JPH0147592B2 - - Google Patents
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- JPH0147592B2 JPH0147592B2 JP535982A JP535982A JPH0147592B2 JP H0147592 B2 JPH0147592 B2 JP H0147592B2 JP 535982 A JP535982 A JP 535982A JP 535982 A JP535982 A JP 535982A JP H0147592 B2 JPH0147592 B2 JP H0147592B2
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Description
本発明は、繊維の撥水撥油処理方法に関し、更
に詳しく言えば、ポリフルオロアルキル基を含有
する比較的低分子量の化合物を特定の高温高圧処
理によつて繊維に吸収固着せしめることからなる
新規な撥水撥油処理方法に関する。 従来、ポリフルオロアルキル基(以下、PFA
基と略記する)を有する撥水撥油加工剤による繊
維処理においては、一般的にアクリレート系高分
子重合体の水性乳化液あるいは有機溶剤溶液によ
り、繊維表面に付着コートせしめる方法が採用さ
れている。しかし、かゝる高分子加工剤は、主と
して物理的付着力により繊維表面に保持された不
連続相であるため、仕上り製品までの工程中に繊
維が受ける機械的作用あるいは着用などにより、
摩擦脱落してしまう傾向が認められる。また、付
着力を高める目的で例えばN−メチロールアクリ
ルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、グ
リシジルメタクリレートなどを共重合させた加工
剤では、実際の加工処理においてメチロールメラ
ミンなどの樹脂を併用し、繊維上で網状化硬化し
ているため、風合が粗硬になる傾向も認められ
る。 一方、前記の如き高分子加工剤の難点を解消し
ようとする各種手段が提案されている。例えば、
フタル酸、テレフタル酸、トリメリツト酸、ピロ
メリツト酸などのエステル誘導体からなる低分子
量フツ素化合物を合成繊維の加工剤として使用す
る方法が提案されている。米国特許第3646153号、
同第3870748号、同第4209610号明細書などを参
照。 本発明者の検討によれば、起毛品あるいはカー
ペツトのようなパイル状で、しかも乾燥し難い繊
維製品の撥水撥油処理においては、高分子加工剤
を使用するパッド法では処理加工できない場合が
生じて来ている。また、性能面でも高度な耐久性
が要求されるようになつて来たが、高分子加工剤
ではかゝる要求を満足し得る処理手段が見出され
ていない。更に、繊維の染色工程を必要とする場
合、高分子加工剤では染色完了後の製品への適用
が限界であると共に、耐久性に優れた充分なる撥
水撥油性能の付与にも難点が認められる。 本発明者は、PFA基を有する各種フツ素化合
物による繊維処理について種々の研究を重ねた結
果、次の如き極めて興味深い知見を得るに至つ
た。即ち、後記で詳述するウレタン系化合物、ト
リアジン系化合物の如き特定の低分子量フツ素化
合物を用いて、比較的高圧高温度で合成繊維を処
理すると、従来の高分加工剤による仕上加工にな
い性能を達成可能なことを見出したものである。
そして、かゝる高温高圧処理においては、特定の
低分子量フツ素化合物が繊維表面に単に付着する
のではなく、繊維を構成する合成樹脂内に良く吸
収され固着保持される。その結果、洗たく、ドラ
イクリーニング、あるいは機械的摩擦に耐える高
度な撥水撥油性能が達成され、しかも得られる繊
維の風合も良好である。 更に、驚くべきことには、PFA基含有低分子
量化合物による特定処理は、繊維の染色工程にお
ける高温高圧処理の採用によつて可能であり、染
料との共存状態でも特定PFA化合物が繊維内に
吸収固着されるという知見が得られた。その結
果、染色加工と撥水撥油加工を効率よく行なうこ
とができる画期的な手段として完成したものであ
る。そして、染色工程における高温高圧処理を、
PFA基含有の低分子量化合物の吸収固着に適用
できるので、省エネルギーの点でも極めて有利で
ある。 かくして、本発明は、前記知見に基いて完成さ
れたものであり、分子量が400〜2000であるポリ
フルオロアルキル基含有化合物を、温度70〜140
℃及び1.5気圧以上の高温高圧処理によつて繊維
に吸収固着せしめることを特徴とする繊維の撥水
撥油処理方法を新規に提供するものである。 本発明方法によれば、(1)染料と同時にPFA化
合物を繊維に吸収固着せしめる、(2)染色終了後、
同じ浴又は別の浴にPFA化合物を添加して染色
と同様の条件で繊維に吸収固着せしめる、(3)
PFA化合物を繊維に吸収固着せしめた後で染色
するなどの各種態様が可能である。そして、起毛
品あるいはカーペツトのようなパイル状で乾燥し
難い製品でも、高度の撥水撥油加工が可能であ
り、洗濯、ドライクリーニング、あるいは機械的
摩擦に対しても良好な耐久性を保持し、得られる
繊維製品の風合を損なうこともない。 本発明においては、比較的低分子量のPFA基
含有化合物としては、種々のものが広範囲にわた
つて採用されるが、次の一般式で表わされる化合
物が、好適な代表例として例示される。 そして、上記一般式において、Rfは炭素数4
〜16個の直鎖状又は分岐状のポリフルオロアルキ
ル基であり、通常は末端部がパーフルオロアルキ
ル基であるものが選定されるが、末端部に水素原
子あるいは塩素原子を含むもの、あるいはオキシ
パーフルオロアルキレン含有基なども使用可能で
ある。Rfの好ましい態様はCpF2p+1(但し、pは4
〜16の整数を示す)で表わされるパーフルオロア
ルキル基であり、炭素数6〜12個のものが特に好
ましい。Xは−R−,−CON(R1)−Q−,又は−
SO2N(R1)−Q−(但し、Rはアルキレン基、R1
は水素原子又は低級アルキル基、Qは二価の有機
基を示す)の一つであり、好ましくはCqH2q(但
し、qは1〜10の整数を示す)で表わされる炭素
数1〜10個のアルキレン基、特に炭素数2〜4個
のアルキレン基が選定される。また、Qは二価の
有機基であるが、通常は−R−なるアルキレン基
が好適なものとして例示される。A,A1及びA2
は各々−O−,−S−,又は−N(R2)−(但し、
R2は水素原子又は低級アルキル基を示す)の一
つであり、入手容易性の面からはAが−O−であ
り、A1及びA2が−O−又は−N(R2)−であるの
が好ましい。次に、Zは一価の有機基であり、ア
ルキル基、アリール基、ヘテロ原子を含むもの、
さらには−X−Rfなどが例示可能であるが、撥
水性や撥油性の面から炭素数1〜4個の低級アル
キル基が好ましく選定される。Z1及びZ2は、水素
原子又は一価の有機基であり、前記Zと同様のも
のが例示される。例えば、−A1−Z1及び−A2−Z2
としては、各々−OR′(R′はアルキル基)、−NH2, などが好適なものとして例示可能である。 而して、一般式()のウレタン系化合物にお
いて、Yは二価の有機基であり、通常は炭素数24
個以下、特に6〜15個のものが採用され、ウレタ
ン分子を剛直化し、性能の耐久性を向上させると
いう面から、芳香環あるいは脂肪族環を少なくと
も1個含むものが好ましく採用される。また、n
は1以上の整数であり、通常は1〜10の整数、特
に1〜3の整数が選定される。n=1に相当する
ウレタン化合物○イとn=2以上に相当するウレタ
ン化合物○ロとの混合物であつても良い。 本発明においては、前記一般式()又は
()の特定PFA基含有化合物(以下、特定PFA
化合物と略記する)は、分子量が400〜2000程度、
好ましくは700〜1200程度であることが重要であ
る。余りに高分子量の場合には、本発明の高温高
圧処理によつても繊維に充分なる吸収保持が困難
となり、耐久性に優れた撥水撥油処理の効果が僅
少となる。そして、比較的低分子量の特定PFA
化合物による本発明の高温高圧処理は、染色工程
にも円滑有利に応用可能であるという特徴を有す
る。 本発明においては、特定PFA化合物の有機溶
液あるいは有機分散液の使用も可能であるが、後
述の染色工程への適用を考慮すると水性分散液で
の使用が好適である。この場合、分散剤としての
界面活性剤は、ノニオン系、アニオン系、カチオ
ン系、両性系など各種のものが採用可能であり、
これらを適宜併用しても良い。特定PFA化合物
の分散を助長する目的で有機溶剤を併用しても良
い。また、特定PFA化合物を水を主体とする媒
体中に分散せしめる場合、一般式Rf−X−A−
CONH−Y−NHCO−Wで表わされる親水基含
有ウレタン化合物の如きフツ素系界面活性剤の共
存下に分散せしめてもよい。こゝにおいて、Rf,
X,A,及びYは前記の通りであり、Wは親水基
である。Wとしては、−(CH2CH2O)l−R3(但し、
1は1〜50の整数、R3は水素原子又は炭素数1
〜4個の低級アルキル基を示す)などで代表され
るノニオン性基、−(CH2CH2O)l−SO3M(但し、
Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム基
の一つを示す)、−(CH2CH2O)l−PO3M,−
CH2CH2SO3M,−CH2CH2COOMなどのアニオ
ン性基、さらには−CH2CH2N R4R5R6X (但
し、R4,R5,R6はアルキル基、アリール基など
を示し、XはCl,Br,I,OCOCH3などを示す)
などのカチオン性基など種々のものが例示可能で
あるが、他の処理剤との併用性の点からノニオン
性の基、例えば−(CH2CH2O)22−CH3などが好
ましく採用可能である。そして、かゝる親水基含
有ウレタン化合物を共存させる場合、特定PFA
化合物/親水基含有ウレタン化合物の重量比で
99/1〜25/75、好ましくは95/5〜50/50の範
囲からその共存割合が選定される。 特定PFA化合物の水中への分散の際に併用さ
れる有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適で
あり、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチル
プロピルエーテルの如き水溶性エーテル類、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールジエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールモノフエニルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノエチルエーテル、トリエチレング
リコールモノプロピルエーテル、トリエチレング
リコールモノブチルエーテル等の水溶性グリコー
ルエーテル類、ホルムアミド、ジメチルホルムア
ミド、アセトアミド等のアミド類、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、
メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール
の如きケトン類、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノールの如きアルコール類、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル
の如きエステル類などが例示され得る。かゝる水
溶性有機溶剤の添加量は、特定PFA化合物(他
のPFA基含有化合物を併用した場合には、これ
らとの総量)100重量部当り通常10〜300重量部、
好ましくは20〜150重量部の範囲から選定される。 本発明における特定PFA化合物は、種々の合
成手段にて入手され得る。即ち、一般式()の
トリアジン誘導体は、例えば三塩化シアヌルに
Rf−X−A−H及びZ1−A1−H,Z2−A2−Hを
反応させることにより合成可能である。具体例に
て示せば、次のa)〜e)の如きであり、これら
トリアジン誘導体は昭和56年9月25日発行の「旭
硝子研究報告」Vol.31,No.1(1981年)の第9頁
〜第15頁、あるいは特公昭43−307号公報などに
記載されている。 また、一般式()のウレタン系化合物は、例
えばジイソシアナート(OCN−Y−NCO)に含
フツ素化合物Rf−X−A−H(例えばRf
CH2CH2OH)と化合物Z−A1−H(例えばメタ
ノール)とを各1モル付加させることによつて、
n=1に相当するウレタン化合物○イRf−X−A
−CONH−Y−NHCO−A1−Zとして製造可能
である。そして、n=2以上に相当するウレタン
化合物○ロは、前記○イの如き−CONH−基含有化
合物と−N=C=O基含有化合物の付加反応によ
り合成可能である。これらについては、米国特許
第3398182号明細書、特公昭46−348号公報、特開
昭53−112855号公報、特開昭54−74000号公報、
特開昭54−133485号公報、特願昭56−49329号明
細書などに記載されている。 前記におけるRf−X−A−Hとしては、通常
はRf−R−OH型の含フツ素アルコールが好適に
採用される。Rf中の炭素数あるいはRが異なる
複数の含フツ素アルコールの混合物を原料として
使用することにより、特定のPFA化合物(),
()を混合物の形態で製造することも可能であ
る。また、Z−A1−Hについては、前記の如く
A1が−O−でありZが炭素数1〜4個の低級ア
ルキル基であるところの低級アルコールが、本発
明で特に好適な実施態様である。例えば、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロ
パノール、n−ブタノール、イソブタノール、t
−ブタノールなどが例示され、特にメタノール又
はエタノールが好適である。更に、Z1−A1−H
やZ2−A2−Hとしては、前記低級アルコールな
どの他に、アンモニア、水、アルカノールアミ
ン、アミン、ジアミンなどが例示され、前記b)
に示す如くアンモニアとメチロール化剤との組合
せなどでも良い。 而して、OCN−Y−NCOについては、前記の
如くYが炭素数24個以下、特に6〜15個の二価の
有機基であるものが好適である。例えば、2,4
−トリレンジイソシアナート、4,4′−ジフエニ
ルメタンジイソシアナート、トリジンジイソシア
ナート、ジアニシジンジイソシアナートなどの芳
香族ジイソシアナート類、2−メチル−シクロヘ
キサン−1,4−ジイソシアナート、イソホロン
ジイソシアナート、 などの脂環式ジイソシアナート類、ヘキサメチレ
ンジイソシアナート、デカメチレンジイソシアナ
ートなどの脂肪族ジイソシアナート類などが例示
され得るが、前記の如く、芳香環あるいは脂肪族
環を少なくとも1個含むジイソシアナートが好ま
しく採用される。 以上の如き本発明における特定PFA化合物の
具体例を例示すれば、次の通りである。即ち、一
般式()のトリアジン誘導体としては、 などが挙げられる。また、一般式()のウレタ
ン系化合物としては、 などが挙げられる。こゝで、Rf及びR1は前記の
通りであり、R1,R2及びR3は炭素数1〜30個の
アルキル基、RfSO2NHCH2CH2−,Rf
CONHCH2CH2−、又はRfCH2CH2−などであ
る。 本発明において、特定PFA化合物を水を主体
とする媒体に分散せしめて水性分散液形態で使用
する場合、該分散手段としては種々の方法が採用
可能である。例えば、PFA化合物と乳化剤(界
面活性剤)と水性媒体との混合物を加熱下に高速
撹拌後室温まで冷却する方法、PFA化合物の水
溶性有機溶剤溶液(場合によつては乳化剤を添
加)を乳化剤の水溶液に撹拌下に滴下する方法、
あるいはPFA化合物の水溶性有機溶剤溶液中に
乳化剤の水溶液を撹拌下に滴下する方法、PFA
化合物と乳化剤の水溶性有機溶剤溶液を水の中に
撹拌下に滴下するかあるいは逆に水を滴下する方
法などが採用可能である。 本発明処理方法は、特定PFA化合物が繊維上
に存在する状態で高温高圧処理して、繊維内に吸
収固着せしめるものである。そして、かゝる吸収
固着処理は、ウインチ、ジツガー、ビーム、チー
ズ、コツプ、ケイク、液流染色機の如く、染色工
程で高温高圧処理に用いられる染色機で実施され
得る。PFA化合物及び染料を含有する浴による
一浴一段処理が可能な他、本発明では一浴二段処
理や二浴二段処理によつても実施可能である。例
えば、染色浴で繊維を処理し、次いで同じ染色浴
にPFA化合物を添加して繊維を処理する、ある
いはPFA化合物含有浴で繊維を処理し同じ浴に
染料を添加して染色処理をする如く一浴二段処理
が可能である。また、染色浴とPFA化合物含有
浴を別個のものとした二浴二段処理も可能であ
る。かゝる処理によりPFA化合物と染料とを繊
維上に共存せしめ、この状態で処理して両者を繊
維内に吸収固着せしめる。 本発明においては、上記の如くPFA化合物が
繊維上に存在する状態で処理される。そして、加
熱温度は70〜140℃という比較的高温度が採用さ
れるが、繊維の種類や処理手段の種類などに応じ
て、好適な温度範囲を選定するのが望ましい。例
えば、ポリエステル繊維では70〜140℃、好まし
くは100〜130℃、ポリアミド繊維やポリアクリル
繊維では70〜120℃、好ましくは70〜100℃程度が
採用される。かゝる加熱温度としては、一般に染
料の繊維内への吸収固着の際に採用される好適範
囲と同様の範囲から選定され得る。また、1.5気
圧以上の高圧の採用も同様である。PFA化合物
の繊維内への吸収固着量は、繊維100重量部当り
0.05〜5重量部、好ましくは0.10〜1.0重量部程度
が採用される。 本発明の高温高圧処理の場合は、通常の浸染法
が採用可能であり、ポリエステル繊維で染色用キ
ヤリヤー成分を併用した場合70〜100℃で10〜60
分、高圧染色法では70〜140℃で10〜60分保持す
れば良い。ポリアミド繊維やポリアクリル繊維で
は、70〜100℃で10〜60分保持することにより高
温高圧処理が可能である。 以上の如き吸収固着法は、合成繊維などの繊維
染色用染料、例えば分散染料、酸性染料、カチオ
ン染料などとPFA化合物との併用ばかりでなく、
PFA化合物による処理後にこれら染料にて染色
し、加熱による吸収固着を同時に行なつても良
い。そして、撥水撥油処理と染色処理が同時に行
なえるという利点の他、本発明では例えば高温高
圧処理の採用により、毛布、カーペツトなどの起
毛品あるいはパイル品などにも良好な撥水撥油性
と染色を付与できるものである。 次に、本発明の実施例について更に具体的に説
明するが、かゝる説明によつて本発明が何ら限定
されないことは勿論である。割合は特に明示しな
い限り、重量%又は重量部である。 なお、以下の実施例及び比較例において、撥水
性及び撥油性は、次の様にして測定した。即ち、
撥水性はJIS L−1005のスプレー法による撥水性
No.(下記第1表参照)をもつて表わし、撥油性は
下記第2表に示された試験溶液を試料布の上、二
ケ所に数滴(径約4mm)置き、30秒後の浸透状態
により判定する(AATCC−TM118−1966)。
に詳しく言えば、ポリフルオロアルキル基を含有
する比較的低分子量の化合物を特定の高温高圧処
理によつて繊維に吸収固着せしめることからなる
新規な撥水撥油処理方法に関する。 従来、ポリフルオロアルキル基(以下、PFA
基と略記する)を有する撥水撥油加工剤による繊
維処理においては、一般的にアクリレート系高分
子重合体の水性乳化液あるいは有機溶剤溶液によ
り、繊維表面に付着コートせしめる方法が採用さ
れている。しかし、かゝる高分子加工剤は、主と
して物理的付着力により繊維表面に保持された不
連続相であるため、仕上り製品までの工程中に繊
維が受ける機械的作用あるいは着用などにより、
摩擦脱落してしまう傾向が認められる。また、付
着力を高める目的で例えばN−メチロールアクリ
ルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、グ
リシジルメタクリレートなどを共重合させた加工
剤では、実際の加工処理においてメチロールメラ
ミンなどの樹脂を併用し、繊維上で網状化硬化し
ているため、風合が粗硬になる傾向も認められ
る。 一方、前記の如き高分子加工剤の難点を解消し
ようとする各種手段が提案されている。例えば、
フタル酸、テレフタル酸、トリメリツト酸、ピロ
メリツト酸などのエステル誘導体からなる低分子
量フツ素化合物を合成繊維の加工剤として使用す
る方法が提案されている。米国特許第3646153号、
同第3870748号、同第4209610号明細書などを参
照。 本発明者の検討によれば、起毛品あるいはカー
ペツトのようなパイル状で、しかも乾燥し難い繊
維製品の撥水撥油処理においては、高分子加工剤
を使用するパッド法では処理加工できない場合が
生じて来ている。また、性能面でも高度な耐久性
が要求されるようになつて来たが、高分子加工剤
ではかゝる要求を満足し得る処理手段が見出され
ていない。更に、繊維の染色工程を必要とする場
合、高分子加工剤では染色完了後の製品への適用
が限界であると共に、耐久性に優れた充分なる撥
水撥油性能の付与にも難点が認められる。 本発明者は、PFA基を有する各種フツ素化合
物による繊維処理について種々の研究を重ねた結
果、次の如き極めて興味深い知見を得るに至つ
た。即ち、後記で詳述するウレタン系化合物、ト
リアジン系化合物の如き特定の低分子量フツ素化
合物を用いて、比較的高圧高温度で合成繊維を処
理すると、従来の高分加工剤による仕上加工にな
い性能を達成可能なことを見出したものである。
そして、かゝる高温高圧処理においては、特定の
低分子量フツ素化合物が繊維表面に単に付着する
のではなく、繊維を構成する合成樹脂内に良く吸
収され固着保持される。その結果、洗たく、ドラ
イクリーニング、あるいは機械的摩擦に耐える高
度な撥水撥油性能が達成され、しかも得られる繊
維の風合も良好である。 更に、驚くべきことには、PFA基含有低分子
量化合物による特定処理は、繊維の染色工程にお
ける高温高圧処理の採用によつて可能であり、染
料との共存状態でも特定PFA化合物が繊維内に
吸収固着されるという知見が得られた。その結
果、染色加工と撥水撥油加工を効率よく行なうこ
とができる画期的な手段として完成したものであ
る。そして、染色工程における高温高圧処理を、
PFA基含有の低分子量化合物の吸収固着に適用
できるので、省エネルギーの点でも極めて有利で
ある。 かくして、本発明は、前記知見に基いて完成さ
れたものであり、分子量が400〜2000であるポリ
フルオロアルキル基含有化合物を、温度70〜140
℃及び1.5気圧以上の高温高圧処理によつて繊維
に吸収固着せしめることを特徴とする繊維の撥水
撥油処理方法を新規に提供するものである。 本発明方法によれば、(1)染料と同時にPFA化
合物を繊維に吸収固着せしめる、(2)染色終了後、
同じ浴又は別の浴にPFA化合物を添加して染色
と同様の条件で繊維に吸収固着せしめる、(3)
PFA化合物を繊維に吸収固着せしめた後で染色
するなどの各種態様が可能である。そして、起毛
品あるいはカーペツトのようなパイル状で乾燥し
難い製品でも、高度の撥水撥油加工が可能であ
り、洗濯、ドライクリーニング、あるいは機械的
摩擦に対しても良好な耐久性を保持し、得られる
繊維製品の風合を損なうこともない。 本発明においては、比較的低分子量のPFA基
含有化合物としては、種々のものが広範囲にわた
つて採用されるが、次の一般式で表わされる化合
物が、好適な代表例として例示される。 そして、上記一般式において、Rfは炭素数4
〜16個の直鎖状又は分岐状のポリフルオロアルキ
ル基であり、通常は末端部がパーフルオロアルキ
ル基であるものが選定されるが、末端部に水素原
子あるいは塩素原子を含むもの、あるいはオキシ
パーフルオロアルキレン含有基なども使用可能で
ある。Rfの好ましい態様はCpF2p+1(但し、pは4
〜16の整数を示す)で表わされるパーフルオロア
ルキル基であり、炭素数6〜12個のものが特に好
ましい。Xは−R−,−CON(R1)−Q−,又は−
SO2N(R1)−Q−(但し、Rはアルキレン基、R1
は水素原子又は低級アルキル基、Qは二価の有機
基を示す)の一つであり、好ましくはCqH2q(但
し、qは1〜10の整数を示す)で表わされる炭素
数1〜10個のアルキレン基、特に炭素数2〜4個
のアルキレン基が選定される。また、Qは二価の
有機基であるが、通常は−R−なるアルキレン基
が好適なものとして例示される。A,A1及びA2
は各々−O−,−S−,又は−N(R2)−(但し、
R2は水素原子又は低級アルキル基を示す)の一
つであり、入手容易性の面からはAが−O−であ
り、A1及びA2が−O−又は−N(R2)−であるの
が好ましい。次に、Zは一価の有機基であり、ア
ルキル基、アリール基、ヘテロ原子を含むもの、
さらには−X−Rfなどが例示可能であるが、撥
水性や撥油性の面から炭素数1〜4個の低級アル
キル基が好ましく選定される。Z1及びZ2は、水素
原子又は一価の有機基であり、前記Zと同様のも
のが例示される。例えば、−A1−Z1及び−A2−Z2
としては、各々−OR′(R′はアルキル基)、−NH2, などが好適なものとして例示可能である。 而して、一般式()のウレタン系化合物にお
いて、Yは二価の有機基であり、通常は炭素数24
個以下、特に6〜15個のものが採用され、ウレタ
ン分子を剛直化し、性能の耐久性を向上させると
いう面から、芳香環あるいは脂肪族環を少なくと
も1個含むものが好ましく採用される。また、n
は1以上の整数であり、通常は1〜10の整数、特
に1〜3の整数が選定される。n=1に相当する
ウレタン化合物○イとn=2以上に相当するウレタ
ン化合物○ロとの混合物であつても良い。 本発明においては、前記一般式()又は
()の特定PFA基含有化合物(以下、特定PFA
化合物と略記する)は、分子量が400〜2000程度、
好ましくは700〜1200程度であることが重要であ
る。余りに高分子量の場合には、本発明の高温高
圧処理によつても繊維に充分なる吸収保持が困難
となり、耐久性に優れた撥水撥油処理の効果が僅
少となる。そして、比較的低分子量の特定PFA
化合物による本発明の高温高圧処理は、染色工程
にも円滑有利に応用可能であるという特徴を有す
る。 本発明においては、特定PFA化合物の有機溶
液あるいは有機分散液の使用も可能であるが、後
述の染色工程への適用を考慮すると水性分散液で
の使用が好適である。この場合、分散剤としての
界面活性剤は、ノニオン系、アニオン系、カチオ
ン系、両性系など各種のものが採用可能であり、
これらを適宜併用しても良い。特定PFA化合物
の分散を助長する目的で有機溶剤を併用しても良
い。また、特定PFA化合物を水を主体とする媒
体中に分散せしめる場合、一般式Rf−X−A−
CONH−Y−NHCO−Wで表わされる親水基含
有ウレタン化合物の如きフツ素系界面活性剤の共
存下に分散せしめてもよい。こゝにおいて、Rf,
X,A,及びYは前記の通りであり、Wは親水基
である。Wとしては、−(CH2CH2O)l−R3(但し、
1は1〜50の整数、R3は水素原子又は炭素数1
〜4個の低級アルキル基を示す)などで代表され
るノニオン性基、−(CH2CH2O)l−SO3M(但し、
Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム基
の一つを示す)、−(CH2CH2O)l−PO3M,−
CH2CH2SO3M,−CH2CH2COOMなどのアニオ
ン性基、さらには−CH2CH2N R4R5R6X (但
し、R4,R5,R6はアルキル基、アリール基など
を示し、XはCl,Br,I,OCOCH3などを示す)
などのカチオン性基など種々のものが例示可能で
あるが、他の処理剤との併用性の点からノニオン
性の基、例えば−(CH2CH2O)22−CH3などが好
ましく採用可能である。そして、かゝる親水基含
有ウレタン化合物を共存させる場合、特定PFA
化合物/親水基含有ウレタン化合物の重量比で
99/1〜25/75、好ましくは95/5〜50/50の範
囲からその共存割合が選定される。 特定PFA化合物の水中への分散の際に併用さ
れる有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適で
あり、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチル
プロピルエーテルの如き水溶性エーテル類、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールジエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールモノフエニルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノエチルエーテル、トリエチレング
リコールモノプロピルエーテル、トリエチレング
リコールモノブチルエーテル等の水溶性グリコー
ルエーテル類、ホルムアミド、ジメチルホルムア
ミド、アセトアミド等のアミド類、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、
メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール
の如きケトン類、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノールの如きアルコール類、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル
の如きエステル類などが例示され得る。かゝる水
溶性有機溶剤の添加量は、特定PFA化合物(他
のPFA基含有化合物を併用した場合には、これ
らとの総量)100重量部当り通常10〜300重量部、
好ましくは20〜150重量部の範囲から選定される。 本発明における特定PFA化合物は、種々の合
成手段にて入手され得る。即ち、一般式()の
トリアジン誘導体は、例えば三塩化シアヌルに
Rf−X−A−H及びZ1−A1−H,Z2−A2−Hを
反応させることにより合成可能である。具体例に
て示せば、次のa)〜e)の如きであり、これら
トリアジン誘導体は昭和56年9月25日発行の「旭
硝子研究報告」Vol.31,No.1(1981年)の第9頁
〜第15頁、あるいは特公昭43−307号公報などに
記載されている。 また、一般式()のウレタン系化合物は、例
えばジイソシアナート(OCN−Y−NCO)に含
フツ素化合物Rf−X−A−H(例えばRf
CH2CH2OH)と化合物Z−A1−H(例えばメタ
ノール)とを各1モル付加させることによつて、
n=1に相当するウレタン化合物○イRf−X−A
−CONH−Y−NHCO−A1−Zとして製造可能
である。そして、n=2以上に相当するウレタン
化合物○ロは、前記○イの如き−CONH−基含有化
合物と−N=C=O基含有化合物の付加反応によ
り合成可能である。これらについては、米国特許
第3398182号明細書、特公昭46−348号公報、特開
昭53−112855号公報、特開昭54−74000号公報、
特開昭54−133485号公報、特願昭56−49329号明
細書などに記載されている。 前記におけるRf−X−A−Hとしては、通常
はRf−R−OH型の含フツ素アルコールが好適に
採用される。Rf中の炭素数あるいはRが異なる
複数の含フツ素アルコールの混合物を原料として
使用することにより、特定のPFA化合物(),
()を混合物の形態で製造することも可能であ
る。また、Z−A1−Hについては、前記の如く
A1が−O−でありZが炭素数1〜4個の低級ア
ルキル基であるところの低級アルコールが、本発
明で特に好適な実施態様である。例えば、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロ
パノール、n−ブタノール、イソブタノール、t
−ブタノールなどが例示され、特にメタノール又
はエタノールが好適である。更に、Z1−A1−H
やZ2−A2−Hとしては、前記低級アルコールな
どの他に、アンモニア、水、アルカノールアミ
ン、アミン、ジアミンなどが例示され、前記b)
に示す如くアンモニアとメチロール化剤との組合
せなどでも良い。 而して、OCN−Y−NCOについては、前記の
如くYが炭素数24個以下、特に6〜15個の二価の
有機基であるものが好適である。例えば、2,4
−トリレンジイソシアナート、4,4′−ジフエニ
ルメタンジイソシアナート、トリジンジイソシア
ナート、ジアニシジンジイソシアナートなどの芳
香族ジイソシアナート類、2−メチル−シクロヘ
キサン−1,4−ジイソシアナート、イソホロン
ジイソシアナート、 などの脂環式ジイソシアナート類、ヘキサメチレ
ンジイソシアナート、デカメチレンジイソシアナ
ートなどの脂肪族ジイソシアナート類などが例示
され得るが、前記の如く、芳香環あるいは脂肪族
環を少なくとも1個含むジイソシアナートが好ま
しく採用される。 以上の如き本発明における特定PFA化合物の
具体例を例示すれば、次の通りである。即ち、一
般式()のトリアジン誘導体としては、 などが挙げられる。また、一般式()のウレタ
ン系化合物としては、 などが挙げられる。こゝで、Rf及びR1は前記の
通りであり、R1,R2及びR3は炭素数1〜30個の
アルキル基、RfSO2NHCH2CH2−,Rf
CONHCH2CH2−、又はRfCH2CH2−などであ
る。 本発明において、特定PFA化合物を水を主体
とする媒体に分散せしめて水性分散液形態で使用
する場合、該分散手段としては種々の方法が採用
可能である。例えば、PFA化合物と乳化剤(界
面活性剤)と水性媒体との混合物を加熱下に高速
撹拌後室温まで冷却する方法、PFA化合物の水
溶性有機溶剤溶液(場合によつては乳化剤を添
加)を乳化剤の水溶液に撹拌下に滴下する方法、
あるいはPFA化合物の水溶性有機溶剤溶液中に
乳化剤の水溶液を撹拌下に滴下する方法、PFA
化合物と乳化剤の水溶性有機溶剤溶液を水の中に
撹拌下に滴下するかあるいは逆に水を滴下する方
法などが採用可能である。 本発明処理方法は、特定PFA化合物が繊維上
に存在する状態で高温高圧処理して、繊維内に吸
収固着せしめるものである。そして、かゝる吸収
固着処理は、ウインチ、ジツガー、ビーム、チー
ズ、コツプ、ケイク、液流染色機の如く、染色工
程で高温高圧処理に用いられる染色機で実施され
得る。PFA化合物及び染料を含有する浴による
一浴一段処理が可能な他、本発明では一浴二段処
理や二浴二段処理によつても実施可能である。例
えば、染色浴で繊維を処理し、次いで同じ染色浴
にPFA化合物を添加して繊維を処理する、ある
いはPFA化合物含有浴で繊維を処理し同じ浴に
染料を添加して染色処理をする如く一浴二段処理
が可能である。また、染色浴とPFA化合物含有
浴を別個のものとした二浴二段処理も可能であ
る。かゝる処理によりPFA化合物と染料とを繊
維上に共存せしめ、この状態で処理して両者を繊
維内に吸収固着せしめる。 本発明においては、上記の如くPFA化合物が
繊維上に存在する状態で処理される。そして、加
熱温度は70〜140℃という比較的高温度が採用さ
れるが、繊維の種類や処理手段の種類などに応じ
て、好適な温度範囲を選定するのが望ましい。例
えば、ポリエステル繊維では70〜140℃、好まし
くは100〜130℃、ポリアミド繊維やポリアクリル
繊維では70〜120℃、好ましくは70〜100℃程度が
採用される。かゝる加熱温度としては、一般に染
料の繊維内への吸収固着の際に採用される好適範
囲と同様の範囲から選定され得る。また、1.5気
圧以上の高圧の採用も同様である。PFA化合物
の繊維内への吸収固着量は、繊維100重量部当り
0.05〜5重量部、好ましくは0.10〜1.0重量部程度
が採用される。 本発明の高温高圧処理の場合は、通常の浸染法
が採用可能であり、ポリエステル繊維で染色用キ
ヤリヤー成分を併用した場合70〜100℃で10〜60
分、高圧染色法では70〜140℃で10〜60分保持す
れば良い。ポリアミド繊維やポリアクリル繊維で
は、70〜100℃で10〜60分保持することにより高
温高圧処理が可能である。 以上の如き吸収固着法は、合成繊維などの繊維
染色用染料、例えば分散染料、酸性染料、カチオ
ン染料などとPFA化合物との併用ばかりでなく、
PFA化合物による処理後にこれら染料にて染色
し、加熱による吸収固着を同時に行なつても良
い。そして、撥水撥油処理と染色処理が同時に行
なえるという利点の他、本発明では例えば高温高
圧処理の採用により、毛布、カーペツトなどの起
毛品あるいはパイル品などにも良好な撥水撥油性
と染色を付与できるものである。 次に、本発明の実施例について更に具体的に説
明するが、かゝる説明によつて本発明が何ら限定
されないことは勿論である。割合は特に明示しな
い限り、重量%又は重量部である。 なお、以下の実施例及び比較例において、撥水
性及び撥油性は、次の様にして測定した。即ち、
撥水性はJIS L−1005のスプレー法による撥水性
No.(下記第1表参照)をもつて表わし、撥油性は
下記第2表に示された試験溶液を試料布の上、二
ケ所に数滴(径約4mm)置き、30秒後の浸透状態
により判定する(AATCC−TM118−1966)。
【表】
【表】
【表】
また、耐久性については、JIS L−0217−103
法により洗濯を行なつて、撥水撥油性の低下度合
を測定することによつて評価した。即ち、家庭用
電気洗濯機を使用し、洗剤(ブルーダイヤ:商品
名)55g、浴量20、40℃、10分間洗濯した後、
10分間すゝぎ、次いで乾燥するという工程を1回
とし、所定回数後の撥水撥油性を測定するもので
ある。 実施例 1
法により洗濯を行なつて、撥水撥油性の低下度合
を測定することによつて評価した。即ち、家庭用
電気洗濯機を使用し、洗剤(ブルーダイヤ:商品
名)55g、浴量20、40℃、10分間洗濯した後、
10分間すゝぎ、次いで乾燥するという工程を1回
とし、所定回数後の撥水撥油性を測定するもので
ある。 実施例 1
【表】
【表】
上記混合物を80℃で30分間1000rpmで撹拌して
前乳化させ、次いでホモジナイザーを使用して60
℃で30分間乳化し、水性ラテツクスからなる加工
剤Aを調製した。 加工剤A 0.5%owf 染料(Suminol Leveling Sky Blue R:住友
化学工業社製 酸性染料) 1%owf (NH4)2SO4 3%owf 染色助剤(デイスパーSV:明成化学工業社製
アニオン系分散剤) 1%owf 浴比(1:20) 上記染液を調整し、ナイロン加工系ニツトを絞
り率80%でパツドした後、100℃で3分間乾燥し
た。この被染物を高圧蒸熱機で100℃、30分処理
した。被染物を水洗したのち、ラツコールST 2
g/の浴で80℃、10分間ソーピング後水洗、乾
燥、180℃1分間のヒートセツト処理した。 得られたナイロン布の撥水性は80、撥油性は6
であり、洗濯10回後の撥水性は70、撥油性は5で
あつた。 実施例 2 加工剤A 0.5%owf 染料(ホロンルビン S−2GL:サンド社製分
散染料 1%owf 染色助剤(デイスパーGS−57:明成化学工業
社製 アニオン系乳化剤) 0.5g/ 酢酸(90%) 0.25c.c./ 浴比(1:20) 上記染液を調製し、ポリエステル加工糸ニツト
を絞り率80%でパツドした後、100℃で3分間乾
燥した。この被染物を高圧蒸熱機で130℃、30分
処理した。被染物を水洗、還元洗浄し、180℃で
1分間のヒートセツトをした。 撥水性80、撥油性6であり、洗濯10回後の撥水
性70、撥油性は5であつた。 実施例 3 加工剤A 0.5%owf 染料(スミアクリルブルーN−3RL:住友化学
工業社製 カチオン系染料) 1%owf 酢酸(90%) 1%owf 酢酸ソーダ 0.5%owf 染色助剤(ダイレベリンAN:明成化学工業社
製 カチオン系乳化剤) 1%owf 浴比(1:20) 上記染液を調製し、カシミロン織物を絞り率80
%でパツドした後、100℃で3分間乾燥した。こ
の被染物を高圧蒸熱機で100℃、30分間処理した。
被染物を水洗した後、ラツコールPSK2g/の
浴で80℃、10分間ソーピングし、水洗乾燥後130
℃で1分間ヒートセツトを行つた。 撥水性80、撥油性6であり、洗濯10回後の撥水
性70、撥油性5であつた。 実施例4〜7及び比較例1 実施例1の加工剤Aにおいて、Rf基含有化合
物を下記第3表に示す通りに置き換える他は、実
施例1と同様に加工剤の調製、ナイロン加工糸ニ
ツトの染色処理浴による処理を行なつた。また、
Rf基含有化合物の代りに、Rf基を含有する分子
量20000のポリマーを使用して、同様の実験を比
較例1として行なつた。その結果を下記第3表に
示す。
前乳化させ、次いでホモジナイザーを使用して60
℃で30分間乳化し、水性ラテツクスからなる加工
剤Aを調製した。 加工剤A 0.5%owf 染料(Suminol Leveling Sky Blue R:住友
化学工業社製 酸性染料) 1%owf (NH4)2SO4 3%owf 染色助剤(デイスパーSV:明成化学工業社製
アニオン系分散剤) 1%owf 浴比(1:20) 上記染液を調整し、ナイロン加工系ニツトを絞
り率80%でパツドした後、100℃で3分間乾燥し
た。この被染物を高圧蒸熱機で100℃、30分処理
した。被染物を水洗したのち、ラツコールST 2
g/の浴で80℃、10分間ソーピング後水洗、乾
燥、180℃1分間のヒートセツト処理した。 得られたナイロン布の撥水性は80、撥油性は6
であり、洗濯10回後の撥水性は70、撥油性は5で
あつた。 実施例 2 加工剤A 0.5%owf 染料(ホロンルビン S−2GL:サンド社製分
散染料 1%owf 染色助剤(デイスパーGS−57:明成化学工業
社製 アニオン系乳化剤) 0.5g/ 酢酸(90%) 0.25c.c./ 浴比(1:20) 上記染液を調製し、ポリエステル加工糸ニツト
を絞り率80%でパツドした後、100℃で3分間乾
燥した。この被染物を高圧蒸熱機で130℃、30分
処理した。被染物を水洗、還元洗浄し、180℃で
1分間のヒートセツトをした。 撥水性80、撥油性6であり、洗濯10回後の撥水
性70、撥油性は5であつた。 実施例 3 加工剤A 0.5%owf 染料(スミアクリルブルーN−3RL:住友化学
工業社製 カチオン系染料) 1%owf 酢酸(90%) 1%owf 酢酸ソーダ 0.5%owf 染色助剤(ダイレベリンAN:明成化学工業社
製 カチオン系乳化剤) 1%owf 浴比(1:20) 上記染液を調製し、カシミロン織物を絞り率80
%でパツドした後、100℃で3分間乾燥した。こ
の被染物を高圧蒸熱機で100℃、30分間処理した。
被染物を水洗した後、ラツコールPSK2g/の
浴で80℃、10分間ソーピングし、水洗乾燥後130
℃で1分間ヒートセツトを行つた。 撥水性80、撥油性6であり、洗濯10回後の撥水
性70、撥油性5であつた。 実施例4〜7及び比較例1 実施例1の加工剤Aにおいて、Rf基含有化合
物を下記第3表に示す通りに置き換える他は、実
施例1と同様に加工剤の調製、ナイロン加工糸ニ
ツトの染色処理浴による処理を行なつた。また、
Rf基含有化合物の代りに、Rf基を含有する分子
量20000のポリマーを使用して、同様の実験を比
較例1として行なつた。その結果を下記第3表に
示す。
【表】
【表】
比較例 2
実施例1において、処理温度を50℃にした場
合、得られるナイロン布の初期の撥水性及び撥油
性ともに0であつた。 比較例 3 実施例2において、処理温度を50℃にした場
合、得られるポリエステル繊維布の初期の撥水性
及び撥油性ともに0であつた。 比較例 4 実施例3において、処理温度を50℃にした場
合、得られるポリアクリル繊維布の初期の撥水性
及び撥油性ともに0であつた。 実施例 8
合、得られるナイロン布の初期の撥水性及び撥油
性ともに0であつた。 比較例 3 実施例2において、処理温度を50℃にした場
合、得られるポリエステル繊維布の初期の撥水性
及び撥油性ともに0であつた。 比較例 4 実施例3において、処理温度を50℃にした場
合、得られるポリアクリル繊維布の初期の撥水性
及び撥油性ともに0であつた。 実施例 8
【表】
【表】
上記混合物を温度計、スターラーを装着したオ
ートクレープに仕込み高剪断撹拌を行いながら加
温し、100℃で30分間保持してから室温まで冷却
することにより水性ラテツクスを得た。そのラテ
ツクスを実施例1と同様にナイロン加工糸ニツト
に処理を行つた。その結果、撥水性90、撥油性6
であり、洗濯10回後の撥水性80、撥油性は5であ
つた。 実施例 9
ートクレープに仕込み高剪断撹拌を行いながら加
温し、100℃で30分間保持してから室温まで冷却
することにより水性ラテツクスを得た。そのラテ
ツクスを実施例1と同様にナイロン加工糸ニツト
に処理を行つた。その結果、撥水性90、撥油性6
であり、洗濯10回後の撥水性80、撥油性は5であ
つた。 実施例 9
【表】
上記混合物を80℃で30分間1000rpmで撹拌して
前乳化させ、次いでホモジナイザーを使用して60
℃で30分間乳化し水性ラテツクスを得た。そのラ
テツクスを実施例1と同様にナイロン加工糸ニツ
トに処理を行つた。その結果、撥水性90、撥油性
6であり、洗たく10回後の撥水性80、撥油性は5
であつた。
前乳化させ、次いでホモジナイザーを使用して60
℃で30分間乳化し水性ラテツクスを得た。そのラ
テツクスを実施例1と同様にナイロン加工糸ニツ
トに処理を行つた。その結果、撥水性90、撥油性
6であり、洗たく10回後の撥水性80、撥油性は5
であつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 分子量が400〜2000であるポリフルオロアル
キル基含有のトリアジン系化合物又はウレタン系
化合物を、温度70〜140℃及び1.5気圧以上の高温
高圧処理によつて繊維に吸収固着せしめることを
特徴とする繊維の撥水撥油処理方法。 2 ポリフルオロアルキル基含有のトリアジン系
化合物又はウレタン系化合物が下記一般式()
又は()で表わされる化合物である特許請求の
範囲第1項記載の方法。 但し、上記一般式において、Rfは炭素数4〜
16個のポリフルオロアルキル基であり、Xは−R
−,−CON(R1)−Q−又は−SO2N(R1)−Q−
(但し、Rはアルキレン基、R1は水素原子又は低
級アルキル基、Qは二価の有機基を示す)の一つ
であり、A,A1及びA2は−O−,−S−又は−N
(R2)−(但し、R2は水素原子又は低級アルキル基
を示す)の一つであり、Zは一価の有機基であ
り、Z1及びZ2は水素原子又は一価の有機基であ
り、Yは二価の有機基であり、nは1以上の整数
である。 3 RfがCpF2P+1(但し、pは4〜16の整数を示
す)で表わされるパーフルオロアルキル基、Xが
CqH2q(但し、qは1〜10の整数を示す)で表わ
されるアルキレン基、Aが−O−,A1及びA2が
−O−又は−N(R2)−(但し、R2は水素原子又は
低級アルキル基を示す)の一つであり、Yが少な
くとも1個の芳香族環又は脂肪族環を有する二価
の有機基、nが1〜3の整数である特許請求の範
囲第2項記載の方法。 4 ポリフルオロアルキル基含有のトリアジン系
化合物又はウレタン系化合物の繊維内への吸収固
着量が、繊維100重量部当り0.05〜5重量部であ
る特許請求の範囲第1項記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP535982A JPS58126369A (ja) | 1982-01-19 | 1982-01-19 | 繊維の撥水撥油処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP535982A JPS58126369A (ja) | 1982-01-19 | 1982-01-19 | 繊維の撥水撥油処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58126369A JPS58126369A (ja) | 1983-07-27 |
| JPH0147592B2 true JPH0147592B2 (ja) | 1989-10-16 |
Family
ID=11608974
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP535982A Granted JPS58126369A (ja) | 1982-01-19 | 1982-01-19 | 繊維の撥水撥油処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58126369A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59204921A (ja) * | 1983-05-02 | 1984-11-20 | Toray Ind Inc | 撥水・撥油・防汚性を有する合成繊維の製造方法 |
-
1982
- 1982-01-19 JP JP535982A patent/JPS58126369A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58126369A (ja) | 1983-07-27 |
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