JPH0360945B2 - - Google Patents

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JPH0360945B2
JPH0360945B2 JP61150475A JP15047586A JPH0360945B2 JP H0360945 B2 JPH0360945 B2 JP H0360945B2 JP 61150475 A JP61150475 A JP 61150475A JP 15047586 A JP15047586 A JP 15047586A JP H0360945 B2 JPH0360945 B2 JP H0360945B2
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JP
Japan
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ultrafine
sheet
knitted fabric
fibers
abrasion resistance
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JP61150475A
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JPS636143A (ja
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Hiromichi Iijima
Takeo Fujii
Koji Watanabe
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication of JPH0360945B2 publication Critical patent/JPH0360945B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は耐摩耗性に優れた高強力で、柔軟性、
ドレープ性を有する薄物人工皮革用シートおよび
その製造方法に関するものである。 [従来の技術] スエード調人工皮革“エクセーヌ”(東レ(株)登
録商標)がこの世に提供されてから、多くの人工
皮革技術が生みだされてきた。人類の要求はあく
ことを知らず、より薄くて高強力で、より柔軟
で、より耐摩耗性で、より高発色性を有する皮革
様物が要求されている。 我々はすでにこれらの要求に対し、いくつかの
技術を提供してきた。 例えば、従来、カチオン可染型ポリエステルは
高発色性を有するものの極細繊維化することによ
り強度が大巾に低下し、人工皮革には不向きとさ
れていたが、特公昭57−42981号公報に開示した
ように、高分子相互配列体繊維技術を応用展開し
た特殊ポリマーの組合せにより、天然皮革では到
底出し得なかつた高発色性スエード調人工皮革を
提供した。また、強撚編織物と前記高発色性を有
する極細繊維シートとの積層、絡合処理により、
柔軟で高発色性を有する高強力、低伸度化された
スエード調人工皮革技術を提供した。これらの技
術は、高強度、低伸度、柔軟性、高発色性といつ
た特性をバランスよく保持し、世の要求に対し
て、それなりに効果あるものであつた。しかしな
がら、より薄物人工皮革の要求される中におい
て、薄さと物性バランス、特に耐摩耗性において
十分なものではなく、今一歩改良を要するもので
あつた。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は人工皮革において、これまで薄くする
ことにおいて、従来技術ではカバーしきれなかつ
た耐摩耗性の低下という欠点を解消し、強力伸
度、柔軟性、ドレープ性あるいは高発色性といつ
た商品価値を左右する特性のバランスのとれたも
のとした薄物人工皮革用シートおよびその製造方
法を提供するものである。 [問題点を解決するための手段] 本発明者らは上記問題点を解決するための鋭意
研究した結果、遂に本発明に到達したものであ
る。 本発明の要旨は次の通りである。 (1) 強撚編織物と1.0デニール以下の極細弾性繊
維および0.8デニール以下で、かつ主たる長さ
が20mm以上の極細非弾性繊維から構成された複
合シートであつて、該強撚編織物と極細非弾性
繊維絡合シートとの間に、主として極細弾性繊
維絡合シートが介在し、これらが不離一体とな
るがごとく強固に絡合し、かつ、極細弾性繊維
が部分的に接着した構造を有することを特徴と
する耐摩耗性に優れた柔軟薄物人工皮革用シー
ト。 (2) 強撚編織物上に1.0デニール以下の極細弾性
繊維シートを重ね、更に、その上に0.8デニー
ル以下で、かつ主たる長さが20mm以上の極細非
弾性シートを積層し、絡合処理を行ない、しか
る後、必要に応じて該強撚編織物の潜在トルク
解舒処理を行なつた後、極細弾性繊維を部分的
融着処理を行なうことを特徴とする耐摩耗性に
優れた柔軟薄物人工皮革用シートの製造方法。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明を達成するための具体的な一手段の例と
しては、まず、より薄物シートで高強力を得るた
めに、強撚編物あるいは強撚織物を用い、その上
に、耐摩耗性を向上させ、適度な反発力を付与す
るための1.0デニール以下の極細弾性繊維のシー
トを配置し、更に、その上に、柔軟性、ドレープ
性および、スエード調ライクな外観を付与するた
めに0.8デニール以下で、かつ主たる長さが20mm
以上の極細非弾性繊維のシートを積層し、その
後、ニードルパンチを施し、シート自体の絡合
と、シートおよび編織物との絡合を十分に高めて
不離一体構造を形成する。しかる後、必要に応じ
て強撚編織物の潜在トルク解舒工程を経た後、極
細弾性繊維を部分的に融着処理し、強撚編織物/
極細弾性繊維/極細非弾性繊維が不離一体の強固
に絡合した構造とすることを骨子とするものであ
る。 更に以下により具体的に説明する。 本発明に用いられる強撚編織物を構成する糸の
ヨリ数は、500T/m以上より好ましくは
1000T/m以上であり、最も好適には1500T/m
以上である。ヨリ数が500T/m未満では糸を構
成する単糸同士の締りが不充分であるため、ニー
ドルパンチの際、針のバーブに糸または単糸がひ
つかかり、糸が切断あるいは損傷する。このため
編織物の組織が破壊され、パンチ数増加と共に編
織物の強力が著しく低下し、全体として布帛構造
物の強力低下が著しくなり、その結果、低伸度化
にも寄与しにくいものとなる。また編織物の破壊
により、不織布ウエブと破壊された編織物の糸ま
たは単糸が絡み、アンカー効果で自由度が少なく
なり、全体として硬い布帛構造物となる。このた
め、編織物を構成する繊維の破断端が表面に露出
し、タツチ外観を著しく損う。 強撚編織物に使用されるポリマーとしては、ポ
リエチレンテレフタレートあるいはその共重合
体、ポリブチレンテレフタレートあるいはその共
重合体、ナイロン6、12、66、610等に代表され
るポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリオレフイン類、アクリル系重合体類等が
挙げられる。これらの1種又は2種以上が適用さ
れる。この中でも特に、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン
6、66が好ましく用いられる。 また、強撚編物が可細化繊維(少なくとも一成
分を溶剤あるいは熱水により除去、またはアルカ
リ減量処理あるいはフイブリル化処理等の細化処
理によつて、極細化可能な複合繊維を示唆する。)
を使用する場合、繊維形成性ポリマーとしては、
ポリエチレンテレフタレートおよびその共重合
体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重
合体、ナイロン6、12、66、610等に代表される
ポリアミド類、熱水可溶型ポリエステル、熱水可
溶型ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリオレフイン類、アクリル
系重合体、ポリビニールアルコール等が挙げられ
る。これらの中から、少なくとも2成分以上のポ
リマーを組合せてなる複合繊維である。繊維断面
の形態は特に限定するものではない。例えば、5
−ソジユウムスルホイソフタレート共重合ポリエ
ステル/ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレ
ート/ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト/熱水可溶型ポリエステル等の高分子相互配列
体繊維、芯成分がポリエチレンテレフタレート/
鞘成分が5−ソジユウムスルホイソフタレート共
重合ポリエステルまたた熱水可溶型ポリエステ
ル/ポリスチレン等の芯鞘型複合繊維、あるいは
ポリエステル/ポリアミドからなる菊花状複合繊
維などが好ましく適用される。これらは用途に応
じて適宜選択可能である。 細化処理し極細強撚編とすることにより、柔軟
性を一層高め得るものである。 重要な点は従来になかつた強撚編織物を用いる
ことにあり、繊維の断面形態およびポリマーの組
合せは、狙いとする最終製品により異なるため、
特に限定するものではない。この場合、撚数が大
きすぎても可細化繊維の除去成分が破壊され、ニ
ードルパンチ時に極細繊維をも切断し、本発明の
ねらいとする高強力を有する製品が得られない。
更に、撚数が大きすぎると繊維が硬くなりすぎ、
風合柔軟化、絡合化の点から好ましくないので
4000T/m以下が好ましい。 更には、強撚編織物を構成する繊維が原着ポリ
マーであつてもさしつかえない。例えば、ポリエ
ステル/カーボンブラツクを混合したもの、ある
いは他の有機系、無機系顔料を添加混合したもの
であつてもよい。これらの強撚編織物は表層部に
用いる極細非弾性繊維の染色性とのからみから判
断して組合せるのが好ましい。 使用する強撚糸の糸種としてはフイラメントヤ
ーン、紡績糸、革新紡績糸、フイラメントヤー
ン/紡績糸など特に限定するものではない。 強撚編織物の目付けは、20〜200g/m2の範囲
であることが望ましく、最も好適には30〜150
g/m2の範囲である。目付けが20g/m2未満にな
ると編織物としての形態が極めてルーズになり、
中層部にはさみ込んだ時、あるいは表面に重ねる
際に、シワが発生し、均一に広げることが困難に
なる。また目付けが200g/m2を越えると編織物
組織が密になり、ニードルパンチ時に不織シート
の貫通が不充分で不織シートの高絡合化が進まず
不離一体化した構造物を作るのが困難になる。 強撚編織物の種類については、経編、トリコツ
ト編で代表される緯編、レース編及びそれらの編
み方を基本とした各種の編物、あるいは平織、綾
織、朱子織及びそれらの織り方を基本とした各種
の編物など特に限定するものではない。 これら織物のうち、好ましいものとしては少な
くともたて、よこいずれかに強撚糸を用いたもの
が良く、特に好ましいものとしては、たて、よこ
共に強撚糸を用いた織物が良い。たて、よこ片方
に強撚糸を用いた場合は、強撚糸に面してニード
ルのバーブが向く様針を植えてパンチする。ま
た、たて、よこ共に強撚糸の場合は、各面に対し
て45°となるようにバーブの向きをしてパンチす
ることにより、繊維損傷は大巾に押さえられる。
さらによこ糸としてSZ撚り1−1、2−2、4
−4等の交互仕込みもしくは2(又はZ)の片撚
り糸打込みなどを作つたものが良い。これらの打
込状態を変えたものを用いた場合、ニードルパン
チ後に潜在トルク解舒処理により、強撚糸のトル
ク復元力を利用して自然感のあるシボ調もしくは
揚柳調の外観となし得ると同時に製品の柔軟性が
大巾に改善される場合が多い。ここでいう潜在ト
ルク解舒処理とは強撚編織物を熱水、スチームも
しくは乾熱処理することにより、強撚糸の潜在ト
ルクを解舒することを意味するものである。また
別のケースとしてあらかじめトルク発現をさせた
編織物を用いてニードルパンチすることにより、
編織物の伸度が実質的にアツプし補強効果(編織
物繊維の破断が減少する)がある場合もある。い
ずれを選ぶかは目的により適宜決定すれば良い。 編織物用糸使いとしては目的により適宜変更可
能だが、デニールとして30デニールから300デニ
ールが一つの目安となる。糸使いとしては細い方
が均一性の点で良いが、あまり細いとバーブとの
ひつかかりがきつくなり損傷を受け易くなる。ま
た太すぎると針の先端が糸に当つた時に逃げがな
くなり繊維の切断が起り易くなり好ましくない。
強撚糸としての繊維の一体化効果と太さとのバラ
ンスとして最も好ましい範囲としては、50デニー
ル〜150デニールである。 特に強撚糸を用いることにより、繊維がバーブ
にひつかかり難く、ひつかかつてもはずれ易い。
このため従来では予想もされない損傷減少効果が
生じる。このため針抵抗も小さく、パンチマシン
に与える衝撃及び負荷も小さく高密度の編織物も
使用可能となる。例えば、編物の場合40ゲージ、
45ゲージなどで全く問題なく、織物でもたて+よ
この織密度として120本/in以上、場合によつて
は300本/in以上でも十分可能である。 むしろ、かかる高密度織物を使用することによ
り、高絡合化と高強力化が達成でき好ましい場合
が多い。本発明は従来では限界とされていたかか
る高密度布帛の利用の限界を打破したものでまさ
に画期的と言えよう。 ここでいう不離一体構造とは例えば極細非弾性
繊維および、極細弾性繊維が編織物類の組織に入
り込み、ランダムに絡み合つているばかりでな
く、極細繊維どうしもその形態を維持しながら絡
み合つていて、相当の応力で剥離しても編織物と
極細繊維シートは剥離せず、さらに応力が強くな
ると剥離よりも皮革模様の組織破壊となるような
絡合の強い構造をいう。この構造は耐摩耗性や強
度伸度特性の向上に大きな効果をもたらすのであ
る。 本発明に用いられる極細非弾性繊維としては、
ポリエチレンテレフタレートおよびそれを主とす
る共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよび
それを主体とする共重合体、ナイロン6、12、
66、610等に代表されるポリアミド類、ポリプロ
ピレン、ポリオレフイン類、アクリル系重合体等
があげられる。中でも製品の物性および実用性能
の点から、ポリエチレンテレフタレートおよびそ
れを主とする共重合体、ポリブチレンテレフタレ
ートおよびそれを主体とする共重合体、ポリアミ
ド類が好ましく用いられる。これらの極細非弾性
繊維を得る手段としては、公知の極細化紡糸技
術、複合紡糸技術を適用すればよく、特に限定す
るものではない。極細繊維をシート化する場合に
おいて、例えばカード、クロスラツパーを用いる
場合、繊維の損傷、工程安定性等を加味すると、
複合繊維化したものが好ましいと云える。これら
の極細非弾性繊維の太さは、皮革模様としての性
能、すなわち柔軟性、触感、外観品位、強力特性
などを高めるために0.8デニール以下が好ましい。 これらの繊維シートを用いて不織布を作成する
場合、一般にカードクロスラツパ装置が用いられ
る。このとき、繊維長があまりに短いと落線度合
が大きくなつて均一な目付を有するシートを作り
にくい。また、コストアツプ要因ともなる。さら
に不織布内部における繊維相互の絡合不足が生じ
る。 従つて、このような障害を避けるためにも繊維
長は、20mm以上が必要である。 本発明の皮革模様の断面中、主として編織物と
極細非弾性繊維のシート層との間に介在する極細
弾性繊維とは、熱可塑性ポリウレタン類を主とす
るものである。 本発明に用いる極細弾性繊維の太さは1.0デニ
ール以下が好ましい。これ以上であると絡合処理
時に極細弾性繊維および強撚編織物との絡合が不
十分となり、耐摩耗性が低下し好ましくない。 熱可塑性ポリウレタンとはポリオールと有機ジ
オイソシアネートと鎖伸長剤とから合成されるも
のである。通常500〜5000の分子量を有する低融
点ポリオール、例えば、ジヒドロキシポリエーテ
ル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポ
リラクトン、ジヒドロキシポリカーボネート、ジ
ヒドロキシポリエステルアミドおよびこれらのブ
ロツク共重合体等と、分子量500以下の有機ジイ
ソシアネート、例えば、トリレンジイソシアネー
ト、P,P′−ジフエニルメタンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメ
チレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジ
イソシアネート等と鎖伸長剤、例えば、分子量
500以下のグリコール、ヒドラジン、ジアミン等
の反応により得られるポリマー類である。 これらのポリマーのうち特に良好なものは、ポ
リオールとしてポリテトラメチレングリコール、
またはポリテトラメチレングリコールまたはポリ
カプロラクトンあるいはポリブチレンアジペート
を用いたポリマーである。有機ジイソシアネート
としては、P,P′−ジフエニルメタンジイソシア
ネートが良い。鎖伸長剤としてはグリコールが好
適であり、P,P′−ビスヒドロキシエトキシベン
ゼン、1,4ブタンジオールが良い。これらの組
合せから得られるポリマーのうち、耐熱性を考慮
するとエステル系ポリウレタンが好ましい。 本発明に用いられる上記の熱可塑性の1.0デニ
ール以下の極細弾性繊維を強撚編織物と極細非弾
性繊維との間に実質的に介在させることが本発明
の耐摩耗性を向上させ、かつ、柔軟性、ドレープ
性を付与するのに重要なポイントである。従来の
強撚編織物に非弾性繊維を積層し、絡合処理した
後、バインダー、特にDMF系ポリウレタンの含
浸方による技術では、今一歩耐摩耗性に劣るもの
であつた。すなわち、強撚編織物に貫通する極細
繊維は、絡合処理がニードルパンチ方法である
と、ニードルボードのパターンがそのまま極細繊
維の貫通パターンとなり、強撚編織物と非貫通極
細繊維層との間に空間部が生じ、そこに付着する
バインダー量と極細繊維絡合層、および強撚編織
物層に付着するバインダー量とでは前者が少な
く、表面を摩耗した場合、非接着部分の極細繊維
がひき抜かれた耐摩耗性が低下するものと推定さ
れる。この傾向は薄物シート化するほど顕著とな
る。従つて、従来技術においては、バインダー濃
度を高める方法しかなかつた。当然ながら柔軟性
とのバランスがとれたものとすることが困難とな
り、用途を限定した製品展開をとらざるを得なか
つた。ところが、本発明法によると、従来バイン
ダーが実質的に存在しにくかつた強撚編織物と極
細非弾性繊維との非絡合部分にも極細弾性繊維が
まんべんなく存在し、かつ強撚編織物の表面にコ
ーテイングしたようには存在せず、かつ極細非弾
性繊維とも絡合し、かつ、部分的融着処理により
その絡合部分が一層強化されるために、耐摩耗性
が向上するものであると推定される。 シート中にバインダーを含浸する方法では、バ
インダーの付着分布が生じ、薄物シートとするた
めに研削すると、バインダー部分が除去され、耐
摩耗性が極端に低下する。本発明法によると、薄
物シートにしても、従来のバインダーにかわる極
細弾性繊維の大部分が残存し、まさに積層した三
者の繊維が理想的な絡合構造をとり、各繊維の役
目を十分にはたしえるものとなり、薄物人工皮革
用製品としてバランスのとれたものとなる。従来
技術の中に、例えば特公昭61−6911号公報に開示
されているような方法においては、使用している
編織物が目の粗い両面編地、あるいは低密度平織
物であり、このような編織物はニードルパンチン
グにより破断、損傷を受け高度の三次元絡合を得
ることは困難である。実際にも20Kg/cm2と云う低
圧力の高速流体処理でしか絡合する手段がなく、
しかも高強力、低伸度は勿論、カツト長が10mm以
下の極細繊維の絡合であるため、ブラツシングに
よる耐摩耗性は薄物シートにするために研削する
ほど低下することは容易に考えられるであろう。
本発明法によれば、このような欠点をことごとく
解消したものである。 本発明に用いられる不離一体化したシートの部
分的融着処理とは、シート中の極細弾性繊維のみ
を部分的に融着処理するものである。その方法と
しては高周波誘電加熱法または加熱圧着法を云
う。 熱可塑性ポリウレタンの誘電損失は極細非弾性
繊維に用いるポリマーよりも小さく、高周波誘電
加熱により強撚編織物あるいは極細非弾性繊維を
融着させずして、極細弾性繊維を選択的に融着さ
せることが可能である。この本発明において高周
波誘電加熱を行なう場合はシートの厚さ、極細非
弾性繊維の割合等により、周波数が異なるため、
いちがいには限定できないが、通常、27MHz程度
の高周波領域を用いることが好ましい。また、高
周波誘電加熱と熱風による外部加熱の併用を行な
つても、極細非弾性繊維のみが融着するようコン
トロールすれば、なんらさしつかえない。 加熱圧着法とは熱風中にシートを通し、その中
あるいは出口において、ローラーで圧着するこ
と、または加熱ロールに通して圧着することを示
唆するものである。 本発明のシート中の極細弾性繊維構成比率は、
全繊維中の8〜60重量%、好ましくは20〜40重量
%が良い。8重量%未満では耐摩耗性を十分なも
のとすることが困難となり、60重量%を越える
と、ゴムライクとなり目的とする柔軟でドレープ
性のある製品を得ることが困難となる。 本発明に用いる絡合処理とは、ニードルパンチ
法、およびあるいは高速流体処理法を示唆するも
のである。ニードルパンチ法における針密度は目
的とするシート厚みにより異なるため一概には限
定できないが、通常1000〜6000本/cm2の範囲であ
る。しかし、高速流体処理と併用する場合におい
ては、針密度を1000本/cm2以下に押えておいても
良い。 高速流体処理法とは、気体あるいは液体噴射に
よるものを示唆する。一般的には安全面、コスト
あるいは作業性の点から高速水流噴射処理法が用
いられる。流体噴射圧は通常20〜200Kg/cm2範囲
が好ましい。20Kg/cm2以上では絡合が十分ではな
く耐摩耗性が低下し、200Kg/cm2以上では絡合は
すすむものの衝撃圧が強くなり、タテスジが入り
製品外観を損ねるため好ましくない。 本発明のシートの製品付加価値を更に高めるた
めに、部分的融着処理後にバフイング、あるいは
染色処理、揉加工処理を施してもよい。 本発明の人工皮革シートは衣料用、家具用、イ
ンテリヤ、カバン等の用途に広く適用される。特
に柔軟性を要求される分野には好ましく用いられ
る。 [実施例] 以下に本発明を実施例にて詳細に説明するが、
これらの実施例によつて、本発明が制約、限定さ
れるものではない。むしろ、次の応用発展をもた
らすものである。 本発明における製品の測定は以下の方法によ
る。 (1) 引張強力:JIS−L1079の5。 引張伸度:12.1 (2) 耐摩耗性:ASTM.D−1175 (SCHIEFER ABRASION TESTING M/
C使用) 荷重:3628.8g ブラシ:ナイロン 長さ13mm サンプルサイズ:直径9mm 上記条件でブラシを回転させて摩耗し、前後
の毛羽落ち荷重(mg単位)を算出する (3) 柔軟性:JIS−L1079−5.17B法(ドレープテ
スター YD−100) 実施例 1 次に示した極細非弾性繊維を得るための海島型
高分子相互配列体繊維ステープル()、極細弾
性繊維を得るための海島型高分子相互配列体繊維
ステープル()および強撚織物()を準備し
た。 (1) ステープル() 海成分(A):ポリスチレン(旭ダウ製、C/
#679) 島成分(B):極限粘度 約0.71のポリエチレンテ
レフタレート 成分比率:(B)/(A)=55/45重量% 複合繊維デニール:約3.8d 島成分繊維デニール:約0.058d 島成分繊維強度:4.8g/d 島成分繊維伸度:61% 繊維長 :約51mm ケン縮数:約13山/in (2) ステープル() 海成分(A′):ステープル()と同種ポリス
チレン 島成分(B′):熱可塑性ポリウレタン[日本エ
ラストラン(株)製、品種E995使用] 成分比率:(B′)/(A′)=50/50 複合繊維デニール:約6.1d 島成分繊維デニール:約0.19d 島成分繊維強度:1.28g/d 島成分繊維伸度:412% 繊維長 :約51mm ケン縮数:約11山/in (3) 強撚織物() 繊維成分:ポリエチレンテレフタレート 織組織:平織 デニール/フイラメント:50D/48f ヨリ数:2750T/m タテ×ヨコ密度:96×84本/in 目付 :51g/m2 まず、ステープル()をカード、クロスラツ
パー、プレパンチM/Cを通して目付148g/m2
のシートを作成した。次いで、ステープル()
を用いてステープル()と同様な工程を通して
目付53g/m2のシートを作成した。次いで、強撚
織物()を均一に広げ、その上ににステープル
()で作つたシートを積層し、その後、ステー
プル()で作つたシートを積層した。この三層
積層シートをバーブの向き45°に植え込んだニー
ドルボードを用いて、針深度7mmで、針密度3000
本/cm2となるようにニードルパンチを行ない目付
270g/m2の三層シートを得た。このシートを98
℃の熱水で収縮および潜在トルク解舒処理を行な
い乾燥した。次いでトリクロールエチレン中で、
ステープル()、()の脱ポリスチ処理を行な
い乾燥した。このものを熱風(100℃)および高
周波誘電加熱(出力5キロワツト、周波数27M
Hz)を併用した装置の中を3m/分の速度で通過
させ、装置出口でローラでニツプした。極細弾性
繊維を16.7重量%(対全繊維量)を含んだかつ、
極細弾性繊維が部分的に融着した強撚織物/極細
弾性繊維/極細非弾性繊維からなる実質的に三層
絡合構造を有する不離一体化されたシートを得
た。 このシートをサイドペーパーバフM/Cにかけ
て、実質的に極細非弾性繊維が主に絡合した層を
バフイングし立毛処理を行ない、目付170g/m2、
厚さ0.4mmの生機を得た。この生機を分散染料を
用いてブルー系に染色し、目付190g/m2、厚さ
0.05mmの染色品を得た。 得られた薄物人工皮革シートは優美なスエード
調外観を有する柔軟でドレープ性のある第1表に
示すような耐摩耗性に優れた物であつた。 比較例 1 実施例1で用いたステープル()を使い、同
じ工程を通して目付205g/m2のシートを作成し
た。 次いで、実施例1と同一な強撚織物を均一に広
げその上にステープル()で作つたシートを積
層し、実施例1と同条件でニードルパンチを行な
つて目付275g/m2の二層絡合シートを得た。こ
のシートを実施例1と同条件で収縮、解舒処理、
脱ポリスチ処理を行ない強撚織物と極細非弾性繊
維が不離一体化したシートを得た。次いで、この
シートにDMF系ポリウレタンを対全繊維量に対
して、固形分で18重量%付着するように含浸し、
湿式凝固した。このシートを熱水中で脱DMF処
理を行ない乾燥した。得られたシートを実施例1
と同様な立毛処理を行ない目付178g/m2、厚さ
0.42の生機を得た。この生機を実施例1と同条件
で染色し、目的202g/m2、厚さ0.52mmの染色品
を得た。 得られた薄物人工皮革シーは表−1に示したよ
うに、実施例1に類似した外観を有するものの強
撚織物表面にポリウレタンが付着した異和感を感
じる柔軟性が若干悪い、耐摩耗性が低下したもの
であつた。
【表】 繊維の構成比率
[発明の効果] 本発明の効果を列挙すると以下の通りである。 (1) 薄物でありながら耐摩耗性に優れる。 (2) 柔軟でありながら適度なパツカビリテイーを
有し、シワになりにくい。 (3) 弾力、伸度にバランスがとれている。 (4) 極細弾性繊維の部分的な融着により立毛繊維
のアンカ効果、バインダ効果が得られる。 (5) 強撚編織物を用いているので絡合時の針によ
る編織物の損傷がない。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 強撚編織物と1.0デニール以下の極細弾性繊
    維および0.8デニール以下で、かつ主たる長さが
    20mm以上の極細非弾性繊維とから構成された複合
    シートであつて、該強撚編織物と極細非弾性繊維
    絡合シートとの間に、主として極細弾性繊維絡合
    シートが介在し、これらが不離一体となるがごと
    く強固に絡合し、かつ、極細弾性繊維が部分的に
    接着した構造を有することを特徴とする耐摩耗性
    に優れた柔軟薄物人工皮革用シート。 2 強撚編織物を構成する強撚糸の撚数が
    500T/m〜4000T/mである特許請求の範囲第
    1項に記載の耐摩耗性に優れた柔軟薄物人工皮革
    用シート。 3 強撚編織物が、たて糸、よこ糸共に強撚糸で
    構成されている特許請求の範囲第1項、または第
    2項に記載の耐摩耗性に優れた柔軟薄物人工皮革
    用シート。 4 極細弾性繊維が熱可塑性ポリウレタン類であ
    り、全繊維に対して8〜60重量%存在する特許請
    求の範囲第1項に記載の薄物人工皮革用シート。 5 強撚編織物上に1.0デニール以下の極細弾性
    繊維シートを重ね、更に、その上に0.8デニール
    以下で、かつ主たる長さが20mm以上の極細非弾性
    シートを積層し、絡合処理を行ない、しかる後、
    必要に応じて該強撚編織物の潜在トルク解舒処理
    を行なつた後、極細弾性繊維を部分的融着処理す
    ることを特徴とする耐摩耗性に優れた柔軟薄物人
    工皮革用シートの製造方法。 6 部分的融着処理が高周波誘電加熱、または加
    熱圧着処理である特許請求の範囲第5項に記載の
    耐摩耗性に優れた柔軟薄物人工皮革用シートの製
    造方法。
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