JPH0352416B2 - - Google Patents
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- JPH0352416B2 JPH0352416B2 JP12134584A JP12134584A JPH0352416B2 JP H0352416 B2 JPH0352416 B2 JP H0352416B2 JP 12134584 A JP12134584 A JP 12134584A JP 12134584 A JP12134584 A JP 12134584A JP H0352416 B2 JPH0352416 B2 JP H0352416B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mold
- press
- optical glass
- press molding
- molding
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Description
産業上の利用分野
本発明は光学ガラス素子の製造方法に関し、特
にプレス成形後、研磨工程を必要としない高精度
光学ガラス素子を直接プレス成形を行なう際に用
いることができる光学ガラス素子のプレス成形用
型に関するものである。 従来例の構成とその問題点 近年、光学ガラスレンズは光学機器のレンズ構
成の簡略化とレンズ部分の軽量化の両方を同時に
達成しうる非球面化の方向にある。この非球面レ
ンズの製造にあたつては、従来の光学レンズの製
造方法である光学研磨法では、加工性及び量産化
が困難であり、直接プレス成形法が有望視されて
いる。 この直接プレス成形法というのは、あらかじめ
所望の面品質及び面精度に仕上げた非球面形状の
モールドの上で、光学ガラスの魂状物を加熱成形
するか、あるいはあらかじめ加熱したガラスの魂
状物を熱プレスによる成形を行なつて、それ以上
の研磨工程を必要とせずに光学レンズを製造する
方法である。 しかしながら、上記の光学ガラスレンズの製造
方法は、プレス成形後、得られたレンズの像形成
品質が損なわれない程度に優れていなければなら
ない。特に、非球面レンズの場合高い面精度で成
形できることが要求される。したがつて、型材料
としては、高温度のもとでガラスに対して化学作
用が最小であること、型のガラスプレス面にすり
傷等の損傷を受けにくいこと、熱衝撃に対する耐
破壊性が高いことなどの性質をもつている必要が
ある。 この目的のためには、タングステンカーバイド
(WC)を主成分とした超硬合金の母材の上に貴
金属層をコーテイングした型が適しているとさ
れ、様々な検討がなされている。 しかしながら、母材として用いるタングステン
カーバイド(WC)の構成元素であるタングステ
ン(W)は資源的にみて非常に希少な元素である
ため戦略物質といわれており、必然的に非常に高
価なものとなつている。また、超硬合金の主成分
となつているタングステンカーバイド(WC)は
高温での耐酸化性が劣るため、長時間にわたるガ
ラスのプレス成形の際に、母材を構成している超
硬合金は酸化されて面精度が低下する。このた
め、タングステンカーバイド(WC)の酸化を防
止するために、プレス成形時の雰囲気を非酸化性
雰囲気に厳密に保つ必要がある。したがつて、タ
ングステンカーバイド(WC)を主成分とする超
硬合金を母材とする型を使用する場合、プレス雰
囲気を非酸化性雰囲気(酸素分圧が1〜10×
10-2torr程度)にする必要があり、プレス装置の
気密性を十分に保持しなければならない。また、
ガラスの供給あるいは取り出しの際は、非酸化性
雰囲気が破られ、再び非酸化性雰囲気に戻す必要
があり、プレス成形時の1サイクル時間が長くな
つてしまう。以上のように、タングステンカーバ
イド(WC)を主成分とする超硬合金を母材とし
て用いる場合、プレス装置の複雑化あるいは大型
化が避けられない。あるいはプレス成形に要する
時間を短縮することができないといつた欠点があ
る。 発明の目的 本発明の目的は、ガラスレンズの直接プレス成
形用型に要求される高精度な型加工が容易に行な
え、かつこのようにして作製した型を用いること
によつて良好な像形成品質を有する光学ガラスレ
ンズの直接プレス成形が、容易かつ安価に多量生
産できる光学ガラス素子のプレス成形用型を提供
するものである。 発明の構成 本発明の光学ガラス素子のプレス成形用型は、
クロムカーバイド((Cr3C2))を主成分としたサ
ーメツトの母材上に、イリジウム(Ir)、オスミ
ウム(Os)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)
およびルテニウム(Ru)からなる群より選ばれ
た少なくとも一つの元素と白金(Pt)とからな
る貴金属合金層を形成したことを特徴とするもの
である。 ここで母材として用いるクロムカーバイド
(Cr3C2)を主成分としたサーメツトは、一般的
な研削加工を行なう場合においても、従来ガラス
レンズのプレス成形用型として種々の検討がなさ
れているタングステンカーバイド(WC)を主成
分とした超硬合金と同程度に高精度な型加工がで
きる特徴があり、しかも型表面の最大面粗さ
(Rmax)を0.02μm以下の精度まで容易に仕上げ
ることができるという特徴がある。 さらに、母材として用いるサーメツトの熱膨張
係数は、クロムカーバイド(Cr3C2)を主成分と
するサーメツトの場合、10〜11×10-6/℃であ
り、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、パラ
ジウム(Pd)、ロジウム(Rh)およびルテニウ
ム(Ru)からなる群より選ばれた少なくとも一
つの元素と白金(Pt)とからなる貴金属層の熱
膨張係数は9〜11×10-6/℃であり、両者の熱膨
張係数がよく一致しているため、プレス成形する
際の熱衝撃およびヒートサイクルにも耐えうる強
固な接着力を有したプレス成形用型が得られる。
従来より同様の目的で種々の検討がなされ、光学
ガラス素子のプレス成形用型として適していると
提案されているタングステンカーバイド(WC)
を主成分とした超硬合金からなる母材の上に貴金
属層を形成した型よりも、本発明の光学ガラス素
子のプレス成形用型は、安価なサーメツトを母材
としており、また主成分であるクロムカーバイド
(Cr3C2)は耐酸化性に優れているため、プレス
成形時の雰囲気を従来より厳密に行なう必要がな
く、プレス装置の簡易化あるいは小型化が可能で
あり、かつプレス成形の一サイクル時間も大幅に
短縮することができる。そして母材であるサーメ
ツトとその上に形成した貴金属層との熱膨張係数
がよく一致しているため、くり返し成形によるヒ
ートサイクルに対しても十分に耐えうる強固な接
着性を有している等の利点を有している。 なお、サーメツト上に形成した貴金属層におい
て、合金組成を白金Ptが60〜99重量%、残りが
イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、パラジウ
ム(Pd)、ロジウム(Rh)およびルテニウム
(Ru)からなる群より選ばれた少なくとも一つの
元素からなる合金と規定したのは、各組成量(重
量%)によつて各種光学ガラス素子のプレス成形
用型材料としての適性が異なるためである。すな
わち、本発明の特許請求の範囲の合金組成(重量
%)であれば、光学ガラス素子を良好にプレス成
形が可能であるが、規定した組成量(重量%)以
下では貴金属層の強度あるいは硬度が低いため
に、プレス成形後、型表面に微細なキズが発生し
たり、塑性変形を起こすため高精度な面形状が低
下する。また規定した組成量(重量%)以上で
は、プレス成形したガラスが着色したり、貴金属
層が高温で揮発しやすくなるからである。 実施例の説明 以下、本発明の実施例について説明する。 実施例 直径30mm、長さ50mmの円柱状の(Cr3C2)−
13Ni組成のサーメツトの棒を準備し、放電加工
によつて第1図に示すような周囲に切り込み部1
1″がある曲率半径46mmの凹面形状のプレス面1
1′を有した上型11と、曲率半径が200mmの凹面
形状のプレス面12′を有した下型12とからな
る一対のプレス成形用の型形状に加工した。 この型のプレス成形面を超微細なダイヤモンド
砥粒を用いて鏡面研磨した。その結果、1時間ま
でで表面の最大粗さが0.02μmの精度で鏡面加工
を行なうことができた。次にこの鏡面上にスパツ
タ法により2μmの厚みで、白金−ロジウム(Pt−
Rh)合金層などの二元系合金、白金−ロジウム
−イリジウム(Pt−Rh−Ir)合金層などの三元
系合金、白金−ロジウム−イリジウム−パラジウ
ム(Pt−Rh−Ir−Pd)合金層などの四元系合金、
白金−ロジウム−イリジウム−パラジウム−オス
ミウム(Pt−Rh−Ir−Os)合金層などの五元系
合金および白金−ロジウム−イリジウム−パラジ
ウム−オスミウム−ルテニウム(Pt−Rh−Ir−
Pd−(Os)−Ru)合金層などの六元系合金をそれ
ぞれ形成した。 このようにして作製した型11および12を第
2図に示すプレスマシンのピストンシリンダ15
および16にセツトし、酸素分圧が数torrである
窒素雰囲気中で、PbOが70%、SiO2が27%およ
び残りが微量成分からなる酸化鉛系光学ガラスを
半径20mmの球状に加工した魂状物17を加熱加圧
し、両面が凸形状のレンズに成形した。ガラスの
プレス成形時の型温度は、500℃、プレス圧力は
40Kg/cm2で2分間保持した後、そのまま300℃ま
で型とともに冷却し、成形ガラスを成形ガラス取
り出し口19より取り出し、成形ガラスと型のそ
れぞれを評価した。このようなプレス工程を500
回くり返したあと、使用した型を取りはずし500
回プレス成形した後の型表面を観察した。 以上のプレス実験を、第1表に示したような合
金組成の異なつた一対の型に対してくり返して行
ない、プレス成形後の成形ガラスと型のそれぞれ
を評価し、その結果を第1表に示した。 比較のために、プレス成形用型として適してい
ると提案され、種々の検討がなされているタング
ステンカーバイド(WC)を主成分とする超硬合
金の上に貴金属層を形成した型を作製し、第2図
に示すプレスマシンに本発明の型のかわりにセツ
トし、上述したと同じプレス条件で成形し、その
結果を第1表に示した。 タングステンカーバイド(WC)を主成分とす
る超硬合金の上に貴金属層を形成した型を用いて
プレス成形した結果、プレス雰囲気中の酸素分圧
が数torrであつたため、母材であるタングステン
カーバイド(WC)が酸化され、型の表面粗さが
低下した。すなわち、500回プレス成形した後で
の、タングステンカーバイド(WC)を主成分と
する超硬合金の上に貴金属層を形成した型の表面
粗さは、0.20μmまで低下した。 これに対して本発明における光学ガラス素子の
プレス成形用型は、プレス雰囲気における酸素分
圧が数torrと高いにもかかわらず、酸化鉛系光学
ガラスを500回プレス成形した後においても、ガ
ラスと反応しない、サーメツト上に形成した貴金
属層のはく離がない、型表面に微細なキズが発生
しない、面精度がほとんど低下しない等の利点を
備えている。タングステンカーバイド(WC)を
主成分とする超硬合金の場合と同じように、本発
明の型の最大面粗さを0.02μmに加工するのに要
する時間は1時間であり、母材の加工は容易にで
きることがわかる。本発明で用いているクロムカ
ーバイド((Cr3C2))はタングステンカーバイド
(WC)と比較して安価であり、プレス成形用型
の製造コストを下げることができる。さらに、プ
レス雰囲気が数torrの酸素分圧を示す窒素雰囲気
であるにもかかわらず、ガラスを500回プレスし
た後においても、型表面は酸化されず、面精度も
0.025とプレス成形前の面精度がほとんど維持さ
れていた。このように、本発明のプレス成形用型
を用いれば、超硬合金を母材にした型の場合より
も、プレス雰囲気コントロールを厳密に行う必要
がなく、プレス装置の簡易化、小型化が可能なこ
とがわかる。 なお、本実施例では光学ガラス素子のプレス成
形用型の母材としてのサーメツトは、(Cr3C2)−
13Ni組成であつたが、母材としてのサーメツト
組成は前記組成に限定されるものではなく、その
他の添加物として、TiC,TaC,Mo2C,WC,
W等を含有したサーメツトを用いることができ
る。また本発明を説明するために凹面形状のプレ
ス成形用型を用いたが、型表面の形状は本実施例
のような形状に限定されるものではなく、プリズ
ム等の光学ガラス素子形状に適合するものでもよ
いことは言うまでもない。
にプレス成形後、研磨工程を必要としない高精度
光学ガラス素子を直接プレス成形を行なう際に用
いることができる光学ガラス素子のプレス成形用
型に関するものである。 従来例の構成とその問題点 近年、光学ガラスレンズは光学機器のレンズ構
成の簡略化とレンズ部分の軽量化の両方を同時に
達成しうる非球面化の方向にある。この非球面レ
ンズの製造にあたつては、従来の光学レンズの製
造方法である光学研磨法では、加工性及び量産化
が困難であり、直接プレス成形法が有望視されて
いる。 この直接プレス成形法というのは、あらかじめ
所望の面品質及び面精度に仕上げた非球面形状の
モールドの上で、光学ガラスの魂状物を加熱成形
するか、あるいはあらかじめ加熱したガラスの魂
状物を熱プレスによる成形を行なつて、それ以上
の研磨工程を必要とせずに光学レンズを製造する
方法である。 しかしながら、上記の光学ガラスレンズの製造
方法は、プレス成形後、得られたレンズの像形成
品質が損なわれない程度に優れていなければなら
ない。特に、非球面レンズの場合高い面精度で成
形できることが要求される。したがつて、型材料
としては、高温度のもとでガラスに対して化学作
用が最小であること、型のガラスプレス面にすり
傷等の損傷を受けにくいこと、熱衝撃に対する耐
破壊性が高いことなどの性質をもつている必要が
ある。 この目的のためには、タングステンカーバイド
(WC)を主成分とした超硬合金の母材の上に貴
金属層をコーテイングした型が適しているとさ
れ、様々な検討がなされている。 しかしながら、母材として用いるタングステン
カーバイド(WC)の構成元素であるタングステ
ン(W)は資源的にみて非常に希少な元素である
ため戦略物質といわれており、必然的に非常に高
価なものとなつている。また、超硬合金の主成分
となつているタングステンカーバイド(WC)は
高温での耐酸化性が劣るため、長時間にわたるガ
ラスのプレス成形の際に、母材を構成している超
硬合金は酸化されて面精度が低下する。このた
め、タングステンカーバイド(WC)の酸化を防
止するために、プレス成形時の雰囲気を非酸化性
雰囲気に厳密に保つ必要がある。したがつて、タ
ングステンカーバイド(WC)を主成分とする超
硬合金を母材とする型を使用する場合、プレス雰
囲気を非酸化性雰囲気(酸素分圧が1〜10×
10-2torr程度)にする必要があり、プレス装置の
気密性を十分に保持しなければならない。また、
ガラスの供給あるいは取り出しの際は、非酸化性
雰囲気が破られ、再び非酸化性雰囲気に戻す必要
があり、プレス成形時の1サイクル時間が長くな
つてしまう。以上のように、タングステンカーバ
イド(WC)を主成分とする超硬合金を母材とし
て用いる場合、プレス装置の複雑化あるいは大型
化が避けられない。あるいはプレス成形に要する
時間を短縮することができないといつた欠点があ
る。 発明の目的 本発明の目的は、ガラスレンズの直接プレス成
形用型に要求される高精度な型加工が容易に行な
え、かつこのようにして作製した型を用いること
によつて良好な像形成品質を有する光学ガラスレ
ンズの直接プレス成形が、容易かつ安価に多量生
産できる光学ガラス素子のプレス成形用型を提供
するものである。 発明の構成 本発明の光学ガラス素子のプレス成形用型は、
クロムカーバイド((Cr3C2))を主成分としたサ
ーメツトの母材上に、イリジウム(Ir)、オスミ
ウム(Os)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)
およびルテニウム(Ru)からなる群より選ばれ
た少なくとも一つの元素と白金(Pt)とからな
る貴金属合金層を形成したことを特徴とするもの
である。 ここで母材として用いるクロムカーバイド
(Cr3C2)を主成分としたサーメツトは、一般的
な研削加工を行なう場合においても、従来ガラス
レンズのプレス成形用型として種々の検討がなさ
れているタングステンカーバイド(WC)を主成
分とした超硬合金と同程度に高精度な型加工がで
きる特徴があり、しかも型表面の最大面粗さ
(Rmax)を0.02μm以下の精度まで容易に仕上げ
ることができるという特徴がある。 さらに、母材として用いるサーメツトの熱膨張
係数は、クロムカーバイド(Cr3C2)を主成分と
するサーメツトの場合、10〜11×10-6/℃であ
り、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、パラ
ジウム(Pd)、ロジウム(Rh)およびルテニウ
ム(Ru)からなる群より選ばれた少なくとも一
つの元素と白金(Pt)とからなる貴金属層の熱
膨張係数は9〜11×10-6/℃であり、両者の熱膨
張係数がよく一致しているため、プレス成形する
際の熱衝撃およびヒートサイクルにも耐えうる強
固な接着力を有したプレス成形用型が得られる。
従来より同様の目的で種々の検討がなされ、光学
ガラス素子のプレス成形用型として適していると
提案されているタングステンカーバイド(WC)
を主成分とした超硬合金からなる母材の上に貴金
属層を形成した型よりも、本発明の光学ガラス素
子のプレス成形用型は、安価なサーメツトを母材
としており、また主成分であるクロムカーバイド
(Cr3C2)は耐酸化性に優れているため、プレス
成形時の雰囲気を従来より厳密に行なう必要がな
く、プレス装置の簡易化あるいは小型化が可能で
あり、かつプレス成形の一サイクル時間も大幅に
短縮することができる。そして母材であるサーメ
ツトとその上に形成した貴金属層との熱膨張係数
がよく一致しているため、くり返し成形によるヒ
ートサイクルに対しても十分に耐えうる強固な接
着性を有している等の利点を有している。 なお、サーメツト上に形成した貴金属層におい
て、合金組成を白金Ptが60〜99重量%、残りが
イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、パラジウ
ム(Pd)、ロジウム(Rh)およびルテニウム
(Ru)からなる群より選ばれた少なくとも一つの
元素からなる合金と規定したのは、各組成量(重
量%)によつて各種光学ガラス素子のプレス成形
用型材料としての適性が異なるためである。すな
わち、本発明の特許請求の範囲の合金組成(重量
%)であれば、光学ガラス素子を良好にプレス成
形が可能であるが、規定した組成量(重量%)以
下では貴金属層の強度あるいは硬度が低いため
に、プレス成形後、型表面に微細なキズが発生し
たり、塑性変形を起こすため高精度な面形状が低
下する。また規定した組成量(重量%)以上で
は、プレス成形したガラスが着色したり、貴金属
層が高温で揮発しやすくなるからである。 実施例の説明 以下、本発明の実施例について説明する。 実施例 直径30mm、長さ50mmの円柱状の(Cr3C2)−
13Ni組成のサーメツトの棒を準備し、放電加工
によつて第1図に示すような周囲に切り込み部1
1″がある曲率半径46mmの凹面形状のプレス面1
1′を有した上型11と、曲率半径が200mmの凹面
形状のプレス面12′を有した下型12とからな
る一対のプレス成形用の型形状に加工した。 この型のプレス成形面を超微細なダイヤモンド
砥粒を用いて鏡面研磨した。その結果、1時間ま
でで表面の最大粗さが0.02μmの精度で鏡面加工
を行なうことができた。次にこの鏡面上にスパツ
タ法により2μmの厚みで、白金−ロジウム(Pt−
Rh)合金層などの二元系合金、白金−ロジウム
−イリジウム(Pt−Rh−Ir)合金層などの三元
系合金、白金−ロジウム−イリジウム−パラジウ
ム(Pt−Rh−Ir−Pd)合金層などの四元系合金、
白金−ロジウム−イリジウム−パラジウム−オス
ミウム(Pt−Rh−Ir−Os)合金層などの五元系
合金および白金−ロジウム−イリジウム−パラジ
ウム−オスミウム−ルテニウム(Pt−Rh−Ir−
Pd−(Os)−Ru)合金層などの六元系合金をそれ
ぞれ形成した。 このようにして作製した型11および12を第
2図に示すプレスマシンのピストンシリンダ15
および16にセツトし、酸素分圧が数torrである
窒素雰囲気中で、PbOが70%、SiO2が27%およ
び残りが微量成分からなる酸化鉛系光学ガラスを
半径20mmの球状に加工した魂状物17を加熱加圧
し、両面が凸形状のレンズに成形した。ガラスの
プレス成形時の型温度は、500℃、プレス圧力は
40Kg/cm2で2分間保持した後、そのまま300℃ま
で型とともに冷却し、成形ガラスを成形ガラス取
り出し口19より取り出し、成形ガラスと型のそ
れぞれを評価した。このようなプレス工程を500
回くり返したあと、使用した型を取りはずし500
回プレス成形した後の型表面を観察した。 以上のプレス実験を、第1表に示したような合
金組成の異なつた一対の型に対してくり返して行
ない、プレス成形後の成形ガラスと型のそれぞれ
を評価し、その結果を第1表に示した。 比較のために、プレス成形用型として適してい
ると提案され、種々の検討がなされているタング
ステンカーバイド(WC)を主成分とする超硬合
金の上に貴金属層を形成した型を作製し、第2図
に示すプレスマシンに本発明の型のかわりにセツ
トし、上述したと同じプレス条件で成形し、その
結果を第1表に示した。 タングステンカーバイド(WC)を主成分とす
る超硬合金の上に貴金属層を形成した型を用いて
プレス成形した結果、プレス雰囲気中の酸素分圧
が数torrであつたため、母材であるタングステン
カーバイド(WC)が酸化され、型の表面粗さが
低下した。すなわち、500回プレス成形した後で
の、タングステンカーバイド(WC)を主成分と
する超硬合金の上に貴金属層を形成した型の表面
粗さは、0.20μmまで低下した。 これに対して本発明における光学ガラス素子の
プレス成形用型は、プレス雰囲気における酸素分
圧が数torrと高いにもかかわらず、酸化鉛系光学
ガラスを500回プレス成形した後においても、ガ
ラスと反応しない、サーメツト上に形成した貴金
属層のはく離がない、型表面に微細なキズが発生
しない、面精度がほとんど低下しない等の利点を
備えている。タングステンカーバイド(WC)を
主成分とする超硬合金の場合と同じように、本発
明の型の最大面粗さを0.02μmに加工するのに要
する時間は1時間であり、母材の加工は容易にで
きることがわかる。本発明で用いているクロムカ
ーバイド((Cr3C2))はタングステンカーバイド
(WC)と比較して安価であり、プレス成形用型
の製造コストを下げることができる。さらに、プ
レス雰囲気が数torrの酸素分圧を示す窒素雰囲気
であるにもかかわらず、ガラスを500回プレスし
た後においても、型表面は酸化されず、面精度も
0.025とプレス成形前の面精度がほとんど維持さ
れていた。このように、本発明のプレス成形用型
を用いれば、超硬合金を母材にした型の場合より
も、プレス雰囲気コントロールを厳密に行う必要
がなく、プレス装置の簡易化、小型化が可能なこ
とがわかる。 なお、本実施例では光学ガラス素子のプレス成
形用型の母材としてのサーメツトは、(Cr3C2)−
13Ni組成であつたが、母材としてのサーメツト
組成は前記組成に限定されるものではなく、その
他の添加物として、TiC,TaC,Mo2C,WC,
W等を含有したサーメツトを用いることができ
る。また本発明を説明するために凹面形状のプレ
ス成形用型を用いたが、型表面の形状は本実施例
のような形状に限定されるものではなく、プリズ
ム等の光学ガラス素子形状に適合するものでもよ
いことは言うまでもない。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
試料No.の右上の*印は比較例をあらわす。
発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明の光学
ガラス素子のプレス成形用型は、クロムカーバイ
ド((Cr3C2))を主成分としたサーメツトの上に
貴金属層を形成したことを特徴とする光学ガラス
素子のプレス成形用型であり、従来から光学ガラ
ス素子のプレス成形用型として適しているとさ
れ、種々の検討がなされているタングステンカー
バイド(WC)を主成分とする超硬合金と比較し
て、同程度の容易さで高精度な型表面が得られ
る。また、母材の主成分であるクロムカーバイド
((Cr3C2))は耐酸化性が高いので、プレス成形
時の雰囲気を高度な非酸化性雰囲気に保つ必要が
ないため、プレス装置を簡素化、小型化でき、さ
らにプレス雰囲気が数torrの酸素分である窒素雰
囲気中にもかかわらず、プレス成形後の型表面粗
さが低下していないといつた利点がある。 母材として用いたサーメツトと貴金属層との熱
膨張係数が非常によく一致しているため、くりか
えし成形を行なつた後でも貴金属層がはがれると
いつたことは起こらない。 したがつて、本発明の光学ガラス素子のプレス
成形用型を用いることによつて、非常に容易に高
精度の光学ガラス素子を得ることが可能であり、
その効果は極めて大なるものがある。
発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明の光学
ガラス素子のプレス成形用型は、クロムカーバイ
ド((Cr3C2))を主成分としたサーメツトの上に
貴金属層を形成したことを特徴とする光学ガラス
素子のプレス成形用型であり、従来から光学ガラ
ス素子のプレス成形用型として適しているとさ
れ、種々の検討がなされているタングステンカー
バイド(WC)を主成分とする超硬合金と比較し
て、同程度の容易さで高精度な型表面が得られ
る。また、母材の主成分であるクロムカーバイド
((Cr3C2))は耐酸化性が高いので、プレス成形
時の雰囲気を高度な非酸化性雰囲気に保つ必要が
ないため、プレス装置を簡素化、小型化でき、さ
らにプレス雰囲気が数torrの酸素分である窒素雰
囲気中にもかかわらず、プレス成形後の型表面粗
さが低下していないといつた利点がある。 母材として用いたサーメツトと貴金属層との熱
膨張係数が非常によく一致しているため、くりか
えし成形を行なつた後でも貴金属層がはがれると
いつたことは起こらない。 したがつて、本発明の光学ガラス素子のプレス
成形用型を用いることによつて、非常に容易に高
精度の光学ガラス素子を得ることが可能であり、
その効果は極めて大なるものがある。
第1図は本発明の実施例における光学ガラス素
子のプレス成形用型を示す図、第2図は同実施例
で用いたプレスマシンを示す図である。 11……上型、12……下型、11′……上型
のプレス面、12′……下型のプレス面、11″…
…切り込み部、13……上型加熱ヒータ、14…
…下型用加熱ヒータ、15……上型用ピストンシ
リンダ、16……下型用ピストンシリンダ、17
……原料ガラス魂状物、18……原料ガラス供給
治具、19……成形ガラス取り出し口、20……
原料ガラス予備加熱炉、21……おおい。
子のプレス成形用型を示す図、第2図は同実施例
で用いたプレスマシンを示す図である。 11……上型、12……下型、11′……上型
のプレス面、12′……下型のプレス面、11″…
…切り込み部、13……上型加熱ヒータ、14…
…下型用加熱ヒータ、15……上型用ピストンシ
リンダ、16……下型用ピストンシリンダ、17
……原料ガラス魂状物、18……原料ガラス供給
治具、19……成形ガラス取り出し口、20……
原料ガラス予備加熱炉、21……おおい。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 クロムカーバイド(Cr3C2)を主成分とする
サーメツトの母材の上に、貴金属層を形成したこ
とを特徴とする光学ガラス素子のプレス成形用
型。 2 貴金属層が、イリジウム(Ir)、オスミウム
(Os)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)およ
びルテニウム(Ru)からなる群より選ばれた少
なくとも一つの元素と白金Ptとからなる合金で
あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
の光学ガラス素子のプレス成形用型。 3 貴金属層が、白金(Pt)が60〜99重量%、
残部がイリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、パ
ラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)およびルテニ
ウム(Ru)からなる群より選ばれた少なくとも
一つの元素からなる合金であることを特徴とする
特許請求の範囲第1項または第2項記載の光学ガ
ラス素子のプレス成形用型。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59121345A JPS60264332A (ja) | 1984-06-13 | 1984-06-13 | 光学ガラス素子のプレス成形用型 |
| KR1019850003346A KR900000622B1 (ko) | 1984-05-17 | 1985-05-16 | 광학유리소자의 성형방법 및 광학유리소자의 프레스 성형금형 |
| US06/734,651 US4629487A (en) | 1984-05-17 | 1985-05-16 | Molding method for producing optical glass element |
| DE8585303477T DE3564798D1 (en) | 1984-05-17 | 1985-05-17 | Molding method for producing optical glass element |
| EP85303477A EP0164930B1 (en) | 1984-05-17 | 1985-05-17 | Molding method for producing optical glass element |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59121345A JPS60264332A (ja) | 1984-06-13 | 1984-06-13 | 光学ガラス素子のプレス成形用型 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60264332A JPS60264332A (ja) | 1985-12-27 |
| JPH0352416B2 true JPH0352416B2 (ja) | 1991-08-09 |
Family
ID=14808968
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59121345A Granted JPS60264332A (ja) | 1984-05-17 | 1984-06-13 | 光学ガラス素子のプレス成形用型 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60264332A (ja) |
-
1984
- 1984-06-13 JP JP59121345A patent/JPS60264332A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60264332A (ja) | 1985-12-27 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |