JPH025769B2 - - Google Patents
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- JPH025769B2 JPH025769B2 JP19748184A JP19748184A JPH025769B2 JP H025769 B2 JPH025769 B2 JP H025769B2 JP 19748184 A JP19748184 A JP 19748184A JP 19748184 A JP19748184 A JP 19748184A JP H025769 B2 JPH025769 B2 JP H025769B2
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Description
「産業上の利用分野」
本発明は液晶性ポリエステルに柔軟性を付与す
る方法に関するものであり、さらに詳しくは、液
晶性ポリエステルを低線膨脹率、液晶性や相溶性
を失わぬ範囲で可塑化し、これに柔軟性を付与す
る方法に関するもので、具体的には液晶性ポリエ
ステルにフエニレンビスオキサゾリンを反応させ
る事を特徴とする。 「従来の技術」 米国特許3778410号明細書、米国特許3804805号
明細書、J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.p2043
(1976)にW.J.Jackson等によつて異方性溶融物
を形成する液晶性ポリエステルが初めて報告され
て以来、液晶性ポリエステルが注目を集め数多く
の研究がなされてきた。W.J.Jackson等によつて
報告された液晶性ポリエステルはポリエチレンテ
レフタレートとp―ヒドロキシ安息香酸の共重合
体であつた。p―ヒドロキシ安息香酸が24〜65モ
ル%(但し、テレフタル酸の残基、エチレングリ
コールの残基それぞれを1構成単位と考えモル%
を計算する)の範囲で異方性溶融物を形成し、特
に、約48モル%近辺で最も強い異方性を示す。こ
の溶融物は剪断下配向する為、その剪断下での粘
度は低下する。ノズルから押し出された成型物は
延伸を行わなくとも高度に配向し、曲げ弾性率で
14Gpaと高い値を示した。この成型物は高強度、
高弾性である事の他線膨張係数が10-5℃-1以下と
極めて小さいという利点を持つていた。 「発明が解決しようとする問題点」 本発明者等は更に精度の良い測定方法によつて
上記成型物の線膨張係数を測定したところ、実は
この線膨張係数は室温付近では負の値を有する事
がわかつた。具体的には―2×10-6〜−7×10-6
(℃-1)の値である。 W.J.Jacksonの報告以後10年以上の歳月が経過
するも、その具体的な応用製品は工業化されてい
ない。その理由の一つとして、その成型物が柔軟
性に乏しく曲げに対してもろく割れ易いという欠
点を持つている事があげられる。これを改善する
為可塑剤の添加が提案されているが実用に十分た
るものは得られていない。当然ソフト成分を共重
合する事が考えられたが十分な効果は得られてい
ない。 特開昭50―59525号公報、及び特開昭55―
145733号公報にはフエニレンビスオキサゾリンを
ポリエステルと反応させる事が開示されている。
前者においてはポリエステルの溶融時、分解をお
さえる為末端カルボン酸をフエニレンビスオキサ
ゾリンと反応させ同時に分子量増大をねらう事が
開示されている。又、後者においては全末端基の
50モル%以上がカルボキシル基であるポリエステ
ルにフエニレンビスオキサゾリンを反応させた場
合は、特に分子量増大効果が大きい事が開示され
ている。しかし、これらの公報には従来のポリエ
ステルと物性面で大きく異る異方性溶融物を形成
する液晶性ポリエステルに対する効果に関しては
何ら述べられていない。例えば限られた添加量で
相溶性や液晶性を失うことなく、また、低線膨張
係数という利点を保つたまま液晶性ポリエステル
を可塑化し柔軟性を付与できること、添加量が多
すぎると液晶性を失う事など何ら述べられていな
い。 「問題点を解決するための手段」および「作用」 本発明者等は液晶性ポリエステルの利点である
液晶性、低線膨張率という性質を失う事なく、こ
れに柔軟性を付与する方法を鋭意追求した結果、
液晶性ポリエステルと、特定量のフエニレンビス
オキサゾリンとを反応させることによつて、液晶
性ポリエステルが有する利点を失う事なく、これ
に柔軟性を付与しうる事を見い出し本発明に到達
した。 すなわち本発明は少くとも0.2の固有粘度を有
する()P―ヒドロキシ安息香酸の残基24〜64
モル%、()テレフタル酸の残基38〜18モル%
及び()エチレングリコールの残基38〜18モル
%〔但し、()と()のモル比は1である。〕
から構成される異方性溶融物を形成しうる液晶性
ポリエステルと、該液晶性ポリエステルに対し
0.1〜4重量%の下記一般式 (但し、式中R1〜R8は各々水素原子又はアル
キル基を表わす。)で示されるフエニレンビスオ
キサゾリンとを該液晶性ポリエステルの溶融下反
応させることを特徴とする液晶性ポリエステルに
柔軟性を付与する方法である。 本発明に用いる液晶性ポリエステルは、1,
1,2,2―テトラクロルエタン/フエノールの
重量比が50/50の粘度測定溶媒を用い、濃度
0.5g/dl、30℃で測定した固有粘度が0.2以上、好
ましくは0.4以上でなければならない。0.2未満で
はフエニレンピスオキサゾリンと反応後も十分な
強度を発揮できない。 本発明に用いる液晶性ポリエステル中のP―ヒ
ドロキシ安息香酸が占める割合は24〜64モル%で
なければならない。この範囲外では異方性溶融物
を形成しない。本発明においては、異方性溶融物
を形成する液晶性ポリエステルの中でもP―ヒド
ロキシ安息香酸残基が24〜38モル%の液晶性ポリ
エステルが特に内部可塑化効果が大きく好まし
い。 本発明に使用される異方性溶融物を形成しうる
液晶性ポリエステルは、通常のポリエステル合成
のようにアセチル化されたモノマーを用い溶融重
合したものであつてもよいし、モノマーの酸クロ
ライドを用いて合成されたものであつてもよい。
特公昭56―18016号公報に開示されたポリエチレ
ンテレフタレートとP―ヒドロキシ安息香酸とを
加熱溶融し、乾燥窒素流下でアシドリシス反応に
よつて共重合ポリエステルフラグメントを生成さ
せ、次いで減圧し増粘させるという方法で合成し
たものは、末端にフエニレンビスオキサゾリンと
反応しうるカルボン酸を多く有するので、特に効
果的に柔軟性が付与される。 本発明に用いる液晶性ポリエステルには本発明
の主旨に影響しない程度の少量(具体的には1モ
ル%未満)のジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ペンタンジオール、プロパンジオー
ル、ブタンジオール、ヒドロキノン、レゾルシノ
ール、4,4′―スルホニルジフエノール、4,
4′―オキシジフエノール、2,6―ナフタレンジ
オール等のジオール成分、あるいはこれらの誘導
体が共重合されたものであつてもよいし、又少量
(具体的には1モル%未満)のマロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、スベリン酸、1,3―シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,4―ナフタル酸、2,6―ナ
フタレンジカルボン酸等のジカルボン酸、あるい
はこれらの誘導体が共重合されたものであつても
よい。 本発明で使用されるフエニレンビスオキサゾリ
ンは前記一般式であらわされるものである。ここ
でR1〜R8は水素原子、又はアルキル基であるが、
合成が容易であることからR1〜R8のすべてが水
素原子であるものが好ましい。かかる化合物の具
体例としては2,2′―P―フエニレンビス(2―
オキサゾリン)、2,2′―m―フエニレンビス
(2―オキサゾリン)、2,2′―P―フエニレンビ
ス(4―メチル―2―オキサゾリン)、2,2―
P―フエニレンビス(4,4′―ジメチル―2―オ
キサゾリン)、2,2′―m―フエニレンビス(4
―メチル―2―オキサゾリン)、2,2′―m―フ
エニレンビス(4,4′―ジメチル―2―オキサゾ
リン)等があげられる。フエニレンビスオキサゾ
リンの使用量は、液晶性ポリエステルに対し0.1
〜4重量%、好ましくは1〜3重量%でなければ
ならない。0.1重量%未満では実質的な柔軟性付
与効果はないし、4重量%を越えると可塑効果が
大きすぎ、異方性溶融物形成能力を失つてしま
う。 フエニレンビスオキサゾリンは溶融状の液晶性
ポリエステルに加えてもよいし、固形状の液晶性
ポリエステル、例えばチツプ、粉体等とあらかじ
め混合しておいてから溶融し反応させてもよい。
フエニレンビスオキサゾリンは固形状、例えば粉
体で使用してもよいし、溶融させ、液状で使用し
てもよい。又反応はバツチ式で行つてもよいし、
エクストルーダー等の連続式で行つてもよい。フ
エニレンビスオキサゾリンが昇華性であるので、
閉鎖系で反応することが好ましく、また、この反
応が増粘を伴うので、エクストルーダー内で反応
させることは好ましい方法である。この反応は分
解を避ける為320℃以下で行う事が好ましい。 フエニレンビスオキサゾリンが液晶性ポリエス
テルに柔軟性を付与する理由はあきらかでない
が、反応後、オキサゾリン環が開いて生成するメ
チレン基の柔軟性により、液晶性の分子と分子を
その剛直部分をこわす事なく可塑化する為ではな
いかと推定される。 本発明の方法によつて得られた液晶性ポリエス
テルは、低線膨張係数を有し、かつ柔軟性を付与
されたものであるから、例えば成形用樹脂、複合
材料、繊維、フイルム、接着剤、塗料等、幅広い
用途に用いることができる。 次に、実施例をあげて本発明をさらに具体的に
説明する。 「実施例1〜〜4、比較例1〜5」 ポエチレンテレフタレート(5.2モル)、P―ア
セトキシ安息香酸(4.8モル)を275℃において、
乾燥窒素流下溶融し、70分間、アシドリシス反応
を進行させた後、系を5時間減圧にし、増粘させ
るという方法で固有粘度0.65の液晶性ポリエステ
ルを得た(比較例1)。280℃において、溶融中の
この比較例1のポリエステルに2,2′―m―フエ
ニレンビス(2―オキサゾリン)を0.05重量%
(ポリエステルに対して。以下同じ。比較例2)、
0.3重量%(実施例1)、1.0重量%(実施例2)、
3.0重量%(実施例3)、あるいは、6.0重量%
(比較例3)添加し、それぞれ10分間反応させた。
また、減圧増粘時間を3.5時間とした以外は比較
例1と同様にして固有粘度0.35の液晶性ポリエス
テル(比較例4)を得た。この比較例4のポリエ
ステルを280℃で溶融中、2,2′―m―フエニレ
ンビス(2―オキサゾリン)を3重量%(実施例
4)、あるいは6重量%(比較例5)加え10分間
反応させた。これ等の反応物を250〜280℃の温度
で径0.5mmのノズルから1200sec-1の剪断で押し出
して糸を得た。得られた糸について測定した線膨
張率、ヤング率、伸度、及び液晶性を表1に示し
た。 表1から比較例2では添加量が少く実質的な添
加効果はない事がわかる。実施例1〜3では比較
例1に比べてヤング率が低下し、伸度も増大する
など、柔軟性が付与されているにもかかわらず、
低い線膨張係数(2×10-5℃-1未満)ならびに液
晶性という特長を維持している。また、この反応
では固有粘度の増大を伴つている事がわかる。実
施例4のポリエステルは、その固有粘度が比較例
1のポリエステルと同じでありながら、低い線膨
張率を有し、かつ液晶性を有したまま柔軟性が付
与されている。このことから柔軟性の付与は重合
度の増大によつて起こるのではないことがわか
る。比較例3および5のポリエステルではフエニ
レンビスオキサゾリンの使用量が多すぎる為、液
晶性を失い、低線膨張率という利点をも失つてい
る。
る方法に関するものであり、さらに詳しくは、液
晶性ポリエステルを低線膨脹率、液晶性や相溶性
を失わぬ範囲で可塑化し、これに柔軟性を付与す
る方法に関するもので、具体的には液晶性ポリエ
ステルにフエニレンビスオキサゾリンを反応させ
る事を特徴とする。 「従来の技術」 米国特許3778410号明細書、米国特許3804805号
明細書、J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.p2043
(1976)にW.J.Jackson等によつて異方性溶融物
を形成する液晶性ポリエステルが初めて報告され
て以来、液晶性ポリエステルが注目を集め数多く
の研究がなされてきた。W.J.Jackson等によつて
報告された液晶性ポリエステルはポリエチレンテ
レフタレートとp―ヒドロキシ安息香酸の共重合
体であつた。p―ヒドロキシ安息香酸が24〜65モ
ル%(但し、テレフタル酸の残基、エチレングリ
コールの残基それぞれを1構成単位と考えモル%
を計算する)の範囲で異方性溶融物を形成し、特
に、約48モル%近辺で最も強い異方性を示す。こ
の溶融物は剪断下配向する為、その剪断下での粘
度は低下する。ノズルから押し出された成型物は
延伸を行わなくとも高度に配向し、曲げ弾性率で
14Gpaと高い値を示した。この成型物は高強度、
高弾性である事の他線膨張係数が10-5℃-1以下と
極めて小さいという利点を持つていた。 「発明が解決しようとする問題点」 本発明者等は更に精度の良い測定方法によつて
上記成型物の線膨張係数を測定したところ、実は
この線膨張係数は室温付近では負の値を有する事
がわかつた。具体的には―2×10-6〜−7×10-6
(℃-1)の値である。 W.J.Jacksonの報告以後10年以上の歳月が経過
するも、その具体的な応用製品は工業化されてい
ない。その理由の一つとして、その成型物が柔軟
性に乏しく曲げに対してもろく割れ易いという欠
点を持つている事があげられる。これを改善する
為可塑剤の添加が提案されているが実用に十分た
るものは得られていない。当然ソフト成分を共重
合する事が考えられたが十分な効果は得られてい
ない。 特開昭50―59525号公報、及び特開昭55―
145733号公報にはフエニレンビスオキサゾリンを
ポリエステルと反応させる事が開示されている。
前者においてはポリエステルの溶融時、分解をお
さえる為末端カルボン酸をフエニレンビスオキサ
ゾリンと反応させ同時に分子量増大をねらう事が
開示されている。又、後者においては全末端基の
50モル%以上がカルボキシル基であるポリエステ
ルにフエニレンビスオキサゾリンを反応させた場
合は、特に分子量増大効果が大きい事が開示され
ている。しかし、これらの公報には従来のポリエ
ステルと物性面で大きく異る異方性溶融物を形成
する液晶性ポリエステルに対する効果に関しては
何ら述べられていない。例えば限られた添加量で
相溶性や液晶性を失うことなく、また、低線膨張
係数という利点を保つたまま液晶性ポリエステル
を可塑化し柔軟性を付与できること、添加量が多
すぎると液晶性を失う事など何ら述べられていな
い。 「問題点を解決するための手段」および「作用」 本発明者等は液晶性ポリエステルの利点である
液晶性、低線膨張率という性質を失う事なく、こ
れに柔軟性を付与する方法を鋭意追求した結果、
液晶性ポリエステルと、特定量のフエニレンビス
オキサゾリンとを反応させることによつて、液晶
性ポリエステルが有する利点を失う事なく、これ
に柔軟性を付与しうる事を見い出し本発明に到達
した。 すなわち本発明は少くとも0.2の固有粘度を有
する()P―ヒドロキシ安息香酸の残基24〜64
モル%、()テレフタル酸の残基38〜18モル%
及び()エチレングリコールの残基38〜18モル
%〔但し、()と()のモル比は1である。〕
から構成される異方性溶融物を形成しうる液晶性
ポリエステルと、該液晶性ポリエステルに対し
0.1〜4重量%の下記一般式 (但し、式中R1〜R8は各々水素原子又はアル
キル基を表わす。)で示されるフエニレンビスオ
キサゾリンとを該液晶性ポリエステルの溶融下反
応させることを特徴とする液晶性ポリエステルに
柔軟性を付与する方法である。 本発明に用いる液晶性ポリエステルは、1,
1,2,2―テトラクロルエタン/フエノールの
重量比が50/50の粘度測定溶媒を用い、濃度
0.5g/dl、30℃で測定した固有粘度が0.2以上、好
ましくは0.4以上でなければならない。0.2未満で
はフエニレンピスオキサゾリンと反応後も十分な
強度を発揮できない。 本発明に用いる液晶性ポリエステル中のP―ヒ
ドロキシ安息香酸が占める割合は24〜64モル%で
なければならない。この範囲外では異方性溶融物
を形成しない。本発明においては、異方性溶融物
を形成する液晶性ポリエステルの中でもP―ヒド
ロキシ安息香酸残基が24〜38モル%の液晶性ポリ
エステルが特に内部可塑化効果が大きく好まし
い。 本発明に使用される異方性溶融物を形成しうる
液晶性ポリエステルは、通常のポリエステル合成
のようにアセチル化されたモノマーを用い溶融重
合したものであつてもよいし、モノマーの酸クロ
ライドを用いて合成されたものであつてもよい。
特公昭56―18016号公報に開示されたポリエチレ
ンテレフタレートとP―ヒドロキシ安息香酸とを
加熱溶融し、乾燥窒素流下でアシドリシス反応に
よつて共重合ポリエステルフラグメントを生成さ
せ、次いで減圧し増粘させるという方法で合成し
たものは、末端にフエニレンビスオキサゾリンと
反応しうるカルボン酸を多く有するので、特に効
果的に柔軟性が付与される。 本発明に用いる液晶性ポリエステルには本発明
の主旨に影響しない程度の少量(具体的には1モ
ル%未満)のジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ペンタンジオール、プロパンジオー
ル、ブタンジオール、ヒドロキノン、レゾルシノ
ール、4,4′―スルホニルジフエノール、4,
4′―オキシジフエノール、2,6―ナフタレンジ
オール等のジオール成分、あるいはこれらの誘導
体が共重合されたものであつてもよいし、又少量
(具体的には1モル%未満)のマロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、スベリン酸、1,3―シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,4―ナフタル酸、2,6―ナ
フタレンジカルボン酸等のジカルボン酸、あるい
はこれらの誘導体が共重合されたものであつても
よい。 本発明で使用されるフエニレンビスオキサゾリ
ンは前記一般式であらわされるものである。ここ
でR1〜R8は水素原子、又はアルキル基であるが、
合成が容易であることからR1〜R8のすべてが水
素原子であるものが好ましい。かかる化合物の具
体例としては2,2′―P―フエニレンビス(2―
オキサゾリン)、2,2′―m―フエニレンビス
(2―オキサゾリン)、2,2′―P―フエニレンビ
ス(4―メチル―2―オキサゾリン)、2,2―
P―フエニレンビス(4,4′―ジメチル―2―オ
キサゾリン)、2,2′―m―フエニレンビス(4
―メチル―2―オキサゾリン)、2,2′―m―フ
エニレンビス(4,4′―ジメチル―2―オキサゾ
リン)等があげられる。フエニレンビスオキサゾ
リンの使用量は、液晶性ポリエステルに対し0.1
〜4重量%、好ましくは1〜3重量%でなければ
ならない。0.1重量%未満では実質的な柔軟性付
与効果はないし、4重量%を越えると可塑効果が
大きすぎ、異方性溶融物形成能力を失つてしま
う。 フエニレンビスオキサゾリンは溶融状の液晶性
ポリエステルに加えてもよいし、固形状の液晶性
ポリエステル、例えばチツプ、粉体等とあらかじ
め混合しておいてから溶融し反応させてもよい。
フエニレンビスオキサゾリンは固形状、例えば粉
体で使用してもよいし、溶融させ、液状で使用し
てもよい。又反応はバツチ式で行つてもよいし、
エクストルーダー等の連続式で行つてもよい。フ
エニレンビスオキサゾリンが昇華性であるので、
閉鎖系で反応することが好ましく、また、この反
応が増粘を伴うので、エクストルーダー内で反応
させることは好ましい方法である。この反応は分
解を避ける為320℃以下で行う事が好ましい。 フエニレンビスオキサゾリンが液晶性ポリエス
テルに柔軟性を付与する理由はあきらかでない
が、反応後、オキサゾリン環が開いて生成するメ
チレン基の柔軟性により、液晶性の分子と分子を
その剛直部分をこわす事なく可塑化する為ではな
いかと推定される。 本発明の方法によつて得られた液晶性ポリエス
テルは、低線膨張係数を有し、かつ柔軟性を付与
されたものであるから、例えば成形用樹脂、複合
材料、繊維、フイルム、接着剤、塗料等、幅広い
用途に用いることができる。 次に、実施例をあげて本発明をさらに具体的に
説明する。 「実施例1〜〜4、比較例1〜5」 ポエチレンテレフタレート(5.2モル)、P―ア
セトキシ安息香酸(4.8モル)を275℃において、
乾燥窒素流下溶融し、70分間、アシドリシス反応
を進行させた後、系を5時間減圧にし、増粘させ
るという方法で固有粘度0.65の液晶性ポリエステ
ルを得た(比較例1)。280℃において、溶融中の
この比較例1のポリエステルに2,2′―m―フエ
ニレンビス(2―オキサゾリン)を0.05重量%
(ポリエステルに対して。以下同じ。比較例2)、
0.3重量%(実施例1)、1.0重量%(実施例2)、
3.0重量%(実施例3)、あるいは、6.0重量%
(比較例3)添加し、それぞれ10分間反応させた。
また、減圧増粘時間を3.5時間とした以外は比較
例1と同様にして固有粘度0.35の液晶性ポリエス
テル(比較例4)を得た。この比較例4のポリエ
ステルを280℃で溶融中、2,2′―m―フエニレ
ンビス(2―オキサゾリン)を3重量%(実施例
4)、あるいは6重量%(比較例5)加え10分間
反応させた。これ等の反応物を250〜280℃の温度
で径0.5mmのノズルから1200sec-1の剪断で押し出
して糸を得た。得られた糸について測定した線膨
張率、ヤング率、伸度、及び液晶性を表1に示し
た。 表1から比較例2では添加量が少く実質的な添
加効果はない事がわかる。実施例1〜3では比較
例1に比べてヤング率が低下し、伸度も増大する
など、柔軟性が付与されているにもかかわらず、
低い線膨張係数(2×10-5℃-1未満)ならびに液
晶性という特長を維持している。また、この反応
では固有粘度の増大を伴つている事がわかる。実
施例4のポリエステルは、その固有粘度が比較例
1のポリエステルと同じでありながら、低い線膨
張率を有し、かつ液晶性を有したまま柔軟性が付
与されている。このことから柔軟性の付与は重合
度の増大によつて起こるのではないことがわか
る。比較例3および5のポリエステルではフエニ
レンビスオキサゾリンの使用量が多すぎる為、液
晶性を失い、低線膨張率という利点をも失つてい
る。
【表】
* 偏光顕微鏡により判断
「実施例5、3」 280℃において溶融している比較例1のポリエ
ステルに対し2.1重量%の2,2′―P―フエニレ
ンビス(2―オキサゾリン)を添加し、反応させ
たもの(実施例5)、2.1重量%の2,2′―m―フ
エニレンビス(4―メチル―2―オキサゾリン)
を加え反応させたもの(実施例6)を得た。得ら
れたポリエステルにそれぞれについて実施例1〜
4と同様の測定を行い、結果を表2に示した。 P体のフエニレンビスオキサゾリンを使用した
実施例5のポリエステル、オキサゾリン環上にメ
チル基を有するフエニレンビスオキサゾリンを使
用した実施例6のポリエステルともに比較例1の
ポリエステルに比べ低線膨張率、液晶性という利
点を保持したまま、柔軟性が付与されていること
がわかる。 「比較例6、実施例7」 ポリエチレンテレフタレート4モルとP―アセ
トキシ安息香酸6モルを比較例1と同様に反応さ
せ、固有粘度0.70を有する異方性溶融物を形成し
うる液晶性ポリエエステル(比較例6)を得た。
比較例6のポリエステル100重量部と、2,2′―
m―フエニレンビス(2―オキサゾリン)3重量
部とをブレンダーを用い、280℃において、10分
間反応させ、液晶性ポリエステル(実施例7)を
得た。これらについて実施例1〜4と同様の測定
を行い、その結果を表3に示した。表3より本発
明によればP―ヒドロキシ安息香酸残基の割合が
多い液晶性ポリエステルに対しても柔軟性が付与
しうる事がわかる。
「実施例5、3」 280℃において溶融している比較例1のポリエ
ステルに対し2.1重量%の2,2′―P―フエニレ
ンビス(2―オキサゾリン)を添加し、反応させ
たもの(実施例5)、2.1重量%の2,2′―m―フ
エニレンビス(4―メチル―2―オキサゾリン)
を加え反応させたもの(実施例6)を得た。得ら
れたポリエステルにそれぞれについて実施例1〜
4と同様の測定を行い、結果を表2に示した。 P体のフエニレンビスオキサゾリンを使用した
実施例5のポリエステル、オキサゾリン環上にメ
チル基を有するフエニレンビスオキサゾリンを使
用した実施例6のポリエステルともに比較例1の
ポリエステルに比べ低線膨張率、液晶性という利
点を保持したまま、柔軟性が付与されていること
がわかる。 「比較例6、実施例7」 ポリエチレンテレフタレート4モルとP―アセ
トキシ安息香酸6モルを比較例1と同様に反応さ
せ、固有粘度0.70を有する異方性溶融物を形成し
うる液晶性ポリエエステル(比較例6)を得た。
比較例6のポリエステル100重量部と、2,2′―
m―フエニレンビス(2―オキサゾリン)3重量
部とをブレンダーを用い、280℃において、10分
間反応させ、液晶性ポリエステル(実施例7)を
得た。これらについて実施例1〜4と同様の測定
を行い、その結果を表3に示した。表3より本発
明によればP―ヒドロキシ安息香酸残基の割合が
多い液晶性ポリエステルに対しても柔軟性が付与
しうる事がわかる。
【表】
* 偏光顕微鏡により判断
【表】
± 偏光顕微鏡により判断
「効果」 以上説明したように、本発明の方法によれば、
低線膨張係数を有し、かつ柔軟性を有する液晶性
ポリエステルを得ることができ、得られた液晶性
ポリエステルは、成形用樹脂、複合材料、繊維、
フイルム、接着剤、塗料等、幅広い用途に用いる
ことができる。
「効果」 以上説明したように、本発明の方法によれば、
低線膨張係数を有し、かつ柔軟性を有する液晶性
ポリエステルを得ることができ、得られた液晶性
ポリエステルは、成形用樹脂、複合材料、繊維、
フイルム、接着剤、塗料等、幅広い用途に用いる
ことができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 少くとも0.2の固有粘度を有する()P―
ヒドロキシ安息香酸の残基24〜64モル%、()
テレフタル酸の残基38〜18モル%及び()エチ
レングリコールの残基38〜18モル%〔但し()
と()のモル比は1である。〕から構成される
異方性溶融物を形成しうる液晶性ポリエステル
と、該液晶性ポリエステルに対し0.1〜4重量%
の下記一般式 (但し、式中R1〜R8は各々水素原子又はアル
キル基を表わす。)で示されるフエニレンビスオ
キサゾリンとを該液晶性ポリエステルの溶融下反
応させることを特徴とする液晶性ポリエステルに
柔軟性を付与する方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19748184A JPS6173731A (ja) | 1984-09-20 | 1984-09-20 | 液晶性ポリエステルに柔軟性を付与する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19748184A JPS6173731A (ja) | 1984-09-20 | 1984-09-20 | 液晶性ポリエステルに柔軟性を付与する方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6173731A JPS6173731A (ja) | 1986-04-15 |
| JPH025769B2 true JPH025769B2 (ja) | 1990-02-05 |
Family
ID=16375191
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19748184A Granted JPS6173731A (ja) | 1984-09-20 | 1984-09-20 | 液晶性ポリエステルに柔軟性を付与する方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6173731A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0653383B2 (ja) * | 1986-08-18 | 1994-07-20 | ユニチカ株式会社 | 高弾性ポリエステルフイルム |
| JP2846903B2 (ja) * | 1989-11-09 | 1999-01-13 | ユニチカ株式会社 | 液晶ポリマーフィルムの製造方法 |
-
1984
- 1984-09-20 JP JP19748184A patent/JPS6173731A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6173731A (ja) | 1986-04-15 |
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