JPH0149743B2 - - Google Patents
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- JPH0149743B2 JPH0149743B2 JP60277886A JP27788685A JPH0149743B2 JP H0149743 B2 JPH0149743 B2 JP H0149743B2 JP 60277886 A JP60277886 A JP 60277886A JP 27788685 A JP27788685 A JP 27788685A JP H0149743 B2 JPH0149743 B2 JP H0149743B2
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Description
本発明は、特殊な複合陽イオン交換膜に関す
る。詳しくは、多孔体層とイオン交換体層とより
なる特殊な複合隔膜であつて隔膜式電解槽による
アルカリ金属塩の電解において、特に高濃度の苛
性アルカリおよび純度の高い塩素を製造する場合
に有効に使用し得る複合陽イオン交換膜に係る。 従来、隔膜式電解法においては、隔膜としてア
スベスト等の透水性の比較的高いものを用いて、
陽極室から陰極室の方に塩水を流しつつ電解を行
つている。 隔膜としてはコスト及び加工性の面から、通常
クリソタイル等のアスベスト繊維を用いられる
が、これらは比較的アルカリに弱いこと及び使用
時の形安定性がそれ程よくないことから、数百時
間程度の使用で取りかえなければならないという
欠点があつた。 そこで、隔膜の強度を増大させる試みが近年な
されており、例えば、アスベストのバインダーと
して珪素化合物を用いるとか、アスベスト繊維と
弗素樹脂微粒子又は繊維とを共沈させる等して均
一に混在させ、これを焼結する等、アスベストの
バインダーの開発が行われた。また別の方法とし
て含弗素樹脂の多孔性フイルムを隔膜として用い
るという提案もなされている。これらの多くの試
みによつて隔膜の耐久性を相当に改善し得たが、
本質的な欠陥である苛性アルカリの品質の改良は
十分には行えない。 更に、隔膜としてイオンの選択的透過性を有す
る膜状物、即ち、イオン交換樹脂膜を用いようと
する試みがなされている。この方法によると、例
えば陽イオン交換膜を用いることにより陽極室か
らアルカリ金属イオンだけを選択的に陰極室に送
り、そこで苛性アルカリを生成し水素ガスが発生
する。他方陽極室では、塩素イオンが酸化され塩
素ガスが発生する。しかし陽イオン交換膜中の水
酸イオンの輸率は比較的大きく、陽極室にアルカ
リが抜け出る結果となり、その分だけ電力の損失
となるのみでなく、塩素中の酸素濃度を増大させ
る欠点がある、この現象は陰極室で生成する苛性
アルカリ濃度が高い程顕著となる。またイオン交
換膜は過酷な環境に曝されることになる。 そこで、電解条件下のような過酷な環境に耐え
得るイオン交換樹脂膜の開発が行われている。そ
れらの主なものは、いずれも含弗素樹脂をベース
にしたものであつて、例えば主鎖がパーフロロエ
チレン型でイオン交換基をペンダント基に有する
もの、パーフロロエチレンと弗化ビニリデンとの
共重合体または各重合体の混合物であつて、弗化
ビニリデンユニツトの水素の一部をスルホン基等
のイオン交換基で置換したもの等が提案されてい
る。 このようなイオン交換樹脂膜は耐久性という点
においては相当に改善せられており、実用に耐え
得るものがある。例えば、特開昭48−61397号公
報に開示された方法等は一応の目的を達するもの
と思われる。 これらの方法においても、なお陽イオン交換樹
脂膜の共通の欠点である水酸イオン透過を実質的
に完全に阻止することはできず、アルカリ金属
塩、就中アルカリ金属塩化物の電解の場合、電流
効率を高く保持することは困難である。従つて、
アルカリ金属塩化物の電解にあつては、一般に生
成する苛性アルカリの濃度を低く、例えば、3乃
至6規定程度に押えて電解を行うことが提案され
ており、その場合でもなお電流効率は80%程度と
なると考えられる。このように低濃度の苛性アル
カリは、通常更に濃縮工程を必要とし、装置的に
も、エネルギー的にも不利であることは言うまで
もない。また電解により直接高濃度の苛性アルカ
リを得ようとすると電流効率は急激に低下し、例
えば70%以下になる。 従つて本発明は、工業的に用いた場合、水酸イ
オンを実質的に透過させ難い複合陽イオン交換膜
を得ることを目的とする。 本発明の複合陽イオン交換膜によれば、70%以
上の電流効率で苛性アルカリは8規定以上、必要
により15規定又はそれ以上の高濃度で得られ、し
かも陽極室で得られる塩素の濃度は特に塩酸を添
加しなくても通常97%以上の濃度となり、塩素の
精製工程を簡略化又は不用とすることができるの
である。 即ち、本発明の複合陽イオン交換膜は多孔体で
ある厚い層と、実質的に水不透過性の陽イオン交
換体である薄層とよりなる複合膜である。詳細に
は、本発明は、主として樹脂よりなる多孔体層と
実質的に水不透過性であるカルボン酸型陽イオン
交換体であつて、前記多孔体層よりも厚くないイ
オン交換体層とよりなり、該多孔体層は、0.01
ml/hv・cm2・cmH2O以上の透水性を有する複合
陽イオン交換膜である。ここで多孔或いは水不透
過性という表現の基準は、共に各層のみの透水率
で表す。即ち水柱1cmの差圧下に1cm2当り1時間
当りの透水量(特記のない限りミリリツトルで表
す)として、実質的に水が透過しないものを水不
透過性と言い、多孔と表現されるものは透水率が
0.01以上のものである。本発明では、一般に、
0.1以上のものが推奨され、上限は数拾リツトル、
例えば直径1mm程度の孔を有するものであつても
よいが、一般に孔径の増大と共に多孔体層の厚さ
を増大させるのが好ましい。そして、孔の直径と
長さの関係は常に直径<長さに保たねばならない
が、特に多孔体の平均直径をdとし、孔の長さを
lとしたとき、l/d>100の関係にあることが
好ましい。 また孔の存在する量は多い程好ましいが、一般
に全体積に対して、孔の専有する体積(これを開
孔率とする)が50%以上、特に70%以上であれば
本発明に好ましく適用し得る。 本発明に関し、理解を助けるために第1図に隔
膜の多孔体層の水透過性と電解槽の極間電圧との
関係を示す。本例においては、バインダーとして
弗素樹脂を用いたアスベスト多孔膜とデユポン社
製ナフイオン(パーフロロ系陽イオン交換膜)
315(厚さ約0.41mm)を重ね合せて用い、アスベス
ト多孔膜の厚さをかえて水透過性を変化させた場
合の極間電圧を調べた。尚、電解条件は温度80
℃、30A/dm2、食塩280g/(陽極室出口)
とし陰極室13規定苛性ソーダとして取出す。 この第1図より、多孔体層の水透過性が0.01以
下では、極端に極間電圧が上昇することがわか
る。従つて、透水率は0.01以上好ましくは0.1以
上を選定しなければならない。また、多孔体層の
孔径が極端に大きく、1mm以上となれば最早多孔
体としての意義を失うことになり、本発明の目的
に適さない。 本発明の複合陽イオン交換膜は、主として樹脂
よりなる多孔体層と、実質的に水不透過性である
陽イオン交換体層とよりなり、該陽イオン交換体
層は、 多孔体層よりも厚くないことが特徴の一つであ
る。即ち、アルカリ金属塩等の電解に用いられる
一般の陽イオン交換膜は、比電気抵抗が大きく、
これが電極間電圧に占める割合は大きい。膜電気
抵抗を小さくするには、膜厚を薄くする必要があ
る。しかし過度に薄くすることは、強度的に弱く
なり、破損の恐れを生ずるだけでなく、更に電解
時に陰極室への塩類の拡散の増大を来たし、不都
合となる。 しかるに、本発明あつては、多孔体層がイオン
交換体層の支持体として作用し、イオン交換体層
を薄くすることが可能となる。更に、本発明者等
の推測によれば、多孔体層の孔中で濃度匂配を生
じるため、陰極室への塩類の拡散を減少させるこ
ともできる。これらの作用効果を得るためには、
多孔体層は、比較的厚いことが望まれる。 他方、電解に供し得る膜状物の厚みは、一般に
0.3〜5mm程度であるが、本発明にあつては、こ
れを多孔体層とイオン交換体層とで形成させるも
のであり、イオン交換体層を多孔体層よりも厚く
ない構成とすることが特に好適な結果を得るので
ある。 本発明において使用される多孔体を例示すれ
ば、有機の繊維状物の集合体で、不織布、織物、
編物等があり、ここで繊維とは、長さ(L)と直径(D)
との比、L/Dが相当に大きいもの、例えばL/
D>100の如きものであれば、その絶対長は特に
問題とはならない。また粉状物、繊維状物を圧
縮、焼結、熔着又は糊着等により成型したものも
含まれる。更に、各種の合成樹脂、セルローズ、
変性セルローズ、たん白質等の膜状物よりなる多
孔体も含まれる。勿論、繊維と粒子との混合物を
基礎とし、集合化、成型したものも有効である。
要するに、結果として、多孔体の膜状層を形成し
得るものであれば、本発明の目的に適合し得る。
但し、水に対してその形状を保持し得ないものが
含まれないことは、発明の目に徴して明らかであ
る。また、塩素により、攻撃されやすい素材であ
れば、アルカリ金属塩化物の電解に供した場合寿
命が短かいことは言うまでもない。 次に本発明における多孔体層の材質を例記する
と、羊毛、綿、麻、ジユート等の天然繊維、コル
ク、パーテイクルボード等の天然粒状物の集合体
(これらの天然高分子体も、本明細書において樹
脂に含ませるものとする)含弗素樹脂ポリオレフ
イン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミ
ド、含塩素樹脂、その他の重合体又は共重合体で
ある合成樹脂繊維よりなる不織布、織物、編物又
は部分溶着物、多孔体シート、例えばこれらの合
成樹脂に被抽出性物質を混合して成形したシート
から、被抽出性物質を抽出除去したもの、又は合
成樹脂に非相溶性物質、例えば無機微粒子を混合
し、シート状に成型した後、たて及び/又は横方
向に延伸することにより多孔性化したシート等が
ある。また本発明における多孔体層の形成の一つ
の改良として、イオン交換樹脂層と面しない側に
のみ、更に珪酸被膜を形成させるとか、含弗素樹
脂の存在率を高くして、寸法安定性を補強した非
又は低含弗素樹脂多孔体等も採用される。また本
発明における多孔体層はイオン交換基を持つてい
てもよい。 多孔性物質の製法については、特開昭49−
126571号公報、同50−177879号公報、同51−6196
号公報、同47−1030号公報、同49−37878号公報、
同49−81278号公報、同49−118760号公報、同49
−119874号公報、同49−122480号公報、同50−
41960号公報、同50−10785号公報、同50−33194
号公報に述べられているが、これらは数例に過ぎ
ない。 次にイオン交換樹脂層を構成する材質は、カル
ボン酸基を有する、所謂カルボン酸型陽イオン交
換樹脂であつて、更に必要に応じてスルホン基、
亜りん酸基、りん酸基、硫酸エステル基、りん酸
エステル基、亜りん酸エステル基、フエノール性
水酸基、チオール基、解離し得る水素原子を有す
る酸アミド基、珪酸基、金属キレート化合物で負
に解離し得るもの、等の一種又は複数種をイオン
交換基として有していてもよく、これらのイオン
交換基は基体となる樹脂骨格に直接又は適当な分
枝基を介して結合したものであつて、樹脂骨格は
架橋されていてもよい。また好ましいイオン交換
樹脂は、パーフロロカーボン重合体の如く水素原
子を持たない重合体で、イオン交換基を適宜有す
るものであつて、800〜2000の重量当量を有する
イオン交換基を有するものが好ましい。 本発明において、使用され得るイオン交換体の
数例は、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体の
スルホン化物、アクリル酸、又はメタアクリル酸
及びスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、
アクリル酸アルキル、メタアクリル酸アルキル等
の一種又は二種以上との共重合物、又はこれらに
ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン等架橋剤を
加えた共重合体等で、必要に応じて加水分解又は
陽イオン交換基の導入を行つたもの、ペンダント
基が (但し、Rは弗素又はパーフロロアルキル、nは
0〜3、Yは弗素又はパーフロロアルキル)であ
り、これにスルホン基及びカルボキシル基の内少
なくとも1種が結合したパーフルオロビニルエー
テルとテトラフルオロエチレンとの共重合体等で
ある。 本発明の複合陽イオン交換膜を構成する多孔体
層及び陽イオン交換体層は、両者が一体化してい
ればよい。しかしながら、イオン交換体層が極め
て薄い層である場合、例えば、0.01〜0.1mm程度
であれば、イオン交換体層の電気抵抗は低く、延
いては多孔体層とイオン交換体層とが一体化され
た複合イオン交換体の電気抵抗も低くなる。この
場合、多孔体層がイオン交換体層の支持体として
も働くこともできる。このような両者の接着は、
一般に溶着、融着又は糊剤による接着の他に、多
孔体層の実質的な一面上で、重合及び/又はイオ
ン交換基の導入等により、イオン交換体層を形成
させる方法、又は、イオン交換体の膜状物の一方
の面を強アルカリ処理又は酸化処理等によつて部
分的に分解又は粗化して多孔化して、他方の面に
だけ陽イオン交換基の存在する薄層を残す方法も
ある。これらの方法では、イオン交換体層と多孔
体層の境界は明瞭ではなく、漸次一方の層から他
方層に状態が移ることになり、好ましい複合陽イ
オン交換膜として推奨される。 次に本発明の複合陽イオン交換膜の作り方の例
を示すが、本発明はこれらの方法により製造され
るものに限定されることはない。 (i) 多孔体が布状物又は孔径0.1mm程度以下の微
細孔状物である場合において、低架橋性又は実
質的に架橋のないイオン交換樹脂を、単独又は
増粘を目的とする他の樹脂又は可塑剤と共に、
適当な溶媒に溶解又は膨潤させて多孔体上に塗
布し、溶媒を蒸発その他により除去する方法。 (ii) 前項の如く多孔体に対して、低架橋性又は実
質的に架橋のないイオン交換樹脂微粉体の懸濁
物又はペースト状物を塗布し、これを該イオン
交換樹脂の軟化温度以上に加熱し皮膜化する方
法。 (iii) 多孔体の一方の面にイオン交換層樹脂のフイ
ルム状物を重ね、これを該イオン交換樹脂の軟
化温度以上好ましくは溶融温度以上に加熱融着
する方法。 (iv) 以上の(i)乃至(iii)によるイオン交換体の形成手
段を、イオン交換基の導入可能な合成樹脂、例
えば芳香核を有する合成樹脂、イオン交換基と
置換し得る水素、ハロゲン等を有する合成樹
脂、又はイオン交換基に変換し得る官能基、例
えばハロスルホン基、カルボン酸エステル基、
スルホン酸又はカルボン酸アマイド基を有する
合成樹脂に適用し、多孔体の一面に皮膜を形成
させた後イオン交換基を導入又は、イオン交換
基に変換する方法。 これらの方法を行うにあたり、多孔体の素材と
イオン交換体の素材との組合せを選択することに
よつて、強固な一体性を得ることが可能である。
例えば、多孔体が含弗素樹脂を主体とする場合に
は、イオン交換体も含弗素系のイオン交換体特に
イオン交換基を導入又は、イオン交換基に変化す
る以前のものをまず上記いずれかの手段で皮膜と
して形成させた後、これにイオン交換基を導入す
る。また多孔体がポリオレフインである場合に
は、主鎖が炭化水素又はイオン交換基以外の置換
基を有する炭化水素、例えば、アルキル置換、塩
素置換、芳香族置換、その他の置換基を有するイ
オン交換体を適用する。 その他複合陽イオン交換膜製造の例は、多孔体
上にイオン交換樹脂膜を糊剤により貼着する方法
である。一般に適用される糊剤はイオン交換樹脂
と同一又は類似の組成の樹脂溶液又は粉体であ
り、これらを接着面に塗布して必要により加熱接
着する。またエポキシ系の接着剤もしばしば有効
である。場合によつてはアラビアゴム等の粘着剤
も使用し得る。これらの糊剤は、多孔体とイオン
交換樹脂又はイオン交換樹脂に接着後変えられる
樹脂との相方の素材に応じて、当業者が適宜選択
使用すればよく、本発明においては、多孔体とイ
オン交換体との接着手段に発明の要旨を主張する
ものではない。 またイオン交換樹脂部分とイオン交換基を有し
ない部分よりなるイオン交換樹脂膜のイオン交換
基に鉄イオン、銅イオン、アミノ酸を導入してお
き、この膜の一方の面より過酸化水素で処理する
ことによつてイオン交換樹脂膜の一方の側のある
厚みの部分について鉄等の導入されているイオン
交換樹脂部分を選択的に多孔化することによつて
本発明の複合陽イオン交換膜を得ることができ
る。 以上の如く、又は、他の方法により一体化され
た複合陽イオン交換膜は、一般に多孔体部分の厚
さがイオン交換体部分の厚さに比して、1倍より
大きく、好ましくは10倍以上である。通常両層の
厚みの合計は0.3乃至5mm、好ましくは0.6乃至2
mmである。例えば多孔体の平均孔径が0.1mmであ
れば、多孔体層の厚さは一般に0.1mm以上であり、
イオン交換膜の厚さは0.1mm以下、特に0.01〜0.1
mmで、且つ複合陽イオン交換膜全体の厚さは0.3
〜5mmが好ましい。勿論、更に細孔の多孔体の場
合には、水透過率によつて規定する方が便利であ
り、その場合にあつては、水の透過量と多孔体の
厚さとは、ほぼ逆比例の関係にあるため、孔径が
大きい場合は厚さは大きく、小さい場合には薄い
という関係がすでに透過率の中に導入されてお
り、一般に多孔体層がイオン交換体層の厚さの10
倍以上であれば、一般に平均孔径と厚さの関係
は、l/d>100の開係を有する。 上述の如き複合陽イオン交換膜は、アルカリ金
属塩化物等の隔膜電解に適用することができる。
該隔膜式電解槽は特に限定はなく、堅型、横型い
ずれでもよく、また電極は、単極式、複極式のい
ずれであつてもよいし、平板型又は屈曲型電極、
プレート電極、多孔板電極であつてもよいし、フ
イルタープレス型、水槽型、所謂フインガー型等
いずれであつてもよい。 更に本発明の複合陽イオン交換膜を用いる電解
方法にあつては、隔膜をはさむ陽極室と陰極室と
の間のPH領域が、通常本発明の複合陽イオン交換
膜の中の多孔体層中に中性面を形成する。このた
め電解に供するアルカリ金属塩化物水溶液中に不
純物として存在するカルシウムイオン及びマグネ
シウムイオンが主に多孔体層中で沈澱し、イオン
交換体層に達する割合を減ずる。そこで、これら
のイオンによるイオン交換体の目詰り、延いては
槽電圧の上昇という悪い影響がほとんどない。従
つて、陽極室に供給されるアルカリ金属塩化物中
のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの濃
度は、5ppm以上であつても十分に使用に耐え得
る。 更に本発明複合陽イオン交換膜を用いた電解方
法は、通常30アンペア/平方デシメートル(A/
dm2)以上の高電流密度を用いること、及び/又
は陽極室でのアルカリ金属塩化物の分解率を比較
的小さくするのが好ましく、陽極室出口の陽極室
液濃度はアルカリ金属塩化物3規定以上の保つ必
要がある。好ましくは4規定以上で電解槽に導入
し分解率を30%以下、更には15%以下にすると共
に、出口濃度を3規定以上、特に4規定以上とす
る。 また陰極室においては通常8規定以上の苛性ア
ルカリが得られ、場合によつては15規定又はそれ
以上の濃度となる。このため、必要に応じて水又
は稀苛性アルカリを陰極室に連続的又は間歇的に
加えて、8規定乃至15規定の間で所望の濃度の苛
性アルカリを陰極室より取り出せばよい。 第2図はアスベスト多孔膜による複合陽イオン
交換膜を用いた電解における、苛性アルカリに対
する電流効率をたて軸に、陰極室内の苛性アルカ
リ濃度を横軸に採つた曲線であり、苛性アルカリ
濃度11乃至13規定付近に極大値を持ち、電流効率
70%以上となる範囲では9乃至15規定が対応す
る。勿論これらの範囲は、使用する複合陽イオン
交換膜の種類や電解条件によつて多少変動するも
のではあるが、少なくとも上記範囲、即ち苛性ア
ルカリ濃度9乃至15規定内で電流効率の極大を持
つ。従つて、この範囲内であれば、常に相当に高
い電流効率が得られるため、通常有利に電解する
ことができる。 また、第3図に、陽極室内の塩水濃度と得られ
る塩素の濃度との関係を示す。 第3図より、塩水濃度が低下するにつれて塩素
の濃度が低くなることが明らかであり、それだけ
塩素中に酸素が増加するのである。例えば、第3
図において塩水濃度が3規定以下では塩素濃度は
95%以下となり、2規定では90%以下となる。こ
のような状態では一般に塩素の精製を必要とし、
このため液化分離装置等が必要となるのである。 第2図及び第3図においては、共に陽極とし
て、チタンラス上にチタン、ルテニウム混合酸化
物を付着させた陽極、軟鋼ラスの陰極を用い、ア
スベストを含弗素樹脂デイスパージヨンと共に水
中に懸濁させ、抄紙した紙状の多孔体層(厚さ約
0.5mm、水透過率3ml/hr・cm2・cmH2O)上に、
主鎖がパーフロロカーボンよりなり、ペンダント
として FO2S−CF2−CF2−O−CF(CF3)−CF2−O− を有するポリマーの粉体と弗素樹脂の粉体との混
合物よりなる被膜を形成させ、ポアズイユの式に
より求めた平均孔径(d)、膜厚から求めた孔長(l)に
よるl/dが210の多孔体層と厚さ約0.1mmに均一
に融着した樹脂層とよりなる複合体とし、更に被
膜中の、FO2S−基を加水分解した約1200重量当
量のイオン交換体層を有する複合陽イオン交換膜
を得、これを用い、30A/dm2、85℃で食塩の電
解を行つた結果であり、第2図では陽極室の食塩
濃度280g/、第3図におる苛性ソーダ濃度は
13規定とした。 以下に実施例を示すが、いかなる意味でも、こ
れらの例に限定されるものではない。 尚、多孔体層における平均孔径はポアズイユの
式によつて求めた。また実施例において用いた電
解槽は、陽極としてチタンのラス材の上に酸化ル
テニウムと酸化チタンをコーテイングした不溶性
陽極を用い、陰極は軟鉄のラス材の表面をニツケ
ルメツキしたものを用いた有効膜面積1dm2の二
室式電解槽で、陽極と陰極の間の距離は3mmであ
り、陰極室に水柱で300mmの圧をかけて陽極面に
膜を押しつけて電解を行う。 比較例 1 ポリ4弗化エチレン製の不織布(厚さ4ミル、
開孔率60%、l/d=210)の一方の面と水素の
プラズマによつて処理して後、直ちに
る。詳しくは、多孔体層とイオン交換体層とより
なる特殊な複合隔膜であつて隔膜式電解槽による
アルカリ金属塩の電解において、特に高濃度の苛
性アルカリおよび純度の高い塩素を製造する場合
に有効に使用し得る複合陽イオン交換膜に係る。 従来、隔膜式電解法においては、隔膜としてア
スベスト等の透水性の比較的高いものを用いて、
陽極室から陰極室の方に塩水を流しつつ電解を行
つている。 隔膜としてはコスト及び加工性の面から、通常
クリソタイル等のアスベスト繊維を用いられる
が、これらは比較的アルカリに弱いこと及び使用
時の形安定性がそれ程よくないことから、数百時
間程度の使用で取りかえなければならないという
欠点があつた。 そこで、隔膜の強度を増大させる試みが近年な
されており、例えば、アスベストのバインダーと
して珪素化合物を用いるとか、アスベスト繊維と
弗素樹脂微粒子又は繊維とを共沈させる等して均
一に混在させ、これを焼結する等、アスベストの
バインダーの開発が行われた。また別の方法とし
て含弗素樹脂の多孔性フイルムを隔膜として用い
るという提案もなされている。これらの多くの試
みによつて隔膜の耐久性を相当に改善し得たが、
本質的な欠陥である苛性アルカリの品質の改良は
十分には行えない。 更に、隔膜としてイオンの選択的透過性を有す
る膜状物、即ち、イオン交換樹脂膜を用いようと
する試みがなされている。この方法によると、例
えば陽イオン交換膜を用いることにより陽極室か
らアルカリ金属イオンだけを選択的に陰極室に送
り、そこで苛性アルカリを生成し水素ガスが発生
する。他方陽極室では、塩素イオンが酸化され塩
素ガスが発生する。しかし陽イオン交換膜中の水
酸イオンの輸率は比較的大きく、陽極室にアルカ
リが抜け出る結果となり、その分だけ電力の損失
となるのみでなく、塩素中の酸素濃度を増大させ
る欠点がある、この現象は陰極室で生成する苛性
アルカリ濃度が高い程顕著となる。またイオン交
換膜は過酷な環境に曝されることになる。 そこで、電解条件下のような過酷な環境に耐え
得るイオン交換樹脂膜の開発が行われている。そ
れらの主なものは、いずれも含弗素樹脂をベース
にしたものであつて、例えば主鎖がパーフロロエ
チレン型でイオン交換基をペンダント基に有する
もの、パーフロロエチレンと弗化ビニリデンとの
共重合体または各重合体の混合物であつて、弗化
ビニリデンユニツトの水素の一部をスルホン基等
のイオン交換基で置換したもの等が提案されてい
る。 このようなイオン交換樹脂膜は耐久性という点
においては相当に改善せられており、実用に耐え
得るものがある。例えば、特開昭48−61397号公
報に開示された方法等は一応の目的を達するもの
と思われる。 これらの方法においても、なお陽イオン交換樹
脂膜の共通の欠点である水酸イオン透過を実質的
に完全に阻止することはできず、アルカリ金属
塩、就中アルカリ金属塩化物の電解の場合、電流
効率を高く保持することは困難である。従つて、
アルカリ金属塩化物の電解にあつては、一般に生
成する苛性アルカリの濃度を低く、例えば、3乃
至6規定程度に押えて電解を行うことが提案され
ており、その場合でもなお電流効率は80%程度と
なると考えられる。このように低濃度の苛性アル
カリは、通常更に濃縮工程を必要とし、装置的に
も、エネルギー的にも不利であることは言うまで
もない。また電解により直接高濃度の苛性アルカ
リを得ようとすると電流効率は急激に低下し、例
えば70%以下になる。 従つて本発明は、工業的に用いた場合、水酸イ
オンを実質的に透過させ難い複合陽イオン交換膜
を得ることを目的とする。 本発明の複合陽イオン交換膜によれば、70%以
上の電流効率で苛性アルカリは8規定以上、必要
により15規定又はそれ以上の高濃度で得られ、し
かも陽極室で得られる塩素の濃度は特に塩酸を添
加しなくても通常97%以上の濃度となり、塩素の
精製工程を簡略化又は不用とすることができるの
である。 即ち、本発明の複合陽イオン交換膜は多孔体で
ある厚い層と、実質的に水不透過性の陽イオン交
換体である薄層とよりなる複合膜である。詳細に
は、本発明は、主として樹脂よりなる多孔体層と
実質的に水不透過性であるカルボン酸型陽イオン
交換体であつて、前記多孔体層よりも厚くないイ
オン交換体層とよりなり、該多孔体層は、0.01
ml/hv・cm2・cmH2O以上の透水性を有する複合
陽イオン交換膜である。ここで多孔或いは水不透
過性という表現の基準は、共に各層のみの透水率
で表す。即ち水柱1cmの差圧下に1cm2当り1時間
当りの透水量(特記のない限りミリリツトルで表
す)として、実質的に水が透過しないものを水不
透過性と言い、多孔と表現されるものは透水率が
0.01以上のものである。本発明では、一般に、
0.1以上のものが推奨され、上限は数拾リツトル、
例えば直径1mm程度の孔を有するものであつても
よいが、一般に孔径の増大と共に多孔体層の厚さ
を増大させるのが好ましい。そして、孔の直径と
長さの関係は常に直径<長さに保たねばならない
が、特に多孔体の平均直径をdとし、孔の長さを
lとしたとき、l/d>100の関係にあることが
好ましい。 また孔の存在する量は多い程好ましいが、一般
に全体積に対して、孔の専有する体積(これを開
孔率とする)が50%以上、特に70%以上であれば
本発明に好ましく適用し得る。 本発明に関し、理解を助けるために第1図に隔
膜の多孔体層の水透過性と電解槽の極間電圧との
関係を示す。本例においては、バインダーとして
弗素樹脂を用いたアスベスト多孔膜とデユポン社
製ナフイオン(パーフロロ系陽イオン交換膜)
315(厚さ約0.41mm)を重ね合せて用い、アスベス
ト多孔膜の厚さをかえて水透過性を変化させた場
合の極間電圧を調べた。尚、電解条件は温度80
℃、30A/dm2、食塩280g/(陽極室出口)
とし陰極室13規定苛性ソーダとして取出す。 この第1図より、多孔体層の水透過性が0.01以
下では、極端に極間電圧が上昇することがわか
る。従つて、透水率は0.01以上好ましくは0.1以
上を選定しなければならない。また、多孔体層の
孔径が極端に大きく、1mm以上となれば最早多孔
体としての意義を失うことになり、本発明の目的
に適さない。 本発明の複合陽イオン交換膜は、主として樹脂
よりなる多孔体層と、実質的に水不透過性である
陽イオン交換体層とよりなり、該陽イオン交換体
層は、 多孔体層よりも厚くないことが特徴の一つであ
る。即ち、アルカリ金属塩等の電解に用いられる
一般の陽イオン交換膜は、比電気抵抗が大きく、
これが電極間電圧に占める割合は大きい。膜電気
抵抗を小さくするには、膜厚を薄くする必要があ
る。しかし過度に薄くすることは、強度的に弱く
なり、破損の恐れを生ずるだけでなく、更に電解
時に陰極室への塩類の拡散の増大を来たし、不都
合となる。 しかるに、本発明あつては、多孔体層がイオン
交換体層の支持体として作用し、イオン交換体層
を薄くすることが可能となる。更に、本発明者等
の推測によれば、多孔体層の孔中で濃度匂配を生
じるため、陰極室への塩類の拡散を減少させるこ
ともできる。これらの作用効果を得るためには、
多孔体層は、比較的厚いことが望まれる。 他方、電解に供し得る膜状物の厚みは、一般に
0.3〜5mm程度であるが、本発明にあつては、こ
れを多孔体層とイオン交換体層とで形成させるも
のであり、イオン交換体層を多孔体層よりも厚く
ない構成とすることが特に好適な結果を得るので
ある。 本発明において使用される多孔体を例示すれ
ば、有機の繊維状物の集合体で、不織布、織物、
編物等があり、ここで繊維とは、長さ(L)と直径(D)
との比、L/Dが相当に大きいもの、例えばL/
D>100の如きものであれば、その絶対長は特に
問題とはならない。また粉状物、繊維状物を圧
縮、焼結、熔着又は糊着等により成型したものも
含まれる。更に、各種の合成樹脂、セルローズ、
変性セルローズ、たん白質等の膜状物よりなる多
孔体も含まれる。勿論、繊維と粒子との混合物を
基礎とし、集合化、成型したものも有効である。
要するに、結果として、多孔体の膜状層を形成し
得るものであれば、本発明の目的に適合し得る。
但し、水に対してその形状を保持し得ないものが
含まれないことは、発明の目に徴して明らかであ
る。また、塩素により、攻撃されやすい素材であ
れば、アルカリ金属塩化物の電解に供した場合寿
命が短かいことは言うまでもない。 次に本発明における多孔体層の材質を例記する
と、羊毛、綿、麻、ジユート等の天然繊維、コル
ク、パーテイクルボード等の天然粒状物の集合体
(これらの天然高分子体も、本明細書において樹
脂に含ませるものとする)含弗素樹脂ポリオレフ
イン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミ
ド、含塩素樹脂、その他の重合体又は共重合体で
ある合成樹脂繊維よりなる不織布、織物、編物又
は部分溶着物、多孔体シート、例えばこれらの合
成樹脂に被抽出性物質を混合して成形したシート
から、被抽出性物質を抽出除去したもの、又は合
成樹脂に非相溶性物質、例えば無機微粒子を混合
し、シート状に成型した後、たて及び/又は横方
向に延伸することにより多孔性化したシート等が
ある。また本発明における多孔体層の形成の一つ
の改良として、イオン交換樹脂層と面しない側に
のみ、更に珪酸被膜を形成させるとか、含弗素樹
脂の存在率を高くして、寸法安定性を補強した非
又は低含弗素樹脂多孔体等も採用される。また本
発明における多孔体層はイオン交換基を持つてい
てもよい。 多孔性物質の製法については、特開昭49−
126571号公報、同50−177879号公報、同51−6196
号公報、同47−1030号公報、同49−37878号公報、
同49−81278号公報、同49−118760号公報、同49
−119874号公報、同49−122480号公報、同50−
41960号公報、同50−10785号公報、同50−33194
号公報に述べられているが、これらは数例に過ぎ
ない。 次にイオン交換樹脂層を構成する材質は、カル
ボン酸基を有する、所謂カルボン酸型陽イオン交
換樹脂であつて、更に必要に応じてスルホン基、
亜りん酸基、りん酸基、硫酸エステル基、りん酸
エステル基、亜りん酸エステル基、フエノール性
水酸基、チオール基、解離し得る水素原子を有す
る酸アミド基、珪酸基、金属キレート化合物で負
に解離し得るもの、等の一種又は複数種をイオン
交換基として有していてもよく、これらのイオン
交換基は基体となる樹脂骨格に直接又は適当な分
枝基を介して結合したものであつて、樹脂骨格は
架橋されていてもよい。また好ましいイオン交換
樹脂は、パーフロロカーボン重合体の如く水素原
子を持たない重合体で、イオン交換基を適宜有す
るものであつて、800〜2000の重量当量を有する
イオン交換基を有するものが好ましい。 本発明において、使用され得るイオン交換体の
数例は、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体の
スルホン化物、アクリル酸、又はメタアクリル酸
及びスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、
アクリル酸アルキル、メタアクリル酸アルキル等
の一種又は二種以上との共重合物、又はこれらに
ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン等架橋剤を
加えた共重合体等で、必要に応じて加水分解又は
陽イオン交換基の導入を行つたもの、ペンダント
基が (但し、Rは弗素又はパーフロロアルキル、nは
0〜3、Yは弗素又はパーフロロアルキル)であ
り、これにスルホン基及びカルボキシル基の内少
なくとも1種が結合したパーフルオロビニルエー
テルとテトラフルオロエチレンとの共重合体等で
ある。 本発明の複合陽イオン交換膜を構成する多孔体
層及び陽イオン交換体層は、両者が一体化してい
ればよい。しかしながら、イオン交換体層が極め
て薄い層である場合、例えば、0.01〜0.1mm程度
であれば、イオン交換体層の電気抵抗は低く、延
いては多孔体層とイオン交換体層とが一体化され
た複合イオン交換体の電気抵抗も低くなる。この
場合、多孔体層がイオン交換体層の支持体として
も働くこともできる。このような両者の接着は、
一般に溶着、融着又は糊剤による接着の他に、多
孔体層の実質的な一面上で、重合及び/又はイオ
ン交換基の導入等により、イオン交換体層を形成
させる方法、又は、イオン交換体の膜状物の一方
の面を強アルカリ処理又は酸化処理等によつて部
分的に分解又は粗化して多孔化して、他方の面に
だけ陽イオン交換基の存在する薄層を残す方法も
ある。これらの方法では、イオン交換体層と多孔
体層の境界は明瞭ではなく、漸次一方の層から他
方層に状態が移ることになり、好ましい複合陽イ
オン交換膜として推奨される。 次に本発明の複合陽イオン交換膜の作り方の例
を示すが、本発明はこれらの方法により製造され
るものに限定されることはない。 (i) 多孔体が布状物又は孔径0.1mm程度以下の微
細孔状物である場合において、低架橋性又は実
質的に架橋のないイオン交換樹脂を、単独又は
増粘を目的とする他の樹脂又は可塑剤と共に、
適当な溶媒に溶解又は膨潤させて多孔体上に塗
布し、溶媒を蒸発その他により除去する方法。 (ii) 前項の如く多孔体に対して、低架橋性又は実
質的に架橋のないイオン交換樹脂微粉体の懸濁
物又はペースト状物を塗布し、これを該イオン
交換樹脂の軟化温度以上に加熱し皮膜化する方
法。 (iii) 多孔体の一方の面にイオン交換層樹脂のフイ
ルム状物を重ね、これを該イオン交換樹脂の軟
化温度以上好ましくは溶融温度以上に加熱融着
する方法。 (iv) 以上の(i)乃至(iii)によるイオン交換体の形成手
段を、イオン交換基の導入可能な合成樹脂、例
えば芳香核を有する合成樹脂、イオン交換基と
置換し得る水素、ハロゲン等を有する合成樹
脂、又はイオン交換基に変換し得る官能基、例
えばハロスルホン基、カルボン酸エステル基、
スルホン酸又はカルボン酸アマイド基を有する
合成樹脂に適用し、多孔体の一面に皮膜を形成
させた後イオン交換基を導入又は、イオン交換
基に変換する方法。 これらの方法を行うにあたり、多孔体の素材と
イオン交換体の素材との組合せを選択することに
よつて、強固な一体性を得ることが可能である。
例えば、多孔体が含弗素樹脂を主体とする場合に
は、イオン交換体も含弗素系のイオン交換体特に
イオン交換基を導入又は、イオン交換基に変化す
る以前のものをまず上記いずれかの手段で皮膜と
して形成させた後、これにイオン交換基を導入す
る。また多孔体がポリオレフインである場合に
は、主鎖が炭化水素又はイオン交換基以外の置換
基を有する炭化水素、例えば、アルキル置換、塩
素置換、芳香族置換、その他の置換基を有するイ
オン交換体を適用する。 その他複合陽イオン交換膜製造の例は、多孔体
上にイオン交換樹脂膜を糊剤により貼着する方法
である。一般に適用される糊剤はイオン交換樹脂
と同一又は類似の組成の樹脂溶液又は粉体であ
り、これらを接着面に塗布して必要により加熱接
着する。またエポキシ系の接着剤もしばしば有効
である。場合によつてはアラビアゴム等の粘着剤
も使用し得る。これらの糊剤は、多孔体とイオン
交換樹脂又はイオン交換樹脂に接着後変えられる
樹脂との相方の素材に応じて、当業者が適宜選択
使用すればよく、本発明においては、多孔体とイ
オン交換体との接着手段に発明の要旨を主張する
ものではない。 またイオン交換樹脂部分とイオン交換基を有し
ない部分よりなるイオン交換樹脂膜のイオン交換
基に鉄イオン、銅イオン、アミノ酸を導入してお
き、この膜の一方の面より過酸化水素で処理する
ことによつてイオン交換樹脂膜の一方の側のある
厚みの部分について鉄等の導入されているイオン
交換樹脂部分を選択的に多孔化することによつて
本発明の複合陽イオン交換膜を得ることができ
る。 以上の如く、又は、他の方法により一体化され
た複合陽イオン交換膜は、一般に多孔体部分の厚
さがイオン交換体部分の厚さに比して、1倍より
大きく、好ましくは10倍以上である。通常両層の
厚みの合計は0.3乃至5mm、好ましくは0.6乃至2
mmである。例えば多孔体の平均孔径が0.1mmであ
れば、多孔体層の厚さは一般に0.1mm以上であり、
イオン交換膜の厚さは0.1mm以下、特に0.01〜0.1
mmで、且つ複合陽イオン交換膜全体の厚さは0.3
〜5mmが好ましい。勿論、更に細孔の多孔体の場
合には、水透過率によつて規定する方が便利であ
り、その場合にあつては、水の透過量と多孔体の
厚さとは、ほぼ逆比例の関係にあるため、孔径が
大きい場合は厚さは大きく、小さい場合には薄い
という関係がすでに透過率の中に導入されてお
り、一般に多孔体層がイオン交換体層の厚さの10
倍以上であれば、一般に平均孔径と厚さの関係
は、l/d>100の開係を有する。 上述の如き複合陽イオン交換膜は、アルカリ金
属塩化物等の隔膜電解に適用することができる。
該隔膜式電解槽は特に限定はなく、堅型、横型い
ずれでもよく、また電極は、単極式、複極式のい
ずれであつてもよいし、平板型又は屈曲型電極、
プレート電極、多孔板電極であつてもよいし、フ
イルタープレス型、水槽型、所謂フインガー型等
いずれであつてもよい。 更に本発明の複合陽イオン交換膜を用いる電解
方法にあつては、隔膜をはさむ陽極室と陰極室と
の間のPH領域が、通常本発明の複合陽イオン交換
膜の中の多孔体層中に中性面を形成する。このた
め電解に供するアルカリ金属塩化物水溶液中に不
純物として存在するカルシウムイオン及びマグネ
シウムイオンが主に多孔体層中で沈澱し、イオン
交換体層に達する割合を減ずる。そこで、これら
のイオンによるイオン交換体の目詰り、延いては
槽電圧の上昇という悪い影響がほとんどない。従
つて、陽極室に供給されるアルカリ金属塩化物中
のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの濃
度は、5ppm以上であつても十分に使用に耐え得
る。 更に本発明複合陽イオン交換膜を用いた電解方
法は、通常30アンペア/平方デシメートル(A/
dm2)以上の高電流密度を用いること、及び/又
は陽極室でのアルカリ金属塩化物の分解率を比較
的小さくするのが好ましく、陽極室出口の陽極室
液濃度はアルカリ金属塩化物3規定以上の保つ必
要がある。好ましくは4規定以上で電解槽に導入
し分解率を30%以下、更には15%以下にすると共
に、出口濃度を3規定以上、特に4規定以上とす
る。 また陰極室においては通常8規定以上の苛性ア
ルカリが得られ、場合によつては15規定又はそれ
以上の濃度となる。このため、必要に応じて水又
は稀苛性アルカリを陰極室に連続的又は間歇的に
加えて、8規定乃至15規定の間で所望の濃度の苛
性アルカリを陰極室より取り出せばよい。 第2図はアスベスト多孔膜による複合陽イオン
交換膜を用いた電解における、苛性アルカリに対
する電流効率をたて軸に、陰極室内の苛性アルカ
リ濃度を横軸に採つた曲線であり、苛性アルカリ
濃度11乃至13規定付近に極大値を持ち、電流効率
70%以上となる範囲では9乃至15規定が対応す
る。勿論これらの範囲は、使用する複合陽イオン
交換膜の種類や電解条件によつて多少変動するも
のではあるが、少なくとも上記範囲、即ち苛性ア
ルカリ濃度9乃至15規定内で電流効率の極大を持
つ。従つて、この範囲内であれば、常に相当に高
い電流効率が得られるため、通常有利に電解する
ことができる。 また、第3図に、陽極室内の塩水濃度と得られ
る塩素の濃度との関係を示す。 第3図より、塩水濃度が低下するにつれて塩素
の濃度が低くなることが明らかであり、それだけ
塩素中に酸素が増加するのである。例えば、第3
図において塩水濃度が3規定以下では塩素濃度は
95%以下となり、2規定では90%以下となる。こ
のような状態では一般に塩素の精製を必要とし、
このため液化分離装置等が必要となるのである。 第2図及び第3図においては、共に陽極とし
て、チタンラス上にチタン、ルテニウム混合酸化
物を付着させた陽極、軟鋼ラスの陰極を用い、ア
スベストを含弗素樹脂デイスパージヨンと共に水
中に懸濁させ、抄紙した紙状の多孔体層(厚さ約
0.5mm、水透過率3ml/hr・cm2・cmH2O)上に、
主鎖がパーフロロカーボンよりなり、ペンダント
として FO2S−CF2−CF2−O−CF(CF3)−CF2−O− を有するポリマーの粉体と弗素樹脂の粉体との混
合物よりなる被膜を形成させ、ポアズイユの式に
より求めた平均孔径(d)、膜厚から求めた孔長(l)に
よるl/dが210の多孔体層と厚さ約0.1mmに均一
に融着した樹脂層とよりなる複合体とし、更に被
膜中の、FO2S−基を加水分解した約1200重量当
量のイオン交換体層を有する複合陽イオン交換膜
を得、これを用い、30A/dm2、85℃で食塩の電
解を行つた結果であり、第2図では陽極室の食塩
濃度280g/、第3図におる苛性ソーダ濃度は
13規定とした。 以下に実施例を示すが、いかなる意味でも、こ
れらの例に限定されるものではない。 尚、多孔体層における平均孔径はポアズイユの
式によつて求めた。また実施例において用いた電
解槽は、陽極としてチタンのラス材の上に酸化ル
テニウムと酸化チタンをコーテイングした不溶性
陽極を用い、陰極は軟鉄のラス材の表面をニツケ
ルメツキしたものを用いた有効膜面積1dm2の二
室式電解槽で、陽極と陰極の間の距離は3mmであ
り、陰極室に水柱で300mmの圧をかけて陽極面に
膜を押しつけて電解を行う。 比較例 1 ポリ4弗化エチレン製の不織布(厚さ4ミル、
開孔率60%、l/d=210)の一方の面と水素の
プラズマによつて処理して後、直ちに
【式】
の蒸気中に放置して紫外線を照射した。これによ
つて不織布の一方の面のみに極性基が導入され他
の樹脂に対する接着性を向上させた。この膜の透
水量は15c.c./hr・cm2・cmH2O、電気抵抗は0.7Ω
−cm2(85℃、5NNaCl中)であつた。 他方、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ
(3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテン
スルホニルフルオライド)の共重合物で加水分解
したときの交換容量が1200重量当量のもので厚み
が2ミルの高分子膜状物を製造して、これを上記
ポリ4弗化エチレンの不織布の表面処理をした面
に重ねて250℃で加熱して上記不織布が圧縮緻密
化されない程度の圧力で押えつけて両者を一体化
させた。得られた多孔体層を有し、且つ陽イオン
交換膜を一体化した隔膜の多孔体層部分はポリ4
弗化エチレンであり、表面エネルギーが小さく撥
水性であるため、これをパーフルオロ系の陰イオ
ン性界面活性剤(商品名:フローラドFC−95、
住友スリーエム(株)社製)の水溶液中に長時間浸漬
して陰イオン性界面活性剤を吸着させて親水性を
賦与した。 さて、陽極としてチタンのラス材の上に酸化ル
テニウムと酸化チタンをコーテイングした不溶性
陽極を用い、陰極は軟鉄のラス材の表面をニツケ
ルメツキしたものを用いた有効膜面積1dm2の二
室式電解槽に上記隔膜を組み込んだ。隔膜は陽極
と接して多孔性面を陽極に向けて配し、陽極と陰
極の間の距離は3mmであり、陰極室に水柱で300
mmの圧をかけて陽極面に膜を押しつけた。電解温
度は85℃で電流密度は35A/dm2で陽極室には飽
食塩水を供給し、排出される食塩水の濃度は270
g/であつた。陰極室には純水を供給しないで
苛性ソーダを取得した。その結果、陰極室からは
12規定の苛性ソーダが電流効率79%で取得でき
た。電槽電圧は3.95Vであつた。また陽極で発生
した塩素の純度は98.5%であつた。 実施例 1 石綿繊維をテトラフルオロエチレンとヘキサフ
ルオロプロピレンの共重合体のデイスパージヨン
(商品名:ネオフロンデイスパージヨンND−1、
ダイキン工業(株)社製)と混合、抄造、加熱処理し
て厚さ1.1mm、開孔率55%で透水量1.2c.c./hr・
cm2・cmH2Oの透水性のある樹脂成分が65重量%
の隔膜を製造した。 次いでこれをメタノール中に浸漬して、メタノ
ールを均一に浸み込ませたのちに、ベンゼン中に
浸漬してメタノールとベンゼンを置換せしめた。 別にスチレン20部、ビニルスルホン酸n−ブチ
ルエステル40部、純度約55%のジビニルベンゼン
20部にステアリルメタアクリレート15部を加え更
にラウリルパーオキサイド1部を加えて混合した
均一なモノマー混合物を調整した。この中に上記
ベンゼンを含浸した石綿製の隔膜を浸漬し、ベン
ゼンとモノマーが完全に置換するように長時間放
置した。 次いでこれの両面をセロフアンでおおい、100
℃で16時間、120℃で8時間オートクレーブ中で
加熱して重合させ、次いで10%臭素酸中で加熱し
て加水分解処理をし、ふつ素系樹脂で結合された
石綿繊維を芯材とした陽イオン交換膜を得た。こ
れを6.0N NaOHと2NHClにくり返し浸漬して、
コンデイシヨニングしたあとNa型にしたものを
5.0N NaClと6.0N NaOHの間に膜を配して80℃
で交流1000サイクルで電気抵抗を測定したとこ
ろ、35Ω−cm2であり、交換容量は1.21ミリ当量/
グラム乾燥膜(826重量当量)であつた。次いで
これを二室式セルの中に組み込み、一方の側には
塩化第2鉄の5重量%水溶液を満たし、他方の部
屋には塩化バリウムの3重量%水溶液を満たして
適当に撹拌して30分間放置した。両側から膜内に
鉄イオンとバリウムイオンをイオン交換させた。
この後両室の液を抜き純水で軽く洗浄した後、塩
化第2鉄水溶液が満たされていた部屋には5重量
%の過酸化水素水溶液を満たし、他の部屋には純
水を満たし1時間放置したところ、鉄イオンを交
換させ、また過酸化水素と接した側のイオン交換
樹脂成分が選択的に分解されており、交換容量を
測定したところ、0.21ミリ当量/グラム乾燥膜と
なつていた。他方、透水量を測定したところ0.04
c.c./hr・cm2・H2Ocm以下であつた。またl/d
は120であつた。また複合陽イオン交換膜の透水
量は10- 5c.c./hr・cm2・H2Ocmであつた。更に膜の
電気抵抗は上記の測定と同一条件で測定して2.1
Ω−cm2であつた。このことから、ここで作つた隔
膜はバリウムイオンを交換し、この後純水と接し
た側は過酸化水素による分解が阻止されて緻密な
構造のイオン交換体層として残つたものと思われ
る。 次にこの膜を用いて前記電解槽を用いて、陽極
液を265g/の濃度になるように飽和塩化カリ
ウム溶液を供給して、電流密度35A/dm2で陰極
室からは13.2規定のKOH溶液が取得できるよう
に純水を添加した。その結果、KOH取得の電流
効率は85%であり、また陽極から発生する塩素ガ
スの中へのO2の含量は3%以下であつた。また
電槽電圧は4.30Vであり、電解槽の温度は70℃で
あつた。なお、陰極で生成した苛性カリの中の
KClの量は、48%kCl換算で125ppmであつた。 実施例 2 ポリ4弗化エチレン微粉末と揮発性分を予め加
熱して除いたガラス繊維製のチヨツプ(直径
10μ、長さ50μ)を75:25の重量比で均一に混合
し、ついでこれを立方体の型枠の中に入れて30
Kg/cm2に加圧し、更に370℃に24時間保つた。次
いでここで得られたブロツクを切削して1.3mmの
厚さで開孔率65%のシートを作り、得られたシー
トを室温で48時間弗化水素酸の中に浸漬してガラ
ス繊維を溶出せしめた。これの透水性は0.14c.c./
hr・cm2・H2Ocm、l/d=190であり、電気抵抗
は80℃の5.0N NaCl水中で測定して0.9Ω−cm2で
あつた。 別に上記塊状物を切削して得たガラス繊維が入
つたポリ4弗化エチレンのシートの上に次の構造
式を有する、−COFを加水分解して
つて不織布の一方の面のみに極性基が導入され他
の樹脂に対する接着性を向上させた。この膜の透
水量は15c.c./hr・cm2・cmH2O、電気抵抗は0.7Ω
−cm2(85℃、5NNaCl中)であつた。 他方、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ
(3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテン
スルホニルフルオライド)の共重合物で加水分解
したときの交換容量が1200重量当量のもので厚み
が2ミルの高分子膜状物を製造して、これを上記
ポリ4弗化エチレンの不織布の表面処理をした面
に重ねて250℃で加熱して上記不織布が圧縮緻密
化されない程度の圧力で押えつけて両者を一体化
させた。得られた多孔体層を有し、且つ陽イオン
交換膜を一体化した隔膜の多孔体層部分はポリ4
弗化エチレンであり、表面エネルギーが小さく撥
水性であるため、これをパーフルオロ系の陰イオ
ン性界面活性剤(商品名:フローラドFC−95、
住友スリーエム(株)社製)の水溶液中に長時間浸漬
して陰イオン性界面活性剤を吸着させて親水性を
賦与した。 さて、陽極としてチタンのラス材の上に酸化ル
テニウムと酸化チタンをコーテイングした不溶性
陽極を用い、陰極は軟鉄のラス材の表面をニツケ
ルメツキしたものを用いた有効膜面積1dm2の二
室式電解槽に上記隔膜を組み込んだ。隔膜は陽極
と接して多孔性面を陽極に向けて配し、陽極と陰
極の間の距離は3mmであり、陰極室に水柱で300
mmの圧をかけて陽極面に膜を押しつけた。電解温
度は85℃で電流密度は35A/dm2で陽極室には飽
食塩水を供給し、排出される食塩水の濃度は270
g/であつた。陰極室には純水を供給しないで
苛性ソーダを取得した。その結果、陰極室からは
12規定の苛性ソーダが電流効率79%で取得でき
た。電槽電圧は3.95Vであつた。また陽極で発生
した塩素の純度は98.5%であつた。 実施例 1 石綿繊維をテトラフルオロエチレンとヘキサフ
ルオロプロピレンの共重合体のデイスパージヨン
(商品名:ネオフロンデイスパージヨンND−1、
ダイキン工業(株)社製)と混合、抄造、加熱処理し
て厚さ1.1mm、開孔率55%で透水量1.2c.c./hr・
cm2・cmH2Oの透水性のある樹脂成分が65重量%
の隔膜を製造した。 次いでこれをメタノール中に浸漬して、メタノ
ールを均一に浸み込ませたのちに、ベンゼン中に
浸漬してメタノールとベンゼンを置換せしめた。 別にスチレン20部、ビニルスルホン酸n−ブチ
ルエステル40部、純度約55%のジビニルベンゼン
20部にステアリルメタアクリレート15部を加え更
にラウリルパーオキサイド1部を加えて混合した
均一なモノマー混合物を調整した。この中に上記
ベンゼンを含浸した石綿製の隔膜を浸漬し、ベン
ゼンとモノマーが完全に置換するように長時間放
置した。 次いでこれの両面をセロフアンでおおい、100
℃で16時間、120℃で8時間オートクレーブ中で
加熱して重合させ、次いで10%臭素酸中で加熱し
て加水分解処理をし、ふつ素系樹脂で結合された
石綿繊維を芯材とした陽イオン交換膜を得た。こ
れを6.0N NaOHと2NHClにくり返し浸漬して、
コンデイシヨニングしたあとNa型にしたものを
5.0N NaClと6.0N NaOHの間に膜を配して80℃
で交流1000サイクルで電気抵抗を測定したとこ
ろ、35Ω−cm2であり、交換容量は1.21ミリ当量/
グラム乾燥膜(826重量当量)であつた。次いで
これを二室式セルの中に組み込み、一方の側には
塩化第2鉄の5重量%水溶液を満たし、他方の部
屋には塩化バリウムの3重量%水溶液を満たして
適当に撹拌して30分間放置した。両側から膜内に
鉄イオンとバリウムイオンをイオン交換させた。
この後両室の液を抜き純水で軽く洗浄した後、塩
化第2鉄水溶液が満たされていた部屋には5重量
%の過酸化水素水溶液を満たし、他の部屋には純
水を満たし1時間放置したところ、鉄イオンを交
換させ、また過酸化水素と接した側のイオン交換
樹脂成分が選択的に分解されており、交換容量を
測定したところ、0.21ミリ当量/グラム乾燥膜と
なつていた。他方、透水量を測定したところ0.04
c.c./hr・cm2・H2Ocm以下であつた。またl/d
は120であつた。また複合陽イオン交換膜の透水
量は10- 5c.c./hr・cm2・H2Ocmであつた。更に膜の
電気抵抗は上記の測定と同一条件で測定して2.1
Ω−cm2であつた。このことから、ここで作つた隔
膜はバリウムイオンを交換し、この後純水と接し
た側は過酸化水素による分解が阻止されて緻密な
構造のイオン交換体層として残つたものと思われ
る。 次にこの膜を用いて前記電解槽を用いて、陽極
液を265g/の濃度になるように飽和塩化カリ
ウム溶液を供給して、電流密度35A/dm2で陰極
室からは13.2規定のKOH溶液が取得できるよう
に純水を添加した。その結果、KOH取得の電流
効率は85%であり、また陽極から発生する塩素ガ
スの中へのO2の含量は3%以下であつた。また
電槽電圧は4.30Vであり、電解槽の温度は70℃で
あつた。なお、陰極で生成した苛性カリの中の
KClの量は、48%kCl換算で125ppmであつた。 実施例 2 ポリ4弗化エチレン微粉末と揮発性分を予め加
熱して除いたガラス繊維製のチヨツプ(直径
10μ、長さ50μ)を75:25の重量比で均一に混合
し、ついでこれを立方体の型枠の中に入れて30
Kg/cm2に加圧し、更に370℃に24時間保つた。次
いでここで得られたブロツクを切削して1.3mmの
厚さで開孔率65%のシートを作り、得られたシー
トを室温で48時間弗化水素酸の中に浸漬してガラ
ス繊維を溶出せしめた。これの透水性は0.14c.c./
hr・cm2・H2Ocm、l/d=190であり、電気抵抗
は80℃の5.0N NaCl水中で測定して0.9Ω−cm2で
あつた。 別に上記塊状物を切削して得たガラス繊維が入
つたポリ4弗化エチレンのシートの上に次の構造
式を有する、−COFを加水分解して
【式】lは1、2、3
の混合物−COOHとしたときの交換容量が1250
重量当量に相当する厚さが0.1mmのシートを加圧
下に加熱圧着した。次いでこの膜状物を常温で48
時間弗化水素酸の中に浸漬してガラス繊維を溶出
させ、次いで6.0N NaOH水溶液の中に80℃で24
時間浸漬して、−COFを−COONaに変えて、本
発明の電解方法に用いる隔膜を製造した。なお上
記パーフルオロ系カルボン酸型の膜の電気抵抗抗
は1.4Ω−cm2(80℃、6N NaOH水溶液中)であ
つた。 電解は実施例1と同じ電解槽を用い、陽極室に
は飽和食塩水を供給し、260g/で排出させて
電解を実施した。電解温度は95℃で電流密度は
45A/dm2であつた。陰極室からは純水を供給し
ないで13規定の苛性ソーダを電流効率95%で取得
した。なお、陽極で発生した塩素ガス中の酸素ガ
スの量は1%以下であつた。また陰極で生成した
苛性ソーダの中の48%換算でのNaClの量は
45ppmにすぎなかつた。電槽電圧は4.05Vであつ
た。 比較例 2 アスベスト繊維にテトラフルオロエチレンとヘ
キサフルオロプロピレンの共重合体のデイスパー
ジヨン(商品名:ネオフロンデイスパージヨン
ND−1、ダイキン工業(株)社製)を70:30の比率
で加えて混合、抄造、加熱処理をして厚さが0.9
mmで透水量が0.35c.c./hr・cm2・cmH2O、電気抵抗
が0.5Ω−cm2(5N NaCl水中、800℃)の隔膜
(開孔率55%、l/d=80)を製造した。 次いでこの隔膜の一方の側にテトラフルオロエ
チレンと、パーフルオロ(3,6−ジオキサ−4
−メチル−7−オクテンスルホニルフルオライ
ド)の共重合体で加水分解したときの交換容量が
1100重量当量に相当する厚さが2ミルのシートを
加熱加圧して融着させた。更にその上に同じ共重
合体で加水分解したときの交換容量が1500重量当
量に相当する厚さが1ミルのシートを同じく重ね
て加熱、加圧して融着させた。得られた膜状物を
アスベストから前記共重合物が剥離しないように
して8%のKOHメタノール溶液中に浸漬して共
重合物中のスルホニルフルオライド基を加水分解
し、スルホン酸カリウムに変えた。 別に上記共重合物で2ミルの厚みの1100重量当
量のシートと1ミルの厚みの1500重量当量のシー
トをそれらのみで加熱融着して一枚のシートにし
て同様に8%のKOHメタノール溶液で加水分解
したスルホン酸カリウム型の陽イオン交換膜を
Na型に変えて、5.0N NaClと6.0N NaOHの間
に配して電気抵抗を常法により80℃で測定したと
ころ0.7Ω−cm2であつた。また透水量は10-5c.c./
hr・cm2・cmH2O以下であつた。 次いで上記で得られた本発明の隔膜を用いて、
実施例1で用いたと同じ電解槽によつて陽極液に
飽和食塩水を供給し、排出は270g/で行い、
35A/dm2の電流密度で90℃の電気分解を実施し
た。このとき陰極室には純水を供給しなかつた。
陰極室からは12.5規定の苛性ソーダが電流効率83
%で取得でき、苛性ソーダ中のNaClの量は48%
NaOH換算で62ppmであつた。なお電解の際の
電圧は3.95Vであり、陽極で発生する塩素ガス中
の酸素ガスの量は約1.5%であつた。 実施例 3 テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(3,
6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホ
ニルフルオライド)の共重合物で加水分解処理し
てスルホン酸型となつたミクロポーラスな構造を
有する交換容量が1100重量当量の厚さが7ミル
(0.18mm)で透水量が0.26c.c./hr・cm2・cmH2O、
l/d=350で電気抵抗が0.9Ω−cm2(80℃、5N
NaCl水中)のもの(商品名:Nafion
Diaphragm701、米国デユポン社製)を用いた。 他方、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデ
ンをカルボキシメチルセルローズとノルマルプロ
ピルパーオキサカーボネートを用いてエマルジヨ
ン重合させて、テトラフルオロエチレン5に対し
て弗化ビニリデン4の割合で共重合した共重合物
を得た。 次いでこの共重合体の微粉末10部に対して三弗
化−塩化エチレンのオリゴマー(商品名:ダイフ
ロイル#50、分子量1100;ダイキン工業(株)社製)
を1.5部混合して後230℃に加熱した鉄板の間には
さみ加圧して0.1mmの厚みのシートを作り、これ
を発煙硫酸の中に常温で2ケ月間浸漬してスルホ
ン化処理をした。膜の電気抵抗は80℃で5.0N
NaClと6.0N NaOHの間に膜を配して交流で測
定したところ2.3Ω−cm2で、交換容量は1.1ミリ当
量/グラム乾燥膜H型(910重量当量)であつた。
透水量は10-5c.c./hr・cm2・cmH2O以下であつた。
ここで得られた透水性を有する陽イオン交換膜と
非透水性の陽イオン交換膜を接着するために、い
ずれの膜も酸型にして分子量約20000のポリビニ
ルアルコールの5%水溶液を薄く両方の膜状物の
片面に塗布し、これのそれぞれの塗布した面を合
わせて110℃で5時間加熱して乾燥させ両者を接
着した。その後これを硫酸、芒硝、ホルマリンか
らなる通常のホルマール化浴に60℃で30分間浸漬
し、接着部に存在するポリビニルアルコールをホ
ルマール化架橋させて両者を一体化した。一体化
したあと常法により80℃での電気抵抗を測定した
ところ1.8Ω−cm2(5N NaCl/6N NaOH)であ
つた。多孔性陽イオン交換膜の面を陽極に向け本
発明のこの隔膜を用いて飽和食塩水の電気分解を
実施した。陽極室から排出される食塩水の濃度は
220g/であつた。電解槽は実施例1で用いた
と同一のものを用い、電流密度20A/dm2、電解
温度80℃であつた。陰極室には純水を供給して
85N NaOHを定常的に取得した。その結果、陰
極室から取得されるNaOH取得の電流効率は85
%であり、NaOH中のNaClの量は48%NaOH換
算で65ppmであり、電槽電圧は4.16Vであつた。
なお陽極で発生する塩素ガス中の酸素の量は3%
以下であつた。 実施例 4 ポリ4弗化エチレン製の不織布(商品名:FA
−10L、ダイキン工業(株)社製)をスチレン10部、
純度55%のジビニルベンゼン20部、4−ビニルピ
リジン50部にケロシン50部を加えた中にベンゾイ
ルパーオキサイド1部を溶解したモノマー混合物
中に一週間浸漬して不織布の中に均一に浸み込ま
せた。ついでこれをモノマーが飛散しないように
両面をセロフアンでおおい、110℃でオートクレ
ーブ中で加熱重合させた。これをベンゼンで抽出
し、更に沃化メチルとn−ヘキサンの1:1の混
合溶液中に浸漬してピリジン環を4級化処理し
た。この膜の電気抵抗は5.0N NaClと5.0N
NaCl中で80℃で交流で測定したところ、0.5Ω−
cm2で陰イオン交換容量は0.4ミリ当量/グラム乾
燥膜(Cl型)であつた。また透水量は0.03c.c./
hr・cm2・cmH2O、l/d=110であつた。 これの片面に実施例3で用いたパーフルオロ系
カルボン酸型の陽イオン交換膜を加熱融着して飽
和食塩水の電気分解を実施した。電解条件、電解
槽は実施例1と同様にしたが、排出する塩水の濃
度は300g/であつた。 陰極室には純水を供給しないで12.2規定の
NaOHを取得し、電流効率は96%で、電槽電圧
は3.62Vであつた。又、塩素ガス中の酸素濃度は
1%以下であつた。 比較例 3 ポリテトラフルオロエチレンの平織布で目の密
なもので、厚みが1mmで、これをメタノール中に
浸して濡らし透水量を測定すると350c.c./hr・
cm2・cmH2O、l/d=140の布を多孔体部分とし
て用いた。この布の電気抵抗は0.4Ω−cm2(5.0N
NaClと6.0N NaOHの間で80℃で交流で測定し
た値)であつた。陽イオン交換膜部分としては実
施例1で実施したと同様にテトラフルオロエチレ
ンとパーフルオロ(3,6−ジオキサ−4−メチ
ル−7−オクテンスルホニルフルオライド)の共
重合物で加水分解したときの交換容量が1200重量
当量に相当する厚みが2ミルの高分子膜状物を上
記の布に加熱融着させて8%KOHメタノール溶
液で加水分解して本発明の隔膜とした。この膜を
用いて実施例1と同じ電解槽を用いて食塩水を供
給して260g/で排出した。電流密度は35A/
dm2で、陰極室には純水を供給しないで12.5規定
のNaOHを電流効率79%で取得した。電槽電圧
は3.75Vであり、陽極で発生した塩素の純度は98
%であつた。なお電解温度は85℃であつた。 比較例 4 実施例10と同じ電槽を用い同じ様に電解を行つ
た。但し、この際には多孔膜は用いずに
“Nafion427”のみを用いた。 この場合には陽極室の食塩水濃度が約200g/
の時に電流効率は最大となり(80%)、この時
陰極室NaOH濃度は11.1規定で、塩素ガス純度は
95.5%で陰陽極間電圧は4.00Vであつた。 又、この場合に陽極室の塩水濃度を270g/
で電解を行つた場合には、陰極室NaOH濃度は
約12規定で電流効率は64%となり、塩素ガスの純
度は93%で陰陽極間電圧は4.00Vであつた。
重量当量に相当する厚さが0.1mmのシートを加圧
下に加熱圧着した。次いでこの膜状物を常温で48
時間弗化水素酸の中に浸漬してガラス繊維を溶出
させ、次いで6.0N NaOH水溶液の中に80℃で24
時間浸漬して、−COFを−COONaに変えて、本
発明の電解方法に用いる隔膜を製造した。なお上
記パーフルオロ系カルボン酸型の膜の電気抵抗抗
は1.4Ω−cm2(80℃、6N NaOH水溶液中)であ
つた。 電解は実施例1と同じ電解槽を用い、陽極室に
は飽和食塩水を供給し、260g/で排出させて
電解を実施した。電解温度は95℃で電流密度は
45A/dm2であつた。陰極室からは純水を供給し
ないで13規定の苛性ソーダを電流効率95%で取得
した。なお、陽極で発生した塩素ガス中の酸素ガ
スの量は1%以下であつた。また陰極で生成した
苛性ソーダの中の48%換算でのNaClの量は
45ppmにすぎなかつた。電槽電圧は4.05Vであつ
た。 比較例 2 アスベスト繊維にテトラフルオロエチレンとヘ
キサフルオロプロピレンの共重合体のデイスパー
ジヨン(商品名:ネオフロンデイスパージヨン
ND−1、ダイキン工業(株)社製)を70:30の比率
で加えて混合、抄造、加熱処理をして厚さが0.9
mmで透水量が0.35c.c./hr・cm2・cmH2O、電気抵抗
が0.5Ω−cm2(5N NaCl水中、800℃)の隔膜
(開孔率55%、l/d=80)を製造した。 次いでこの隔膜の一方の側にテトラフルオロエ
チレンと、パーフルオロ(3,6−ジオキサ−4
−メチル−7−オクテンスルホニルフルオライ
ド)の共重合体で加水分解したときの交換容量が
1100重量当量に相当する厚さが2ミルのシートを
加熱加圧して融着させた。更にその上に同じ共重
合体で加水分解したときの交換容量が1500重量当
量に相当する厚さが1ミルのシートを同じく重ね
て加熱、加圧して融着させた。得られた膜状物を
アスベストから前記共重合物が剥離しないように
して8%のKOHメタノール溶液中に浸漬して共
重合物中のスルホニルフルオライド基を加水分解
し、スルホン酸カリウムに変えた。 別に上記共重合物で2ミルの厚みの1100重量当
量のシートと1ミルの厚みの1500重量当量のシー
トをそれらのみで加熱融着して一枚のシートにし
て同様に8%のKOHメタノール溶液で加水分解
したスルホン酸カリウム型の陽イオン交換膜を
Na型に変えて、5.0N NaClと6.0N NaOHの間
に配して電気抵抗を常法により80℃で測定したと
ころ0.7Ω−cm2であつた。また透水量は10-5c.c./
hr・cm2・cmH2O以下であつた。 次いで上記で得られた本発明の隔膜を用いて、
実施例1で用いたと同じ電解槽によつて陽極液に
飽和食塩水を供給し、排出は270g/で行い、
35A/dm2の電流密度で90℃の電気分解を実施し
た。このとき陰極室には純水を供給しなかつた。
陰極室からは12.5規定の苛性ソーダが電流効率83
%で取得でき、苛性ソーダ中のNaClの量は48%
NaOH換算で62ppmであつた。なお電解の際の
電圧は3.95Vであり、陽極で発生する塩素ガス中
の酸素ガスの量は約1.5%であつた。 実施例 3 テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(3,
6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホ
ニルフルオライド)の共重合物で加水分解処理し
てスルホン酸型となつたミクロポーラスな構造を
有する交換容量が1100重量当量の厚さが7ミル
(0.18mm)で透水量が0.26c.c./hr・cm2・cmH2O、
l/d=350で電気抵抗が0.9Ω−cm2(80℃、5N
NaCl水中)のもの(商品名:Nafion
Diaphragm701、米国デユポン社製)を用いた。 他方、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデ
ンをカルボキシメチルセルローズとノルマルプロ
ピルパーオキサカーボネートを用いてエマルジヨ
ン重合させて、テトラフルオロエチレン5に対し
て弗化ビニリデン4の割合で共重合した共重合物
を得た。 次いでこの共重合体の微粉末10部に対して三弗
化−塩化エチレンのオリゴマー(商品名:ダイフ
ロイル#50、分子量1100;ダイキン工業(株)社製)
を1.5部混合して後230℃に加熱した鉄板の間には
さみ加圧して0.1mmの厚みのシートを作り、これ
を発煙硫酸の中に常温で2ケ月間浸漬してスルホ
ン化処理をした。膜の電気抵抗は80℃で5.0N
NaClと6.0N NaOHの間に膜を配して交流で測
定したところ2.3Ω−cm2で、交換容量は1.1ミリ当
量/グラム乾燥膜H型(910重量当量)であつた。
透水量は10-5c.c./hr・cm2・cmH2O以下であつた。
ここで得られた透水性を有する陽イオン交換膜と
非透水性の陽イオン交換膜を接着するために、い
ずれの膜も酸型にして分子量約20000のポリビニ
ルアルコールの5%水溶液を薄く両方の膜状物の
片面に塗布し、これのそれぞれの塗布した面を合
わせて110℃で5時間加熱して乾燥させ両者を接
着した。その後これを硫酸、芒硝、ホルマリンか
らなる通常のホルマール化浴に60℃で30分間浸漬
し、接着部に存在するポリビニルアルコールをホ
ルマール化架橋させて両者を一体化した。一体化
したあと常法により80℃での電気抵抗を測定した
ところ1.8Ω−cm2(5N NaCl/6N NaOH)であ
つた。多孔性陽イオン交換膜の面を陽極に向け本
発明のこの隔膜を用いて飽和食塩水の電気分解を
実施した。陽極室から排出される食塩水の濃度は
220g/であつた。電解槽は実施例1で用いた
と同一のものを用い、電流密度20A/dm2、電解
温度80℃であつた。陰極室には純水を供給して
85N NaOHを定常的に取得した。その結果、陰
極室から取得されるNaOH取得の電流効率は85
%であり、NaOH中のNaClの量は48%NaOH換
算で65ppmであり、電槽電圧は4.16Vであつた。
なお陽極で発生する塩素ガス中の酸素の量は3%
以下であつた。 実施例 4 ポリ4弗化エチレン製の不織布(商品名:FA
−10L、ダイキン工業(株)社製)をスチレン10部、
純度55%のジビニルベンゼン20部、4−ビニルピ
リジン50部にケロシン50部を加えた中にベンゾイ
ルパーオキサイド1部を溶解したモノマー混合物
中に一週間浸漬して不織布の中に均一に浸み込ま
せた。ついでこれをモノマーが飛散しないように
両面をセロフアンでおおい、110℃でオートクレ
ーブ中で加熱重合させた。これをベンゼンで抽出
し、更に沃化メチルとn−ヘキサンの1:1の混
合溶液中に浸漬してピリジン環を4級化処理し
た。この膜の電気抵抗は5.0N NaClと5.0N
NaCl中で80℃で交流で測定したところ、0.5Ω−
cm2で陰イオン交換容量は0.4ミリ当量/グラム乾
燥膜(Cl型)であつた。また透水量は0.03c.c./
hr・cm2・cmH2O、l/d=110であつた。 これの片面に実施例3で用いたパーフルオロ系
カルボン酸型の陽イオン交換膜を加熱融着して飽
和食塩水の電気分解を実施した。電解条件、電解
槽は実施例1と同様にしたが、排出する塩水の濃
度は300g/であつた。 陰極室には純水を供給しないで12.2規定の
NaOHを取得し、電流効率は96%で、電槽電圧
は3.62Vであつた。又、塩素ガス中の酸素濃度は
1%以下であつた。 比較例 3 ポリテトラフルオロエチレンの平織布で目の密
なもので、厚みが1mmで、これをメタノール中に
浸して濡らし透水量を測定すると350c.c./hr・
cm2・cmH2O、l/d=140の布を多孔体部分とし
て用いた。この布の電気抵抗は0.4Ω−cm2(5.0N
NaClと6.0N NaOHの間で80℃で交流で測定し
た値)であつた。陽イオン交換膜部分としては実
施例1で実施したと同様にテトラフルオロエチレ
ンとパーフルオロ(3,6−ジオキサ−4−メチ
ル−7−オクテンスルホニルフルオライド)の共
重合物で加水分解したときの交換容量が1200重量
当量に相当する厚みが2ミルの高分子膜状物を上
記の布に加熱融着させて8%KOHメタノール溶
液で加水分解して本発明の隔膜とした。この膜を
用いて実施例1と同じ電解槽を用いて食塩水を供
給して260g/で排出した。電流密度は35A/
dm2で、陰極室には純水を供給しないで12.5規定
のNaOHを電流効率79%で取得した。電槽電圧
は3.75Vであり、陽極で発生した塩素の純度は98
%であつた。なお電解温度は85℃であつた。 比較例 4 実施例10と同じ電槽を用い同じ様に電解を行つ
た。但し、この際には多孔膜は用いずに
“Nafion427”のみを用いた。 この場合には陽極室の食塩水濃度が約200g/
の時に電流効率は最大となり(80%)、この時
陰極室NaOH濃度は11.1規定で、塩素ガス純度は
95.5%で陰陽極間電圧は4.00Vであつた。 又、この場合に陽極室の塩水濃度を270g/
で電解を行つた場合には、陰極室NaOH濃度は
約12規定で電流効率は64%となり、塩素ガスの純
度は93%で陰陽極間電圧は4.00Vであつた。
第1図は隔膜の多孔体層の水透過性と電解槽の
極間電圧との関係を示す図であり、第2図は苛性
ソーダ濃度と電流効率との関係を示す図であり、
第3図は陽極室内の塩水濃度と得られる塩素との
関係を示す図である。
極間電圧との関係を示す図であり、第2図は苛性
ソーダ濃度と電流効率との関係を示す図であり、
第3図は陽極室内の塩水濃度と得られる塩素との
関係を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 主として樹脂よりなる多孔体層と、実質的に
水不透過性であるカルボン酸型陽イオン交換体で
あつて、前記多孔体層よりも厚くないイオン交換
体層とよりなり、該多孔体層は0.01ml/hr.cm2.
cmH2O以上の透水性を有することを特徴とする
複合陽イオン交換膜。 2 多孔体層が0.01ml/hr.cm2.cmH2O以上の透
水性および直径1mm以下の孔を有し、且つ開孔率
が50%以上である特許請求の範囲第1項記載の複
合陽イオン交換膜。 3 多孔体層を構成する組成が弗素樹脂を有して
いる特許請求の範囲第1項記載の複合陽イオン交
換膜。 4 陽イオン交換体層が実質的に水素原子を共有
結合として結合していない樹脂より主として構成
されている特許請求の範囲第1項記載の複合陽イ
オン交換膜。 5 陽イオン交換体層が800〜2000の重量当量を
有するパーフルオロ系イオン交換体よりなる隔膜
を用いる特許請求の範囲第1項記載の複合イオン
交換膜。 6 多孔体層とイオン交換体層とが実質的に不可
分に一体化している隔膜を用いる特許請求の範囲
第1項記載の複合陽イオン交換膜。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27788685A JPS6264834A (ja) | 1985-12-12 | 1985-12-12 | イオン交換膜 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27788685A JPS6264834A (ja) | 1985-12-12 | 1985-12-12 | イオン交換膜 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8559076A Division JPS5911674B2 (ja) | 1976-07-20 | 1976-07-20 | 電解方法および電解槽 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23964788A Division JPH01126342A (ja) | 1988-09-27 | 1988-09-27 | イオン交換膜 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6264834A JPS6264834A (ja) | 1987-03-23 |
| JPH0149743B2 true JPH0149743B2 (ja) | 1989-10-25 |
Family
ID=17589654
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27788685A Granted JPS6264834A (ja) | 1985-12-12 | 1985-12-12 | イオン交換膜 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6264834A (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JP3856387B2 (ja) * | 2001-04-13 | 2006-12-13 | オルガノ株式会社 | 複合多孔質イオン交換体、それを用いる脱イオンモジュール及び電気式脱イオン水製造装置 |
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Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5171888A (en) * | 1974-12-19 | 1976-06-22 | Sumitomo Electric Industries | Sekisokozokaranaru fuirumu oyobi sonoseizohoho |
-
1985
- 1985-12-12 JP JP27788685A patent/JPS6264834A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6264834A (ja) | 1987-03-23 |
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