JPH034522B2 - - Google Patents

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JPH034522B2
JPH034522B2 JP60071064A JP7106485A JPH034522B2 JP H034522 B2 JPH034522 B2 JP H034522B2 JP 60071064 A JP60071064 A JP 60071064A JP 7106485 A JP7106485 A JP 7106485A JP H034522 B2 JPH034522 B2 JP H034522B2
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powder
water
acid
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Haruyuki Kawahara
Shoji Takeda
Hiroshi Ooshima
Kentaro Tomioka
Masaharu Akaha
Hidekazu Yoshii
Kazuo Hirota
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Original Assignee
GC Dental Industiral Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は歯科用セメント組成物に関するもので
あり、特に覆髄、裏装および根管充填に最適な歯
科用セメント組成物に関するものである。更に詳
しくはA剤として a 20重量%を超え70重量%までの酸化カルシウ
ムと30重量%ないし80重量%未満の酸化アルミ
ニウムを含む粉末100重量部に対し、その粉末
表面が有機酸および/または無機酸の中から選
ばれた1種以上の0.01〜5重量部で処理されて
いる粉末、 b 水酸化カルシウム粉末を2〜70重量部、の少
なくとも2種を含む粉末、 B剤として 0.01〜70重量%の水溶性高分子物質を含む水溶
液、 上記のA剤とB剤とから成る歯科用セメント組
成物に関するものである。 〔従来の技術〕 現在、歯科用セメントは歯科分野では幅広い目
的に使用されている材料である。例えば補綴物や
矯正用バンドの合着、う蝕窩洞の充填、覆髄、裏
装、支台築造、根管充填などに用いられている。
歯科用セメントのうち、リン酸亜鉛セメント、ポ
リカルボキシレートセメント、グラスアイオノマ
ーセメントなどは比較的物性が優れているが、酸
と塩基との反応を利用したものであり、反応系に
酸を使用しているため生きている歯髄の近接部で
は酸による刺激があるので使用することは出来な
い。従つて歯髄に近い場所での覆髄材には酸化亜
鉛ユージノールセメント、水酸化カルシウムセメ
ントなどが使用されているのが現状である。特に
直接覆髄材には水酸化カルシウムセメントが用い
られている。之等のセメントは薬理効果も期待出
来るし、或る程度覆髄材としても安心して使用し
得るが、破砕抗力、溶解度などの物性が裏装材と
しては満足出来る値でないため問題が存在しい
る。例えば、非常に深い窩洞に水酸化カルシウム
セメントを覆髄材として用いる場合には強度が低
いためにその上に比較的破砕抗力の大きいグラス
アイオノマーセメント、リン酸亜鉛セメント、ポ
リカルボキシレートセメントなどで所謂「セメン
トベース」を造る必要があり、操作が複雑にな
る。また、水酸化カルシウムセメントの代表的な
ものとしては水酸化カルシウムをサリチル酸エス
テルで架橋させたものであり、強度が低いながら
も一応硬化するが、疎水性が強いペーストタイプ
となつており、歯質への親和性が不足している。
このため歯質との界面に問題がある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等は之等の問題点を抱える覆髄用セメ
ントに関し鋭意研究を進めた結果、A剤として a 20重量%を超え70重量%までの酸化カルシウ
ムと30重量%ないし80重量%未満の酸化アルミ
ニウムを含む粉末100重量部に対し、その粉末
表面が有機酸および/または無機酸の中から選
ばれた1種以上0.01〜5重量部で処理されてい
る粉末の100重量部、 b 水酸化カルシウム粉末を2〜70重量部、上記
の少なくとも2種を含む粉末。 B剤として0.01〜70重量%の水溶性高分子物質
を含む水溶液、 以上のA剤とB剤とから成る歯科用セメント組
成物は意外にも前述の問題を解決することを見出
し本発明を完成した。 また、本発明では更に加えてレントゲン造影性
物質を含有せしめた歯科用セメント組成物をも包
含する。更にまた、A剤中の「20重量%を超え70
重量%までの酸化カルシウムと30重量%ないし80
重量%未満の酸化アルミニウムを含む粉末100重
量部に対し、その粉末表面が有機酸および/また
は無機酸の中から選ばれた1種以上0.01〜5重量
部で処理されている粉末」を水溶性高分子物質で
被覆することは、操作性の向上と粉末の保存性の
向上に大いに寄与する。即ち、本発明の組成物は
従来から存在している水酸化カルシウムセメント
に比べ、遥かに大きな破砕抗力を有し、溶解度も
減少している。特に、破砕抗力が大きいため、本
発明の組成物は覆髄およびセメント裏装を同一材
料で行ない得るものであり、操作が極めて容易と
なり、歯科医が臨床に費やす時間を減ずることに
もなる。また、本発明の組成物は練和泥の流動性
も適当であり操作性も優れている。更に親水性材
料であり歯質への親和性が極めて優れているため
歯質によく密着するなどの利点もある。同時に、
本発明の組成物は粉末が塩基性でありながら保存
性が非常に優れているという利点もある。 20重量%を超え70重量%までの酸化カルシウム
と30重量%ないし80重量%未満の酸化アルミニウ
ムを含む粉末とは、カルシウムとアルミニウムを
含む原料から通常の方法で容易に製造することが
可能なアルミン酸カルシウムを含む粉末である。
例えば炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化
カルシウムなどのカルシウム含有物質と水酸化ア
ルミニウム、酸化アルミニウム、炭酸アルミニウ
ムなどのアルミニウム含有物質とを高温で反応さ
せ、焼結または溶融後、冷却し粉砕して得ること
が出来る。焼結または溶融は公知の通常の方法で
可能であり、この際適当量の助剤を使用してもよ
い。該粉末中のカルシウムおよびアルミニウムは
条件によりCaO、Al2O3の他に3CaO・Al2O3
12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3
CaO・6Al2O3などの化合物を造る。なお、他の
酸化物、弗化物、塩化物、硫酸塩、リン酸塩、炭
酸塩などを適当量加えても何等差支えない。之等
の物質は焼結助剤や融剤として働くものもあり、
製造時間の短縮に大いに寄与するものもある。添
加物質としては、例えば二酸化硅素、酸化ストロ
ンチウム、酸化マグネシウム、酸化第二鉄などの
酸化物や、カルシウム、アルミニウム、ストロン
チウム、ナトリウム、カリウムなどの弗化物、塩
化物、硫酸塩、リン酸塩などが挙げられる。即ち
該粉末中には20重量%を超え70重量%までの酸化
カルシウムおよび30重量%ないし80重量%末満の
酸化アルミニウムを含むもので、他に制限される
ものではない。該粉末中の酸化カルシウムの割合
は該粉末全体の20重量%を超え70重量%以下であ
ることが好ましい。特に好ましくは25〜50重量%
の範囲である。酸化カルシウムが20%以下では硬
化反応が極めて鈍く70%を超えるとセメント泥の
凝固が速過ぎ、操作余裕が極端に短くなると同時
に強度が低下する。該粉末中の酸化アルミニウム
の割合は該粉末全体の30重量%ないし80重量%未
満であることが好ましいが、特に好ましくは50〜
75重量%の範囲にある。酸化アルミニウムが30%
未満ではセメント硬化体の強度が低下し、酸化ア
ルミニウムが80%以上では練和されたセメント泥
の硬化反応が極めて遅くなつて了い、実際的では
ない。 一方、この様な高温で焼成されたアルミン酸カ
ルシウム粉末は、表面の塩基性が強いため空気中
の水分や二酸化炭素の影響を受け易く粉末の長期
の保存性に問題が残る。 しかし、本発明者等はアルミン酸カルシウム粉
末と有機酸および/または無機酸の中から選ばれ
た1種以上のものとを共存させ、酸で粉末表面を
処理させることにより、硬化時間が経時的に遅れ
て来る問題を解決し、保存性が向上することを見
出した。更にこの様にアルミン酸カルシウム粉末
を之等酸性物質で処理した場合に練和時のセメン
トの流動性が増加し練和がし易くなると共に操作
余裕時間が延びるなどの操作性の向上にもなるこ
とを見出した。アルミン酸カルシウム粉末と之等
の酸性物質とはよく混合するだけでも良いが、特
に好ましくはアルミン酸カルシウム粉末表面と有
機酸および/または無機酸とを反応させて有機酸
塩および/または無機酸塩を生成させておくこと
は一段と効果がある。本発明で使用される有機酸
および無機酸は酸性を示す物質を指し、酸性物質
は何れも或る程度効果があるが、好ましくはステ
アリン酸、イソステアリン酸、2−ヒドロキシス
テアリン酸、ダイマー酸、サリチル酸、アセチル
サリチル酸、酒石酸、クエン酸、アミノ酸(グリ
シン、プロリン、アラニン、アスパラギン酸、リ
ジンなど)、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、セバシン酸、スベリン酸、デカンジカルボン
酸、カプロン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ウ
ンデカン酸、ペラルゴン酸、シクロヘキサンカル
ボン酸、ラウリン酸、パルミチン酸などの有機
酸;リン酸、ピロリン酸、塩酸などの無機酸が挙
げられる。また、酸性を示す塩類も本発明に含ま
れる。例えば、第一リン酸塩や第二リン酸塩など
も酸性物質であり本発明に含まれる。之等酸性物
質のうち特に好ましいものは、リン酸、第一リン
酸塩、ピロリン酸、サリチル酸、各種アミノ酸、
ミリスチン酸、イソステアリン酸などが挙げられ
る。之等の酸性物質はアルミン酸カルシウムを含
む粉末とボールミルや乳鉢を使い単に混合しても
良いが、アルコール、ベンゼン、エーテル、ケト
ンなどの有機溶剤に溶解または懸濁させアルミン
酸カルシウムを含む粉末を表面処理しても良い。
この場合、有機溶剤は粉末を乾燥させ蒸発させる
必要がある。なお、之等酸性物質と「20重量%を
超え70重量%までの酸化カルシウムと30重量%な
いし80重量%未満の酸化アルミニウムを含む粉
末」とは、粉末表面で何等かの反応を起こさせて
おくことがより好ましいことを前述したが、この
場合A剤中の他の物質、即ち水酸化カルシウムや
レントゲン造影性物質などを同時に酸性物質で処
理して了つても何等差し支えない。本発明で使用
する有機酸および/または無機酸の中から選ばれ
た1種以上のものはA剤中の「20重量%を超え70
重量%までの酸化カルシウムと30重量%ないし80
重量%未満の酸化アルミニウムとを含む粉末100
重量部」に対して0.01〜5重量%であることが好
ましい。0.01重量%より少ない場合は、操作性の
向上、保存性の改良などの効果が無く、5重量%
より多い場合は効果時間が遅くなり過ぎて物性が
低下する。 本発明で使用される水酸化カルシウム粉末は特
に制限がないが、通常は80メツシユ篩を通過する
粉末であることが好ましく、120メツシユ篩を通
過する粉末であることがより好ましい。水酸化カ
ルシウムは薬理作用があり、更に二次象牙質の形
成を促進することが言われており覆髄材として本
発明でも之等の効果が期待出来る。また、水酸化
カルシウムを配合することにより、硬化体の破砕
抗力も向上する。また、水酸化カルシウムはA剤
中の「20重量%を超え70重量%までの酸化カルシ
ウムと30重量%ないし80重量%未満の酸化アルミ
ニウムを含む粉末100重量部」に対して2〜70重
量部であることが好ましい。2重量部未満では水
酸化カルシウムの効果が期待出来ず破砕抗力の向
上もない。70重量部を超すと効果時間が遅延し、
破砕抗力も反つて低下する。 本発明で使用されるレントゲン造影性物質は、
特に制限するものではなく、X線造影能力を有す
る物質のことである。X線吸収能は原子番号が大
きい程増加するので、比較的原子番号が大きく毒
性の少ないものが通常は使用される。例えば各種
の金属粉末、合金粉末、酸化イツトリウム、酸化
亜鉛などの酸化物、硫酸バリウム、タングステン
酸カルシウム・オキシ炭酸ビスマス・ヨウ化ナト
リウムなどの塩類、ヨードホルムなどが挙げられ
る。之等レントゲン造影物質は水に不溶性である
ことが多いため通常はA剤中に混合され使用され
るが、B剤中に含ませてもよい場合もある。即
ち、水溶性のものや不溶性であつてもB剤中に懸
濁させて使用してもよい。場合によつてはレント
ゲン造影性物質をA剤中の「20重量%を超え70重
量%までの酸化カルシウムと30重量%ないし80重
量%未満の酸化アルミニウムを含む粉末」が焼結
または溶融によつて製造される際に之等粉末と混
合し焼結、溶融させて用いることも可能である。
この場合、「20重量を超え70重量%までの酸化カ
ルシウムと30重量%ないし80重量%未満の酸化ア
ルミニウムを含む粉末」そのものに造影性が付与
されることになる。 なお本発明の組成物でレントゲン造影性物質を
含まなくても物性上は実際に使用可能である。寧
ろ、一般的にはセメント硬化体の物性はレントゲ
ン造影性物質を含まない場合は、含む場合に比べ
劣ることはない。しかしながら歯科医が実際の臨
床に覆髄、裏装或いは根管充填のために本発明の
組成物を使用する場合、材料にレントゲン造影性
が付与されていることは処置後の診断の手助けと
なり、具備するべき重要な特性の一つである。本
発明組成物中におけるレントゲン造影性物質は、
通常本発明組成物全体の10〜50重量%であること
が好ましい。10%未満の場合は造影効果が少な
く、50%を超えると物性の低下をもたらす。通常
は10〜40重量%の範囲がより好ましい。なお、本
発明の組成物は生体親和性に優れているため、根
管充填材にも応用され得るが、この場合は破砕抗
力などの強度は必要無いため、造影性物質を50%
を超えて多く使用しても何等差支えない。 本発明ではA剤中に含まれる「a.20重量%を超
え70重量%までの酸化カルシウムと30重量%ない
し80重量%未満の酸化アルミニウムを含む粉末
100重量部に対し、その粉末表面が有機酸およ
び/または無機酸の中から選ばれた1種以上の
0.01〜5重量部で処理されている粉末」を水溶性
高分子物質で被覆するということは、表面が酸性
物質で処理された「20重量%を超え70重量%まで
の酸化カルシウムと30重量%ないし80重量%未満
の酸化アルミニウムを含む粉末」を水溶性高分子
物質で更に被覆することである。水溶性高分子に
より被覆した場合、練和時の操作性を向上させ
る。即ち、練和時の操作余裕時間を適度に与える
と共に、硬化を妨げない。また、この操作は粉末
の保存性のより一層の向上という性質も与える。
勿論、水溶性高分子物質で被覆する場合、A剤中
に含まれる他の物質(即ち、水酸化カルシウム、
酸性物質、レントゲン造影性物質)を同時に、或
いは個々に水溶性高分子物質で被覆することは何
等差支えない。かかる水溶性高分子とはポリアク
リル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンイ
ミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリ
コール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピ
ロリドン、カルボキシメチルモルロース、メチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロヒス、ヒド
ロキシプロピルセルロース、酢酸フタル酸セルロ
ース、アルギン酸ナトリウム(カリウム)、アル
ビアゴムなどが効果があるが、特に好ましいもの
には、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ソ
ーダ、ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられ
る。之等水溶性高分子物質は通常の方法で粉末表
面に付着させることが可能である。例えば、ボー
ルミル中で混合し、粉体表面にメカノケミカルに
付着させる方法や、アルコール、アセトン、水な
どの溶媒中に水溶性高分子物質を溶解または懸濁
させ、この溶液と粉体を混練し溶媒を乾燥などの
手段で除去する方法などがある。この場合、前述
の有機酸および/または無機酸の中から選ばれた
1種以上のものを同一溶媒中に同時に溶解または
懸濁させ「20重量%を超え70重量%までの酸化カ
ルシウムと30重量%ないし80重量%未満の酸化ア
ルミニウムを含む粉末」の表面処理を同時に行な
つても何等差支えない。用いられる水溶性高分子
物質の分子量は1000〜1000000程度であるが、よ
り好ましくは1000〜100000の範囲にある。分子量
が余りに大きいと一様に粉末を被覆し得ないと言
う欠点がある。また、余りに分子量が低い場合も
大量に被覆しないと効果が期待出来ないため破砕
抗力などの物性を損なう。使用する水溶性高分子
物質を添加する割合は、被覆される粉体に対し通
常5重量%以下で充分であるが、好ましくは被覆
される粉体に対し0.05〜2重量%の範囲である。 本発明組成物のA剤は水硬性の性質を有し水と
練和することにより硬化体を形成する。従つて、
単に水と練和しただけでも充分使用することが可
能である。しかし、B剤中に水溶性高分子物質を
含ませることにより、意外にも硬化体の強度は向
上する。特に引張強度は向上する。また、初期硬
化時間を遅らすことなく操作余裕時間を伸ばすこ
とが出来る。更に或る程度B剤に粘性があつた方
が、練和は容易になる。 本発明のB剤に含まれる水溶性高分子物質とは
前述したA剤を被覆する場合に用いられる水溶性
高分子物質と同様に各種の水溶性高分子物質が使
用出来る。中でもポリビニルピロリドン、ポリエ
チレンオキサイド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリ
メタクリル酸ソーダが特に好ましい。用いられる
水溶性高分子物質の分子量は1000〜1000000が好
ましいが、特に好ましいのは1000〜100000の範囲
である。分子量が余りに大きい場合はセメント粉
末との水和硬化反応を阻害し、初期硬化特性が悪
化する。つまりセメント泥の硬化が鈍くなり初期
強度の極端な低下を招く。従つて覆髄、裏装に用
いた場合、次の臨床操作になかなか移ることが出
来難くなる。分子量が1000未満の場合も破砕抗力
の向上には全く貢献しない。またB剤中に含まれ
る水溶性高分子物質は0.01〜70重量%の水溶液の
範囲で適宜定めればよい。B剤の粘度は5〜
5000cpの範囲のものが好ましいが、操作上より
好ましい範囲は10〜2000cpである。 A剤とB剤との粉液比は特に制限するものでは
なく臨床目的に応じて使用出来るが、通常はB剤
1gに対しA剤は1.5〜5.0gの範囲で用いることが
好ましい。 〔実施例〕 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 水酸化アルミニウム200gと炭酸カルシウム
100gとを磁製乳鉢でよく混合した。この混合粉
を白金ルツボに入れ電気炉中で1300℃で5時間仮
焼した。焼結体を空気中で放冷した後、ボールミ
ルで2時間粉砕後、更に白金ルツボに入れ1350℃
で3時間焼成した。焼成後、ボールミルで2時間
粉砕し150メツシユ篩を通過した粉末をアルミン
酸カルシウム粉末とした。この粉末100gに対し
第一リン酸アルミニウム粉末3重量部を加え乳鉢
でよく混合した後、700℃で2時間焼成した。徐
冷後、この粉末100gに対して更に水酸化カルシ
ウム20gを加え乳鉢でよく混合しA剤とした。 一方、B剤はポリアクリル酸ソーダ(M.
W.15000)10gを純水90gに溶解したものを準備し
た。 この様にして準備したA剤とB剤を、A剤2.0g
に対しB剤1.0gの割合で練和した。練和方法はA
剤を2分割し、A剤の約半分をB剤と15秒間練和
してから残りの1/2のA剤を加え15秒間合計30秒
間練和した。歯科用リン酸亜鉛セメントのJIS規
格T6602に準じて凝固時間および破砕抗力を測定
した処、4分00秒、750±20Kg/cm2を示し覆髄・
裏装用セメントとして従来に無い優れたものであ
ることが示唆された。 実施例 2 実施例1におけるA剤をその侭とし、B剤にポ
リビニルピロリドン(M.W.50000)5%水溶液
を使用した。 A剤2.0gに対し、B剤1.0gの割合で練和し、実
施例1と同様な方法で物性を測定した処、4分15
秒の凝固時間で、650±40Kg/cm2の破砕抗力を示
した。この値は覆髄、裏装用として従来に無い優
れたものであることが示唆された。 実施例 3,4 実施例1,2におけるB剤はその侭とし、A剤
については更にポリビニルピロリドン(M.
W.40000)で表面処理した。即ち、実施例1,2
におけるA剤100gに対し、夫々ポリビニルピロ
リドン(M.W.40000)の5%メタノール溶液16g
を加え、よく混合した後、120℃で2時間乾燥し
た(実施例1→実施例3、実施例2→実施例4)。
この様にして夫々準備したA剤2.0gに対しB剤
1.0gの割合で練和し物性を測定した処、凝固時間
および破砕抗力は4分15秒(実施例3)、4分30
秒(実施例4)、720±30Kg/cm2(実施例3)、640
±30Kg/cm2(実施例4)となつた。之等は覆髄、
裏装用セメントとして従来に無い優れたものであ
るこどが示唆された。 実施例 5 水酸化アルミニウム200gと炭酸カルシウム80g
を乳鉢でよく混合し白金ルツボに入れ電気炉中で
1400℃で10時間焼成した。焼成後、空気中で放冷
し、磁製乳鉢でよく粉砕し150メツシユ篩を通過
した粉末をアルミン酸カルシウム粉末とした。こ
の粉末100gに対し第一リン酸アンモニウム1.0gを
加えボールミルで1時間ミル掛けした後、200℃
で2時間焼成した。焼成後、冷却した粉末75gに
硫酸バリウム20gおよび水酸化カルシウム5gを加
え乳鉢でよく混合しA剤とした。 B剤にはポリアクリル酸ソーダ(M.W.20000)
10gを純水90gに溶解させたものを準備した。 この様にして準備されたA剤はB剤をA剤2.5g
に対しB剤1.0gの割合で練和した。実施例1と同
様に、凝固時間および破砕抗力を測定した処、4
分15秒および670±30Kg/cm2を示し、覆髄・裏装
用セメントとして従来に無い優れたものであるこ
とが示唆された。 実施例 6 酸化アルミニウム100g、炭酸カルシウム100g、
弗化カルシウム2gを磁製乳鉢でよく混合し、白
金ルツボに入れ電気炉中で1400℃、10時間焼成し
た。焼成後、空気中で放冷し乳鉢で粉砕し150メ
ツシユ篩を通過した粉末をアルミン酸カルシウム
粉末とした。この粉末65gに硫酸バリウム25、水
酸化カルシウム10gを加えよく混合した。 一方、ハイドロキシプロピルセルロース(M.
W.40000)5g、プロリン1gをエタノール94gに溶
解させた。乳鉢中で上記混合粉末100gを充分に
混合しながらエタノール溶液15gを徐々に滴下し
た。その後、アルコールで湿つた粉末を蒸発皿に
拡げ、蒸気乾燥器中で110℃で2時間乾燥させエ
タノールを完全に蒸発させた。乾燥した混合粉末
をA剤とした。 一方、B剤はポリアクリル酸ソーダ(M.
W.7000)10gおよびポリメタクリル酸ソーダ
(M.W.40000)2gを水88gに溶かしてB剤とした。 この様にして得られたA剤とB剤とをA剤3.0g
に対しB剤1.0gの割合で練和した。実施例1と同
様に凝固時間および破砕抗力を測定した結果、3
分45秒、680±40Kg/cm2となつた。 実施例 7 水酸化アルミニウム200gと炭酸カルシウム
160gを磁製乳鉢でよく混合し白金ルツボに入れ
電気炉中で1400℃、10時間焼成した。焼成後、空
気中で放冷し乳鉢で粉砕し150メツシユ篩を通過
した粉末をアルミン酸カルシウム粉末とした。一
方、サリチル酸5gをメタノール95g中に溶解さ
せ、アルミン酸カルシウム粉末100gに対しメタ
ノール溶液18gを粉末を充分混合しながら徐々に
滴下した。アルコールで湿つた蒸発皿に拡げ蒸気
乾燥器中で110℃、2時間乾燥させ、メタノール
を完全に蒸発させた。この粉末50gに対し、硫酸
バリウム40g、水酸化カルシウム10gを加え、よ
く混合したものをA剤とした。 一方、B剤は実施例1と同様なものを用いた。 実施例1と同様にA剤2.4gに対しB剤1.0gの割
合で練和し凝固時間および破砕抗力を測定した
処、4分30秒、590±30Kg/cm2となつた。 実施例 8 実施例5におけるA剤100gをよく混合しなが
ら、ポリビニルピロリドン(M.W.50000)の5
%アセトン溶液18gに徐々に滴下した。湿つた粉
末を蒸気乾燥器中で110℃、2時間乾燥させアセ
トンを完全に蒸発させ、ポリビニルピロリドンで
被覆した。この様にして乾燥した粉末を実施例8
のA剤とした。 一方、B剤は実施例5と同様に準備した。 A剤2.6gに対しB剤1.0gの割合で練和し実施例
1と同様に凝固時間および破砕抗力を測定した
処、4分30秒および660±30Kg/cm2となつた。 実施例 9 実施例7におけるサリチル酸のアルコール溶液
で処理されたアルミン酸カルシウム粉末で乾燥し
た粉末100gをよくかきまぜながら、乳鉢中で5
%のポリビニルピロリドン(M.W.50000)のア
セトン溶液20gを徐々に滴下した。その後、この
粉末を蒸気乾燥器中で110℃、2時間乾燥し、ポ
リビニルピロリドンで被覆した。その後、この粉
末55gに対し硫酸バリウム45g、水酸化カルシウ
ム10gをよく混合しA剤とした。 B剤は実施例5と同様のものを用いた。 この様にして得られたA剤とB剤とをA剤2.6g
に対しB剤1.0gの割合で練和し、実施例1と同様
に凝固時間および破砕抗力を測定した結果4分30
秒、660±30Kg/cm2となつた。 比較例 1 覆髄用セメントとして広く使用されているC社
製水酸化カルシウムセメント(ペーストタイプ)
の物性を実施例1と同様に測定した。なおベース
1.17gに対しキヤタリスト1.0gの割合で練和した。
凝固時間は3分30秒、破砕抗力は152±7Kg/cm2
であつた。 比較例 2 実施例7において表面をサリチル酸で処理しな
い粉末を準備した。他は総べて実施例3と全く同
様な方法で試料を作製した。実施例7、実施例9
及び比較例2の夫々のA剤を空気中に曝し2週間
後に凝固時間を測定した処、次の様になつた。
【表】 この結果から明らかな様に実施例の組成物は凝
固時間が殆んど変わらないが、比較例2では2分
30秒遅れた。 以上の結果より本発明の発明による実施例1〜
9は比較例1,2に比べて覆髄、裏装用セメント
として大幅に優れていることが明らかである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 A剤として a 20重量%を超え70重量%までの酸化カルシウ
    ムと30重量%ないし80重量%未満の酸化アルミ
    ニウムを含む粉末100重量部に対し、その粉末
    表面が有機酸および/または無機酸の中から選
    ばれた1種以上の0.01〜5重量部で処理されて
    いる粉末、 b 水酸化カルシウム粉末を2〜70重量部、少な
    くとも上記2種を含む粉末。 B剤として 0.01〜70重量%の水溶性高分子物質を含む水溶
    液。 上記A剤とB剤との組み合わせから成る歯科用
    セメント組成物。 2 A剤および/またはB剤にレントゲン造影性
    物質を含ませた特許請求の範囲第1項記載の歯科
    用セメント組成物。 3 B剤中の水溶性高分子物質水溶液の粘度が5
    〜5000cpである特許請求の範囲第1項または第
    2項に記載の歯科用セメント組成物。 4 B剤中の水溶性高分子物質がポリビニルピロ
    リドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル
    酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダの中から選ば
    れた1種以上である特許請求の範囲第1項ないし
    第3項中の何れか1項に記載の歯科用セメント組
    成物。 5 A剤として a 20重量%を超え70重量%までの酸化カルシウ
    ムと30重量%ないし80重量%未満の酸化アルミ
    ニウムを含む粉末100重量部に対し、その粉末
    表面が有機酸および/または無機酸の中から選
    ばれた1種以上の0.01〜5重量部で処理されて
    いる粉末が、水溶性高分子物質で被覆されてい
    るもの、 b 水酸化カルシウム粉末を2〜70重量部、少な
    くとも上記2種を含む粉末。 B剤として 0.01〜70重量%の水溶性高分子物質を含む水溶
    液。 上記A剤とB剤との組み合わせから成る歯科用
    セメント組成物。 6 B剤中の水溶性高分子物質水溶液の粘度が5
    〜5000cpである特許請求の範囲第5項に記載の
    歯科用セメント組成物。 7 B剤中の水溶性高分子物質がポリビニルピロ
    リドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル
    酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダの中から選ば
    れた1種以上である特許請求の範囲第5項または
    第6項中に記載の歯科用セメント組成物。
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