JPH0215679B2 - - Google Patents

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JPH0215679B2
JPH0215679B2 JP17599886A JP17599886A JPH0215679B2 JP H0215679 B2 JPH0215679 B2 JP H0215679B2 JP 17599886 A JP17599886 A JP 17599886A JP 17599886 A JP17599886 A JP 17599886A JP H0215679 B2 JPH0215679 B2 JP H0215679B2
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Tohei Morya
Junnosuke Yamauchi
Makoto Shiraishi
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
(A) 産業上の利用分野 本発明はカチオン変性ポリビニルアルコールか
らなる紙力増強剤に関する。 (B) 従来の技術 ポリビニルアルコール(以下PVAと略記する)
は従来より代表的な合成水溶性高分子として知ら
れ合成繊維ビニロンの原料としてあるいは糊剤と
して広範囲な工業的用途で用いられてきた。殊
に、紙の表面サイジング、繊維の経糸サイジング
ではPVAの造膜性、強度が有効に利用されてい
る。しかしまた一方、紙の強度の向上を目的とし
て抄紙時に内添方式で使用する糊剤すなわち紙力
増強剤としてもPVAが有効であることが期待さ
れているにもかかわずこれまで応用されていない
のが実状である。 これは、PVAは本来イオン基を含まぬ所謂ノ
ニオン系の高分子であり、仮にPVA水溶液を抄
紙系に添加してもパルプに実質的に吸着されない
ためである。 PVAにカルボキシル基などアニオン性基を導
入変性して、硫酸バン土を併用してパルプに吸着
させる方法により紙力増強剤として用いる提案が
されている(特公昭46−401号、同46−38601号)
が、工業的に利用されるには至つていない。これ
は硫酸バン土を併用した酸性条件下では変性
PVA中のアニオン基が水酸基と分子内エステル
を形成して有効な活性点として作用していないた
めパルプへの定着が意図したように向上させ得な
いことについて帰因するものと思われる。 アニオン基に代わつてカチオン基もパルプへの
定着作用があり、しかもこの場合は硫酸バン土を
併用する必要にないことが知られており、カチオ
ン基を導入した澱粉あるいはポリアクリルアミド
が工業生産されている。従つてPVAにもカチオ
ン基を導入すればパルプへの定着を可能ならし
め、PVA本来の優れた強度性能を発揮せしめよ
うとする試みが考えられるところであるが、これ
まで知られてきたPVAのカチオン化の方法には
それぞれ困難な問題があり未だ、工業的に実施可
能な方策は見出されていないのが実状である。 (C) 発明が解決しようとする問題点 本発明者らはこの様な状況下、安定かつ有効に
PVAにカチオン基を導入せしめる工業的に安価
な製造方法を確立することにより、カチオン変性
PVAを主成分とする紙力増強剤を得ることを目
的として鋭意検討した結果、本発明を完成したも
のである。 即ち、本発明の目的はビニルアルコール単位と
カチオン基を含むカチオン変性PVAを主剤とす
る紙力増強剤を得ることにあり、PVAが本来有
している強度、造膜性を生かしながら、これにカ
チオン電荷を付与して、パルプ等への優れた吸着
性能を与えることにより、新規な、優れた紙力増
強剤を製造することにある。 (D) 問題点を解決するための手段 本発明の紙力増強剤は、一般式 で表される共重合単位を0.01〜20モル%含有し、
ビニルエステル単位のケン化度が70モル%以上
で、かつ4%水溶液の20℃におけるブルツクフイ
ールド粘度が4センチポイズ以上であるカチオン
基変性ポリビニルアルコールからなることを特徴
としている。 R1は水素原子またはメチル基であり、 Aは
【式】 (R6、R7、R8は水素原子または炭素数
1〜3のアルキル基を示し、nは0〜2
の整数を示す。)であり、 Bは
【式】または
【式】 (R2、R3、R4は置換基を含んでいても
よい低級アルキル基、X-はアンモニウ
ム窒素と塩を形成する陰性の基を示す。)
である。 なかでも、一般式()中のAが (−CH2−CH2−CH2)−で、かつBが−N(CH32
である場合が好ましく、Aが(−CH2−CH2−CH2
)−で、かつBが−N+(CH33・Cl-である場合が
より好ましい。 さらに、Aが(−C(CH32−CH2−CH2)−で、
かつBが−N(CH32または−N+(CH33・Cl-
ある場合がより一層好ましい。 上記の本発明の紙力増強剤の主成分であるカチ
オン変性PVAは、例えばビニルエステルと一般
[式中、 R1:水素原子またはメチル基 A:
【式】 (R6、R7、R8は水素原子または炭素数
1〜3のアルキル基を示し、nは0〜2
の整数を示す。) B:
【式】または
【式】 (R2、R3、R4は置換基を含んでいても
よい低級アルキル基、X-はアンモニウ
ム窒素と塩を形成する陰性の基を示す。) をそれぞれ意味する。] で示される重合性単量体とをラジカル重合開始剤
の存在下に共重合させ、しかる後にBが
【式】である場合には四級化剤で四級化せし めるあるいはせしめないで、該共重合体のアルコ
ール溶液にアルカリあるいは酸触媒を作用させて
共重合体中のビニルエステル単位を部分的にある
いは高度にケン化せしめてビニルアルコール単位
とし、またBが
【式】である場合でありかつ 前記の四級化を実施していない場合にケン化反応
の後で四級化剤で
【式】を四級化せしめある いはせしめないことにより製造される。 また本発明の共重合体を製造する別の方法とし
て、ビニルエステルと一般式 (式中、R1およびAは一般式()における場
合と同じ意味を有し、Yはハロゲン原子を意味す
る。) で示される重合性単量体とを共重合させ、しかる
後に、該共重合体にアルカリあるいは酸触媒を作
用させて共重合体中のビニルエステル単位を部分
的あるいは高度にケン化せしめてビニルアルコー
ル単位とし、このケン化反応の前あるいは後にお
いて共重合体にジアルキルアミンあるいはトリア
ルキルアミンを作用させる方法を挙げることがで
きる。しかし、この方法と比較し、前記の方法す
なわち、単量体()を用いる方法が工業的に優
れており、以下、この場合を例にとり説明する。 本発明の共重合体を製造する際に使用し得るビ
ニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ギ酸ビニル等があげられるが、経済的
にみて酢酸ビニルが好ましい。 また、本発明で用いられるアミノ基を含有した
カチオン性の重合性モノマーは上述した一般式
()で示される。一般式()中のR1は水素原
子またはメチル基であり、更に、共重合反応にお
ける重合速度が大である点で水素原子であること
が好ましい。Bは3級アミノ基
【式】または 4級アンモニウム塩
【式】であり、 R2、R3、R4は置換基を含んでいてもよい低級ア
ルキル基を、Xはアンモニウム窒素と塩を形成す
る陰性の基を示している。R2、R3、R4は通常の
目的ではすべてメチル基が好ましいが、特殊な目
的にはエチル基、プロピル基等の低級アルキル基
あるいは反応性を付与する目的でメチロール基、
あるいはカチオン基の密度を向上させる目的でア
ミノアルキル基など置換基を含有した低級アルキ
ル基も用いられている。Xとしては塩素、シユウ
素、ヨウ素などのハロゲン原子、または
CH3OSO3あるいはCH3C6H4SO3が好ましいが、
とりわけ塩素原子が経済上、安全上、あるいは共
重合体の物性上好ましい。アミノ基は四級アンモ
ニウム塩の形であることが系の水素イオン濃度に
かかわらずカチオン性能を示す点で多くの場合好
ましいが、3級アミンの形つまりBが
【式】 の形の重合性単量体を用いることが必要である場
合もある。三級アミンの単量体を用いた場合共重
合後にアルコール溶液中でハロゲン化アルキル、
ジメチル硫酸、P−トルエンスルホン酸メチルな
どの四級化剤で四級化してもよく、特に塩化メチ
ルガスを溶液中にバブリングすることにより100
%の四級化が可能である。四級化された共重合体
のアルコール溶液はそのまま後述するケン化反応
を実施でき、四級アンモニウム塩を含む共重合体
とすることができる。三級アミンの単量体を用い
た場合、四級化せずに、ケン化反応を実施し、生
成した共重合体を水溶液とし、この中に前述の四
級化剤とりわけ塩化メチルを用いて四級化しても
よい。また、三級アミンの単量体を用いる場合重
合時に、適当な酸の塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、
酢酸塩として用いてもよく、この場合、四級化反
応の実施後の適当な時点で水素イオン濃度が好ま
しくは中性に調節される。三級アミンの単量体を
用いて、共重合およびケン化反応を実施し、四級
化をしないままの共重合体も本発明に含まれる
が、この場合にはカチオン性を効果的に発揮させ
るために多くの場合水溶液を酸性状態で用いる。 アミノ基B中の窒素原子とアミド基の窒素原子
を連結する基であるAは
【式】 (R6、R7、R8は水素原子または炭素数1〜3の
アルキル基を示し、nは0〜2の整数を示す。)
であり、共重合性から、Aは(−CH2−CH2−CH2
)−が好ましく、(−C(CH32−CH2−CH2)−がよ
り好ましい。 以上に述べた構造上の特徴を満足し目的に叶つ
た代表的な単量体として次のものがあげられる。 N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノ
プロピル)アクリルアミド トリメチル−3−(1−アクリルアミド−1,
1−ジメチル−プロピル)アンモニウムクロリド 上の2種の単量体は工業的製造が比較的安価で
あること、ビニルエステルことに酢酸ビニルとの
共重合速度が速くまた高重合度の共重合体の合成
が可能であること、さらにアミド結合の安定性が
とりわけ高いことなど特に本発明の目的に合致し
て好ましい。この単量体は西独特許第2254905号
あるいは米国特許第3666810号、同3883491号、同
3917594号、同3943114号などで公知であり酢酸ビ
ニル等のビニルエステルを含めた多くの重合性単
量体と共重合し得ることが示されているが、ビニ
ルエステルとの共重合体をケン化することにより
生成した共重合体については知られておらず、本
発明に示されているような工業的に重要な優れた
性能を有する共重合体が得られることは全く知ら
れていない。 また更に、本発明の目的に使用され得る他のモ
ノマーとして次のものが挙げられる。 N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリル
アミド CH2=CHCONH−CH2CH2CH2N(CH32 トリメチル−3−(1−アクリルアミドプロピ
ル)アンモニウムクロリド CH2=CHCONH−CH2CH2CH2N+
(CH33・Cl- 上述したオチカン基を含む重合性単量体とビニ
ルエステルとの共重合は塊状重合、溶液重合、懸
濁重合、乳化重合のいずれの重合形式を用いても
実施され得るが、本発明の多くの目的には通常溶
液重合が好ましい。使用する溶媒としては低級ア
ルコール殊にメタノールが工業的に望ましい。塊
状重合、溶液重合は回分方式、連続方式のいずれ
にても実施可能であり、懸濁重合、乳化重合は通
常回分方式で実施される。回分方式の場合、共重
合単量体反応性比(r1、r2)に従つて重合率と共
に単量体組成が変動していくことはよく知られて
いるが、単量体組成が一定となるように一方もし
くは両方の単量体を添加していく所謂半回分方式
を採用することが均一な共重合組成を有する共重
合体を得るためには望ましい。この場合の添加量
の算出方法の一つとしてはR.J.Hannaが
Ingustrial and Engineering Chemistry、
Vol.49、No.2、208−209(1957)に提出している
式が挙げられる。多塔式の連続共重合の場合にも
同様の理由で、各塔内の単量体組成が一定になる
ように2塔以後の塔に単量体を添加することが望
ましい。重合開始剤としては、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化
アセチル等公知のラジカル重合用開始剤が使用さ
れ得る。重合反応温度は通常50℃〜沸点の範囲か
ら選ばれる。単量体の反応率は、経済性、重合度
の調節など目的に応じて適宜決められる。共重合
を完了した後、反応液中にビニルエステルが残存
している場合には蒸留などにより分離除去する必
要がある。カチオン性単量体は除去してもよく、
また残存させたままでも支障がない場合が多い。 こうして得られた共重合体は次いでビニルエス
テル部分がケン化される。ケン化反応は通常共重
合体をアルコール溶液とりわけメタノール溶液と
して実施するのが有利である。アルコールは無水
物のみならず少量の含水系のものも目的に応じて
用いられまた、酢酸メチル、酢酸エチルなどの有
機溶媒を任意に含有せしめてもよい。ケン化触媒
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属の水酸化物、ナトリウムメチラー
ト、カリウムメチラート等のアルコラートあるい
はアンモニア等のアルカリ性触媒あるいは塩酸、
硫酸などの酸触媒が使用され得る。このうち工業
的には水酸化ナトリウムが経済的に有利である。
ケン化温度は通常10〜50℃の範囲から選ばれる。
強アルカリ性、強酸性の条件下で高温に長時間放
置すると徐々にアミド結合の分解が進行するので
望ましくないが、通常そのような条件下におく必
要はなく、ケン化時にアミド結合は分解すること
なく安定に保たれる。ケン化反応によりビニルエ
ステル単位は部分的にあるいは高度にケン化され
てビニルアルコール単位に転換されるが、この転
化率つまりケン化度は本カチオン変性PVAの使
用目的に応じて任意の値とすることができるが、
工業的に有利に製造できるケン化度の範囲は通常
70モル%以上である。カチオン変性PVA中のカ
チオン性単量体の含量が10モル%以下の場合に
は、アルコール中でケン化反応が進行すると通常
のPVAの場合と同様に白色のゲルあるいは沈澱
物が生成し、これを必要に応じて粉砕、洗浄乾燥
することによつて白色の重合体粉末を得ることが
できる。共重合体中のカチオン性単量体の含量が
10モル%以上の場合あるいは10モル%以下の含量
の場合でも到達ケン化度が低い場合には生成物が
析出しない場合もあるが、この場合は、酢酸メチ
ルなどの有機溶媒を沈澱物として使用し析出させ
る方法等が採用される。 本発明のカチオン変性PVAは一般にPVAと同
様に、粉体で保存、輸送が可能であり、使用時に
水に分散後、撹拌しながら加温することにより均
一な糊液を得ることができる。 本発明のカチオン変性PVAの各成分の構成比
率に関しては、先ずカチオン性単量体成分は0.01
〜20モル%とりわけ0.05〜5モル%の範囲から選
ばれることが好ましい。0.01モル%以下では紙力
増強剤として用いた場合パルプへの定着効果が充
分でなく、一方、20モル%以上では定着効果がか
えつて低下する。またケン化度は70モル%以上、
とりわけ85モル%以上の範囲のものがその物性上
好ましい。70モル%以下では強度の低下が大き
く、紙力増強剤としては適当でない。また本発明
のカチオン変性PVAの重合度としては、その4
%水溶液の20℃におけるブルツクフイールド粘度
として4センチポイズ以上とりわけ20センチポイ
ズ以上のものが通常選ばれる。 (E) 作用及び発明の効果 上述の構成成分を有する、紙力増強剤として有
用な、本発明のカチオン変性PVAは一見PVAに
類似するものであるが、紙パルプに対する定着性
がPVAと比較にならないほど顕著に高いという
際立つた性質によつて容易に他のPVAと区別さ
れる。すなわち、従来のPVAのパルプスラリー
に対して基本的に定着を示さないのに対し、本発
明の共重合体を主成分とした紙力増強剤ではパル
プに対し約1%の添加率の領域で、通常、共重合
体全量の80〜100%の定着率を示し、条件の悪い
場合でも50%以上の定着率を示す。この際立つた
性能によつて、この共重合体をビーター添加法に
よる内添紙力増強剤として使用し得るのではある
が、その特徴は次のとおりである。 1)乾燥紙力向上効率が高い。 2)水性に優れる。 3)顔料の歩留りが向上する。 4)排水汚泥が低減する。 5)中性抄造が可能である。 従来より知られているデンプン系、ポリアクリ
ルアミド系の紙力増強剤と比較しても本発明の紙
力増強剤は高性能を有する。これは、その主なる
骨格構造がPVAでありこれが高い紙力向上効果
を発現させるものとなつているものと考えられ
る。 本発明の紙力増強剤はパルプの水分散液に添加
し、パルプ繊維上に吸着せしめ、次いで通常の抄
紙、乾燥をするいわゆるビーター添加法で実施す
ることができる。その上、スプレーあるいはサイ
ズプレスなどで含浸塗工する方法で使用してもよ
い。ビーター添加法で使用する場合の添加量は紙
の種類、用途により異なるが、乾燥パルプ重量換
算で紙力増強剤固形分で0.05〜5%の範囲で添加
され、一般的には0.1〜2%の範囲で充分な効果
が得られる。 (F) 実施例 以下、実施例によつて本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器
を付した1フラスコ中に酢酸ビニル500g、メ
タノール75gおよびN−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)アクリルアミド3gを仕込み恒温槽内に
据えて撹拌しながら系内を窒素置換した後、内温
を60℃まで上げた。 この系に2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
0.125gをメタノール50gと共に添加し重合を開
始した。重合時間2時間10分の間にN−(3−ジ
メチルアミノプロピル)アクリルアミドの25%メ
タノール溶液20gを一定速度で滴下した。重合停
止時の系内の固形分濃度は9.9%であつた。フラ
スコにガス導入管および減圧蒸留装置を取付け、
減圧下に重合反応液中にメタノール蒸気を吹きこ
み、未反応の酢酸ビニル単量体を追い出した後、
共重合体の31%メタノール溶液を得た。この共重
合体はN−(3−ジメチルアミノプロピル)アク
リルアミド単位を5.0モル%と酢酸ビニル単位
95.0モル%を含有することが核磁気共鳴分析によ
り確認された。この共重合体のメタノール溶液80
gを40℃で撹拌しながら、この中に1Nの苛性ソ
ーダメタノール溶液を5.8ml添加し、よく混合後
放置した。8分30秒後系全体がゲル化した。更に
20分後に粉砕機にてこのゲルを粉砕し、メタノー
ルで洗浄後、乾燥し白色の重合体粉末を得た。こ
の共重合体は水への溶解性に優れており、その4
%水溶液の20℃のブルツクフイールド粘度は38セ
ンチポイズであつた。この共重合体の重水溶液の
プロトン核磁気共鳴スペクトルを第1図に示し
た。2.79PPMの吸収はN−(3−ジメチルアミノ
プロピル)アクリルアミド単位中のアミノ基の窒
素原子に結合した2個のメチル基のプロトンに帰
属され、その吸収強度からN−(3−ジメチルア
ミノプロピル)アクリルアミド単位は5.0モル%
含有されると分析された。また、酢酸ビニル単位
のケン化度は99.9モル%であつた。つまり、得ら
れた共重合体は実質的にN−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)アクリルアミド−ビニルアルコール
の共重合体である。 実施例 2 撹拌機、ガス導入管および還流冷却器を備えた
フラスコ内に実施例1で共重合したN−(3−ジ
メチルアミノプロピル)アクリルアミド−酢酸ビ
ニル共重合体のメタノール溶液(31%)80gを入
れ、撹拌しつつ、塩化メチルガスを3時間バブリ
ングした。40℃で撹拌しながら、1Nの苛性ソー
ダメタノール溶液を5.8ml添加しよく混合後放置
したところ6分後に系全体がゲル化した。20分放
置後粉砕してメタノールで洗浄後乾燥して白色の
共重合体粉末を得た。この粉末は水への溶解性に
優れており、その4%水溶液の20℃におけるフル
ツクフイールド粘度は35センチポイズであつた。
得られた共重合体のプロトン核磁気共鳴スペクト
ルを第2図に示す。2.79PPMの吸収が無くなり
代わつて3.13PPMに4級アンモニウム塩の窒素
原子に結合した3個のメチル基のプロトンに帰属
される吸収が見出された。従つて、N−(3−ジ
メチルアミノプロピル)アクリルアミド単位のア
ミノ基はすべて4級化されトリメチル−3−(1
−アクリルアミノプロピル)アンモニウムクロリ
ド単位になつており、その含量は3.13PPMの吸
収強度から5.0モル%である。また酢酸ビニル単
位のケン化度は99.9モル%と求められた。 実施例 3 撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器
を付した5のフラスコ中に酢酸ビニル2500g、
メタノール697gおよびトリメチル−3−(1−ア
クリルアミド−1,1−ジメチル−プロピル)ア
ンモニウムクロリドの白色粉末4.8gを仕込み恒
温槽内に据えて撹拌しながら系内を窒素置換し、
内温を60℃まで昇温後2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル3.5gをメタノール50gと共に添加し
重合を開始した。重合時間3時間の間にトリメチ
ル−3−(1−アクリルアミド−1,1−ジメチ
ル−プロピル)アンモニウムクロリドの50%メタ
ノール溶液362gを一定速度で滴下した。重合停
止時の系内の固形分濃度は49.8%であつた。フラ
スコにガス導入管および減圧蒸留装置をとりつけ
減圧下に重合反応液中にメタノール蒸気を吹きこ
み未反応の酢酸ビニルモノマーを追出したる後、
共重合体の44.3%メタノール溶液を得た。この共
重合体はトリメチル−3−(1−アクリルアミド
−1,1−ジメチル−プロピル)アンモニウムク
ロリド単位を4.0モル%と96.0モル%の酢酸ビニ
ル単位を含有することが核磁気共鳴分析により確
認された。この共重合体のメタノール溶液812g
を35℃で撹拌しながらこの中に2Nの苛性ソーダ
メタノール溶液を42.1ml添加しよく混合後放置し
た。7分20秒後に系全体がゲル化した。更に20分
後に粉砕機にてこのゲルを粉砕し、メタノールで
洗浄後、加熱乾燥して白色の重合体粉末を得た。
得られた重合体の重水溶液によるプロトン核磁気
共鳴スペクトルを第3図に示す。3.13PPMの吸
収はトリメチル−3−(1−アクリルアミド−1,
1−ジメチル−プロピル)アンモニウムクロリド
単位中の四級アンモニウム窒素原子に結合した3
個のメチル基のプロトンに帰属され、その吸収強
度からトリメチル−3−(1−アクリルアミド−
1,1−ジメチル−プロピル)アンモニウムクロ
リド単位は4.0モル%含有していることが確認さ
れた。一方酢酸ビニル単位のケン化度は99.3モル
%であり、またケルダール法による窒素の含有量
は2.17重量%でありこれはトリメチル−3−(1
−アクリルアミド−1,1−ジメチル−プロピ
ル)アンモニウムクロリド単位4.0モル%に相当
し先の核磁気共鳴分析の結果と一致する。4%水
溶液の20℃におけるブルツクフイールド粘度は
34.1センチポイズであつた。 実施例 4 実施例3で共重合後残存酢酸ビニル単量体を追
出したメタノール溶液700gに酢酸メチルを154
g、メタノールを150g加えてよく混合均一化し
た後40℃で撹拌しながらこの中に2Nの苛性ソー
ダメタノール溶液を15.7ml添加し、よく混合後放
置した。14分50秒後に系全体がゲル化した。さら
に20分放置後、粉砕機にてゲルを粉砕し、メタノ
ールで洗浄後乾燥して白色の重合体粉末を得た。
得られた盾重合体はトリメチル−3−(1−アク
リルアミド−1,1−ジメチル−プロピル)アン
モニウムクロリド単位を4.0モル%含有し、酢酸
ビニル単位のケン化度が88.0モル%の共重合体で
あり、その4%水溶液の20℃におけるブルツクフ
イールド粘度は30.4センチポイズであつた。 実施例 5 実施例3と同様の装置中に酢酸ビニル3000g、
メタノール108gおよびトリメチル−3−(1−ア
クリルアミド−1,1−ジメチル−プロピル)ア
ンモニウムクロリド1.1gを仕込み、0.15gの2,
2′−アゾビスイソブチロニトリルと50gのメタノ
ールの添加により共重合を開始した。重合時間
1.0時間の間にトリメチル−3−(1−アクリルア
ミド−1,1−ジメチル−プロピル)アンモニウ
ムクロリドの50%メタノール溶液20gを一定速度
で滴下した。重合停止時の系内の固形分濃度は
15.7%であつた。実施例3と同様の操作により残
存する酢酸ビニル単量体を追出した後、固形分濃
度31.7%の共重合体メタノール溶液を得た。この
メタノール溶液960gを40℃で撹幻しながら2Nの
苛性ソーダメタノール溶液を39.2ml添加しよく混
合後放置した。5分35秒後に系全体がゲル化し
た。更に20分後に粉砕機にてゲルを粉砕し、メタ
ノールで洗浄後、加熱乾燥して白色の共重合体粉
末を得た。この共重合体の窒素の含有量は0.492
重量%で、これはトリメチル−3−(1−アクリ
ルアミド−1,1−ジメチル−プロピル)アンモ
ニウムクロリド単位が0.8モル%含まれているこ
とに相当する。酢酸ビニル単位のケン化度は99.4
モル%であり4%水溶液の20℃におけるブルツク
フイールド粘度は167センチポイズであつた。 実施例 6 実施例3と同様の装置中に酢酸ビニル3000g、
メタノール283gおよびN−−(1,1−ジメチル
−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド
塩酸塩0.5gを仕込み、0.3gの2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.3gと50gのメタノールの
添加により共重合を開始した。重合時間2.5時間
の間にN−(1,1−ジメチル−3−ジメチルア
ミノプロピル)アクリルアミド塩酸塩の25%メタ
ノール溶液41gを一定速度で滴下した。重合停止
時の系内の固形分濃度は30.3%であつた。実施例
3と同様の操作により残存する酢酸ビニル単量体
を追出した後、固形分濃度33.0%の共重合体メタ
ノール溶液を得た。このメタノール溶液1061gを
40℃で撹拌しながら2Nの苛性ソーダメタノール
溶液を51ml添加しよく混合後放置した。2分15秒
後に系全体がゲル化した。20分放置後、ゲルを粉
砕機にて粉砕し、メタノールで洗浄後加熱乾燥し
て白色の共重合体粉末を得た。この共重合体はN
−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロ
ピル)アクリルアミド単位が0.4モル%含されて
いると分析された。酢酸ビニル単位のケン化度は
99.7モル%であり、4%水溶液の20℃におけるブ
ルツクフイールド粘度は71.2センチポイズであつ
た。 実施例 7 実施例6で得られたN−(1,1−ジメチル−
3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド−
ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体の5%水
溶液1000gを2フラスコ中で撹拌しながら、こ
の中に塩化メチルガスをバブリングした。5時間
バブリングした後、水溶液中の共重合体をプロト
ン核磁気共鳴により分析したところ、アミノ基は
すべて四級化され、トリメチル−3−(1−アク
リルアミド−1,1−ジメチル−プロピル)アン
モニウムクロリドを0.4モル%含む共重合体であ
ることが確認された。 紙力増強剤としての試験 カナデイアン・スタンダード・フリーネス565
mlのパルプ(NBKP)の1%水性スラリーに前
述した各実施例で合成した共重合体および比較例
の重合体の水溶液を所定量添加混合した。次いで
3分後にタツピ・スタンダード抄紙機を用いて坪
量が80±5g/m2となるように抄紙し、3.5Kg/
cm2で5分間プレス脱水後、回転ドラム乾燥機にて
110℃1分間乾燥し成紙としたる後20℃、65%
RHで48時間調湿した。 一方抄紙時の白水を採取濃縮し、白水中の共重
合体の濃度をJ.H.Finley、Journal of Analitical
Chemistry、Vol.33、No.13、1925(1961年)に準
じたヨード呈色法によつて求め、これから各添加
共重合体のパルプへの定着率を求めた。 調湿後の紙試料につきJIS−8113に従つて引張
強さ(裂断長)を、またJIS−8112に従つて比破
裂強さを測定した。測定結果を第1表に示す。第
1表には比較例として紙力増強剤を添加しない系
およびカチオン基を含まぬ通常のPVA(クラレポ
バールPVA−177、ケン化度98.5%、重合度
1750)、およびアクリルアミド共重合変性PVA
(アクリルアミド変性度5モル%、ケン化度98.3
%、重合度1500)、およびアクリルアミド共重合
変性(PVAアクリルアミド変性度50モル%、ケ
ン化度97.5%、重合度1200)について同様に抄紙
した試料についての測定結果も合わせて示した。
【表】
【表】 カチオン基を含まぬPVA−117及びアクリルア
ミド共重合変性PVA(5モル%変性及び50モル%
変性)が実質的に定着を示さず、紙力も発揮され
ていないのに対して本発明の新規なカチオン性の
水溶性共重合体を主剤とする紙力増強剤はいずれ
も高い定着率を示し、かつ紙力増強効果が優れて
いる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は主周波数90MHzのプロトン
核磁気共鳴スペクトル(VARIAN社、FM−
390)であり、いずれも本発明の共重合体の5%
重水溶液を測定したものである。第1図はN−
(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド
−ビニルアルコール共重合体、第2図は前者共重
合体の四級化物であるトリメチル−3−(1−ア
クリルアミドプロピル)アンモニウムクロリド−
ビニルアルコール共重合体、第3図はトリメチル
−3−(1−アクリルアミド−1,1−ジメチル
−プロピル)アンモニウムクロリド−ビニルアル
コール酢酸ビニル共重合体のスペクトル図であ
る。各図中、横軸は試料溶液に共存させた基準物
質(トリメチルシリルプロピオン酸−d4−ナトリ
ウム塩)からの化学シフトをPPMで示してある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 [式中、 R1:水素原子またはメチル基 A:【式】 (R6、R7、R8は水素原子または炭素数
    1〜3のアルキル基を示し、nは0〜2
    の整数を示す。) B:【式】または【式】 (R2、R3、R4は置換基を含んでいても
    よい低級アルキル基、X-はアンモニウ
    ム窒素と塩を形成する陰性の基を示す。) を、それぞれ意味する。] で表される共重合単位を0.01〜20モル%含有し、
    ビニルエステル単位のケン化度が70モル%以上
    で、かつ4%水溶液の20℃におけるブルツクフイ
    ールド粘度が4センチポイズ以上であるカチオン
    変性ポリビニルアルコールからなることを特徴と
    する紙力増強剤。 2 Aが(−C(CH32−CH2−CH2)−で、かつB
    が−N(CH32である請求項1記載の紙力増強剤。 3 Aが(−C(CH32−CH2−CH2)−で、かつB
    が−N+(CH33・Cl-である請求項1記載の紙力
    増強剤。 4 Aが(−CH2−CH2−CH2)−で、かつBが−N
    (CH32である請求記1記載の紙力増強剤。 5 Aが(−CH2−CH2−CH2)−で、かつBが−
    N+(CH33・Cl-である請求項1記載の紙力増強
    剤。
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