JPH0346989B2 - - Google Patents

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JPH0346989B2
JPH0346989B2 JP11780781A JP11780781A JPH0346989B2 JP H0346989 B2 JPH0346989 B2 JP H0346989B2 JP 11780781 A JP11780781 A JP 11780781A JP 11780781 A JP11780781 A JP 11780781A JP H0346989 B2 JPH0346989 B2 JP H0346989B2
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pyroelectric
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Toshio Mori
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【発明の詳細な説明】 本発明は、複合焦電体の製造方法に関し、特
に、焦電性結晶の粒子を極性配向して積層するこ
とにより多結晶焦電体を製造した後に、結合剤
(バインダー)を含浸させて複合焦電体を製造す
る方法に関する。
先ず、本発明における焦電体について説明す
る。一般に圧電体は、電気的な自発分極
(spontaneous polarization)Psの有無に応じて
焦電体と非焦電体とに分類でき、さらにこの焦電
体は、上記自発分極Psが電界によつて方向を反転
し得るか否かに応じて、強誘電体と非強誘電体と
に分類できる。したがつて、焦電体はすべて圧電
体としても使用でき、また、焦電体の一部に強誘
電体として使用できるものもある。そして、焦電
体自体の特有の性質としては、焦電効果(Pyro
−electric effect)、すなわち、材料の一部を熱
したときに表面に電荷が現われるという性質が知
られており、この性質を利用して、たとえば赤外
線センサ、感熱素子等への応用が進められてい
る。
ここで、通常、焦電体は焦電性結晶の単結晶
体、多結晶体、あるいは他物質との複合体のいず
れかの形態をとる。そして一般的に、単結晶体を
得るためには、設備費、材料費が嵩み、製造時間
も長くかかり、また、大形のものや任意の形の単
結晶焦電体が作り難い。これに対して、上記多結
晶体や複合体は、上記設備費、材料費、および製
造時間のいずれの点でも有利であり、また、大形
のものや任意の形のものを作り易いという利点も
ある。なお、上記多結晶焦電体は焦電性結晶材料
のみから成るため、上記複合焦電体に比べて、よ
り大きな焦電効果を生じ得る。
ところで、このような多結晶焦電体や複合焦電
体を製造する従来の方法は、原材料として、前記
強誘電体のうちの自発分極Psが比較的容易に方向
反転(スイツチング)するようなたとえば
BaTiO3等の焦電性結晶粒子あるいは粉末を用
い、この焦電性結晶粒子を集積又は積層して焼結
した後、電界を引加して上記自発分極Psをほぼ同
じ向きにそろえるような、いわゆるポーリングを
行なつている。しかしながら、原材料が比較的容
易に反転し得る強誘電性の焦電性結晶に限定さ
れ、上記反転が実質的にほぼ不可能な強誘電体材
料や、非強誘電性の焦電性材料を用いて、多結晶
焦電体や複合焦電体を製造することができなかつ
た。また、上記焼結後にポーリングを行なつて
も、自発分極Psの方向を完全に一致させることは
ほぼ不可能であり、上記単結晶焦電体程度の焦電
特性を得ることが困難であつた。
そこで、本件発明者は、電気泳動電着法や雰霧
法により、焦電性結晶粒子を電界が板面に垂直に
形成された電極基板上に積層する際に、上記結晶
粒子に温度変化を与えることによつて、焦電軸が
配向された積層粒子層を得るような焦電体の製造
方法を既に提案したが、本発明はこれらをさらに
改善し、粒子間や粒子と基板との間を結合するた
めの結合剤を上記方法により製造された焦電体に
含浸することによつて、焦電性結晶粒子の充填密
度の高い複合焦電体を製造することを目的として
いる。
すなわち、本発明に係る複合焦電体の製造方法
の特徴は、基板上に焦電軸を配向した状態で焦電
性結晶粒子を積層して多結晶焦電体層を得る工程
と、該多結晶焦電体層に結合剤を含浸する工程と
より成ることである。
ここで、上記結合剤(バインダー)としては、
熱可塑性あるいは共重合硬化性の有機材料が使用
でき、たとえば、パラフインや、塩ビ、酢ビの共
重合体や、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル樹脂等の溶液を、単一もしくは組み合わせ
て用いればよい。また、この結合剤は、加熱等に
より分解あるいは結合して最終的にバインダーと
なるものを含み、たとえば、無水ホウ酸と酢酸鉛
の水溶液のように加熱により最終的にホウ酸鉛系
ガラスが得られる混合材料を用いることもでき
る。
次に、本発明の実施例の説明に先立ち、焦電性
結晶粒子の一般的性質について第1図A,Bを参
照しながら説明する。
第1図Aは、定常状態における焦電性結晶粒子
1の内部の状態を模式的に表わすものであり、図
中の矢印が電気的な自発分極Psを、また、が
内部電荷(電気双極子)をそれぞれ示している。
そして、1本の矢印Psと1対の内部電荷、と
が、互いに電気的に等しく対応するものとする。
第1図Aの定常状態では、自発分極Psと、これを
打消す、あるいは中和させる内部電荷対とが、互
いに等しい量だけ存在するため、焦電性結晶粒子
1の外部からの見かけ上の電荷、見かけ上の電気
双極子はゼロとなつている。このような定常状態
にある焦電性結晶粒子1に温度変化を与えること
によつて、たとえば自発分極Psが第1図Bのよう
に減少した場合には、内部電荷対の量がPsよりも
多くなり、この差分の内部電荷対が実効的に表わ
れることになる。すなわち、焦電性結晶粒子1に
は、見かけ上第1図Bの矢印Peffに示すような電
気双極子が表われる。そして、上記温度変化後
に、いわゆる誘電緩和時間に応じた時間変化を伴
なう緩和現象によつて、たとえば上記差分の電荷
対が結合して消滅し、内部電荷対とPsとの量が互
いに等しい平衡状態(定常状態)に戻る。なお、
温度変化の向き(昇温あるいは降温)によつて、
上記自発分極Psの量の変化も異なり、内部電荷対
よりもPsが増加した場合には、見かけ上の電気双
極子PeffはPsと同じ向きに表われ、緩和現象は新
たな内部電荷対の発生となることは勿論である。
次に、電気泳動電着法(あるいは単に電着法と
もいう。)について説明する。
一般に固体粒子を液体中に分散すると、液体中
で固体粒子は正あるいは負の電荷を持つ。たとえ
ば第2図において、液体(分散液)2中の固体粒
子(分散粒子)1は、負の電荷を持つている。そ
して、この分散液2中に、互いに分離されて対向
する2つの電極3,4を配設し、両電極3,4間
に直流電源5からの直流電圧を印加すると、分散
粒子1は電界Eによつて正極側の電極3に向かつ
て移動(電気泳動)し、基板としての電極3の表
面上に付着、積層する。この現象は電気泳動電着
法として、塗装などに利用されている。なお、分
散粒子が正の電荷を持つ場合には、負極側の電極
に向かつて電気泳動することは勿論である。
ここで、本発明の前提となる電気泳動法による
焦電体の製造方法においては、上記分散粒子とし
て、たとえばLiNbO3、LiTaO3、BaTiO3、ジル
コン・チタン酸鉛系の材料(いわゆるPZT等)、
その他の強誘電体および非強誘電体を含む焦電性
結晶粒子を用いるとともに、上記分散液として
は、たとえばトリクロルエチレン等の高抵抗率
(ρ>106Ωcm)を持つ液体を用いている。さら
に、上記電界による電気泳動で上記結晶粒子が基
板ともなる電極面に付着し固定するまでに、どの
結晶粒子にもほぼ一様に昇温あるいは降温の温度
変化を受けるようにする。このためには、分散液
中に上記電気泳動の方向に沿つた温度分布を与え
るか、あるいは、液の全体又は一部を加熱又は冷
却すればよい。この他、電極面に向う上記結晶粒
子を、該粒子が吸収し易い波長の光、マイクロ波
等の電磁輻射によつて直接的に加熱させても良
く、この場合には、上記吸収波長に応じた着色等
の表面処理を上記結晶粒子に対して予め施すこと
が好ましい。このようにすると、電界下で電極面
に近づこうとしている粒子は、いずれもが一様な
温度変化を受け、前述した焦電効果により焦電極
性に対応した電気双極子を持つことになるため、
上記電界下で極性配向しながら電極面に付着沈積
する。この沈積した積層を液中から取り出して乾
燥することにより、極性配向した焦電結晶粒子
層、すなわち多結晶焦電体が得られる。
また、本発明の前提となる多結晶焦電体の他の
製造方法、すなわち雰霧法による方法は、上記焦
電性結晶粒子を、電気絶縁性の良い高抵抗率(た
とえばρ>1010Ωcm程度)の有機液体中に分散し
てコロイド液を作り、このコロイド液を、電界が
表面に垂直に印加されている基板電極面上に雰霧
することによつて、該基板の面上に、極性を含め
て焦電軸の配向した(極性配向した)結晶粒子層
が積層され、有機成分を蒸発あるいは分解させて
乾燥して多結晶焦電体を得るものである。
このようにして得られた多結晶焦電体は、粒子
間や粒子と基板との間の結合力が比較的弱いた
め、たとえば高温で焼成して焼結体とすることが
行なわれるが、焦電性結晶粒子が酸化物の場合等
では、焼結に必要な焼成温度が極めて高く、使用
可能な基板材料としては、たとえば白金板のよう
に高耐熱性を要求されるため、安価な材料(ガラ
ス板等)を使用できない。ここで、上記分散液中
に、パラフイン等のバインダー材料を予め分散あ
るいは溶解させておくことも考えられるが、液の
粘性が高いと、上記電気泳動や配向が困難とな
り、また、ガラス粒子等を分散させた場合には、
積層時の焦電性結晶粒子の充填密度が低下する。
そこで、本発明においては、上記のようにして
得られた多結晶焦電体に対し、バインダーとして
の結合剤を後から含浸させて、複合焦電体を製造
している。この結合剤として、パラフイン等の熱
可塑性有機材料、エポキシ系接着剤等の重合硬化
性有機材料等が使用できることは前述のとおりで
ある。
以上、本発明の好ましい実施例について説明す
る。
まず、本発明の第1の実施例として、原材料と
なる焦電性結晶材料に、常温では自発分極Psの反
転が実質的にほぼ不可能な強誘電性結晶である
LiNbO3を用い、極性配向された多結晶焦電体を
得た後、上記結合剤を含浸させて複合焦電体を製
造する方法について説明する。
LiNbO3の単結晶を乳鉢で粉砕して粉末化し、
これをエタノール中で沈降分離することにより、
約1μm径以下の粒子のみから成るLiNbO3粉末を
得る。この粉末粒子を上記分散粒子として上記分
散液中に分散させるわけであるが、この分散液と
してトリクロルエチレンを用いるため、上記
LiNbO3粉末の粒子表面を親油性に表面処理する
ことが必要である。すなわち、上記粉末を、シラ
ンカツプリング剤(たとえばトーレシリコーン社
製のSZ−6070)等を添加したトルエンの中に混
合して、たとえば超音波を加えながら十分に撹拌
した後、遠心分離機を用いて粉末を回収し、この
粉末をさらに十分にトルエンで洗浄した後、熱風
乾燥器を用いて乾燥した。このようにして表面処
理されたLiNbO3粉末粒子を、上記分散液として
のトリクロルエチレン中に、超音波を加えながら
十分に分散した。このトリクロルエチレン中の
LiNbO3粒子は負の電荷を持つ。
第3図に示す容器11中には、上記LiNbO3
末粒子がトリクロルエチレン中に分散された分散
液12が満たされており、この液中に、鉛直方向
(図中上下方向)に対向する2枚の電極板13,
14をそれぞれ水平方向に配設している。これら
の電極板13,14は、たとえばガラス板13
a,14aの表面、特に対向面上に、導電性のネ
サ膜(SnO2膜)15,16を被着形成して電極
としている。そして、これらの電極板13,14
は、たとえばテフロン等で作られた電極支持柱1
7により水平方向に支持されるとともに、電気接
続金具13b,14bおよびリード線等を介して
直流電源18に電気的に接続されている。ここ
で、図中上方の電極板13は、分散液12中の液
面近傍に配置しており、この液面での蒸発による
気化熱によつてこの電極板13近傍を冷却してい
る。この電極板13を正極側(陽極側)として、
両電極間に約5KVの電圧を印加する。このとき、
正の電極板13のネサ膜15表面上に、上記
LiNbO3粒子が付着積層するとともに、この電極
板13近傍では、トリクロルエチレンの液面での
蒸発による冷却作用によつてLiNbO3粒子自体が
降温され、前述したような見かけ上の電気双極子
が表われるため、上記電極間の電界によつて焦電
軸が極性を含めて配向(極性配向)される。
このようにして、電極板13の対向面上に極性
配向しながら付着積層したLiNbO3粒子層21を
電極板13ごと液中から静かに取り出し、乾燥す
れば、極性配向した多結晶焦電体が得られる。こ
の多結晶焦電体の結晶粒子表面は親油性になつて
いるため、たとえば、溶融したパラフインや、シ
ンナーで希釈した透明ラツカー塗料等の高分子を
溶解した油性溶媒は、上記粒子間隙に容易に浸み
込み、結晶粒子間や粒子と基板との間を結合する
バインダーとなつて、複合焦電体を得ることがで
きる。また、上記液中から取出された多結晶焦電
体を、たとえば約500℃で加熱処理することによ
り、LiNbO3結晶粒子表面のシランカツプリング
剤が分解蒸発して、該粒子表面は親水性になる。
このように表面を親水性にした後に、ポリビニル
アルコール(いわゆるPVA)の水溶液をこの多
結晶焦電体に浸み込ませ、乾燥して複合焦電体を
得ることもできる。
次に、第4図は、このようにして得られた複合
焦電体21の焦電効果を試験するための装置の一
例を示している。この第4図において、白熱電球
や赤外線ランプ等の光源23からの光を、レンズ
24で集束して焦電体21の表面の一点Qに照射
することにより、この点Qの温度を高めている。
そして、レンズ24と焦電体21との間に、開口
窓26を有する回転円板25を光シヤツターとし
て配設し、この回転円板25を軸27の回りに回
転駆動することにより、上記点Qへの光を照射、
遮断制御して温度変化を与えている。複合焦電体
21の上記点Qには、たとえば銀ペースト付着等
により約2mm径の電極22を設け、この電極22
をリード線等を介して高感度電流計28の一端に
電気的に接続している。また、複合焦電体21の
裏面側のたとえばネサ膜15からもリード線を引
き出し、高感度電流計28の他端に電気的に接続
している。
このような試験装置における回転円板25を回
転駆動したときの高感度電流計28から得られる
電流は、たとえば第5図のようになる。この第5
図において、光源23からの光が開口窓26を介
して上記点Qに照射される時間TONが昇温状態
に、上記光が円板25で遮断される時間TOFFが降
温状態にそれぞれ対応し、焦電効果が得られてい
ることが明らかである。
ここで、第3図とともに説明したように、ほぼ
一様な温度変化を与えながら電気泳動電着により
得られた焦電体の場合には、全領域で一様な焦電
効果が得られるのに対し、第2図のように温度変
化が一様でない場合には、局所的に配向するのみ
で、場所によつて焦電効果のばらつきが生じ、実
用的な焦電体は得られなかつた。これは、焦電性
結晶粒子を液中に分散させるために超音波を加え
たことによつて局所的に温度上昇が起つたものと
考えられる。
次に、本発明の第2の実施例について第6図を
参照しながら説明する。
この第6図において、容器11内にはLiNbO3
粉末粒子がトリクロルエチレン中に分散された分
散液12が満たされ、2枚の電極板13,14が
図中上下方向に対向して配置されていること等
は、前述した第3図の例と同様であるが、この第
6図の第2の実施例では、図中上方の電極板13
の近傍にヒーターコイル等の発熱体31を配設
し、さらに、2枚の電極板13,14をたとえば
テフロン材で作られて回転台33で支持し、この
回転台33の軸に連結されたプーリ34をモータ
35で回転駆動するように構成している。
このように、分散液12の上部で加熱が行なわ
れる場合には、いわゆる液体が対流現象が発生せ
ず、液中の下部から上部に向かつて液温が上昇す
るようなほぼ一様の温度分布が得られる。したが
つて、対向電極間の電界によりLiNbO3粉末粒子
が上方の電極板13に移動(電気泳動)するに伴
つて昇温され、焦電効果による見かけ上の電気双
極子によつて極性配向されて、ネサ膜15の表面
上に付着積層される。このときの極性配向の向き
(極性)は、前述した第3図の場合(降温される
場合)に対して逆となることは勿論である。
すなわち、この第6図に示す第2の実施例にお
いて、焦電体を電着形成する側(正極側)の電極
板13が重力方向の上部に配置される(すなわ
ち、対向面となるネサ膜15は下向きとなる)状
態で、両電極板13,14を分散液12中に沈め
た後、両電極間に直流5KV程度の電圧を印加す
るとともに発熱体31で電極板13の近傍のみを
加熱する。そして、所定時間(たとえば10分程
度)経過してほとんどのLiNbO3粒子が電極板1
3のネサ膜15上に積層した後、上記直流電圧を
印加したままの状態で両電極を分散液12中に沈
めたまま、回転台33をゆつくりと回転させ、電
極板13が下部に配置され電極対向面が上方を向
くような位置で上記回転を停止する。次に、上記
直流電圧をオフして、両電極板13,14を回転
台33ごとゆつくりと引上げることにより、電極
板13上の電着粒子層をほとんど脱落させること
なく、液外に取出すことができる。また、上記引
上げの際に、上記直流電圧を印加したままの状態
としてもよく、この場合には、対向する電極板1
4の方が先に液外に出るため、その後は実質的な
電界が粒子層に印加されず、したがつて、電極板
13が液外に出るときに粒子層に対して何らの静
電力も加わらないものと考えられる。
このようにして得られた多結晶焦電体に対し、
前述した第1の実施例と同様に結合剤を含浸させ
ることによつて、複合焦電体を得ることができ
る。
これらの第1、第2の実施例中の多結晶焦電体
を得るまでの工程は、前記雰霧法を用いてもよい
ことは勿論である。
次に、本発明の第3の実施例として、雰霧法に
より多結晶焦電体を得、これに加熱によりガラス
となる混合物質を含浸させた後、加熱処理を行な
つて複合焦電体を製造する方法について説明す
る。
まず、焦電体性結晶としてはLiNbO3結晶を用
い、前述した第1、第2の実施例と同様に、粉
砕、沈降分離、シランカツプリング剤による表面
親油性化処理を行なつて、LiNbO3粉末粒子を得
る。これを、たとえばトリクロルエチレン等の液
中に、超音波を加えながら十分に分散してコロイ
ド液とする。このトリクロルエチレン中に、たと
えば(固形)パラフインを約0.1重量%程度予め
添加しておいてもよい。
次に、第7図に示すように、加熱台41上に石
英板42等の電気絶縁板を載置し、この石英板4
2上に、電極ともなる基板43を載置する。この
基板43は、ガラス板43aの一表面上に、透明
導電性のネサ膜(SnO2膜)45を被着形成した
ものであり、このネサ膜45を電極として図中上
方約5mm程度の対向する位置に、たとえば金網状
電極46を配設し、これらのネサ膜45の電極と
金網状電極46との間に直流電源48を挿入接続
している。そして、これらの電極間にたとえば約
2KV程度の直流電圧を印加して電界を形成し、
上記コロイド液をスプレーノズル47を介して、
この電界が形成された空間に雰霧する。ここで、
第7図においては、上記金網状電極46の外側に
スプレーノズル47の噴出口を配しているが、金
網状電極46とネサ膜電極45との間に上記噴出
口を配してもよい。
このようにしてスプレーノズル47から噴出さ
れた上記コロイド液は、トリクロルエチレンの雰
霧時の気化熱により分散粒子であるLiNbO3粉末
粒子が冷却され、また、基板43のネサ膜45上
に到達したときも、加熱台11の加熱によりトリ
クロルエチレンが蒸発して気化熱が奪われ、冷却
される。すなわち、加熱台11は、たとえば約
200℃に加熱してトリクロルエチレンを蒸発させ
るために設けられるものであり、LiNbO3粉末粒
子は常に降温変化を受ける。この降温時に、前述
した焦電効果により各LiNbO3粉末粒子に電気双
極子が表われ、上記電界によつて焦電軸が極性を
含めて配向(極性配向)されながら、基板13の
ネサ膜15上に積層される。そして、積層された
粒子層の厚さが、たとえば約0.2mmとなつた時点
で雰霧を停止し、冷却後に基板13ごと取出せば
よい。
この実施例における焦電軸の配向は、次のよう
な作用によるものと考えられる。すなわち、コロ
イド液の雰霧粒は、雰霧された時点で多数の
LiNbO3結晶粒子を含むが、その後のトリクロル
エチレンの蒸発によるる気化熱で急冷されるため
に、焦電効果により、上記結晶粒子は液粒の中で
それぞれ焦電軸に対応した電気双極子を持つ。こ
れが印加電界のもとで配向するとともに、トリク
ロルエチレン液は蒸発して、各雰霧粒は配向した
LiNbO3粒子から成る2次粒子となつて、基板電
極上に積層するものである。
次に、結合剤としては、加熱により最終的にガ
ラス組成となるような混合物質の溶液を用いる。
この溶液は、たとえば、 無水ホウ酸(B2O3) …3.48g 酢酸鉛(pb(CH3CO22・3H2O) …18.96g 水(H2O) …100g 酢 酸(CH3COOH) …少量(<1g) を混合して得られる水溶液である。
ここで、上記多結晶焦電体の結晶粒子表面は、
親油性となつているため、たとえば約450℃で加
熱処理してシランカツプリング剤を分解蒸発し、
表面を親水性化した後に、上記混合水溶液を十分
に含浸させる。そして、自然乾燥した後、たとえ
ば電気炉内で約480℃、30分の加熱を行なうこと
により、LiNbO3結晶粒子層はガラス融着され
て、結合力の強固な複合焦電体が得られる。この
ガラス融着による強化によつても、焦電特性の低
下は認められない。
この第3の実施例によれば、ガラス粒子を分散
したコロイド液を含浸させる場合に、結晶粒子層
の隙間をガラス粒子が塞ぐことによつて内部まで
十分に浸み込ませることができないことに比較し
て、気泡等の混入のない均質なガラス材料の含浸
が行なえ、また、焦電性結晶粒子の充填密度が高
く、焦電特性の優れた複合焦電体を製造すること
ができる。
この第3の実施例に用いた多結晶焦電体を、前
述の電気泳動電着法によつて得てもよいことは勿
論である。また、結合剤としては、加熱により上
記ホウ酸鉛系のガラス組成を形成する混合溶液の
他に、たとえばホウ酸亜鉛系、ホウ酸バリウム
系、リン酸アルミアルカリ系、ケイ酸アルカリ鉛
系等のガラスとなる混合溶液を用いることもでき
る。また、水溶液に、エチルアルコールや石鹸等
を微量添加することにより、水溶液が結晶粒子層
に浸み込み易くなることが確認されている。
さらに、上記コロイド液の雰霧のためにスプレ
イノズルを用いたが、この代りに超音波による雰
霧装置(いわゆる加湿器)を用いてもよく、この
超音波雰霧装置を用いた場合には、長時間の安定
な雰霧が可能となつて、さらに均質性の良好な極
性配向されたLiNbO3粒子層を得ることができ
る。また、粒子に与える温度変化としては、気化
熱による降温変化の代わりに、昇温変化を与えて
もよい。
【図面の簡単な説明】
第1図A,Bは焦電効果を説明するための模式
的な説明図、第2図は電気泳動電着法を説明する
ための概略断面図、第3図は本発明の第1の実施
例を説明するための断面図、第4図は焦電体の試
験装置の一例を示す概略断面図、第5図は第4図
の装置により得られる電流信号の一例を示すタイ
ムチヤート、第6図は本発明の第2の実施例を説
明するための断面図、第7図は本発明の第3の実
施例を説明するための断面図である。 1……焦電体結晶粒子、2……分散液、3,
4,13,14……電極板、15,16,45…
…ネサ膜、18,48……直流電源、21……電
着粒子層、31……発熱体、43……電極基板、
46……金網状電極、47……スプレーノズル。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 基板上に焦電軸を配向した状態で焦電性結晶
    粒子を積層して多結晶焦電体層を得る工程と、該
    多結晶焦電体層に結合剤を含浸する工程とより成
    る複合焦電体の製造方法。
JP56117807A 1936-08-10 1981-07-29 複合焦電体の製造方法 Granted JPS5821315A (ja)

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US95262A US2112571A (en) 1936-08-10 1936-08-10 Paper container
JP56117807A JPS5821315A (ja) 1981-07-29 1981-07-29 複合焦電体の製造方法
EP82902210A EP0083667B1 (en) 1981-07-27 1982-07-27 Method of manufacturing a pyroelectric unit
NL8220244A NL8220244A (nl) 1981-07-27 1982-07-27 Werkwijze ter bereiding van een pyroelektrisch materiaal.
GB08306410A GB2112571B (en) 1981-07-27 1982-07-27 Method of manufacturing a pyroelectric unit
PCT/JP1982/000290 WO1983000404A1 (fr) 1981-07-27 1982-07-27 Procede de fabrication d'une unite pyroelectrique
DE823248885T DE3248885A1 (de) 1981-07-29 1982-07-27 Verfahren zur herstellung eines pyroelektrischen materials
US06/478,556 US4500397A (en) 1981-07-27 1982-07-27 Method for the preparation of a pyroelectric material

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