JPH027943B2 - - Google Patents
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- JPH027943B2 JPH027943B2 JP56161994A JP16199481A JPH027943B2 JP H027943 B2 JPH027943 B2 JP H027943B2 JP 56161994 A JP56161994 A JP 56161994A JP 16199481 A JP16199481 A JP 16199481A JP H027943 B2 JPH027943 B2 JP H027943B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K5/00—Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
- C07K5/02—Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing at least one abnormal peptide link
- C07K5/0202—Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing at least one abnormal peptide link containing the structure -NH-X-X-C(=0)-, X being an optionally substituted carbon atom or a heteroatom, e.g. beta-amino acids
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- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P25/00—Drugs for disorders of the nervous system
- A61P25/04—Centrally acting analgesics, e.g. opioids
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
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Description
本発明は鎭痛作用を有する新しい化合物すなわ
ち、3―アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル
酪酸誘導体およびその薬学的に許容される塩、並
びにそれらを活性成分とする新しい鎭痛剤に関す
る。 本発明者は、種々の新規化合物を合成し、エン
ケフアリン(enkephalin)の分解酵素であるエ
ンケフアリナーゼ(enkephalinase)に対する阻
害活性の有無を基にしてそれら新化合物をスクリ
ーニングし、エンケフアリナーゼ阻害剤として活
性をもつ一般式(1)で表わされる新規化合物が動物
実験で鎭痛効果を有することを確認し、本発明を
完成させたものである。 鎭痛ペプチドであるエンケフアリンあるいはエ
ンドルフイン(endorphine)は哺乳類の脳中に
存在し、なかでもエンケフアリンは脳の神経終末
の小胞体に存在し、エンケフアリンが存在する部
位と同一の場所にエンケフアリナーゼが存在する
ことが知られ、エンケフアリンが神経伝達物質で
ある可能性が「Nature」第276巻、第523〜526頁
(1980)に示唆されている。 一方、針麻酔はエンケフアリン等の鎭痛ペプチ
ドの遊離を介して作用することが明らかとなり
〔参考文献:昭和医学雑誌第39号、第537〜542頁
(1979)〕、またモルヒネはその作用の一つとして
エンケフアリンを遊離する作用があることが報告
されている〔参考文献:Life Science第25号、第
53〜60頁(1979)〕。 これらのことよりエンケフアリナーゼ阻害剤は
単独で投与しても鎭痛効果を奏することが期待さ
れ、特に脳中のエンケフアリン含量が少ないため
慢性疼痛を訴える患者には投与すると著効を示す
ことが期待される。 また針鎭痛やモルヒネ鎭痛を行う時に鎭痛作用
を増強する補助薬として有用であることが期待さ
れる〔参考文献:昭和医学雑誌第39号、第543〜
550頁(1979)〕。 本発明者は上記の知見に基づき、本出願人の出
願に係る特願昭55−131583号(特開昭57−67516
号)明細書に記載されたベスタチン関連化合物と
は別種の3―アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエ
ニル酪酸(AHPAと略す)誘導体を新たに合成
し、本発明を完成させたものである。 すなわち、本発明の要旨とするところは、次の
一般式(1) 〔式中、R1は水素原子又は水酸基であり;R2
はグリシル基、N―低級アルカノイル―グリシル
基、N―低級アルキル―グリシル基、(R)―ア
ラニル基、(R)―フエニルアラニル基、N―低
級アルカノイル―(R)―アラニル基、(R)―
ロイシル基、(S)―ロイシル基、グリシルグリ
シル基、N―低級アルカノイル―グリシルグリシ
ル基、(S)―チロシルグリシルグリシル基、4
―アミノ―(2S)―2―ヒドロキシブタノイル
基又は(2S,3R)―3―アミノ―2―ヒドロキ
シ―4―フエニルブタノイル基であり;R3は水
酸基又は低級アルコキシ基であり、*は立体配置
のRまたはS、またはこれらの組合わせを示す〕
で表わされる3―アミノ―2―ヒドロキシ―4―
フエニル酪酸誘導体、およびその薬学的に許容さ
れる塩にある。 一般式(1)の化合物について、基R3が水酸基で
ある場合は、化合物(1)の全体は遊離カルボン酸の
形であり、R3がアルコキシ基の場合には、その
アルキルエステル(カルボキシレート)の形であ
る。R3はメトキシ基、エトキシ基、等の炭素数
1〜6のアルコキシ基であることができる。 次に一般式(1)で表わされる本発明化合物の製法
について述べる。一般的には、本発明化合物(1)
は、一般式(2) (式中、R1は水素原子または水酸基を、Rは
水酸基又はカルボキシル基保護基を、*は立体装
置のRまたはSまたはその組合せを示す)で表わ
されるカルボン酸、すなわち3―アミノ―2―ヒ
ドロキシ―4―フエニル酪酸(AHPA)又は3
―アミノ―2―ヒドロキシ―4―p―ヒドロキシ
フエニル酪酸(以下p―ヒドロキシ―AHPAと
略)(それらの名種の立体異性体を含む)又はこ
れのカルボキシル保護体の3位アミノ基に対して
グリシン、N―低級アルカノイル―グリシン、N
―低級アルキル―グリシン、D―アラニン、D―
フエニルアラニン、N―低級アルカノイル―D―
アラニン、D―ロイシン、L―ロイシン、グリシ
ルグリシン、N―低級アルカノイル―グリシルグ
リシン、L―チロシルグリシル基グリシン、4―
アミノ―(2S)―2―ヒドロキシ酪酸(以下、
HABAと略すこともある)又は(2S,3R)―3
―アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸
(以下、AHPAと略すこともある)、あるいはこ
れらの保護誘導体をペプチド合成上の常法で縮合
させ、更に必要ならば保護基を常法で脱離するこ
とにより製造できる。。この縮合反応に際しては、
脱水剤としてジシクロヘキシルカルボジイミド
(DCC)を用いるカルボジイミド法又はN―ヒド
ロキシサクシイミドを用いる活性エステル法など
を利用できる。 上記の方法で得られるカルボン酸の形の一般式
(1)の化合物(R3=OH)は、これを酸触媒の存在
下に低級アルカノール、例えばメタノールを反応
させることにより、対応のアルキルエステル形の
もの(R3=アルコキシ基)にすることができる。 出発原料である一般式(2)の化合物に対して反応
剤として用いるアミノ酸又はペプチド化合物又は
AHPA又はHABAを縮合させる方法は、前述の
カルボジイミド法並びにヒドロキシコハク酸イミ
ドエステル等の活性エステル法の他に、イミダゾ
ール等の活性アミド法、ヒドラジンなどのアジド
法又はクロル炭酸エチル等の混合酸無水物法等の
常法でも実施できる。また上記の縮合はジペプチ
ド、トリペプチドを縮合させる場合、フラグメン
ト・コンデンセーシヨン(fragment condensa―
tion)を用いたが、アミノ酸を1個づつ縮合させ
るステツプワイズ・チエイン・エロンゲーシヨン
(stepwise chain elongation)法でも可能であ
り、その際の縮合方法も前述の常法が利用でき
る。アミノ基の保護基としてはベンジルオキシカ
ルボニル基の他、通常用いられるアミノ保護基、
カルボキシルの保護基はベンジル基の他、通常用
いられるカルボン酸保護基などが用いられる。脱
保護法は加水素分解、酸分解、アルカリ分解など
による通常の方法で行うことができる。 上記のようにして得られる縮合反応混合物を通
常の単離精製処理することにより、目的物質を収
得できる。一般式(1)の化合物は分子内塩の状態、
遊離酸又は遊離塩基あるいはそのナトリウム塩な
どの金属塩(カルボキシレート)、塩酸塩などの
無機酸付加塩、ジシクロヘキシルアミン塩等の塩
の形に容易に常法で転化することができる。 上記方法に用いる出発原料である一般式(2)の化
合物は、公知の化合物である。AHPAは特開昭
52−136118号公報、p―ヒドロキシAHPAは特
開昭54−79248号公報等にその調製法が詳述され
ている。 第二の本発明の要旨とするところは、一般式(1)
の化合物又はこれの薬学的に許容できる塩を有効
成分として含む鎭痛剤にある。 次に本発明の一般式(1)の化合物の優れた鎭痛効
果を実験例により説明するが、供試化合物として
用いた本発明化合物(1)の例には、以下に示す化合
物がある。 なお化合物名の後の括弧( )内には略号を示
す。 (1) (2S,3R)―3―N―グリシルアミノ―2
―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸 (Gly―AHPA) (2) (2S,3R)―3―N―グリシルアミノ―2
―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸メチルエステ
ル塩酸塩(Gly―AHPA OMe・HCl) (3) (2S,3R)―3―N―(N′―アセチルグリ
シル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル
酪酸メチルエステル (N―Ac―Gly―AHPA OMe) (4) (2S,3R)―3―N―グリシルグリシルア
ミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸 (Gly Gly―AHPA) (5) (2S,3R)―3―N―グリシルグリシルア
ミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸メチ
ルエステル塩酸塩 (Gly Gly―AHPA OMe・HCl) (6) (2S,3R)―3―N―(N′―アセチルグリ
シルグリシル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―
フエニル酪酸(N―Ac―Gly Gly―AHPA) (7) (2S,3R)―3―N―(N′―メチルグリシ
ル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪
酸(Sar―AHPA) (8) (2S,3R)―3―N―(S)―ロイシルア
ミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸 (L―Leu―AHPA) (9) (2S,3R)―3―N―(R)―ロイシルア
ミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸 (D―Leu―AHPA) (10) (2S,3R)―3―N―(R)―フエニルア
ラニルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル
酪酸(D―Phe―AHPA) (11) (2S,3R)―3―N―〔4′―アミノ―
(2′S)―2′―ヒドロキシブタノイル〕アミノ―
2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸 (HABA―AHPA) (12) (2S,3R)―3―N―〔(2′S,3′R)―3′―
アミノ―2′―ヒドロキシ―4′―フエニルブタノ
イル〕アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル
酪酸 (AHPA―AHPA) (13) (2S,3R)―3―N―(N′―アセチルグ
リシルグリシル)アミノ―2―ヒドロキシ―4
―フエニル酪酸ナトリウム塩 (N―Ac―Gly Gly―AHPA・Na) (14) (2S,3R)―3―N―(R)―アラニル
アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸 (D―Ala―AHPA) (15) (2S,3R)―3―N―(N′―ホルミル―
(R)―アラニル)アミノ―2―ヒドロキシ―
4―フエニル酪酸ナトリウム塩 (N―For―D―Ala―AHPA・Na) (16) (2R,3S)―3―N―(S)―チロシル
グリシルグリシルアミノ―2―ヒドロキシ―4
―フエニル酪酸(Tyr Gly Gly―(2R,3S)
―AHPA) (17) (2S,3R)―3―N―(R)―フエニル
アルニルアミノ―2―ヒドロキシ―4―P―ヒ
ドロキシフエニル酪酸(D―Phe―p―OH―
AHPA) (18) (2R,3R)―3―N―(R)―ロイシル
アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸 (D―Leu―(2R,3R)―AHPA) 実験例1 エンケフアリナーゼ阻害作用 実験方法 エンケフアリナーゼの調製はラツトの
線条体をホモジナイズし、ゴーレンスタイン
(Gorenstein)等の方法(Life Science,第25号、
第2065〜2070頁、1979)に準じて部分的に精製し
た。 試験化合物はトリス塩酸緩衝液(PH7.7)と1
%トリトン×100の混合液に容積で1/10量を溶解
し、さらにエンケフアリナーゼを加え、5分間イ
ンキユベーシヨンした後、基質であるメチオニン
―エンケフアリンを加え37℃で1時間インキユベ
ーシヨンした後、生成するTyr―Gly―Glyメチ
オニン―エンケフアリンのフラグメント)を電気
化学検出器付高速液体クロマトグラフイーにより
分離定量を行ない、IC50値を求めた。 結果は表1(第2欄)に示す通りである。 実験例2 モルヒネ鎭痛増強作用 実験方法 あらかじめウイスターラツトに0.5mg/Kgのモ
ルヒネを投与し、モルヒネ鎭痛有効ラツトと無効
ラツトに分類し、モルヒネ鎭痛増強作用に対して
はモルヒネ鎭痛無効ラツトを用いた。 分類の方法は昭和医学雑誌第39号、第537〜542
頁(1979)に準じた。この分類の後約一週間以上
経過した後、5%アラビアゴム+1%Tween80
液に懸濁した本発明の化合物を250mg/Kg腹腔内
投与し、次いでモルヒネ0.5mg/Kgを投与し、鎭
痛効果をtail flick法により検定した。tail flick
法による痛覚閾値の測定は次のようである。尾の
先端より1cm位のところを黒く塗り、これに放射
熱を適用して尾の逃避反射の潜伏時間を測定し
た。コントロールの尾の逃避反射の潜伏時間は平
均約2.0秒となるように熱量を調節し、最高7.0秒
まで測定した。それ以上時間がかかる場合は尾の
皮膚の損傷を防ぐため測定しなかつた。各点にお
ける尾逃避反射の潜伏時間は、5回の測定の平均
値をとり、15分間隔で測定した。 なお、各動物における尾逃避反射の潜伏時間の
変化は、コントロール(0.5mg/Kgモルヒネ単独
処置)と検体250mg/Kg+モルヒネ0.5mg/Kg投与
の鎭痛効果を比較した。 結果は表1(第3欄)に示す通りである。
ち、3―アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル
酪酸誘導体およびその薬学的に許容される塩、並
びにそれらを活性成分とする新しい鎭痛剤に関す
る。 本発明者は、種々の新規化合物を合成し、エン
ケフアリン(enkephalin)の分解酵素であるエ
ンケフアリナーゼ(enkephalinase)に対する阻
害活性の有無を基にしてそれら新化合物をスクリ
ーニングし、エンケフアリナーゼ阻害剤として活
性をもつ一般式(1)で表わされる新規化合物が動物
実験で鎭痛効果を有することを確認し、本発明を
完成させたものである。 鎭痛ペプチドであるエンケフアリンあるいはエ
ンドルフイン(endorphine)は哺乳類の脳中に
存在し、なかでもエンケフアリンは脳の神経終末
の小胞体に存在し、エンケフアリンが存在する部
位と同一の場所にエンケフアリナーゼが存在する
ことが知られ、エンケフアリンが神経伝達物質で
ある可能性が「Nature」第276巻、第523〜526頁
(1980)に示唆されている。 一方、針麻酔はエンケフアリン等の鎭痛ペプチ
ドの遊離を介して作用することが明らかとなり
〔参考文献:昭和医学雑誌第39号、第537〜542頁
(1979)〕、またモルヒネはその作用の一つとして
エンケフアリンを遊離する作用があることが報告
されている〔参考文献:Life Science第25号、第
53〜60頁(1979)〕。 これらのことよりエンケフアリナーゼ阻害剤は
単独で投与しても鎭痛効果を奏することが期待さ
れ、特に脳中のエンケフアリン含量が少ないため
慢性疼痛を訴える患者には投与すると著効を示す
ことが期待される。 また針鎭痛やモルヒネ鎭痛を行う時に鎭痛作用
を増強する補助薬として有用であることが期待さ
れる〔参考文献:昭和医学雑誌第39号、第543〜
550頁(1979)〕。 本発明者は上記の知見に基づき、本出願人の出
願に係る特願昭55−131583号(特開昭57−67516
号)明細書に記載されたベスタチン関連化合物と
は別種の3―アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエ
ニル酪酸(AHPAと略す)誘導体を新たに合成
し、本発明を完成させたものである。 すなわち、本発明の要旨とするところは、次の
一般式(1) 〔式中、R1は水素原子又は水酸基であり;R2
はグリシル基、N―低級アルカノイル―グリシル
基、N―低級アルキル―グリシル基、(R)―ア
ラニル基、(R)―フエニルアラニル基、N―低
級アルカノイル―(R)―アラニル基、(R)―
ロイシル基、(S)―ロイシル基、グリシルグリ
シル基、N―低級アルカノイル―グリシルグリシ
ル基、(S)―チロシルグリシルグリシル基、4
―アミノ―(2S)―2―ヒドロキシブタノイル
基又は(2S,3R)―3―アミノ―2―ヒドロキ
シ―4―フエニルブタノイル基であり;R3は水
酸基又は低級アルコキシ基であり、*は立体配置
のRまたはS、またはこれらの組合わせを示す〕
で表わされる3―アミノ―2―ヒドロキシ―4―
フエニル酪酸誘導体、およびその薬学的に許容さ
れる塩にある。 一般式(1)の化合物について、基R3が水酸基で
ある場合は、化合物(1)の全体は遊離カルボン酸の
形であり、R3がアルコキシ基の場合には、その
アルキルエステル(カルボキシレート)の形であ
る。R3はメトキシ基、エトキシ基、等の炭素数
1〜6のアルコキシ基であることができる。 次に一般式(1)で表わされる本発明化合物の製法
について述べる。一般的には、本発明化合物(1)
は、一般式(2) (式中、R1は水素原子または水酸基を、Rは
水酸基又はカルボキシル基保護基を、*は立体装
置のRまたはSまたはその組合せを示す)で表わ
されるカルボン酸、すなわち3―アミノ―2―ヒ
ドロキシ―4―フエニル酪酸(AHPA)又は3
―アミノ―2―ヒドロキシ―4―p―ヒドロキシ
フエニル酪酸(以下p―ヒドロキシ―AHPAと
略)(それらの名種の立体異性体を含む)又はこ
れのカルボキシル保護体の3位アミノ基に対して
グリシン、N―低級アルカノイル―グリシン、N
―低級アルキル―グリシン、D―アラニン、D―
フエニルアラニン、N―低級アルカノイル―D―
アラニン、D―ロイシン、L―ロイシン、グリシ
ルグリシン、N―低級アルカノイル―グリシルグ
リシン、L―チロシルグリシル基グリシン、4―
アミノ―(2S)―2―ヒドロキシ酪酸(以下、
HABAと略すこともある)又は(2S,3R)―3
―アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸
(以下、AHPAと略すこともある)、あるいはこ
れらの保護誘導体をペプチド合成上の常法で縮合
させ、更に必要ならば保護基を常法で脱離するこ
とにより製造できる。。この縮合反応に際しては、
脱水剤としてジシクロヘキシルカルボジイミド
(DCC)を用いるカルボジイミド法又はN―ヒド
ロキシサクシイミドを用いる活性エステル法など
を利用できる。 上記の方法で得られるカルボン酸の形の一般式
(1)の化合物(R3=OH)は、これを酸触媒の存在
下に低級アルカノール、例えばメタノールを反応
させることにより、対応のアルキルエステル形の
もの(R3=アルコキシ基)にすることができる。 出発原料である一般式(2)の化合物に対して反応
剤として用いるアミノ酸又はペプチド化合物又は
AHPA又はHABAを縮合させる方法は、前述の
カルボジイミド法並びにヒドロキシコハク酸イミ
ドエステル等の活性エステル法の他に、イミダゾ
ール等の活性アミド法、ヒドラジンなどのアジド
法又はクロル炭酸エチル等の混合酸無水物法等の
常法でも実施できる。また上記の縮合はジペプチ
ド、トリペプチドを縮合させる場合、フラグメン
ト・コンデンセーシヨン(fragment condensa―
tion)を用いたが、アミノ酸を1個づつ縮合させ
るステツプワイズ・チエイン・エロンゲーシヨン
(stepwise chain elongation)法でも可能であ
り、その際の縮合方法も前述の常法が利用でき
る。アミノ基の保護基としてはベンジルオキシカ
ルボニル基の他、通常用いられるアミノ保護基、
カルボキシルの保護基はベンジル基の他、通常用
いられるカルボン酸保護基などが用いられる。脱
保護法は加水素分解、酸分解、アルカリ分解など
による通常の方法で行うことができる。 上記のようにして得られる縮合反応混合物を通
常の単離精製処理することにより、目的物質を収
得できる。一般式(1)の化合物は分子内塩の状態、
遊離酸又は遊離塩基あるいはそのナトリウム塩な
どの金属塩(カルボキシレート)、塩酸塩などの
無機酸付加塩、ジシクロヘキシルアミン塩等の塩
の形に容易に常法で転化することができる。 上記方法に用いる出発原料である一般式(2)の化
合物は、公知の化合物である。AHPAは特開昭
52−136118号公報、p―ヒドロキシAHPAは特
開昭54−79248号公報等にその調製法が詳述され
ている。 第二の本発明の要旨とするところは、一般式(1)
の化合物又はこれの薬学的に許容できる塩を有効
成分として含む鎭痛剤にある。 次に本発明の一般式(1)の化合物の優れた鎭痛効
果を実験例により説明するが、供試化合物として
用いた本発明化合物(1)の例には、以下に示す化合
物がある。 なお化合物名の後の括弧( )内には略号を示
す。 (1) (2S,3R)―3―N―グリシルアミノ―2
―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸 (Gly―AHPA) (2) (2S,3R)―3―N―グリシルアミノ―2
―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸メチルエステ
ル塩酸塩(Gly―AHPA OMe・HCl) (3) (2S,3R)―3―N―(N′―アセチルグリ
シル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル
酪酸メチルエステル (N―Ac―Gly―AHPA OMe) (4) (2S,3R)―3―N―グリシルグリシルア
ミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸 (Gly Gly―AHPA) (5) (2S,3R)―3―N―グリシルグリシルア
ミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸メチ
ルエステル塩酸塩 (Gly Gly―AHPA OMe・HCl) (6) (2S,3R)―3―N―(N′―アセチルグリ
シルグリシル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―
フエニル酪酸(N―Ac―Gly Gly―AHPA) (7) (2S,3R)―3―N―(N′―メチルグリシ
ル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪
酸(Sar―AHPA) (8) (2S,3R)―3―N―(S)―ロイシルア
ミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸 (L―Leu―AHPA) (9) (2S,3R)―3―N―(R)―ロイシルア
ミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸 (D―Leu―AHPA) (10) (2S,3R)―3―N―(R)―フエニルア
ラニルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル
酪酸(D―Phe―AHPA) (11) (2S,3R)―3―N―〔4′―アミノ―
(2′S)―2′―ヒドロキシブタノイル〕アミノ―
2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸 (HABA―AHPA) (12) (2S,3R)―3―N―〔(2′S,3′R)―3′―
アミノ―2′―ヒドロキシ―4′―フエニルブタノ
イル〕アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル
酪酸 (AHPA―AHPA) (13) (2S,3R)―3―N―(N′―アセチルグ
リシルグリシル)アミノ―2―ヒドロキシ―4
―フエニル酪酸ナトリウム塩 (N―Ac―Gly Gly―AHPA・Na) (14) (2S,3R)―3―N―(R)―アラニル
アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸 (D―Ala―AHPA) (15) (2S,3R)―3―N―(N′―ホルミル―
(R)―アラニル)アミノ―2―ヒドロキシ―
4―フエニル酪酸ナトリウム塩 (N―For―D―Ala―AHPA・Na) (16) (2R,3S)―3―N―(S)―チロシル
グリシルグリシルアミノ―2―ヒドロキシ―4
―フエニル酪酸(Tyr Gly Gly―(2R,3S)
―AHPA) (17) (2S,3R)―3―N―(R)―フエニル
アルニルアミノ―2―ヒドロキシ―4―P―ヒ
ドロキシフエニル酪酸(D―Phe―p―OH―
AHPA) (18) (2R,3R)―3―N―(R)―ロイシル
アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸 (D―Leu―(2R,3R)―AHPA) 実験例1 エンケフアリナーゼ阻害作用 実験方法 エンケフアリナーゼの調製はラツトの
線条体をホモジナイズし、ゴーレンスタイン
(Gorenstein)等の方法(Life Science,第25号、
第2065〜2070頁、1979)に準じて部分的に精製し
た。 試験化合物はトリス塩酸緩衝液(PH7.7)と1
%トリトン×100の混合液に容積で1/10量を溶解
し、さらにエンケフアリナーゼを加え、5分間イ
ンキユベーシヨンした後、基質であるメチオニン
―エンケフアリンを加え37℃で1時間インキユベ
ーシヨンした後、生成するTyr―Gly―Glyメチ
オニン―エンケフアリンのフラグメント)を電気
化学検出器付高速液体クロマトグラフイーにより
分離定量を行ない、IC50値を求めた。 結果は表1(第2欄)に示す通りである。 実験例2 モルヒネ鎭痛増強作用 実験方法 あらかじめウイスターラツトに0.5mg/Kgのモ
ルヒネを投与し、モルヒネ鎭痛有効ラツトと無効
ラツトに分類し、モルヒネ鎭痛増強作用に対して
はモルヒネ鎭痛無効ラツトを用いた。 分類の方法は昭和医学雑誌第39号、第537〜542
頁(1979)に準じた。この分類の後約一週間以上
経過した後、5%アラビアゴム+1%Tween80
液に懸濁した本発明の化合物を250mg/Kg腹腔内
投与し、次いでモルヒネ0.5mg/Kgを投与し、鎭
痛効果をtail flick法により検定した。tail flick
法による痛覚閾値の測定は次のようである。尾の
先端より1cm位のところを黒く塗り、これに放射
熱を適用して尾の逃避反射の潜伏時間を測定し
た。コントロールの尾の逃避反射の潜伏時間は平
均約2.0秒となるように熱量を調節し、最高7.0秒
まで測定した。それ以上時間がかかる場合は尾の
皮膚の損傷を防ぐため測定しなかつた。各点にお
ける尾逃避反射の潜伏時間は、5回の測定の平均
値をとり、15分間隔で測定した。 なお、各動物における尾逃避反射の潜伏時間の
変化は、コントロール(0.5mg/Kgモルヒネ単独
処置)と検体250mg/Kg+モルヒネ0.5mg/Kg投与
の鎭痛効果を比較した。 結果は表1(第3欄)に示す通りである。
【表】
実験例3 酢酸ライジング法による鎭痛効果
実験方法 ddy系雄性マウス(5週令)を1群10
匹として使用した。0.5%アラビアゴム・7%ニ
ツコール(Nikkol)HCo60溶液に懸濁された供
試化合物、D―Phe―AHPAを30,150及び250
mg/Kg宛、皮下投与した。30分後0.6%酢酸水溶
液0.1ml/10gを腹腔内投与し、その5分後から測
定開始して、15分間に起るマウスのライジング反
応(酢酸の注射により誘起されるマウス腹部の捻
転、伸展、等の動運動;「医薬開発基礎講座」第
5巻283頁(1971年地人書館発行)参照)の回数
を測定した。供試化合物を含まない0.5%アラビ
アゴム・7%ニツコールHCo60溶液を同様に投
与した別のマウス群(コントロール群)について
得られた結果と比較して抑制率を算定した。有意
差判定はStudentst―test)を用いた。 実験結果 結果は次の表2に示す通りである。 D―Phe―AHPAは用量依存的に酢酸ライジン
グ反応を抑制し、単独で鎭痛効果が認められた。
匹として使用した。0.5%アラビアゴム・7%ニ
ツコール(Nikkol)HCo60溶液に懸濁された供
試化合物、D―Phe―AHPAを30,150及び250
mg/Kg宛、皮下投与した。30分後0.6%酢酸水溶
液0.1ml/10gを腹腔内投与し、その5分後から測
定開始して、15分間に起るマウスのライジング反
応(酢酸の注射により誘起されるマウス腹部の捻
転、伸展、等の動運動;「医薬開発基礎講座」第
5巻283頁(1971年地人書館発行)参照)の回数
を測定した。供試化合物を含まない0.5%アラビ
アゴム・7%ニツコールHCo60溶液を同様に投
与した別のマウス群(コントロール群)について
得られた結果と比較して抑制率を算定した。有意
差判定はStudentst―test)を用いた。 実験結果 結果は次の表2に示す通りである。 D―Phe―AHPAは用量依存的に酢酸ライジン
グ反応を抑制し、単独で鎭痛効果が認められた。
【表】
本発明に用いる化合物は、エンケフアリナーゼ
阻害作用を示し、モルヒネの鎭痛効果を約6倍ま
で増強する。通常の鎭痛試験においても鎭痛効果
を示す。 本発明の一般式(1)の化合物の毒性をGly―
AHPAについて評価した。すなわちICR系マウ
ス(雄、5週令、体重20g、一群6匹)に供試化
合物を経口投与したところ、Gly―AHPAでは
2g/Kgで全例生存し、本発明の化合物が低毒性
であることを示している。 以上のことより、本発明の化合物は新しいタイ
プの鎭痛薬として広く用いられることを示してい
る。 鎭痛剤としての一般式(1)の化合物は、経口、注
射また腰椎穿刺などによる髄腔内直接投与、方法
も可能であり、各種PH調整剤、安定化剤、賦形剤
を添加してそれぞれの形態の製剤とすることがで
きる。一般式()で示される本発明化合物又は
その塩を活性成分として含有する鎭痛剤は、主と
して静脈注射等の注射剤、カプセル剤、錠剤、散
剤等の経口剤、もしくは直腸投与剤、油脂性座
薬、水溶性座薬の如き種々の剤型に調製できる。
これらの各種の製剤は通常用いられている賦形
剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活
性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補
助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤等を用いて
常法により製造できる。 本発明化合物の投与量は症状や年令、性別等を
考慮して、個々の症例に応じて適宜決定される
が、通常成人1日あたり100〜3000mgであり、こ
れを1日1〜3回に分けて投与する。 製剤例1 錠剤 本発明の化合物(10)(前記の略号D―Phe―
AHPAの化合物)1部、乳糖2.7部、コーンスタ
ーチ0.8部、ポリビニルピロリドン0.05部を混合
し、常法によりエタノールで造粒乾燥、整粒し、
これに0.5%のステアリン酸マグネシウムを加え
混合後、常法により1錠100mgの錠剤とする。 製剤例2 注射剤 本発明の化合物(10)(D―Phe―AHPA)10g、
マンニトーン5gを注射用蒸留水に溶解して常法
により除菌した後、2mlずつバイアルに分注し注
射液とする。 以下に、本発明化合物の合成例を実施例で説明
するが、これら実施例に本発明は限定されるもの
ではない。 実施例1 (2S,3R)―3―N―グリシルアミ
ノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニルグリシン1.26g
(6.0mM)と(2S,3R)―3―アミノ―2―ヒ
ドロキシ―4―フエニル酪酸ベンジルエステル―
p―トルエンスルホン酸塩2.75g(6.0mM)とをテ
トラヒドロフラン20mlに加え、これにN―メチル
モルホリン0.66ml(6.0mM)及び1―ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール811mg(6.0mM)を加えて氷
冷し、更にジシクロヘキシルカルボジイミド
1.362g(6.6mM)を加え、氷冷下に4時間撹拌し
た。析出する尿素誘導体を去後、液を減圧下
に濃縮乾固した。残渣を酢酸エチル30mlに溶解
し、1規定塩酸10ml、蒸溜水10ml、1規定苛性ソ
ーダ10ml、蒸溜水10ml×2回で順次洗浄後、溶媒
層を無水硫酸ソーダで乾燥した。硫酸ソーダを
去後減圧下に濃縮乾固し、酢酸エチル―エーテル
より結晶化して(2S,3R)―3―N―ベンジル
オキシカルボニルグリシルアミノ―2―ヒドロキ
シ―4―フエニル酪酸ベンジルエステル2.80g
(5.88mM;収率98%)を得た。 この2.7g(5.67mM)をジオキサン27mlに溶解
し、水9ml、パラジウム黒300mgを加え3気圧の
水素で室温下16時間加水素分解を行なつた。触媒
を去、液を減圧下に濃縮乾固し更にメタノー
ルより結晶化して(2S,3R)―3―グリシルア
ミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸の結晶
1.13g、(4.48mM;収率74.7%)を得た。融点210
〜213℃(分解)。〔α〕25 D+22.5゜(c=1.0,1N―
HCl)、質量分析値はm/e253(M+1)を与え
た。 元素分析値(C12H16N2O4、分子量252.273とし
て) 実測値 C56.95%、H6.43%、N10.89% 計算値 C57.13%、H6.39%、N11.10% 実施例2 (2S,3R)―3―N―グリシルアミ
ノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸メチル
エステル塩酸塩の合成 実施例1で得られた(2S,3R)―3―グリシ
ルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸
505mg(2.0mM)を5%HCl―メタノール20mlに
溶解し室温に一夜放置した。これを減圧下に濃縮
乾固して630mgの粗物質を得た。これを5mlの蒸
溜水に溶解しAmberliteXT―2のカラム(200
ml)にかけて蒸溜水で展開精製し、溶離液を濃縮
乾固して483mgの白色粉末:(2S,3R)―3―グ
リシルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪
酸メチルエステル塩酸塩を得た。収率80%。融点
105〜126℃(分解)〔α〕25 D+5.0゜(c1.0,1N―
HCl)、質量分析値はm/e267(M+1)を与え
た。 元素分析値(C13H18N2O4・HCl、分子量302.760
として) 実測値 C51.12% H6.54% N9.03% 計算値 C51.57% H6.33% N9.25% 実施例3 (2S,3R)―3―N―(N′―アセチ
ルグリシル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―フ
エニル酪酸メチルエステルの合成 実施例2と同様にして得られた(2S,3R)―
3―N―グリシルアミノ―2―ヒドロキシ―4―
フエニル酪酸メチルエステル塩酸塩605mg
(2.0mM)を水10mlに溶解し、アンンバーライト
CG400(酢酸型)10mlのカラムにかけ更に蒸溜水
20mlで洗浄した。通過液及び水洗液を合併し減圧
下に濃縮乾固した後メタノール10ml及び無水酢酸
2mlを加え、室温下30分撹拌した。反応液を減圧
濃縮後メタノール―水より結晶化し510mgの結晶
を得た(1.65mM)。収率82.5%、融点151〜157℃
(分解)。〔α〕25 D―34゜(c1.0、メタノール)、質
量分
析値(FD)はm/e308(M+)及び331(M+Na)+
を与えた。 元素分析値(C15H20N2O5、分子量308.336とし
て) 実測値 C58.41% H6.60% N8.95% 計算値 C58.43% H6.54% N9.09% 実施例4 (2S,3R)―3―N―グリシルグリ
シルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪
酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニルグリシルグリシ
ン1.33g(5.0mM)と(2S,3R)―3―アミノ―
2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸ベンジルエス
テル―p―トルエンスルホン酸塩2.29g(5.0mM)
を実施例1と同様に処理して2.51g(4.7mM;94
%)の保護体の粉末を得た。更に本物質を実施例
1と同様に脱保護処理を行ない、メタノールから
再結晶し1.18g(3.81mM、76.2%)の結晶を得た。
融点183〜188℃(分解)。〔α〕25 D−15゜(c1.0、1N
―HCl)、質量分析値はm/e310(M+1)を与え
た。 元素分析値(C14H19N3O5、分子量309.324とし
て) 実測値 C53.98% H6.30% N13.29% 計算値 C54.36% H6.19% N13.58% 実施例5 (2S,3R)―3―グリシルグリシル
アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸メ
チルエステル塩酸塩の合成 実施例4で得た(2S,3R)―3―N―グリシ
ルグリシルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニ
ル酪酸619mg(2.0mM)から実施例2と同様の処
理によつて(2S,3R)―3―N―グリシルグリ
シルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸
メチルエステル塩酸塩の白色粉末583mg
(1.62mM;収率81%)を得た。融点106〜116℃
(分解)。〔α〕25 D+12゜(c1.0、1N―HCl)質量分析
値はm/e324(M+1)を与えた。 元素分析値(C15H21N3O5・HCl、分子量359.812
として) 実測値 C49.16% H6.35% N11.33% 計算値 C50.07% H6.16% N11.68% 実施例6 (2S,3R)―3―N―(N′―アセチ
ルグリシルグリシル)―アミノ―2―ヒドロキ
シ―4―フエニル酪酸の合成 実施例4で得た(2S,3R)―3―N―グリシ
ルグリシルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニ
ル酪酸619mg(2.0mM)にメタノール10ml、無水
酢酸2mlを加え室温下2時間撹拌した。反応液を
減圧下に濃縮乾固した後残渣をメタノール5mlに
溶解しセフアデツクスLH20のカラム(500ml)
にかけメタノールで展開分画した。目的物質を含
む分画を減圧濃縮乾固した後水から再結晶し561
mg(1.6mM;収率80%)の結晶を得た。融点114
〜132℃(分解)。〔α〕25 D−47゜(c1.0、0.1N―
NaOH)質量分析値(FD)はm/e352(M+1)
+及び374(M+Na)+を与えた。 元素分析値(C16H21N3O6、分子量351.361とし
て) 実測値 C54.55% H6.13% N11.72% 計算値 C54.70% H6.02% N11.96% 実施例7 (2S,3R)―3―N―(N′―メチル
グリシル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエ
ニル酪酸(Sar―AHPA)の合成 N―ベンジルオキシカルボニル―N―メチルグ
リシン2.23g(10mM)と((2S,3R)―3―アミ
ノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸ベンジル
エステル―p―トルエンスルホン酸塩4.58g
(10mM)を実施例1と同様に処理して4.36g、
(8.89mM);88.9%)の保護体の粉末を得た。更
に本物質を実施例1と同様に脱保護処理を行な
い、メタノールから再結晶して1.9g(7.14mM);
71.4%)の結晶を得た。融点240〜244℃(分解)。
〔α〕25 D+33゜(c1.0、1N―HCl)質量分析値はm/
e267(M+1)+を与えた。 元素分析値(C13H18N2O4、分子量266.299とし
て) 実測値 C58.33% H6.89% N10.37% 計算値 C58.64% H6.81% N10.52% 実施例8 (2S,3R)―3―N―(S)―ロイ
シルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪
酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニル―(S)―ロイ
シン2.65g(10mM)と(2S,3R)―3―アミノ
―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸ベンジルエ
ステル―p―トルエンスルホン酸塩4.58g10mM)
を実施例1と同様に処理して、4.85g(9.1mM、91
%)の保護体を得た。更に本物質を実施例1と同
様に脱保護処理を行ない結晶2.43g(7.89mM;
78.9%)を得た。 融点207〜210℃(分解)。〔α〕25 D−3゜(c1.0、1N―
HCl)質量分析値はm/e309(M+1)+を与えた。 元素分析値(C16H24N2O4、分子量308.380とし
て) 実測値 C62.15% H7.83% N8.87% 計算値 C62.32% H7.84% N9.08% 実施例9 (2S,3R)―3―N―(R)―ロイ
シルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪
酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニル―(R)―ロイ
シン1.33g(5mM)と(2S,3R)―3―アミノ―
2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸ベンジルエス
テル―p―トルエンスルホン酸塩2.29g(5mM)
を実施例1と同様に処理して2.33g(4.37mM;
87.4%)の保護体を得た。更に実施例1と同様に
脱保護処理を行ない結晶1.15g(3.73mM;74.6%)
を得た。 融点184〜189℃(分解) 〔α〕25 D+40゜(c1.0、1N―HCl)質量分析値は
m/e309((M+1)+)を与えた。 元素分析値(C16H24N2O4;分子量308.380とし
て) 実測値 C62.03% H7.92% N8.75% 計算値 C62.32% H7.84% N9.08% 実施例10 (2S,3R)―3―N―R―フエニル
アラニルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニ
ル酪酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニル―(R)―フエ
ニルアラニン2.99g(10mM)と(2S,3R)―3
―アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸グ
リシルエステル―p―トルエンスルホン酸塩
4.58g(10mM)を実施例1と同様に処理して
5.31g(9.37mM)の保護体を粉末を得た。更に実
施例1と同様に脱保護処理を行ない結晶2.82g
(8.24mM;82.4%)を得た。 融点178〜182℃(分解) 〔α〕25 D+63゜(c1.0、1N―HCl)質量分析値は
m/e343((M+1)+)を与えた。 元素分析値(C19H22N2O4、分子量342.398とし
て) 実測値 C66.38% H6.37% N8.01% 計算値 C66.65% H6.48% N8.18% 実施例11 (2S,3R)―3―N―〔4′―アミノ
―(2′S)―2′ヒドロキシ―ブタノイル〕アミ
ノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸
(HABA―AHPA)の合成 (S)―4―N―ベンジルオキシカルボニルア
ミノ―2―ヒドロキシ酪酸2.53g(10mM)と
(2S,3R)―3―アミノ―2―ヒドロキシ―4―
フエニル酪酸ベンジルエステル―p―ドルエンス
ルホン酸塩4.58g(10mM)を実施例1と同様に処
理して4.75g(9.12mM;91.2%)の保護体の粉末
を得た。更に実施例1と同様に脱保護処理を行な
い結晶2.24g(7.56mM;75.6%)を得た。 融点108〜128℃(分解) 〔α〕25 D−20゜(C1.0、1N―HCl)質量分析値は
m/e297((M+1)+)を与えた。 元素分析値(C14H20N2O5、分子量296.325とし
て) 実測値 C56.28% H6.96%、N9.11% 計算値 C56.75% H6.80%、N9.45% 実施例12 (2S,3R)―3―N―〔(2′S,3′R)
―3′―アミノ―2′―ヒドロキシ―4′―フエニル
ブタノイル〕アミノ―2―ヒドロキシ―4―フ
エニル酪酸(AHPA―AHPA)の合成 (2S,3R)―3―N―ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸
3.29g(10mM)と(2S,3R)―3―アミノ―2
―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸ベンジルエステ
ル―p―トルエンスルホン酸塩4.58g(10mM)を
実施例1と同様に処理して5.38g(9.02mM;90.2
%)の保護体の粉末を得た。更に実施例1と同様
に脱保護処理を行ない結晶2.63g(7.06mM;70.6
%)を得た。 融点221〜235℃(分解)。 〔α〕25 D−41゜(c1.0、1N―HCl)質量分析値は
m/e373((M+1)+)を与えた。 元素分析値(C20H24N2O5、分子量372.424とし
て) 実測値 C64.15% H6.39% N7.18% 計算値 C64.50% H6.50% N7.52% 実施例13 (2S,3R)―3―N―(N′―アセチ
ルグリシルグリシル)アミノ―2―ヒドロキシ
―4―フエニル酪酸Na塩の合成 実施例6で得た(2S,3R)―3―N―(N′―
アセチルグリシルグリシル)アミノ―2―ヒドロ
キシ―4―フエニル酪酸176mg(0.5mM)を蒸溜
水5mlに懸濁し1規定苛性ソーダ水溶液を加えつ
つPH8.0とし溶解させた。この溶液をアンバーラ
イトXT―2のカラム(70ml)にかけ水で展開し
た。10mlずつ分画し薄層クロマトグラフイーによ
り判定してフラクシヨン9〜20を合併、減圧濃縮
の後凍結乾燥し157mgの白色粉末(0.42mM;84
%)を得た。 融点272〜277℃(分解)。10mg/mlの水溶液のPH
は7.6。 〔α〕25 D−45゜(C1.0、0.1N―NaOH)質量分析値
は 元素分析値(C16H20N3O6Na 分子量373.343と
して) 実測値 C50.96% H5.59% N10.93% 計算値 C51.47% H5.40% N11.26% 実施例14 (2S,3R)―3―N―(R―アラニ
ル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪
酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニル―(R)―アラ
ニン941mg、(2S,3R)―3―アミノ―2―ヒド
ロキシ―4―フエニル酪酸グリシルエステル―p
―トルエンスルホン酸塩1.879g、N―メチルモル
ホリン0.464ml、N―ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール627mgをテトラヒドロフラン8mlに溶解し、
ジシクロヘキシルカルボイミド958mgを加え実施
例1のごとく反応処理を行なう。得られた粗保護
体をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(吸着
剤マリンクロツトCC―7 50g、展開溶媒クロロ
ホルム)で精製し純品1.88gを得る。本物質は質
量分析でm/e491(M+1)を与える。本物質の
脱保護は実施例1と同様に行い得られた脱保護体
をメタノールから再結晶し768mgの無色針状晶を
得た。質量分析m/e=267(M+1) 融点215〜230℃(着色分解)、 〔α〕25 D+75.4゜(c1.0、酢酸) 元素分析値(C13H18N2O4=266.33として) 計算値 C58.62% H6.83% N10.52% 実測値 C58.94% H6.35% N10.26% 実施例15 (2S,3R)―3―N―(N′―ホルミ
ル―R―アラニル)アミノ―2―ヒドロキシ―
4―フエニル酪酸ナトリウムの合成 実施例14で得られた(2S,3R)―3―N―
(R)―アラニルアミノ―2―ヒドロキシ―4―
フエニル酪酸53.3mgを98%ギ酸0.4mlに溶解し、
氷冷下無水酢酸0.14mlを30分間で滴下する。氷冷
下15分反応後、室温で2日間反応させたが、目的
物以外に少量の原料の残存も確認した。この反応
液を濃縮乾固し、水1mlを加え再溶解し、濃縮す
る操作を3回くり返す。この残渣にアセトン3
ml、酢酸エチル1mlを加えスラリー洗滌してろ紙
で、不溶の原料を去する。ろ液を濃縮乾固し、
47mgの無色粉末を得る。この物質は質量分析で
m/e295(M+1)を与える。これを水2mlに懸
濁し、炭酸水素ナトリウム12.5mgを加えてPH7.8
とする。この溶液を150mg(0.5ml)のダイヤイオ
ンHP−20樹脂を詰めたカラムに入れ、水、水:
メタノール(10:1)、同(5:1)、同(3:
1)で順に展開し、水−メタノール(3:1)の
フラクシヨンを濃縮し、目的物25mgを無色針状晶
として得る。 融点185℃〜189℃(分解) 〔α〕25 D=+91.2゜ (c1.0、H2O) 元素分析値((C14H16N2O5Na=317.33として) 計算値 C52.99% H5.73% N8.83% Na7.24% 実測値 C52.26% H5.42% N8.62% 実施例16 (2R,3R)―3―N―(R―ロイシ
ル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪
酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニル―(R)―ロイ
シン210mg、(2S,3R)―3―アミノ―2―ヒド
ロキシ―4―フエニル酪酸ベンジルエステス・p
トルエンスルホン酸塩330mg、N―メチルモルホ
リン0.087ml、N―ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル98mgをテトラヒドロフラン2.5mlに溶解しジシ
クロヘキシルカルボジイミド164mgを氷冷下加え、
撹拌反応する。実施例1と同様に処理して得られ
た保護体を酢酸エチルから再結晶し、3.41mgの結
晶を得た。本品は質量分析でm/e=532(M+
1)を与える。脱保護反応は実施例1のごとく実
施し、目的物109mgを得た。 融点225〜229℃(分解) 〔α〕D=−9.0゜(c1.0、酢酸) 質量分析m/e=309(M+1)。 元素分析値(C16H24N2O4=308.42として) 計算値 C62.32% H7.84% N9.08% 実測値 C61.51% H8.03% N84.3% 実施例17 (2S,3R)―3―N―(S―チロシ
ル―グリシル―グリシル)アミノ―2―ヒドロ
キシ―4―フエニル酪酸の合成 (S)―チロシル―グリシルグリシン(シグマ
社)100mg(0.34mmol)をトリエチル―アミン
0.08ml、水0.22mlに溶解し、これにZ―S試薬
(ベンジル4,6―ジメチルピリミジル―2―チ
オールカーボネイト)(アミノ保護基、ベンジル
オキシカルボニル基導入のための試薬)0.18g
(0.37mmol)を0.22mlのジオキサンに溶解した溶
液を加え、室温下10時間反応せしめる。常法
(Bulleteln of the Chemical Soeiety of
Japan、46、1269(1973))に従い処理を行ない、
得られた寒天状固体にエタノール1ml、ベンゼン
1mlを加え、上澄と沈殿をデカンテーシヨン(傾
斜)により分離する。上澄はN,O―ビスベンジ
ルオキシカルボニル―(S)―チロシルグリシル
グリシンで70mg、沈殿はN―ベンジルオキシカル
ボニル―(S)―チロシルグリシルグリシン78mg
である。 後者に(2R,3S)AHPAベンジルエステル―
p―トルエンスルホン酸塩83mg、N―メチルモル
ホリン0.024ml、N―ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール25mgを加え、テトラヒドロフラン2mlに溶解
する。氷冷後ジシクロヘキシルカルボジイミド41
mgを加え、氷冷下2日間反応させる。実施例1と
同様に処理し、保護体粉末117mgを得る。本物質
は質量分析でm/e697(M+1)を与える。脱保
護反応は実施例1と同様に加水素分解で行ない、
反応液を濃縮後、水、メタノール混合溶媒で沈殿
化し、32mgの無色固体として目的物を得た。 融点169〜171℃(分解) 〔α〕25 D−13.0゜(c1.0酢酸)質量分析でm/e=
7.73(M+1)を与える。 元素分析値(C23H28N4O7=472.55として) 計算値 C58.46% H5.98% N11.86% 実測値 C58.01% H5.96% N12.22% 実施例18 (2S,3R)―3―N―(R―フエニ
ルアラニル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―フ
エニル酪酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニル―R―フエニル
アラニン1.495gと(2S,3R)―3―N―アミノ
―2―ヒドロキシ―4―p―ヒドロキシフエニル
酪酸ベンジルエステル―p―トルエンスルホン酸
塩2.368gを実施例1と同様に反応後、処理して
2.63gの保護体を無色粉末として得た。この化合
物を実施例1と同様に加水素分解反応により脱保
護を行なつた。成績体は水―ジオキサン混合溶媒
に難溶のため、1N―HCl4.3mlでPH1.5として溶解
し触媒を去した。この溶液を濃アンモニア水
0.3mlで中断し、PH7とした後、約3mlまで濃縮
し、析出した沈殿を取後、水、エタノールエー
テルで順に洗滌し、目的物1.32gを無色粉末とし
て得る。 融点175〜180℃(分解) 質量分析m/e359(M+1) 元素分析値(C19H22N2O5=358.43として) 実測値 C63.15% H6.56% N7.41% 計算値 C63.66% H6.20% N7.82% 薄層クロマトグラフイー(酢酸―n―ブチル―
nブタノール―酢酸―水(4:4:1:1)) TLCプレート:メルクArt5715 Rf値0.47(単一スポツト)。
阻害作用を示し、モルヒネの鎭痛効果を約6倍ま
で増強する。通常の鎭痛試験においても鎭痛効果
を示す。 本発明の一般式(1)の化合物の毒性をGly―
AHPAについて評価した。すなわちICR系マウ
ス(雄、5週令、体重20g、一群6匹)に供試化
合物を経口投与したところ、Gly―AHPAでは
2g/Kgで全例生存し、本発明の化合物が低毒性
であることを示している。 以上のことより、本発明の化合物は新しいタイ
プの鎭痛薬として広く用いられることを示してい
る。 鎭痛剤としての一般式(1)の化合物は、経口、注
射また腰椎穿刺などによる髄腔内直接投与、方法
も可能であり、各種PH調整剤、安定化剤、賦形剤
を添加してそれぞれの形態の製剤とすることがで
きる。一般式()で示される本発明化合物又は
その塩を活性成分として含有する鎭痛剤は、主と
して静脈注射等の注射剤、カプセル剤、錠剤、散
剤等の経口剤、もしくは直腸投与剤、油脂性座
薬、水溶性座薬の如き種々の剤型に調製できる。
これらの各種の製剤は通常用いられている賦形
剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活
性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補
助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤等を用いて
常法により製造できる。 本発明化合物の投与量は症状や年令、性別等を
考慮して、個々の症例に応じて適宜決定される
が、通常成人1日あたり100〜3000mgであり、こ
れを1日1〜3回に分けて投与する。 製剤例1 錠剤 本発明の化合物(10)(前記の略号D―Phe―
AHPAの化合物)1部、乳糖2.7部、コーンスタ
ーチ0.8部、ポリビニルピロリドン0.05部を混合
し、常法によりエタノールで造粒乾燥、整粒し、
これに0.5%のステアリン酸マグネシウムを加え
混合後、常法により1錠100mgの錠剤とする。 製剤例2 注射剤 本発明の化合物(10)(D―Phe―AHPA)10g、
マンニトーン5gを注射用蒸留水に溶解して常法
により除菌した後、2mlずつバイアルに分注し注
射液とする。 以下に、本発明化合物の合成例を実施例で説明
するが、これら実施例に本発明は限定されるもの
ではない。 実施例1 (2S,3R)―3―N―グリシルアミ
ノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニルグリシン1.26g
(6.0mM)と(2S,3R)―3―アミノ―2―ヒ
ドロキシ―4―フエニル酪酸ベンジルエステル―
p―トルエンスルホン酸塩2.75g(6.0mM)とをテ
トラヒドロフラン20mlに加え、これにN―メチル
モルホリン0.66ml(6.0mM)及び1―ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール811mg(6.0mM)を加えて氷
冷し、更にジシクロヘキシルカルボジイミド
1.362g(6.6mM)を加え、氷冷下に4時間撹拌し
た。析出する尿素誘導体を去後、液を減圧下
に濃縮乾固した。残渣を酢酸エチル30mlに溶解
し、1規定塩酸10ml、蒸溜水10ml、1規定苛性ソ
ーダ10ml、蒸溜水10ml×2回で順次洗浄後、溶媒
層を無水硫酸ソーダで乾燥した。硫酸ソーダを
去後減圧下に濃縮乾固し、酢酸エチル―エーテル
より結晶化して(2S,3R)―3―N―ベンジル
オキシカルボニルグリシルアミノ―2―ヒドロキ
シ―4―フエニル酪酸ベンジルエステル2.80g
(5.88mM;収率98%)を得た。 この2.7g(5.67mM)をジオキサン27mlに溶解
し、水9ml、パラジウム黒300mgを加え3気圧の
水素で室温下16時間加水素分解を行なつた。触媒
を去、液を減圧下に濃縮乾固し更にメタノー
ルより結晶化して(2S,3R)―3―グリシルア
ミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸の結晶
1.13g、(4.48mM;収率74.7%)を得た。融点210
〜213℃(分解)。〔α〕25 D+22.5゜(c=1.0,1N―
HCl)、質量分析値はm/e253(M+1)を与え
た。 元素分析値(C12H16N2O4、分子量252.273とし
て) 実測値 C56.95%、H6.43%、N10.89% 計算値 C57.13%、H6.39%、N11.10% 実施例2 (2S,3R)―3―N―グリシルアミ
ノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸メチル
エステル塩酸塩の合成 実施例1で得られた(2S,3R)―3―グリシ
ルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸
505mg(2.0mM)を5%HCl―メタノール20mlに
溶解し室温に一夜放置した。これを減圧下に濃縮
乾固して630mgの粗物質を得た。これを5mlの蒸
溜水に溶解しAmberliteXT―2のカラム(200
ml)にかけて蒸溜水で展開精製し、溶離液を濃縮
乾固して483mgの白色粉末:(2S,3R)―3―グ
リシルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪
酸メチルエステル塩酸塩を得た。収率80%。融点
105〜126℃(分解)〔α〕25 D+5.0゜(c1.0,1N―
HCl)、質量分析値はm/e267(M+1)を与え
た。 元素分析値(C13H18N2O4・HCl、分子量302.760
として) 実測値 C51.12% H6.54% N9.03% 計算値 C51.57% H6.33% N9.25% 実施例3 (2S,3R)―3―N―(N′―アセチ
ルグリシル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―フ
エニル酪酸メチルエステルの合成 実施例2と同様にして得られた(2S,3R)―
3―N―グリシルアミノ―2―ヒドロキシ―4―
フエニル酪酸メチルエステル塩酸塩605mg
(2.0mM)を水10mlに溶解し、アンンバーライト
CG400(酢酸型)10mlのカラムにかけ更に蒸溜水
20mlで洗浄した。通過液及び水洗液を合併し減圧
下に濃縮乾固した後メタノール10ml及び無水酢酸
2mlを加え、室温下30分撹拌した。反応液を減圧
濃縮後メタノール―水より結晶化し510mgの結晶
を得た(1.65mM)。収率82.5%、融点151〜157℃
(分解)。〔α〕25 D―34゜(c1.0、メタノール)、質
量分
析値(FD)はm/e308(M+)及び331(M+Na)+
を与えた。 元素分析値(C15H20N2O5、分子量308.336とし
て) 実測値 C58.41% H6.60% N8.95% 計算値 C58.43% H6.54% N9.09% 実施例4 (2S,3R)―3―N―グリシルグリ
シルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪
酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニルグリシルグリシ
ン1.33g(5.0mM)と(2S,3R)―3―アミノ―
2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸ベンジルエス
テル―p―トルエンスルホン酸塩2.29g(5.0mM)
を実施例1と同様に処理して2.51g(4.7mM;94
%)の保護体の粉末を得た。更に本物質を実施例
1と同様に脱保護処理を行ない、メタノールから
再結晶し1.18g(3.81mM、76.2%)の結晶を得た。
融点183〜188℃(分解)。〔α〕25 D−15゜(c1.0、1N
―HCl)、質量分析値はm/e310(M+1)を与え
た。 元素分析値(C14H19N3O5、分子量309.324とし
て) 実測値 C53.98% H6.30% N13.29% 計算値 C54.36% H6.19% N13.58% 実施例5 (2S,3R)―3―グリシルグリシル
アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸メ
チルエステル塩酸塩の合成 実施例4で得た(2S,3R)―3―N―グリシ
ルグリシルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニ
ル酪酸619mg(2.0mM)から実施例2と同様の処
理によつて(2S,3R)―3―N―グリシルグリ
シルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸
メチルエステル塩酸塩の白色粉末583mg
(1.62mM;収率81%)を得た。融点106〜116℃
(分解)。〔α〕25 D+12゜(c1.0、1N―HCl)質量分析
値はm/e324(M+1)を与えた。 元素分析値(C15H21N3O5・HCl、分子量359.812
として) 実測値 C49.16% H6.35% N11.33% 計算値 C50.07% H6.16% N11.68% 実施例6 (2S,3R)―3―N―(N′―アセチ
ルグリシルグリシル)―アミノ―2―ヒドロキ
シ―4―フエニル酪酸の合成 実施例4で得た(2S,3R)―3―N―グリシ
ルグリシルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニ
ル酪酸619mg(2.0mM)にメタノール10ml、無水
酢酸2mlを加え室温下2時間撹拌した。反応液を
減圧下に濃縮乾固した後残渣をメタノール5mlに
溶解しセフアデツクスLH20のカラム(500ml)
にかけメタノールで展開分画した。目的物質を含
む分画を減圧濃縮乾固した後水から再結晶し561
mg(1.6mM;収率80%)の結晶を得た。融点114
〜132℃(分解)。〔α〕25 D−47゜(c1.0、0.1N―
NaOH)質量分析値(FD)はm/e352(M+1)
+及び374(M+Na)+を与えた。 元素分析値(C16H21N3O6、分子量351.361とし
て) 実測値 C54.55% H6.13% N11.72% 計算値 C54.70% H6.02% N11.96% 実施例7 (2S,3R)―3―N―(N′―メチル
グリシル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエ
ニル酪酸(Sar―AHPA)の合成 N―ベンジルオキシカルボニル―N―メチルグ
リシン2.23g(10mM)と((2S,3R)―3―アミ
ノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸ベンジル
エステル―p―トルエンスルホン酸塩4.58g
(10mM)を実施例1と同様に処理して4.36g、
(8.89mM);88.9%)の保護体の粉末を得た。更
に本物質を実施例1と同様に脱保護処理を行な
い、メタノールから再結晶して1.9g(7.14mM);
71.4%)の結晶を得た。融点240〜244℃(分解)。
〔α〕25 D+33゜(c1.0、1N―HCl)質量分析値はm/
e267(M+1)+を与えた。 元素分析値(C13H18N2O4、分子量266.299とし
て) 実測値 C58.33% H6.89% N10.37% 計算値 C58.64% H6.81% N10.52% 実施例8 (2S,3R)―3―N―(S)―ロイ
シルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪
酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニル―(S)―ロイ
シン2.65g(10mM)と(2S,3R)―3―アミノ
―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸ベンジルエ
ステル―p―トルエンスルホン酸塩4.58g10mM)
を実施例1と同様に処理して、4.85g(9.1mM、91
%)の保護体を得た。更に本物質を実施例1と同
様に脱保護処理を行ない結晶2.43g(7.89mM;
78.9%)を得た。 融点207〜210℃(分解)。〔α〕25 D−3゜(c1.0、1N―
HCl)質量分析値はm/e309(M+1)+を与えた。 元素分析値(C16H24N2O4、分子量308.380とし
て) 実測値 C62.15% H7.83% N8.87% 計算値 C62.32% H7.84% N9.08% 実施例9 (2S,3R)―3―N―(R)―ロイ
シルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪
酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニル―(R)―ロイ
シン1.33g(5mM)と(2S,3R)―3―アミノ―
2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸ベンジルエス
テル―p―トルエンスルホン酸塩2.29g(5mM)
を実施例1と同様に処理して2.33g(4.37mM;
87.4%)の保護体を得た。更に実施例1と同様に
脱保護処理を行ない結晶1.15g(3.73mM;74.6%)
を得た。 融点184〜189℃(分解) 〔α〕25 D+40゜(c1.0、1N―HCl)質量分析値は
m/e309((M+1)+)を与えた。 元素分析値(C16H24N2O4;分子量308.380とし
て) 実測値 C62.03% H7.92% N8.75% 計算値 C62.32% H7.84% N9.08% 実施例10 (2S,3R)―3―N―R―フエニル
アラニルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニ
ル酪酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニル―(R)―フエ
ニルアラニン2.99g(10mM)と(2S,3R)―3
―アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸グ
リシルエステル―p―トルエンスルホン酸塩
4.58g(10mM)を実施例1と同様に処理して
5.31g(9.37mM)の保護体を粉末を得た。更に実
施例1と同様に脱保護処理を行ない結晶2.82g
(8.24mM;82.4%)を得た。 融点178〜182℃(分解) 〔α〕25 D+63゜(c1.0、1N―HCl)質量分析値は
m/e343((M+1)+)を与えた。 元素分析値(C19H22N2O4、分子量342.398とし
て) 実測値 C66.38% H6.37% N8.01% 計算値 C66.65% H6.48% N8.18% 実施例11 (2S,3R)―3―N―〔4′―アミノ
―(2′S)―2′ヒドロキシ―ブタノイル〕アミ
ノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸
(HABA―AHPA)の合成 (S)―4―N―ベンジルオキシカルボニルア
ミノ―2―ヒドロキシ酪酸2.53g(10mM)と
(2S,3R)―3―アミノ―2―ヒドロキシ―4―
フエニル酪酸ベンジルエステル―p―ドルエンス
ルホン酸塩4.58g(10mM)を実施例1と同様に処
理して4.75g(9.12mM;91.2%)の保護体の粉末
を得た。更に実施例1と同様に脱保護処理を行な
い結晶2.24g(7.56mM;75.6%)を得た。 融点108〜128℃(分解) 〔α〕25 D−20゜(C1.0、1N―HCl)質量分析値は
m/e297((M+1)+)を与えた。 元素分析値(C14H20N2O5、分子量296.325とし
て) 実測値 C56.28% H6.96%、N9.11% 計算値 C56.75% H6.80%、N9.45% 実施例12 (2S,3R)―3―N―〔(2′S,3′R)
―3′―アミノ―2′―ヒドロキシ―4′―フエニル
ブタノイル〕アミノ―2―ヒドロキシ―4―フ
エニル酪酸(AHPA―AHPA)の合成 (2S,3R)―3―N―ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸
3.29g(10mM)と(2S,3R)―3―アミノ―2
―ヒドロキシ―4―フエニル酪酸ベンジルエステ
ル―p―トルエンスルホン酸塩4.58g(10mM)を
実施例1と同様に処理して5.38g(9.02mM;90.2
%)の保護体の粉末を得た。更に実施例1と同様
に脱保護処理を行ない結晶2.63g(7.06mM;70.6
%)を得た。 融点221〜235℃(分解)。 〔α〕25 D−41゜(c1.0、1N―HCl)質量分析値は
m/e373((M+1)+)を与えた。 元素分析値(C20H24N2O5、分子量372.424とし
て) 実測値 C64.15% H6.39% N7.18% 計算値 C64.50% H6.50% N7.52% 実施例13 (2S,3R)―3―N―(N′―アセチ
ルグリシルグリシル)アミノ―2―ヒドロキシ
―4―フエニル酪酸Na塩の合成 実施例6で得た(2S,3R)―3―N―(N′―
アセチルグリシルグリシル)アミノ―2―ヒドロ
キシ―4―フエニル酪酸176mg(0.5mM)を蒸溜
水5mlに懸濁し1規定苛性ソーダ水溶液を加えつ
つPH8.0とし溶解させた。この溶液をアンバーラ
イトXT―2のカラム(70ml)にかけ水で展開し
た。10mlずつ分画し薄層クロマトグラフイーによ
り判定してフラクシヨン9〜20を合併、減圧濃縮
の後凍結乾燥し157mgの白色粉末(0.42mM;84
%)を得た。 融点272〜277℃(分解)。10mg/mlの水溶液のPH
は7.6。 〔α〕25 D−45゜(C1.0、0.1N―NaOH)質量分析値
は 元素分析値(C16H20N3O6Na 分子量373.343と
して) 実測値 C50.96% H5.59% N10.93% 計算値 C51.47% H5.40% N11.26% 実施例14 (2S,3R)―3―N―(R―アラニ
ル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪
酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニル―(R)―アラ
ニン941mg、(2S,3R)―3―アミノ―2―ヒド
ロキシ―4―フエニル酪酸グリシルエステル―p
―トルエンスルホン酸塩1.879g、N―メチルモル
ホリン0.464ml、N―ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール627mgをテトラヒドロフラン8mlに溶解し、
ジシクロヘキシルカルボイミド958mgを加え実施
例1のごとく反応処理を行なう。得られた粗保護
体をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(吸着
剤マリンクロツトCC―7 50g、展開溶媒クロロ
ホルム)で精製し純品1.88gを得る。本物質は質
量分析でm/e491(M+1)を与える。本物質の
脱保護は実施例1と同様に行い得られた脱保護体
をメタノールから再結晶し768mgの無色針状晶を
得た。質量分析m/e=267(M+1) 融点215〜230℃(着色分解)、 〔α〕25 D+75.4゜(c1.0、酢酸) 元素分析値(C13H18N2O4=266.33として) 計算値 C58.62% H6.83% N10.52% 実測値 C58.94% H6.35% N10.26% 実施例15 (2S,3R)―3―N―(N′―ホルミ
ル―R―アラニル)アミノ―2―ヒドロキシ―
4―フエニル酪酸ナトリウムの合成 実施例14で得られた(2S,3R)―3―N―
(R)―アラニルアミノ―2―ヒドロキシ―4―
フエニル酪酸53.3mgを98%ギ酸0.4mlに溶解し、
氷冷下無水酢酸0.14mlを30分間で滴下する。氷冷
下15分反応後、室温で2日間反応させたが、目的
物以外に少量の原料の残存も確認した。この反応
液を濃縮乾固し、水1mlを加え再溶解し、濃縮す
る操作を3回くり返す。この残渣にアセトン3
ml、酢酸エチル1mlを加えスラリー洗滌してろ紙
で、不溶の原料を去する。ろ液を濃縮乾固し、
47mgの無色粉末を得る。この物質は質量分析で
m/e295(M+1)を与える。これを水2mlに懸
濁し、炭酸水素ナトリウム12.5mgを加えてPH7.8
とする。この溶液を150mg(0.5ml)のダイヤイオ
ンHP−20樹脂を詰めたカラムに入れ、水、水:
メタノール(10:1)、同(5:1)、同(3:
1)で順に展開し、水−メタノール(3:1)の
フラクシヨンを濃縮し、目的物25mgを無色針状晶
として得る。 融点185℃〜189℃(分解) 〔α〕25 D=+91.2゜ (c1.0、H2O) 元素分析値((C14H16N2O5Na=317.33として) 計算値 C52.99% H5.73% N8.83% Na7.24% 実測値 C52.26% H5.42% N8.62% 実施例16 (2R,3R)―3―N―(R―ロイシ
ル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―フエニル酪
酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニル―(R)―ロイ
シン210mg、(2S,3R)―3―アミノ―2―ヒド
ロキシ―4―フエニル酪酸ベンジルエステス・p
トルエンスルホン酸塩330mg、N―メチルモルホ
リン0.087ml、N―ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル98mgをテトラヒドロフラン2.5mlに溶解しジシ
クロヘキシルカルボジイミド164mgを氷冷下加え、
撹拌反応する。実施例1と同様に処理して得られ
た保護体を酢酸エチルから再結晶し、3.41mgの結
晶を得た。本品は質量分析でm/e=532(M+
1)を与える。脱保護反応は実施例1のごとく実
施し、目的物109mgを得た。 融点225〜229℃(分解) 〔α〕D=−9.0゜(c1.0、酢酸) 質量分析m/e=309(M+1)。 元素分析値(C16H24N2O4=308.42として) 計算値 C62.32% H7.84% N9.08% 実測値 C61.51% H8.03% N84.3% 実施例17 (2S,3R)―3―N―(S―チロシ
ル―グリシル―グリシル)アミノ―2―ヒドロ
キシ―4―フエニル酪酸の合成 (S)―チロシル―グリシルグリシン(シグマ
社)100mg(0.34mmol)をトリエチル―アミン
0.08ml、水0.22mlに溶解し、これにZ―S試薬
(ベンジル4,6―ジメチルピリミジル―2―チ
オールカーボネイト)(アミノ保護基、ベンジル
オキシカルボニル基導入のための試薬)0.18g
(0.37mmol)を0.22mlのジオキサンに溶解した溶
液を加え、室温下10時間反応せしめる。常法
(Bulleteln of the Chemical Soeiety of
Japan、46、1269(1973))に従い処理を行ない、
得られた寒天状固体にエタノール1ml、ベンゼン
1mlを加え、上澄と沈殿をデカンテーシヨン(傾
斜)により分離する。上澄はN,O―ビスベンジ
ルオキシカルボニル―(S)―チロシルグリシル
グリシンで70mg、沈殿はN―ベンジルオキシカル
ボニル―(S)―チロシルグリシルグリシン78mg
である。 後者に(2R,3S)AHPAベンジルエステル―
p―トルエンスルホン酸塩83mg、N―メチルモル
ホリン0.024ml、N―ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール25mgを加え、テトラヒドロフラン2mlに溶解
する。氷冷後ジシクロヘキシルカルボジイミド41
mgを加え、氷冷下2日間反応させる。実施例1と
同様に処理し、保護体粉末117mgを得る。本物質
は質量分析でm/e697(M+1)を与える。脱保
護反応は実施例1と同様に加水素分解で行ない、
反応液を濃縮後、水、メタノール混合溶媒で沈殿
化し、32mgの無色固体として目的物を得た。 融点169〜171℃(分解) 〔α〕25 D−13.0゜(c1.0酢酸)質量分析でm/e=
7.73(M+1)を与える。 元素分析値(C23H28N4O7=472.55として) 計算値 C58.46% H5.98% N11.86% 実測値 C58.01% H5.96% N12.22% 実施例18 (2S,3R)―3―N―(R―フエニ
ルアラニル)アミノ―2―ヒドロキシ―4―フ
エニル酪酸の合成 N―ベンジルオキシカルボニル―R―フエニル
アラニン1.495gと(2S,3R)―3―N―アミノ
―2―ヒドロキシ―4―p―ヒドロキシフエニル
酪酸ベンジルエステル―p―トルエンスルホン酸
塩2.368gを実施例1と同様に反応後、処理して
2.63gの保護体を無色粉末として得た。この化合
物を実施例1と同様に加水素分解反応により脱保
護を行なつた。成績体は水―ジオキサン混合溶媒
に難溶のため、1N―HCl4.3mlでPH1.5として溶解
し触媒を去した。この溶液を濃アンモニア水
0.3mlで中断し、PH7とした後、約3mlまで濃縮
し、析出した沈殿を取後、水、エタノールエー
テルで順に洗滌し、目的物1.32gを無色粉末とし
て得る。 融点175〜180℃(分解) 質量分析m/e359(M+1) 元素分析値(C19H22N2O5=358.43として) 実測値 C63.15% H6.56% N7.41% 計算値 C63.66% H6.20% N7.82% 薄層クロマトグラフイー(酢酸―n―ブチル―
nブタノール―酢酸―水(4:4:1:1)) TLCプレート:メルクArt5715 Rf値0.47(単一スポツト)。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 〔式中、R1は水素原子又は水酸基であり;R2
はグリシル基、N―低級アルカノイル―グリシル
基、N―低級アルキル―グリシル基、(R)―ア
ラニル基、(R)―フエニルアラニル基、N―低
級アルカノイル―(R)―アラニル基、(R)―
ロイシル基、(S)―ロイシル基、グリシルグリ
シル基、N―低級アルカノイル―グリシルグリシ
ル基、(S)―チロシルグリシルグリシル基、4
―アミノ―(2S)―2―ヒドロキシブタノイル
基又は(2S,3R)―3―アミノ―2―ヒドロキ
シ―4―フエニルブタノイル基であり;R3は水
酸基又は低級アルコキシ基であり、*は立体配置
のRまたはS、またはこれらの組合わせを示す〕
で表わされる3―アミノ―2―ヒドロキシ―4―
フエニル酪酸誘導体、およびその薬学的に許容さ
れる塩。 2 一般式 〔式中、R1は水素原子又は水酸基であり;R2
はグリシル基、N―低級アルカノイル―グリシル
基、N―低級アルキル―グリシル基、(R)―ア
ラニル基、(R)―フエニルアラニル基、N―低
級アルカノイル―(R)―アラニル基、(R)―
ロイシル基、(S)―ロイシル基、グリシルグリ
シル基、N―低級アルカノイル―グリシルグリシ
ル基、(S)―チロシルグリシルグリシル基、4
―アミノ―(2S)―2―ヒドロキシブタノイル
基又は(2S,3R)―3―アミノ―2―ヒドロキ
シ―4―フエニルブタノイル基であり;R3は水
酸基又は低級アルコキシ基であり、*は立体配置
のRまたはS、またはこれらの組合わせを示す〕
で表わされる3―アミノ―2―ヒドロキシ―4―
フエニル酪酸誘導体、およびその薬学的に許容さ
れる塩を活性成分として含む鎭痛剤。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56161994A JPS5865260A (ja) | 1981-10-13 | 1981-10-13 | 3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニル酪酸誘導体および医薬組成物 |
| US06/425,875 US4474764A (en) | 1981-10-13 | 1982-09-28 | 3-Amino-2-hydroxy-4-phenylbutanoic acid derivatives and pharmaceutical composition containing the same |
| DE8282401879T DE3265871D1 (en) | 1981-10-13 | 1982-10-13 | 3-amino-2-hydroxy-4-phenylbutanoic acid derivatives and pharmaceutical composition containing the same |
| EP82401879A EP0077274B1 (en) | 1981-10-13 | 1982-10-13 | 3-amino-2-hydroxy-4-phenylbutanoic acid derivatives and pharmaceutical composition containing the same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56161994A JPS5865260A (ja) | 1981-10-13 | 1981-10-13 | 3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニル酪酸誘導体および医薬組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5865260A JPS5865260A (ja) | 1983-04-18 |
| JPH027943B2 true JPH027943B2 (ja) | 1990-02-21 |
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ID=15746009
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56161994A Granted JPS5865260A (ja) | 1981-10-13 | 1981-10-13 | 3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニル酪酸誘導体および医薬組成物 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
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| EP (1) | EP0077274B1 (ja) |
| JP (1) | JPS5865260A (ja) |
| DE (1) | DE3265871D1 (ja) |
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| CA2322743A1 (en) * | 1998-03-09 | 1999-09-16 | Merck & Co., Inc. | Fibrinogen receptor antagonists |
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| EP2435402B1 (en) | 2009-05-28 | 2016-04-13 | Novartis AG | Substituted aminobutyric derivatives as neprilysin inhibitors |
| JO2967B1 (en) | 2009-11-20 | 2016-03-15 | نوفارتس ايه جي | Acetic acid derivatives of carbamoyl methyl amino are substituted as new NEP inhibitors |
| US9102635B2 (en) | 2013-02-14 | 2015-08-11 | Novartis Ag | Substituted bisphenyl butanoic acid derivatives as NEP inhibitors with improved in vivo efficacy |
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| US10500178B2 (en) | 2015-03-13 | 2019-12-10 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | LTB4 inhibition to prevent and treat human lymphedema |
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-
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- 1981-10-13 JP JP56161994A patent/JPS5865260A/ja active Granted
-
1982
- 1982-09-28 US US06/425,875 patent/US4474764A/en not_active Expired - Lifetime
- 1982-10-13 EP EP82401879A patent/EP0077274B1/en not_active Expired
- 1982-10-13 DE DE8282401879T patent/DE3265871D1/de not_active Expired
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|---|---|
| DE3265871D1 (en) | 1985-10-03 |
| EP0077274B1 (en) | 1985-08-28 |
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| JPS5865260A (ja) | 1983-04-18 |
| US4474764A (en) | 1984-10-02 |
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