JPH028717B2 - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、酵素法によるスフインゴリン脂質誘
導体の製法に関し、従来酵素法によつて製造する
事が知られていなかつたスフインゴリン脂質の一
級アルコール誘導体、2級アルコール誘導体及び
糖類誘導体を包含して広い範囲のスフインゴリン
脂質誘導体の製造を可能とした酵素法スフインゴ
リン脂質誘導体の製法に関する。 更に詳しくは、従来、他のリン脂質についての
酵素法で使用されたキヤベツ由来のホスホリパー
ゼD(至適温度40℃以下、至適PH5.4〜5.6)とは
異つて至適温度60〜70℃、至適PH7付近のホスホ
リパーゼDMの存在下で、スフインゴリン脂質と
従来、酵素法によつて製造できないとされていた
一級アルコールを包含して広い範囲の一級アルコ
ール、又は従来、酵素法で製造できなかつた2級
アルコール又は糖類及びそのフエノール配糖体と
を反応させるスフインゴリン脂質誘導体の製法に
関する。 尚、本発明に於てスフインゴリン脂質誘導体と
は、出発物質であるスフインゴリン脂質のリン酸
構造部分と該スフインゴリン脂質のアルコール構
造部分とのエステル結合を、ホスホリパーゼDM
の作用で加水分解すると同時に上記反応に用いる
アルコール性水酸基を有する化合物へ転移させて
誘導した、出発物質とは異る新しいスフインゴリ
ン脂質を意味する。 特に、本発明は、下記式() 但し式中、Aは下記(i)又は(ii) 又は を示し、ここでRはC16〜C24の飽和もしくは不飽
和の脂肪族炭化水素基を示し、 Bは−(CH2)2N+(CH3)3、−(CH2)NH2もし
くは−CH2CH(OH)CH2(OH)を示す、 で表わされるスフインゴリン脂質と下記(1)〜(3)、 (1) ハロゲン、アミノ、カルボキシル及び水酸基
よりなる群からえらばれた置換基で置換されて
いてもよいC1〜C20の飽和もしくは不飽和の脂
肪族又は芳香族炭化水素残基R′及び一級アル
コール性水酸基を有する一級アルコール化合
物;分子内にエーテル、エステル及びアミド結
合よりなる群からえらばれた結合を有する上記
炭化水素残基R′及び一級アルコール性水酸基
を有する一級アルコール化合物;又はピリドキ
シン、シチジン、アラビノシチジン、アデノシ
ン、2−(3−インドール)エタノール、ピリ
ドキサール、5−ヒドロキシメチルシトシン、
ウリジン、グアノシン及びチアミンよりなる群
からえらばれた複素環残基R′及び一級アルコ
ール性水酸基を有する複素環一級アルコール化
合物、 (2) ハロゲン、アミノ、C3以下のモノ−もしく
はジ−アルキルアミノ及びフエニルより成る群
からえらばれた置換基で置換されていてもよい
C3〜C8の脂肪族炭化水素残基R′及び二級アル
コール性水酸基を有する二級アルコール化合
物;又はC4〜C6の脂環式炭化水素残基R′及び
二級アルコール性水酸基を有する二級アルコー
ル化合物、及び (3) 一級アルコール性水酸基及びペントース残基
R′を有するペントース、及び一級アルコール
性水酸基及びヘキソース残基R′を有するヘキ
ソースよりなる群からえらばれた糖類、ここで
該ペントース残基R′もしくはヘキソース残基
R′はアミノ基もしくはアセチルアミノ基で置
換されていてもよい;又は該糖類のフエノール
配糖体 より成る群からえらばれたアルコール性水酸基を
有する化合物とをホスホリパーゼDMの存在下で
反応させることを特徴とする下記式() 但し式中、A及びR′は上記したと同義、 で表わされるスフインゴリン脂質誘導体の製法に
関する。 従来、ホスホリパーゼDがスフインゴリン脂質
たとえばスフインゴミエリンのコリン塩基−リン
酸エステルを加水分解し、コリンとN−アシルス
フインゴシン−1−リン酸を生ずる反応を触媒す
ることが知られている〔F.M Davidson
「Biochem、J.vol69、458−466(1958)」(キヤベ
ツホスホリパーゼD);Y、OKAWA等「J.
Biochem.、78、363−372(1975)」
(Streptomyces hachijoeusisのホスホリパーゼ
D)〕。 更にグリセロリン脂質については、たとえばレ
シチンとエチルアルコールとをホスホリパーゼD
の存在下に反応させるとリン脂質のリン酸構造部
分と該リン脂質のアルコール構造部分とのエステ
ル結合が加水分解され、同時にホスフアチジル基
転移作用によりホスフアチジルエタノールを生成
する作用のあることが報告されている
〔Dawson;Biochem.、J.、102、205(1967)
Yaug;J.Biol chem.、242、477(1967)〕。 しかしながら、スフインゴリン脂質については
前記(1)−(3)に示したアルコール性水酸基を有する
化合物の存在下にホスホリパーゼDMを作用させ
た時、スフインゴリン脂質のリン酸構造部分と該
スフインゴリン脂質のアルコール構造部分とのエ
ステル結合が加水分解されると同時にN−アシル
スフインゴシン−1−リン酸転移作用により出発
スフインゴリン脂質とは異る新しいスフインゴリ
ン脂質誘導体を生成する事は知られていない。 本発明者等は、従来公知のキヤベツのホスホリ
パーゼDとは、その至適温度、至適PH等で異なる
ホスホリパーゼD生産能を有する微生物の存在を
発見して既に、特願昭56−161076号、特願昭56−
163475号に提案した。 更に研究を進めた結果、該ホスホリパーゼD生
産微生物の生産する酵素は、一級アルコール化合
物、2級アルコール化合物、又は糖類及びそのフ
エノール配糖体を包含するアルコール性水酸基を
有する化合物の存在下、スフインゴリン脂質に対
して作用させると、加水分解と同時に、従来全く
言及されたことのないN−アシルスフインゴシン
−1−リン酸転移作用により、前記(1)、(2)及び(3)
よりなる群からえらばれたアルコール性水酸基を
有する化合物との間に転移反応を可能とする酵素
的触媒作用を示すという驚くべき事実を発明し
た。 この様な新らしい知見は過去にをいて全く報告
されてをらず、例えばキヤベツ由来のホスホリパ
ーゼDのホススフアチジル基転移作用を利用する
英国特許No.1581810(対応西ドイツ国公開No.
2717547)には”ホスホリピツドの製法”が提案
されているが、この中にもN−アシルスフインゴ
シン−1−リン酸転移作用については、どこにも
全く記載も示唆もされていない。この提案によれ
ば、この提案の一般式で示されたグリセロリン脂
質と水酸基、ハロゲン、アミノ、その他置換基で
置換されていてもよいC5までの直鎖もしくは、
分枝のアルキル基を有する一級アルコールとの前
記キヤベツ由来のホスホリパーゼDの酵素作用を
利用した一級アルコール転移反応について開示さ
れているのみであつて非極性部分の構造をグリセ
ロリン脂質とは全く異にするスフインゴリン脂質
については全く言及されていない。 本発明者等の研究によれば、スフインゴリン脂
質と一級アルコール例えばゲラニオール(C10)、
2級アルコール例えば1−アミノ−2プロパノー
ル(C3)、糖類例えばリボース(C5)とにをける
スフインゴリン脂質誘導体の形成を触媒する本発
明に於て新たにホスホリパーゼDMと呼称する酵
素が存在し、このホスホリパーゼDMの存在下に
前記式()で表わされるスフインゴリン脂質と
前記(1)−(3)からえらばれたアルコール性水酸基を
有する化合物とを反応させることによつて、従
来、スフインゴリン脂質について、ほとんど、も
しくはゆつくりしか起らないリン酸構造部分とア
ルコール構造部分とのエステル結合加水分解作用
を促進すると同時に、これまで全く知られていな
かつたN−アシルスフインゴシン−1−リン酸転
移作用によりN−アシルスフインゴシン−1−リ
ン酸と一級アルコール又は2級アルコール又は糖
類及びその配糖体とのスフインゴリン脂質誘導体
を包含して新しいスフインゴリン脂質誘導体が製
造できることが発見された。 斯して、煩雑且つ不利益な化学的合成手段を要
することなしに、温和且つ容易な条件及び、手段
で、副反応を伴うをそれもなしに、酵素法によつ
て新しいスフインゴリン脂質誘導体を好収率で製
造できることがわかつた。 従つて本発明の目的は新しい酵素法スフインゴ
リン脂質誘導体の製法を提供することにある。 本発明の上記目的及び更に多くの他の目的なら
びに利点は以下の記載から一層明らかとなるであ
ろう。 本発明方法で利用するスフインゴリン脂質は下
記式()で表わされる。 但し式中Aは下記(i)又は(ii) 又は を示し ここでRはC16〜C24の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Bは −(CH2)2N+(CH3)3、−(CH2)2NH2もしくは
−CH2・CH(OH)CH2(OH)を示す。 上記式()原料リン脂質は公知化合物であつ
て、市場でも入手可能であり、それ自体公知の方
法によつて天然物より抽出採取又は合成すること
が出来る。例えば動植物及び微生物組織から公知
の手段で抽出して得られるスフインゴミエリン、
セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミド
ホスホリルグリセロール、フイトグリコリピド等
の単独或るいは混合物をそのまゝ若しくは精製し
て用いることができるし、それ自体公知の方法に
よつてその構造の一部もしくは全部を化学合成し
て利用することが出来る。 本発明方法に於て上記式()原料スフインゴ
リン脂質とホスホリパーゼDMの存在下に反応せ
しめるアルコール性水酸基を有する化合物は下記
(1)−(3)で表わされる群から選択される。 (1) ハロゲン、アミノ、カルボキシル及び水酸基
よりなる群からえらばれた置換基で置換されて
いてもよいC1〜C20の飽和もしくは不飽和の脂
肪族又は芳香族炭化水素残基R′及び一級アル
コール性水酸基を有する一級アルコール化合
物;分子内にエーテル、エステル及びアミド結
合よりなる群からえらばれた結合を有する上記
炭化水素残基R′及び一級アルコール性水酸基
を有する一級アルコール化合物;又はピリドキ
シン、シチジン、アラビノシチジン、アデノシ
ン、2−(3−インドール)エタノール、ピリ
ドキサール、5−ヒドロキシメチルシトシン、
ウリジン、グアノシン及びチアミンよりなる群
からえらばれた複素環残基R′及び一級アルコ
ール性水酸基を有する複素環一級アルコール化
合物、 (2) ハロゲン、アミノ、C3以下のモノ−もしく
はジ−アルキルアミノ及びフエニルより成る群
からえらばれた置換基で置換されていてもよい
C3〜C8の脂肪族炭化水素残基R′及び二級アル
コール性水酸基を有する二級アルコール化合
物;又はC4〜C6の脂環式炭化水素残基R′及び
二級アルコール性水酸基を有する二級アルコー
ル化合物、及び (3) 一級アルコール性水酸基及びペントース残基
R′を有するペントース、及び一級アルコール
性水酸基及びヘキソース残基R′を有するヘキ
ソースよりなる群からえらばれた糖類、ここで
該ペントース残基R′もしくはヘキソース残基
R′はアミノ基もしくはアセチルアミノ基で置
換されていてもよい;又は該糖類のフエノール
配糖体。 上記群よりえらばれたアルコール性水酸基を有
する化合物としては、以下の如き化合物を例示す
ることができる。 上記(1)の群に属する一級アルコールの例として
は、例えば、脂肪族アルコールではメタノール、
エタノール、1−プロパノール、ビニルアルコー
ル、1−ペンタノール、イソアミルアルコール、
1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オク
タノール、1−ノナノール、1−デカノール、1
−ウンデカノール、1−ドデカノール、1−ヘキ
サデカノール、1−エイコサノール、ゲラニオー
ル、シトロネロール、フアルネソール、フイトー
ル、16−ハイドロキシヘキサデカン酸、5−ケト
グルコン酸、β−ヒドロキシプロピオン酸、エチ
レングリコール、1,2−プロパンジオール、
1,3−プロパンジオール、グリセロール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジ
オール、1,12−ドデカンジオール、1,16−ヘ
キサデカンジオール、エリスリトール、アラビト
ール、リビトール、キシリトール、キシルロー
ス、リブロース、D−エリトルロース、D−トレ
オース、エリトロース、グリセルアルデヒド、ジ
ヒドロキシアセトン、プロピレングリコール、ペ
ンタエチレングリコール、デカエチレングリコー
ル、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトー
ル、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタグリ
セリン、ヘキサグリセリン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール、1,1,1−トリ
ス(ヒドロキシメチル)プロパン、2−n−ブチ
ル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−
1,3−ヘキサンジオール、2−クロロ−エタノ
ール、5−クロロペンタノール、6−クロロヘキ
サノール、エタノールアミン、ブタノールアミ
ン、ペンタノールアミン、3−アミノ−1−プロ
パノール、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、6−アミノ−1−ヘキサノール、トリス
(ヒドロキシ)アミノメタン、N−メチルエタノ
ールアミン、N−メチルプロパノールアミン、N
−メチルブタノールアミン、N−エチルエタノー
ルアミン、N−エチルプロパノールアミン、N−
(3−アミノプロピル)ジエタノールアミン、N
−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−
メチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノ
ールアミン、ジヒドロキシエチルグリシン、N−
メチルペンタノールアミン、N−エチルブタノー
ルアミン、N−エチルペンタノールアミン、N−
エチルヘキサノールアミン、N−プロピルプロパ
ノールアミン、N−プロピルブタノールアミン、
N−プロピルペンタノールアミン、N−プロピル
ヘキサノールアミン、N−ブチルエタノールアミ
ン、N−ブチルプロパノールアミン、N−ブチル
ブタノールアミン、N−ブチルペンタノールアミ
ン、N−ブチルヘキサノールアミン、N−ペンチ
ルエタノールアミン、N−ヘキシルエタノールア
ミン、N−カプリロイルエタノールアミン、N−
カプロイルエタノールアミン、N−ミリストイル
エタノールアミン、N−ラウロイルエタノールア
ミン、N−ミリストイルエタノールアミン、N−
パルミトイルエタノールアミン、N−ステアロイ
ルエタノールアミン、N−オレオイルエタノール
アミン、N−パルミトオレオイルエタノールアミ
ン、N−リノロイルエタノールアミン、N−リノ
レノイルエタノールアミン、N,N−ジメチルエ
タノールアミン、N,N−ジメチルプロパノール
アミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、
N,N−ジメチルブタノールアミン、N,N−ジ
メチルヘキサノールアミン、N,N−ジエチルエ
タノールアミン、N,N−ジエチルプロパノール
アミン、N,N−ジエチルブタノールアミン、
N,N−ジエチルペンタノールアミン、N,N−
ジエチルヘキサノールアミン、N,N−ジプロピ
ルエタノールアミン、N,N−ジプロピルプロパ
ノールアミン、N,N−ジプロピルブタノールア
ミン、N,N−ジプロピルペンタノールアミン、
N,N−ジブチルヘキサノールアミン、N,N−
ジペンチルエタノールアミン、N,N−ジヘキシ
ルエタノールアミン、N,N,N−トリメチルプ
ロパノールアミン、N,N,N−トリメチルブタ
ノールアミン、N,N,N−トリメチルペンタノ
ールアミン、N,N,N−トリメチルヘキサノー
ルアミン、N,N,N−トリエチルエタノールア
ミン、N,N,N−トリエチルプロパノールアミ
ン、N,N,N−トリエチルブタノールアミン、
N,N,N−トリエチルペンタノールアミン、
N,N,N−トリエチルヘキサノールアミン、
N,N,N−トリプロピルエタノールアミン、
N,N,N−トリプロピルブタノールアミン、
N,N,N−トリプロピルペンタノールアミン、
N,N,N−トリプロピルヘキサノールアミン、
N,N,N−トリブチルエタノールアミン、N,
N,N−トリブチルプロパノールアミン、N,
N,N−トリブチルブタノールアミン、N,N,
N−トリブチルペンタノールアミン、N,N,N
−トリブチルヘキサノールアミン、N,N,N−
トリペンチルエタノールアミン、パントテニルア
ルコール、パンテテイン、セリン、セリンエチル
エステル、ホモセリン、トリ−L−セリン、L−
セリル−L−ロイシン、L−セリル−L−メチオ
ニン、L−セリル−L−アルギニン、L−セリル
−L−グルタミン、L−セリル−L−チロシン、
L−セリル−L−フエニルアラニン、ラウリルジ
エタノールアマイド、トリオキシエチレンラウリ
ルアマイド、パルミチン酸ジエタノールアマイ
ド、モノラウリン、メタクリル酸−2−ヒドロキ
シエチル、トリエチレングリコール、エチレング
リコールモノラウレート、ジエチレングリコール
モノラウレート、エチレングリコールモノステア
レート、エチレングリコールモノオレート、エチ
レングリコールモノパルミテート、ジエチレング
リコールモノパルミテート、エチレングリコール
モノラウリルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノラウリルエーテル、エチレングリコールモノセ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノセチル
エーテル、エチレングリコールモノステアリルエ
ーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノ(2−ジエチルアミ
ノエチル)エーテル、エチレングリコールモノヘ
キシルエーテル、エチレングリコールモノトリル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテ
ル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、
エチレングリコールモノオクチルフエノールエー
テル、ジエチレングリコールモノオクチルフエノ
ールエーテル、エチレングリコールモノクロロフ
エニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテルを例示でき、又、芳香族アルコールと
しては、ベンジルアルコール、β−フエネチルア
ルコール、3−フエニル−1−プロパノール、ケ
イ皮アルコール、p−クロロベンジルアルコー
ル、p−アミノフエネチルアルコール、β−ヒド
ロキシエチルアニリン、アニスアルコール、2−
ナフタレンエタノール、エチレングリコールモノ
サリチル酸エステル、1,4−ジ(2−ヒドロキ
シ)フエニルエーテル、N−エチル−N−2−ヒ
ドロキシエチル−m−トルイジン、エチレングリ
コールモノフエニルエーテルなどが例示でき、更
に、複素環化合物としては、2−(3−インドー
ル)エタノール、ピリドキシン、ピリドキサー
ル、5−ヒドロキシメチルシトシン、シチジン、
ウリジン、アデノシン、グアノシン、アラビノシ
チジン、チアミン、などがあげられる。 又、上記(2)の群に属する二級アルコールの例と
しては、例えば、2−プロパノール、2−ブタノ
ール、2−ペンタノール、2−ヘキサノール、2
−ヘプタノール、2−オクタノール、2,3−ブ
タンジオール、アセトインモノマー、3,5−ジ
メチルシクロヘキサノール、フエニレンアルコー
ル、1,4−シクロヘキサンジオール、1−クロ
ロ−2−プロパノール、1−アミノ−2−プロパ
ノール、ジイソプロパノールアミン、1−フエニ
ルエタノール、1−フエニル−2−プロパノー
ル、シクロブタノール、シクロヘキサノールなど
が例示できる。 更に上記(3)の群に属する糖類の例示としては、
例えば、D及びL−アラビノース、2−デオキシ
−D−リボース、D−リボース、D−リキソー
ス、D−キシロース、2−デオキシ−D−グルコ
ース、D−グルコース、D−マンノース、D−ガ
ラクトース、D−フラクトース、L−ソルボー
ス、α又はβ−メチルキシロサイド、α又はβ−
メチルリボサイド、α又はβ−メチルアラビノサ
イド、2−O−メチルキシロース、α又はβ−メ
チルグルコサイド、α又はβ−メチルガラクトサ
イド、α又はβ−メチルマンノサイド、3−O−
メチルグルコース、メチルーβ−D−チオガラク
トサイド、β−D−チオグルコース、D−グルコ
サミン、D−マンノサミン、D−ガラクトサミ
ン、N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセ
チル−D−ガラクトサミン、N−アセチル−D−
マンノサミン、フエニル−β−D−ガラクトサイ
ド、p−ニトロフエニル−α−D−キシロサイ
ド、アルブチン、サリシン等を例示することがで
きる。 ホスホリパーゼDMによるスフインゴリン脂質
の糖への転移は上記に示す如き一級アルコール基
を分子内に有する糖類については生起するが、た
とえばフコース、ラムノースなどの如く6位がデ
オキシ化され一級アルコール基を持たない糖類、
では起らない事、リボース、アラビノース、フラ
クトース等のスフインゴリン脂質糖誘導体は、い
づれもTLCで分離した時、生成物のスポツトは
一つである事、さらに、グルコースをピリジン溶
液中でトリフエニルクロルメタンにより処理し
て、該グルコースの一級アルコール基をトリフエ
ニルメタンで置換しておくと転移が生じないこと
等の点からみて、ホスホリパーゼDMによるスフ
インゴリン脂質の糖への転移は糖の一級アルコー
ル基の位置へ生ずるものと推定される。 上記例示の如き(1)−(3)のアルコール性水酸基を
有する化合物は天然物、合成品、いづれでも利用
できるが、目的とする化合物以外のアルコール性
水酸基を有する化合物を含まないように、予め適
当な手段を利用して精製して利用するのが好まし
い。このような精製手段の例としてたとえば蒸
留、再結晶、アルミナ、シリカゲル活性炭、イオ
ン交換樹脂などを用いたカラムクロマトグラフイ
ー、薄層クロマトグラフイー及びこれ等の適当な
組合わせによる精製手段を例示できる。 本発明方法によれば前記例示の如き式()リ
ン脂質と上記例示の如き(1)−(3)の群からえらばれ
たアルコール性水酸基を有する化合物とをホスホ
リパーゼDMの存在下に反応させる。 この際利用するホスホリパーゼDMとしては、
従来公知のキヤベツから抽出されたホスホリパー
ゼDの至適温度40℃以下、至適PH5.4〜5.6に対し
て、至適温度60〜70℃、至適PH7付近である点で
公知ホスホリパーゼDと区別ができるホスホリパ
ーゼDM生産菌の生産するホスホリパーゼDMが
例示できるが、N−アシルスフインゴシン−1−
リン酸転移作用を有するホスホリパーゼDMであ
ればその起源にかゝわらずすべて利用出来る。 該ホスホリパーゼDMは式()スフインゴリ
ン脂質とC10一級アルコールであるゲラニオール、
C4の2級アルコールである2−ブタノール、C5
の糖であるリボースとの間にをけるスフインゴリ
ン脂質誘導体の形成を触媒する点で公知ホスホリ
パーゼDと区別できる。 このようなホスホリパーゼDM生産菌の例とし
ては、同一出願人の出願に係わる特願昭56−
161076号に開示されたノカルデイオプシス
(Nocardiopsis)属に属するホスホリパーゼDM
生産菌たとえばノルカデイオプシス属No.779株
〔FERM−PNo.6133〕、同一出願人の出願に係わ
る特願昭56−163475号に開示されたアクチノマデ
ユーラ(Actinomadura)属に属するホスホリパ
ーゼDM生産菌たとえばアクチノマデユーラ属No.
362株〔FERM−PNo.6132〕等を挙げることがで
きる。至適温度及び至適PHの相違と共に他のいく
つかの相違点と共に、下掲第1表に、本発明方法
で利用するホスホリパーゼDMと公知ホスホリパ
ーゼDとの酵素学的性質の差異を示した。 【表】 【表】 公知ホスホリパーゼDを用いては得られなかつ
たスフインゴリン脂質誘導体が、本発明方法で形
成できる理由には、この酵素的触媒反応に関与す
る公知ホスホリパーゼDと本発明方法で用いるホ
スホリパーゼDMとの上記の如き酵素学的性質の
差異が関与しているものと推測される。勿論、本
発明方法はこのような作用の推測によつて何等の
制約もうけるものではない。 本発明方法で利用できるホスホリパーゼDMを
生産する前記ホスホリパーゼDM生産菌ノカルデ
イオプシス属No.779株[FERM−PNo.6133]及び
アクチノマデユーラ属No.362株[FERM−PNo.
6132]の菌学的性状及びそれらが生産するホスホ
リパーゼDMの力価測定法、理化学的性質につい
て以下に述べる。 ノカルデイオプシス属No.779株[FERM−PNo.
6133]の菌学的性状:− (a) 形態 グルコースアスパラギン寒天、グリセリン
アスパラギン寒天、酵母麦芽寒天培地等では
良好に、また澱粉無機塩培地では中程度に生
育して気菌糸の集落を着生する。 胞子を着生した菌叢の色は培地の種類、観
察時期により若干変化するが、おおむね白色
ないし灰白色から明るい灰色を呈する。 シユークロース硝酸塩寒天、栄養寒天、オ
ートミール寒天培地では気菌糸を着生しない
か、貧弱にしか着生しない。 寒天培地上に生育させた本菌株を顕微鏡で
観察すると、気菌糸は0.5〜0.8μで直線状で
ゆるく波形又は屈曲を混じえながら分枝をも
つて長く伸び、気菌糸全体は数10から100ケ
以上のすべて胞子からなる連鎖によつて形成
されている。 胞子の大きさは0.5〜0.8×0.7×1.0μで、ほ
ぼ短円筒形で大きさはやや不規則である。 基生菌糸は巾0.5〜0.8μで分枝をもつて伸
長し、寒天培地上ではかならずしも分断しな
いが、液体培養することによりほとんどの場
合細かく分断する。 しかし遊走胞子、胞子のう、菌核等は形成
されない。 (b) 各種培地上での性状 以下に記載する実験方法は主としてイー・
ビー・シヤーリング(Int.J.Syst.
Bacteriol.16巻、313〜340、1966年)の方法
にしたがつて行つた。 色調は「色の標準」(財団法人日本色彩研
究所、1964年)を用いて決定し、色相名とと
もに括弧内に色相名、彩度番号、明度番号の
順に色相記号を記入した。 培養は25℃で行い、最も生育の旺盛な2〜
3週間目の各培地上における観察結果を第2
表に示した。但し第2表中、生育項目に記載
した基生菌糸表面の色は胞子着生前の培養一
週間目における観察結果を示しており、胞子
着生が早く基生菌糸表面の色の判定困難な培
地については、記載していない。 【表】 可溶性色素 生産しない
【表】 可溶性色素 生産しない
(c) 生理的性質 1 生育温度:5℃〜30℃付近で生育し、20〜
30℃で最もよく生育する。 2 ゼラチンの液化:液化しない(グルコー
ス・ペプトン・ゼラチン培地上、25℃、3
週間培養)。 3 スターチの加水分解:分解する(スターチ
寒天培地上、25℃、3週間培養)。 4 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化:凝固、ペプ
トン化共にせず(30℃、3〜4週間培養)。 5 メラニン様色素の生成:ペプトンイースト
鉄寒天、チロシン寒天で生成する(25℃、
2〜4日間)。 (d) 炭素源の同化性(30℃、10〜16日培養) L−アラビノース−シユークロース− D−キシロース−イノシトール− D−グルコース+L−ラムノース− D−フラクトース−ラフイノース− (e) 細胞の化学分析 本菌株のデイアミノピメリン酸はメソ型で
あり、ヒドロキシデイアミノピメリン酸を含
まない。細胞壁の糖組成は、アラビノース、
キシロース、マデユロース、ラムノース等を
有せず、ガラクトース、マンノース等を有す
る。又本菌株はノカルドミコール酸を有しな
い。 以上の分析結果についてBergey′s Manual of
the Determinative Bacteriology第8版、657頁
〜658頁(1974年)や、レシエバリエ(Inter.J.
System.Bacteriol.20巻、435頁〜443頁、1970
年)、メイヤー(Int.J.Syst.Bacteriol.26巻、487
頁〜493頁1976年)らの分類法にしたがつて判定
すると、本菌は細胞壁類型(cell wall type
型、糖組成類型(cell wall sugar pattern)C
型となる。 以上本菌は、細胞壁類型が、糖組成類型がC
であることから、レシエバリエの分類法によれば
ダソンビレイタイプのアクチノマデユーラ属、サ
ーモアクチノミセス属、アクチノビイフイダス
属、ゲオダーマトフイラス属のいづれかに属す
る。 しかし本菌は、その形態において気菌糸のすべ
てが胞子の長い連鎖から成り、基生菌子を細かく
分断するが、内生胞子、遊走胞子、胞子のうが見
い出されないことより、ダソンビレイタイプのア
クチノマデユーラ属(Genus Actinomadura
dassonvillei type)に同定するのが分類上妥当で
ある。なお、近年ダソンビレイタイプのアクチノ
マデユーラ属はメイヤーの提起した新属ノカルデ
イオプシス属に統合され、ノカルデイオプシス属
の名称で取り扱われることが一般的である。 そこで本菌は、ノカルデイオプシス属No.779
(Genus Nocardiopsis spNo.779)と称することに
した。そして本菌は工業技術院微生物工業技術研
究所に寄託されており、その受託番号は「微工研
菌寄第6133号(FERM−PNo.6133)」である。本
菌は昭和59年3月21日に微工研条寄第512号
(FERM BP−512)としてブダペスト条約に基
づく国際寄託に移管された。 本発明で用いるホスホリパーゼDMを生産する
のに用いる使用菌としては、ノカルデイオプシス
属No.779および本菌株を変異処理した変異株だけ
でなく、ノカルデイオプシス属(旧属名アクチノ
マデユーラ ダソンビレイタイプ属)に属しホス
ホリパーゼDMを生産する菌であれば全て利用で
きる。 アクチノマデユーラ属No.362株[FERM−PNo.
6132]の菌学的性状:− (a) 形態 澱粉無機塩寒天、チロシン寒天、酵母・麦
芽寒天、オートミール寒天培地等では良好
に、またグリセリンアスパラギン寒天では中
程度に生育して気菌糸の集落を着生する。 胞子を着生した菌叢の色は培地の種類、観
察時期により若干変化するが、おおむねやや
紫味を持つた灰白色から灰色を呈する。 シユークロース硝酸塩寒天、栄養寒天、グ
ルコースアスパラギン寒天では気菌糸を着生
しないか、貧弱にしか着生しない。 寒天培地上に生育させた本菌株を顕微鏡で
観察すると、気菌糸は巾0.8〜1.2μで分枝し、
一部ループ状又は螺旋状をなし、屈曲を混じ
えながら主として直線状に長く伸び、先端は
ループ状にゆるく巻いている場合が多い。 胞子は数10から100以上の連鎖状をなして
着生し、ほぼ気菌糸全体を形成する。 胞子の大きさは0.8〜1.2×1.2〜1.7μで、短
円筒又は卵形で、大きさ形ともやや不規則で
ある。 基生菌糸は巾0.6〜1.0μで、不規則な分枝
をもつて屈曲しながら伸長し、遊走胞子、胞
子のう、菌核等は形成されない。 また通常、隔壁、菌糸の分断は見られない
が、液体培養により菌糸の分断が見られるこ
ともある。 (b) 各種培地上での性状 以下に記載する実験方法は、主としてイ
ー・ビー・シヤーリング(Int.J.Syst.
Bacteriol.16巻、313〜340、1966年)の方法
にしたがつて行つた。 色調は、「色の標準」(財団法人日本色彩研
究所、1964年)を用いて決定し、色相名とと
もに括弧内に色相名、彩度番号、明度番号の
順に色相記号を記入した。 培養は25℃で行い、最も生育の旺盛な2〜
3週間目の各培地上における観察結果を第3
表に示した。但し第3表中、生育項目に記載
した基生菌糸表面の色は胞子着生前の培養一
週間目における観察結果を示しており、胞子
着生が早く基生菌糸表面の色の判定困難な培
地については記載していない。 【表】 可溶性色素 メラニン様ブラウン色
素を生ずる
【表】 可溶性色素 生産しない
(c) 生理的性質 1 生育温度:10℃〜37℃附近で生育し、20〜
30℃で最もよく生育する。 2 ゼラチンの液化:液化しない(グルコー
ス・ペプトン・ゼラチン培地上、25℃、3
週間培養)。 3 スターチの加水分解:分解する(スターチ
寒天培地上、25℃、3週間培養)。 4 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化:凝固せず、
ペプトン化する(30℃、3〜4週間培養)。 5 メラニン様色素の生成:ペプトンイースト
鉄寒天、チロシン寒天で生成する(25℃、
2〜4日間)。 (d) 炭素源の同化性(30℃、10〜16日培養) L−アラビノース+シユークロース− D−キシロース+イノシトール ± D−グルコース+L−ラムノース− D−フラクトース−ラフイノース− (e) 細胞の化学分析 本菌株のデイアミノピメリン酸はメソ型で
あり、細胞壁の糖組成は、アラビノース、キ
シロース、ラムノース等を有せず、マデユロ
ース、ガラクトース、マンノース等を有す
る。 以上の分析結果についてBergey′s Manual of
the Determinative Bacteriology第8版、657頁
〜658頁(1974年)や、レシエバリエ(Inter.J.
System.Bacteriol.20巻、435頁〜443頁、1970年)
等の分類法にしたがつて判定すると、本菌は細胞
壁類型(cell wall type)型、糖組成類型
(cell wall sugar pattern)B型となる。 以上本菌は、細胞壁類型が、糖組成類型がB
であることから、ミクロピスポラ属、ストレプト
スポランギウム属、スピリロスポラ属、ブラノモ
ノスポラ属、デルマトフイラス属、アクチノマデ
ユーラ属のいづれかに属する。しかし本菌はその
形態において多数の胞子から成る胞子連鎖を着生
し、菌核、胞子嚢、遊走胞子が見い出されないこ
とより、アクチノマデユーラ属(Genus
Actinomadura)に同定するのが分類学上、最も
妥当である。 そこで本菌は、アクチノマデラーラ属No.362
(Actinomadura spNo.362)と称することにした。
そして本菌は工業技術院微生物工業技術研究所に
寄託されており、その受託番号は「微工研菌寄第
6132号(FERMP−6132」である。本菌は昭和59
年3月21日に微工研条寄第511号(FERM BP−
511)としてブダペスト条約に基づく国際寄託に
移管された。 本発明で用いるホスホリパーゼDMを生産する
のに利用する使用菌としては、上記したアクチノ
マデユーラ属No.362、及び本菌株を変異処理した
変異株だけでなく、アクチノマデユーラ属に属し
ホスホリパーゼDMを生産する菌であれば全て用
いる事ができる。 本発明方法で利用するホスホリパーゼDMを、
上記例示の如きホスホリパーゼDM生産菌を用い
て製造するには、上記例示の如きホスホリパーゼ
DM生産菌を培地に培養し、培養物よりホスホリ
パーゼDMを採取すればよい。その培養形態とし
ては、液体培養、固体培養いづれも用いることが
出来るが、工業的には深部通気撹拌培養を行うの
が有利である。 また使用する培養源としては、一般に微生物培
養に用いられる炭素源、窒素源、無機塩、及びそ
の他の微量栄養素の他、ノカルデイオプシス属や
アクチノマデユーラ属に属するホスホリパーゼ
DM生産微生物の利用することの出来る栄養源で
あれば、すべて使用することが出来る。 培地の炭素源としては、例えばブドウ糖、果
糖、シヨ糖、乳糖、澱粉、グリセリン、デキスト
リン、糖蜜、ソルビトール等の他、脂肪酸、油
脂、粗レシチン、アルコール、有機酸などを例示
でき、これらは単独でまたは組合せて用いること
ができる。 窒素源としては、無機窒素源、有機窒素源いづ
れでも利用可能であり、無機窒素源としては、例
えば硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、尿
素、硝酸ソーダ、燐酸第1アンモニウム、燐酸第
2アンモニウム、塩化アンモニウム等が挙げら
れ、また有機窒素源としては、大豆、米、とうも
ろこし、綿実、菜種、小麦などの粉、糠、脱脂粕
をはじめ、コーンスチープリカー、ペプトン、酵
母エキス、肉エキス、カゼイン、アミノ酸等が例
示できる。 無機塩及び微量栄養素としては、例えばリン
酸、マグネシウム、カリウム、鉄、アルミニウ
ム、カルシウム、マンガン、亜鉛等の塩類の他、
ビタミン、非イオン界面活性剤、消泡剤等菌の生
育やホスホリパーゼDMの生産を促進する適当な
物質を例示でき、必要に応じて使用出来る。 培養は好気的条件で行なわれる。培養温度は菌
が発育し、ホスホリパーゼDMを生産する温度範
囲で適宜変更選択できるが、特に好ましいのは約
20〜約35℃である。 培養時間は条件により異なるが、ホスホリパー
ゼDMが最高生成量に達するまで培養すればよ
い。液体培養の場合は例えば1〜3日程度であ
る。 培養物中に生成したホスホリパーゼDMは、液
内培養では主として培養液中に溶けているので、
培養終了液より固形物を別して得られる培養
液よりホスホリパーゼDMを採取できる。 培養液中よりホスホリパーゼDMを採取する
に当つては、通常酵素精製に用いられるあらゆる
方法が利用出来る。例えば硫安、食塩等による塩
析、アセトン、エタノール、メタノール等の有機
溶剤による沈澱、透析、イオン交換クロマトグラ
フイー、吸着クロマトグラフイー、ゲル過、吸
着剤、等電点沈澱等の方法が使用出来る。さらに
これ等の方法を適当に組み合せることによつて、
ホスホリパーゼDMの精製効果が上る場合には、
組合せて行うことが出来る。 上述のようにして得ることのできる本発明方法
で利用できるホスホリパーゼDMは、たとえば安
定化剤として各種塩類、糖質、蛋白質、脂質、界
面活性剤等を加えるか、もしくは加えることな
く、減圧濃縮、減圧乾燥、凍結乾燥等の方法によ
り液状又は固形のホスホリパーゼDMの形態にす
ることが出来る。本発明方法で利用するホスホリ
パーゼDMの酵素活性測定法は、基質グリセロ燐
脂質に作用してリン酸と含窒素塩基とのエステル
結合を分解して生ずる塩基の量を測定して求め
る。ホスホリパーゼDMの活性は、特に記載しな
いかぎり、以下に記載するコリンオキシダーゼ法
により測定した。 力価測定法: 1%卵黄精製レシチンエマルジヨン(0.1gレ
シチン、1mlエチルエーテル、10ml蒸留水の超音
波乳化液)0.1mlに、0.2MPH7.2トリス−塩酸緩衝
液0.1ml、0.1MCaCl2水溶液0.05ml、蒸留水0.15ml
を混合し、これに酵素液0.1mlを加え、37℃で20
分反応後、50mM EDTA−2Naを含む1Mトリ
ス−塩酸緩衝液(PH8.0)0.2mlを加え、直ちに5
分間煮沸して反応を完全に停止する。次にコリン
エステラーゼ測定用試薬〔日本商事(株)製造〕のキ
ツトに含まれるコリン呈色剤を呈色溶解液に溶解
した溶液4mlを加え、37℃で20分間反応させた
後、500nmの吸光度を測定する。 対照としては、あらかじめ熱失活した酵素液を
用いて同様に反応させたものの吸光度を測定す
る。 そして1分間に1μモルのコリンを遊離する酵
素活性を1単位とする。 前述したノカルデイオプシス属No.779株及びア
クチノマデユーラ属No.362株の夫々を用い、後記
9精製方法に記載した方法により精製した酵素標
品を用いた本発明方法で利用できるホスホリパー
ゼDMの理化学的性質について以下にのべる。 1 作 用 グリセロリン脂質のリン酸と含窒素塩基との
エステル結合を分解してホスフアチジン酸と塩
基を遊離する。 2 基質特異性 基質としてレシチン、リゾレシチン、スフイ
ンゴミエリンのいづれか1つを0.5μモル含むエ
マルジヨン0.1mlを用い、蒸留水の代りに1%
Triton X−100を含む水溶液を用いる以外は、
上記力価測定法と同様にして反応させ遊離した
コリン量を測定し、各基質に対するホスホリパ
ーゼDM活性を測定した。その結果、レシチン
に対する活性を100とした時の相対活性は、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− リゾレシチン4.9;スフインゴミエリン0.3、 アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− リゾレシチン3.6;スフインゴミエリン0.3、 であつた。 3 至適PH 力価測定法において用いる緩衝液の代りにPH
3.0〜4.0では蟻酸・蟻酸ソーダ緩衝液、PH4.0〜
5.5では酢酸・酢酸ソーダ緩衝液、PH5.5〜8.5で
はトリス・マレイン酸・苛性ソーダ緩衝液、PH
7.0〜9.0ではトリス・塩酸緩衝液、PH9.0〜10.0
ではグリシン・苛性ソーダ緩衝液を用いてホス
ホリパーゼDMの活性を測定し、至適PHを求め
た。また同測定法で用いる蒸溜水0.15mlの代り
に1%Triton X−100(和光純薬)水溶液0.15
mlを用いた時の至適PHについても求めた。 その結果、蒸留水を用いた場合、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 至適PH7付近(6.5〜7.0)、 アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 至適PH7付近、 であり、1%Triton X−100水溶液を用いた
場合、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 至適PH5付近、 アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 至適PH5.5付近、 であつた。 4 至適温度 力価測定法において、反応温度条件を10、
20、25、37、40、50、55、60、70、80および90
℃で酵素活性を測定した。その結果、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 至適温度60〜80℃、とくには60℃〜70℃、 アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 至適温度55℃〜80℃、とくには60℃〜70℃、 と認められた。 5 PH安定性 酵素溶液0.1mlに、ノカルデイオプシス属ホ
スホリパーゼDMの場合は0.2mlのアクチノマ
デユーラ属ホスホリパーゼDMの場合には0.9
mlの0.1Mの各種緩衝液、すなわちPH3.0〜3.5で
はグリシン・塩酸緩衝液、PH3.5〜7.0では酢
酸・酢酸ソーダ緩衝液、PH5.0〜8.0ではトリ
ス・マレイン酸・苛性ソーダ緩衝液、PH7.0〜
9.0ではトリス・塩酸緩衝液、PH9.0〜9.5ではグ
リシン・苛性ソーダ緩衝液を夫々加え、25℃で
2時間保つた。その後、これら酵素緩衝液に
0.5Mトリス・塩酸緩衝液(PH7.2)を、ノカル
デイオプシス属ホスホリパーゼDMの場合には
1.2ml、アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼ
DMの場合には9.0ml加え、PHを7.0〜7.3とし
た。この溶液0.1mlを用い、力価測定法に従つ
て力価を測定し、安定PH範囲を調べた結果、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 特に安定なPH4.0〜7.0、 アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 特に安定なPH4.0〜8.0、 と認められた。 また、力価測定法で用いる蒸溜水0.15mlの代
りに1%Triton X−100水溶液0.15mlを用いる
他は、上記と同様に操作してPH安定範囲を調べ
たが、結果は上記したところと殆んど変らなか
つた。 6 熱安定性 酵素溶液0.1mlに0.1Mトリス・塩酸緩衝液
(PH7.2)を、ノカルデイオプシス属ホスホリパ
ーゼDMの場合には4ml、アクチノマデユーラ
属ホスホリパーゼDMの場合には9.9ml加え、
20、30、37、40、50、60および65℃に30分間放
置した後、残存する酵素活性を測定した。 その結果、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 30℃で30分の熱処理では殆んど失活せず、50
℃で30分間の熱処理で80%の活性が残存、 アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 30℃で30分の熱処理では殆んど失活せず、50
℃で30分間の熱処理で60%の活性が残存、 という結果であつた。 7 各種物質による影響 力価測定法においてCaCl2水溶液の代りに各
種物質の水溶液を0.05ml加え、酵素反応系中で
1mM濃度に成るようにして活性を測定した。
その結果は水添加の時の活性を100とし、相対
活性として賦活作用のあつたものは、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 例えば、AlCl3、CuSO4、ZnSO4、CoCl2、
CaCl2、FeCl2、FeSO4、MgCl2、SnCl2、デオ
キシコール酸ソーダ、エタノール、イソプロパ
ノール、t−ブタノール、Triton X−100、 アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 例えば、AlCl3、CaCl2、FeSO4、FeCl3、
MgCl2、SnCl2、デオキシコール酸ソーダ、エ
タノール、イソプロパノール、t−ブタノー
ル、 で、一方、阻害作用のあつたものは、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 例えば、ドデシル硫酸ソーダ、セチルピリジ
ニウムクロライド アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 例えば、セチルピリジニウムクロライド、 であつた。 8 力価の測定法 前述したとおりである。 9 精製方法 きな粉3.0g、コーンスチープリカー1.0%、
ペプトン0.5g、粉末酵母エキス0.1%、グルコ
ース1.0g、NH4NO30.25%、K2HPO40.4%、
MgSO4・7H2O0.01%、ツウイン(Tween)−
85 0.1%から成る培地(PH6.0)約151を30lジヤ
ーフアーメンターに入れ、120℃で15分間滅菌
後、シード培養液1.5lを植菌し、27℃で40時間
培養を行つた。尚、上記シード培養液は、澱粉
1%、(NH4)H2PO40.25%、ペプトン0.25%、
K2HPO40.2%、MgSO4・7H2O0.01%を含む水
溶液培地(PH6.8)100mlを500ml坂口フラスコ
に入れ、蒸気殺菌後、ノカルデイオプシス属No.
779株[FERM−PNo.6133]又はアクチノマデ
ユーラ属No.362株[FERM−PNo.6132]の胞子
を一白金耳接種し、培養温度30℃、120回転/
分の条件で2日間振盪培養して調製した。 培養後、菌体固形物を遠心分離により除去
し、遠心上清13l(ノカルデイオプシス属FERM
−PNo.6133株を用いた場合は0.54u/ml;アク
チノマデユーラ属FERM−PNo.6132株を用い
た場合は17u/mlであつた。)を得た。この遠
心上清を5℃に冷却した後、−20℃のアセトン
を加えてアセトン濃度30〜70%画分に相当する
ホスホリパーゼDMを含む沈澱物を遠心分離に
より集めた。この沈澱物を、ノカルデイオプシ
ス属FERM−PNo.6133株を用いた場合にはPH
6.0、アクチノマデユーラ属FERM−PNo.6132
株を用いた場合はPH6.5のトリス・マレイン酸
緩衝液に溶解し、0.02Mの同緩衝液に対して透
析した後、同緩衝液で平衡化したDEAE−セル
ロースに通塔し、通過区分を集めた。次に堀内
等の方法〔J.Biochem.81、1639(1977)〕で調
製したパルミトイルガーゼをカラムに充填し、
充分に水洗してから上記DEAE−セルロース通
過液を注入し、活性を吸着した。これを0.05M
トリス・塩酸緩衝液(PH7.2)で洗浄後、0.2%
Triton X−100を含む同緩衝液を加え活性を
溶出した。活性区分を集めてバイオエンジニア
リング社製の限外過膜(Type G−10T)を
用いて濃縮した後、ゲル過担体としてトヨパ
ールHW−55F〔東洋曹達(株)製〕充填カラムに
注入し、蒸留水を用いて通塔し、活性区分を集
めて凍結乾燥を行つた。 この乾燥粉末を、ノカルデイオプシス属ホス
ホリパーゼDMの場合には0.025Mイミダゾー
ル−塩酸(PH7.4)に溶解後、アクチノマデユ
ーラ属ホスホリパーゼDMの場合には0.025M
トリス・酢酸(PH8.3)に溶解後、フアルマシ
ア・フアインケミカルス社製のポリバツフア交
換体PBETN 94(20ml)充填カラムに通塔して
活性を吸着後、同社製の溶出用ポリバツフア
(PH5.0)を用いてPH勾配により溶出した。溶出
したホスホリパーゼDMの活性区分を集めて限
外過膜にて濃縮し、セフアデツクスG−75充
填カラムに通塔し、ホスホリパーゼDM活性区
分を集めて凍結乾燥した。 斯くて、ノカルデイオプシス属ホスホリパー
ゼDMの場合には、約40%の活性回収率で、比
活性178.3u/mg蛋白質として、アクチノマデユ
ーラ属ホスホリパーゼDMの場合には約43%の
活性回収率で、比活性218.3u/mg蛋白質とし
て、ホスホリパーゼDMが回収された。 等電点 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 4.85±0.1(アンホライン電気泳動法により測
定) アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 6.4±0.1(アンホライン電気泳動法により測
定) 転移作用 従来公知のホスホリパーゼDは、既述のよう
に、レシチンからホスフアチジン酸を生成し、
これを炭素数1から6までの直鎖の1級アルコ
ールに転移してエステルを形成することが知ら
れている。ホスホリパーゼDMについても同様
に転移作用を調べた結果、本酵素では、公知ホ
スホリパーゼDでは転移を生じないことの記載
された1級アルコールを包含して、更に広範囲
のアルコールに転移が起りエステルが形成する
ことが判明した。 本発明方法で利用するホスホリパーゼDMは後
記転移作用の実験方法〔TLCによる転移生成物
の生成確認方法〕に従つて反応を行つて例えば一
級アルコールのゲラニオール(C10)と、又は二
級アルコールの2−ブタノール(C4)と、又は
糖類のリボース(C5)とスフインゴリン脂質で
あるスフインゴミエリンとの間におけるスフイン
ゴリン脂質誘導体形成反応を触媒して、該スフイ
ンゴリン脂質の該アルコール性化合物誘導体を形
成する。公知キヤベツホスホリパーゼDは上記誘
導体を形成しない。 本発明方法によれば、前記例示の如き式()
スフインゴリン脂質と前記例示の如き(1)−(3)のア
ルコール性水酸基を有する化合物とを、上記に詳
しく述べたホスホリパーゼDMの存在下に反応さ
せることにより、下記式() 但し式中、A及びR′は前記したと同義である、
で表わされるスフインゴリン脂質誘導体を製造す
ることができる。この際、ホスホリパーゼDMは
精製品として使用する必要はなく粗製品であつて
もよい。更に、適当な固定化担体たとえばポリプ
ロピレン膜、セライト粒、ガラスビーズなどの如
き各種の重合体樹脂類や無機材料の粒状物やフイ
ルム状物に担持固定化して利用することもでき
る。 反応は、ホスホリパーゼDMの存在下で、好ま
しくは溶媒の存在下に、式()スフインゴリン
脂質と前記(1)−(3)アルコール性化合物とを接触せ
しめることにより行うことができる。利用する溶
媒の例としては、水性溶媒及び水性溶媒と有機溶
媒との混合溶媒を例示することができる。前記(1)
及び(3)のアルコール性化合物についてはそれ自体
に溶媒の役目を兼ねさせることもできる。また、
ホスホリパーゼDMの酵素学的触媒作用を阻害し
ない任意の他の添加剤を含む溶媒も利用でき、た
とえば該作用を促進したり、酵素の安定化に役立
つ適当な添加剤を含有した溶媒であることができ
る。例えば、酢酸、クエン酸、リン酸などの緩衝
剤を含有したり、塩化カルシウムその他の中性塩
を含有したりした水性溶媒であることができる。
更に、有機溶媒の例としては、一級アルコール又
は二級アルコール、それ自体を包含して、例え
ば、n−ヘプタン、n−ヘキサンなどの如き脂肪
族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロブタンなどの如き脂環族炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの如き芳香族
炭化水素類;アセトン、メチルイソプロピルケト
ンなどの如きケトン類;ジメチルエーテル、ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどの如
きエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルなどの如
きエステル類;四塩化炭素、クロロホルム、塩化
メチレンなどの如きハロゲン化炭化水素類;ジメ
チルホルムアミドの如きアミド溶媒類;ジメチル
スルホキシドの如きスルホキシド溶媒類などを例
示することができる。 水性溶媒と有機溶媒との混合溶媒の形で利用す
る場合の両者の混合比は適当に選択できるが、例
えば水性溶媒:有機溶媒(V/V比)の比で50:
1〜1:10の如き混合比を例示することができ
る。 反応モル比、ホスホリパーゼDMの使用量、溶
媒の使用量など、適宜に選択できるが、例えば、
式()スフインゴリン脂質1モルに対して前記
(1)−(3)アルコール性化合物約1:1〜約1:
1000、好ましくは約1:10〜約1:100モルの反
応モル比を例示することができる。また、ホスホ
リパーゼDMの使用量としては、例えば、式
()リン脂質1g当り約10〜約100000、好まし
くは約100〜約1000単位程度の使用量を例示する
ことができる。さらに、溶媒の使用量としては、
例えば、式()リン脂質に対して約10〜約500
容量倍程度の使用量を例示できる。 反応は、室温で進行するので、とくに冷却或は
加熱の必要はないが、所望により適宜に冷却もし
くは加温条件を採用することができる。例えば、
約0℃〜約90℃、好ましくは約20℃〜約60℃の如
き反応温度を例示することができる。また反応時
間も適宜に選択できるが、例えば約1分〜約10
日、好ましくは約0.1時間〜約72時間、更に好ま
しくは約1時間〜約72時間、とくに好ましくは約
1時間〜約24時間の如き反応時間を例示すること
ができる。所望により、たとえばTLC(薄層クロ
マトグラフイー)などの手法を利用して反応経過
を追跡し、所望の目的物の形成を確認することに
より反応時間を適宜に変更することができる。 ホスホリパーゼDMの存在下で式()スフイ
ンゴリン脂質と前記(1)−(3)アルコール性化合物と
を接触せしめる態様は適宜に選択できるが、撹拌
もしくは振盪条件下で行うのが普通である。又、
前記のように適当な粒状物やフイルム状物担体に
担持固定化した固定化酵素の形でホスホリパーゼ
DMを利用する場合には、例えば、固定化酵素膜
もしくは固定化酵素粒子層を介して反応組成液を
循環ポンプを用いて通過させる態様で行うことが
できる。 上述のようにして反応を行つた後、形成された
式()スフインゴリン脂質誘導体は、そのまゝ
又は塩の形で沈澱させて分離して利用することが
できる。更に、ケイ酸カラムクロマト、アルミナ
カラムクロマト、高速液体クロマト、向流分配、
ゲル過、吸着クロマト等の適当な公知の方法を
利用して分離精製することができる。 本発明方法によれば、上述したようにして、式
()スフインゴリン脂質と前記(1)−(3)のアルコ
ール性化合物とを、ホスホリパーゼDMの存在下
に反応させて式()スフインゴリン脂質誘導体
を製造することができる。得られる式()スフ
インゴリン脂質誘導体は、すぐれた界面活性作用
を有し細胞膜の透過性に大きな影響を持つ。この
意味から、該式()誘導体はリポソーム形成基
材として、又、化粧品たとえばクリーム、乳液に
配合して皮膚生理に役立つ乳化剤として、更に脂
肪系薬剤の乳化剤、殺虫剤、除草剤などの如き農
薬の乳化剤などの広い乳化剤用途に有用である。 更に、多くの場合スフインゴリン脂質は人の臓
器や脳、細胞膜等にあつてそれぞれ特異な生理活
性を有することが知られているが、本発明方法で
得られる式()誘導体の多くは、その近似的構
造を有することから、各種の生理活性が期待でき
る。又、一、二級アルコール水酸基を有する或は
一、二級アルコール水酸基を導入した薬理活性化
合物を、スフインゴリン脂質に転移させることに
よつて、該化合物の薬理学的副作用を弱めたり或
は薬理効果を高めてその投与量を低減させたりす
ることも期待できる。さらに又、上記薬理活性化
合物をスフインゴリン脂質に転移させて、該化合
物を患部に適確に集中させるための薬理活性化合
物のキヤリヤーとして、さらには、薬理活性化合
物の保護基として有用な役割をはたすことも期待
できる。 又更に、各種医薬品をはじめとする化学合成の
中間体として有用であり、例えば、反応性の高い
ハロゲンやアミノ置換基を有するアルコールを転
移させた誘導体を利用出来る。更に又三重水素や
XXXX14Cでラベルしたアルコール性化合物を転
移することによつてラベルされたスフインゴリン
脂質誘導体が得られ、スフインゴリン脂質の代謝
経路の解明に利用する事も出来る。 以下、実施例により本発明方法実施の数態様に
ついて、更に詳しく例示する。 参考例 1 ホスホリパーゼDMの調製。 前記精製方法の項に従つて、ノカルデイオプ
シス属No.779株〔FERM−PNo.6133〕及びアクチ
ノマデユーラ属No.362株〔FERM−PNo.6132〕の
夫々を用いて、該項に記載したとおりの活性回収
率及び比活性でホスホリパーゼDMを得た。 実施例 1 (RunNo.1〜No.81) スフインゴミエリン(シグマ社、牛脳由来)と
後掲第4表に示した多数種のアルコールとを後記
TLCによる転移生成物の生成確認方法に従つて、
ホスホリパーゼDMの存在下で反応させて転移生
成物の形成を確認した。そのRf値を後掲第4表
に示した。 TLCによる転移生成物の生成確認方法:− 下記組成 1%スフインゴミエリン乳化液 0.1ml 0.4M酢酸緩衝液(PH5.7) 0.1ml 0.1M塩化カルシウム水溶液 0.05ml 蒸留水 0.05ml 10%アルコール溶液 0.1ml の反応液に、ホスホリパーゼDM水溶液0.1ml
(1.2u/0.1ml)を加え、37℃で5時間静置した。 尚、上記1%スフインゴミエリン乳化液は、ス
フインゴミエリン100mgにジエチルエーテル1ml
及び蒸留水10mlを加え氷冷条件下に600W20KHz
の条件で5分間超音波処理して形成する。上記反
応液の形成に際して必要な場合には、水、又はジ
エチルエーテル、アセトン等の有機溶媒を加え
て、上記10%アルコール溶液を調製した。 上記、静置後、500mMのEDTA(エチレンジ
アミン四酢酸二ナトリウム)水溶液0.2mlを加え、
更にクロロホルム−メタノール混液(2:1v/
v)5mlを加えて、激しく撹拌し、脂質(生成
物)を抽出した。この懸濁液を2000×g、10分間
遠心処理し、下層のクロロホルム層を分取し、30
℃で減圧乾固した後、クロロホルム−メタノール
混液(1:1v/v)75μに溶解してTLCの試料
とした。 このうち10μをシリカゲル薄層(フナゲル60
Å、20cm×20cmフナコシ薬品)にスポツトし、ジ
イソブチルケトン−酢酸−水(40:25:5)を展
開溶媒として展開した。スポツトの検出には下記
の薬品を用いた。検出されたスポツトで未分解の
スフインゴミエリン、及びその加水分解物である
N−アシルスフインゴシン−1−リン酸以外のリ
ン脂質のスポツトが検出された場合、これを転移
生成物と認めた。 検出試薬 リン酸の呈色: Zinzadeの試薬(Beiss U.J.Chromatog.13
104.1964) 一級アミンの呈色: ニンヒドリン試薬(ニンヒドリンの0.25%アセ
トン溶液) 二級アミンの呈色: 次亜塩素酸−ベンジジン試薬(Bischel M.C.
らBiochim、Biophys、Acta70 598.1963) 糖の呈色: ナフトレゾルシノール−リン酸試薬(Hay G.
W.らJ.Chromtog.11 479.1963) プリン及びピリミジンの呈色: フルオレツセイン−アンモニア試薬(Wieland
T.らAngew.Chem.63 511.1951) アミノ糖の呈色: アセチルアセトン−エールリツヒ試薬(エルソ
ン−モンガン反応)(Pertridge S.M.Biochem.J.
42 238.1948) 【表】 【表】 【表】 すべての試料をZinzadeの試薬で発色して、リ
ン脂質を検出し、特別な官能基をもつものは、別
に前述した各種試薬で検出した。 実施例 2 (RunNo.1〜24) スフインゴミエリン(シグマ社、牛脳由来、99
%)400mg、ジエチルエーテル1ml、蒸留水10ml
を超音波用セルに入れ、氷冷しながら600W20K
Hzで5分間超音波処理をし、乳化液を調整した。 このスフインゴミエリン乳化液2ml(80mg)、
0.4M酢酸緩衝液(PH5.7)2ml、0.1M塩化カルシ
ウム水溶液1ml、及び10%ゲラニオールジエチル
エーテル溶液2mlを共栓付試験管中に入れ、ホス
ホリパーゼDM水溶液(8u/ml)2mlを加えてよ
く混合した後、37℃で5時間、静置した。次に反
応液に0.5N塩酸0.5mlを加え、更にクロロホルム
−メタノール混液(2:1)15mlを加えて、激し
く撹拌し、リン脂質を抽出した。この混合液から
2000×g10分間の遠心によつてクロロホルム層を
分取した。 残つた水層にもう一度クロロホルム10mlを加え
て同様の抽出操作を行ない、抽出液を合わせ、次
いで10mlの0.02N塩酸で洗つた。このクロロホル
ム溶液を減圧乾固した後、残渣を1mlのn−ヘキ
サン−2−プロパノール−水(60:80:7)混液
に溶解した。この試料20μをシリカゲル薄層
(フナゲル、フナコシ薬品)にスポツトし、ジイ
ソブチルケトン−酢酸−水(40:25:5)の溶媒
系で展開したところ3種類のリン脂質が検出さ
れ、そのうちの二つはスフインゴミエリン及びN
−アシルスフインゴシン−1−リン酸とRf値が
一致した。 そこでこの3種類のリン脂質混合物を高速液体
クロマトグラフイーによつて分離、精製した。 カラムはラジアルパツクカートリツジシリカ8
mm×10cm(ウオーターズ社製)溶離液は上述した
n−ヘキサン−2−プロパノール−水=60:80:
7、でピークの検出には441型紫外線検出器(ウ
オーターズ社)による214nmの吸収及びR401型
示差屈折計(同)を用いた。試料は4回に分け、
0.25mlづつ注入した。 まずこの溶離液で混入しているゲラニオール、
及び加水分解物であるN−アシルスフインゴシン
−1−リン酸、と転移生成物と思われるリン脂質
3成分を分取し、次いで溶離液をn−ヘキサン−
2−プロパノール−水=60:80:16として、カラ
ムに吸着している未分解のスフインゴミエリンを
溶出した。得られた3種類のリン脂質は、それぞ
れもう一度、同様の操作により高速液体クロマト
グラフイーで精製した。これらは、TLC、及び
高速液クロで単一であることを確認した。3種類
のリン脂質の組成比はN−アシルスフインゴシン
−1−リン酸約5%、転移生成物約85%、スフイ
ンゴミエリン約10%であり、約60mgの精製された
転移生成物であるN−アシルスフインゴシン−1
−リン酸ゲラニオールエステルが得られた。この
化合物のIRスペクトルは日本分光A202型赤外分
光光度計を用い、液膜法で測定した。その結果を
第5表に示した。(RunNo.3)更に第5表に示し
た各種アルコールについて、同様の方法で転移生
成物を調製してIRスペクトルを測定した。 ただし、反応液にアルコールを加える際、その
アルコールの溶解性に応じて、適宜、水又は、ジ
エチルエーテル、あるいはアセトン溶液として加
えた。 その結果を第5表に示した。(RunNo.1〜2、
4〜24) 【表】 【表】 【表】 実施例 3 (RunNo.1〜2) 実施例1において調製したN−アシルスフイン
ゴシン−1−リン酸グリセロールエステル()、
及びN−アシルスフインゴシン−1−リン酸エタ
ノールアミンエステル()を実施例1と同様に
蒸留水中で乳化させた。それぞれの乳化液1ml
(40mg)を共栓付試験管に入れ、更に、0.4M酢酸
緩衝液1ml、0.01M塩化カルシウム水溶液0.5ml、
ゲラニオールの10%ジエチルエーテル溶液1ml、
及びホスホリパーゼDM水溶液(10u/ml)を加
えて、よく混和した後、37℃、で6時間静置し
た。以下、リン脂質の抽出、精製は実施例1と同
様に処理し、共通の転移生成物である、N−アシ
ルスフインゴシン−1−リン酸ゲラニオールエス
テルを得た。収量はに対して12mg、に対して
15mgであつた。そのIRスペクトルを第6表に示
した。 【表】
導体の製法に関し、従来酵素法によつて製造する
事が知られていなかつたスフインゴリン脂質の一
級アルコール誘導体、2級アルコール誘導体及び
糖類誘導体を包含して広い範囲のスフインゴリン
脂質誘導体の製造を可能とした酵素法スフインゴ
リン脂質誘導体の製法に関する。 更に詳しくは、従来、他のリン脂質についての
酵素法で使用されたキヤベツ由来のホスホリパー
ゼD(至適温度40℃以下、至適PH5.4〜5.6)とは
異つて至適温度60〜70℃、至適PH7付近のホスホ
リパーゼDMの存在下で、スフインゴリン脂質と
従来、酵素法によつて製造できないとされていた
一級アルコールを包含して広い範囲の一級アルコ
ール、又は従来、酵素法で製造できなかつた2級
アルコール又は糖類及びそのフエノール配糖体と
を反応させるスフインゴリン脂質誘導体の製法に
関する。 尚、本発明に於てスフインゴリン脂質誘導体と
は、出発物質であるスフインゴリン脂質のリン酸
構造部分と該スフインゴリン脂質のアルコール構
造部分とのエステル結合を、ホスホリパーゼDM
の作用で加水分解すると同時に上記反応に用いる
アルコール性水酸基を有する化合物へ転移させて
誘導した、出発物質とは異る新しいスフインゴリ
ン脂質を意味する。 特に、本発明は、下記式() 但し式中、Aは下記(i)又は(ii) 又は を示し、ここでRはC16〜C24の飽和もしくは不飽
和の脂肪族炭化水素基を示し、 Bは−(CH2)2N+(CH3)3、−(CH2)NH2もし
くは−CH2CH(OH)CH2(OH)を示す、 で表わされるスフインゴリン脂質と下記(1)〜(3)、 (1) ハロゲン、アミノ、カルボキシル及び水酸基
よりなる群からえらばれた置換基で置換されて
いてもよいC1〜C20の飽和もしくは不飽和の脂
肪族又は芳香族炭化水素残基R′及び一級アル
コール性水酸基を有する一級アルコール化合
物;分子内にエーテル、エステル及びアミド結
合よりなる群からえらばれた結合を有する上記
炭化水素残基R′及び一級アルコール性水酸基
を有する一級アルコール化合物;又はピリドキ
シン、シチジン、アラビノシチジン、アデノシ
ン、2−(3−インドール)エタノール、ピリ
ドキサール、5−ヒドロキシメチルシトシン、
ウリジン、グアノシン及びチアミンよりなる群
からえらばれた複素環残基R′及び一級アルコ
ール性水酸基を有する複素環一級アルコール化
合物、 (2) ハロゲン、アミノ、C3以下のモノ−もしく
はジ−アルキルアミノ及びフエニルより成る群
からえらばれた置換基で置換されていてもよい
C3〜C8の脂肪族炭化水素残基R′及び二級アル
コール性水酸基を有する二級アルコール化合
物;又はC4〜C6の脂環式炭化水素残基R′及び
二級アルコール性水酸基を有する二級アルコー
ル化合物、及び (3) 一級アルコール性水酸基及びペントース残基
R′を有するペントース、及び一級アルコール
性水酸基及びヘキソース残基R′を有するヘキ
ソースよりなる群からえらばれた糖類、ここで
該ペントース残基R′もしくはヘキソース残基
R′はアミノ基もしくはアセチルアミノ基で置
換されていてもよい;又は該糖類のフエノール
配糖体 より成る群からえらばれたアルコール性水酸基を
有する化合物とをホスホリパーゼDMの存在下で
反応させることを特徴とする下記式() 但し式中、A及びR′は上記したと同義、 で表わされるスフインゴリン脂質誘導体の製法に
関する。 従来、ホスホリパーゼDがスフインゴリン脂質
たとえばスフインゴミエリンのコリン塩基−リン
酸エステルを加水分解し、コリンとN−アシルス
フインゴシン−1−リン酸を生ずる反応を触媒す
ることが知られている〔F.M Davidson
「Biochem、J.vol69、458−466(1958)」(キヤベ
ツホスホリパーゼD);Y、OKAWA等「J.
Biochem.、78、363−372(1975)」
(Streptomyces hachijoeusisのホスホリパーゼ
D)〕。 更にグリセロリン脂質については、たとえばレ
シチンとエチルアルコールとをホスホリパーゼD
の存在下に反応させるとリン脂質のリン酸構造部
分と該リン脂質のアルコール構造部分とのエステ
ル結合が加水分解され、同時にホスフアチジル基
転移作用によりホスフアチジルエタノールを生成
する作用のあることが報告されている
〔Dawson;Biochem.、J.、102、205(1967)
Yaug;J.Biol chem.、242、477(1967)〕。 しかしながら、スフインゴリン脂質については
前記(1)−(3)に示したアルコール性水酸基を有する
化合物の存在下にホスホリパーゼDMを作用させ
た時、スフインゴリン脂質のリン酸構造部分と該
スフインゴリン脂質のアルコール構造部分とのエ
ステル結合が加水分解されると同時にN−アシル
スフインゴシン−1−リン酸転移作用により出発
スフインゴリン脂質とは異る新しいスフインゴリ
ン脂質誘導体を生成する事は知られていない。 本発明者等は、従来公知のキヤベツのホスホリ
パーゼDとは、その至適温度、至適PH等で異なる
ホスホリパーゼD生産能を有する微生物の存在を
発見して既に、特願昭56−161076号、特願昭56−
163475号に提案した。 更に研究を進めた結果、該ホスホリパーゼD生
産微生物の生産する酵素は、一級アルコール化合
物、2級アルコール化合物、又は糖類及びそのフ
エノール配糖体を包含するアルコール性水酸基を
有する化合物の存在下、スフインゴリン脂質に対
して作用させると、加水分解と同時に、従来全く
言及されたことのないN−アシルスフインゴシン
−1−リン酸転移作用により、前記(1)、(2)及び(3)
よりなる群からえらばれたアルコール性水酸基を
有する化合物との間に転移反応を可能とする酵素
的触媒作用を示すという驚くべき事実を発明し
た。 この様な新らしい知見は過去にをいて全く報告
されてをらず、例えばキヤベツ由来のホスホリパ
ーゼDのホススフアチジル基転移作用を利用する
英国特許No.1581810(対応西ドイツ国公開No.
2717547)には”ホスホリピツドの製法”が提案
されているが、この中にもN−アシルスフインゴ
シン−1−リン酸転移作用については、どこにも
全く記載も示唆もされていない。この提案によれ
ば、この提案の一般式で示されたグリセロリン脂
質と水酸基、ハロゲン、アミノ、その他置換基で
置換されていてもよいC5までの直鎖もしくは、
分枝のアルキル基を有する一級アルコールとの前
記キヤベツ由来のホスホリパーゼDの酵素作用を
利用した一級アルコール転移反応について開示さ
れているのみであつて非極性部分の構造をグリセ
ロリン脂質とは全く異にするスフインゴリン脂質
については全く言及されていない。 本発明者等の研究によれば、スフインゴリン脂
質と一級アルコール例えばゲラニオール(C10)、
2級アルコール例えば1−アミノ−2プロパノー
ル(C3)、糖類例えばリボース(C5)とにをける
スフインゴリン脂質誘導体の形成を触媒する本発
明に於て新たにホスホリパーゼDMと呼称する酵
素が存在し、このホスホリパーゼDMの存在下に
前記式()で表わされるスフインゴリン脂質と
前記(1)−(3)からえらばれたアルコール性水酸基を
有する化合物とを反応させることによつて、従
来、スフインゴリン脂質について、ほとんど、も
しくはゆつくりしか起らないリン酸構造部分とア
ルコール構造部分とのエステル結合加水分解作用
を促進すると同時に、これまで全く知られていな
かつたN−アシルスフインゴシン−1−リン酸転
移作用によりN−アシルスフインゴシン−1−リ
ン酸と一級アルコール又は2級アルコール又は糖
類及びその配糖体とのスフインゴリン脂質誘導体
を包含して新しいスフインゴリン脂質誘導体が製
造できることが発見された。 斯して、煩雑且つ不利益な化学的合成手段を要
することなしに、温和且つ容易な条件及び、手段
で、副反応を伴うをそれもなしに、酵素法によつ
て新しいスフインゴリン脂質誘導体を好収率で製
造できることがわかつた。 従つて本発明の目的は新しい酵素法スフインゴ
リン脂質誘導体の製法を提供することにある。 本発明の上記目的及び更に多くの他の目的なら
びに利点は以下の記載から一層明らかとなるであ
ろう。 本発明方法で利用するスフインゴリン脂質は下
記式()で表わされる。 但し式中Aは下記(i)又は(ii) 又は を示し ここでRはC16〜C24の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Bは −(CH2)2N+(CH3)3、−(CH2)2NH2もしくは
−CH2・CH(OH)CH2(OH)を示す。 上記式()原料リン脂質は公知化合物であつ
て、市場でも入手可能であり、それ自体公知の方
法によつて天然物より抽出採取又は合成すること
が出来る。例えば動植物及び微生物組織から公知
の手段で抽出して得られるスフインゴミエリン、
セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミド
ホスホリルグリセロール、フイトグリコリピド等
の単独或るいは混合物をそのまゝ若しくは精製し
て用いることができるし、それ自体公知の方法に
よつてその構造の一部もしくは全部を化学合成し
て利用することが出来る。 本発明方法に於て上記式()原料スフインゴ
リン脂質とホスホリパーゼDMの存在下に反応せ
しめるアルコール性水酸基を有する化合物は下記
(1)−(3)で表わされる群から選択される。 (1) ハロゲン、アミノ、カルボキシル及び水酸基
よりなる群からえらばれた置換基で置換されて
いてもよいC1〜C20の飽和もしくは不飽和の脂
肪族又は芳香族炭化水素残基R′及び一級アル
コール性水酸基を有する一級アルコール化合
物;分子内にエーテル、エステル及びアミド結
合よりなる群からえらばれた結合を有する上記
炭化水素残基R′及び一級アルコール性水酸基
を有する一級アルコール化合物;又はピリドキ
シン、シチジン、アラビノシチジン、アデノシ
ン、2−(3−インドール)エタノール、ピリ
ドキサール、5−ヒドロキシメチルシトシン、
ウリジン、グアノシン及びチアミンよりなる群
からえらばれた複素環残基R′及び一級アルコ
ール性水酸基を有する複素環一級アルコール化
合物、 (2) ハロゲン、アミノ、C3以下のモノ−もしく
はジ−アルキルアミノ及びフエニルより成る群
からえらばれた置換基で置換されていてもよい
C3〜C8の脂肪族炭化水素残基R′及び二級アル
コール性水酸基を有する二級アルコール化合
物;又はC4〜C6の脂環式炭化水素残基R′及び
二級アルコール性水酸基を有する二級アルコー
ル化合物、及び (3) 一級アルコール性水酸基及びペントース残基
R′を有するペントース、及び一級アルコール
性水酸基及びヘキソース残基R′を有するヘキ
ソースよりなる群からえらばれた糖類、ここで
該ペントース残基R′もしくはヘキソース残基
R′はアミノ基もしくはアセチルアミノ基で置
換されていてもよい;又は該糖類のフエノール
配糖体。 上記群よりえらばれたアルコール性水酸基を有
する化合物としては、以下の如き化合物を例示す
ることができる。 上記(1)の群に属する一級アルコールの例として
は、例えば、脂肪族アルコールではメタノール、
エタノール、1−プロパノール、ビニルアルコー
ル、1−ペンタノール、イソアミルアルコール、
1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オク
タノール、1−ノナノール、1−デカノール、1
−ウンデカノール、1−ドデカノール、1−ヘキ
サデカノール、1−エイコサノール、ゲラニオー
ル、シトロネロール、フアルネソール、フイトー
ル、16−ハイドロキシヘキサデカン酸、5−ケト
グルコン酸、β−ヒドロキシプロピオン酸、エチ
レングリコール、1,2−プロパンジオール、
1,3−プロパンジオール、グリセロール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジ
オール、1,12−ドデカンジオール、1,16−ヘ
キサデカンジオール、エリスリトール、アラビト
ール、リビトール、キシリトール、キシルロー
ス、リブロース、D−エリトルロース、D−トレ
オース、エリトロース、グリセルアルデヒド、ジ
ヒドロキシアセトン、プロピレングリコール、ペ
ンタエチレングリコール、デカエチレングリコー
ル、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトー
ル、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタグリ
セリン、ヘキサグリセリン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール、1,1,1−トリ
ス(ヒドロキシメチル)プロパン、2−n−ブチ
ル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−
1,3−ヘキサンジオール、2−クロロ−エタノ
ール、5−クロロペンタノール、6−クロロヘキ
サノール、エタノールアミン、ブタノールアミ
ン、ペンタノールアミン、3−アミノ−1−プロ
パノール、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、6−アミノ−1−ヘキサノール、トリス
(ヒドロキシ)アミノメタン、N−メチルエタノ
ールアミン、N−メチルプロパノールアミン、N
−メチルブタノールアミン、N−エチルエタノー
ルアミン、N−エチルプロパノールアミン、N−
(3−アミノプロピル)ジエタノールアミン、N
−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−
メチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノ
ールアミン、ジヒドロキシエチルグリシン、N−
メチルペンタノールアミン、N−エチルブタノー
ルアミン、N−エチルペンタノールアミン、N−
エチルヘキサノールアミン、N−プロピルプロパ
ノールアミン、N−プロピルブタノールアミン、
N−プロピルペンタノールアミン、N−プロピル
ヘキサノールアミン、N−ブチルエタノールアミ
ン、N−ブチルプロパノールアミン、N−ブチル
ブタノールアミン、N−ブチルペンタノールアミ
ン、N−ブチルヘキサノールアミン、N−ペンチ
ルエタノールアミン、N−ヘキシルエタノールア
ミン、N−カプリロイルエタノールアミン、N−
カプロイルエタノールアミン、N−ミリストイル
エタノールアミン、N−ラウロイルエタノールア
ミン、N−ミリストイルエタノールアミン、N−
パルミトイルエタノールアミン、N−ステアロイ
ルエタノールアミン、N−オレオイルエタノール
アミン、N−パルミトオレオイルエタノールアミ
ン、N−リノロイルエタノールアミン、N−リノ
レノイルエタノールアミン、N,N−ジメチルエ
タノールアミン、N,N−ジメチルプロパノール
アミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、
N,N−ジメチルブタノールアミン、N,N−ジ
メチルヘキサノールアミン、N,N−ジエチルエ
タノールアミン、N,N−ジエチルプロパノール
アミン、N,N−ジエチルブタノールアミン、
N,N−ジエチルペンタノールアミン、N,N−
ジエチルヘキサノールアミン、N,N−ジプロピ
ルエタノールアミン、N,N−ジプロピルプロパ
ノールアミン、N,N−ジプロピルブタノールア
ミン、N,N−ジプロピルペンタノールアミン、
N,N−ジブチルヘキサノールアミン、N,N−
ジペンチルエタノールアミン、N,N−ジヘキシ
ルエタノールアミン、N,N,N−トリメチルプ
ロパノールアミン、N,N,N−トリメチルブタ
ノールアミン、N,N,N−トリメチルペンタノ
ールアミン、N,N,N−トリメチルヘキサノー
ルアミン、N,N,N−トリエチルエタノールア
ミン、N,N,N−トリエチルプロパノールアミ
ン、N,N,N−トリエチルブタノールアミン、
N,N,N−トリエチルペンタノールアミン、
N,N,N−トリエチルヘキサノールアミン、
N,N,N−トリプロピルエタノールアミン、
N,N,N−トリプロピルブタノールアミン、
N,N,N−トリプロピルペンタノールアミン、
N,N,N−トリプロピルヘキサノールアミン、
N,N,N−トリブチルエタノールアミン、N,
N,N−トリブチルプロパノールアミン、N,
N,N−トリブチルブタノールアミン、N,N,
N−トリブチルペンタノールアミン、N,N,N
−トリブチルヘキサノールアミン、N,N,N−
トリペンチルエタノールアミン、パントテニルア
ルコール、パンテテイン、セリン、セリンエチル
エステル、ホモセリン、トリ−L−セリン、L−
セリル−L−ロイシン、L−セリル−L−メチオ
ニン、L−セリル−L−アルギニン、L−セリル
−L−グルタミン、L−セリル−L−チロシン、
L−セリル−L−フエニルアラニン、ラウリルジ
エタノールアマイド、トリオキシエチレンラウリ
ルアマイド、パルミチン酸ジエタノールアマイ
ド、モノラウリン、メタクリル酸−2−ヒドロキ
シエチル、トリエチレングリコール、エチレング
リコールモノラウレート、ジエチレングリコール
モノラウレート、エチレングリコールモノステア
レート、エチレングリコールモノオレート、エチ
レングリコールモノパルミテート、ジエチレング
リコールモノパルミテート、エチレングリコール
モノラウリルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノラウリルエーテル、エチレングリコールモノセ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノセチル
エーテル、エチレングリコールモノステアリルエ
ーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノ(2−ジエチルアミ
ノエチル)エーテル、エチレングリコールモノヘ
キシルエーテル、エチレングリコールモノトリル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテ
ル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、
エチレングリコールモノオクチルフエノールエー
テル、ジエチレングリコールモノオクチルフエノ
ールエーテル、エチレングリコールモノクロロフ
エニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテルを例示でき、又、芳香族アルコールと
しては、ベンジルアルコール、β−フエネチルア
ルコール、3−フエニル−1−プロパノール、ケ
イ皮アルコール、p−クロロベンジルアルコー
ル、p−アミノフエネチルアルコール、β−ヒド
ロキシエチルアニリン、アニスアルコール、2−
ナフタレンエタノール、エチレングリコールモノ
サリチル酸エステル、1,4−ジ(2−ヒドロキ
シ)フエニルエーテル、N−エチル−N−2−ヒ
ドロキシエチル−m−トルイジン、エチレングリ
コールモノフエニルエーテルなどが例示でき、更
に、複素環化合物としては、2−(3−インドー
ル)エタノール、ピリドキシン、ピリドキサー
ル、5−ヒドロキシメチルシトシン、シチジン、
ウリジン、アデノシン、グアノシン、アラビノシ
チジン、チアミン、などがあげられる。 又、上記(2)の群に属する二級アルコールの例と
しては、例えば、2−プロパノール、2−ブタノ
ール、2−ペンタノール、2−ヘキサノール、2
−ヘプタノール、2−オクタノール、2,3−ブ
タンジオール、アセトインモノマー、3,5−ジ
メチルシクロヘキサノール、フエニレンアルコー
ル、1,4−シクロヘキサンジオール、1−クロ
ロ−2−プロパノール、1−アミノ−2−プロパ
ノール、ジイソプロパノールアミン、1−フエニ
ルエタノール、1−フエニル−2−プロパノー
ル、シクロブタノール、シクロヘキサノールなど
が例示できる。 更に上記(3)の群に属する糖類の例示としては、
例えば、D及びL−アラビノース、2−デオキシ
−D−リボース、D−リボース、D−リキソー
ス、D−キシロース、2−デオキシ−D−グルコ
ース、D−グルコース、D−マンノース、D−ガ
ラクトース、D−フラクトース、L−ソルボー
ス、α又はβ−メチルキシロサイド、α又はβ−
メチルリボサイド、α又はβ−メチルアラビノサ
イド、2−O−メチルキシロース、α又はβ−メ
チルグルコサイド、α又はβ−メチルガラクトサ
イド、α又はβ−メチルマンノサイド、3−O−
メチルグルコース、メチルーβ−D−チオガラク
トサイド、β−D−チオグルコース、D−グルコ
サミン、D−マンノサミン、D−ガラクトサミ
ン、N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセ
チル−D−ガラクトサミン、N−アセチル−D−
マンノサミン、フエニル−β−D−ガラクトサイ
ド、p−ニトロフエニル−α−D−キシロサイ
ド、アルブチン、サリシン等を例示することがで
きる。 ホスホリパーゼDMによるスフインゴリン脂質
の糖への転移は上記に示す如き一級アルコール基
を分子内に有する糖類については生起するが、た
とえばフコース、ラムノースなどの如く6位がデ
オキシ化され一級アルコール基を持たない糖類、
では起らない事、リボース、アラビノース、フラ
クトース等のスフインゴリン脂質糖誘導体は、い
づれもTLCで分離した時、生成物のスポツトは
一つである事、さらに、グルコースをピリジン溶
液中でトリフエニルクロルメタンにより処理し
て、該グルコースの一級アルコール基をトリフエ
ニルメタンで置換しておくと転移が生じないこと
等の点からみて、ホスホリパーゼDMによるスフ
インゴリン脂質の糖への転移は糖の一級アルコー
ル基の位置へ生ずるものと推定される。 上記例示の如き(1)−(3)のアルコール性水酸基を
有する化合物は天然物、合成品、いづれでも利用
できるが、目的とする化合物以外のアルコール性
水酸基を有する化合物を含まないように、予め適
当な手段を利用して精製して利用するのが好まし
い。このような精製手段の例としてたとえば蒸
留、再結晶、アルミナ、シリカゲル活性炭、イオ
ン交換樹脂などを用いたカラムクロマトグラフイ
ー、薄層クロマトグラフイー及びこれ等の適当な
組合わせによる精製手段を例示できる。 本発明方法によれば前記例示の如き式()リ
ン脂質と上記例示の如き(1)−(3)の群からえらばれ
たアルコール性水酸基を有する化合物とをホスホ
リパーゼDMの存在下に反応させる。 この際利用するホスホリパーゼDMとしては、
従来公知のキヤベツから抽出されたホスホリパー
ゼDの至適温度40℃以下、至適PH5.4〜5.6に対し
て、至適温度60〜70℃、至適PH7付近である点で
公知ホスホリパーゼDと区別ができるホスホリパ
ーゼDM生産菌の生産するホスホリパーゼDMが
例示できるが、N−アシルスフインゴシン−1−
リン酸転移作用を有するホスホリパーゼDMであ
ればその起源にかゝわらずすべて利用出来る。 該ホスホリパーゼDMは式()スフインゴリ
ン脂質とC10一級アルコールであるゲラニオール、
C4の2級アルコールである2−ブタノール、C5
の糖であるリボースとの間にをけるスフインゴリ
ン脂質誘導体の形成を触媒する点で公知ホスホリ
パーゼDと区別できる。 このようなホスホリパーゼDM生産菌の例とし
ては、同一出願人の出願に係わる特願昭56−
161076号に開示されたノカルデイオプシス
(Nocardiopsis)属に属するホスホリパーゼDM
生産菌たとえばノルカデイオプシス属No.779株
〔FERM−PNo.6133〕、同一出願人の出願に係わ
る特願昭56−163475号に開示されたアクチノマデ
ユーラ(Actinomadura)属に属するホスホリパ
ーゼDM生産菌たとえばアクチノマデユーラ属No.
362株〔FERM−PNo.6132〕等を挙げることがで
きる。至適温度及び至適PHの相違と共に他のいく
つかの相違点と共に、下掲第1表に、本発明方法
で利用するホスホリパーゼDMと公知ホスホリパ
ーゼDとの酵素学的性質の差異を示した。 【表】 【表】 公知ホスホリパーゼDを用いては得られなかつ
たスフインゴリン脂質誘導体が、本発明方法で形
成できる理由には、この酵素的触媒反応に関与す
る公知ホスホリパーゼDと本発明方法で用いるホ
スホリパーゼDMとの上記の如き酵素学的性質の
差異が関与しているものと推測される。勿論、本
発明方法はこのような作用の推測によつて何等の
制約もうけるものではない。 本発明方法で利用できるホスホリパーゼDMを
生産する前記ホスホリパーゼDM生産菌ノカルデ
イオプシス属No.779株[FERM−PNo.6133]及び
アクチノマデユーラ属No.362株[FERM−PNo.
6132]の菌学的性状及びそれらが生産するホスホ
リパーゼDMの力価測定法、理化学的性質につい
て以下に述べる。 ノカルデイオプシス属No.779株[FERM−PNo.
6133]の菌学的性状:− (a) 形態 グルコースアスパラギン寒天、グリセリン
アスパラギン寒天、酵母麦芽寒天培地等では
良好に、また澱粉無機塩培地では中程度に生
育して気菌糸の集落を着生する。 胞子を着生した菌叢の色は培地の種類、観
察時期により若干変化するが、おおむね白色
ないし灰白色から明るい灰色を呈する。 シユークロース硝酸塩寒天、栄養寒天、オ
ートミール寒天培地では気菌糸を着生しない
か、貧弱にしか着生しない。 寒天培地上に生育させた本菌株を顕微鏡で
観察すると、気菌糸は0.5〜0.8μで直線状で
ゆるく波形又は屈曲を混じえながら分枝をも
つて長く伸び、気菌糸全体は数10から100ケ
以上のすべて胞子からなる連鎖によつて形成
されている。 胞子の大きさは0.5〜0.8×0.7×1.0μで、ほ
ぼ短円筒形で大きさはやや不規則である。 基生菌糸は巾0.5〜0.8μで分枝をもつて伸
長し、寒天培地上ではかならずしも分断しな
いが、液体培養することによりほとんどの場
合細かく分断する。 しかし遊走胞子、胞子のう、菌核等は形成
されない。 (b) 各種培地上での性状 以下に記載する実験方法は主としてイー・
ビー・シヤーリング(Int.J.Syst.
Bacteriol.16巻、313〜340、1966年)の方法
にしたがつて行つた。 色調は「色の標準」(財団法人日本色彩研
究所、1964年)を用いて決定し、色相名とと
もに括弧内に色相名、彩度番号、明度番号の
順に色相記号を記入した。 培養は25℃で行い、最も生育の旺盛な2〜
3週間目の各培地上における観察結果を第2
表に示した。但し第2表中、生育項目に記載
した基生菌糸表面の色は胞子着生前の培養一
週間目における観察結果を示しており、胞子
着生が早く基生菌糸表面の色の判定困難な培
地については、記載していない。 【表】 可溶性色素 生産しない
【表】 可溶性色素 生産しない
(c) 生理的性質 1 生育温度:5℃〜30℃付近で生育し、20〜
30℃で最もよく生育する。 2 ゼラチンの液化:液化しない(グルコー
ス・ペプトン・ゼラチン培地上、25℃、3
週間培養)。 3 スターチの加水分解:分解する(スターチ
寒天培地上、25℃、3週間培養)。 4 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化:凝固、ペプ
トン化共にせず(30℃、3〜4週間培養)。 5 メラニン様色素の生成:ペプトンイースト
鉄寒天、チロシン寒天で生成する(25℃、
2〜4日間)。 (d) 炭素源の同化性(30℃、10〜16日培養) L−アラビノース−シユークロース− D−キシロース−イノシトール− D−グルコース+L−ラムノース− D−フラクトース−ラフイノース− (e) 細胞の化学分析 本菌株のデイアミノピメリン酸はメソ型で
あり、ヒドロキシデイアミノピメリン酸を含
まない。細胞壁の糖組成は、アラビノース、
キシロース、マデユロース、ラムノース等を
有せず、ガラクトース、マンノース等を有す
る。又本菌株はノカルドミコール酸を有しな
い。 以上の分析結果についてBergey′s Manual of
the Determinative Bacteriology第8版、657頁
〜658頁(1974年)や、レシエバリエ(Inter.J.
System.Bacteriol.20巻、435頁〜443頁、1970
年)、メイヤー(Int.J.Syst.Bacteriol.26巻、487
頁〜493頁1976年)らの分類法にしたがつて判定
すると、本菌は細胞壁類型(cell wall type
型、糖組成類型(cell wall sugar pattern)C
型となる。 以上本菌は、細胞壁類型が、糖組成類型がC
であることから、レシエバリエの分類法によれば
ダソンビレイタイプのアクチノマデユーラ属、サ
ーモアクチノミセス属、アクチノビイフイダス
属、ゲオダーマトフイラス属のいづれかに属す
る。 しかし本菌は、その形態において気菌糸のすべ
てが胞子の長い連鎖から成り、基生菌子を細かく
分断するが、内生胞子、遊走胞子、胞子のうが見
い出されないことより、ダソンビレイタイプのア
クチノマデユーラ属(Genus Actinomadura
dassonvillei type)に同定するのが分類上妥当で
ある。なお、近年ダソンビレイタイプのアクチノ
マデユーラ属はメイヤーの提起した新属ノカルデ
イオプシス属に統合され、ノカルデイオプシス属
の名称で取り扱われることが一般的である。 そこで本菌は、ノカルデイオプシス属No.779
(Genus Nocardiopsis spNo.779)と称することに
した。そして本菌は工業技術院微生物工業技術研
究所に寄託されており、その受託番号は「微工研
菌寄第6133号(FERM−PNo.6133)」である。本
菌は昭和59年3月21日に微工研条寄第512号
(FERM BP−512)としてブダペスト条約に基
づく国際寄託に移管された。 本発明で用いるホスホリパーゼDMを生産する
のに用いる使用菌としては、ノカルデイオプシス
属No.779および本菌株を変異処理した変異株だけ
でなく、ノカルデイオプシス属(旧属名アクチノ
マデユーラ ダソンビレイタイプ属)に属しホス
ホリパーゼDMを生産する菌であれば全て利用で
きる。 アクチノマデユーラ属No.362株[FERM−PNo.
6132]の菌学的性状:− (a) 形態 澱粉無機塩寒天、チロシン寒天、酵母・麦
芽寒天、オートミール寒天培地等では良好
に、またグリセリンアスパラギン寒天では中
程度に生育して気菌糸の集落を着生する。 胞子を着生した菌叢の色は培地の種類、観
察時期により若干変化するが、おおむねやや
紫味を持つた灰白色から灰色を呈する。 シユークロース硝酸塩寒天、栄養寒天、グ
ルコースアスパラギン寒天では気菌糸を着生
しないか、貧弱にしか着生しない。 寒天培地上に生育させた本菌株を顕微鏡で
観察すると、気菌糸は巾0.8〜1.2μで分枝し、
一部ループ状又は螺旋状をなし、屈曲を混じ
えながら主として直線状に長く伸び、先端は
ループ状にゆるく巻いている場合が多い。 胞子は数10から100以上の連鎖状をなして
着生し、ほぼ気菌糸全体を形成する。 胞子の大きさは0.8〜1.2×1.2〜1.7μで、短
円筒又は卵形で、大きさ形ともやや不規則で
ある。 基生菌糸は巾0.6〜1.0μで、不規則な分枝
をもつて屈曲しながら伸長し、遊走胞子、胞
子のう、菌核等は形成されない。 また通常、隔壁、菌糸の分断は見られない
が、液体培養により菌糸の分断が見られるこ
ともある。 (b) 各種培地上での性状 以下に記載する実験方法は、主としてイ
ー・ビー・シヤーリング(Int.J.Syst.
Bacteriol.16巻、313〜340、1966年)の方法
にしたがつて行つた。 色調は、「色の標準」(財団法人日本色彩研
究所、1964年)を用いて決定し、色相名とと
もに括弧内に色相名、彩度番号、明度番号の
順に色相記号を記入した。 培養は25℃で行い、最も生育の旺盛な2〜
3週間目の各培地上における観察結果を第3
表に示した。但し第3表中、生育項目に記載
した基生菌糸表面の色は胞子着生前の培養一
週間目における観察結果を示しており、胞子
着生が早く基生菌糸表面の色の判定困難な培
地については記載していない。 【表】 可溶性色素 メラニン様ブラウン色
素を生ずる
【表】 可溶性色素 生産しない
(c) 生理的性質 1 生育温度:10℃〜37℃附近で生育し、20〜
30℃で最もよく生育する。 2 ゼラチンの液化:液化しない(グルコー
ス・ペプトン・ゼラチン培地上、25℃、3
週間培養)。 3 スターチの加水分解:分解する(スターチ
寒天培地上、25℃、3週間培養)。 4 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化:凝固せず、
ペプトン化する(30℃、3〜4週間培養)。 5 メラニン様色素の生成:ペプトンイースト
鉄寒天、チロシン寒天で生成する(25℃、
2〜4日間)。 (d) 炭素源の同化性(30℃、10〜16日培養) L−アラビノース+シユークロース− D−キシロース+イノシトール ± D−グルコース+L−ラムノース− D−フラクトース−ラフイノース− (e) 細胞の化学分析 本菌株のデイアミノピメリン酸はメソ型で
あり、細胞壁の糖組成は、アラビノース、キ
シロース、ラムノース等を有せず、マデユロ
ース、ガラクトース、マンノース等を有す
る。 以上の分析結果についてBergey′s Manual of
the Determinative Bacteriology第8版、657頁
〜658頁(1974年)や、レシエバリエ(Inter.J.
System.Bacteriol.20巻、435頁〜443頁、1970年)
等の分類法にしたがつて判定すると、本菌は細胞
壁類型(cell wall type)型、糖組成類型
(cell wall sugar pattern)B型となる。 以上本菌は、細胞壁類型が、糖組成類型がB
であることから、ミクロピスポラ属、ストレプト
スポランギウム属、スピリロスポラ属、ブラノモ
ノスポラ属、デルマトフイラス属、アクチノマデ
ユーラ属のいづれかに属する。しかし本菌はその
形態において多数の胞子から成る胞子連鎖を着生
し、菌核、胞子嚢、遊走胞子が見い出されないこ
とより、アクチノマデユーラ属(Genus
Actinomadura)に同定するのが分類学上、最も
妥当である。 そこで本菌は、アクチノマデラーラ属No.362
(Actinomadura spNo.362)と称することにした。
そして本菌は工業技術院微生物工業技術研究所に
寄託されており、その受託番号は「微工研菌寄第
6132号(FERMP−6132」である。本菌は昭和59
年3月21日に微工研条寄第511号(FERM BP−
511)としてブダペスト条約に基づく国際寄託に
移管された。 本発明で用いるホスホリパーゼDMを生産する
のに利用する使用菌としては、上記したアクチノ
マデユーラ属No.362、及び本菌株を変異処理した
変異株だけでなく、アクチノマデユーラ属に属し
ホスホリパーゼDMを生産する菌であれば全て用
いる事ができる。 本発明方法で利用するホスホリパーゼDMを、
上記例示の如きホスホリパーゼDM生産菌を用い
て製造するには、上記例示の如きホスホリパーゼ
DM生産菌を培地に培養し、培養物よりホスホリ
パーゼDMを採取すればよい。その培養形態とし
ては、液体培養、固体培養いづれも用いることが
出来るが、工業的には深部通気撹拌培養を行うの
が有利である。 また使用する培養源としては、一般に微生物培
養に用いられる炭素源、窒素源、無機塩、及びそ
の他の微量栄養素の他、ノカルデイオプシス属や
アクチノマデユーラ属に属するホスホリパーゼ
DM生産微生物の利用することの出来る栄養源で
あれば、すべて使用することが出来る。 培地の炭素源としては、例えばブドウ糖、果
糖、シヨ糖、乳糖、澱粉、グリセリン、デキスト
リン、糖蜜、ソルビトール等の他、脂肪酸、油
脂、粗レシチン、アルコール、有機酸などを例示
でき、これらは単独でまたは組合せて用いること
ができる。 窒素源としては、無機窒素源、有機窒素源いづ
れでも利用可能であり、無機窒素源としては、例
えば硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、尿
素、硝酸ソーダ、燐酸第1アンモニウム、燐酸第
2アンモニウム、塩化アンモニウム等が挙げら
れ、また有機窒素源としては、大豆、米、とうも
ろこし、綿実、菜種、小麦などの粉、糠、脱脂粕
をはじめ、コーンスチープリカー、ペプトン、酵
母エキス、肉エキス、カゼイン、アミノ酸等が例
示できる。 無機塩及び微量栄養素としては、例えばリン
酸、マグネシウム、カリウム、鉄、アルミニウ
ム、カルシウム、マンガン、亜鉛等の塩類の他、
ビタミン、非イオン界面活性剤、消泡剤等菌の生
育やホスホリパーゼDMの生産を促進する適当な
物質を例示でき、必要に応じて使用出来る。 培養は好気的条件で行なわれる。培養温度は菌
が発育し、ホスホリパーゼDMを生産する温度範
囲で適宜変更選択できるが、特に好ましいのは約
20〜約35℃である。 培養時間は条件により異なるが、ホスホリパー
ゼDMが最高生成量に達するまで培養すればよ
い。液体培養の場合は例えば1〜3日程度であ
る。 培養物中に生成したホスホリパーゼDMは、液
内培養では主として培養液中に溶けているので、
培養終了液より固形物を別して得られる培養
液よりホスホリパーゼDMを採取できる。 培養液中よりホスホリパーゼDMを採取する
に当つては、通常酵素精製に用いられるあらゆる
方法が利用出来る。例えば硫安、食塩等による塩
析、アセトン、エタノール、メタノール等の有機
溶剤による沈澱、透析、イオン交換クロマトグラ
フイー、吸着クロマトグラフイー、ゲル過、吸
着剤、等電点沈澱等の方法が使用出来る。さらに
これ等の方法を適当に組み合せることによつて、
ホスホリパーゼDMの精製効果が上る場合には、
組合せて行うことが出来る。 上述のようにして得ることのできる本発明方法
で利用できるホスホリパーゼDMは、たとえば安
定化剤として各種塩類、糖質、蛋白質、脂質、界
面活性剤等を加えるか、もしくは加えることな
く、減圧濃縮、減圧乾燥、凍結乾燥等の方法によ
り液状又は固形のホスホリパーゼDMの形態にす
ることが出来る。本発明方法で利用するホスホリ
パーゼDMの酵素活性測定法は、基質グリセロ燐
脂質に作用してリン酸と含窒素塩基とのエステル
結合を分解して生ずる塩基の量を測定して求め
る。ホスホリパーゼDMの活性は、特に記載しな
いかぎり、以下に記載するコリンオキシダーゼ法
により測定した。 力価測定法: 1%卵黄精製レシチンエマルジヨン(0.1gレ
シチン、1mlエチルエーテル、10ml蒸留水の超音
波乳化液)0.1mlに、0.2MPH7.2トリス−塩酸緩衝
液0.1ml、0.1MCaCl2水溶液0.05ml、蒸留水0.15ml
を混合し、これに酵素液0.1mlを加え、37℃で20
分反応後、50mM EDTA−2Naを含む1Mトリ
ス−塩酸緩衝液(PH8.0)0.2mlを加え、直ちに5
分間煮沸して反応を完全に停止する。次にコリン
エステラーゼ測定用試薬〔日本商事(株)製造〕のキ
ツトに含まれるコリン呈色剤を呈色溶解液に溶解
した溶液4mlを加え、37℃で20分間反応させた
後、500nmの吸光度を測定する。 対照としては、あらかじめ熱失活した酵素液を
用いて同様に反応させたものの吸光度を測定す
る。 そして1分間に1μモルのコリンを遊離する酵
素活性を1単位とする。 前述したノカルデイオプシス属No.779株及びア
クチノマデユーラ属No.362株の夫々を用い、後記
9精製方法に記載した方法により精製した酵素標
品を用いた本発明方法で利用できるホスホリパー
ゼDMの理化学的性質について以下にのべる。 1 作 用 グリセロリン脂質のリン酸と含窒素塩基との
エステル結合を分解してホスフアチジン酸と塩
基を遊離する。 2 基質特異性 基質としてレシチン、リゾレシチン、スフイ
ンゴミエリンのいづれか1つを0.5μモル含むエ
マルジヨン0.1mlを用い、蒸留水の代りに1%
Triton X−100を含む水溶液を用いる以外は、
上記力価測定法と同様にして反応させ遊離した
コリン量を測定し、各基質に対するホスホリパ
ーゼDM活性を測定した。その結果、レシチン
に対する活性を100とした時の相対活性は、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− リゾレシチン4.9;スフインゴミエリン0.3、 アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− リゾレシチン3.6;スフインゴミエリン0.3、 であつた。 3 至適PH 力価測定法において用いる緩衝液の代りにPH
3.0〜4.0では蟻酸・蟻酸ソーダ緩衝液、PH4.0〜
5.5では酢酸・酢酸ソーダ緩衝液、PH5.5〜8.5で
はトリス・マレイン酸・苛性ソーダ緩衝液、PH
7.0〜9.0ではトリス・塩酸緩衝液、PH9.0〜10.0
ではグリシン・苛性ソーダ緩衝液を用いてホス
ホリパーゼDMの活性を測定し、至適PHを求め
た。また同測定法で用いる蒸溜水0.15mlの代り
に1%Triton X−100(和光純薬)水溶液0.15
mlを用いた時の至適PHについても求めた。 その結果、蒸留水を用いた場合、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 至適PH7付近(6.5〜7.0)、 アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 至適PH7付近、 であり、1%Triton X−100水溶液を用いた
場合、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 至適PH5付近、 アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 至適PH5.5付近、 であつた。 4 至適温度 力価測定法において、反応温度条件を10、
20、25、37、40、50、55、60、70、80および90
℃で酵素活性を測定した。その結果、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 至適温度60〜80℃、とくには60℃〜70℃、 アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 至適温度55℃〜80℃、とくには60℃〜70℃、 と認められた。 5 PH安定性 酵素溶液0.1mlに、ノカルデイオプシス属ホ
スホリパーゼDMの場合は0.2mlのアクチノマ
デユーラ属ホスホリパーゼDMの場合には0.9
mlの0.1Mの各種緩衝液、すなわちPH3.0〜3.5で
はグリシン・塩酸緩衝液、PH3.5〜7.0では酢
酸・酢酸ソーダ緩衝液、PH5.0〜8.0ではトリ
ス・マレイン酸・苛性ソーダ緩衝液、PH7.0〜
9.0ではトリス・塩酸緩衝液、PH9.0〜9.5ではグ
リシン・苛性ソーダ緩衝液を夫々加え、25℃で
2時間保つた。その後、これら酵素緩衝液に
0.5Mトリス・塩酸緩衝液(PH7.2)を、ノカル
デイオプシス属ホスホリパーゼDMの場合には
1.2ml、アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼ
DMの場合には9.0ml加え、PHを7.0〜7.3とし
た。この溶液0.1mlを用い、力価測定法に従つ
て力価を測定し、安定PH範囲を調べた結果、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 特に安定なPH4.0〜7.0、 アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 特に安定なPH4.0〜8.0、 と認められた。 また、力価測定法で用いる蒸溜水0.15mlの代
りに1%Triton X−100水溶液0.15mlを用いる
他は、上記と同様に操作してPH安定範囲を調べ
たが、結果は上記したところと殆んど変らなか
つた。 6 熱安定性 酵素溶液0.1mlに0.1Mトリス・塩酸緩衝液
(PH7.2)を、ノカルデイオプシス属ホスホリパ
ーゼDMの場合には4ml、アクチノマデユーラ
属ホスホリパーゼDMの場合には9.9ml加え、
20、30、37、40、50、60および65℃に30分間放
置した後、残存する酵素活性を測定した。 その結果、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 30℃で30分の熱処理では殆んど失活せず、50
℃で30分間の熱処理で80%の活性が残存、 アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 30℃で30分の熱処理では殆んど失活せず、50
℃で30分間の熱処理で60%の活性が残存、 という結果であつた。 7 各種物質による影響 力価測定法においてCaCl2水溶液の代りに各
種物質の水溶液を0.05ml加え、酵素反応系中で
1mM濃度に成るようにして活性を測定した。
その結果は水添加の時の活性を100とし、相対
活性として賦活作用のあつたものは、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 例えば、AlCl3、CuSO4、ZnSO4、CoCl2、
CaCl2、FeCl2、FeSO4、MgCl2、SnCl2、デオ
キシコール酸ソーダ、エタノール、イソプロパ
ノール、t−ブタノール、Triton X−100、 アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 例えば、AlCl3、CaCl2、FeSO4、FeCl3、
MgCl2、SnCl2、デオキシコール酸ソーダ、エ
タノール、イソプロパノール、t−ブタノー
ル、 で、一方、阻害作用のあつたものは、 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 例えば、ドデシル硫酸ソーダ、セチルピリジ
ニウムクロライド アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 例えば、セチルピリジニウムクロライド、 であつた。 8 力価の測定法 前述したとおりである。 9 精製方法 きな粉3.0g、コーンスチープリカー1.0%、
ペプトン0.5g、粉末酵母エキス0.1%、グルコ
ース1.0g、NH4NO30.25%、K2HPO40.4%、
MgSO4・7H2O0.01%、ツウイン(Tween)−
85 0.1%から成る培地(PH6.0)約151を30lジヤ
ーフアーメンターに入れ、120℃で15分間滅菌
後、シード培養液1.5lを植菌し、27℃で40時間
培養を行つた。尚、上記シード培養液は、澱粉
1%、(NH4)H2PO40.25%、ペプトン0.25%、
K2HPO40.2%、MgSO4・7H2O0.01%を含む水
溶液培地(PH6.8)100mlを500ml坂口フラスコ
に入れ、蒸気殺菌後、ノカルデイオプシス属No.
779株[FERM−PNo.6133]又はアクチノマデ
ユーラ属No.362株[FERM−PNo.6132]の胞子
を一白金耳接種し、培養温度30℃、120回転/
分の条件で2日間振盪培養して調製した。 培養後、菌体固形物を遠心分離により除去
し、遠心上清13l(ノカルデイオプシス属FERM
−PNo.6133株を用いた場合は0.54u/ml;アク
チノマデユーラ属FERM−PNo.6132株を用い
た場合は17u/mlであつた。)を得た。この遠
心上清を5℃に冷却した後、−20℃のアセトン
を加えてアセトン濃度30〜70%画分に相当する
ホスホリパーゼDMを含む沈澱物を遠心分離に
より集めた。この沈澱物を、ノカルデイオプシ
ス属FERM−PNo.6133株を用いた場合にはPH
6.0、アクチノマデユーラ属FERM−PNo.6132
株を用いた場合はPH6.5のトリス・マレイン酸
緩衝液に溶解し、0.02Mの同緩衝液に対して透
析した後、同緩衝液で平衡化したDEAE−セル
ロースに通塔し、通過区分を集めた。次に堀内
等の方法〔J.Biochem.81、1639(1977)〕で調
製したパルミトイルガーゼをカラムに充填し、
充分に水洗してから上記DEAE−セルロース通
過液を注入し、活性を吸着した。これを0.05M
トリス・塩酸緩衝液(PH7.2)で洗浄後、0.2%
Triton X−100を含む同緩衝液を加え活性を
溶出した。活性区分を集めてバイオエンジニア
リング社製の限外過膜(Type G−10T)を
用いて濃縮した後、ゲル過担体としてトヨパ
ールHW−55F〔東洋曹達(株)製〕充填カラムに
注入し、蒸留水を用いて通塔し、活性区分を集
めて凍結乾燥を行つた。 この乾燥粉末を、ノカルデイオプシス属ホス
ホリパーゼDMの場合には0.025Mイミダゾー
ル−塩酸(PH7.4)に溶解後、アクチノマデユ
ーラ属ホスホリパーゼDMの場合には0.025M
トリス・酢酸(PH8.3)に溶解後、フアルマシ
ア・フアインケミカルス社製のポリバツフア交
換体PBETN 94(20ml)充填カラムに通塔して
活性を吸着後、同社製の溶出用ポリバツフア
(PH5.0)を用いてPH勾配により溶出した。溶出
したホスホリパーゼDMの活性区分を集めて限
外過膜にて濃縮し、セフアデツクスG−75充
填カラムに通塔し、ホスホリパーゼDM活性区
分を集めて凍結乾燥した。 斯くて、ノカルデイオプシス属ホスホリパー
ゼDMの場合には、約40%の活性回収率で、比
活性178.3u/mg蛋白質として、アクチノマデユ
ーラ属ホスホリパーゼDMの場合には約43%の
活性回収率で、比活性218.3u/mg蛋白質とし
て、ホスホリパーゼDMが回収された。 等電点 ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼDM:− 4.85±0.1(アンホライン電気泳動法により測
定) アクチノマデユーラ属ホスホリパーゼDM:− 6.4±0.1(アンホライン電気泳動法により測
定) 転移作用 従来公知のホスホリパーゼDは、既述のよう
に、レシチンからホスフアチジン酸を生成し、
これを炭素数1から6までの直鎖の1級アルコ
ールに転移してエステルを形成することが知ら
れている。ホスホリパーゼDMについても同様
に転移作用を調べた結果、本酵素では、公知ホ
スホリパーゼDでは転移を生じないことの記載
された1級アルコールを包含して、更に広範囲
のアルコールに転移が起りエステルが形成する
ことが判明した。 本発明方法で利用するホスホリパーゼDMは後
記転移作用の実験方法〔TLCによる転移生成物
の生成確認方法〕に従つて反応を行つて例えば一
級アルコールのゲラニオール(C10)と、又は二
級アルコールの2−ブタノール(C4)と、又は
糖類のリボース(C5)とスフインゴリン脂質で
あるスフインゴミエリンとの間におけるスフイン
ゴリン脂質誘導体形成反応を触媒して、該スフイ
ンゴリン脂質の該アルコール性化合物誘導体を形
成する。公知キヤベツホスホリパーゼDは上記誘
導体を形成しない。 本発明方法によれば、前記例示の如き式()
スフインゴリン脂質と前記例示の如き(1)−(3)のア
ルコール性水酸基を有する化合物とを、上記に詳
しく述べたホスホリパーゼDMの存在下に反応さ
せることにより、下記式() 但し式中、A及びR′は前記したと同義である、
で表わされるスフインゴリン脂質誘導体を製造す
ることができる。この際、ホスホリパーゼDMは
精製品として使用する必要はなく粗製品であつて
もよい。更に、適当な固定化担体たとえばポリプ
ロピレン膜、セライト粒、ガラスビーズなどの如
き各種の重合体樹脂類や無機材料の粒状物やフイ
ルム状物に担持固定化して利用することもでき
る。 反応は、ホスホリパーゼDMの存在下で、好ま
しくは溶媒の存在下に、式()スフインゴリン
脂質と前記(1)−(3)アルコール性化合物とを接触せ
しめることにより行うことができる。利用する溶
媒の例としては、水性溶媒及び水性溶媒と有機溶
媒との混合溶媒を例示することができる。前記(1)
及び(3)のアルコール性化合物についてはそれ自体
に溶媒の役目を兼ねさせることもできる。また、
ホスホリパーゼDMの酵素学的触媒作用を阻害し
ない任意の他の添加剤を含む溶媒も利用でき、た
とえば該作用を促進したり、酵素の安定化に役立
つ適当な添加剤を含有した溶媒であることができ
る。例えば、酢酸、クエン酸、リン酸などの緩衝
剤を含有したり、塩化カルシウムその他の中性塩
を含有したりした水性溶媒であることができる。
更に、有機溶媒の例としては、一級アルコール又
は二級アルコール、それ自体を包含して、例え
ば、n−ヘプタン、n−ヘキサンなどの如き脂肪
族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロブタンなどの如き脂環族炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの如き芳香族
炭化水素類;アセトン、メチルイソプロピルケト
ンなどの如きケトン類;ジメチルエーテル、ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどの如
きエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルなどの如
きエステル類;四塩化炭素、クロロホルム、塩化
メチレンなどの如きハロゲン化炭化水素類;ジメ
チルホルムアミドの如きアミド溶媒類;ジメチル
スルホキシドの如きスルホキシド溶媒類などを例
示することができる。 水性溶媒と有機溶媒との混合溶媒の形で利用す
る場合の両者の混合比は適当に選択できるが、例
えば水性溶媒:有機溶媒(V/V比)の比で50:
1〜1:10の如き混合比を例示することができ
る。 反応モル比、ホスホリパーゼDMの使用量、溶
媒の使用量など、適宜に選択できるが、例えば、
式()スフインゴリン脂質1モルに対して前記
(1)−(3)アルコール性化合物約1:1〜約1:
1000、好ましくは約1:10〜約1:100モルの反
応モル比を例示することができる。また、ホスホ
リパーゼDMの使用量としては、例えば、式
()リン脂質1g当り約10〜約100000、好まし
くは約100〜約1000単位程度の使用量を例示する
ことができる。さらに、溶媒の使用量としては、
例えば、式()リン脂質に対して約10〜約500
容量倍程度の使用量を例示できる。 反応は、室温で進行するので、とくに冷却或は
加熱の必要はないが、所望により適宜に冷却もし
くは加温条件を採用することができる。例えば、
約0℃〜約90℃、好ましくは約20℃〜約60℃の如
き反応温度を例示することができる。また反応時
間も適宜に選択できるが、例えば約1分〜約10
日、好ましくは約0.1時間〜約72時間、更に好ま
しくは約1時間〜約72時間、とくに好ましくは約
1時間〜約24時間の如き反応時間を例示すること
ができる。所望により、たとえばTLC(薄層クロ
マトグラフイー)などの手法を利用して反応経過
を追跡し、所望の目的物の形成を確認することに
より反応時間を適宜に変更することができる。 ホスホリパーゼDMの存在下で式()スフイ
ンゴリン脂質と前記(1)−(3)アルコール性化合物と
を接触せしめる態様は適宜に選択できるが、撹拌
もしくは振盪条件下で行うのが普通である。又、
前記のように適当な粒状物やフイルム状物担体に
担持固定化した固定化酵素の形でホスホリパーゼ
DMを利用する場合には、例えば、固定化酵素膜
もしくは固定化酵素粒子層を介して反応組成液を
循環ポンプを用いて通過させる態様で行うことが
できる。 上述のようにして反応を行つた後、形成された
式()スフインゴリン脂質誘導体は、そのまゝ
又は塩の形で沈澱させて分離して利用することが
できる。更に、ケイ酸カラムクロマト、アルミナ
カラムクロマト、高速液体クロマト、向流分配、
ゲル過、吸着クロマト等の適当な公知の方法を
利用して分離精製することができる。 本発明方法によれば、上述したようにして、式
()スフインゴリン脂質と前記(1)−(3)のアルコ
ール性化合物とを、ホスホリパーゼDMの存在下
に反応させて式()スフインゴリン脂質誘導体
を製造することができる。得られる式()スフ
インゴリン脂質誘導体は、すぐれた界面活性作用
を有し細胞膜の透過性に大きな影響を持つ。この
意味から、該式()誘導体はリポソーム形成基
材として、又、化粧品たとえばクリーム、乳液に
配合して皮膚生理に役立つ乳化剤として、更に脂
肪系薬剤の乳化剤、殺虫剤、除草剤などの如き農
薬の乳化剤などの広い乳化剤用途に有用である。 更に、多くの場合スフインゴリン脂質は人の臓
器や脳、細胞膜等にあつてそれぞれ特異な生理活
性を有することが知られているが、本発明方法で
得られる式()誘導体の多くは、その近似的構
造を有することから、各種の生理活性が期待でき
る。又、一、二級アルコール水酸基を有する或は
一、二級アルコール水酸基を導入した薬理活性化
合物を、スフインゴリン脂質に転移させることに
よつて、該化合物の薬理学的副作用を弱めたり或
は薬理効果を高めてその投与量を低減させたりす
ることも期待できる。さらに又、上記薬理活性化
合物をスフインゴリン脂質に転移させて、該化合
物を患部に適確に集中させるための薬理活性化合
物のキヤリヤーとして、さらには、薬理活性化合
物の保護基として有用な役割をはたすことも期待
できる。 又更に、各種医薬品をはじめとする化学合成の
中間体として有用であり、例えば、反応性の高い
ハロゲンやアミノ置換基を有するアルコールを転
移させた誘導体を利用出来る。更に又三重水素や
XXXX14Cでラベルしたアルコール性化合物を転
移することによつてラベルされたスフインゴリン
脂質誘導体が得られ、スフインゴリン脂質の代謝
経路の解明に利用する事も出来る。 以下、実施例により本発明方法実施の数態様に
ついて、更に詳しく例示する。 参考例 1 ホスホリパーゼDMの調製。 前記精製方法の項に従つて、ノカルデイオプ
シス属No.779株〔FERM−PNo.6133〕及びアクチ
ノマデユーラ属No.362株〔FERM−PNo.6132〕の
夫々を用いて、該項に記載したとおりの活性回収
率及び比活性でホスホリパーゼDMを得た。 実施例 1 (RunNo.1〜No.81) スフインゴミエリン(シグマ社、牛脳由来)と
後掲第4表に示した多数種のアルコールとを後記
TLCによる転移生成物の生成確認方法に従つて、
ホスホリパーゼDMの存在下で反応させて転移生
成物の形成を確認した。そのRf値を後掲第4表
に示した。 TLCによる転移生成物の生成確認方法:− 下記組成 1%スフインゴミエリン乳化液 0.1ml 0.4M酢酸緩衝液(PH5.7) 0.1ml 0.1M塩化カルシウム水溶液 0.05ml 蒸留水 0.05ml 10%アルコール溶液 0.1ml の反応液に、ホスホリパーゼDM水溶液0.1ml
(1.2u/0.1ml)を加え、37℃で5時間静置した。 尚、上記1%スフインゴミエリン乳化液は、ス
フインゴミエリン100mgにジエチルエーテル1ml
及び蒸留水10mlを加え氷冷条件下に600W20KHz
の条件で5分間超音波処理して形成する。上記反
応液の形成に際して必要な場合には、水、又はジ
エチルエーテル、アセトン等の有機溶媒を加え
て、上記10%アルコール溶液を調製した。 上記、静置後、500mMのEDTA(エチレンジ
アミン四酢酸二ナトリウム)水溶液0.2mlを加え、
更にクロロホルム−メタノール混液(2:1v/
v)5mlを加えて、激しく撹拌し、脂質(生成
物)を抽出した。この懸濁液を2000×g、10分間
遠心処理し、下層のクロロホルム層を分取し、30
℃で減圧乾固した後、クロロホルム−メタノール
混液(1:1v/v)75μに溶解してTLCの試料
とした。 このうち10μをシリカゲル薄層(フナゲル60
Å、20cm×20cmフナコシ薬品)にスポツトし、ジ
イソブチルケトン−酢酸−水(40:25:5)を展
開溶媒として展開した。スポツトの検出には下記
の薬品を用いた。検出されたスポツトで未分解の
スフインゴミエリン、及びその加水分解物である
N−アシルスフインゴシン−1−リン酸以外のリ
ン脂質のスポツトが検出された場合、これを転移
生成物と認めた。 検出試薬 リン酸の呈色: Zinzadeの試薬(Beiss U.J.Chromatog.13
104.1964) 一級アミンの呈色: ニンヒドリン試薬(ニンヒドリンの0.25%アセ
トン溶液) 二級アミンの呈色: 次亜塩素酸−ベンジジン試薬(Bischel M.C.
らBiochim、Biophys、Acta70 598.1963) 糖の呈色: ナフトレゾルシノール−リン酸試薬(Hay G.
W.らJ.Chromtog.11 479.1963) プリン及びピリミジンの呈色: フルオレツセイン−アンモニア試薬(Wieland
T.らAngew.Chem.63 511.1951) アミノ糖の呈色: アセチルアセトン−エールリツヒ試薬(エルソ
ン−モンガン反応)(Pertridge S.M.Biochem.J.
42 238.1948) 【表】 【表】 【表】 すべての試料をZinzadeの試薬で発色して、リ
ン脂質を検出し、特別な官能基をもつものは、別
に前述した各種試薬で検出した。 実施例 2 (RunNo.1〜24) スフインゴミエリン(シグマ社、牛脳由来、99
%)400mg、ジエチルエーテル1ml、蒸留水10ml
を超音波用セルに入れ、氷冷しながら600W20K
Hzで5分間超音波処理をし、乳化液を調整した。 このスフインゴミエリン乳化液2ml(80mg)、
0.4M酢酸緩衝液(PH5.7)2ml、0.1M塩化カルシ
ウム水溶液1ml、及び10%ゲラニオールジエチル
エーテル溶液2mlを共栓付試験管中に入れ、ホス
ホリパーゼDM水溶液(8u/ml)2mlを加えてよ
く混合した後、37℃で5時間、静置した。次に反
応液に0.5N塩酸0.5mlを加え、更にクロロホルム
−メタノール混液(2:1)15mlを加えて、激し
く撹拌し、リン脂質を抽出した。この混合液から
2000×g10分間の遠心によつてクロロホルム層を
分取した。 残つた水層にもう一度クロロホルム10mlを加え
て同様の抽出操作を行ない、抽出液を合わせ、次
いで10mlの0.02N塩酸で洗つた。このクロロホル
ム溶液を減圧乾固した後、残渣を1mlのn−ヘキ
サン−2−プロパノール−水(60:80:7)混液
に溶解した。この試料20μをシリカゲル薄層
(フナゲル、フナコシ薬品)にスポツトし、ジイ
ソブチルケトン−酢酸−水(40:25:5)の溶媒
系で展開したところ3種類のリン脂質が検出さ
れ、そのうちの二つはスフインゴミエリン及びN
−アシルスフインゴシン−1−リン酸とRf値が
一致した。 そこでこの3種類のリン脂質混合物を高速液体
クロマトグラフイーによつて分離、精製した。 カラムはラジアルパツクカートリツジシリカ8
mm×10cm(ウオーターズ社製)溶離液は上述した
n−ヘキサン−2−プロパノール−水=60:80:
7、でピークの検出には441型紫外線検出器(ウ
オーターズ社)による214nmの吸収及びR401型
示差屈折計(同)を用いた。試料は4回に分け、
0.25mlづつ注入した。 まずこの溶離液で混入しているゲラニオール、
及び加水分解物であるN−アシルスフインゴシン
−1−リン酸、と転移生成物と思われるリン脂質
3成分を分取し、次いで溶離液をn−ヘキサン−
2−プロパノール−水=60:80:16として、カラ
ムに吸着している未分解のスフインゴミエリンを
溶出した。得られた3種類のリン脂質は、それぞ
れもう一度、同様の操作により高速液体クロマト
グラフイーで精製した。これらは、TLC、及び
高速液クロで単一であることを確認した。3種類
のリン脂質の組成比はN−アシルスフインゴシン
−1−リン酸約5%、転移生成物約85%、スフイ
ンゴミエリン約10%であり、約60mgの精製された
転移生成物であるN−アシルスフインゴシン−1
−リン酸ゲラニオールエステルが得られた。この
化合物のIRスペクトルは日本分光A202型赤外分
光光度計を用い、液膜法で測定した。その結果を
第5表に示した。(RunNo.3)更に第5表に示し
た各種アルコールについて、同様の方法で転移生
成物を調製してIRスペクトルを測定した。 ただし、反応液にアルコールを加える際、その
アルコールの溶解性に応じて、適宜、水又は、ジ
エチルエーテル、あるいはアセトン溶液として加
えた。 その結果を第5表に示した。(RunNo.1〜2、
4〜24) 【表】 【表】 【表】 実施例 3 (RunNo.1〜2) 実施例1において調製したN−アシルスフイン
ゴシン−1−リン酸グリセロールエステル()、
及びN−アシルスフインゴシン−1−リン酸エタ
ノールアミンエステル()を実施例1と同様に
蒸留水中で乳化させた。それぞれの乳化液1ml
(40mg)を共栓付試験管に入れ、更に、0.4M酢酸
緩衝液1ml、0.01M塩化カルシウム水溶液0.5ml、
ゲラニオールの10%ジエチルエーテル溶液1ml、
及びホスホリパーゼDM水溶液(10u/ml)を加
えて、よく混和した後、37℃、で6時間静置し
た。以下、リン脂質の抽出、精製は実施例1と同
様に処理し、共通の転移生成物である、N−アシ
ルスフインゴシン−1−リン酸ゲラニオールエス
テルを得た。収量はに対して12mg、に対して
15mgであつた。そのIRスペクトルを第6表に示
した。 【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記式() 但し式中、Aは下記(i)又は(ii) 又は を示し、ここでRはC16〜C24の飽和もしくは不飽
和の脂肪族炭化水素基を示し、 Bは−(CH2)2N+(CH3)3、−(CH2)2NH2もし
くは−CH2CH(OH)CH2(OH)を示す、 で表わされるスフインゴリン脂質と下記(1)〜(3)、 (1) ハロゲン、アミノ、カルボキシル及び水酸基
よりなる群からえらばれた置換基で置換されて
いてもよいC1〜C20の飽和もしくは不飽和の脂
肪族又は芳香族炭化水素残基R′及び一級アル
コール性水酸基を有する一級アルコール化合
物;分子内にエーテル、エステル及びアミド結
合よりなる群からえらばれた結合を有する上記
炭化水素残基R′及び一級アルコール性水酸基
を有する一級アルコール化合物;又はピリドキ
シン、シチジン、アラビノシチジン、アデノシ
ン、2−(3−インドール)エタノール、ピリ
ドキサール、5−ヒドロキシメチルシトシン、
ウリジン、グアノシン及びチアミンよりなる群
からえらばれた複素環残基R′及び一級アルコ
ール性水酸基を有する複素環一級アルコール化
合物、 (2) ハロゲン、アミノ、C3以下のモノ−もしく
はジ−アルキルアミノ及びフエニルより成る群
からえらばれた置換基で置換されていてもよい
C3〜C8の脂肪族炭化水素残基R′及び二級アル
コール性水酸基を有する二級アルコール化合
物;又はC4〜C6の脂環式炭化水素残基R′及び
二級アルコール性水酸基を有する二級アルコー
ル化合物、及び (3) 一級アルコール性水酸基及びペントース残基
R′を有するペントース、及び一級アルコール
性水酸基及びヘキソース残基R′を有するヘキ
ソースよりなる群からえらばれた糖類、ここで
該ペントース残基R′もしくはヘキソース残基
R′はアミノ基もしくはアセチルアミノ基で置
換されていてもよい;又は該糖類のフエノール
配糖体 より成る群からえらばれたアルコール性水酸基を
有する化合物をホスホリパーゼDMの存在下で反
応させることを特徴とする下記式() 但し式中、A及びR′は上記したと同義、 で表わされるスフインゴリン脂質誘導体の製法。
Priority Applications (5)
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|---|---|---|---|
| JP58063307A JPS59187787A (ja) | 1983-04-11 | 1983-04-11 | 酵素法スフインゴリン脂質誘導体の製法 |
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Publications (2)
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Family Applications (1)
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| JP (1) | JPS59187787A (ja) |
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- 1984-04-10 EP EP84302446A patent/EP0122152B1/en not_active Expired
- 1984-04-10 US US06/598,696 patent/US4782019A/en not_active Expired - Fee Related
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