JPH0338896B2 - - Google Patents
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- JPH0338896B2 JPH0338896B2 JP20413983A JP20413983A JPH0338896B2 JP H0338896 B2 JPH0338896 B2 JP H0338896B2 JP 20413983 A JP20413983 A JP 20413983A JP 20413983 A JP20413983 A JP 20413983A JP H0338896 B2 JPH0338896 B2 JP H0338896B2
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- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Removal Of Specific Substances (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Description
本発明は、樹脂状固体の置換ヒドラジノカルボ
ニル基含有高分子化合物からなる重金属吸着剤、
その製造法および該高分子化合物を用いる重金属
の回収方法に関するものである。 海水、河川湖沼の水、工業処理配水など各種の
水に微量に溶解している重金属を回収する技術
は、好ましくない重金属の除去の面からも、ま
た、有用な重金属の回収の面においても重要な技
術である。 特に、海水には、約3μg/のウランが溶解
状態で存在しており、総計すれば約40億トンのウ
ランが溶存していると推定されており、このよう
な海水中のウランを効率よく回収する技術の開発
が望まれている。ウランは、原子炉燃料として有
用度の高いものであり、特に、埋蔵ウラン資源に
乏しい我国においては、海水中の溶存ウランを効
率よく回収する方法の開発が求められている。 海水などのようなウランを微量含有している水
溶液からウランを回収する技術としては、既に各
種の吸着剤を利用する方法が開発されている。そ
れらの吸着剤としては、例えば、チタン酸、方鉛
鉱および活性炭、チタン酸系吸着剤などの無機系
吸着剤、さらに特公昭54−32834号公報、特開昭
57−135043号公報、特開昭57−135044号公報に開
示されているアミドオキシム基を含有する高分子
系吸着剤、また大環状へキサケトンまたはカルボ
ン酸含有高分子化合物(I.Tabushi et al.,
Nature,280,665(1979),JACS 102,5647
(1980))などの有機系吸着剤が知られている。こ
れらの吸着剤のうち、特に有機系吸着剤は、高い
錯体形成性能および取扱いの容易さから工業的な
使用に耐え得るものと考えられているが、ウラン
の回収率に関しては、いまだ低いとの問題があ
る。 水溶液中に溶存する重金属の吸着剤における第
一の問題点は、吸着しようとする重金属と吸着剤
との錯体の安定性のPH依存性である。一般に、キ
レート樹脂による重金属の吸着能は重金属の溶存
している溶液のPH値に大きく依存している。特
に、海水中に溶存している極微量の重金属を工業
的規模で捕捉する場合には、莫大な量の海水を使
用するため、海水に酸などを添加してPH調製をす
ることは工程的にも、経済的にもまた設備の点か
らも不利である。従つて、海水溶存重金属の捕捉
に際しては、海水の持つPH値そのままで行なうこ
とが望ましい。すなわち、使用する吸着剤は通常
の海水のPH値である8.0〜8.3において回収しよう
とする重金属との錯体の安定性が良好なものであ
ることが望ましい。 さらに第二の問題点は、吸着剤の回収しようと
する重金属に対する錯体形成の選択性である。す
なわち、海水中には、ナトリウム、カルシウム、
リチウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カ
リウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属
をはじめ、ウラン、アルミニウム、チタン、バナ
ジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニツ
ケル、銅、亜鉛、モリブデン、鉛、水銀、銀、金
等の種々の金属が含まれている。このような溶存
環境にある重金属を効率よく採取するためには、
吸着しようとする重金属との親和性が強く、しか
も選択性のある配位子を有する吸着剤でなければ
ならない。特に溶存するウランは、ナトリウム、
マグネシウムの濃度の百万分の一程度の濃度であ
り、卓越した選択的吸着性が要求される。 さらに第三には、吸着物質の脱着が容易に行な
われなければならない。すなわち、これらの吸着
剤は繰返し使用するのが一般的であるため、吸着
物質の脱着が不完全であると、吸着性能の低下が
早まることになる。さらに脱着過程に係る工程は
できるだけ単純であり、吸着した重金属の脱着に
用いる薬剤(溶離液)が一般的な薬剤であつて、
かつ廉価なものであることが望ましい。また、使
用する溶離液や重金属を溶存する水溶液との接触
に際し、分解反応などを起こさない安定な物質で
あることが望ましい。 本発明者は、このように溶存重金属、特に海水
中に溶存するウランの回収のための吸着剤として
優れた性能を有する吸着剤を見い出すべく鋭意研
究を行なつた。 まず本発明者は、種々の配位子を持つ低分子化
合物を合成し、配位子の種類とウラニルイオンを
中心とする重金属イオンとの錯体形成能に関して
検討を重ねた結果、一般式() −CONHNHCOCOOM () (ただし、Mは水素、ナトリウムまたはカリウム
のいずれかである。) で示される官能基を有する化合物が海水の持つPH
領域で重金属、特に、ウラニルイオンと安定な錯
化合物を形成し、しかも溶存ウランに対し選択性
があることを見い出した。 このような知見に基づき、一般式()で示さ
れる官能基を含有する水不溶性の樹脂状固体高分
子化合物を合成し、水溶液中の各種重金属イオ
ン、特に、海水溶存ウラン吸着試験を行なつた結
果、吸着速度が速く、しかも、特に溶存ウランに
対し優れた吸着性を示すことを見い出し本発明に
至つた。 従つて本発明は、一般式(): −CONHNHCOCOOM () (ただし、Mは水素、ナトリウムまたはカリウム
である) で表わされる基を含有することを特徴とする水不
溶性の樹脂状固体置換ヒドラジノカルボニル基含
有高分子化合物からなる重金属吸着剤を提供する
ものである。 次に本発明に詳しく説明する。 本発明の高分子化合物は各種の方法により製造
することができるが、その代表的な製造法として
は次の方法を挙げることができる。 (A) 一般式(): CH2=CRCONHNHCOCOOM () (ただし、Mは水素、ナトリウムまたはカリウ
ムであり、Rは水素またはメチル基である) で表わされるビニル化合物の単独重合反応、上
記の一般式のRが水素の化合物とRがメチル基
の化合物との共重合反応、または他の単量体と
の共重合反応。 この重合反応は、溶液重合、懸濁重合、乳化
重合等周知技術に従つて適宜行なうことができ
る。 一般式()で表わされるビニル化合物の例
としては、1−メタクリロイル−2−オキサロ
ヒドラジン、2−メタクリロイルヒドラジノシ
ユウ酸カリウム、2−メタクリロイルヒドラジ
ノシユウ酸ナトリウム、1−アクリロイル−2
−オキサロヒドラジン、2−アクリロイルヒド
ラジノシユウ酸カリウム、2−アクリロイルヒ
ドラジノシユウ酸ナトリウム等を挙げることが
できる。 これらの一般式()で表わされるビニル化
合物は、たとえば、アクリル酸クロライドまた
はメタクリル酸クロライドと一般式(): NH2NHCOCOOM () (ただし、Mは前記の意味を有する) で表わされる化合物との反応によつて得ること
ができる。また、一般式()で表わされる化
合物は、対応する一般式()で表わされる化
合物のエステル化合物をアルカリなどで加水分
解することによつても得られる。 (B) 一般式(): CH2=CRCONHNHCOCOOR1 () (ただし、Rは、水素またはメチル基であり、
R1は炭素数1〜18のアルキル基のいずれかで
ある) で表わされるビニル化合物の単独重合反応、一
般式()のRが水素の化合物とRがメチル基
の化合物との共重合反応、また他の単量体との
共重合反応によつて生成する高分子化合物の加
水分解。 このビニル化合物を含む単量体の重合反応は
溶解重合、懸濁重合、乳化重合等周知技術に従
つて適宜選択して行なうことができる。また、
加水分解反応も周知技術に従つて適宜行なうこ
とができる。 一般式()で表わされるビニル化合物の例
としては、1−メタクリロイル−2−メトキサ
リルヒドラジン、1−メタクリロイル−2−エ
トキサリルヒドラジン、1−メタクリロイル−
2−プロポキサリルヒドラジン、1−メタクリ
ロイル−2−ブトキサリルヒドラジン、1−メ
タクリロイル−2−ペントキサリルヒドラジ
ン、1−メタクリロイル−2−ヘキソキサリル
ヒドラジン、1−メタクリロイル−2−ヘプト
キサリルヒドラジン、1−メタクリロイル−2
−オクトキサリルヒドラジン、1−メタクリロ
イル−2−ノノキサリルヒドラジン、1−メタ
クリロイル−2−デコキサリルヒドラジン、1
−メタクリロイル−2−ウンデコキサリルヒド
ラジン、1−メタクリロイル−2−ドデコキサ
リルヒドラジン、1−メタクリロイル−2−ト
リデコキサリルヒドラジン、1−メタクリロイ
ル−2−テトラデコキサリルヒドラジン、1−
メタクリロイル−2−ペンタデコキサリルヒド
ラジン、1−メタクリロイル−2−ヘキサデコ
キサリルヒドラジン、1−メタクリロイル−2
−ヘプタデコキサリルヒドラジン、1−メタク
リロイル−2−オクタデコキサリルヒドラジ
ン、1−アクリロイル−2−メトキサリルヒド
ラジン、1−アクリロイル−2−エトキサリル
ヒドラジン、1−アクリロイル−2−プロポキ
サリルヒドラジン、1−アクリロイル−2−ブ
トキサリルヒドラジン、1−アクリロイル−2
−ペントキサリルヒドラジン、1−アクリロイ
ル−2−ヘキソキサリルヒドラジン、1−アク
リロイル−2−ヘプトキサリルヒドラジン、1
−アクリロイル−2−オクトキサリルヒドラジ
ン、1−アクリロイル−2−ノノキサリルヒド
ラジン、1−アクリロイル−2−デコキサリル
ヒドラジン、1−アクリロイル−2−ウンデコ
キサリルヒドラジン、1−アクリロイル−2−
ドデコキサリルヒドラジン、1−アクリロイル
−2−トリデコキサリルヒドラジン、1−アク
リロイル−2−テトラデコキサリルヒドラジ
ン、1−アクリロイル−2−ペンタデコキサリ
ルヒドラジン、1−アクリロイル−2−ヘキサ
デコキサリルヒドラジン、1−アクリロイル−
2−ヘプタデコキサリルヒドラジン、1−アク
リロイル−2−オクタデコキサリルヒドラジン
等を挙げることができる。 (C) 酸クロライド基(−COCl)、酸無水基(−
COOCO−)または酸アミド基を含有する高分
子化合物と、一般式(): NH2NHCOCOOM () (ただし、Mは前記と同一の意味を有する) で表わされる化合物との反応。 酸クロライド基を含有する高分子化合物の例
としては、カルボキシル基を含む高分子化合物
をホスゲン、五塩化リン、または塩化チオニル
などの塩素化剤と反応させることによつて得ら
れる。また、酸クロライド基を含有するビニル
化合物の単独重合または他の単量体との共重合
によつても得ることができる。 カルボキシル基を含む高分子化合物の例とし
ては、メタクリル酸、アクリル酸、p−ビニル
安息香酸の単独重合体、それらの共重合体、ま
たは他の単量体との共重合体、およびメタクリ
ル酸メチル、アクリル酸メチル、p−ビニル安
息香酸メチルなどカルボン酸エステル基を含む
ビニル系化合物の単独重合体、それらの共重合
体、または他の単量体との共重合体の加水分解
物などを挙げることができる。 また、酸クロライド基を有するビニル化合物
の例としては、アクリル酸クロリド、メタクリ
ル酸クロリド等を挙げることができる。 酸無水基を含有する高分子化合物の例として
は無水マレイン酸の共重合体などを挙げること
ができる。またアクリル酸、メタクリル酸など
のカルボキシル基を有するビニル化合物の単独
重合体、それらの共重合体または他の単量体と
の共重合体に塩化チオニルを反応させることに
よつても得ることができる。 酸アミド基を含有する高分子化合物は、アク
リル酸アミド、メタクリル酸アミドのような酸
アミド基を含有するビニル化合物の単独重合反
応、それらの共重合反応または他の単量体との
共重合反応によつて得られる。また、カルボキ
シル基を含有する高分子化合物とアンモニアと
を接触させて得られるカルボン酸アンモニウム
塩を、120〜230℃に加熱して脱水することによ
つても得ることができる。 これらのビニル化合物を含む単量体の重合反
応は、溶解重合、懸濁重合、乳化重合等周知技
術に従つて適宜行なうことができる。 酸クロライド基、酸無水基あるいは酸アミド
基を含有する高分子化合物と一般式()で表
わされる化合物との反応は、溶媒を使用しない
でも行なうことができるが、通常は溶媒中で実
施する。使用できる溶媒の例としては、N−メ
チル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミ
ド、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサ
ンなどが挙げることができる。 酸クロライド基を含有する高分子化合物との
通常の反応温度は、−10〜150℃、好ましくは10
〜150℃の範囲である。酸無水基を含有する高
分子化合物との場合の通常の反応温度は20〜
150℃である。また、酸アミド基を含有する高
分子化合物の場合との通常の反応温度は100〜
250℃、そして好ましくは150〜220℃である。
これらの反応温度の下限以下の温度で反応を行
なつた場合には、反応が充分に進行せず、ま
た、上限温度以上では分解反応がおこりやすい
ため望ましくない。反応原料として反応系に投
入される化合物の溶媒に対する溶解度が低く、
溶媒に難溶または不溶のときは、一般に反応時
間は長くすることが望ましい。 なお、酸クロライド基を含有する高分子化合
物と一般式()で表わされる化合物との反応
に際して、二以上の酸クロライド基が該高分子
化合物内で接近した位置にある場合にはイミド
型官能基 が生成することがある。また、酸無水基を含有
する高分子化合物との反応の際にも同様にイミ
ド型官能基が生成することがある。このような
イミド型官能基は水、希アルカリで処理するこ
とによつて、目的とする一般式()の官能基
に変換することができる。 (D) 酸ヒドラジド基(−CONHNH2)を有する
高分子化合物とシユウ酸ジエステルとの反応に
より生成される高分子化合物の加水分解。 なお、上記の一般式()で表わされる基を含
有する高分子化合物は、一般式()で表わされ
る基のうち同一の基だけから成る単独重合体また
は、二種類以上の基を含む共重合体であつてもよ
く、また一般式()以外の化合物との共重合体
であつてもよい。上述した合成法A〜Dの中で使
用できる共重合体または共重合体反応で使用でき
る他の単量体の例としては、ジビニルベンゼン、
酢酸ビニル、スチレン、ビニルピロリドン、N−
ビニルアセトアミド、アクリロニトリル、アクリ
ル酸、アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、メタクリロニトリル、メチルビニルケト
ン、ビニルピリジン、マレイン酸ジエチル、フマ
ロニトリル、フマル酸ジエチル、トリエチレング
リコールメタクリロイル酸メチル、ジビニルエチ
レングリコール、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、ブタジエン、イソプレン等を挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではなく共重合
することができる化合物であれば他の単量体もま
た使用することができる。 重金属、特にウランの吸着剤として使用する場
合において、該高分子化合物中の、一般式()
で表わされる官能基は、Mが水素、ナトリウムま
たはカリウムのいずれのものでも使用することが
できるが、特に、Mが水素である2−オキサロヒ
ドラジノカルボキシル基が良好な吸着性能を示し
望ましい官能基である。 また該高分子化合物は、一般式()で表わさ
れる官能基だけを含有する高分子化合物であつて
もよいし、あるいは、一般式()で表わされる
官能基の外に、カルボキシル基、酸アミド基、酸
ヒドラジド基、酸エステル基、ニトリル基、アミ
ドオキシム基などの他の官能基の一種もしくは二
種以上を含有してもよい。 本発明が提供する高分子化合物は、水溶液中に
溶存する重金属、特に海水中に溶存するウランの
回収のための吸着剤として有用である。 すなわち本発明は、前記の一般式()で表わ
される基を含有する高分子化合物を、重金属を含
有する水溶液に接触させることにより、該重金属
を高分子化合物に吸着させ、次いで吸着した重金
属を該高分子化合物より脱着させることからなる
重金属の回収方法をも提供するものである。 一般式()で表わされる基を含有する高分子
化合物は、海水、河川湖沼の水、工業処理排水な
どの各種の水に微量に溶解している重金属を効率
的に吸着回収することができる。 また一般式()で表わされる基を含有する高
分子化合物は、水溶液中に溶存するウラン、鉄、
亜鉛、ニツケル、コバルト、鉛、水銀、銀、金な
どの重金属に対し高い吸着能を有するため、これ
らの物質を回収する能力を有するが、特に海水中
の溶存ウランに対して優れた選択吸着能を示し、
極めて効率良く溶存ウランを回収することができ
る。 特に、溶存ウランの回収について記載すると、
一般に、海水中に溶存するウランは、その殆どが
[UO2(CO3)3]4-の形態で存在していることが知
られている[日本海水学会誌、24(5)197
(1971)]。このような溶存状態にあるウランの回
収に使用する吸着剤として、本発明の一般式
()で表わされる基を有する高分子化合物は非
常に効率良く機能する。 上記のような目的の吸着剤として使用するに際
し、一般式()で表わされる基としては2−オ
キサロヒドラジノカルボニル基が特に好ましい。
該官能基を含有する高分子化合物は、特に海水溶
存ウランに対し非常に優れた吸着能を示す。これ
は、2−オキサロヒドラジノカルボニル基の示す
吸着能は、これまでウラニルイオンと親和力が大
きいとされていたアミドオキシム基よりもさらに
親和力が大きいために選択的にウラニルイオンと
錯体形成を行なうことができるためであると考え
られる。 重金属を選択的に捕捉する吸着剤にとつて一般
式()のような有効な配位子を有することが最
も必須な要件であるが、その外に、高分子化合物
の形態、幹ポリマーの種類などもその吸着性能に
影響を与えることがある。 本発明に使用する一般式()で表わされる基
を含有する高分子化合物の形態は、重合反応によ
つて得られた形態そのままで使用することもでき
るが、さらに加工して綿状、棒状、網状、フエル
ト状などの形態に変えて使用することが好まし
い。これらの形態のうち、特に好ましい形態は、
巨大網目構造状に加工した高分子化合物である。 また、幹ポリマーは、種々のものが使用できる
が、特に親水型のものが好ましい。 本発明の重金属回収方法における吸着工程は任
意の温度で実施できるが、通常は室温で行なう。
吸着操作としては、吸着剤をカラムまたは塔に充
填し、これに重金属を含有する水溶液を通液する
方法、重金属を含む水溶液に吸着剤を投入し一定
時間撹拌する方法などが挙げられる。 海水中に溶存するウランの吸着工程における溶
存ウランの吸着は、海水のPH値を調整しながら行
なうこともできるが、実際上はPH調整をせずに行
なうことが有利である。従つて、吸着工程に使用
する吸着剤と溶存ウランとの錯体の安定性が海水
の持つ通常のPH値である8.0〜8.3の範囲で最大で
あることが望ましい。本発明で使用する高分子化
合物は、このようなPH値の範囲で溶存ウランと安
定な錯体を形成するため、特にPH調整することな
しに溶存ウランを効率良く吸着することができ
る。 吸着した重金属は、次いで脱着工程を経て回収
される。脱着工程は重金属を吸着した吸着剤を溶
離液と接触させることにより行なう。溶離液とし
ては、たとえば、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウムのような無機塩を含む
水溶液、希塩酸、希硫酸などの希鉱酸類を挙げる
ことができる。特に好ましくは希鉱酸類である。 脱着方法としては、重金属を吸着している吸着
剤が充填されている塔またはカラムに溶離液を通
液する方法、重金属を吸着している吸着剤を溶離
液に投入して一定時間撹拌する方法などが挙げら
れる。 本発明の重金属、特にウランの回収方法は代表
例として上述したような方法により実施され、そ
の回収の効率は非常に高い。また本発明で使用さ
れる一般式()で表わされる基を有する高分子
化合物は、海水等の重金属を含有する水溶液およ
び溶離液に対して高い耐久性を有し、吸着した重
金属の脱着率も高いため、長期間にわたつて繰返
し使用することが可能であり、工業的に使用し得
る吸着剤として価値が高い。 次に本発明の実施例および比較例を記載する。 実施例 1 (1) エトキサリルヒドラジンの合成 シユウ酸ジエチル270g(1.85モル)と150ml
のエタノールの撹拌溶液に、−17〜−13℃で、
90%抱水ヒドラジン66.7g(1.20モル)と75ml
のエタノールからなる溶液を30分間で滴下し
た。引き続き室温で1時間撹拌した後、析出物
を濾別し、濾液中の溶剤を30℃、35〜5mmHg
で留去した。得られた油状物にエチルエーテル
300mlを加えて、約5℃で一夜放置した。析出
した結晶を濾取し、エチルエーテルで再結晶し
た。析出結晶を減圧乾燥して、融点45〜47℃の
エトキサリルヒドラジン100.2gを得た(収率
63%)。 得られたエトキサリルヒドラジンの元素分析
結果を次に示す。
ニル基含有高分子化合物からなる重金属吸着剤、
その製造法および該高分子化合物を用いる重金属
の回収方法に関するものである。 海水、河川湖沼の水、工業処理配水など各種の
水に微量に溶解している重金属を回収する技術
は、好ましくない重金属の除去の面からも、ま
た、有用な重金属の回収の面においても重要な技
術である。 特に、海水には、約3μg/のウランが溶解
状態で存在しており、総計すれば約40億トンのウ
ランが溶存していると推定されており、このよう
な海水中のウランを効率よく回収する技術の開発
が望まれている。ウランは、原子炉燃料として有
用度の高いものであり、特に、埋蔵ウラン資源に
乏しい我国においては、海水中の溶存ウランを効
率よく回収する方法の開発が求められている。 海水などのようなウランを微量含有している水
溶液からウランを回収する技術としては、既に各
種の吸着剤を利用する方法が開発されている。そ
れらの吸着剤としては、例えば、チタン酸、方鉛
鉱および活性炭、チタン酸系吸着剤などの無機系
吸着剤、さらに特公昭54−32834号公報、特開昭
57−135043号公報、特開昭57−135044号公報に開
示されているアミドオキシム基を含有する高分子
系吸着剤、また大環状へキサケトンまたはカルボ
ン酸含有高分子化合物(I.Tabushi et al.,
Nature,280,665(1979),JACS 102,5647
(1980))などの有機系吸着剤が知られている。こ
れらの吸着剤のうち、特に有機系吸着剤は、高い
錯体形成性能および取扱いの容易さから工業的な
使用に耐え得るものと考えられているが、ウラン
の回収率に関しては、いまだ低いとの問題があ
る。 水溶液中に溶存する重金属の吸着剤における第
一の問題点は、吸着しようとする重金属と吸着剤
との錯体の安定性のPH依存性である。一般に、キ
レート樹脂による重金属の吸着能は重金属の溶存
している溶液のPH値に大きく依存している。特
に、海水中に溶存している極微量の重金属を工業
的規模で捕捉する場合には、莫大な量の海水を使
用するため、海水に酸などを添加してPH調製をす
ることは工程的にも、経済的にもまた設備の点か
らも不利である。従つて、海水溶存重金属の捕捉
に際しては、海水の持つPH値そのままで行なうこ
とが望ましい。すなわち、使用する吸着剤は通常
の海水のPH値である8.0〜8.3において回収しよう
とする重金属との錯体の安定性が良好なものであ
ることが望ましい。 さらに第二の問題点は、吸着剤の回収しようと
する重金属に対する錯体形成の選択性である。す
なわち、海水中には、ナトリウム、カルシウム、
リチウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カ
リウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属
をはじめ、ウラン、アルミニウム、チタン、バナ
ジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニツ
ケル、銅、亜鉛、モリブデン、鉛、水銀、銀、金
等の種々の金属が含まれている。このような溶存
環境にある重金属を効率よく採取するためには、
吸着しようとする重金属との親和性が強く、しか
も選択性のある配位子を有する吸着剤でなければ
ならない。特に溶存するウランは、ナトリウム、
マグネシウムの濃度の百万分の一程度の濃度であ
り、卓越した選択的吸着性が要求される。 さらに第三には、吸着物質の脱着が容易に行な
われなければならない。すなわち、これらの吸着
剤は繰返し使用するのが一般的であるため、吸着
物質の脱着が不完全であると、吸着性能の低下が
早まることになる。さらに脱着過程に係る工程は
できるだけ単純であり、吸着した重金属の脱着に
用いる薬剤(溶離液)が一般的な薬剤であつて、
かつ廉価なものであることが望ましい。また、使
用する溶離液や重金属を溶存する水溶液との接触
に際し、分解反応などを起こさない安定な物質で
あることが望ましい。 本発明者は、このように溶存重金属、特に海水
中に溶存するウランの回収のための吸着剤として
優れた性能を有する吸着剤を見い出すべく鋭意研
究を行なつた。 まず本発明者は、種々の配位子を持つ低分子化
合物を合成し、配位子の種類とウラニルイオンを
中心とする重金属イオンとの錯体形成能に関して
検討を重ねた結果、一般式() −CONHNHCOCOOM () (ただし、Mは水素、ナトリウムまたはカリウム
のいずれかである。) で示される官能基を有する化合物が海水の持つPH
領域で重金属、特に、ウラニルイオンと安定な錯
化合物を形成し、しかも溶存ウランに対し選択性
があることを見い出した。 このような知見に基づき、一般式()で示さ
れる官能基を含有する水不溶性の樹脂状固体高分
子化合物を合成し、水溶液中の各種重金属イオ
ン、特に、海水溶存ウラン吸着試験を行なつた結
果、吸着速度が速く、しかも、特に溶存ウランに
対し優れた吸着性を示すことを見い出し本発明に
至つた。 従つて本発明は、一般式(): −CONHNHCOCOOM () (ただし、Mは水素、ナトリウムまたはカリウム
である) で表わされる基を含有することを特徴とする水不
溶性の樹脂状固体置換ヒドラジノカルボニル基含
有高分子化合物からなる重金属吸着剤を提供する
ものである。 次に本発明に詳しく説明する。 本発明の高分子化合物は各種の方法により製造
することができるが、その代表的な製造法として
は次の方法を挙げることができる。 (A) 一般式(): CH2=CRCONHNHCOCOOM () (ただし、Mは水素、ナトリウムまたはカリウ
ムであり、Rは水素またはメチル基である) で表わされるビニル化合物の単独重合反応、上
記の一般式のRが水素の化合物とRがメチル基
の化合物との共重合反応、または他の単量体と
の共重合反応。 この重合反応は、溶液重合、懸濁重合、乳化
重合等周知技術に従つて適宜行なうことができ
る。 一般式()で表わされるビニル化合物の例
としては、1−メタクリロイル−2−オキサロ
ヒドラジン、2−メタクリロイルヒドラジノシ
ユウ酸カリウム、2−メタクリロイルヒドラジ
ノシユウ酸ナトリウム、1−アクリロイル−2
−オキサロヒドラジン、2−アクリロイルヒド
ラジノシユウ酸カリウム、2−アクリロイルヒ
ドラジノシユウ酸ナトリウム等を挙げることが
できる。 これらの一般式()で表わされるビニル化
合物は、たとえば、アクリル酸クロライドまた
はメタクリル酸クロライドと一般式(): NH2NHCOCOOM () (ただし、Mは前記の意味を有する) で表わされる化合物との反応によつて得ること
ができる。また、一般式()で表わされる化
合物は、対応する一般式()で表わされる化
合物のエステル化合物をアルカリなどで加水分
解することによつても得られる。 (B) 一般式(): CH2=CRCONHNHCOCOOR1 () (ただし、Rは、水素またはメチル基であり、
R1は炭素数1〜18のアルキル基のいずれかで
ある) で表わされるビニル化合物の単独重合反応、一
般式()のRが水素の化合物とRがメチル基
の化合物との共重合反応、また他の単量体との
共重合反応によつて生成する高分子化合物の加
水分解。 このビニル化合物を含む単量体の重合反応は
溶解重合、懸濁重合、乳化重合等周知技術に従
つて適宜選択して行なうことができる。また、
加水分解反応も周知技術に従つて適宜行なうこ
とができる。 一般式()で表わされるビニル化合物の例
としては、1−メタクリロイル−2−メトキサ
リルヒドラジン、1−メタクリロイル−2−エ
トキサリルヒドラジン、1−メタクリロイル−
2−プロポキサリルヒドラジン、1−メタクリ
ロイル−2−ブトキサリルヒドラジン、1−メ
タクリロイル−2−ペントキサリルヒドラジ
ン、1−メタクリロイル−2−ヘキソキサリル
ヒドラジン、1−メタクリロイル−2−ヘプト
キサリルヒドラジン、1−メタクリロイル−2
−オクトキサリルヒドラジン、1−メタクリロ
イル−2−ノノキサリルヒドラジン、1−メタ
クリロイル−2−デコキサリルヒドラジン、1
−メタクリロイル−2−ウンデコキサリルヒド
ラジン、1−メタクリロイル−2−ドデコキサ
リルヒドラジン、1−メタクリロイル−2−ト
リデコキサリルヒドラジン、1−メタクリロイ
ル−2−テトラデコキサリルヒドラジン、1−
メタクリロイル−2−ペンタデコキサリルヒド
ラジン、1−メタクリロイル−2−ヘキサデコ
キサリルヒドラジン、1−メタクリロイル−2
−ヘプタデコキサリルヒドラジン、1−メタク
リロイル−2−オクタデコキサリルヒドラジ
ン、1−アクリロイル−2−メトキサリルヒド
ラジン、1−アクリロイル−2−エトキサリル
ヒドラジン、1−アクリロイル−2−プロポキ
サリルヒドラジン、1−アクリロイル−2−ブ
トキサリルヒドラジン、1−アクリロイル−2
−ペントキサリルヒドラジン、1−アクリロイ
ル−2−ヘキソキサリルヒドラジン、1−アク
リロイル−2−ヘプトキサリルヒドラジン、1
−アクリロイル−2−オクトキサリルヒドラジ
ン、1−アクリロイル−2−ノノキサリルヒド
ラジン、1−アクリロイル−2−デコキサリル
ヒドラジン、1−アクリロイル−2−ウンデコ
キサリルヒドラジン、1−アクリロイル−2−
ドデコキサリルヒドラジン、1−アクリロイル
−2−トリデコキサリルヒドラジン、1−アク
リロイル−2−テトラデコキサリルヒドラジ
ン、1−アクリロイル−2−ペンタデコキサリ
ルヒドラジン、1−アクリロイル−2−ヘキサ
デコキサリルヒドラジン、1−アクリロイル−
2−ヘプタデコキサリルヒドラジン、1−アク
リロイル−2−オクタデコキサリルヒドラジン
等を挙げることができる。 (C) 酸クロライド基(−COCl)、酸無水基(−
COOCO−)または酸アミド基を含有する高分
子化合物と、一般式(): NH2NHCOCOOM () (ただし、Mは前記と同一の意味を有する) で表わされる化合物との反応。 酸クロライド基を含有する高分子化合物の例
としては、カルボキシル基を含む高分子化合物
をホスゲン、五塩化リン、または塩化チオニル
などの塩素化剤と反応させることによつて得ら
れる。また、酸クロライド基を含有するビニル
化合物の単独重合または他の単量体との共重合
によつても得ることができる。 カルボキシル基を含む高分子化合物の例とし
ては、メタクリル酸、アクリル酸、p−ビニル
安息香酸の単独重合体、それらの共重合体、ま
たは他の単量体との共重合体、およびメタクリ
ル酸メチル、アクリル酸メチル、p−ビニル安
息香酸メチルなどカルボン酸エステル基を含む
ビニル系化合物の単独重合体、それらの共重合
体、または他の単量体との共重合体の加水分解
物などを挙げることができる。 また、酸クロライド基を有するビニル化合物
の例としては、アクリル酸クロリド、メタクリ
ル酸クロリド等を挙げることができる。 酸無水基を含有する高分子化合物の例として
は無水マレイン酸の共重合体などを挙げること
ができる。またアクリル酸、メタクリル酸など
のカルボキシル基を有するビニル化合物の単独
重合体、それらの共重合体または他の単量体と
の共重合体に塩化チオニルを反応させることに
よつても得ることができる。 酸アミド基を含有する高分子化合物は、アク
リル酸アミド、メタクリル酸アミドのような酸
アミド基を含有するビニル化合物の単独重合反
応、それらの共重合反応または他の単量体との
共重合反応によつて得られる。また、カルボキ
シル基を含有する高分子化合物とアンモニアと
を接触させて得られるカルボン酸アンモニウム
塩を、120〜230℃に加熱して脱水することによ
つても得ることができる。 これらのビニル化合物を含む単量体の重合反
応は、溶解重合、懸濁重合、乳化重合等周知技
術に従つて適宜行なうことができる。 酸クロライド基、酸無水基あるいは酸アミド
基を含有する高分子化合物と一般式()で表
わされる化合物との反応は、溶媒を使用しない
でも行なうことができるが、通常は溶媒中で実
施する。使用できる溶媒の例としては、N−メ
チル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミ
ド、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサ
ンなどが挙げることができる。 酸クロライド基を含有する高分子化合物との
通常の反応温度は、−10〜150℃、好ましくは10
〜150℃の範囲である。酸無水基を含有する高
分子化合物との場合の通常の反応温度は20〜
150℃である。また、酸アミド基を含有する高
分子化合物の場合との通常の反応温度は100〜
250℃、そして好ましくは150〜220℃である。
これらの反応温度の下限以下の温度で反応を行
なつた場合には、反応が充分に進行せず、ま
た、上限温度以上では分解反応がおこりやすい
ため望ましくない。反応原料として反応系に投
入される化合物の溶媒に対する溶解度が低く、
溶媒に難溶または不溶のときは、一般に反応時
間は長くすることが望ましい。 なお、酸クロライド基を含有する高分子化合
物と一般式()で表わされる化合物との反応
に際して、二以上の酸クロライド基が該高分子
化合物内で接近した位置にある場合にはイミド
型官能基 が生成することがある。また、酸無水基を含有
する高分子化合物との反応の際にも同様にイミ
ド型官能基が生成することがある。このような
イミド型官能基は水、希アルカリで処理するこ
とによつて、目的とする一般式()の官能基
に変換することができる。 (D) 酸ヒドラジド基(−CONHNH2)を有する
高分子化合物とシユウ酸ジエステルとの反応に
より生成される高分子化合物の加水分解。 なお、上記の一般式()で表わされる基を含
有する高分子化合物は、一般式()で表わされ
る基のうち同一の基だけから成る単独重合体また
は、二種類以上の基を含む共重合体であつてもよ
く、また一般式()以外の化合物との共重合体
であつてもよい。上述した合成法A〜Dの中で使
用できる共重合体または共重合体反応で使用でき
る他の単量体の例としては、ジビニルベンゼン、
酢酸ビニル、スチレン、ビニルピロリドン、N−
ビニルアセトアミド、アクリロニトリル、アクリ
ル酸、アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、メタクリロニトリル、メチルビニルケト
ン、ビニルピリジン、マレイン酸ジエチル、フマ
ロニトリル、フマル酸ジエチル、トリエチレング
リコールメタクリロイル酸メチル、ジビニルエチ
レングリコール、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、ブタジエン、イソプレン等を挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではなく共重合
することができる化合物であれば他の単量体もま
た使用することができる。 重金属、特にウランの吸着剤として使用する場
合において、該高分子化合物中の、一般式()
で表わされる官能基は、Mが水素、ナトリウムま
たはカリウムのいずれのものでも使用することが
できるが、特に、Mが水素である2−オキサロヒ
ドラジノカルボキシル基が良好な吸着性能を示し
望ましい官能基である。 また該高分子化合物は、一般式()で表わさ
れる官能基だけを含有する高分子化合物であつて
もよいし、あるいは、一般式()で表わされる
官能基の外に、カルボキシル基、酸アミド基、酸
ヒドラジド基、酸エステル基、ニトリル基、アミ
ドオキシム基などの他の官能基の一種もしくは二
種以上を含有してもよい。 本発明が提供する高分子化合物は、水溶液中に
溶存する重金属、特に海水中に溶存するウランの
回収のための吸着剤として有用である。 すなわち本発明は、前記の一般式()で表わ
される基を含有する高分子化合物を、重金属を含
有する水溶液に接触させることにより、該重金属
を高分子化合物に吸着させ、次いで吸着した重金
属を該高分子化合物より脱着させることからなる
重金属の回収方法をも提供するものである。 一般式()で表わされる基を含有する高分子
化合物は、海水、河川湖沼の水、工業処理排水な
どの各種の水に微量に溶解している重金属を効率
的に吸着回収することができる。 また一般式()で表わされる基を含有する高
分子化合物は、水溶液中に溶存するウラン、鉄、
亜鉛、ニツケル、コバルト、鉛、水銀、銀、金な
どの重金属に対し高い吸着能を有するため、これ
らの物質を回収する能力を有するが、特に海水中
の溶存ウランに対して優れた選択吸着能を示し、
極めて効率良く溶存ウランを回収することができ
る。 特に、溶存ウランの回収について記載すると、
一般に、海水中に溶存するウランは、その殆どが
[UO2(CO3)3]4-の形態で存在していることが知
られている[日本海水学会誌、24(5)197
(1971)]。このような溶存状態にあるウランの回
収に使用する吸着剤として、本発明の一般式
()で表わされる基を有する高分子化合物は非
常に効率良く機能する。 上記のような目的の吸着剤として使用するに際
し、一般式()で表わされる基としては2−オ
キサロヒドラジノカルボニル基が特に好ましい。
該官能基を含有する高分子化合物は、特に海水溶
存ウランに対し非常に優れた吸着能を示す。これ
は、2−オキサロヒドラジノカルボニル基の示す
吸着能は、これまでウラニルイオンと親和力が大
きいとされていたアミドオキシム基よりもさらに
親和力が大きいために選択的にウラニルイオンと
錯体形成を行なうことができるためであると考え
られる。 重金属を選択的に捕捉する吸着剤にとつて一般
式()のような有効な配位子を有することが最
も必須な要件であるが、その外に、高分子化合物
の形態、幹ポリマーの種類などもその吸着性能に
影響を与えることがある。 本発明に使用する一般式()で表わされる基
を含有する高分子化合物の形態は、重合反応によ
つて得られた形態そのままで使用することもでき
るが、さらに加工して綿状、棒状、網状、フエル
ト状などの形態に変えて使用することが好まし
い。これらの形態のうち、特に好ましい形態は、
巨大網目構造状に加工した高分子化合物である。 また、幹ポリマーは、種々のものが使用できる
が、特に親水型のものが好ましい。 本発明の重金属回収方法における吸着工程は任
意の温度で実施できるが、通常は室温で行なう。
吸着操作としては、吸着剤をカラムまたは塔に充
填し、これに重金属を含有する水溶液を通液する
方法、重金属を含む水溶液に吸着剤を投入し一定
時間撹拌する方法などが挙げられる。 海水中に溶存するウランの吸着工程における溶
存ウランの吸着は、海水のPH値を調整しながら行
なうこともできるが、実際上はPH調整をせずに行
なうことが有利である。従つて、吸着工程に使用
する吸着剤と溶存ウランとの錯体の安定性が海水
の持つ通常のPH値である8.0〜8.3の範囲で最大で
あることが望ましい。本発明で使用する高分子化
合物は、このようなPH値の範囲で溶存ウランと安
定な錯体を形成するため、特にPH調整することな
しに溶存ウランを効率良く吸着することができ
る。 吸着した重金属は、次いで脱着工程を経て回収
される。脱着工程は重金属を吸着した吸着剤を溶
離液と接触させることにより行なう。溶離液とし
ては、たとえば、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウムのような無機塩を含む
水溶液、希塩酸、希硫酸などの希鉱酸類を挙げる
ことができる。特に好ましくは希鉱酸類である。 脱着方法としては、重金属を吸着している吸着
剤が充填されている塔またはカラムに溶離液を通
液する方法、重金属を吸着している吸着剤を溶離
液に投入して一定時間撹拌する方法などが挙げら
れる。 本発明の重金属、特にウランの回収方法は代表
例として上述したような方法により実施され、そ
の回収の効率は非常に高い。また本発明で使用さ
れる一般式()で表わされる基を有する高分子
化合物は、海水等の重金属を含有する水溶液およ
び溶離液に対して高い耐久性を有し、吸着した重
金属の脱着率も高いため、長期間にわたつて繰返
し使用することが可能であり、工業的に使用し得
る吸着剤として価値が高い。 次に本発明の実施例および比較例を記載する。 実施例 1 (1) エトキサリルヒドラジンの合成 シユウ酸ジエチル270g(1.85モル)と150ml
のエタノールの撹拌溶液に、−17〜−13℃で、
90%抱水ヒドラジン66.7g(1.20モル)と75ml
のエタノールからなる溶液を30分間で滴下し
た。引き続き室温で1時間撹拌した後、析出物
を濾別し、濾液中の溶剤を30℃、35〜5mmHg
で留去した。得られた油状物にエチルエーテル
300mlを加えて、約5℃で一夜放置した。析出
した結晶を濾取し、エチルエーテルで再結晶し
た。析出結晶を減圧乾燥して、融点45〜47℃の
エトキサリルヒドラジン100.2gを得た(収率
63%)。 得られたエトキサリルヒドラジンの元素分析
結果を次に示す。
【表】
した値である。
(2) 1−メタクリルロイル−2−エトキサリルヒ
ドラジンの合成 89.0g(0.67モル)のエトキサリルヒドラジ
ン、67.8g(0.67モル)とトリエチルアミンお
よび850mlの酢酸エチルから成る撹拌溶液に、
メタクリル酸クロライドの酢酸エチル溶液(メ
タクリル酸クロライド70.5g(0.67モル)/酢
酸エチル170ml)を氷冷下で10分間で滴下した。
さらに室温で2時間撹拌後、析出物を濾別し、
濾液から溶媒を減圧下留去し、得られた結晶を
一昼夜減圧乾燥した。この結晶をエチルエーテ
ルでソツクスレー抽出し、エーテル層から抽出
した結晶を濾取し減圧乾燥すると、融点103.5
〜104.5℃の1−メタクリロイル−2−エトキ
サリルヒドラジンの白色結晶70.3gが得られ
た。 得られた1−メタクリロイル−2−エトキサ
リルヒドラジンの元素分析結果を次に示す。
(2) 1−メタクリルロイル−2−エトキサリルヒ
ドラジンの合成 89.0g(0.67モル)のエトキサリルヒドラジ
ン、67.8g(0.67モル)とトリエチルアミンお
よび850mlの酢酸エチルから成る撹拌溶液に、
メタクリル酸クロライドの酢酸エチル溶液(メ
タクリル酸クロライド70.5g(0.67モル)/酢
酸エチル170ml)を氷冷下で10分間で滴下した。
さらに室温で2時間撹拌後、析出物を濾別し、
濾液から溶媒を減圧下留去し、得られた結晶を
一昼夜減圧乾燥した。この結晶をエチルエーテ
ルでソツクスレー抽出し、エーテル層から抽出
した結晶を濾取し減圧乾燥すると、融点103.5
〜104.5℃の1−メタクリロイル−2−エトキ
サリルヒドラジンの白色結晶70.3gが得られ
た。 得られた1−メタクリロイル−2−エトキサ
リルヒドラジンの元素分析結果を次に示す。
【表】
得られた1−メタクリロイル−2−エトキサ
リルヒドラジンをKBr錠剤法により測定した
赤外線吸収スペクトルを第1図に示す。なお、
以下に示す赤外線吸収スペクトルの測定は、全
てKBr錠剤法により行なつた。 ここで観察される吸収帯にうち3420cm-1のブ
ロードな吸収はυNHに、2980cm-1および2930
cm-1の吸収はυCHに、1800cm-1および1740cm-1
の吸収はυC=Oにそれぞれ帰属する吸収であ
ると考えられる。 また、得られた1−メタクリロイル−2−エ
トキサリルヒドラジンのCDCl3溶媒中、TMS
を内部標準として測定したNMRスペクトルを
第2図に示す。 同スペクトルに示されるピークの帰属は次の
とうりである。 1.35ppmのピークは下記の*7の水素に、
2.00ppmのピークは*3の水素に、4.35ppmの
ピークは*6の水素に、5.50ppmのピークは*
2の水素に5.90ppmピークは*1の水素に、
9.5ppmにブロードなピークは*4、*5の水
素にそれぞれ帰属するものであると考えられ
る。さらに、同スペクトルに示された積分曲線
も12単位の増加であり該化合物の水素数と一致
する。 上述した元素分析結果、赤外線吸収スペクト
ルおよびNMRの測定結果より、この化合物が
1−メタクリロイル−2−エトキサリルヒドラ
ジンであることを確認した。 (3) 重合反応 1−メタクリロイル−2−エトキサリルヒド
ラジン(以下、MEHと記載する)の単独重
合、およびジビニルベンゼン(以下、DVBと
記載する)との共重合をアゾビスイソブチロニ
トリル(以下、AIBNと記載する)を触媒とし
て行なつた。 重合反応条件を第1表に示す。
リルヒドラジンをKBr錠剤法により測定した
赤外線吸収スペクトルを第1図に示す。なお、
以下に示す赤外線吸収スペクトルの測定は、全
てKBr錠剤法により行なつた。 ここで観察される吸収帯にうち3420cm-1のブ
ロードな吸収はυNHに、2980cm-1および2930
cm-1の吸収はυCHに、1800cm-1および1740cm-1
の吸収はυC=Oにそれぞれ帰属する吸収であ
ると考えられる。 また、得られた1−メタクリロイル−2−エ
トキサリルヒドラジンのCDCl3溶媒中、TMS
を内部標準として測定したNMRスペクトルを
第2図に示す。 同スペクトルに示されるピークの帰属は次の
とうりである。 1.35ppmのピークは下記の*7の水素に、
2.00ppmのピークは*3の水素に、4.35ppmの
ピークは*6の水素に、5.50ppmのピークは*
2の水素に5.90ppmピークは*1の水素に、
9.5ppmにブロードなピークは*4、*5の水
素にそれぞれ帰属するものであると考えられ
る。さらに、同スペクトルに示された積分曲線
も12単位の増加であり該化合物の水素数と一致
する。 上述した元素分析結果、赤外線吸収スペクト
ルおよびNMRの測定結果より、この化合物が
1−メタクリロイル−2−エトキサリルヒドラ
ジンであることを確認した。 (3) 重合反応 1−メタクリロイル−2−エトキサリルヒド
ラジン(以下、MEHと記載する)の単独重
合、およびジビニルベンゼン(以下、DVBと
記載する)との共重合をアゾビスイソブチロニ
トリル(以下、AIBNと記載する)を触媒とし
て行なつた。 重合反応条件を第1表に示す。
【表】
【表】
重合反応の結果を第2表に示す。
【表】
得られたポリマーのうちポリマーAおよびポ
リマーDの赤外線吸収スペクトルを第3図およ
び第4図に示す。なお、ポリマーB、ポリマー
C、ポリマーEも同様なスペクトルを示した。 (4) 重合体の加水分解 0.200gのポリマーDを、水10mlと水酸化ナ
トリウム0.40gから成る溶液に加えて40℃で3
時間撹拌した後、樹脂を濾取した。濾取した樹
脂を引き続き水洗し、さらに0.2規定塩酸に2
時間浸漬した後、水洗、メタノール洗浄を順次
行つた。得られた樹脂を約60℃で一昼夜減圧乾
燥した。収量は0.170gであり、元素分析値
(%)はC;50.80、H;5.38、N;11.01であつ
た。また酸価は、6.36(meq./g)であつた。
この重合体(ポリマーF)の赤外吸収スペクト
ルを第5図に示す。 他のポリマーについても同様な加水分解を条
件を変えて行なつた。ポリマーDの加水分解条
件および他のポリマーについての加水分解の条
件を第3表に、さらに加水分解されたポリマー
の収量および分析結果を第4表に示す。
リマーDの赤外線吸収スペクトルを第3図およ
び第4図に示す。なお、ポリマーB、ポリマー
C、ポリマーEも同様なスペクトルを示した。 (4) 重合体の加水分解 0.200gのポリマーDを、水10mlと水酸化ナ
トリウム0.40gから成る溶液に加えて40℃で3
時間撹拌した後、樹脂を濾取した。濾取した樹
脂を引き続き水洗し、さらに0.2規定塩酸に2
時間浸漬した後、水洗、メタノール洗浄を順次
行つた。得られた樹脂を約60℃で一昼夜減圧乾
燥した。収量は0.170gであり、元素分析値
(%)はC;50.80、H;5.38、N;11.01であつ
た。また酸価は、6.36(meq./g)であつた。
この重合体(ポリマーF)の赤外吸収スペクト
ルを第5図に示す。 他のポリマーについても同様な加水分解を条
件を変えて行なつた。ポリマーDの加水分解条
件および他のポリマーについての加水分解の条
件を第3表に、さらに加水分解されたポリマー
の収量および分析結果を第4表に示す。
【表】
【表】
第4表に示した反応条件により生成したポリ
マーF、G、H、I、J、K、Lのうち、ポリ
マーLの赤外吸収スペクトルを第6図に示す。 なお、他のポリマーも同様にスペクトルを示
した。 (5) 海水溶存ウラン吸着テスト 海水を採取して、濾過により浮遊物等の不溶
分を除去したものを試料とした。試料中のウラ
ン含量は、3.10μg/(分析化学26、74
(1977)に記載の方法により定量した。以下、
ウランの定量は本法に従つておこなつた)であ
つた。 なお、本発明に記載した各実施例および各比
較例で行なつた溶存ウランの回収試験において
使用した含ウラン水溶液は全てこの試料を用い
た。 海水試料5と100mgの吸着剤ポリマーLを
容量5の三角フラスコに仕込み、昼夜連続、
室温で24時間撹拌し、溶存ウランを吸着剤ポリ
マーLに吸着させた。撹拌終了後、吸着剤ポリ
マーLを濾取し、次いで1規定塩酸(溶離液)
100mlに室温で4時間浸漬してウランを脱着さ
せた。脱着されたウランを定量した結果、回収
量、即ち、吸着剤に吸着され脱着されたウラン
の量は8.15μg(回収率52.6%)であつた。 なお、吸着前後の海水中のウラン含量の減少
量(吸着量)(吸着操作前後の含ウラン水溶液
のウランの分析値より算出した値、以下同様)
は、8.00μg(回収率51.6%)であり、脱着ウ
ラン量とほぼ一致した。即ち、ポリマーLに吸
着された海水ウランは、1規定塩酸(溶離液)
に常温で4時間浸漬することにより、定量的に
脱着される。 上述の吸着剤ポリマーLによる海水溶存ウラ
ンの回収結果および吸着剤の種類を変え同様に
行なつた海水溶存ウランの回収結果を第5表に
示す。但し、表中の回収ウラン量は、吸着剤か
ら脱着したウラン量である。
マーF、G、H、I、J、K、Lのうち、ポリ
マーLの赤外吸収スペクトルを第6図に示す。 なお、他のポリマーも同様にスペクトルを示
した。 (5) 海水溶存ウラン吸着テスト 海水を採取して、濾過により浮遊物等の不溶
分を除去したものを試料とした。試料中のウラ
ン含量は、3.10μg/(分析化学26、74
(1977)に記載の方法により定量した。以下、
ウランの定量は本法に従つておこなつた)であ
つた。 なお、本発明に記載した各実施例および各比
較例で行なつた溶存ウランの回収試験において
使用した含ウラン水溶液は全てこの試料を用い
た。 海水試料5と100mgの吸着剤ポリマーLを
容量5の三角フラスコに仕込み、昼夜連続、
室温で24時間撹拌し、溶存ウランを吸着剤ポリ
マーLに吸着させた。撹拌終了後、吸着剤ポリ
マーLを濾取し、次いで1規定塩酸(溶離液)
100mlに室温で4時間浸漬してウランを脱着さ
せた。脱着されたウランを定量した結果、回収
量、即ち、吸着剤に吸着され脱着されたウラン
の量は8.15μg(回収率52.6%)であつた。 なお、吸着前後の海水中のウラン含量の減少
量(吸着量)(吸着操作前後の含ウラン水溶液
のウランの分析値より算出した値、以下同様)
は、8.00μg(回収率51.6%)であり、脱着ウ
ラン量とほぼ一致した。即ち、ポリマーLに吸
着された海水ウランは、1規定塩酸(溶離液)
に常温で4時間浸漬することにより、定量的に
脱着される。 上述の吸着剤ポリマーLによる海水溶存ウラ
ンの回収結果および吸着剤の種類を変え同様に
行なつた海水溶存ウランの回収結果を第5表に
示す。但し、表中の回収ウラン量は、吸着剤か
ら脱着したウラン量である。
【表】
実施例 2
(1) メタクリル酸とジビニルベンゼンの共重合体
(アンバーライトIRC−50) アンバーライトIRC−50(ローム・アンド・
ハース社製;メタクリル酸とジビニルベンゼン
の共重合体;有効径0.33〜0.5mm、総交換容量
10.0meq./g、水分含有率45%(但し、カタロ
グデータ))100gをアセトンで洗浄したのち、
約60℃で1昼夜減圧乾燥した。元素分析値
(%)は、C;58.31、H;7.22で炭素の元素分
析値を基準に算出したアンバーライトIRC−50
を構成するメタクリル酸とジビニルベンゼンの
比は、96.4/4.6(モル比)である。赤外吸収ス
ペクトルを第7図に示す。 以下で用いたアンバーライトIRC−50は、す
べて上記の処理を行つたものである。 (2) アンバーライトIRC−50と塩化チオニルの反
応 17.0gのアンバーライトIRC−50、塩化チオ
ニル70mlをフラスコに仕込み、常温で2時間30
分撹拌し、引続き2時間還流して反応を行つ
た。反応終了後、常温まで冷却し、樹脂を濾取
し乾燥ベンゼンで洗浄したのち一夜減圧乾燥し
て14.9gの樹脂を得た(ポリマーM)。元素分
析値(%)は、C;60.76、H;6.00、Cl;7.50
である。赤外吸収スペクトルを第8図に示す。
1010cm-1は酸無水物基、850cm-1と670cm-1の吸
収は酸クロライド基に基づく吸収と考えられ
る。従つて、ポリマーMには、酸クロライド基
と酸無水基が共に生成している。また、酸無水
基あるいは酸クロライド基に基づく吸収が1800
cm-1と1750cm-1に観察される。 (3) ポリマーMとオキサロヒドラジンの反応 0.5gのポリマーM、1.5gのオキサロヒドラ
ジンおよび25mlのN−メチル−2−ピロリドン
をフラスコに仕込み100℃で5時間撹拌して反
応を行つた。反応終了後、室温まで冷却し樹脂
を濾取後、熱水、アセトンで順次洗浄した。反
応生成物を60℃で一昼夜減圧乾燥し、0.591g
の樹脂を得た(ポリマーN)。元素分析値(%)
は、C;52.71、H;6.45、N;7.56である。赤
外吸収スペクトルを第9図に示す。酸無水物基
に基づく1010cm-1、酸クロライド基に基づく
850cm-1と670cm-1は消失している。即ち、酸ク
ロライド基はオキサロヒドラジンと反応して2
−オキサロヒドラジノカルボニル基または、未
反応のまま残つた場合は後処理の水と反応して
カルボキシル基になつたと考えられる。 (4) ポリマーNのナトリウム塩(ポリマーS)の
製造 0.1gポリマーNに0.1規定水酸化ナトリウム
水溶液10mlを加え、3時間浸漬後濾過し、濾液
の5mlに水25mlを加え、0.1規定塩酸で滴定し
てPHメーターで中和点を求めた。必要塩酸量は
2.95ml(6.06meq./g−Resin)であつた。こ
のポリマーNの一部を取り、0.1規定水酸化ナ
トリウム水溶液10mlに3時間浸漬してナトリウ
ム塩とし、減圧乾燥して得た樹脂をポリマーS
とする。 ポリマーSの元素分析値(%)は、C;
52.71、H;6.45、N;7.56であつた。 なお、0.1gのアンバーライトIRC−50を用
いて全く同様に行つた時の0.1規定塩酸必要量
は2.18ml(9.79meq./g−Resin)であつた。 (5) 海水溶存ウランの回収試験 実施例1の場合と同様にして、ポリマーNお
よびポリマーSを用いて行つた結果、ウラン回
収量は、それぞれ1.57μg(回収率10.1%)お
よび3.30μg(回収率21.3%)であつた。 比較例 1 実施例1の場合と同様にして、アンバーライト
IRC−50を用いて海水ウラン回収テストを行なつ
た結果、24時間後のウラン回収量は、0.0μgであ
つた。 比較例 2 実施例1の場合と同様にして、Duolite CS−
346(Diamond Shamrock社製;アミドキシム基
を有する吸着剤)を用いて海水ウラン回収試験を
行つた結果は第6表の通りであり、本発明の高分
子化合物を含有する吸着剤のウラン回収率よりか
なり低いことは明らかである。
(アンバーライトIRC−50) アンバーライトIRC−50(ローム・アンド・
ハース社製;メタクリル酸とジビニルベンゼン
の共重合体;有効径0.33〜0.5mm、総交換容量
10.0meq./g、水分含有率45%(但し、カタロ
グデータ))100gをアセトンで洗浄したのち、
約60℃で1昼夜減圧乾燥した。元素分析値
(%)は、C;58.31、H;7.22で炭素の元素分
析値を基準に算出したアンバーライトIRC−50
を構成するメタクリル酸とジビニルベンゼンの
比は、96.4/4.6(モル比)である。赤外吸収ス
ペクトルを第7図に示す。 以下で用いたアンバーライトIRC−50は、す
べて上記の処理を行つたものである。 (2) アンバーライトIRC−50と塩化チオニルの反
応 17.0gのアンバーライトIRC−50、塩化チオ
ニル70mlをフラスコに仕込み、常温で2時間30
分撹拌し、引続き2時間還流して反応を行つ
た。反応終了後、常温まで冷却し、樹脂を濾取
し乾燥ベンゼンで洗浄したのち一夜減圧乾燥し
て14.9gの樹脂を得た(ポリマーM)。元素分
析値(%)は、C;60.76、H;6.00、Cl;7.50
である。赤外吸収スペクトルを第8図に示す。
1010cm-1は酸無水物基、850cm-1と670cm-1の吸
収は酸クロライド基に基づく吸収と考えられ
る。従つて、ポリマーMには、酸クロライド基
と酸無水基が共に生成している。また、酸無水
基あるいは酸クロライド基に基づく吸収が1800
cm-1と1750cm-1に観察される。 (3) ポリマーMとオキサロヒドラジンの反応 0.5gのポリマーM、1.5gのオキサロヒドラ
ジンおよび25mlのN−メチル−2−ピロリドン
をフラスコに仕込み100℃で5時間撹拌して反
応を行つた。反応終了後、室温まで冷却し樹脂
を濾取後、熱水、アセトンで順次洗浄した。反
応生成物を60℃で一昼夜減圧乾燥し、0.591g
の樹脂を得た(ポリマーN)。元素分析値(%)
は、C;52.71、H;6.45、N;7.56である。赤
外吸収スペクトルを第9図に示す。酸無水物基
に基づく1010cm-1、酸クロライド基に基づく
850cm-1と670cm-1は消失している。即ち、酸ク
ロライド基はオキサロヒドラジンと反応して2
−オキサロヒドラジノカルボニル基または、未
反応のまま残つた場合は後処理の水と反応して
カルボキシル基になつたと考えられる。 (4) ポリマーNのナトリウム塩(ポリマーS)の
製造 0.1gポリマーNに0.1規定水酸化ナトリウム
水溶液10mlを加え、3時間浸漬後濾過し、濾液
の5mlに水25mlを加え、0.1規定塩酸で滴定し
てPHメーターで中和点を求めた。必要塩酸量は
2.95ml(6.06meq./g−Resin)であつた。こ
のポリマーNの一部を取り、0.1規定水酸化ナ
トリウム水溶液10mlに3時間浸漬してナトリウ
ム塩とし、減圧乾燥して得た樹脂をポリマーS
とする。 ポリマーSの元素分析値(%)は、C;
52.71、H;6.45、N;7.56であつた。 なお、0.1gのアンバーライトIRC−50を用
いて全く同様に行つた時の0.1規定塩酸必要量
は2.18ml(9.79meq./g−Resin)であつた。 (5) 海水溶存ウランの回収試験 実施例1の場合と同様にして、ポリマーNお
よびポリマーSを用いて行つた結果、ウラン回
収量は、それぞれ1.57μg(回収率10.1%)お
よび3.30μg(回収率21.3%)であつた。 比較例 1 実施例1の場合と同様にして、アンバーライト
IRC−50を用いて海水ウラン回収テストを行なつ
た結果、24時間後のウラン回収量は、0.0μgであ
つた。 比較例 2 実施例1の場合と同様にして、Duolite CS−
346(Diamond Shamrock社製;アミドキシム基
を有する吸着剤)を用いて海水ウラン回収試験を
行つた結果は第6表の通りであり、本発明の高分
子化合物を含有する吸着剤のウラン回収率よりか
なり低いことは明らかである。
【表】
なお、実施例1の場合と同様、吸着前後の海水
中のウラン量の差は、96時間吸着した海水の場合
6.09μg(40.6%)で、回収ウランの分析値とほ
ぼ一致した。
中のウラン量の差は、96時間吸着した海水の場合
6.09μg(40.6%)で、回収ウランの分析値とほ
ぼ一致した。
第1図は、1−メタクリロイル−2−エトキサ
リルヒドラジンの赤外線吸収スペクトル、第2図
は同化合物のNMRスペクトル、第3図は本発明
のポリマーAの赤外線吸収スペクトル、第4図は
本発明のポリマーDの赤外線吸収スペクトル、第
5図は本発明のポリマーFの赤外線吸収スペクト
ル、第6図は本発明のポリマーLの赤外線吸収ス
ペクトル、第7図はアンバーライトIRCの赤外線
吸収スペクトル、第8図は本発明のポリマーMの
赤外線吸収スペクトル、そして、第9図は本発明
のポリマーNの赤外線吸収スペクトルである。
リルヒドラジンの赤外線吸収スペクトル、第2図
は同化合物のNMRスペクトル、第3図は本発明
のポリマーAの赤外線吸収スペクトル、第4図は
本発明のポリマーDの赤外線吸収スペクトル、第
5図は本発明のポリマーFの赤外線吸収スペクト
ル、第6図は本発明のポリマーLの赤外線吸収ス
ペクトル、第7図はアンバーライトIRCの赤外線
吸収スペクトル、第8図は本発明のポリマーMの
赤外線吸収スペクトル、そして、第9図は本発明
のポリマーNの赤外線吸収スペクトルである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式(): −CONHNHCOCOOM () (ただし、Mは水素、ナトリウムまたはカリウム
である) で表わされる基を含有することを特徴とする水不
溶性の樹脂状置換ヒドラジノカルボニル基含有高
分子固体化合物からなる重金属吸着剤。 2 一般式(): CH2=CRCONHNHCOCOOR1 () (ただし、Rは水素またはメチル基であり、R1
は炭素数1〜18のアルキル基のいずれかである) で表わされるビニル化合物を重合もしくは他の単
量体と共重合させ、次いで該共重合生成物を加水
分解することを特徴とする、 一般式(): −CONHNHCOCOOM () (ただし、Mは水素、ナトリウムまたはカリウム
である) で表わされる基を含有する水不溶性の樹脂状置換
ヒドラジノカルボニル基含有高分子固体化合物か
らなる重金属吸着剤の製造法。 3 酸クロリド基、酸無水物基もしくは酸アミド
基を含有する高分子化合物と、 一般式(): NH2NHCOCOOM () (ただし、Mは水素、ナトリウムまたはカリウム
のいずれかである。) で表わされる化合物とを反応させることを特徴と
する、 一般式(): −CONHNHCOCOOM () (ただし、Mは水素、ナトリウムまたはカリウム
である) で表わされる基を含有する水不溶性の樹脂状置換
ヒドラジノカルボニル基含有高分子固体化合物か
らなる重金属吸着剤の製造法。 4 一般式(): −CONHNHCOCOOM () (ただし、Mは水素、ナトリウムまたはカリウム
である) で表わされる基を含有することを特徴とする水不
溶性の樹脂状置換ヒドラジノカルボニル基含有高
分子固体化合物を重金属を含有する水溶液に接触
させることにより、重金属を該高分子化合物に吸
着させ、次いで吸着した重金属を該高分子化合物
より脱着させることを特徴とする重金属の回収方
法。 5 重金属が、ウランであることを特徴とする特
許請求の範囲第4項記載の重金属の回収方法。 6 ウランが、海水溶存ウランであることを特徴
とする特許請求の範囲第5項記載の重金属の回収
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20413983A JPS6096606A (ja) | 1983-10-31 | 1983-10-31 | 置換ヒドラジノカルボニル基含有高分子重金属吸着剤、その製造法及び重金属回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20413983A JPS6096606A (ja) | 1983-10-31 | 1983-10-31 | 置換ヒドラジノカルボニル基含有高分子重金属吸着剤、その製造法及び重金属回収方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6096606A JPS6096606A (ja) | 1985-05-30 |
| JPH0338896B2 true JPH0338896B2 (ja) | 1991-06-12 |
Family
ID=16485478
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20413983A Granted JPS6096606A (ja) | 1983-10-31 | 1983-10-31 | 置換ヒドラジノカルボニル基含有高分子重金属吸着剤、その製造法及び重金属回収方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6096606A (ja) |
-
1983
- 1983-10-31 JP JP20413983A patent/JPS6096606A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6096606A (ja) | 1985-05-30 |
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