JPH0247214B2 - Gishishooyobisonoseizohoho - Google Patents

Gishishooyobisonoseizohoho

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JPH0247214B2
JPH0247214B2 JP5652286A JP5652286A JPH0247214B2 JP H0247214 B2 JPH0247214 B2 JP H0247214B2 JP 5652286 A JP5652286 A JP 5652286A JP 5652286 A JP5652286 A JP 5652286A JP H0247214 B2 JPH0247214 B2 JP H0247214B2
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JP
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lining material
denture base
denture
adhesive
thermoplastic elastomer
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Takae Kusano
Masato Ueno
Masanori Kainai
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MORUTEN KK
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FUOO BUREEN KK
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Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> 本発明は、ゴム弾性を有する裏装材を設けた義
歯床及びその製造方法に関する。 <従来の技術> 従来、歯槽堤への支持を安定かつ強固とし、従
つて咀嚼中のぐらつき或いは不本意な圧痛、脱落
等を防止するためゴム弾性或いは柔軟性を有する
裏装材を義歯床本体の歯槽堤密着表面に形成する
ことが知られている。かかる裏装材の材料として
は、軟質ふつ素樹脂を使用するもの(特開昭55−
21919号)、コラーゲンを使用するもの(特公昭57
−50498号)、シリコンゴムを使用するもの(特開
昭58−54946号)、天然ゴム、イソプレン重合体を
使用するもの(特開昭55−26923号)、スチレン・
ブタジエン系熱可塑性エラストマーを使用するも
の(実開昭58−101622号)等がある。 <発明が解決しようとする問題点> 裏装材として前述のような材料を使用した場
合、次のような問題点がある。 軟質樹脂の場合、ゴム弾性が制限されるため
アタツチメントの維持には不適当であり、また
局所的に押圧力が加わつて変形したとき、ゴム
の如き復元力がない。 薄いシートの状態で義歯床粘膜面に圧接する
ものでは、自然歯アンダーカツト部分への充填
は困難であり、十分な維持力を得ることができ
ない。 シリコンゴム等は加硫ゴムであるために、一
旦加硫成形した後では、修正が困難である。 本発明は、このような事情に鑑みてなされたも
のであり、裏装材料として新規な熱可塑性エラス
トマーを使用することにより、特別の械械類を必
要とせず、成形及び修正の容易な裏装材を実現し
たものである。 <問題点を解決するための手段> 本発明に係る義歯床にあつては、その裏装材を
オレフイン系熱可塑性エラストマーまたはオレフ
イン系熱可塑性エラストマーとスチレン・エチレ
ン・ブチレン(以下SEBSという)共重合体より
なる熱可塑性エラストマーの混合材料にて構成
し、かつ該裏装材をポリメチルメタクリレート
(以下PMMAという)樹脂よりなる義歯床本体へ
の接着剤として、オレフインとメチルメタクリレ
ート(以下MMAという)の共重合体を含有する
接着剤を使用したものである。 また、本発明に係る義歯床製造方法は、次の工
程を含む。即ち、まず裏装材形成空間を有する石
膏型間に上記裏装材料を加熱軟化した状態で挾み
圧締し、所定形状の裏装材を得る。次に、裏装材
表面に上記接着剤を塗布し、これが乾燥した後、
義歯床形成空間を有する石膏型にPMMA粉末を
液状MMAモノマーに混練して餅状とした
PMMAを充填して圧締し、これを約100℃ないし
130℃の湯中若しくは水蒸気中に置く。かくする
と餅状PMMAは重合固化して義歯床本体が形成
され同時にこれに裏装材が接着一体化される。 <実施例> (イ) 総義歯 第1図は、下顎総義歯1に採用した場合の例
を示し、図中2はPMMA樹脂よりなる義歯床
本体、3は義歯床本体2の歯槽堤粘膜面に相対
する表面全面に約0.5mmないし1.5mmの厚さをも
つて接着されたゴム弾性を有する裏装材、4,
4…は義歯床本体2に固定された人工歯であ
る。ここで、裏装材3材料及びその接着剤に
は、下記の材料が使用される。 (ロ) 裏装材 裏装材3材料として、オレフイン具体的には
少なくともポリエチレン若しくはポリプロピレ
ンを含むオレフイン系熱可塑性エラストマーま
たはオレフイン系熱可塑性エラストマーと
SEBS共重合体よりなる熱可塑性エラストマー
の混合材料が使用される。オレフイン系熱可塑
性エラストマーとして、ポリエチレン若しくは
ポリプロピレンよりなるハードセグメントと、
ブテン、プロピレン、ブタジエン等のホモ重合
体若しくは共重合体のソフトセグメントよりな
るもの、又はポリエチレン及びポリプロピレン
の共重合体よりなるソフトセグメントを主成分
とするものが使用でき、これらは100℃以下の
軟化温度と、JIS硬度(以下単に硬度という)
約20ないし90の広範囲にわたる硬度を有する。
この種オレフイン系熱可塑性エラストマーとし
て、三井石油化学株式会社製造のタフマー(登
録商標)が適しており、前者はタフマー(登録
商標)Aとして、後者はタフマー(登録商標)
Pとして市販されている。上記タフマー(登録
商標)Aは、α―オレフイン系熱可塑性エラス
トマーであり、ハードセグメントとしてポリエ
チレン若しくはポリプロピレンの何れか単体を
含むもの、及びポリエチレンとポリプロピレン
の両方を含むものがあり、その硬度は、約20か
ら90以上に達する。 上記2種の熱可塑性エラストマーをブレンド
すれば硬度約40ないし80の使用範囲でその硬度
が調節できる。 上記オレフイン系熱可塑性エラストマーは、
約70℃付近で軟化し始めるため、SEBS共重合
体よりなる熱可塑性エラストマーを、オレフイ
ン系熱可塑性エラストマーにブレンドして温度
特性を改善することができる。また、この
SEBS系熱可塑性エラストマーは、オレフイン
系熱可塑性エラストマーに比し、温度変化に対
する形状維持性が優れているため両者混合する
ことにより全体の耐久性を向上させている。こ
の種SEBS系熱可塑性エラストマーは、スチレ
ン・ブタジエン系熱可塑性エラストマーを水素
付加処理することにより得られ、例えば三菱油
化株式会社製造のラバロン(登録商標)が使用
できる。第2図Aは、オレフイン系熱可塑性エ
ラストマーとSEBS系熱可塑性エラストマーの
混合割合を変えた場合における硬度―温度特性
を示す。図中分子は、オレフイン系熱可塑性エ
ラストマーの割合を、分母はSEBS系熱可塑性
エラストマーの割合を示す。図から明らかな如
くSEBS系熱可塑性エラストマーの混合割合を
増加すると約70℃付近からの軟化が抑止される
ことが分る。また、SEBS系熱可塑性エラスト
マーの硬度が異なると、混合により硬度が変化
するから、これにより硬度調整を行うことがで
きる。然しながら、SEBS系熱可塑性エラスト
マーの増加は、義歯床本体への接着強度を低下
させるから、実際にはその混合割合は、約75%
以下であることが必要である。 オレフイン系熱可塑性エラストマー単体で
は、上述の如く約70℃付近から急速に軟化し始
めるが、裏装材の大部分は義歯床本体と歯槽堤
粘膜面の間にあつて外部から遮断されているた
めにこれが約70℃付近にまで加温されることは
なく、また、口腔内に露出している裏装材周辺
部においても瞬間的にかかる温度になる可能性
はあるが、軟化変形するほどその温度が保持さ
れることはなく、実用上はオレフイン系熱可塑
性エラストマー単体でも差支えない。 オレフイン系熱可塑性エラストマー単体を使
用した場合、その硬度調整は、タフマー(登録
商標)A及びPを混合し、その混合割合を変え
ることにより可能である。第2図Bはかかるタ
フマー(登録商標)A及びPの混合割合を変え
た場合における硬度―温度特性を示す。図中分
子は、タフマー(登録商標)A4085(品番)の
割合を、分母はタフマー(登録商標)P680(品
番)の割合を示す。タフマー(登録商標)A
は、圧縮強度に優れるが、単体では硬いために
軟質のタフマー(登録商標)Pをブレンドし、
その硬度を適当な値(例えばブレンド比1対1
の場合37℃で硬度約70)に調整するのである。 裏装材3の成形温度は、約70℃以上であれば
可能である。それ故、湯、水蒸気、高級アルコ
ール、食用油中にて或いは赤外線照射によりま
た電気オーブンを使用して加熱することができ
る。特に食用油は、約200℃程度まで加熱でき
るから、かかる温度まで加熱すると裏装材3の
流動性は更に向上する。それ故、チユーブ等に
入れて塊状とし、これを加熱することも可能と
なる。 尚、裏装材3の硬度としては、使用箇所に応
じて少なくとも硬軟2種類あることが好まし
く、硬質のもので硬度約70、軟質のもので約50
程度とすればよい。 次に本実施例に係る裏装材3の材料の安全性
等に関する試験結果につき説明する。試験で
は、2種類の試料M1,M2を調整し、これらを
実際の使用状態、即ちPMMA義歯床(ジーシ
ーアクロン GC Acron(登録商標 而至歯科
工業株式会社製)を使用)に後述する接着剤を
介して接着した状態で行つた。ここで試料M1
は、タフマー(登録商標)A4085とラバロン
(登録商標)MJ6300(品番)を1対1の割合で
ブレンドした材料であり、また試料M2は、タ
フマー(登録商標)A4085及びP680を1対1の
割合でブレンドした材料である。 安全性試験 ) 皮膚一次刺激性試験 試料M1及びM2の溶出液をそれぞれウサギ
の皮膚に適用しDraizeの判定基準に従つて
その刺激性を検討した。その結果試料M1及
びM2溶出液適用による皮膚一次刺激性は認
められず、皮膚刺激性陰性であると判定され
た。 ) 急性毒性試験 6週齢の雌雄SD系ラツトを用い、試料M1
及びM2溶出液につき、1回経口投与後14日
間観察の急性毒性試験を行つた。その結果投
与限界容量に近い50ml/Kgの投与で雌雄いず
れにも死亡する例はみられず、動物の一般状
態、体重推移及び剖検でも異常は認められな
かつた。 ) 溶出物試験 試料M1,M2を70℃蒸留水でインキユベー
シヨンにより抽出し、紫外線吸収スペクトル
220nmにおける吸光度から解析を行つた。 試料M1の溶出性は、シリコンゴム系裏装
材のサイラステイツク(Silastic)(登録商
標)(ダウコーニング社製)、ポリ塩化ビニル
製裏装材タイゴン(Tygon)(登録商標)
(ノートン プラステイツク シンセテイツ
クス社製)及び義歯床用PMMA樹脂のジー
シーアクロン(登録商標)に比べやや高い
が、生体への影響はない範囲にあると推察さ
れる。 試料M2においては、ふつ素樹脂系裏装材
のクレペート Kurepeet(登録商標)(呉羽
化学工業株式会社製)、シリコンゴム系裏装
材モロプラスト(MOLLOPLAST)(登録商
標)(モロプラストケージー社製)の2者に
比べ溶出物は極めて少なかつた。また、試料
M2のみ(即ち義歯床部分を除く)では、溶
出物は殆どないことが判明した。 ) 溶血性試験 試料M1の溶血性試験を実施したところ試
料M1の24,48時間後の溶血率はタイゴン
(登録商標)と殆ど同程度であり、ジーシー
アクロン(登録商標)より良い結果が得られ
た。また24,48時間後のヘモグロビン変性度
では、ジーシーアクロン(登録商標)と殆ど
同程度であつた。 試料M2においては、24,48時間後の溶血
率、ヘモグロビン変性度ともジーシーアクロ
ン(登録商標)、サイラステイツク(登録商
標)及びタイゴン(登録商標)と略同程度で
あつた。特に試料M2のみ(即ち義歯床部分
を除く)の溶血率は0を示し、比較試料の中
で最小であつた。 ) 細胞毒性及び生体適合性試験 試料M1及びM2の細胞毒性及び生体適合性
についてHelaS3及びFlow7000の両細胞を用
いて試験を行つた。 その結果試料M1は、Flow7000に対しては
毒性を示さなかつたが、Hela細胞に対して
は弱い毒性を示した。即ち細胞毒性試験では
試料M1物質の4000mg/20ml抽出液添加群で
細胞の増殖率は対照の75%であり、また試料
M1物質上での7日間の細胞増殖試験でもそ
の増殖率は対照の65%であり、両試験で試料
M1に弱い毒性が認められた。しかし、一般
的に細胞培養による方法は動物実験より感受
性が高いため細胞培養で多少毒性が見られて
も、材料の高分子物質が生体中で分解した
り、電荷を持つている場合を除けば、動物実
験では殆ど毒性を示さないのが普通である。
試料M1についても細胞培養による方法では
弱い毒性しか見られないので動物実験では殆
ど毒性は認められないものと推察される。 試料M2につき同様のHelaS3及び
Flow7000の両細胞を用いて試験を行つた結
果、両細胞について、ともに毒性は殆ど示さ
なかつた。 物性試験 ) 濡れ性 唾液との濡れ性を見積もるために、接触角
精密測定装置CA―1型(協和化学株式会社
製)を用いて水に対する接触角を測定した。
【表】 但し、上記は、50℃蒸留水中で24時間浸漬
した後、表面を乾燥した試料について得られ
たデータである。表より明らかなように市販
のシリコン系裏装材モロプラスト(登録商
標)及びネオスナツガー(登録商標)(ネオ
製薬工業株式会社製)より優れていることが
判る。 ) 変色性 裏装材3は、口腔内での義歯使用中に食物
による変色が起こることがある。その審美性
の保持の観点から、裏装材料の変色性を調べ
るために、食物系で最も変色に寄与すると思
われるターメリツク水溶液を用いて変色試験
を行つた。比較試料としては、市販品裏装材
料を用いた。 試験条件:37℃ターメリツク1.0gr/水
溶液中に24時間浸漬後水洗して色彩色差計
CR−100(ミノルタカメラ株式会社製)を使
用してCIE1976表色系におけるΔ*Eab値を定
量した。
【表】 この表から変色度について試料M2は、ク
レペート(登録商標)と略同等、試料M1,
M2ともにネオスナツガー(登録商標)及び
モロプラスト(登録商標)アクリル系裏装材
スーパーソフト(登録商標)(コー(COE)
社製)よりも小さいことが判る。 ) 応力緩和 口腔内における裏装材の永久変形の程度及
び水に対するエラストマーとしての安全性を
評価するために、50℃水中において応力緩和
を測定した。歪率は約5%の線型挙動領域で
行い、相対応力の経時変化からデータを解析
した。次表に、50℃水中での応力緩和速度定
数Kの定量値を示す。
【表】 この結果、試料M1,M2にあつては長時間
にわたりゴム弾性率変化が小さく、50℃水中
での流動変形及び分子構造の変化が起こりに
くいことが判る。 ) 弾性係数 口腔内における裏装材の軟らかさを表示す
る係数として弾性係数(ヤング率)を測定し
た。
【表】 クレペート(登録商標)は、やや硬過ぎ、
他方モロプラスト(登録商標)及びネオスナ
ツガー(登録商標)は軟らか過ぎる。 (ハ) 接着剤 裏装材3材料として使用されるオレフイン系
熱可塑性エラストマーは、無極性の飽和炭化水
素化合物を主体とするために、前述した如く口
腔内において物理的、化学的に極めて安定であ
り、この種義歯裏装材として最適なのである
が、化学的に安定であることが逆に異種高分子
材料である義歯床への接着性を困難なものにし
ていた。かかる困難性は、高分子化学工業界に
あつても未だ克服されていないものである。本
発明にかかる接着剤は、かかる問題を解決した
ものである。即ち、裏装材3をPMMAよりな
る義歯床本体2に接着する接着剤は、オレフイ
ン及びMMAの共重合体、具体的にはポリエチ
レン及びMMAの共重合体を含有する。 ) 製造方法 ポリエチレンを重合反応器内にてトルエン
に加熱溶解し、所定量のMMAと、ラジカル
重合開始剤として過酸化ベンゾイル(以下
BPOという)を加え、70℃窒素雰囲気下で
グラフト重合を行つた。4時間重合後、重合
溶液を大量の貧溶媒(本例ではメタノール)
に投入して重合物を沈殿分離した。PMMA
及びMMAモノマーの分離は、酢酸エチルに
よりソツクスレー抽出器を用いて行つた。8
時間抽出を行い、PMMA及びMMAを溶解
除去した。このようにして生成されたグラフ
ト共重合物を、赤外分光分析法その他の分析
方法にて分析した結果、目的とする分子構造
が得られていることを確認した。 次表は、BPO濃度を変えて行つた3種類
のポリエチレン―MMAグラフト共重合体生
成物A,B,Cの重合度、グラフト度及びグ
ラフト効率を示すものである。
【表】 尚、BPO濃度の単位は、×10-3mol/、グ
ラフト度及びグラフト効率は、次式によつて
算出した値である。 グラフト度%=グラフトしたモノマー量/幹ポリマー量
× 100 グラフト効率%=グラフトしたモノマー量/重合したモ
ノマー量 ×100 前述のようにして得られたグラフト共重合
体を、1.1.1.トリクロルエタンに溶解して液
状接着剤とした。溶媒として用いた1.1.1.ト
リクロルエタンは、毒性がなく、また沸点が
74.1℃と蒸発し易いことからこの種溶媒とし
て好適である。溶媒としては、このほかクロ
ロホルム等塩化物系有機溶媒、トルエン、キ
シレン、エーテル類等が使用できる。 第3図は、共重合体生成物Bの示差熱分析
計による分析結果を示す。これにより、共重
合体生成物Bの融点は約118℃であることが
測定された。このことは、共重合体生成物B
よりなる接着剤を裏装材に塗布し餅状
PMMAを圧接して約100℃ないし130℃に加
温して重合固化する際、上記共重合体生成物
が溶解することを意味し、これにより接着機
能の発生及びその作用の向上が図られると推
測される。実際には、接着時間を長くすると
緩和現象により約100℃程度でも接着機能が
生じることが確認された。 ) 接着力 第4図に示す如く厚さ約0.7mmの裏装材3
材料の両面に、前述の方法により調整した接
着剤5,5を塗布し、十分乾燥させた後、
PMMA粉末を液状MMAモノマーに混練し
て餅状としたPMMAを裏装材3材料の両面
に載せ、加圧、加温してPMMAを重合固化
し、義歯床本体と同一のPMMA樹脂板6,
6を形成し、これと同時に試料M1よりなる
裏装材3材料と重合接着を行う。 接着後、10mm×10mmの試験片7とし、オー
トグラフ(登録商標)DSS―5000(株式会社
島津製作所製)にて図中矢印方向へ50mm/分
の速度で引張り、接着強度を測定した。次表
は、前述の共重合体生成物A,B,C、及び
市販品D,Eの測定値を示す。尚、市販品D
は、モロプラスト(登録商標)、市販品Eは、
クレペート(登録商標)であり、使用説明書
に従つて接着したものである。
【表】 表より明かな如く、本実施例における接着
剤を使用して前述の裏装材を重合接着した場
合、60Kg/cmの接着力が得られ(接着剤B)、
かかる強度は実用上充分なものである。同様
に試料M2につき、接着剤Bを使用して重合
接着した場合、接着強度80Kg/cm2を得た。 またPMMA樹脂板の重合硬化後接着剤塗
布及び裏装材加熱圧着した場合(接着剤Bを
使用)、試料M1では41Kg/cm2、試料M2では
60Kg/cm2の接着強度を得た。 (ニ) 他の接着剤 ポリエチレンに代えてポリプロピレンを使用
し、これに前述の重合方法と同一条件(生成物
Bの条件)でMMAを重合して、ポリプロピレ
ンとMMAのグラフト共重合体を生成し、これ
をオルトキシレンよりなる溶媒に溶かして接着
剤を調整した。かかる接着剤を用いて、試料
M1よりなる裏装材とPMMA樹脂板を接着し、
前述と同様の引張試験を行つた結果、38Kg/cm2
の値を得た。これによりポリプロピレンと
MMAの共重合体を接着剤材料とした場合にも
実用に耐える接着強度が得られることが判る。 さらに、α―オレフイン系熱可塑性エラスト
マーである前述のタフマー(登録商標)A4085
(品番)を幹ポリマーとしてこれに前述の重合
方法と同一条件(生成物Bの条件)でMMAを
グラフト重合して、α―オレフイン系熱可塑性
エラストマーとMMAの共重合体を生成し、こ
れを、オルトキシレンよりなる溶媒に溶かして
接着剤を調整した。かかる接着剤を用いて試料
M1よりなる裏装材とPMMA樹脂板を接着し、
前述の引張試験を行つた結果、50Kg/cm2の接着
強度を得た。これも充分実用可能な強度であ
る。 ポリオレフインとMMAの共重合体、具体的
にはポリエチレンとMMAのグラフト共重合
体、ポリプロピレンとMMAのグラフト共重合
体、及びα―オレフイン系熱可塑性エラストマ
ーとMMAのグラフト共重合体を接着剤の材料
として使用したのは、オレフイン系熱可塑性エ
ラストマーに含まれるポリエチレン或いはポリ
プロピレンとの相溶性を考慮したものである。
それ故、上記共重合体は、ポリエチレン若しく
はポリプロピレンとMMAの共重合体に限ら
ず、ポリエチレン及びポリプロピレンとMMA
の3元共重合体であつてもよく、またポリエチ
レン若しくはポリプロピレンと他の物質例えば
酢酸ビニルとの共重合体に更にMMAを共重合
させてもよいのである。 (ホ) 裏装材及び接着剤の耐久性 第5図は、耐久試験装置を示し、8はステン
レス製基台で、半径10mmの半円柱形凸部を有し
ている。9は、PMMA樹脂板(ジーシーアク
ロン(登録商標)を材料とする)で、半径10mm
の半円柱形凹部を有し、該凹部に、厚さ1mmの
試料M1又はM2よりなる裏装材3が、前述の接
着剤(生成物B)にて接着されている。かかる
構造の装置を用いて37℃水中にて、油圧サーボ
動特性試験機(株式会社鷺宮製作所製)によ
り、図中矢印方向に3Hz、0及び50Kgの交番荷
重を加え、接着疲労度を観察した。次表は、そ
の結果である。
【表】 この実験により、本実施例における裏装材及
び接着剤を使用した場合には、市販品よりも一
段と優れた耐久性が得られることが確認され
た。 (ヘ) 義歯床の製造方法 第6図は、本発明に係る裏装材及び接着剤を
使用した義歯床の製造方法を工程順に示すもの
であり、以下図に従つて説明する。 (A) 患者から印象採取した顎模型10を、第1
のフラスコ11内にて石膏12により形成す
る。この顎模型10上の裏装材形成部位(第
1図に示す総義歯では全面)に硬化性可塑材
料例えば歯科用徐重合樹脂、光重合樹脂材
料、熱硬化樹脂材料により、所定の厚さ、例
えば約1mmの薄層13を形成する。この薄層
13は爾後裏装材が形成される部分に対応す
るものであるから、例えば歯肉の薄い部分に
接する面を厚くする等の処理が施される。こ
の薄層13は、それが可塑状態にあるとき成
形され、そのの後硬化せしめられる。 (B) 薄層13を含む顎模型10上に義歯床形状
にワツクス14を盛り上げ、これに人工歯4
を配列する。かかる仕事は、通常歯科医師に
よつて行われる。 (C) ワツクス14にて形成された義歯床の辺縁
部分を所定幅にわたつて切除する。この切除
部分15,15には、最終的に裏装材が形成
されるために、裏装材とした方が好ましい部
分を考慮しながら、上記切除処理がなされ
る。 (D) ワツクス14の切除部分15に未加硫塑性
ゴム16,16が充填される。この未加硫塑
性ゴム16,16は、義歯床本体との境界線
を明確にするためにやゝ肉厚に形成され、そ
の後加硫硬化される。続いて、この加硫ゴム
16,16周囲に石膏41,41が流し込ま
れ、加硫ゴム16,16を固定する。尚、こ
の加硫ゴム16,16に代えて、前述の硬化
性可塑材料を使用することもできる。 (E) 第1のフラスコ11の石膏型表面に分離剤
を塗布した後、これに第2のフラスコ17を
重ね合わせ、流動状態にある石膏18を流し
込む。 (F) 石膏18が固化した後、第1及び第2のフ
ラスコ11,17は重ね合わされた状態で、
容器19に入れられ約100℃の湯中に約5分
間浸漬される。これによりワツクス14を溶
解させる。 (G) この一対のフラスコ11,17は分割さ
れ、ワツクス14が湯洗除去される。 (H) 顎模型10上に薄層13及び加硫ゴム16
が維持せしめられた状態で第1のフラスコ1
1の石膏表面に分離剤を塗布した後、これに
第3のフラスコ20を重ね合わせ、この第3
のフラスコ20に流動状態にある石膏21を
充填する。 (I) 石膏21が固化した後、第1及び第3のフ
ラスコ11,20は分割され、薄層13及び
加硫ゴム16が取り除かれる。この除去空間
22は、裏装材形成空間に一致する。この空
間に、裏装材3材料を加熱軟化した状態で充
填する。23,23は、バリ溝である。裏装
材3材料の加熱は、湯、高級アルコール或い
は食用油等に浸漬して行うことができ、約
100℃前後で充分成形が可能ある。 (J) 第1及び第3のフラスコ11,20を圧締
し、裏装材3の成形を行う。 (K) 裏装材3を冷却した後、第1及び第3のフ
ラスコ11,20を分割し、第1のフラスコ
11の顎模型10上に載つた裏装材3を得
る。この裏装材3の表面に、接着剤24を塗
布する。 (L) 接着剤24の乾燥後、第1及び第2のフラ
スコ11,17により構成される義歯床形成
空間に、餅状PMMA25を充填する。 (M) 然る後、第1及び第2のフラスコ11,
17を圧締し、容器26内に入れて約100℃
ないし130℃の湯若しくは水蒸気で加熱し、
PMMAを重合固化させて義歯床本体2を形
成する。これと同時に裏装材3は義歯床本体
2に重合接着する。 (N) 重合終了後、第1及び第2のフラスコ1
1,17は分割され石膏が破壊され義歯27
が取り出される。その後、裏装材3肉厚部分
が研削成形され、かつ義歯床本体2表面が研
磨されて義歯27が完成する。 (ト) 部分床義歯及びアタツチメント 前述のような製造方法にあつては、部分床義
歯或いはアタツチメントを有する義歯の製造に
適用しても有益である。 第7図A,Bは、部分床義歯28を示し、裏
装材3は、両端に突起部29,29を有してな
り、これが隣接する自然歯30,30の歯槽堤
粘膜面方向に傾斜したアンダーカツトに当接し
て義歯の維持作用をなす。31は、歯槽堤であ
る。かかる構造であれば、突起部29,29
は、歯槽堤粘膜面方向への移動は自由であるか
ら、裏装材による義歯の緩圧動作に悪影響を及
ぼすことはない。 第8図は、スタツド アタツチメント32に
採用した例を示し、33は、歯根34に固定さ
れた金属製スタツド、3は、裏装材であり、ア
タツチメント フイーメイル35は、裏装材3
の成形時、同時に形成される。36は、歯肉部
分である。 第9図は、ダルボ アタツチメント37に採
用した例を示し、38は、金属製のメイルで、
自然歯30に固定されている。3は、裏装材
で、メイル38を弾性的に挾持するフイーメイ
ル39は、この裏装材3と同時に一体成形され
ている。フイーメイル39には、人工歯4に固
定された金属製リング40が延在せしめられて
おり、メイル38はこの金属製リング40に係
合する。29は、裏装材3に形成された突起部
で、、アタツチメント37を中心としてその左
右から自然歯30のアンダーカツトに当接すべ
く、2個設けられている。これらのアタツチメ
ントにおけるフイーメイル35,39は、裏装
材3による義歯の歯槽堤粘膜面方向の緩圧動作
を許容する。 <発明の効果> 本発明によれば、次のような効果が得られる。 裏装材として、オレフイン系熱可塑性エラス
トマーまたはこのオレフイン系熱可塑性エラス
トマーとスチレン・エチレン・ブチレン共重合
体よりなる熱可塑性エラストマーの混合材料を
使用し、かつ接着剤としてオレフインとMMA
の共重合体を含有する接着剤とを使用すること
より、裏装材をPMMAよりなる義歯床本体に
強固に接着させることができる。 裏装材が、約70℃以上の温度で範囲で軟化す
るから、湯中、水蒸気中或いは食用油中で加熱
することにより成形可能となる。それ故、任意
の形状の裏装材を特別の機械を用いることなく
簡単に作成することがきる。 裏装材の硬度が任意に設定できるから、症例
に合つた最適の硬度とすることができ、従来市
販品にみられた硬すぎる或いは軟らかすぎる等
の問題は解消される。即ち、部分的に硬度の異
なる裏装材を口腔内の作用特性を見極めながら
使い分けることができる。このとき異硬度材料
間の境界面は完全に一体かつ連続化される。 裏装材として少なくともポリエチレン若しく
はポリプロピレンを含む熱可塑性エラストマー
が使用されるから、ポリエチレン若しくはポリ
プロピレンの特性による唾液に対する適当な漏
れ性、口腔内雑菌による汚染、侵蝕に対する抵
抗性、食品着色剤等による染色のされ難さ等が
活かされ、裏装材としての特性を向上させるこ
とができる。 裏装材は、そのゴム弾性が反永久的に変化せ
ず、かつ強固に義歯床本体に接着されるから長
期間使用しても安定した吸引力の強い装着機能
を維持することができる。 裏装材を自由な形状に形成することができる
ことから、総義歯の裏装材としては勿論、ダル
ボアタツチメント、スタツド アタツチメント
等アタツチメントのフイーメイルを、この裏装
材で一体かつ同時に形成することが可能とな
る。上記フイーメイルは、裏装材のゴム状弾性
によりメイル部分を弾性的に支持固定するか
ら、その支持機能が低下する惧れはなく、逆に
義歯に加わる衝撃を吸収することから顎堤に加
わる負担を軽減することができる。 自然歯アンダーカツトに当接する裏装材より
なる突出部は、義歯の歯槽堤粘膜面方向への移
動を妨げないから、裏装材による義歯の緩圧作
用が妨げられることはない。 第1のフラスコに形成された顎模型にて裏装
材が成形され、その後この裏装材を顎模型上に
載置した状態で義歯床が重合、成形されるか
ら、裏装材の形状、厚さ等を自由に設定でき、
かつ歯槽堤装着面の形状との間に誤差を生ずる
惧れは殆どない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明実施例に係る義歯床を示す斜
視図、第2図Aは、オレフイン系熱可塑性エラス
トマーとSEBS系熱可塑性エラストマーの混合割
合を変えた場合における硬度―温度特性曲線図、
第2図Bは、オレフイン系熱可塑性エラストマー
の同一種類内で混合割合を変えた場合における硬
度―温度特性曲線図、第3図は、共重合体生成物
の示差熱分析計による測定結果を示す特性図、第
4図は、接着強度測定試験のための試料の断面
図、第5図は、耐久試験のための装置の断面図、
第6図A〜Nは、本発明実施例に係る製造方法を
工程順に示す断面図、第7図Aは、実施例方法に
より形成された部分床義歯の一形状を示す上面
図、第7図Bは、第7図Aの―断面図、第8
図は、他の形状を示す断面図、第9図は、更に他
の形状を示す断面図である。 1……総義歯、2……義歯床本体、3……裏装
材、4,4……人工歯。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリメチルメタクリレート樹脂よりなる義歯
    床本体と、該義歯床本体表面であつて歯槽堤粘膜
    面に相対する面に接着剤を介して接着されたゴム
    弾性を有する裏装材を含む義歯床において、上記
    裏装材はオレフイン系熱可塑性エラストマー又は
    オレフイン系熱可塑性エラストマーとスチレン・
    エチレン・ブチレン共重合体よりなる熱可塑性エ
    ラストマーの混合材料よりなり、上記接着剤は、
    オレフインとメチルメタクリレートの共重合体よ
    りなることを特徴とする義歯床 2 上記裏装材におけるオレフイン系熱可塑性エ
    ラストマーは、少なくともポリエチレン若しくは
    ポリプロピレンを含み、上記接着剤は、ポリエチ
    レン若しくはポリプロピレンとメチルメタクリレ
    ートの共重合体よりなることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の義歯床 3 上記裏装材におけるオレフイン系熱可塑性エ
    ラストマーは、少なくともポリエチレン若しくは
    ポリプロピレンを含み、上記接着剤は、α―オレ
    フイン系熱可塑性エラストマーとメチルメタクリ
    レートの共重合体よりなることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の義歯床 4 上記裏装材は、隣接する自然歯の歯槽堤粘膜
    面方向に傾斜したアンダーカツトに当接して義歯
    を維持し、上記裏装材による義歯の歯槽堤粘膜面
    方向の緩圧動作を許容する突起部を有することを
    特徴とする特許請求の範囲第1項、第2項若しく
    は第3項記載の義歯床 5 上記裏装材は、スタツドアタツチメントのフ
    イーメイルを一体形成してなり、該フイーメイル
    は上記裏装材による義歯の歯槽堤粘膜面方向の緩
    圧動作を許容することを特徴とする特許請求の範
    囲第1項、第2項若しくは第3項記載の義歯床 6 上記裏装材は、ダルボアタツチメントのフイ
    ーメイルを一体形成してなり、該フイーメイルは
    上記裏装材による義歯の歯槽堤粘膜面方向の緩圧
    動作を許容することを特徴とする特許請求の範囲
    第1項、第2項若しくは第3項記載の義歯床 7 下記工程を含む義歯床の製造方法 オレフイン系熱可塑性エラストマー又はオレフ
    イン系熱可塑性エラストマーとスチレン・エチレ
    ン・ブチレン共重合体よりなる熱可塑性エラスト
    マーの混合材料を加熱軟化して所定形状の裏装材
    を形成する工程、 該裏装材を顎模型上に載置し、オレフイン及び
    メチルメタクリレートの共重合体を溶媒に溶かし
    て調整した接着剤を塗布乾燥した後、ポリメチル
    メタクリレート粉末を液状メチルメタクリレート
    に混練して得た餅状ポリメチルメタクリレートを
    圧接加温して該餅状ポリメチルメタクリレートを
    重合固化せしめる工程。
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