JPH0216248B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0216248B2 JPH0216248B2 JP478484A JP478484A JPH0216248B2 JP H0216248 B2 JPH0216248 B2 JP H0216248B2 JP 478484 A JP478484 A JP 478484A JP 478484 A JP478484 A JP 478484A JP H0216248 B2 JPH0216248 B2 JP H0216248B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- barium ferrite
- barium
- ferrite powder
- temperature
- firing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Landscapes
- Compounds Of Iron (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、水熱合成法でマグネトプランバイト
型バリウムフエライト粉末を製造する方法の改良
に関するものである。 近年磁気記録の高密度化の要求に伴い、バリウ
ムフエライト(マグネトプランバイト型)を磁気
記録媒体として用いる垂直磁気記録方式の開発が
進められている。 垂直磁気記録方式に用いられるバリウムフエラ
イトとしては、保持力が適当な値(500〜1500e)
で、飽和磁化ができるだけ高く、粒子が小さく均
一で、粒子の凝集、焼結などがなく、分散性のよ
いものが望まれている。 従来バリウムフエライトの製造法としては、例
えば共沈法、フラツクス法、水熱合成法など種々
の方法が知られており、水熱合成法については、
例えば特公昭46−3545号公報、特開昭56−149328
号公報、特開昭56−160328号公報、特開昭58−
2224号公報などで提案されている。 水熱合成法によるバリウムフエライトは粒子の
凝集がなく比較的分散性はよいが、従来公知の方
法では粒径が大きなものしかできなかつたり、飽
和磁化が50emu/g程度かそれよりも低いものし
か得られなかつたり、またバリウムフエライトの
結晶化を進行させるために高温焼成が必要になつ
たり、さらには高温焼成するために粒子間の焼結
が生じ易くなつたりして分散性が悪くなつたりす
る難点がある。 本発明者らは、これらの実情に鑑み、粒径が小
さく、粒子の凝集、焼結などがなく、分散性のよ
い電磁特性のすぐれたバリウムフエライト粉末を
製造することを目的として研究を行つた結果、バ
リウムイオンと鉄イオンとの含有割合、アルカリ
添加量など特定の条件で水熱合成を行い、これに
塩化ナトリウムおよび塩酸を加えてPHを7〜10に
して乾燥した後、生成物を650〜850℃で焼成し、
焼成物を洗浄、乾燥することによつて上述の目的
を達成できるバリウムフエライト粉末が得られる
ことを知り、本発明に到つた。 本発明は、バリウム1グラム原子に対して鉄5
〜10グラム原子をイオンの状態で含む金属塩の水
溶液に、該金属塩の総量に対して1〜5倍当量の
アルカリを含む溶液を加え、140〜230℃に加熱保
持した後、塩化ナトリウムおよび塩酸を加えてPH
を7〜10に保持し、次いで乾燥して生成物を650
〜850℃で焼成した後、洗浄、乾燥することを特
徴とするバリウムフエライト粉末の製法に関する
ものである。 本発明によると、水熱合成時の加熱が一度でか
つ焼成操作を伴わない方法、例えば特公昭46−
3545号公報、特開昭56−149328号公報に記載の方
法による場合よりも特に高い飽和磁化を示すバリ
ウムフエライト粉末粒子が得られ、また特公昭46
−3545号公報に記載の方法による場合よりも粒径
の小さなものが得られる。また本発明によると、
特開昭56−160328号公報に記載の方法による場合
よりも粒子が焼結したりするのを防止するのが容
易である。 本発明において、バリウム1グラム原子に対し
て鉄5〜10グラム原子をイオンの状態で含む金属
塩の水溶液の調製は、一般に硝酸第二鉄、塩化第
二鉄、硝酸バリウム、塩化バリウムの如き水に可
溶性で比較的溶解度の高い金属塩をバリウムイオ
ンと鉄イオンとが前記範囲になるように水に溶解
させる方法で行われる。その際従来のバリウムフ
エライトに添加されている種々の元素、例えば
Co,Ni,Mn,Zn,Ca,Pb,Sr,Ti,In,Nb
などの水に可溶性の塩を若干添加してもよく、特
にCo,Ti,Mn,Caなどの添加は、磁気特性の
向上および粒子径をコントロールするうえで好ま
しい。バリウムと鉄との原子比Fe/Baが5より
も小さくなるとマグネトプランバイト型バリウム
フエライトの生成量が少なく、六角板状の形状も
悪くなり、Fe/Baが10より大きくなるとα―
Fe2O3の生成があり、またバリウムフエライトの
粒径も大きく、磁気特性も劣つてくる。またバリ
ウムおよび鉄をイオンの状態で含む金属塩の水溶
液を調製する場合は、バリウム塩の濃度が30〜
150mmol/lの範囲になるようにするのが六角
板状の形状のよいバリウムフエライトを得るうえ
で望ましい。 バリウムおよび鉄をイオンの状態で含む金属塩
の水溶液は加温、好ましくは30〜90℃に加温し、
これにアルカリを含む溶液を加える。アルカリを
含む溶液の添加量は前記金属塩の総量に対して1
〜5倍当量になるようにする。アルカリの量が少
なすぎるとγ―Fe2O3の生成があり、また多すぎ
ると経済的でないので好ましくない。添加するア
ルカリを含む溶液のアルカリ成分としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好適であ
る。 本発明においてアルカリを含む溶液を加えた
後、まず140〜230℃、好ましくは150〜220℃に加
熱保持する。この加熱保持時間は0.5〜5時間程
度で十分であり、加熱保持によつて核となるバリ
ウムフエライトの結晶(沈殿物)が生成する。な
おこの結晶は化学組成的にはマグネトプランバイ
ト型のバリウムフエライトと同じ構造を有してい
るが、磁気特性は悪い。加熱保持温度が上記温度
より低いと核となる結晶の生成が十分でなく、ま
た高くしすぎると最終的に得られるバリウムフエ
ライトの粒径が大きくなるので適当でない。また
この加熱保持はアルカリを含む溶液添加後、上記
温度にまですみやかに昇温して行うのが望まし
く、加熱保持には一般にはオートクレーブが採用
される。 140〜230℃での加熱保持によつてバリウムフエ
ライトの微細な種晶となる沈殿物を生成させた
後、塩化ナトリウムおよび塩酸を加えて、PHを7
〜10に保持する。この塩化ナトリウムは上記沈殿
物に対し10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%
添加するのが望ましい。添加量が少なすぎると焼
結しやすいので、望ましくなく、また多すぎると
経済的でない。 また塩酸は過剰のアルカリ分を中和するために
添加するもので、塩酸の希釈水溶液によつて、上
記スラリーのPHを7〜10に調節するように添加す
ることが好ましい。特に塩酸の水溶液は1〜5%
の濃度のものが望ましい。塩化ナトリウムと塩酸
の添加の順序は限定されないが塩化ナトリウムを
先に添加することが好ましい。 塩化ナトリウムおよび塩酸を添加することによ
つてPH7〜10にしたスラリーはろ過および洗浄を
せずになるべく早く乾燥する。この乾燥は水分の
除去が主目的であり、通常50〜200℃の温度で、
1〜20時間程度行うのが好ましい。乾燥方法とし
ては、一般に知られた方法が採用されるが、特に
ドラムドライヤーやスプレードライヤーによつて
迅速に乾燥することが好ましい。 乾燥によつて得られるバリウムフエライトの種
晶を含有する生成物(乾燥物)は、これを650〜
850℃、好ましくは700〜830℃の温度で焼成する。
焼成温度が低すぎると目的物を得るために長時間
を要したり、また得られたものの飽和磁化が低
い。また高すぎると粒子の成長が大きく、粒子径
の大きいものが得られる。焼成時間は1〜30時間
程度が適当であり、また焼成雰囲気は限定され
ず、焼成は空気雰囲気下で行なうことができる。
また焼成する場合、一度低温(650〜750℃)で焼
成し、さらに高温(750〜850℃)で焼成する2段
焼成が好ましい。 650〜850℃で焼成した焼成物(バリウムフエラ
イト)は、これを洗浄、乾燥する。洗浄は焼成物
中のアルカリ金属イオン、過剰の水酸化バリウム
など不純物を十分に除去できればどのような方法
で行つてもよい。洗浄液としては水や酢酸、硝
酸、塩酸などを用いることができる。十分に洗浄
した焼成物は次いで乾燥するが、乾燥方法は特に
制限されない。 乾燥によつて目的とする結晶状態のよい六角板
状のマグネトプランバイト型の粒径0.3μ以下の小
さい均一なバリウムフエライト粉末を得ることが
できる。またこのバリウムフエライト粉末は分散
性がよく、板状比は1/3〜1/10の範囲にあ
り、700〜12000eの保磁力および高い飽和磁化を
示す。更に、保磁力については、従来バリウムフ
エライトに添加されている前記した種種の元素
(例えば、Co,Ti等)を添加することにより自由
にコントロールすることができる。 実施例 1 内容3の四つ口フラスコに硝酸バリウム
〔Ba(NO3)2〕57.9g、硝酸第二鉄〔Fe(NO3)・
9H2O〕581.8g、硝酸コバルト〔Co(NO3)・
6H2O〕33.2g、四塩化チタン〔TiCl4〕24.1gお
よび水800mlを入れ、窒素ガス雰囲気下に撹拌し
ながら約80℃に加温し、硝酸バリウムおよび硝酸
第二鉄を溶解させ、撹拌下に水酸化ナトリウム
〔NaOH〕218.3gを水400mlに溶解させた溶液を
徐々に滴下した。水酸化ナトリウム水溶液の滴下
によつて沈殿物が生成した。 沈殿物を含む溶液を撹拌下に80℃で10分間保持
し、オートクレーブに入れ、約1時間で200℃に
まで昇温し、1時間同温度に保持した後、スラリ
ーを2ビーカーに移し、これに塩化ナトリウム
364gを加え、さらに濃度5%の塩酸水溶液を
徐々に加えてスラリーのPHを約8にした。このよ
うにして得られたスラリーをドラムドライヤーに
て乾燥(濃縮乾固)した。 得られた乾燥物は、これを電気炉に入れ、空気
雰囲気下に800℃で10時間焼成した。この焼成物
を水によつて可溶物がなくなるまで洗浄した後ろ
過乾燥し、バリウムフエライト粉末を得た。この
バリウムフエライト粉末について透過型電子顕微
鏡(TEM)で粒子形状(粒径、厚さ)を測定し
た結果(粒子20個の平均値)および振動試料式磁
力計で磁気特性を測定した結果を第1表に示す。
また分散性をみるためにバリウムフエライト粉末
をバインダーおよび溶媒とボールミルでミーリン
グした後のインキを篩目が3μの篩でろ過したと
きのろ過率(インキ全量が篩を通過した場合をろ
過率100%とする)を測定した結果を第1表に示
す。 実施例 2 実施例1の焼成温度、時間800℃、10時間を750
℃、20時間にかえたほかは、実施例1と同様にし
てバリウムフエライト粉末を製造し、粒子形状、
磁気特性およびろ過率を測定した。その結果を第
1表に示す。 比較例 1 実施例1の硝酸第二鉄の使用量をかえて実施例
1のFe/Ba(原子比)を6から12にしたほかは、
実施例1と同様にしてバリウムフエライト粉末を
製造し、粒子形状、磁気特性およびろ過率を測定
した。その結果を第1表に示す。 比較例 2 実施例1の水酸化ナトリウムの使用量をかえて
実施例1の1.1倍当量(OH/NO3)から0.9倍当
量にかえたほかは、実施例1と同様にしてバリウ
ムフエライト粉末を製造し、粒子形状、磁気特性
およびろ過率を測定した。その結果を第1表に示
す。 比較例 3 実施例1の塩化ナトリウム添加および塩酸によ
るPH調節をせずに焼成したほかは、実施例1と同
様にしてバリウムフエライト粉末を製造し、粒子
形状、磁気特性およびろ過率を測定した。その結
果を第1表に示す。 比較例 4 実施例1の200℃での加熱保持を行わなかつた
ほかは、実施例1と同様にしてバリウムフエライ
ト粉末を製造し、粒子形状、磁気特性およびろ過
率を測定した。その結果を第1表に示す。 比較例 5 実施例1の200℃での加熱保持温度を130℃にか
えたほかは、実施例1と同様にしてバリウムフエ
ライト粉末を製造し、粒子形状、磁気特性および
ろ過率を測定した。その結果を第1表に示す。 比較例 6 実施例1の800℃での焼成温度を600℃にかえた
ほかは、実施例1と同様にしてバリウムフエライ
ト粉末を製造し、粒子形状、磁気特性およびろ過
率を測定した。その結果を第1表に示す。 比較例 7 実施例1の焼成温度800℃を900℃にかえたほか
は、実施例1と同様にしてバリウムフエライト粉
末を製造し、粒子形状、磁気特性およびろ過率を
測定した。その結果を第1表に示す。 比較例 8 実施例1の800℃での焼成を行わなかつたほか
は、実施例1と同様にしてバリウムフエライト粉
末を製造し、粒子形状、磁気特性およびろ過率を
測定した。その結果を第1表に示す。 実施例 3〜9 実施例1のFe/Ba(原子比)を6から8にかえ
た(実施例3)、OH/NO3を1.1から4にかえた
(実施例4)、加熱保持温度を200℃から180℃(実
施例5)および220℃(実施例6)にかえた、塩
化ナトリウムの添加量70重量%から50重量%(実
施例7)および20重量%(実施例8)にかえた、
焼成温度を800℃から750℃にかえた(実施例9)
ほかは、実施例1と同様にしてバリウムフエライ
ト粉末を製造し、粒子形状、磁気特性およびろ過
率を測定した。その結果を第1表に示す。 【表】
型バリウムフエライト粉末を製造する方法の改良
に関するものである。 近年磁気記録の高密度化の要求に伴い、バリウ
ムフエライト(マグネトプランバイト型)を磁気
記録媒体として用いる垂直磁気記録方式の開発が
進められている。 垂直磁気記録方式に用いられるバリウムフエラ
イトとしては、保持力が適当な値(500〜1500e)
で、飽和磁化ができるだけ高く、粒子が小さく均
一で、粒子の凝集、焼結などがなく、分散性のよ
いものが望まれている。 従来バリウムフエライトの製造法としては、例
えば共沈法、フラツクス法、水熱合成法など種々
の方法が知られており、水熱合成法については、
例えば特公昭46−3545号公報、特開昭56−149328
号公報、特開昭56−160328号公報、特開昭58−
2224号公報などで提案されている。 水熱合成法によるバリウムフエライトは粒子の
凝集がなく比較的分散性はよいが、従来公知の方
法では粒径が大きなものしかできなかつたり、飽
和磁化が50emu/g程度かそれよりも低いものし
か得られなかつたり、またバリウムフエライトの
結晶化を進行させるために高温焼成が必要になつ
たり、さらには高温焼成するために粒子間の焼結
が生じ易くなつたりして分散性が悪くなつたりす
る難点がある。 本発明者らは、これらの実情に鑑み、粒径が小
さく、粒子の凝集、焼結などがなく、分散性のよ
い電磁特性のすぐれたバリウムフエライト粉末を
製造することを目的として研究を行つた結果、バ
リウムイオンと鉄イオンとの含有割合、アルカリ
添加量など特定の条件で水熱合成を行い、これに
塩化ナトリウムおよび塩酸を加えてPHを7〜10に
して乾燥した後、生成物を650〜850℃で焼成し、
焼成物を洗浄、乾燥することによつて上述の目的
を達成できるバリウムフエライト粉末が得られる
ことを知り、本発明に到つた。 本発明は、バリウム1グラム原子に対して鉄5
〜10グラム原子をイオンの状態で含む金属塩の水
溶液に、該金属塩の総量に対して1〜5倍当量の
アルカリを含む溶液を加え、140〜230℃に加熱保
持した後、塩化ナトリウムおよび塩酸を加えてPH
を7〜10に保持し、次いで乾燥して生成物を650
〜850℃で焼成した後、洗浄、乾燥することを特
徴とするバリウムフエライト粉末の製法に関する
ものである。 本発明によると、水熱合成時の加熱が一度でか
つ焼成操作を伴わない方法、例えば特公昭46−
3545号公報、特開昭56−149328号公報に記載の方
法による場合よりも特に高い飽和磁化を示すバリ
ウムフエライト粉末粒子が得られ、また特公昭46
−3545号公報に記載の方法による場合よりも粒径
の小さなものが得られる。また本発明によると、
特開昭56−160328号公報に記載の方法による場合
よりも粒子が焼結したりするのを防止するのが容
易である。 本発明において、バリウム1グラム原子に対し
て鉄5〜10グラム原子をイオンの状態で含む金属
塩の水溶液の調製は、一般に硝酸第二鉄、塩化第
二鉄、硝酸バリウム、塩化バリウムの如き水に可
溶性で比較的溶解度の高い金属塩をバリウムイオ
ンと鉄イオンとが前記範囲になるように水に溶解
させる方法で行われる。その際従来のバリウムフ
エライトに添加されている種々の元素、例えば
Co,Ni,Mn,Zn,Ca,Pb,Sr,Ti,In,Nb
などの水に可溶性の塩を若干添加してもよく、特
にCo,Ti,Mn,Caなどの添加は、磁気特性の
向上および粒子径をコントロールするうえで好ま
しい。バリウムと鉄との原子比Fe/Baが5より
も小さくなるとマグネトプランバイト型バリウム
フエライトの生成量が少なく、六角板状の形状も
悪くなり、Fe/Baが10より大きくなるとα―
Fe2O3の生成があり、またバリウムフエライトの
粒径も大きく、磁気特性も劣つてくる。またバリ
ウムおよび鉄をイオンの状態で含む金属塩の水溶
液を調製する場合は、バリウム塩の濃度が30〜
150mmol/lの範囲になるようにするのが六角
板状の形状のよいバリウムフエライトを得るうえ
で望ましい。 バリウムおよび鉄をイオンの状態で含む金属塩
の水溶液は加温、好ましくは30〜90℃に加温し、
これにアルカリを含む溶液を加える。アルカリを
含む溶液の添加量は前記金属塩の総量に対して1
〜5倍当量になるようにする。アルカリの量が少
なすぎるとγ―Fe2O3の生成があり、また多すぎ
ると経済的でないので好ましくない。添加するア
ルカリを含む溶液のアルカリ成分としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好適であ
る。 本発明においてアルカリを含む溶液を加えた
後、まず140〜230℃、好ましくは150〜220℃に加
熱保持する。この加熱保持時間は0.5〜5時間程
度で十分であり、加熱保持によつて核となるバリ
ウムフエライトの結晶(沈殿物)が生成する。な
おこの結晶は化学組成的にはマグネトプランバイ
ト型のバリウムフエライトと同じ構造を有してい
るが、磁気特性は悪い。加熱保持温度が上記温度
より低いと核となる結晶の生成が十分でなく、ま
た高くしすぎると最終的に得られるバリウムフエ
ライトの粒径が大きくなるので適当でない。また
この加熱保持はアルカリを含む溶液添加後、上記
温度にまですみやかに昇温して行うのが望まし
く、加熱保持には一般にはオートクレーブが採用
される。 140〜230℃での加熱保持によつてバリウムフエ
ライトの微細な種晶となる沈殿物を生成させた
後、塩化ナトリウムおよび塩酸を加えて、PHを7
〜10に保持する。この塩化ナトリウムは上記沈殿
物に対し10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%
添加するのが望ましい。添加量が少なすぎると焼
結しやすいので、望ましくなく、また多すぎると
経済的でない。 また塩酸は過剰のアルカリ分を中和するために
添加するもので、塩酸の希釈水溶液によつて、上
記スラリーのPHを7〜10に調節するように添加す
ることが好ましい。特に塩酸の水溶液は1〜5%
の濃度のものが望ましい。塩化ナトリウムと塩酸
の添加の順序は限定されないが塩化ナトリウムを
先に添加することが好ましい。 塩化ナトリウムおよび塩酸を添加することによ
つてPH7〜10にしたスラリーはろ過および洗浄を
せずになるべく早く乾燥する。この乾燥は水分の
除去が主目的であり、通常50〜200℃の温度で、
1〜20時間程度行うのが好ましい。乾燥方法とし
ては、一般に知られた方法が採用されるが、特に
ドラムドライヤーやスプレードライヤーによつて
迅速に乾燥することが好ましい。 乾燥によつて得られるバリウムフエライトの種
晶を含有する生成物(乾燥物)は、これを650〜
850℃、好ましくは700〜830℃の温度で焼成する。
焼成温度が低すぎると目的物を得るために長時間
を要したり、また得られたものの飽和磁化が低
い。また高すぎると粒子の成長が大きく、粒子径
の大きいものが得られる。焼成時間は1〜30時間
程度が適当であり、また焼成雰囲気は限定され
ず、焼成は空気雰囲気下で行なうことができる。
また焼成する場合、一度低温(650〜750℃)で焼
成し、さらに高温(750〜850℃)で焼成する2段
焼成が好ましい。 650〜850℃で焼成した焼成物(バリウムフエラ
イト)は、これを洗浄、乾燥する。洗浄は焼成物
中のアルカリ金属イオン、過剰の水酸化バリウム
など不純物を十分に除去できればどのような方法
で行つてもよい。洗浄液としては水や酢酸、硝
酸、塩酸などを用いることができる。十分に洗浄
した焼成物は次いで乾燥するが、乾燥方法は特に
制限されない。 乾燥によつて目的とする結晶状態のよい六角板
状のマグネトプランバイト型の粒径0.3μ以下の小
さい均一なバリウムフエライト粉末を得ることが
できる。またこのバリウムフエライト粉末は分散
性がよく、板状比は1/3〜1/10の範囲にあ
り、700〜12000eの保磁力および高い飽和磁化を
示す。更に、保磁力については、従来バリウムフ
エライトに添加されている前記した種種の元素
(例えば、Co,Ti等)を添加することにより自由
にコントロールすることができる。 実施例 1 内容3の四つ口フラスコに硝酸バリウム
〔Ba(NO3)2〕57.9g、硝酸第二鉄〔Fe(NO3)・
9H2O〕581.8g、硝酸コバルト〔Co(NO3)・
6H2O〕33.2g、四塩化チタン〔TiCl4〕24.1gお
よび水800mlを入れ、窒素ガス雰囲気下に撹拌し
ながら約80℃に加温し、硝酸バリウムおよび硝酸
第二鉄を溶解させ、撹拌下に水酸化ナトリウム
〔NaOH〕218.3gを水400mlに溶解させた溶液を
徐々に滴下した。水酸化ナトリウム水溶液の滴下
によつて沈殿物が生成した。 沈殿物を含む溶液を撹拌下に80℃で10分間保持
し、オートクレーブに入れ、約1時間で200℃に
まで昇温し、1時間同温度に保持した後、スラリ
ーを2ビーカーに移し、これに塩化ナトリウム
364gを加え、さらに濃度5%の塩酸水溶液を
徐々に加えてスラリーのPHを約8にした。このよ
うにして得られたスラリーをドラムドライヤーに
て乾燥(濃縮乾固)した。 得られた乾燥物は、これを電気炉に入れ、空気
雰囲気下に800℃で10時間焼成した。この焼成物
を水によつて可溶物がなくなるまで洗浄した後ろ
過乾燥し、バリウムフエライト粉末を得た。この
バリウムフエライト粉末について透過型電子顕微
鏡(TEM)で粒子形状(粒径、厚さ)を測定し
た結果(粒子20個の平均値)および振動試料式磁
力計で磁気特性を測定した結果を第1表に示す。
また分散性をみるためにバリウムフエライト粉末
をバインダーおよび溶媒とボールミルでミーリン
グした後のインキを篩目が3μの篩でろ過したと
きのろ過率(インキ全量が篩を通過した場合をろ
過率100%とする)を測定した結果を第1表に示
す。 実施例 2 実施例1の焼成温度、時間800℃、10時間を750
℃、20時間にかえたほかは、実施例1と同様にし
てバリウムフエライト粉末を製造し、粒子形状、
磁気特性およびろ過率を測定した。その結果を第
1表に示す。 比較例 1 実施例1の硝酸第二鉄の使用量をかえて実施例
1のFe/Ba(原子比)を6から12にしたほかは、
実施例1と同様にしてバリウムフエライト粉末を
製造し、粒子形状、磁気特性およびろ過率を測定
した。その結果を第1表に示す。 比較例 2 実施例1の水酸化ナトリウムの使用量をかえて
実施例1の1.1倍当量(OH/NO3)から0.9倍当
量にかえたほかは、実施例1と同様にしてバリウ
ムフエライト粉末を製造し、粒子形状、磁気特性
およびろ過率を測定した。その結果を第1表に示
す。 比較例 3 実施例1の塩化ナトリウム添加および塩酸によ
るPH調節をせずに焼成したほかは、実施例1と同
様にしてバリウムフエライト粉末を製造し、粒子
形状、磁気特性およびろ過率を測定した。その結
果を第1表に示す。 比較例 4 実施例1の200℃での加熱保持を行わなかつた
ほかは、実施例1と同様にしてバリウムフエライ
ト粉末を製造し、粒子形状、磁気特性およびろ過
率を測定した。その結果を第1表に示す。 比較例 5 実施例1の200℃での加熱保持温度を130℃にか
えたほかは、実施例1と同様にしてバリウムフエ
ライト粉末を製造し、粒子形状、磁気特性および
ろ過率を測定した。その結果を第1表に示す。 比較例 6 実施例1の800℃での焼成温度を600℃にかえた
ほかは、実施例1と同様にしてバリウムフエライ
ト粉末を製造し、粒子形状、磁気特性およびろ過
率を測定した。その結果を第1表に示す。 比較例 7 実施例1の焼成温度800℃を900℃にかえたほか
は、実施例1と同様にしてバリウムフエライト粉
末を製造し、粒子形状、磁気特性およびろ過率を
測定した。その結果を第1表に示す。 比較例 8 実施例1の800℃での焼成を行わなかつたほか
は、実施例1と同様にしてバリウムフエライト粉
末を製造し、粒子形状、磁気特性およびろ過率を
測定した。その結果を第1表に示す。 実施例 3〜9 実施例1のFe/Ba(原子比)を6から8にかえ
た(実施例3)、OH/NO3を1.1から4にかえた
(実施例4)、加熱保持温度を200℃から180℃(実
施例5)および220℃(実施例6)にかえた、塩
化ナトリウムの添加量70重量%から50重量%(実
施例7)および20重量%(実施例8)にかえた、
焼成温度を800℃から750℃にかえた(実施例9)
ほかは、実施例1と同様にしてバリウムフエライ
ト粉末を製造し、粒子形状、磁気特性およびろ過
率を測定した。その結果を第1表に示す。 【表】
Claims (1)
- 1 バリウム1グラム原子に対して鉄5〜10グラ
ム原子をイオンの状態で含む金属塩の水溶液に、
該金属塩の総量に対して1〜5倍当量のアルカリ
を含む溶液を加え、140〜230℃に加熱保持した
後、塩化ナトリウムおよび塩酸を加えてPHを7〜
10に保持し、次いで乾燥して生成物を650〜850℃
で焼成した後、洗浄、乾燥することを特徴とする
バリウムフエライト粉末の製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP478484A JPS60151224A (ja) | 1984-01-17 | 1984-01-17 | バリウムフエライト粉末の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP478484A JPS60151224A (ja) | 1984-01-17 | 1984-01-17 | バリウムフエライト粉末の製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60151224A JPS60151224A (ja) | 1985-08-09 |
| JPH0216248B2 true JPH0216248B2 (ja) | 1990-04-16 |
Family
ID=11593430
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP478484A Granted JPS60151224A (ja) | 1984-01-17 | 1984-01-17 | バリウムフエライト粉末の製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60151224A (ja) |
-
1984
- 1984-01-17 JP JP478484A patent/JPS60151224A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60151224A (ja) | 1985-08-09 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| KR960002626B1 (ko) | 판상 바륨페라이트 미분말의 제조방법 | |
| JPS62241827A (ja) | 磁気記録用強磁性微粉末の製造方法 | |
| JPH0526727B2 (ja) | ||
| JPH08702B2 (ja) | 磁気記録用強磁性微粉末の製造方法 | |
| KR960002625B1 (ko) | 판상 바륨페라이트 미분말의 제조방법 | |
| JPH0645462B2 (ja) | バリウムフエライト粉末の製造法 | |
| JPS63233017A (ja) | バリウムフエライト磁性粉およびその製造方法 | |
| JPS6259531A (ja) | バリウムフエライト粉末の製造法 | |
| JPS6310095B2 (ja) | ||
| JPS60151224A (ja) | バリウムフエライト粉末の製法 | |
| JPS6256325A (ja) | バリウムフエライト粉末の製法 | |
| JPS62207720A (ja) | バリウムフエライト粉末の製法 | |
| JPH0688794B2 (ja) | 磁気記録用強磁性微粉末の製造方法 | |
| JPH0692256B2 (ja) | バリウムフエライト粉末の製造法 | |
| JPH0417897B2 (ja) | ||
| JPH0688796B2 (ja) | 磁気記録用強磁性微粉末の製造方法 | |
| JP2651795B2 (ja) | 磁気記録用強磁性微粉末の製造方法 | |
| CN121416303A (zh) | 一种纳米m型铁氧体磁粉及其制备方法和应用 | |
| JPH0614486B2 (ja) | 磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末及びその製造法 | |
| JPS63195125A (ja) | バリウムフエライト磁性粉およびその製造方法 | |
| JPH06104576B2 (ja) | バリウムフェライト磁性粉およびその製造方法 | |
| JPH04362020A (ja) | フェライト磁性粉及びその製造方法 | |
| JPS63170221A (ja) | バリウムフエライト磁性粉およびその製造方法 | |
| JPS63310729A (ja) | 六方晶マグネトプランバイト型フェライト磁性粉の製造方法 | |
| JPH02133323A (ja) | マグネトプランバイト型フェライト磁性粉の製造方法 |