JPH0334979B2 - - Google Patents
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- JPH0334979B2 JPH0334979B2 JP60242845A JP24284585A JPH0334979B2 JP H0334979 B2 JPH0334979 B2 JP H0334979B2 JP 60242845 A JP60242845 A JP 60242845A JP 24284585 A JP24284585 A JP 24284585A JP H0334979 B2 JPH0334979 B2 JP H0334979B2
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Description
産業上の利用分野
本発明はナフタレン−2、6−ジカルボン酸ジ
アルカリ金属塩の製造に用いられる反応触媒に関
するものである。ナフタレン−2、6−ジカルボ
ン酸ジアルカリ金属塩は、酸析すると容易に相当
するカルボン酸、すなわちナフタレン−2、6−
ジカルボン酸に変換できるが、このナフタレン−
2、6−ジカルボン酸は、耐熱性ポリエステル原
料の酸部分として近年注目を集めており、工業的
に価値ある化合物である(特公昭54−945号参
照)。 従来の技術 ナフタレン−2、6−ジカルボン酸ジアルカリ
金属塩の製造方法の一つとして、所謂ヘンケル法
の適用が提案されている。すなわちナフタレンモ
ノカルボン酸(即ちナフトエ酸)のアルカリ金属
塩又はナフタレンジカルボン酸のジアルカリ金属
塩、あるいはこれらの混合物を、反応触媒ととも
に炭酸ガス加圧下、350℃以上通常は400〜500℃
に加熱する方法である。ナフトエ酸アルカリ金属
塩からはナフタレン−2、6−ジカルボン酸ジア
ルカリ金属塩とナフタレンとが不均化反応により
生成し、ナフタレンジカルボン酸ジアルカリ金属
塩からは転位反応により、ナフタレン−2、6−
ジカルボン酸ジアルカリ金属塩が選択的に生ずる
〔(a)B.Raecke、Angew.Chem.、70、1(1958);
(b)B.Raeckeら、Org.Syn.Coll.、Vol.5、813
(1973);(c)山下ら、有合化、20、501(1962);(d)
E.McNelis、J.Org.Chem.、30、1209(1965);(e)
米国特許第2823231号;f)特公昭51−10224号参
照〕。 従来、ヘンケル法を用いてナフタレン−2、6
−ジカルボン酸ジアルカリ金属塩を製造する際の
反応触媒としては、カドミウムあるいは亜鉛化合
物が用いられた。このうち塩化カドミウムの如き
カドミウム化合物は毒性が高くまた高価であり、
その回収には多大の費用を要するという欠点を有
するが、触媒作用は非常に秀れている。一方、亜
鉛化合物としては従来塩化亜鉛、フツ化亜鉛、酸
化亜鉛、炭酸亜鉛の使用例が報告されているが、
これらは毒性が低く安価であるが、触媒作用はカ
ドミウム化合物と比較してかなり劣つている。し
たがつて、反応収率向上のためには毒性が高く高
価なカドミウム化合物の使用を余儀なくされてい
た。 発明が解決しようとする問題点 本発明者等は、このような従来の反応触媒に関
する問題点を解決すべく鋭意検討を行ない、毒性
が低く経済的であり、なおかつ触媒作用の秀れた
反応触媒を見いだし、本発明を完成させた。 問題点を解決するための手段 本発明は、ナフトエ酸アルカリ金属塩および/
又はナフタレンジカルボン酸ジアルカリ金属塩
を、炭酸ガス加圧下で加熱してナフタレン−2、
6−ジカルボン酸ジアルカリ金属塩を製造する際
に用いられる、亜鉛化合物およびアルカリ金属ハ
ロゲン化物からなる反応触媒である。 本発明の反応触媒は、反応原料としてナフトエ
酸アルカリ金属塩又はナフタレンジカルボン酸ジ
アルカリ金属塩、あるいはこれらの混合物を用い
て、ナフタレン−2、6−ジカルボン酸ジアルカ
リ金属塩を製造する際に用いられるものである。
ナフトエ酸アルカリ金属塩としては、1−又は2
−異性体、あるいはこれらの混合物が使用でき
る。またナフタレンジカルボン酸ジアルカリ金属
塩としては、1、2−、1、3−、1、4−、
1、5−、1、6−、1、7−、1、8−、2、
3−、2、6−、2、7−異性体、あるいはこれ
らの混合物が使用できる。但し、上記異性体のう
ちナフタレン−2、6−ジカルボン酸ジアルカリ
金属塩は、本発明の反応触媒を用いた場合の目的
化合物であるが、これを少量含有する混合物ある
いは含有純度の高くない粗混合物は、反応原料と
して用いることができる。アルカリ金属塩として
は、通常のヘンケル法と同様にカリウム塩が好結
果を与える。 本発明の反応触媒は、亜鉛化合物およびアルカ
リ金属ハロゲン化物からなる。この反応触媒は、
従来の亜鉛化合物を単独で用いる反応触媒と比較
して、触媒作用が向上し、従つてナフタレン−
2、6−ジカルボン酸ジアルカリ金属塩の収率も
向上する。 本発明の反応触媒として用いる亜鉛化合物とし
ては、フツ素亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化
亜鉛の如きハロゲン化亜鉛、ナフトエ酸亜鉛、ナ
フタレンジカルボン酸亜鉛の如きカルボン酸亜
鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛等の各種の亜
鉛化合物、あるいはこれらの混合物が例示でき
る。このうちヨウ化亜鉛は、それ自身の触媒作用
が比較的秀れており、アルカリ金属ハロゲン化物
を反応触媒として併用した場合、触媒作用の向上
はさほど顕著ではない。なお、ナフトエ酸亜鉛と
は1−又は2−異性体、あるいはこれらの混合物
を意味し、ナフタレンジカルボン酸亜鉛とは、
1、2−、1、3−、1、4−、1、5−、1、
6−、1、7−、1、8−、2、3−、2、6
−、2、7−異性体、あるいはこれらの混合物を
意味する。これらの亜鉛化合物の使用量は、原料
に対して通常0.5〜20mol%、好ましくは1〜
10mol%の範囲である。20mol%超の大量使用は
炭化物の副生を促進する。 本発明の反応触媒に用いるアルカリ金属ハロゲ
ン化物としては、アルカリ金属塩化物、アルカリ
金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物が触媒作用向
上に有効であり、とりわけアルカリ金属臭化物、
アルカリ金属ヨウ化物の効果が大きく、特に好ま
しい。これらのアルカリ金属ハロゲン化物は単一
物又はこれらの混合物のいずれのものでも使用で
きる。 また後述する理由で反応原料のアルカリ金属塩
と同元素のアルカリ金属ハロゲン化物、例えば反
応原料がナトリウム塩あるいはカリウム塩の場
合、前者ではハロゲン化ナトリウム、後者ではハ
ロゲン化カリウムの使用が特に望ましい。 以上の観点から、好ましいアルカリ金属ハロゲ
ン化物の具体例としては、塩化リチウム、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化ル
ビジウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化
カリウム、臭化セシウム、臭化ルビジウム、ヨウ
化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウ
ム、ヨウ化セシウム、ヨウ化ルビジウム等を挙げ
ることができる。アルカリ金属ハロゲン化物の使
用量は、亜鉛化合物に対して0.1〜10倍モル量、
好ましくは0.2〜5倍モル量であり、0.2〜1倍モ
ル量でかなりの効果を発揮する。 反応原料と反応触媒の亜鉛化合物およびアルカ
リ金属ハロゲン化物とは、よく混合されているこ
とが好ましい。このためには、反応原料の水溶液
に反応触媒を加えてよく混合し、しかる後に水を
加熱留去して原料と触媒との混合物を得る方法や
反応原料と反応触媒とをボールミル等でよく粉砕
混合する方法等があるが、いずれの方法を採つて
も差し支えない。 反応原料と反応触媒とは炭素ガス加圧下で加熱
し反応させるが、この際反応条件下で液体状態を
とり、また同条件下で安定性のよい物質を分散媒
あるいは溶媒として用いることも可能である。こ
のような物質としては環数が2〜3の非プロトン
性多環芳香族化合物が例示できる。その具体例と
しては、ナフタレン、メチルナフタレンやジメチ
ルナフタレンの如き低級アルキルナフタレン、ジ
フエニル、メチルジフエニルやジメチルジフエニ
ルの如き低級アルキルジフエニル、ジフエニルエ
ーテルの如きジアリールエーテル、ターフエニ
ル、アントラセン、フエナンスレン、あるいはこ
れらの混合物等を挙げることができる。その使用
量は反応原料に対して0.5〜10倍量、通常は1〜
5倍量である。 炭酸ガスの圧力は、反応温度において10〜150
Kg/cm2・G、好ましくは20〜100Kg/cm2・Gの範
囲である。なお、前記の如き分散媒あるいは溶媒
を用いる場合には、100℃の圧力に換算して5〜
100Kg/cm2・G、好ましくは10〜70Kg/cm2・Gの
範囲である。 反応温度は反応原料並びに反応触媒としての亜
鉛化合物およびアルカリ金属ハロゲン化物の種類
により若干異なるが、通常350〜500℃の範囲であ
り、反応を速やかに生起させ、かつ炭化物生成等
の副反応を抑える観点から、380〜470℃の範囲が
好ましい。反応時間は反応温度により異なるが、
通常5分〜3時間の範囲である。 反応終了後、反応混合物に水を加えて含有する
ナフタレン−2、6−ジカルボン酸ジアルカリ金
属塩を水に溶かす。前記の如き分散媒あるいは溶
媒を反応に用いた場合には、これをトルエンやキ
シレンの如き有機溶剤を更に加えて溶解させ、目
的物を含む水槽から分液により分離する。反応触
媒中の亜鉛化合物は水および前記有機溶剤に不溶
の酸化亜鉛あるいは炭酸亜鉛として、同じく不溶
な副生する炭化物とともに濾過等により容易に分
離できる。 このようにして得た不溶な混合物から亜鉛化合
物を回収再生し、反応触媒の一方の成分として再
利用することは技術的に容易である。また亜鉛化
合物は安価でありまた毒性も低いことから、前記
不溶混合物に適切な処置を施したのち、他の廉価
な用途に転用することも可能である。 一方、反応触媒として併用したアルカリ金属ハ
ロゲン化物は、ナフタレン−2、6−ジカルボン
酸ジアルカリ金属塩とともに水に溶解する。この
水溶液からのアルカリ金属ハロゲン化物の回収お
よび反応触媒の一方の成分としての再利用は、以
下に示す方法等で非常に容易に行なうことができ
る。 方法(1):該水溶液に硫酸や塩酸の如き強酸を加え
てナフタレン−2、6−ジカルボン酸の沈澱を
析出させ、これを濾取する。瀘液にはアルカリ
金属ハロゲン化物と強酸のアルカリ金属塩とが
含まれるが、後者は本発明の反応触媒の触媒作
用を阻害しないので、これを含んだままアルカ
リ金属ハロゲン化物を瀘液から濃縮等の操作で
回収し、本発明の反応触媒の一方の成分として
再使用する。 方法(2):該水溶液に炭酸ガスを通じてナフタレン
−2、6−ジカルボン酸モノアルカリ金属塩を
沈澱として析出させ、これを濾取する。濾液に
はアルカリ金属ハロゲン化物とアルカリ金属の
炭酸水素塩とが含まれる。アルカリ金属の炭酸
水素塩は、ナフトエ酸および/又はナフタレン
ジカルボン酸および/又はこれらから成る酸無
水物と容易に反応して、反応原料であるナフト
エ酸アルカリ金属塩および/又はナフタレンジ
カルボン酸ジアルカリ金属塩をつくるので、瀘
液をこの目的に使用する。生じた反応原料は本
発明の反応触媒の一方の成分であるアルカリ金
属ハロゲン化物と混合されており、非常に好ま
しい回収再利用方法の一つとなる。 方法(3):該水溶液を濃縮していくと、ナフタレン
−2、6−ジカルボン酸ジアルカリ金属塩が優
先的に沈澱として析出するのでこれを濾取す
る。瀘液にはアルカリ金属ハロゲン化物が溶解
しているので、水を留去するなどの方法でアル
カリ金属ハロゲン化物を回収し、本発明の反応
触媒の一方の成分として再利用する。 以上の方法あるいはその変形法等により、アル
カリ金属ハロゲン化物は容易かつ経済的に本発明
の反応触媒の一方の成分として再利用できる。な
お、アルカリ金属ハロゲン化物とナフタレン−
2、6−ジカルボン酸ジアルカリ金属塩とは金属
交換反応を生起しうるので、方法(2)や(3)の場合に
は、両者のアルカリ金属が同じものであることが
回収操作の再現性の点で好ましい。 前述のようにナフタレン−2、6−ジカルボン
酸ジアルカリ金属塩は水溶液として反応混合物よ
り分離し、酸析等によりナフタレン−2、6−ジ
カルボン酸に変換する。 作 用 本発明の亜鉛化合物とアルカリ金属ハロゲン化
物からなる反応触媒を用いると、亜鉛化合物を単
独に用いる場合と比較して、触媒作用が向上し、
カドミウム化合物と同等以上の触媒作用を示す場
合も見いだされた(後記実施例および参考例参
照)。亜鉛化合物は毒性が低く安価であり、また
アルカリ金属ハロゲン化物は毒性が低く、その回
収再利用が低コストで行なえる。 実施例 以下、実施例、比較例、参考例にて本発明を更
に詳細に説明する。 実施例 1〜17 反応原料のナフタレン−1、8−ジカルボン酸
ジカリウム塩すなわち1、8−ナフタル酸ジカリ
ウム塩10.0gに、反応触媒として亜鉛化合物およ
びアルカリ金属ハロゲン化物を該ジカリウム塩に
対して各々所定mol%加え、ボールミルで粉砕混
合したのち、内容積200mlの撹拌機つきオートク
レーブに装入した。 分散媒あるいは溶媒としてのナフタレン30gの
添加あるいは添加せずに100℃に加熱し、オート
クレーブ内を炭酸ガスで置換後、炭酸ガスを所定
圧力(表1における初圧)まで導入した。 次いでオートクレーブ内の混合物を撹拌しなが
ら4℃/minの速度で所定反応温度まで昇温し、
さらに同温度で1時間撹拌して反応を完結せしめ
た。反応終了後、反応混合物にトルエン200mlお
よび水200mlを加えてよく撹拌した。水層ならび
にトルエン層いずれにも不溶な固体を濾別後、水
層を分離した。この水層の一部を採取し、高速液
体クロマトグラフイーを用いて内部標準法で含有
するナフタレン2、6−ジカルボン酸ジカリウム
塩を定量し、収率を算出した。結果を表1に示
す。 比較例 1〜8 実施例1〜3、9、10、11、12と14、15、16、
17において、アルカリ金属ハロゲン化物を加えず
に、その他は同様にして反応を行なつた。結果を
表1に示す。 参考例 1 実施例1において、塩化亜鉛とヨウ化カリウム
の代りに、反応原料に対して8mol%のヨウ化カ
ドミウムを用いてその他は同様にして反応を行な
つた。結果を表1に示す。
アルカリ金属塩の製造に用いられる反応触媒に関
するものである。ナフタレン−2、6−ジカルボ
ン酸ジアルカリ金属塩は、酸析すると容易に相当
するカルボン酸、すなわちナフタレン−2、6−
ジカルボン酸に変換できるが、このナフタレン−
2、6−ジカルボン酸は、耐熱性ポリエステル原
料の酸部分として近年注目を集めており、工業的
に価値ある化合物である(特公昭54−945号参
照)。 従来の技術 ナフタレン−2、6−ジカルボン酸ジアルカリ
金属塩の製造方法の一つとして、所謂ヘンケル法
の適用が提案されている。すなわちナフタレンモ
ノカルボン酸(即ちナフトエ酸)のアルカリ金属
塩又はナフタレンジカルボン酸のジアルカリ金属
塩、あるいはこれらの混合物を、反応触媒ととも
に炭酸ガス加圧下、350℃以上通常は400〜500℃
に加熱する方法である。ナフトエ酸アルカリ金属
塩からはナフタレン−2、6−ジカルボン酸ジア
ルカリ金属塩とナフタレンとが不均化反応により
生成し、ナフタレンジカルボン酸ジアルカリ金属
塩からは転位反応により、ナフタレン−2、6−
ジカルボン酸ジアルカリ金属塩が選択的に生ずる
〔(a)B.Raecke、Angew.Chem.、70、1(1958);
(b)B.Raeckeら、Org.Syn.Coll.、Vol.5、813
(1973);(c)山下ら、有合化、20、501(1962);(d)
E.McNelis、J.Org.Chem.、30、1209(1965);(e)
米国特許第2823231号;f)特公昭51−10224号参
照〕。 従来、ヘンケル法を用いてナフタレン−2、6
−ジカルボン酸ジアルカリ金属塩を製造する際の
反応触媒としては、カドミウムあるいは亜鉛化合
物が用いられた。このうち塩化カドミウムの如き
カドミウム化合物は毒性が高くまた高価であり、
その回収には多大の費用を要するという欠点を有
するが、触媒作用は非常に秀れている。一方、亜
鉛化合物としては従来塩化亜鉛、フツ化亜鉛、酸
化亜鉛、炭酸亜鉛の使用例が報告されているが、
これらは毒性が低く安価であるが、触媒作用はカ
ドミウム化合物と比較してかなり劣つている。し
たがつて、反応収率向上のためには毒性が高く高
価なカドミウム化合物の使用を余儀なくされてい
た。 発明が解決しようとする問題点 本発明者等は、このような従来の反応触媒に関
する問題点を解決すべく鋭意検討を行ない、毒性
が低く経済的であり、なおかつ触媒作用の秀れた
反応触媒を見いだし、本発明を完成させた。 問題点を解決するための手段 本発明は、ナフトエ酸アルカリ金属塩および/
又はナフタレンジカルボン酸ジアルカリ金属塩
を、炭酸ガス加圧下で加熱してナフタレン−2、
6−ジカルボン酸ジアルカリ金属塩を製造する際
に用いられる、亜鉛化合物およびアルカリ金属ハ
ロゲン化物からなる反応触媒である。 本発明の反応触媒は、反応原料としてナフトエ
酸アルカリ金属塩又はナフタレンジカルボン酸ジ
アルカリ金属塩、あるいはこれらの混合物を用い
て、ナフタレン−2、6−ジカルボン酸ジアルカ
リ金属塩を製造する際に用いられるものである。
ナフトエ酸アルカリ金属塩としては、1−又は2
−異性体、あるいはこれらの混合物が使用でき
る。またナフタレンジカルボン酸ジアルカリ金属
塩としては、1、2−、1、3−、1、4−、
1、5−、1、6−、1、7−、1、8−、2、
3−、2、6−、2、7−異性体、あるいはこれ
らの混合物が使用できる。但し、上記異性体のう
ちナフタレン−2、6−ジカルボン酸ジアルカリ
金属塩は、本発明の反応触媒を用いた場合の目的
化合物であるが、これを少量含有する混合物ある
いは含有純度の高くない粗混合物は、反応原料と
して用いることができる。アルカリ金属塩として
は、通常のヘンケル法と同様にカリウム塩が好結
果を与える。 本発明の反応触媒は、亜鉛化合物およびアルカ
リ金属ハロゲン化物からなる。この反応触媒は、
従来の亜鉛化合物を単独で用いる反応触媒と比較
して、触媒作用が向上し、従つてナフタレン−
2、6−ジカルボン酸ジアルカリ金属塩の収率も
向上する。 本発明の反応触媒として用いる亜鉛化合物とし
ては、フツ素亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化
亜鉛の如きハロゲン化亜鉛、ナフトエ酸亜鉛、ナ
フタレンジカルボン酸亜鉛の如きカルボン酸亜
鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛等の各種の亜
鉛化合物、あるいはこれらの混合物が例示でき
る。このうちヨウ化亜鉛は、それ自身の触媒作用
が比較的秀れており、アルカリ金属ハロゲン化物
を反応触媒として併用した場合、触媒作用の向上
はさほど顕著ではない。なお、ナフトエ酸亜鉛と
は1−又は2−異性体、あるいはこれらの混合物
を意味し、ナフタレンジカルボン酸亜鉛とは、
1、2−、1、3−、1、4−、1、5−、1、
6−、1、7−、1、8−、2、3−、2、6
−、2、7−異性体、あるいはこれらの混合物を
意味する。これらの亜鉛化合物の使用量は、原料
に対して通常0.5〜20mol%、好ましくは1〜
10mol%の範囲である。20mol%超の大量使用は
炭化物の副生を促進する。 本発明の反応触媒に用いるアルカリ金属ハロゲ
ン化物としては、アルカリ金属塩化物、アルカリ
金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物が触媒作用向
上に有効であり、とりわけアルカリ金属臭化物、
アルカリ金属ヨウ化物の効果が大きく、特に好ま
しい。これらのアルカリ金属ハロゲン化物は単一
物又はこれらの混合物のいずれのものでも使用で
きる。 また後述する理由で反応原料のアルカリ金属塩
と同元素のアルカリ金属ハロゲン化物、例えば反
応原料がナトリウム塩あるいはカリウム塩の場
合、前者ではハロゲン化ナトリウム、後者ではハ
ロゲン化カリウムの使用が特に望ましい。 以上の観点から、好ましいアルカリ金属ハロゲ
ン化物の具体例としては、塩化リチウム、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化ル
ビジウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化
カリウム、臭化セシウム、臭化ルビジウム、ヨウ
化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウ
ム、ヨウ化セシウム、ヨウ化ルビジウム等を挙げ
ることができる。アルカリ金属ハロゲン化物の使
用量は、亜鉛化合物に対して0.1〜10倍モル量、
好ましくは0.2〜5倍モル量であり、0.2〜1倍モ
ル量でかなりの効果を発揮する。 反応原料と反応触媒の亜鉛化合物およびアルカ
リ金属ハロゲン化物とは、よく混合されているこ
とが好ましい。このためには、反応原料の水溶液
に反応触媒を加えてよく混合し、しかる後に水を
加熱留去して原料と触媒との混合物を得る方法や
反応原料と反応触媒とをボールミル等でよく粉砕
混合する方法等があるが、いずれの方法を採つて
も差し支えない。 反応原料と反応触媒とは炭素ガス加圧下で加熱
し反応させるが、この際反応条件下で液体状態を
とり、また同条件下で安定性のよい物質を分散媒
あるいは溶媒として用いることも可能である。こ
のような物質としては環数が2〜3の非プロトン
性多環芳香族化合物が例示できる。その具体例と
しては、ナフタレン、メチルナフタレンやジメチ
ルナフタレンの如き低級アルキルナフタレン、ジ
フエニル、メチルジフエニルやジメチルジフエニ
ルの如き低級アルキルジフエニル、ジフエニルエ
ーテルの如きジアリールエーテル、ターフエニ
ル、アントラセン、フエナンスレン、あるいはこ
れらの混合物等を挙げることができる。その使用
量は反応原料に対して0.5〜10倍量、通常は1〜
5倍量である。 炭酸ガスの圧力は、反応温度において10〜150
Kg/cm2・G、好ましくは20〜100Kg/cm2・Gの範
囲である。なお、前記の如き分散媒あるいは溶媒
を用いる場合には、100℃の圧力に換算して5〜
100Kg/cm2・G、好ましくは10〜70Kg/cm2・Gの
範囲である。 反応温度は反応原料並びに反応触媒としての亜
鉛化合物およびアルカリ金属ハロゲン化物の種類
により若干異なるが、通常350〜500℃の範囲であ
り、反応を速やかに生起させ、かつ炭化物生成等
の副反応を抑える観点から、380〜470℃の範囲が
好ましい。反応時間は反応温度により異なるが、
通常5分〜3時間の範囲である。 反応終了後、反応混合物に水を加えて含有する
ナフタレン−2、6−ジカルボン酸ジアルカリ金
属塩を水に溶かす。前記の如き分散媒あるいは溶
媒を反応に用いた場合には、これをトルエンやキ
シレンの如き有機溶剤を更に加えて溶解させ、目
的物を含む水槽から分液により分離する。反応触
媒中の亜鉛化合物は水および前記有機溶剤に不溶
の酸化亜鉛あるいは炭酸亜鉛として、同じく不溶
な副生する炭化物とともに濾過等により容易に分
離できる。 このようにして得た不溶な混合物から亜鉛化合
物を回収再生し、反応触媒の一方の成分として再
利用することは技術的に容易である。また亜鉛化
合物は安価でありまた毒性も低いことから、前記
不溶混合物に適切な処置を施したのち、他の廉価
な用途に転用することも可能である。 一方、反応触媒として併用したアルカリ金属ハ
ロゲン化物は、ナフタレン−2、6−ジカルボン
酸ジアルカリ金属塩とともに水に溶解する。この
水溶液からのアルカリ金属ハロゲン化物の回収お
よび反応触媒の一方の成分としての再利用は、以
下に示す方法等で非常に容易に行なうことができ
る。 方法(1):該水溶液に硫酸や塩酸の如き強酸を加え
てナフタレン−2、6−ジカルボン酸の沈澱を
析出させ、これを濾取する。瀘液にはアルカリ
金属ハロゲン化物と強酸のアルカリ金属塩とが
含まれるが、後者は本発明の反応触媒の触媒作
用を阻害しないので、これを含んだままアルカ
リ金属ハロゲン化物を瀘液から濃縮等の操作で
回収し、本発明の反応触媒の一方の成分として
再使用する。 方法(2):該水溶液に炭酸ガスを通じてナフタレン
−2、6−ジカルボン酸モノアルカリ金属塩を
沈澱として析出させ、これを濾取する。濾液に
はアルカリ金属ハロゲン化物とアルカリ金属の
炭酸水素塩とが含まれる。アルカリ金属の炭酸
水素塩は、ナフトエ酸および/又はナフタレン
ジカルボン酸および/又はこれらから成る酸無
水物と容易に反応して、反応原料であるナフト
エ酸アルカリ金属塩および/又はナフタレンジ
カルボン酸ジアルカリ金属塩をつくるので、瀘
液をこの目的に使用する。生じた反応原料は本
発明の反応触媒の一方の成分であるアルカリ金
属ハロゲン化物と混合されており、非常に好ま
しい回収再利用方法の一つとなる。 方法(3):該水溶液を濃縮していくと、ナフタレン
−2、6−ジカルボン酸ジアルカリ金属塩が優
先的に沈澱として析出するのでこれを濾取す
る。瀘液にはアルカリ金属ハロゲン化物が溶解
しているので、水を留去するなどの方法でアル
カリ金属ハロゲン化物を回収し、本発明の反応
触媒の一方の成分として再利用する。 以上の方法あるいはその変形法等により、アル
カリ金属ハロゲン化物は容易かつ経済的に本発明
の反応触媒の一方の成分として再利用できる。な
お、アルカリ金属ハロゲン化物とナフタレン−
2、6−ジカルボン酸ジアルカリ金属塩とは金属
交換反応を生起しうるので、方法(2)や(3)の場合に
は、両者のアルカリ金属が同じものであることが
回収操作の再現性の点で好ましい。 前述のようにナフタレン−2、6−ジカルボン
酸ジアルカリ金属塩は水溶液として反応混合物よ
り分離し、酸析等によりナフタレン−2、6−ジ
カルボン酸に変換する。 作 用 本発明の亜鉛化合物とアルカリ金属ハロゲン化
物からなる反応触媒を用いると、亜鉛化合物を単
独に用いる場合と比較して、触媒作用が向上し、
カドミウム化合物と同等以上の触媒作用を示す場
合も見いだされた(後記実施例および参考例参
照)。亜鉛化合物は毒性が低く安価であり、また
アルカリ金属ハロゲン化物は毒性が低く、その回
収再利用が低コストで行なえる。 実施例 以下、実施例、比較例、参考例にて本発明を更
に詳細に説明する。 実施例 1〜17 反応原料のナフタレン−1、8−ジカルボン酸
ジカリウム塩すなわち1、8−ナフタル酸ジカリ
ウム塩10.0gに、反応触媒として亜鉛化合物およ
びアルカリ金属ハロゲン化物を該ジカリウム塩に
対して各々所定mol%加え、ボールミルで粉砕混
合したのち、内容積200mlの撹拌機つきオートク
レーブに装入した。 分散媒あるいは溶媒としてのナフタレン30gの
添加あるいは添加せずに100℃に加熱し、オート
クレーブ内を炭酸ガスで置換後、炭酸ガスを所定
圧力(表1における初圧)まで導入した。 次いでオートクレーブ内の混合物を撹拌しなが
ら4℃/minの速度で所定反応温度まで昇温し、
さらに同温度で1時間撹拌して反応を完結せしめ
た。反応終了後、反応混合物にトルエン200mlお
よび水200mlを加えてよく撹拌した。水層ならび
にトルエン層いずれにも不溶な固体を濾別後、水
層を分離した。この水層の一部を採取し、高速液
体クロマトグラフイーを用いて内部標準法で含有
するナフタレン2、6−ジカルボン酸ジカリウム
塩を定量し、収率を算出した。結果を表1に示
す。 比較例 1〜8 実施例1〜3、9、10、11、12と14、15、16、
17において、アルカリ金属ハロゲン化物を加えず
に、その他は同様にして反応を行なつた。結果を
表1に示す。 参考例 1 実施例1において、塩化亜鉛とヨウ化カリウム
の代りに、反応原料に対して8mol%のヨウ化カ
ドミウムを用いてその他は同様にして反応を行な
つた。結果を表1に示す。
【表】
実施例 18〜22
ナフタレン−2、3−ジカルボン酸ジカリウム
塩、ナフタレンジカルボン酸ジカリウム塩の異性
体混合物すなわち2、6−、2、7−、1、6
−、1、7−、1、3−異性体の混合物、2−ナ
フトエ酸カリウム塩、1、8−ナフタル酸ジカリ
ウム塩と2−ナフトエ酸カリウム塩との混合物
(重量比1:1)のいずれか10gをそれぞれ反応
原料に用い、反応触媒として亜鉛化合物とアルカ
リ金属ハロゲン化物をそれぞれ原料に対して
8mol%加えて、ナフタレン30gの存在下あるい
は非存在下で、実施例1とほぼ同様の操作で450
℃で1時間反応させ、生成物を分離し、定量し
た。なお、炭酸ガス圧は100℃において40Kg/
cm2・Gである。結果を表2に示す。 比較例 9〜13 実施例18〜22において、アルカリ金属ハロゲン
化物を添加せずに同様の反応を行なつた。結果を
表2に示す。
塩、ナフタレンジカルボン酸ジカリウム塩の異性
体混合物すなわち2、6−、2、7−、1、6
−、1、7−、1、3−異性体の混合物、2−ナ
フトエ酸カリウム塩、1、8−ナフタル酸ジカリ
ウム塩と2−ナフトエ酸カリウム塩との混合物
(重量比1:1)のいずれか10gをそれぞれ反応
原料に用い、反応触媒として亜鉛化合物とアルカ
リ金属ハロゲン化物をそれぞれ原料に対して
8mol%加えて、ナフタレン30gの存在下あるい
は非存在下で、実施例1とほぼ同様の操作で450
℃で1時間反応させ、生成物を分離し、定量し
た。なお、炭酸ガス圧は100℃において40Kg/
cm2・Gである。結果を表2に示す。 比較例 9〜13 実施例18〜22において、アルカリ金属ハロゲン
化物を添加せずに同様の反応を行なつた。結果を
表2に示す。
【表】
発明の効果
本発明では、反応触媒として安価かつ毒性の低
い亜鉛化合物およびアルカリ金属ハロゲン化物双
方を用いることにより触媒作用が向上し、ナフタ
レン−2、6−ジカルボン酸ジアルカリ金属塩が
収率よく得られるようになつた。この結果、ナフ
タレン−2、6−ジカルボン酸が安全かつ安価に
製造できるようになり、工業的生産の途が拓かれ
た。
い亜鉛化合物およびアルカリ金属ハロゲン化物双
方を用いることにより触媒作用が向上し、ナフタ
レン−2、6−ジカルボン酸ジアルカリ金属塩が
収率よく得られるようになつた。この結果、ナフ
タレン−2、6−ジカルボン酸が安全かつ安価に
製造できるようになり、工業的生産の途が拓かれ
た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ナフトエ酸アルカリ金属塩および/又はナフ
タレンジカルボン酸ジアルカリ金属塩を、炭酸ガ
ス加圧下で加熱してナフタレン−2、6−ジカル
ボン酸ジアルカリ金属塩を製造する際に用いられ
る、亜鉛化合物およびアルカリ金属ハロゲン化物
からなる反応触媒。 2 アルカリ金属ハロゲン化物が、アルカリ金属
塩化物、アルカリ金属臭化物、あるいはアルカリ
金属ヨウ化物である特許請求の範囲第1項記載の
反応触媒。 3 アルカリ金属ハロゲン化物が、亜鉛化合物に
対して0.1〜10倍モル量である特許請求の範囲第
1項記載の反応触媒。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60242845A JPS62106045A (ja) | 1985-10-31 | 1985-10-31 | ナフタレン―2、6―ジカルボン酸ジアルカリ金属塩の製造に用いられる反応触媒 |
| EP86113351A EP0217329B1 (en) | 1985-09-30 | 1986-09-29 | Process for preparation of naphthalene-2,6-dicarboxylic acid dialkali metal salts |
| DE8686113351T DE3671742D1 (de) | 1985-09-30 | 1986-09-29 | Verfahren zur herstellung von dialkalisalzen der naphthalin-2,6-dicarbonsaeure. |
| US06/912,957 US4820868A (en) | 1985-09-30 | 1986-09-29 | Process for preparation of naphthalene-2,6-dicarboxylic acid dialkali metal salts |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60242845A JPS62106045A (ja) | 1985-10-31 | 1985-10-31 | ナフタレン―2、6―ジカルボン酸ジアルカリ金属塩の製造に用いられる反応触媒 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62106045A JPS62106045A (ja) | 1987-05-16 |
| JPH0334979B2 true JPH0334979B2 (ja) | 1991-05-24 |
Family
ID=17095147
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60242845A Granted JPS62106045A (ja) | 1985-09-30 | 1985-10-31 | ナフタレン―2、6―ジカルボン酸ジアルカリ金属塩の製造に用いられる反応触媒 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62106045A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5523473A (en) * | 1992-12-30 | 1996-06-04 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Method of producing naphthalenedicarboxylic acids and diaryldicarboxylic acids |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6277350A (ja) * | 1985-09-30 | 1987-04-09 | Nippon Steel Corp | ナフタレン−2、6−ジカルボン酸ジアルカリ金属塩の製造方法 |
-
1985
- 1985-10-31 JP JP60242845A patent/JPS62106045A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62106045A (ja) | 1987-05-16 |
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