を掛けることる
ことにより求められる。結果を第2表に示す。た
だし、対照群としてはマウス30匹を使用したが表
には6匹としての平均値を記載した。
【表】
【表】
実施例 7
実施例1〜5で得られた下記一般式で示される
シラトラン化合物の規定量を、界面活性剤ツイー
ン80を含む生理食塩水懸濁させて試料溶液を調製
した。 この試料溶液を、腹腔内にウオーカーカルシノ
サルコーマ256癌細胞数1×105個を有するスプラ
グドーレイ系ラツト(雌)6匹に対して、腹腔内
注射を5日間連続して施し2ケ月にわたつて延命
効果を調べた。その結果を第3表に示した。
シラトラン化合物の規定量を、界面活性剤ツイー
ン80を含む生理食塩水懸濁させて試料溶液を調製
した。 この試料溶液を、腹腔内にウオーカーカルシノ
サルコーマ256癌細胞数1×105個を有するスプラ
グドーレイ系ラツト(雌)6匹に対して、腹腔内
注射を5日間連続して施し2ケ月にわたつて延命
効果を調べた。その結果を第3表に示した。
【表】
実施例 8
実施例2で合成したN−〔P−ビス(β−クロ
ロエチル)アミノフエニルメチリデン〕−γ−ア
ミノプロピルシラトランを界面活性剤ツイーン80
を含む生理食塩水に加えて規定量の試料を含む試
料溶液を作成した。試験料溶液を、P388リンパ
白血病癌細胞1×106個を有するCDF1系マウス
(雄)6匹の腹腔内0.5mlづつ9日間連続注射投与
した。30日間にわたる延命効果試験を調べたとこ
ろ、投与量50mg/Kgに於いてT/C(%)は128、
投与量2mg/Kgに於いてはT/C(%)157なる値
を示した。 実施例 9 実施例1に記載したのと同様な方法によつて下
記一般式で示されるシラトラン化合物を合成し、
実施例6と同様にしてマウスのエールリツヒ脱水
癌に対する制癌活性を試験した。該化合物の組成
式および元素分析値、ならびに制癌活性試験結果
を併せて第4表に記載した。なお、第4表に記載
した化合物の質量スペクトルを測定したところ、
全ての化合物について分子量に相当する分子イオ
ンピーク(M )とm/e174にシラトラニル基、
すなわちN(CH2CH2O)3Si に対応するピークが
観察され、さらに赤外吸収スペクトルを測定した
ところ、全ての化合物について1680〜1630cm-1に
CH=N結合に基づく吸収が観察された。
ロエチル)アミノフエニルメチリデン〕−γ−ア
ミノプロピルシラトランを界面活性剤ツイーン80
を含む生理食塩水に加えて規定量の試料を含む試
料溶液を作成した。試験料溶液を、P388リンパ
白血病癌細胞1×106個を有するCDF1系マウス
(雄)6匹の腹腔内0.5mlづつ9日間連続注射投与
した。30日間にわたる延命効果試験を調べたとこ
ろ、投与量50mg/Kgに於いてT/C(%)は128、
投与量2mg/Kgに於いてはT/C(%)157なる値
を示した。 実施例 9 実施例1に記載したのと同様な方法によつて下
記一般式で示されるシラトラン化合物を合成し、
実施例6と同様にしてマウスのエールリツヒ脱水
癌に対する制癌活性を試験した。該化合物の組成
式および元素分析値、ならびに制癌活性試験結果
を併せて第4表に記載した。なお、第4表に記載
した化合物の質量スペクトルを測定したところ、
全ての化合物について分子量に相当する分子イオ
ンピーク(M )とm/e174にシラトラニル基、
すなわちN(CH2CH2O)3Si に対応するピークが
観察され、さらに赤外吸収スペクトルを測定した
ところ、全ての化合物について1680〜1630cm-1に
CH=N結合に基づく吸収が観察された。
【表】
【表】
【表】
比較例
下記一般式で示されるシラトラン化合物につい
て、実施例6と全く同様にして、マウスのエーリ
ツヒ腹水癌に対する制癌活性を試験した。その結
果を第5表に示した。
て、実施例6と全く同様にして、マウスのエーリ
ツヒ腹水癌に対する制癌活性を試験した。その結
果を第5表に示した。
【表】
添付図面第1図は実施例1で得られた化合物の
赤外線吸収スペクトルの測定結果で、同第2図は
実施例2で得られた化合物の赤外吸収スペクトル
の測定結果である。
赤外線吸収スペクトルの測定結果で、同第2図は
実施例2で得られた化合物の赤外吸収スペクトル
の測定結果である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 (但し、Xは、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ
基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基又
はビス(ハロアルキル)アミノ基であり、Rは水
素原子又はアルキル基であり、nは1以上の整数
である。)で示されるシラトラン化合物。 2 一般式 (但し、Xは臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、
アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基又はビ
ス(ハロアルキル)アミノ基であり、Rは水素原
子又はアルキル基であり、nは1以上の整数であ
る。)で示されるシラトラン化合物を有効成分と
する制癌剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19681384A JPS6176494A (ja) | 1984-09-21 | 1984-09-21 | シラトラン化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19681384A JPS6176494A (ja) | 1984-09-21 | 1984-09-21 | シラトラン化合物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6176494A JPS6176494A (ja) | 1986-04-18 |
| JPH0144194B2 true JPH0144194B2 (ja) | 1989-09-26 |
Family
ID=16364081
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19681384A Granted JPS6176494A (ja) | 1984-09-21 | 1984-09-21 | シラトラン化合物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6176494A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3483999B2 (ja) * | 1995-09-14 | 2004-01-06 | 東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社 | プリプレグおよびガラス繊維強化樹脂成形物 |
| DE19534201A1 (de) * | 1995-09-15 | 1997-03-20 | Lohmann Therapie Syst Lts | Zubereitung zur Prophylaxe und/oder Behandlung von Woll- und Haarausfall |
-
1984
- 1984-09-21 JP JP19681384A patent/JPS6176494A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6176494A (ja) | 1986-04-18 |
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