JPH0148356B2 - - Google Patents
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- JPH0148356B2 JPH0148356B2 JP59235052A JP23505284A JPH0148356B2 JP H0148356 B2 JPH0148356 B2 JP H0148356B2 JP 59235052 A JP59235052 A JP 59235052A JP 23505284 A JP23505284 A JP 23505284A JP H0148356 B2 JPH0148356 B2 JP H0148356B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は亜鉛−鉄系合金メツキ鋼板の電気メツ
キによる製造法に関するものである。 〔従来技術〕 Znに対してFeを主成分として含有するZn−Fe
或いはZn−Fe−Ni、Zn−Fe−Cr等の亜鉛−鉄
系合金メツキ鋼板は、特公昭50−29821号公報、
特開昭56−9386号公報などで発表されすぐれた耐
食性、塗装性能(特に、塗料密着性、塗装後耐食
性)、溶接性等を有することから自動車用防錆鋼
板として広く使用されつつある。特に、近年では
寒冷地帯における冬期道路凍結防止用散布塩に対
する自動車車体の防錆鋼板として使用されるな
ど、非常に苛酷な腐食環境での使用が著しく増加
の傾向にある。従つて、このような腐食環境に対
しても、常に安定してすぐれた耐食性、塗装性能
を示す亜鉛−鉄系合金メツキ鋼板の製造が要求さ
れている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 一般に、電気メツキ法で製造されるFeを合金
化成分とする亜鉛−鉄系合金メツキ鋼板は、上記
の如き腐食環境を想定した評価試験において優れ
た性能が得られるが、時として耐食性、塗装性能
の劣る現象が、時にFeを10〜20%含有する亜鉛
−鉄系合金メツキ鋼板で生じる事がある。即ち、
腐食環境に曝された場合、塗膜下でZn−Fe系合
金メツキ層の部分的な溶解によつて塗膜面に小さ
なフクレ(所謂、ブリスター)を発生したり、或
いは塗膜の欠陥部から腐食が部分的に著しく進行
したりする現象が時として観察される。すなわ
ち、Cl-イオンを含有する水溶液に曝される腐食
環境での優れた耐食性或いは道路凍結防止用散布
塩の岩塩岩石等の衝突(チツピング)によつて、
塗膜面の剥離が起こりにくく、また剥離が生じて
も塗膜欠陥部から腐食の生じにくい、すなわち優
れた塗料密着性、塗装後耐食性が常に安定して得
られる亜鉛−鉄系合金メツキ鋼板を提供するもの
である。 〔問題点を解決する手段〕 すなわち、本発明は亜鉛−鉄系合金メツキ電解
浴組成中のPbイオン濃度を1ppm以下、Snイオン
濃度を0.5ppm以下、Sbイオン濃度を0.5ppm以下
にして、電流密度60A/dm2、極間距離15mm以下
で電解処理するη相とζ相の生成を防止した亜鉛
−鉄系合金メツキ鋼板の電気メツキによる製造法
を提供することにある。 〔作用〕 本発明者等はこれらの耐食性不良原因について
検討した結果、第1図に示すように、亜鉛−鉄系
合金メツキ鋼板のメツキ層中に部分的にZn相
(η相)或いはFe含有量が少ない(Fe濃度;約
6.2%以下)Zn−Fe相(ζ相)が析出した場合
に、腐食環境においてFe濃度の高いZn−Fe合金
相(δ1、ε相等)に比して耐食性が劣り、溶解に
よる腐食の進行が速いために、前記の如き耐食性
の劣る現象が生じるものと推察された。従つて、
本発明においては、電気メツキ法による亜鉛−鉄
系合金メツキ鋼板の製造において、これらの耐食
性不良の原因となるZn相(η相)或いはFe含有
量の少ないZn−Fe合金相(ζ相)をメツキ相中
に析出させないための電解処理条件を提供するも
のである。 以下、本発明について詳細に説明する。 先ず、被メツキ鋼板に脱脂、酸洗等の通常電気
メツキにおいて表面清浄化、前処理を施した後、
これら電解浴組成中で電気メツキが施される。 本発明に使用される電解浴組成は、特に規定さ
れるものではないが、例えば以下に示すような
Znイオン、Feイオンを含有する硫酸塩浴或いは
塩化物浴等が使用される。 (a) 硫酸亜鉛 175g/ 硫酸鉄 175g/ PH=1.2 (b) 硫酸亜鉛 120g/ 硫酸鉄 210g/ 硫酸アンモン 19g/ PH=1.4 (c) 塩化亜鉛 120g/ 塩化鉄 180g/ さく酸塩 20g/ PH=1.3 このような電解浴中のFeイオン濃度とZnイオ
ン濃度の比率がFe/Zn=1/1〜1.75/1の範
囲では、通常工業的に使用される電流密度が30〜
150A/dm2の範囲ではメツキ層中のFe含有量が
10〜20%に維持される。 この場合、第2図に示すように、Fe含有量が
10〜20%のZn−Fe系合金組成において、電解時
の電流密度によつては、η相の析出がメツキ層中
に認められる。これは同一Feイオン含有量の浴
組成であつても、電流密度が低い場合、Znの優
先析出が起こり易く、そのため部分的にFe含有
量の低いZn−Fe合金組成のもの或いはZn相が析
出するためと考えられる。従つて、η相の析出を
防止するためには、電流密度が60A/dm2以上、
好ましくは80A/dm2以上である事が必要であ
る。 この電流密度が60A/dm2以上に維持されたと
しても、さらに工業的に安定してη相の(メツキ
層中への)析出を防止するには、以下の電解条件
が維持される事が必要である。即ち、金属イオン
の供給源として使用されるZn、Feからの不可避
的不純物或いは電極から溶解混入される不純物で
あるPb、Sn及びSbイオンの混入量を限定する事
が必要である。これら不純物のPb、Sn及びSbイ
オンについても、Feと比較して非常に析出電位
が低く、メツキ層中に析出すると同時に、Feイ
オンのメツキ層中への析出を妨害するため、第3
図に示すように極く微量メツキ浴中に含有される
事によつてη相の析出を生じる。従つて、これら
不純物の含有量は、Pbイオンを1ppm以下、好ま
しくは0.5ppm以下、Snイオンを0.5ppm以下、好
ましくは0.1ppm以下に、またSbイオンを0.5ppm
以下、好ましくは0.1ppm以下に限定する必要が
ある。 而して、電解浴組成中のPbイオン、Snイオン
及びSbイオンの混入量を上記範囲の規制は、以
下述べるような方法で達成される。金属イオン源
として使用されるZn、Feの各硫酸塩或いは塩化
物の製造に際して、各々純度の高いZn、Fe金属
を用い、また金属としてイオン補修を行なう場合
にも純度の高いZn、Fe金属を用いる事が好まし
い。 特に、Pb、Sn及びSbイオンが不純物として含
有され易いZn金属として、JIS H 2107記載の
特殊亜鉛地金或いは最純亜鉛地金を用いる事が好
ましい。 また、電極としてZn、またはFeの可溶性電極
を用いる場合にも各々、上記亜鉛地金或いは高純
度鉄より製造された電極を用いる事が好ましい。
さらに不溶性電極を用いる場合は、チタン或いは
ジルコニウムの白金クラツド板の如きPb、Sn及
びSbを使用しない電極を用いることが好ましく、
Pb系合金の電極を用いる場合にはSnかSbの含ま
れないPb−Ag電極を使用するとよい。而して、
上記のいずれの場合も、SnかSbより不純物とし
て多く含有されるPb不純物等の電解浴からの除
去には、炭酸ストロンチユウム或いは炭酸バリウ
ム等を用いて共沈法等により除去されてもよく、
またSnかSb不純物は、例えば電解槽と別に設け
られたタンク等で低電流密度電解法により除去し
てもよい。 さらに、上記の如く、電流密度及び電解浴中不
純物量が規定されても、η相の析出しないZn−
Fe系合金メツキ層を工業的に安定して得るため
には、以下の電解処理条件を規定する必要があ
る。即ち、電解時に電極と鋼板の相対面は、電極
に附与した電流密度で電解処理が可能であるが、
鋼板が電極に対して電極の入側部分或いは出側部
分は電極から電流が分配されて電極に附与した電
流密度より低電流密度で電解処理される部分が生
じ、前記の如き本発明の電解処理条件を保持して
もη相を析出する。 このような低電流密度の電解域は、鋼板の通板
速度が遅い場合或いは鋼板と電極との間の距離
(所謂、極間距離)が大きい場合に多くなる。こ
のうち、鋼板の通板速度は、定速運転の場合以外
にコイル同志の溶接時或いは何らかの通板時のト
ラブル等で減速される可能性もあり、常に通板速
度を一定に保つ事が困難である。従つて、本発明
では、安定して操業条件を確保して、低電流密度
電解域を少なくするために、極間距離を小さく
し、悪影響を防止する。 鋼板と電極との極間距離については第4図に一
例を示すように、極間距離を15mm以下、好ましく
は10mm以下に限定する事によつて、電極の通板方
向両端部分での低電流密度での電解部分を減ら
し、η相の析出を生じにくくする。 しかして上記のような本発明により、電解時の
電流密度、電解浴中の不純物Pb、Sn及びSbイオ
ンの混入量、極間距離を各々規制する事によつ
て、Zn−(10〜20%)Fe系合金メツキ組成中にη
相の析出を防止する事が可能であり、またすぐれ
た耐食性及び塗装性能を確保する事ができる。 尚、本発明は、Zn−Fe系合金メツキ層が主要
構成の合金メツキ鋼板に適用され、例えばZn−
(10〜20%)Fe系合金メツキ鋼板さらにFe含有量
の高いZn−Fe、Zn−Fe−P、Zn−Fe−Ni、Zn
−Fe−Crの合金メツキ鋼板の製造法にも適用さ
れる。 〔実施例〕 以下に、本発明の実施例を示す。 0.8mm板厚の冷延鋼板を用い、オルトケイ酸ソ
ーダ溶液による脱脂、硫酸々洗を行なつた後、硫
酸亜鉛140g/、硫酸鉄240g/、硫酸アンモ
ン10g/からなる電解浴組成を用いて、第1表
に示すように本発明の重要要因である、電流密
度、電解浴中のPb、Sn及びSbイオンの不純物添
加量、鋼板と電極との極間距離を各々変化させ
て、製造したZn−(10〜20%)Fe系合金メツキ鋼
板の性能について評価を行なつた。尚、評価方法
については、以下の評価方法によつた。 η相の析出状況 メツキ鋼板の以下の方法で、X線解析を行な
い、第1図に示した測定角度2θ≒43度のη相に
相当するピーク高さの測定により行なつた。
尚、X線解析条件は以下の通りである。 ΓCoターゲツト Γフイルター Fe フイルター Γ加圧電圧35kV ΓScanスピード 1゜/分 加速電流20mA ΓFullスケール 5Kcps Γ出側スリツト(divergence slit)0.8mm Γ受側スリツト(receiving slit)0.3mm カチオン電着塗装後のサイクリツクコロジヨ
ンテストによる耐食性化成処理後(リン酸塩被
膜量2.8g/m2)に、カチオン電着20μ塗装後第
5図に示すサイクル条件を1サイクルとして、
50サイクルテストを実施して、最大孔食深さの
測定により、その耐食性を評価した。 尚、評価基準は以下の方法によつた。 ◎…最大孔食深さ 0.15mm以下 〇…最大孔食深さ 0.25mm以下 △…最大孔食深さ 0.40mm以下 ×…最大孔食深さ 0.40mm超 カチオン電気塗装後の塩水噴霧試験(S.S.
T)による塗装性能化成処理後にカチオン電着
塗装20μ厚さ施した後、評価材に地鉄に達する
クロスカツト傷を入れ、S.S.T750時間後に、
乾燥、セロテープ剥離を行ない、以下の評価基
準でその塗装性能を評価した。 ◎…クロスカツト部分からの塗膜剥離巾 2mm以下、その他の塗膜面の剥離なし 〇…クロスカツト部分からの塗膜剥離巾 3mm以下、その他の塗膜面からの剥離なし △…クロスカツト部分からの塗膜剥離巾 4mm以下、その他の塗膜面からの剥離個数
若干発生 ×…クロスカツト部分からの塗膜剥離巾 4mm超、その他の塗膜面からの剥離個数多
数発生 3コート後の二次塗料密着性 化成処理後に、カチオン電着塗装(18μ)、
中塗り(30μ)、上塗り(35μ)の3コート塗装
後、50℃蒸留水中に240時間浸漬後に、碁盤目
試験(2mm角、100マス)、セロテープ剥離を行
ない、以下の評価基準で評価した。 ◎…塗膜剥離部分が5%以下で、碁盤目1マス
中の最大剥離部分が10%以下 〇…塗膜剥離部分が10%以下で、碁盤目1マス
中の最大剥離部分が20%以下 △…塗膜剥離部分が20%以下で、碁盤目1マス
中の最大剥離部分が50%未満 ×…碁盤目の1マス中の剥離50%以上のものが
存在
キによる製造法に関するものである。 〔従来技術〕 Znに対してFeを主成分として含有するZn−Fe
或いはZn−Fe−Ni、Zn−Fe−Cr等の亜鉛−鉄
系合金メツキ鋼板は、特公昭50−29821号公報、
特開昭56−9386号公報などで発表されすぐれた耐
食性、塗装性能(特に、塗料密着性、塗装後耐食
性)、溶接性等を有することから自動車用防錆鋼
板として広く使用されつつある。特に、近年では
寒冷地帯における冬期道路凍結防止用散布塩に対
する自動車車体の防錆鋼板として使用されるな
ど、非常に苛酷な腐食環境での使用が著しく増加
の傾向にある。従つて、このような腐食環境に対
しても、常に安定してすぐれた耐食性、塗装性能
を示す亜鉛−鉄系合金メツキ鋼板の製造が要求さ
れている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 一般に、電気メツキ法で製造されるFeを合金
化成分とする亜鉛−鉄系合金メツキ鋼板は、上記
の如き腐食環境を想定した評価試験において優れ
た性能が得られるが、時として耐食性、塗装性能
の劣る現象が、時にFeを10〜20%含有する亜鉛
−鉄系合金メツキ鋼板で生じる事がある。即ち、
腐食環境に曝された場合、塗膜下でZn−Fe系合
金メツキ層の部分的な溶解によつて塗膜面に小さ
なフクレ(所謂、ブリスター)を発生したり、或
いは塗膜の欠陥部から腐食が部分的に著しく進行
したりする現象が時として観察される。すなわ
ち、Cl-イオンを含有する水溶液に曝される腐食
環境での優れた耐食性或いは道路凍結防止用散布
塩の岩塩岩石等の衝突(チツピング)によつて、
塗膜面の剥離が起こりにくく、また剥離が生じて
も塗膜欠陥部から腐食の生じにくい、すなわち優
れた塗料密着性、塗装後耐食性が常に安定して得
られる亜鉛−鉄系合金メツキ鋼板を提供するもの
である。 〔問題点を解決する手段〕 すなわち、本発明は亜鉛−鉄系合金メツキ電解
浴組成中のPbイオン濃度を1ppm以下、Snイオン
濃度を0.5ppm以下、Sbイオン濃度を0.5ppm以下
にして、電流密度60A/dm2、極間距離15mm以下
で電解処理するη相とζ相の生成を防止した亜鉛
−鉄系合金メツキ鋼板の電気メツキによる製造法
を提供することにある。 〔作用〕 本発明者等はこれらの耐食性不良原因について
検討した結果、第1図に示すように、亜鉛−鉄系
合金メツキ鋼板のメツキ層中に部分的にZn相
(η相)或いはFe含有量が少ない(Fe濃度;約
6.2%以下)Zn−Fe相(ζ相)が析出した場合
に、腐食環境においてFe濃度の高いZn−Fe合金
相(δ1、ε相等)に比して耐食性が劣り、溶解に
よる腐食の進行が速いために、前記の如き耐食性
の劣る現象が生じるものと推察された。従つて、
本発明においては、電気メツキ法による亜鉛−鉄
系合金メツキ鋼板の製造において、これらの耐食
性不良の原因となるZn相(η相)或いはFe含有
量の少ないZn−Fe合金相(ζ相)をメツキ相中
に析出させないための電解処理条件を提供するも
のである。 以下、本発明について詳細に説明する。 先ず、被メツキ鋼板に脱脂、酸洗等の通常電気
メツキにおいて表面清浄化、前処理を施した後、
これら電解浴組成中で電気メツキが施される。 本発明に使用される電解浴組成は、特に規定さ
れるものではないが、例えば以下に示すような
Znイオン、Feイオンを含有する硫酸塩浴或いは
塩化物浴等が使用される。 (a) 硫酸亜鉛 175g/ 硫酸鉄 175g/ PH=1.2 (b) 硫酸亜鉛 120g/ 硫酸鉄 210g/ 硫酸アンモン 19g/ PH=1.4 (c) 塩化亜鉛 120g/ 塩化鉄 180g/ さく酸塩 20g/ PH=1.3 このような電解浴中のFeイオン濃度とZnイオ
ン濃度の比率がFe/Zn=1/1〜1.75/1の範
囲では、通常工業的に使用される電流密度が30〜
150A/dm2の範囲ではメツキ層中のFe含有量が
10〜20%に維持される。 この場合、第2図に示すように、Fe含有量が
10〜20%のZn−Fe系合金組成において、電解時
の電流密度によつては、η相の析出がメツキ層中
に認められる。これは同一Feイオン含有量の浴
組成であつても、電流密度が低い場合、Znの優
先析出が起こり易く、そのため部分的にFe含有
量の低いZn−Fe合金組成のもの或いはZn相が析
出するためと考えられる。従つて、η相の析出を
防止するためには、電流密度が60A/dm2以上、
好ましくは80A/dm2以上である事が必要であ
る。 この電流密度が60A/dm2以上に維持されたと
しても、さらに工業的に安定してη相の(メツキ
層中への)析出を防止するには、以下の電解条件
が維持される事が必要である。即ち、金属イオン
の供給源として使用されるZn、Feからの不可避
的不純物或いは電極から溶解混入される不純物で
あるPb、Sn及びSbイオンの混入量を限定する事
が必要である。これら不純物のPb、Sn及びSbイ
オンについても、Feと比較して非常に析出電位
が低く、メツキ層中に析出すると同時に、Feイ
オンのメツキ層中への析出を妨害するため、第3
図に示すように極く微量メツキ浴中に含有される
事によつてη相の析出を生じる。従つて、これら
不純物の含有量は、Pbイオンを1ppm以下、好ま
しくは0.5ppm以下、Snイオンを0.5ppm以下、好
ましくは0.1ppm以下に、またSbイオンを0.5ppm
以下、好ましくは0.1ppm以下に限定する必要が
ある。 而して、電解浴組成中のPbイオン、Snイオン
及びSbイオンの混入量を上記範囲の規制は、以
下述べるような方法で達成される。金属イオン源
として使用されるZn、Feの各硫酸塩或いは塩化
物の製造に際して、各々純度の高いZn、Fe金属
を用い、また金属としてイオン補修を行なう場合
にも純度の高いZn、Fe金属を用いる事が好まし
い。 特に、Pb、Sn及びSbイオンが不純物として含
有され易いZn金属として、JIS H 2107記載の
特殊亜鉛地金或いは最純亜鉛地金を用いる事が好
ましい。 また、電極としてZn、またはFeの可溶性電極
を用いる場合にも各々、上記亜鉛地金或いは高純
度鉄より製造された電極を用いる事が好ましい。
さらに不溶性電極を用いる場合は、チタン或いは
ジルコニウムの白金クラツド板の如きPb、Sn及
びSbを使用しない電極を用いることが好ましく、
Pb系合金の電極を用いる場合にはSnかSbの含ま
れないPb−Ag電極を使用するとよい。而して、
上記のいずれの場合も、SnかSbより不純物とし
て多く含有されるPb不純物等の電解浴からの除
去には、炭酸ストロンチユウム或いは炭酸バリウ
ム等を用いて共沈法等により除去されてもよく、
またSnかSb不純物は、例えば電解槽と別に設け
られたタンク等で低電流密度電解法により除去し
てもよい。 さらに、上記の如く、電流密度及び電解浴中不
純物量が規定されても、η相の析出しないZn−
Fe系合金メツキ層を工業的に安定して得るため
には、以下の電解処理条件を規定する必要があ
る。即ち、電解時に電極と鋼板の相対面は、電極
に附与した電流密度で電解処理が可能であるが、
鋼板が電極に対して電極の入側部分或いは出側部
分は電極から電流が分配されて電極に附与した電
流密度より低電流密度で電解処理される部分が生
じ、前記の如き本発明の電解処理条件を保持して
もη相を析出する。 このような低電流密度の電解域は、鋼板の通板
速度が遅い場合或いは鋼板と電極との間の距離
(所謂、極間距離)が大きい場合に多くなる。こ
のうち、鋼板の通板速度は、定速運転の場合以外
にコイル同志の溶接時或いは何らかの通板時のト
ラブル等で減速される可能性もあり、常に通板速
度を一定に保つ事が困難である。従つて、本発明
では、安定して操業条件を確保して、低電流密度
電解域を少なくするために、極間距離を小さく
し、悪影響を防止する。 鋼板と電極との極間距離については第4図に一
例を示すように、極間距離を15mm以下、好ましく
は10mm以下に限定する事によつて、電極の通板方
向両端部分での低電流密度での電解部分を減ら
し、η相の析出を生じにくくする。 しかして上記のような本発明により、電解時の
電流密度、電解浴中の不純物Pb、Sn及びSbイオ
ンの混入量、極間距離を各々規制する事によつ
て、Zn−(10〜20%)Fe系合金メツキ組成中にη
相の析出を防止する事が可能であり、またすぐれ
た耐食性及び塗装性能を確保する事ができる。 尚、本発明は、Zn−Fe系合金メツキ層が主要
構成の合金メツキ鋼板に適用され、例えばZn−
(10〜20%)Fe系合金メツキ鋼板さらにFe含有量
の高いZn−Fe、Zn−Fe−P、Zn−Fe−Ni、Zn
−Fe−Crの合金メツキ鋼板の製造法にも適用さ
れる。 〔実施例〕 以下に、本発明の実施例を示す。 0.8mm板厚の冷延鋼板を用い、オルトケイ酸ソ
ーダ溶液による脱脂、硫酸々洗を行なつた後、硫
酸亜鉛140g/、硫酸鉄240g/、硫酸アンモ
ン10g/からなる電解浴組成を用いて、第1表
に示すように本発明の重要要因である、電流密
度、電解浴中のPb、Sn及びSbイオンの不純物添
加量、鋼板と電極との極間距離を各々変化させ
て、製造したZn−(10〜20%)Fe系合金メツキ鋼
板の性能について評価を行なつた。尚、評価方法
については、以下の評価方法によつた。 η相の析出状況 メツキ鋼板の以下の方法で、X線解析を行な
い、第1図に示した測定角度2θ≒43度のη相に
相当するピーク高さの測定により行なつた。
尚、X線解析条件は以下の通りである。 ΓCoターゲツト Γフイルター Fe フイルター Γ加圧電圧35kV ΓScanスピード 1゜/分 加速電流20mA ΓFullスケール 5Kcps Γ出側スリツト(divergence slit)0.8mm Γ受側スリツト(receiving slit)0.3mm カチオン電着塗装後のサイクリツクコロジヨ
ンテストによる耐食性化成処理後(リン酸塩被
膜量2.8g/m2)に、カチオン電着20μ塗装後第
5図に示すサイクル条件を1サイクルとして、
50サイクルテストを実施して、最大孔食深さの
測定により、その耐食性を評価した。 尚、評価基準は以下の方法によつた。 ◎…最大孔食深さ 0.15mm以下 〇…最大孔食深さ 0.25mm以下 △…最大孔食深さ 0.40mm以下 ×…最大孔食深さ 0.40mm超 カチオン電気塗装後の塩水噴霧試験(S.S.
T)による塗装性能化成処理後にカチオン電着
塗装20μ厚さ施した後、評価材に地鉄に達する
クロスカツト傷を入れ、S.S.T750時間後に、
乾燥、セロテープ剥離を行ない、以下の評価基
準でその塗装性能を評価した。 ◎…クロスカツト部分からの塗膜剥離巾 2mm以下、その他の塗膜面の剥離なし 〇…クロスカツト部分からの塗膜剥離巾 3mm以下、その他の塗膜面からの剥離なし △…クロスカツト部分からの塗膜剥離巾 4mm以下、その他の塗膜面からの剥離個数
若干発生 ×…クロスカツト部分からの塗膜剥離巾 4mm超、その他の塗膜面からの剥離個数多
数発生 3コート後の二次塗料密着性 化成処理後に、カチオン電着塗装(18μ)、
中塗り(30μ)、上塗り(35μ)の3コート塗装
後、50℃蒸留水中に240時間浸漬後に、碁盤目
試験(2mm角、100マス)、セロテープ剥離を行
ない、以下の評価基準で評価した。 ◎…塗膜剥離部分が5%以下で、碁盤目1マス
中の最大剥離部分が10%以下 〇…塗膜剥離部分が10%以下で、碁盤目1マス
中の最大剥離部分が20%以下 △…塗膜剥離部分が20%以下で、碁盤目1マス
中の最大剥離部分が50%未満 ×…碁盤目の1マス中の剥離50%以上のものが
存在
【表】
以上の如く、本発明の方法によるZn−Fe系合
金メツキ鋼板は、メツキ層中にη相の生成が極め
て少なく、その性能は良好である。
金メツキ鋼板は、メツキ層中にη相の生成が極め
て少なく、その性能は良好である。
第1図はZn−16%Fe系合金メツキ鋼板のメツ
キ層組織(X線回折結果)を示し、aは性能の劣
るZn−Fe系合金メツキ鋼板のメツキ組織、bは
性能の良好なZn−Fe系合金メツキ鋼板のメツキ
組織を表わしている。第2図はZn−(10〜20%)
Fe系合金メツキ鋼板のメツキ層中のη相析出に
及ぼす電流密度の影響を示す図。第3図a,b,
cはZn−(10〜20%)Fe系合金メツキ鋼板のメツ
キ層中のη相析出に及ぼすメツキ浴中のSn、Pb、
Sbの各イオンの影響を示す図。第4図はZn−(10
〜20%)Fe系合金メツキ鋼板のメツキ層中のη
相析出に及ぼす極間距離の影響を示す図である。
第5図はサイクリツクコロージヨンテストのサイ
クル条件を示す図である。
キ層組織(X線回折結果)を示し、aは性能の劣
るZn−Fe系合金メツキ鋼板のメツキ組織、bは
性能の良好なZn−Fe系合金メツキ鋼板のメツキ
組織を表わしている。第2図はZn−(10〜20%)
Fe系合金メツキ鋼板のメツキ層中のη相析出に
及ぼす電流密度の影響を示す図。第3図a,b,
cはZn−(10〜20%)Fe系合金メツキ鋼板のメツ
キ層中のη相析出に及ぼすメツキ浴中のSn、Pb、
Sbの各イオンの影響を示す図。第4図はZn−(10
〜20%)Fe系合金メツキ鋼板のメツキ層中のη
相析出に及ぼす極間距離の影響を示す図である。
第5図はサイクリツクコロージヨンテストのサイ
クル条件を示す図である。
Claims (1)
- 1 亜鉛−鉄系合金メツキ電解浴組成において、
Feイオン濃度とZnイオン濃度の比率がFe/Zn=
1/1〜1.75/1からなるメツキ浴組成を用い、
その電解浴組成中のPbイオン濃度を1ppm以下、
Snイオン濃度を0.5ppm以下、Sbイオン濃度を
0.5ppm以下に規制して電流密度60A/dm2以上、
極間距離15mm以下で電解処理し鉄含有量10〜20重
量%の亜鉛−鉄合金メツキする事を特徴とするη
相とζ相の生成を防止した亜鉛−鉄合金メツキ鋼
板の電気メツキ法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23505284A JPS61113785A (ja) | 1984-11-09 | 1984-11-09 | η相とζ相の生成を防止した亜鉛−鉄系合金メツキ鋼板の電気メツキによる製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23505284A JPS61113785A (ja) | 1984-11-09 | 1984-11-09 | η相とζ相の生成を防止した亜鉛−鉄系合金メツキ鋼板の電気メツキによる製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61113785A JPS61113785A (ja) | 1986-05-31 |
| JPH0148356B2 true JPH0148356B2 (ja) | 1989-10-18 |
Family
ID=16980372
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23505284A Granted JPS61113785A (ja) | 1984-11-09 | 1984-11-09 | η相とζ相の生成を防止した亜鉛−鉄系合金メツキ鋼板の電気メツキによる製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61113785A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2509939B2 (ja) * | 1987-07-06 | 1996-06-26 | 新日本製鐵株式会社 | Zn―Ni系合金めっき鋼板の製造方法 |
| JP2509940B2 (ja) * | 1987-07-06 | 1996-06-26 | 新日本製鐵株式会社 | Zn―Ni系合金めっき鋼板の製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57137493A (en) * | 1981-02-20 | 1982-08-25 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Electroplating method for alloy |
-
1984
- 1984-11-09 JP JP23505284A patent/JPS61113785A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61113785A (ja) | 1986-05-31 |
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