JPH0789855A - 抗腫瘍剤 - Google Patents

抗腫瘍剤

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JPH0789855A
JPH0789855A JP25895993A JP25895993A JPH0789855A JP H0789855 A JPH0789855 A JP H0789855A JP 25895993 A JP25895993 A JP 25895993A JP 25895993 A JP25895993 A JP 25895993A JP H0789855 A JPH0789855 A JP H0789855A
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ruthenium complex
mmol
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JP25895993A
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English (en)
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Masanobu Hidai
眞信 干鯛
Makoto Asano
誠 浅野
Ayako Koda
綾子 幸田
Toshiaki Segawa
俊章 瀬川
Hideo Suzuki
日出夫 鈴木
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規かつ有用な抗腫瘍剤の提供 【構成】 式 【化1】 〔式中、各Xは互いに独立にSR、SeR、TeRまた
はハロゲン原子を示し(上記でRはアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基部分がハロゲン原子及び/また
はアルコキシ基で核置換されていてもよいアラルキル
基、またはハロゲン原子及び/またはアルコキシ基で核
置換されていてもよいアリール基を示す)、Lはペンタ
メチルシクロペンタジエニル基、インデニル基またはピ
ラゾイルボレート基を示すか、またはアルキル基で置換
されていてもよいシクロペンタジエニル基を示し、及び
Z- は生理的に許容される無機酸イオンまたは有機酸イ
オンを示す〕で表されるルテニウム錯体を有効成分とす
る抗腫瘍剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機ルテニウム錯体を有
効成分とする抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来抗腫瘍活性を有するルテニウム含有
化合物としてRu−アミン系誘導体(ACS Symp. Se
r., No.140,157(1980))、Ru−塩基性複素環誘導体
(Cancer Chemother. Pharmacol, 27, 301(1991); Arz
neim.- Forsch./Drug Res., 42, 821(1992) ; New J. C
hem., 14, 389(1990) ; NATO ASI Ser., H37, 1, (199
0) ; 特表昭61−502761)、Ru−DMSO(ジメチル
スルホキシド)誘導体(Inorg. Chem., 27, 4099(198
8); Eur. J. Cancer Clin. Oncol., 20, 841(1984)が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記化合物と
全く異なる有機ルテニウム錯体を有効成分とする新規な
抗腫瘍剤を提供することを目的とする。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明は下式で表される
ルテニウム錯体を有効成分とする抗腫瘍剤に関する。
【0005】
【化2】
【0006】〔式中、各Xは互いに独立にSR、Se
R、TeRまたはハロゲン原子を示し(上記でRはアル
キル基、シクロアルキル基、アリール基部分がハロゲン
原子及び/またはアルコキシ基で核置換されていてもよ
いアラルキル基、またはハロゲン原子及び/またはアル
コキシ基で核置換されていてもよいアリール基を示
す)、Lはペンタメチルシクロペンタジエニル基、イン
デニル基またはピラゾイルボレート基を示すか、または
アルキル基で置換されていてもよいシクロペンタジエニ
ル基を示し、及びZ- は生理的に許容される無機酸イオ
ンまたは有機酸イオンを示す〕。
【0007】上記式Iは以後〔〔LRu(μ2 −X)3
RuL〕+ 〕p Zp-と表現する。またペンタメチルシク
ロペンタジエニル基はRuにペンタメチルシクロペンタ
ジエンがπ結合した状態にある(他のL基も同様)。さ
らに基X中、S、Se及びTeはRu原子に対しμ2 結
合し、Rに対し通常の共有結合をしており、ハロゲン原
子はRu原子に対しμ2 結合している。なお、ハロゲン
原子とRu原子との間のμ2 結合は1個存在する(すな
わちXの1つのみがハロゲン原子である)のが一般的で
あるが、2または3個存在する(すなわちXの2つもし
くは3つすべてがハロゲン原子である)ことも可能であ
る。
【0008】上記式中の各基の定義において、アルキル
基としては炭素数1〜6、特に1〜4の直鎖のまたは分
岐したアルキル基が好ましい。具体的には例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、t−ブチル基等が挙げられるが、シクロペン
タジエニル基の置換基としてのアルキル基の場合はメチ
ル基、エチル基が特に好ましく、置換基の数は1〜4が
可能であるが、1が好ましい。またアルコキシ基として
は炭素数1〜6、特に1〜4の直鎖のまたは分岐したア
ルコキシ基が好ましい。具体的には例えばメトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t
−ブトキシ基等が挙げられるが、メトキシ基、エトキシ
基が特に好ましい。シクロアルキル基としては炭素数3
〜8、特に3〜6のシクロアルキル基が好ましく、具体
的には例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アラ
ルキル基のアリール部分はフェニル基、トリル基、キシ
リル基、ナフチル基等であるが、フェニル基が好まし
く、アラルキル基のアルキル部分は炭素数1〜4、特に
1もしくは2であることが好ましく、アラルキル基とし
て具体的には例えばベンジル基、フェネチル基等が挙げ
られる。アリール基としてはフェニル基、トリル基、キ
シリル基、ナフチル基等が挙げられるが、フエニル基、
トリル基、キシリル基が好ましい。ハロゲン原子として
はフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。生
理的に許容される無機酸イオンとしては特に制限はない
が、例としてハライドイオン(クロリドイオン、ブロミ
ドイオン等)、PF6 イオン、BF4イオン、サルフェート
イオン、ホスフェートイオン等が挙げられ、生理的に許
容される有機酸イオンとしては特に制限はないが、例と
してBPh4 イオン、アセテートイオン、トリフルオロ
アセテートイオン、トリフルオロスルホネートイオン、
マレエートイオン、フマレートイオン、タートレートイ
オン、シトレートイオン、サクシネートイオン等が挙げ
られる。
【0009】本発明の抗腫瘍剤の有効成分としての上記
式Iで表されるルテニウム錯体は例えば以下のようにし
て製造できる。上記式Iで表されるルテニウム錯体中式
I−1 〔LRu(μ2 −SR)3 RuL〕+ Hal- I−1 または式 I−2 〔LRu(μ2 −SR)2 (μ2 −Hal)RuL〕+ Hal- I−2 (式中、L及びRは前記と同義であり、Halはハロゲ
ン原子を示し、Hal-はハロゲンイオンを示す)で表
されるルテニウムチオレート錯体は Hidai, M.ら,Organ
ometallics, 8,1232-1237(1989) 及び Hidai, M.ら,Ino
rg. Chem. 29, 4797〜4801(1990)に製造、物性も含めて
記載されているか、またはそこに記載された方法に準じ
て製造することができる。製造例を後記参考例に掲げ
る。
【0010】本発明の式Iの化合物中、式I−3 〔LRu(μ2 −SeR)3 RuL〕+ Hal- I−3 (式中、L及びRは前記と同義であり、Hal- はハロ
ゲンイオンを示す)で表されるルテニウムセレノラート
錯体は式II
【0011】
【化3】
【0012】(式中、Halはハロゲン原子を示し、L
は前記と同義である。上記式は以下LRu(Hal)
(μ2 −Hal)2 Ru(Hal)Lと表示する)で表
されるルテニウム錯体と式III Me3 SiSeR III (式中、Rは前記と同義である)で表されるセレン化合
物とを不活性有機溶媒中で反応させることにより製造す
ることができる。
【0013】上記反応における式IIの化合物中Hal=
Clの化合物及びその製法は Tilley, T. D.ら, Organo
metallics, 3, 274(1984) 及び Suzuki, H. ら, Chem.
Lett.1161(1984) に記載されており、他の式IIの化合物
も同様にして製造できる。また、式III の化合物中R=
フェニル基またはp-トリル基の化合物及びその製法はそ
れぞれ Schmidt, M.ら, Phosphorous and Sulfur, 26,
163(1986)及びDrake,J. E.らJ. Chem. Soc., Dalton
Trans. 1730(1976)に記載されており、他の式III の化
合物も同様にして製造できる。上記反応における不活性
有機溶媒としてはテトラヒドロフラン、テトラヒドロピ
ラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテルが適
当である。この反応は通常10〜50℃、好ましくは室温で
行われ、5〜12時間、例えば1晩で終了する。
【0014】本発明の式Iの化合物中、式I−4 〔 LRu( μ2-TeR)3RuL〕+ Hal- I−4 (式中、L及びRは前記と同義であり、 Hal- はハロゲ
ンイオンを示す) で表されるルテニウムテルロラート錯
体は式IIで表されるルテニウム錯体とLiBHEt3 とを不活
性有機溶媒中で反応させて式IV
【0015】
【化4】
【0016】〔式中、Hal は前記と同義であり、〔Ru〕
はRuL(式中、L は前記と同義である)を示す〕で表され
るルテニウム錯体とし、ついでこれと式V Me3SiTeR V (式中、Rは前記と同義である)で表される化合物とを
不活性有機溶媒中で反応させることにより製造すること
ができる。
【0017】上記反応中、第1の反応における式IVの化
合物中Hal=Clの化合物及びその製法はFagan, P. J.ら,
J. Am. Chem. Soc.,111, 1698(1989) に記載されてお
り、他の式IVのルテニウム錯体も同様にして製造でき
る。第2の反応における不活性溶媒としてはテトラヒド
ロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ジエチル
エーテル等のエーテルが適当である。この反応は通常10
〜50℃で行われ、0.1 〜1時間で終了する。本発明の式
Iの化合物中、式I−5
【0018】
【化5】
【0019】〔式中、L、X及びYは前記と同義であ
り、Za- はハロゲンイオンを除く Z- (ここで Z- は前
記と同義である) を示す〕で表される化合物は式I−
1、I−2、I−3またはI−4の化合物中の Hal- を
Za- に変換することにより得ることができる。
【0020】この変換は、例えば式I−1、I−2、I
−3またはI−4の化合物のエタノール溶液を室温で攪
拌しつつ、当量のNa+ Za- (ここでZa- は前記と同義で
ある)のエタノール溶液を加えることにより行われ、白
色の沈澱とに目的物を得ることができる。精製は溶媒を
留去した後に残った固体を塩化メチレンで抽出し、再び
溶媒を留去し、残った固体をテトラヒドロフラン/ヘキ
サン系により再結晶することにより行われる。上記各反
応の生成物はシリカゲル等を充填剤とするカラムクロマ
トグラフィー、再結晶、抽出等の既知の精製手段により
単離精製することができるが、各反応中間体は必ずしも
単離精製することを要しない。本発明の抗腫瘍剤の有効
成分としての上記式Iで表されるルテニウム錯体中、好
適なものは前記式I−1、I−2、I−3及びI−4で
表されるルテニウム錯体、及びこれらの錯体中のHal -
が前記Za- に変換されたルテニウム錯体である。
【0021】式Iで表されるルテニウム錯体は通常医薬
担体もしくは希釈剤と併用され医薬組成物として使用す
る。該ルテニウム錯体は非経口的(すなわち、筋肉内、
静脈、皮下注射、直腸投与等)または経口的に投与し、
各投与方法に適した形態に製剤化することができる。注
射剤としての製造形態は、注射用蒸留水もしくは非水溶
液、懸濁剤、乳濁剤を包含する。非水溶媒もしくは媒体
としてはプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、植物油例えばごま油、注射可能なエステル例えばオ
レイン酸エチルが挙げられる。上記形態の製剤はまた保
存剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤等を包含していてもよ
い。該製剤は細菌保持フィルターを通す濾過、組成物へ
の殺菌剤の混入、組成物の照射や加熱によって滅菌する
ことができる。該製剤はまた殺菌固体組成物として製造
し、用時注射用蒸留水等に溶解して使用することもでき
る。
【0022】経口投与組成物は胃腸器官による吸収に適
した形に製剤する。錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒
剤、粉末剤は常用の補助剤、例えば結合剤(シロップ、
アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、
ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース
等)、賦形剤(ラクトース、シュガー、コーンスター
チ、リン酸カルシウム、ソルビット、グリシン等)、滑
沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレ
ングリコール、シリカ等)、崩壊剤(ポテトスターチ、
カルボキシメチルセルロース等)、湿潤剤(ラウリル硫
酸ナトリウム等)を包含することができる。錠剤は常法
によりコーティングすることができる。経口液剤は水も
しくは油懸濁剤、溶液、乳濁剤、シロップ等にしたり、
ドライプロダクトにすることができる。そのような経口
液剤は常用の添加剤、例えば懸濁剤(ソルビットシロッ
プ、メチルセルロース、グルコースシュガーシロップ、
ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル等)、
乳化剤(レシチン、ソルビタンモノオレエート等)、非
水媒体(アーモンド油、やし油等の食用油、プロピレン
グリコール、エチルアルコール等)、保存剤(p−ヒド
ロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、ソルビン酸
等)を包含していてもよい。
【0023】直腸投与組成物は通常坐剤であり、活性成
分の他に、カカオ脂、坐剤用ワックス等の賦形剤を含め
ることができる。本発明の抗腫瘍剤(抗悪性腫瘍剤)は
ヒトをはじめとする哺乳動物の肝癌、肺癌、胃癌、大腸
癌等の癌腫;悪性黒色腫(メラノーマ)、線維肉腫等の
肉腫;及び白血病に有効であると期待される。本抗腫瘍
剤中のルテニウム錯体の量は種々変えることができる
が、一般に 0.1〜99.5%(w/w)、好ましくは 0.5〜95%
(w/w)である。本抗腫瘍剤の活性成分としての投与量
は、対象とするヒトをはじめとする温血動物の種類、投
与経路、症状の軽重、医者の診断等により広範に変える
ことができるが、一般に一日あたり、 0.1〜100mg/kg、
好適には1〜50 mg/kgである。しかし、上記の如く患者
の症状の軽重、医者の診断等に応じて、上記範囲の下限
よりも少ない量または上限よりも多い量を投与すること
も可能である。上記投与量は一日一回または数回に分け
て投与することができる。
【0024】
【実施例】以下、参考例(製造例)及び試験例により本
発明をさらに具体的に説明する。 参考例1 〔Cp* Ru(μ2 −SPh)3RuCp* 〕+ Cl- の
合成〔Ph=フェニル基、Cp* =π−ペンタメチルシ
クロペンタジエニル基(以下同様)〕 塩化メチレン(40mL)中チオフェノール(2.50mL,24.4
mmol)の脱気溶液中にCp* Ru (Cl)(μ2-Cl)2Ru(Cl)Cp*
(2.23g, 3.63mmol)を加え、溶液を24時間攪拌した。暗
褐色生成物溶液にヘキサン(100mL)を添加後、混合物を
−18℃に冷却した。生成した固体を濾取し、ヘキサン
(20mL×2)で洗浄し、ついで塩化メチレン/ヘキサン
より再結晶した。析出した暗褐色針状晶を濾取し、ヘキ
サン(20mL×2)で洗浄し、ついで真空乾燥した。標記
化合物を1分子塩化メチレン溶媒和物として単離した
(2.69g,収率81%)。 C H Cl S C39 H47 Cl3 S3 Ru2 としての計算値 50.89 5.17 11.55 10.45 実測値 50.29 5.19 11.58 10.23
【0025】参考例2 〔Cp* Ru(μ2 −SC6 H4 −p−Me)3RuCp
* 〕+ Cl- の合成 (C6 H4 −p−Me=p−メチルフェニル基) Cp* Ru (Cl)(μ2-Cl)2Ru(Cl)Cp* (826mg, 1.34mmol) 及
びp−メチルベンゼンチオール(4.10g, 33.0mmol)を用
いて参考例1と同様に操作して、標記錯体を収率67%で
単離した。元素分析用結晶は生成物のクロロホルム/ヘ
キサンからの再結晶後に 3/2分子クロロホルム溶媒和物
として得た。 C H Cl S C42.5 H52.5 Cl5.5 S3 Ru2 としての計算値 48.29 5.02 18.45 9.10 実測値 48.42 5.22 16.46 9.12
【0026】参考例3 〔Cp* Ru(μ2 −SC6 H4 −p−Cl)3RuCp
* 〕+ Cl- の合成 (C6 H4 −p−Cl=p−クロロフェニル基) Cp* Ru (Cl)(μ2-Cl)2Ru(Cl)Cp* (606mg, 0.986mmol )
及びp−クロロベンゼンチオール(3.01g, 20.8mmol)を
用いて参考例1と同様に操作して、標記錯体を1/2分子
塩化メチレン溶媒和物として収率89%で得た。 C H Cl S C38.5 H43 Cl5 S3 Ru2 としての計算値 47.11 4.43 18.06 9.80 実測値 47.01 4.85 16.51 9.24
【0028】参考例5 〔Cp* Ru(Cl)(μ2 −SEt)2Ru(Cl)C
p* 〕の合成 THF(10mL)中のCp* Ru (Cl)(μ2-Cl)2Ru(Cl)Cp* (488
mg, 0.794mmol )の懸濁液にMe3 SiSEt( 557m
g, 4.15mmol)を加え、混合物を7時間還流した。生成
物溶液を約半分の体積に濃縮し、ヘキサン(10mL)を加
えた。析出した褐色結晶性固体を濾取し、真空乾燥した
(430mg,収率41%)。この生成物は1,2-ジクロロエタン
/ヘキサンから再結晶することができた。 C H Cl S C24 H40 Cl2 S2 Ru2 としての計算値 43.30 6.06 10.65 9.63 実測値 42.42 6.08 10.65 9.93
【0029】参考例6 〔Cp* Ru(Cl)(μ2 −S−i−Pr)2Ru(C
l)Cp* 〕の合成 Cp* Ru (Cl)(μ2-Cl)2Ru(Cl)Cp* (460mg, 0.749mmol )
及びMe3 SiS−i−Pr(0.55g, 3.7mmol)を用い
て参考例5と同様に操作して、標記錯体を褐色結晶性固
体として収率41%で得た。この化合物は塩化メチレン/
ヘキサンから再結晶することができた。
【0030】参考例7 〔Cp* Ru(Cl)(μ2 −S−t−Bu)2Ru(C
l)Cp* 〕 Cp* Ru (Cl)(μ2-Cl)2Ru(Cl)Cp* 及びMe3 SiS−t
−Buを用い、反応時間を14時間としたことを除き参考
例5と同様に操作して標記錯体を収率16%で得た。 C H Cl S C28 H48 Cl2 S2 Ru2 としての計算値 46.59 6.70 9.82 8.88 実測値 45.46 6.68 9.44 8.58
【0031】参考例8 〔Cp* Ru(μ2 −S−i−Pr)3RuCp* 〕の合
成 ナトリウム 310mgとプロパン -2-チオール1.26mLから調
製したナトリウムプロパン -2-チオラート13.5mmolをメ
タノール(5mL)に溶解した。これをCp* Ru (Cl)(μ2-
Cl)2Ru(Cl)Cp* (738mg, 1.2mmol)のメタノール(5mL)
スラリーにキャナライを用いて加えた。反応液は褐色か
ら緑へと速やかに変化した。生じた懸濁液を室温で一夜
攪拌し、ついで液相を濾去した。残った固体を乾燥し、
ベンゼンで抽出した。濃縮した抽出液にアセトニトリル
(体積比1:1)を加え、混合物を−10℃で一夜冷却し
た。析出した暗緑色結晶を濾取し、真空乾燥して、標記
錯体 465mgを得た( 収率56%)。 C H S C29 H51 S3 Ru2 としての計算値 49.89 7.36 13.77 実測値 49.63 7.25 13.38
【0032】参考例9 〔Cp* Ru(μ2 −SEt)3RuCp* 〕の合成 ナトリウム(128mg, 5.56mmol)、エタンチオール(0.42
mL, 5.6mmol)及びCp*Ru (Cl)( μ2-Cl)2Ru(Cl)Cp* (232
mg, 0.378mmol)を用いて参考例8と同様に反応させた。
本参考例では得られた固体をテトラヒドロフランで抽出
し、抽出液にアセトニトリルを加えて標記錯体を暗緑色
結晶として得た(137mg,収率55%)。 C H S C26 H45 S3 Ru2 としての計算値 47.61 6.91 14.66 実測値 47.34 7.09 13.62
【0033】参考例10 〔Cp* Ru(μ2 −SCy)3RuCp* 〕(Cy=シ
クロヘキシル基) の合成 ナトリウム(121mg, 5.26mmol)、シクロヘキサンチオー
ル(0.75mL, 5.3mmol)及び Cp * Ru (Cl)(μ2-Cl)2Ru(C
l)Cp* (221mg, 0.359mmol)を用いて参考例8と同様に操
作して、標記錯体を緑色微細結晶として得た(185mg,収
率62%)。
【0034】参考例11 〔Cp* Ru(μ2 −SBz)3RuCp* 〕の合成 (Bz=ベンジル基) ナトリウム(150mg, 6.52mmol)、フェニルメタンチオー
ル(1.0mL, 6.5mmol)及び Cp * Ru (Cl)(μ2-Cl)2Ru(C
l)Cp* (202mg, 0.329mmol)を用いて参考例9と同様に操
作して、標記錯体を淡緑色結晶として得た(157mg,収率
56%)。 C H S C41 H51 S3 Ru2 としての計算値 58.47 6.10 11.42 実測値 58.64 5.90 12.21
【0035】参考例12 〔Cp* Ru(μ2 −SPh)3RuCp* 〕の合成 ナトリウム(100mg, 434mmol)、チオフェノール(0.60
mL, 4.4mmol )及びCp * Ru (Cl)( μ2-Cl)2Ru(Cl)Cp*
(194mg, 0.316mmol)を用いて参考例8と同様に操作し
て、標記錯体を褐色固体として得た(136mg,収率53
%)。 C H S C38 H45 S3 Ru2 としての計算値 57.05 5.67 12.02 実測値 57.36 5.68 12.59
【0036】参考例13 〔Cp* Ru(μ2 −S−i−Pr)2(μ2 −Cl)R
uCp* 〕+ 〔OSO2 CF3 〕- の合成 Cp* Ru(Cl)(μ2 −S−i−Pr)2Ru(Cl)
Cp* (850mg, 1.22mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液
にトリフルオロメタンスルホン酸銀(312mg, 1.22mmol)
のテトラヒドロフラン溶液を加えると、反応液は速やか
に赤褐色になった。反応液を室温で一夜攪拌した後溶媒
を留去し、残った固体を塩化メチレンで抽出した。抽出
液を濃縮し、ヘキサンを加えて再結晶すると標記化合物
が濃赤褐色の結晶性固体として得られた(906mg,収率92
%)。1 HNMR(CDCl3 )δ 4.05(sep,2H,J=6.7
Hz,SCHMe2 ),1.64(s,30H,Cp* ),1.52
(d,12H,J=6.7 Hz,SCHMe2 ) C H Cl S C27 H44 O3 F3 S3 Cl Ru2 としての計算値 40.17 5.49 4.39 11.91 実測値 38.83 5.59 4.67 11.81
【0037】参考例14 〔Cp* Ru( μ2-SePh)3RuCp* 〕+ Cl- の合成
【0038】
【化6】
【0039】Cp* Ru(Cl)( μ2-Cl)2Ru(Cl)Cp* (100mg,
0.163mmol) の褐色のテトラヒドロフラン懸濁液(20ml)
にMe3SiSePh(112mg,0.489mmol)を加えると直ちに黒色溶
液となった。室温で一晩攪拌した後に溶媒を留去し、残
った固体を塩化メチレン/ヘキサン(1/1) に溶解し、シ
リカゲルを充填剤としたカラムクロマトグラフィーによ
り精製した。初めにテトラヒドロフランで展開して黄緑
色のバンドを除き、次にエタノールで展開して流れてく
る茶色のバンドを分取した。溶媒を留去し残った固体を
塩化メチレン/ジエチルエーテル系で再結晶して標記化
合物の1分子ジクロルメタン溶媒和物を濃褐色結晶とし
て得た(107mg, 収率66%) 。1HNMR(CDCl3)δ8.20-7.27
(m,15H,フェニル),1.50(s,30H, η5-C 5Me5)(図1)。
元素分析、C38H45ClSe3Ru2・CH2Cl2として計算値:C 44.
10,H 4.33,Cl 10.04、実測値:C,43.59,H 4.84,Cl 8.70
。
【0040】参考例15 〔Cp* Ru( μ2-SeTol)3RuCp * 〕+ Cl- (Tol =p-トリル
基) の合成
【0041】
【化7】
【0042】Cp* Ru(Cl)( μ2-Cl)2Ru(Cl)Cp* (95mg,0.
155mmol)の褐色の塩化メチレン懸濁液(20ml)にMe3SiSeT
ol(113mg,0.465mmol) を加えると直ちに黒色溶液となっ
た。室温で一晩攪拌した後に溶媒を留去し、残った固体
を塩化メチレン/ヘキサン(1/1) に溶解し、シリカゲル
を充填剤としたカラムクロマトグラフィーにより精製し
た。初めにテトラヒドロフランで展開して黄緑色のバン
ドを除き、次にエタノールで展開して流れてくる茶色の
バンドを分取した。溶媒を留去し残った固体を塩化メチ
レン/ジエチルエーテル系で再結晶して標記ルテニウム
セレノラート錯体の濃褐色結晶を得た(132mg, 収率77
%) 。1HNMR(CDCl3)δ7.22,7.11(d,各 6H,J=10.8Hz,To
l),2.33(s,9H,C6H 4Me),1.51(s,30H, η5-C 5Me5)(図
2)。X線解析により明らかにした、標記ルテニウムセ
レノラート錯体のカチオン部分の構造を図3に示す。
【0043】参考例16 〔Cp* Ru( μ2-TePh)3RuCp *〕+ Cl- の合成
【0044】
【化8】
【0045】〔Cp* Ru( μ3-Cl) 〕4(100mg,0.0921mmo
l)の褐色のテトラヒドロフラン懸濁液(10ml)にMe3SiTe
Ph(102mg,0.368mmol)を加えると反応液は速やかに黒色
懸濁液となった。室温で一晩攪拌した後に溶媒を留去
し、残った固体をヘキサンで洗浄して減圧乾燥して標記
ルテニウムテルロラート錯体を得た(190mg, 92%) 。1H
NMR(CDCl3)δ8.67,7.12(m,35H,フェニル),1.77(s,30H,C
p * ) (図4)。元素分析、C62H65BTe3Ru2 として計算
値:C52.97, H,4.66 、実測値:C 52.56,H 4.71 。なお、
本化合物の元素分析はNaBPh4を用いて対アニオンをBPh4
- に交換した後に行った。
【0046】試験例1 MTTアッセイによるルテニウム錯体の腫瘍細胞増殖抑
制活性 MTT〔3-(4,5-ジメチルチアゾール -2-イル)-2,5-
ジフェニルテトラゾリニウムブロミド〕は生細胞のミト
コンドリアの電子伝達系の酵素により開裂、還元され、
MTTホルマザンが生成する。このホルマザン量は吸光
度による測定が可能であり、生細胞数と比例関係にあ
る。MTTアッセイはかかる原理に基づく(癌と化学療
法、18 (No.10), 1587-1592, 1991)) 。使用腫瘍細胞と
その培地については、PLC/PRF/5〔ヒト肝癌細
胞〕は10%(w/w)仔ウシ血清を含有するEMEM培地、
A549〔ヒト肝癌細胞〕は10%(w/w) 牛胎児血清を含
有するダルベッコ改変EMEM培地を用いた。各腫瘍細
胞を、それぞれの培地を用いて、5×104 cells/mlの細
胞懸濁液に調製し、96穴マルチプレートに 100μl ずつ
分注し、5%CO2 、37℃で24時間前培養を行った。こ
れに一連の希釈系列の被験化合物を加え、5%CO2 、
37℃で72時間培養し、MTTのPBS溶液(4mg/ml)を
各穴あたり10μl 加えた。5%CO2 、37℃で5時間培
養した後培地を除去し、DMSOを各穴あたり 100μl
添加し、MTT−ホルマザンを溶解させた。各穴の溶液
の540nm での吸光度をミクロプレートリーダーを用いて
測定した。被験化合物濃度を片対数グラフの横軸に、対
照群の測定値を 100%、培地だけの時の測定値(無細
胞)を0%として測定データ縦軸にをプロットし、その
50%に相当する被験化合物の濃度を50%阻害濃度
(IC50、μg/ml)とした。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】 表1 ルテニウム錯体の腫瘍細胞増殖抑制活性 IC50(μg/ml) ────────────────────────────────── 被験化合物 腫瘍細胞 PLC/PRF/5 A549 ────────────────────────────────── 参考例1 0.131 0.048 参考例2 0.193 0.040 参考例13 1.471 4.471 シスプラチン 0.850 2.298 ────────────────────────────────── PLC/PRF/5 :ヒト肝癌細胞 A549 :ヒト肺癌細胞 シスプラチン:臨床で使用されている抗腫瘍剤
【0048】試験例2 MTTアッセイによるルテニウム錯体の腫瘍細胞増殖抑
制活性 腫瘍細胞としてPLC/PRF/5〔ヒト肝癌細胞〕を
用いて試験例1と同様に操作した。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】 表2 ルテニウム錯体の腫瘍細胞増殖抑制活性 IC50 (μg /ml) ───────────────────────────────── 被験化合物 腫瘍細胞 PLC/PRF/5 ───────────────────────────────── 参考例 15 0.062 参考例 16 4.303 シスプラチン 0.770 ─────────────────────────────────
【0050】試験例3 急性毒性 1群5匹よりなる、4周齢(23+1g)のddY 雄性
マウスに被験化合物を1回腹腔内投与し、投与後7日間
の生死を観察し、各投与群の死亡率より、ベーレンス・
ケルバー法に従いLD50を計算した。 被験化合物投与量: ルテニウム錯体 25, 12.5, 6.25, 3.13 mg/kg シスプラチン 500, 250, 300, 150, 75, 37.5,
18.8 mg/kg 結果を表3に示す。
【0051】
【表3】 表3 ルテニウム錯体の急性毒性 ────────────────────────────── 被験化合物 LD50 (mg/kg) ────────────────────────────── 参考例 1 13.7 参考例 2 25.0 参考例 13 51.3 シスプラチン 22.1 ──────────────────────────────
【0052】
【発明の効果】本発明によって、ルテニウム錯体を有効
成分とする新規な抗腫瘍剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例14のルテニウム錯体の 1HNMR(CD
Cl3)を示す。
【図2】参考例15のルテニウム錯体の 1HNMR(CD
Cl3)を示す。
【図3】X線解析により明らかにした、参考例15のルテ
ニウム錯体のカチオン部分の構造を示す。
【図4】参考例16のルテニウム錯体の 1HNMR(CD
Cl3)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬川 俊章 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成化学 工業株式会社つくば研究所内 (72)発明者 鈴木 日出夫 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成化学 工業株式会社つくば研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式Iで表されるルテニウム錯体を有効成
    分とする抗腫瘍剤 【化1】 〔式中、 各Xは互いに独立にSR、SeR、TeRまたはハロゲ
    ン原子を示し(上記でRはアルキル基、シクロアルキル
    基、アリール基部分がハロゲン原子及び/またはアルコ
    キシ基で核置換されていてもよいアラルキル基、または
    ハロゲン原子及び/またはアルコキシ基で核置換されて
    いてもよいアリール基を示す)、 Lはペンタメチルシクロペンタジエニル基、インデニル
    基またはピラゾイルボレート基を示すか、またはアルキ
    ル基で置換されていてもよいシクロペンタジエニル基を
    示し、及びZ- は生理的に許容される無機酸イオンまた
    は有機酸イオンを示す〕。
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