JPH0363970B2 - - Google Patents
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- JPH0363970B2 JPH0363970B2 JP16653883A JP16653883A JPH0363970B2 JP H0363970 B2 JPH0363970 B2 JP H0363970B2 JP 16653883 A JP16653883 A JP 16653883A JP 16653883 A JP16653883 A JP 16653883A JP H0363970 B2 JPH0363970 B2 JP H0363970B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は新規な有機系導電性材料に関するもの
である。近年、電気、電子産業における著しい技
術発展に伴ない新しい優れた電気的機能を有する
材料が求められている。高分子化学の分野におい
ても各種の電気特性を有する材料が見いだされ、
すでに多くの高分子物質が実用化されているが、
一層優れた電気特性を有する材料の探索が盛んに
行なわれている。特に、電気伝導性を有する高分
子材料は、例えば配線材料、電極材料、センサ
ー、光電変換素子などの素材として利用すること
ができ、そのような高分子材料の開発が大いに期
待されている。 このような社会的要望を背景に電気伝導性を有
する高分子材料の研究が各所で行なわれており、
電気伝導性を有する高分子材料も数多く開発され
ている。しかし現在まで知られている高導電性を
有する高分子材料は安定性、成形性等に問題があ
り電気電子材料への応用が制限されているのが現
状である。 例えば、非置換ポリアセチレンと特定の電子供
与剤又は電子受容剤との錯体は、103Ω-1cm-1以上
という極めて高い電気伝導性を有する高分子材料
であり、エレクトロニクス材料として有用である
が、マトリツクスのポリアセチレンが空気の酸素
及び熱に対し不安定なことが実用上の大きな欠点
である。更に高分子量ポリアセチレンは不溶、不
融であるため溶融加工又は溶液加工が不可能であ
り、特定形状に成型することが困難である。 一方、ポリ(p−フエニレン)は、ポリアセチ
レンとは対照的に、非常に熱安定性及び酸化安定
性が大なる高分子材料であり、さらに電子供与剤
又は電子受容剤をドーピングすることにより前記
ポリアセチレンに近い電気伝導性を得ることがで
きる。しかしポリアセチレン同様無置換のポリ
(p−フエニレン)は不溶不融であり成形加工が
困難である。 このような成形加工性を改良するためにポリア
セチレンに置換基を導入したものも検討された。
例えば、Polymer Journal Vol.11(10)P819に記載
のごとくフエニルアセチレン、ブチルアセチレン
のごとき置換アセチレンを重合させて合成する置
換ポリアセチレンは有機溶媒に可溶でありキヤス
ト法により成膜が可能である。 しかしこれは置換ポリアセチレンは成形加工性
は著しく改良されたものの導電性は無置換ポリア
セチレンと比べ、1/1011〜1/109に過ぎなか
つた。 本発明者らは、このような背景に基づき、成形
加工性に優れた導電性高分子材料を見出すべく鋭
意研究を行なつた結果、フエニレン核に少なくと
も1つのアルコキシ基を有する置換ポリフエニレ
ンを特定のハロゲン化物と気相中で反応させ、反
応後減圧及び/又は加熱処理を行うことにより製
造した変性高分子物質が高導電性を有すること、
及び前記置換ポリフエニレンを選択することによ
り溶剤によるキヤスト法溶融成形法等の適宜手段
で成形加工が可能なため、あらかじめ膜、フイル
ム等に成形加工した前記置換ポリフエニレンを前
記反応処理することにより任意の形状の変性高分
子物質が得られることを見出し本発明を完成する
に至つた。 本発明を略記すると、本発明はフエニレン核に
少なくも1つのアルコキシ基を有する置換ポリフ
エニレンを特定のハロゲン化物と気相中で反応さ
せ、反応後減圧及び/又は加熱処理を行なうこと
により製造することを特徴とする変性高分子物質
の製法に関するものである。 本発明で用いる置換ポリフエニレンは、フエニ
レン核に少なくとも1つのアルコキシ基を有する
置換フエニレン基を実質的な繰返し単位とし、そ
の繰返し単位の平均数が8以上である実質的に線
状のポリ(アルコキシフエニレン)系高分子化合
物である。ここで繰返し単位が平均8以上とは、
例えばポリマーをテトラヒドロフラン(以下
THFと略記する)に溶解してゲルパーミエイシ
ヨンクロマトグラフイー(以下GPCと略記する)
によりポリスチレンを基準として測定した重量平
均分子量(w)から判断して、繰返し単位が8
以上に相当する意味である。尚、参考として極限
粘度からみると、硫酸中の極限粘度がおおよそ
0.02以上であり、後記の実施例中に参考データと
してその測定値を併記する。 この置換ポリフエニレンにおけるアルコキシ基
とは、一般式−O−Rで表わされる官能基の総称
であつて、このRは、アルキル基一般のときは長
鎖状、環状、分枝状のいずれでもよく、またエー
テル酸素、芳香環、複素環等を含んだ、アルキル
基、その他の基であつても良い。このアルコキシ
基の炭素数が多い程、本発明変性体の成形性は向
上するが、導電性は低下するため、炭素数は目的
に応じて選択される。導電性と成形性の両者が重
視される場合には、炭素数は1乃至8が適当であ
る。 アルコキシ基はフエニレン核に対して1個でも
良いし、それ以上でも良い。2個以上の場合、ア
ルコキシ基は各々同一であつても異つていてもよ
く、目的に応じて選択できる。 フエニレン核には、アルコキシ基以外の基であ
つても、電子供与性の基であれば、例えばアルキ
ル基の如き他の置換基があつても良い(この様な
ものも含めて単に置換ポリフエニレンと略称す
る)。 本発明で用いる置換ポリフエニレンの製造方法
としては、アルコキシベンゼン類をルイス酸、及
び酸化剤の存在下で重合させる方法、ジハロアル
コキシベンゼン類をマグネシユーム、銅等の存在
下で重合させる方法等公知のポリフエニレンの製
造方法がすべて可能である。アルコキシベンゼン
類を不活性溶媒中、ルイス酸及び酸化剤の存在下
に重合する方法で合成したものは一般に高重合度
のものを与える。本発明においては、置換フエニ
レン基の繰返し数は平均8以上である。用いられ
るルイス酸類としては、無水塩化アルミニウム、
無水塩化第二鉄、無水塩化チタン()、無水塩
化第二錫、無水塩化モリブデン、無水塩化タング
ステン、無水塩化アンチモン()、フツ化ホウ
素およびフツ化ホウ素エーテラートなどが使用さ
れるが、無水塩化アルミニウム、無水塩化第二鉄
が特に好ましい。また前記金属塩化物に対応する
金属臭化物等他のハロゲン化物の使用も有効であ
る。 不活性溶媒は通常のフリーデルクラフト反応に
用いられるもので、ルイス酸アリールカチオンに
不活性な有機溶媒はいずれも使用可能であるが、
特にニトロアルカン類が好適である。 重合反応は常圧、加圧、減圧いずれの場合も可
能であるが、発生する塩化水素を除去しうる様圧
力10〜40mmHgといつた減圧状態にすることによ
り、耐熱性および成形性等に優れた重合体が得ら
れる。 ルイス酸と酸化剤による酸化的カチオン重合法
の他に、ジハロゲン化合物からグリニヤール中間
体を経て、炭素−炭素カツプリング反応の後に重
合させる方法も適用できる。この場合、例えばジ
ハロアルコキシベンゼン類を原料として(ここで
適当なハロゲンは、塩素又は臭素である)、不活
性気流として窒素気流中で無水のアルキルエーテ
ルあるいはテトラヒドロフラン等の溶媒の存在
下、金属マグネシウムと反応させることにより、
原料ハロゲン化物を対応するグリニヤール試薬と
することができる。生成したグリニヤール試薬
は、ニツケル、パラジウム、クロム鉄などの第一
遷移金属の塩類あるいは錯体を触媒として、グリ
ニヤール部分と、ハロゲン部分とから、ハロゲン
化マグネシウムを脱離させ、炭素−炭素結合を生
成させることができ、この反応を連続的に行わせ
ることにより、目的とする置換ポリフエニレンを
生成させることができる。この脱ハロゲン化マグ
ネシウムを促進させる触媒としては、ニツケル、
鉄、クロム、パラジウム等のハロゲン化物、酢酸
塩、硫酸塩、硝酸塩等の塩類の無水物あるいはニ
ツケル、パラジウムの2価、0価の錯体が例示さ
れる。 本発明は、前記置換ポリフエニレンを、特定の
ハロゲン化物と気相中で反応させ、その後減圧及
び/又は加熱処理を行なうことにより製造するこ
とを特徴とするポリ(アルコキシフエニレン)変
性体の製造法に関するものである。 ここで用いる特定のハロゲン化物とは、B族
元素のハロゲン化物もしくはB族元素以外で2
種以上の原子価状態をとり得る元素の高原子価状
ハロゲン化物一般を指称する。適用可能なB族
元素のハロゲン化物としては、代表的なものを挙
げると、BF3、BCl3、AlCl3、GaCl3およびこれ
らのエーテル錯体等である。また高原子価状ハロ
ゲン化物の代表例としては、SnCl4、GeCl4のご
ときB族元素のハロゲン化物、PF5、AsF5、
SbF5、SbCl5のごときB族元素のハロゲン化
物、SF5、SF6のごときB族ハロゲン化物、
TiCl4、VF5、VOCl3、FeCl3、MoF6、WF6のご
とき遷移金属ハロゲン化物などがある。このう
ち、B族元素のハロゲン化物に比して、高原子
価状ハロゲン化物の方が反応性が高く、このこと
から推測すると本発明は酸化力を有する高原子価
状ハロゲン化物と、アルコキシ基により化学的に
活性化された置換ポリフエニレンの化学的反応が
利用されていると考えられる。従つて、B族元
素のハロゲン化物が有効な理由は必ずしも明白と
は言えないが、酸化力を有しない低原子価のハロ
ゲン化物例えばAgCl、Hg2Cl2、CaCl2等は有効
ではない。 本発明者らは、本発明における置換ポリフエニ
レンとハロゲン化物を液相中で反応させことによ
つて同様の目的物を得る方法を発明し、その発明
についても別途特許出願が為されている。その方
法は、反応の効果が高くまた反応操作としても好
ましいものであるが、反応中に置換フエニレンの
形状を維持し、目的とする変性物をその形状にお
いて好ましいものとするために、十分な配慮を要
する。 本発明は、置換ポリフエニレンを気相中でハロ
ゲン化合物と反応させるものであるから、置換ポ
リフエニンの元の形状を維持することが容易であ
り、まさにこの点に着目されて成されたものであ
る。しかしながら単に気相中で反応させるだけで
は反応効率の点でやや問題があり、この点の解決
策として、本発明では反応処理後に減圧及び/又
は加熱処理が施こされる。 即ち、置換ポリフエニレンとハロゲン化物との
反応は、固体状の置換ポリフエニレンを気体状の
ハロゲン化物中におき接触させることにより行な
うのが一般的であるが、この場合の反応速度は置
換ポリフエニレンの表面積、ハロゲン化物の濃
度、蒸気圧等に依存する。一般に置換ポリフエニ
レンの単位体積当りの表面積は大きい程反応は円
滑に進み、この意味から置換ポリフエニレンは、
薄膜状、フイルム状又は多孔質状に成形したもの
であることが望ましい。しかしこれは必須の条件
ではなく、例えば表面層のみに導電性を有する成
形物の製造等、必要、目的に応じて置換ポリフエ
ニレンの形状を選択することができる。又ハロゲ
ン化物単独の気相中で反応処理する場合、蒸気圧
は高い程反応速度は大となるが、反応の制御、均
一化による品質管理も重要であり、このため蒸気
圧は目的に応じて選択される。一般的には0.1mm
Hg以上の蒸気圧で行なうのが好ましい。又反応
は2種以上のハロゲン化物の混合気体中で行なつ
ても、又本反応系に不活性な気体、例えば、N2、
Ar等により希釈した系で行なつてもよい。反応
温度も目的に応じて選択できるが、ハロゲン化物
の蒸気圧が必要以上に小さくなる様な低温で行な
うのは好ましくない。 既述の如く、ハロゲン化物による反応後、減圧
及び/又は加熱処理を行なう。減圧処理は、通常
300mmHg以下好ましくは100mmHg以下で行ない、
加熱処理は通常30℃〜300℃、好ましくは50℃〜
200℃で行なう。必要に応じて両者の処理を同時
又は前後に組み合わせることもできる。減圧及
び/又は加熱処理工程は前段の工程に連続して施
しても、一定時間経過後施してもよく、また反応
処理とその後処理の2つの工程を2回以上繰り返
して行なつてもよい。この場合、1回目と2回以
降に異なつたハロゲン化物を用いてもよい。反応
処理後に生成物をN2、Ar等の不活性気体気流中
に長時間放置した場合も本発明の製造法と同様の
効果が得られるが、工程が極めて長時間になり実
用上好ましくない。この様な減圧処理又は加熱処
理は、反応の促進、残留未反応物の除去、反応の
完結等の効果があると考えられ、言わば、反応処
理の一部分を成す補完処理と言えるであろう。 本発明方法によつて製造される変性体は、アル
コキシ基により化学的に活性化されたフエニレン
核を有する置換ポリフエニレンと、それに対して
前記の如き活性を有する特定のハロゲン化物とが
化学的に反応されたものである。従つて元の置換
ポリフエニレンに比して新たな化学結合、官能基
の脱離等に基く化学構造の変化やそれに起因する
立体配置の変化を伴つており、端的に言えば、本
発明の変性体は元の置換ポリフエニレンが新たに
分子内または分子間またはその両者で架橋された
ものと言い得ると推定される。 従つて本発明方法は、従来J Chem Phys
71,1506(1979)に記載された如き、電子受容性
または電子供与性ドーピング剤との電荷移動錯体
の形成を目的としたドーピングの手法とは本質的
に性格を異にするものである。ドーピングの手法
を用いる場合、導電性向上には効果的であるが、
反面、安定性、強度、耐久性等の低下がみられ実
用上問題になる。 本発明のハロゲン化物による反応処理の場合、
反応条件を選択すれば、処理前の置換ポリフエニ
レンと比較して、ドーピング手法は逆に、強度、
耐久性等の向上という副次的効果もある。又、本
発明の変性体は、一般に空気中で安定であり、こ
れらの点は本発明変性体を電気電子デバイスや電
極材料に応用する場合、きわめて有利である。 本発明変性体の導電性は、元の置換ポリフエニ
レンの種類や反応処理の条件によつて相違はある
ものの、少くとも10-4、一般的に10-3〜10-1Ω-1
cm-1に達する。この値は、元の置換ポリフエニレ
ンの導電性が一般的に10-14Ω-1cm-1前後であるか
ら、高分子物質自体が示す値としては著しく高
く、しかも置換ポリフエニレンに対してドープ剤
を添加することでは到達し得ない値である。 尚、この明細書において導電性を具体的に示す
電気伝導度の測定に当つては、通例に従つてアル
ゴン中にて4端子法を用いて測定を行つた。4端
子法については、井口、中田、旗野による「有機
半導体」(共立出版昭和41年発行)P53に示され
る。 一方また、本発明の方法で製造した変性体は、
この様にそれ自体で充分高導電性を有するが、更
に導電性を向上させるため電子受容性ドープ剤及
び電子供与性ドープ剤を添加し電荷移動錯体を形
成させることもできる。 適用可能なドープ剤の代表例には、リチウム、
ナトリウム、カリウム、等のIA族金属、ナトリ
ウムナフタレン、カリウムナフタレン、ナトリウ
ムビフエニル及びカリウムビフエニル等のIA族
金属アリーレン、カルシウム等のA族金属等の
電子供与剤及びヨウ素、臭素のごときハロゲン類
HClO4、HSO3Fを含むブレンステツド酸、SO3
及びN2O5を含む非金属酸化物、Sb2S5を含む族
元素のスルフイド、B、遷移金属、B、
A及びA族元素のハロゲン化物、BCl3、AsF5、
SbF5、PF5、BF5、BCl5、SbBr3、CuCl2、NiCl2
及びMoCl5、WCl6、VOCl3、SnCl4等のハロゲン
化物及びFSO2OOSO2Fを含むフツ素含有過酸化
物又はそれ等の混合物等の電子受容剤、銀および
アルカリ金属、アルカリ土類金属および4級アン
モニウムのテトラフロロホウ酸塩、6フツ化ホス
ホニウム塩、過塩素酸塩、ヘキサフロロアンチモ
ン酸塩、ヘキサフロロヒ酸塩などがある。どの型
のドープ剤を選択するかは、生成組成物にいかな
る電気特性を所望するかによつて異なる。IA族
金属及びIA族金属アリーレン等の電子供与ドー
プ剤はn型導電材料を提供し、電子受容ドープ剤
はP型材料を提供し用途、目的に応じて選択する
ことができる。 導電ドープ剤を本発明の変性高分子物質に添加
して電荷移動錯体を形成する方法としては例えば
気相からのドープ剤の添加、溶液相からの添加、
溶融相での添加或いは固体材料の緊密混合による
添加、電気化学反応を用いて酸化状態を変化させ
ドープ剤と電荷移動錯体を形成させる等種々のも
のが可能である。本発明の方法で反応処理して製
造した変性高分子物質にさらにドープ剤と電荷移
動錯体を形成させたものは反応処理を行なつてい
ない置換ポリフエニレンを同様のドープ剤と電荷
移動錯体を形成させたものに比較すると、反応処
理条件、ドープ剤の選択により10万倍以上の高導
電性を示す。 本発明に用いる置換ポリフエニレンはアルコキ
シ基の構造、数を選択することにより溶剤による
キヤスト法、溶融成形法、加圧焼結法等通常のポ
リマー加工技術を用いて膜、フイルム、繊維、フ
イラーとの複合体等所望の形状に成形加工するこ
とができる。従つて、あらかじめ所望の形状に加
工した置換ポリフエニレンを特定ハロゲン化物で
反応処理を施すことにより任意の形状の変性体を
得ることが可能である。 本発明に係る変性体の応用物としては、前記組
成を有する素材による特定の有形物品、即ち成形
物も意味される。従つてその様な組成物を応用し
たn型およびP型材料、整流ダイオード及びトラ
ンジスター、P−n接合等の電導体、半導体装
置、太陽電池等々を挙げることが可能である。こ
の様な各種成形物を得るに当り、素材としての本
発明変性体が他の導電性高分子材料、例えばポリ
アセチレン、(SN)x等と比べて有利な点は、所
望の形状を得ることが容易な点である。これは原
料となる置換ポリフエニレンの良好な成形性に由
来する。また、高電気伝導性の本発明変性体は、
赤外領域の広範囲のスペクトル域にわたり、高吸
収能を有する。従つて斯かる材料はフイルター材
料、例えば太陽エネルギー用赤外線吸収体として
使用可能である。 また本発明組成物は、電気伝導性なので静電防
止材料又は装置、例えば溶剤容器の蓋の内部ガス
ケツトとして使用することができる。 以下実施例をあげて本発明を具体的に更に詳細
に説明する。 実施例 1、2 無水塩化第二鉄40gを溶解したニトロメタン50
mlを、20mmHgの減圧下におき、室温でニトロメ
タン120mlに溶解したパラジブトキシベンゼン
19.8gを内温が40℃をこえないように注意深く加
え、終了后、2時間、20mmHgの減圧下で室温で
かくはんする。反応物を室温でメタノール300ml
に加え、一時間かくはんし、不溶物を過する。
不溶物を2N塩酸水で繰り返しよく洗つたのち、
100℃で真空下一夜乾燥する。収量12.7g(65%)
の置換ポリフエニレンを得た。置換ポリフエニ
レンをトルエン溶液からキヤスト法により成膜
し10cm×10cm×20μのフイルムを2枚作成した。
このフイルムを夫々AlCl3またはSnCl4雰囲気下
100℃または60℃で24時間放置した。各フイルム
を所定時間後反応容器から取り出し、0.1mmHgの
減圧下夫々60℃で8時間または40℃で3時間減圧
処理すると、黒色のトルエンに不溶な変性高分子
物質のフイルムを得た。この2枚のフイルムは空
気中で安定で、アルゴン中での電気伝導度は夫々
1.4×10-3または5.0×10-3Ω-1cm-1であつた。 尚、元の置換ポリフエニレンは、赤外線吸収
スペクトルを調べた結果、3200〜3600cm-1に水酸
基にもとずく吸収が認められない。また元素分析
の結果、ポリマーの繰返し単位がC6H2(OC4H9)2
であることを仮定したときの計算値(C;76.32
%、H;9.15%)と実測値(C;76.28%、H;
9.12%)は良い一致を示し、塩素原子は検出され
なかつた。得られたポリマーを濃硫酸に溶解し、
C(g/100ml)が1.0から0.1の範囲で得られる
n(η/ηo)/Cの曲線をC=0に外挿して得ら
れる極限粘度〔η〕は、37℃において0.30を示し
た。このポリマーは有機溶媒に可溶であり、ソツ
クスレー抽出器によりすべてトルエンに抽出され
た。またこのポリマーの空気中における熱重量分
析(TGA)の結果は、5%重量減少温度320℃、
同じく50%温度500℃である。またポリマーを
THFに溶解してGPCにより分子量を測定したと
ころ、ポリスチレン換算で重量平均分子量(
w)が140000を示した。 実施例 3、4 AlCl3のかわりにBBr3またはSbF5を用いる以
外は実施例1と同様の方法で行なうと、黒色のト
ルエン不溶な変性高分子物質のフイルム2枚を得
た。このフイルムは共に空気中で安定で、アルゴ
ン中での電気伝導度は夫々8.6×10-4または4.1×
10-1Ω-1cm-1であつた。 実施例 5、6 AlCl3のかわりにBF3またはVOCl3を用いBF3
については室温で、VOCl3については40℃で処理
する以外は実施例1と同様の方法で行なうと黒色
のトルエン不溶変性高分子物質のフイルム2枚を
得た。このフイルムは共に空気中で安定であり、
アルゴン中での電気伝導度は夫々5.2×10-4また
は1.9×10-3Ω-1cm-1であつた。 実施例 7、8 トルエン溶液からキヤスト法で成膜された置換
ポリフエニレンのフイルムを、アセトン/メタ
ノール(10/90)の混合溶媒中に浸漬し1夜お
く。これを引きあげ、減圧下でよく乾燥すること
によりフイルム表面が、やや白味をおび多孔が生
成することが認められた。この多孔質フイルム2
枚を用いて、実施例1と同様にAlCl3の雰囲気下
60℃で4時間またはSnCl4の雰囲気下室温で24時
間放置した。所定時間後反応容器から取り出し
0.1mmHgの減圧下60℃3時間減圧処理すると、黒
色のトルエンに不溶な変性高分子物質のフイルム
2枚を得た。この変性多孔質高分子フイルムは、
空気中で安定で、アルゴン中の電気伝導度は夫々
10-3または6.6×10-3Ω-1cm-1であつた。 実施例 9、10 1,4−ジブロモ−2,5−ジイソプロボキシ
ベンゼン7.036gとマグネシウム0.4864gを窒素
雰囲気下、無水テトラヒドロフラン25ml中で混合
し、還流下で反応させる。金属マグネシウムが消
失し、グリニヤール試薬の生成が完了したら10mg
のジクロロ(2,2′−ピリジル)ニツケル()
(NiCl2(bpy);bpy=2,2′−ピリジン)を加え
5時間還流する。反応液を一度室温に冷却後、メ
タノール30mlを加え、得られた沈澱物をロカによ
つて集める。水、メタノール、1規定塩酸でくり
かえし洗浄し、真空下で乾燥する。収量1.27g
(収率33%)で置換ポリフエニレンを得た。置
換ポリフエニレンを200℃で溶融後成膜するこ
とにより10cm×10cm×20μのフイルム2枚を作成
した。このフイルムを夫々BBr3雰囲気中室温で
12時間またはSbCl3雰囲気下80℃で8時間放置す
る。所定時間後反応容器から取り出し前者につい
ては1mmHgの減圧下室温で16時間、後者につい
ては0.01mmHgの減圧下室温で10時間減圧処理す
ると、黒色の200℃でも不融のフイルム2枚を得
た。このフイルムの電気伝導度は夫々7.0×10-4
または1.2×10-1Ω-1cm-1であつた。 尚、元の置換ポリフエニレンは、熱THFに
可溶で、室温では微か溶解する。このTHF溶液
をGPCによつて分子量を測定すると、wが
6800であつた。 実施例 11、12 BBr3のかわりにBF3またはFeCl3を用いる以外
は実施例9と同様の方法で行なうと200℃でも不
融のフイルム2枚を得た。このフイルムの電気伝
導度は夫々1.0×10-3または、1.4×10-3Ω-1cm-1で
あつた。 実施例 13、14 パラジブトキシベンゼンのかわりにp−メトキ
シメチルベンゼン11.0gを用いる以外は実施例1
と同様の方法で置換ポリフエニレンの合成を行な
うと収量5.3g(49%)の置換ポリフエニレン
を得た。置換ポリフエニレンを室温、200Kg/
cm2の圧力で加圧成形することにより径13mm厚さ
0.1mmの円板状のペレツトを作成した。このペレ
ツトをAlCl3の雰囲気下150℃で12時間または
VoCl3の雰囲気下室温で24時間放置した。所定時
間後反応容器から取り出し10mmHg減圧下100℃で
8時間乾燥すると黒色の円板状ペレツト2枚を得
た。夫々の電気伝導度は2.1×10-3または8.7×
10-4Ω-1cm-1であつた。 実施例 15、16 置換ポリフエニレンの粉末をAlCl3の雰囲気
下150℃で12時間またはSbCl5雰囲気下に50℃で
24時間放置した。所定時間後反応容器から取り出
し100℃3時間加熱すると黒色粉末を生成した。
各黒色粉末を室温200Kg/cm2の圧力で加圧成形す
ることにより径13mm厚さ0.1mmの円板状ペレツト
2枚を作成した。夫々の電気伝導度は7.7×10-4
または7.8×10-2Ω-1cm-1であつた。 実施例 17 実施例1で作成した変性高分子物質のフイルム
を無水硫酸雰囲気下20℃で3時間放置した。(無
水硫酸の蒸気圧は約200mmHg)所定時間後フイル
ムを取り出しアルゴン雰囲気下で電気伝導度を測
定すると1.8×10-1Ω-1cm-1であつた。 比較例 実施例1で作成した置換ポリフエニレンのフ
イルムを無水硫酸雰囲気下20℃で3時間放置し
た。(無水硫酸の蒸気圧は約200mmHg)所定時間
後フイルムを取り出し、アルゴン雰囲気下で電気
伝導度を測定すると8.2×10-5Ω-1cm-1であつた。 実施例 18 1,4−ジブロモ−2,5−ビス(テトラヒド
ロフリルオキシ)ベンゼン4.1g(0.01mole)を
無水テトラヒドロフラン50ml中に溶解し、−78℃
に冷却する。これによくかくはんしながらn−ブ
チルリシウムのヘキサン溶液(15%6.2ml)を加
え、ゆつくり1時間かけて反応器内の温度を−10
℃まで昇温する。ここに無水塩化亜鉛(1.43g)
の無水テトラヒドロフラン溶液(20ml)を加え、
0℃で1時間かくはんを継続する。つづいて反応
器内を10℃まで昇温し、ここに無水塩化ニツケル
−ピピリジン錯体(〔Ni(bip)Cl2〕)10mgを加え
たのち、昇温し、テトラヒドロフランの還流温度
で5時間反応させる。反応液を200mlのメタノー
ルにあけ、生成する不溶物をロカであつめる。不
溶物はメタノール、水、1/2規定塩酸でくりかえ
し洗浄し、1.66gの置換ポリフエニレンを得た
(収率67%)。この置換ポリフエニレンを室温
400Kg/cm2の圧力で加圧成形することにより径13
mm厚さ0.05mmの円板状ペレツトを作成した。この
ペレツトをSbF5の雰囲気中室温で48時間放置し
た。所定時間後、反応容器から取り出し0.2mmHg
の減圧下室温で4時間処理した。この変性体成形
物をアルゴン雰囲気中で電気伝導度を測定する
と、1.5×10-1Ω-1cm-1であつた。 尚、元の置換ポリフエニレンは、それを
THFに溶解し分子量を測定したところ、wが
ポリスチレン換算で3800であつた。 実施例 19 1,4−ジブロモ−2,5−ビス(エトキシメ
トキシ)ベンゼン3.84g(10mmole)を無水テト
ラヒドロフラン50mlに溶解し、−78℃に冷却する。
これによくかくはんしながらn−ブチルリシウム
のヘキサン溶液(15%6.2ml)をゆつくり加えた
のち、反応器内の温度を0℃に昇温し、ここに無
水臭化マグネシウム1.84gを加える。つづいて10
℃に昇温し、無水塩化ニツケル−ビピリジン錯体
10mgと無水n−ブチルエーテル50mlを加え、昇温
し還流下で6時間反応させる。反応液をメタノー
ル200mlにあけ、生成する不溶物をあつめ、メタ
ノール、水、希塩酸でくりかえし洗浄後、真空下
で乾燥する。収量1.17g(収率52%)で置換ポリ
フエニレンを得た。これを実施例18と同様の方
法で成形し径13mm厚さ0.05mmの円板状ペレツトを
得た。これをSbF5のかわりにSnCl4を用いる以外
実施例18と同様の方法で反応処理を行なうことに
より、アルゴン中の電気伝導度3.5×10-3Ω-1cm-1
の変性体成形物を得た。 尚、元の置換ポリフエニレンは、それを
THFに溶解し、GPCにより分子量を測定したと
ころ、wがポリスチレン換算で4500であつた。 実施例 20 1,4−ジブロモ−2,5−ビス(トリメチル
シロキシ)ベンゼン4.44g(10mmole)を無水テ
トラヒドロフラン50mlに溶解し、−78℃に冷却す
る。これによくかくはんしながらn−ブチルリシ
ウムのヘキサン溶液(15%62ml)をゆつくり加え
たのち、反応器内の温度を0℃に昇温し、ここに
無水塩化亜鉛1.43gを加える。つづいて10℃に昇
温し、無水のニツケル()アセチルアセトナト
10mgと、無水n−ブチルエーテル50mlを加え、還
流下で6時間反応させる。冷却後反応液をメタノ
ール200ml中にあけ、生成する不溶物をロカであ
つめる。生成物は冷メタノール、冷水でくり返し
洗浄し、真空下で乾燥させると置換ポリフエニレ
ン1.56gを得た(収率55%)。 これを150℃で溶融成形することにより10cm×
10cm×100μのシート状成形物を得た。これを
SbF5のかわりにVOCl3を用いる以外は実施例18
と同様の方法で反応処理を行なうと、変性体がシ
ート状成形物として得られた。この変性体のアル
ゴン中の電気伝導度は1.6×10-2Ω-1cm-1であつ
た。 尚、元の置換ポリフエニレンは、これを
THFに溶解し、GPCにより分子量を測定したと
ころ、wがポリスチレン換算で3400であつた。
このポリマーの赤外線吸収スペクトルは、3300cm
-1近傍に強く幅広い吸収と、2800cm-1と3000cm-1
の間に多重の鋭い吸収を示しポリマーのメタノー
ル洗浄等により、トリメチルシリル基の一部が、
分解されていることが考えられる。
である。近年、電気、電子産業における著しい技
術発展に伴ない新しい優れた電気的機能を有する
材料が求められている。高分子化学の分野におい
ても各種の電気特性を有する材料が見いだされ、
すでに多くの高分子物質が実用化されているが、
一層優れた電気特性を有する材料の探索が盛んに
行なわれている。特に、電気伝導性を有する高分
子材料は、例えば配線材料、電極材料、センサ
ー、光電変換素子などの素材として利用すること
ができ、そのような高分子材料の開発が大いに期
待されている。 このような社会的要望を背景に電気伝導性を有
する高分子材料の研究が各所で行なわれており、
電気伝導性を有する高分子材料も数多く開発され
ている。しかし現在まで知られている高導電性を
有する高分子材料は安定性、成形性等に問題があ
り電気電子材料への応用が制限されているのが現
状である。 例えば、非置換ポリアセチレンと特定の電子供
与剤又は電子受容剤との錯体は、103Ω-1cm-1以上
という極めて高い電気伝導性を有する高分子材料
であり、エレクトロニクス材料として有用である
が、マトリツクスのポリアセチレンが空気の酸素
及び熱に対し不安定なことが実用上の大きな欠点
である。更に高分子量ポリアセチレンは不溶、不
融であるため溶融加工又は溶液加工が不可能であ
り、特定形状に成型することが困難である。 一方、ポリ(p−フエニレン)は、ポリアセチ
レンとは対照的に、非常に熱安定性及び酸化安定
性が大なる高分子材料であり、さらに電子供与剤
又は電子受容剤をドーピングすることにより前記
ポリアセチレンに近い電気伝導性を得ることがで
きる。しかしポリアセチレン同様無置換のポリ
(p−フエニレン)は不溶不融であり成形加工が
困難である。 このような成形加工性を改良するためにポリア
セチレンに置換基を導入したものも検討された。
例えば、Polymer Journal Vol.11(10)P819に記載
のごとくフエニルアセチレン、ブチルアセチレン
のごとき置換アセチレンを重合させて合成する置
換ポリアセチレンは有機溶媒に可溶でありキヤス
ト法により成膜が可能である。 しかしこれは置換ポリアセチレンは成形加工性
は著しく改良されたものの導電性は無置換ポリア
セチレンと比べ、1/1011〜1/109に過ぎなか
つた。 本発明者らは、このような背景に基づき、成形
加工性に優れた導電性高分子材料を見出すべく鋭
意研究を行なつた結果、フエニレン核に少なくと
も1つのアルコキシ基を有する置換ポリフエニレ
ンを特定のハロゲン化物と気相中で反応させ、反
応後減圧及び/又は加熱処理を行うことにより製
造した変性高分子物質が高導電性を有すること、
及び前記置換ポリフエニレンを選択することによ
り溶剤によるキヤスト法溶融成形法等の適宜手段
で成形加工が可能なため、あらかじめ膜、フイル
ム等に成形加工した前記置換ポリフエニレンを前
記反応処理することにより任意の形状の変性高分
子物質が得られることを見出し本発明を完成する
に至つた。 本発明を略記すると、本発明はフエニレン核に
少なくも1つのアルコキシ基を有する置換ポリフ
エニレンを特定のハロゲン化物と気相中で反応さ
せ、反応後減圧及び/又は加熱処理を行なうこと
により製造することを特徴とする変性高分子物質
の製法に関するものである。 本発明で用いる置換ポリフエニレンは、フエニ
レン核に少なくとも1つのアルコキシ基を有する
置換フエニレン基を実質的な繰返し単位とし、そ
の繰返し単位の平均数が8以上である実質的に線
状のポリ(アルコキシフエニレン)系高分子化合
物である。ここで繰返し単位が平均8以上とは、
例えばポリマーをテトラヒドロフラン(以下
THFと略記する)に溶解してゲルパーミエイシ
ヨンクロマトグラフイー(以下GPCと略記する)
によりポリスチレンを基準として測定した重量平
均分子量(w)から判断して、繰返し単位が8
以上に相当する意味である。尚、参考として極限
粘度からみると、硫酸中の極限粘度がおおよそ
0.02以上であり、後記の実施例中に参考データと
してその測定値を併記する。 この置換ポリフエニレンにおけるアルコキシ基
とは、一般式−O−Rで表わされる官能基の総称
であつて、このRは、アルキル基一般のときは長
鎖状、環状、分枝状のいずれでもよく、またエー
テル酸素、芳香環、複素環等を含んだ、アルキル
基、その他の基であつても良い。このアルコキシ
基の炭素数が多い程、本発明変性体の成形性は向
上するが、導電性は低下するため、炭素数は目的
に応じて選択される。導電性と成形性の両者が重
視される場合には、炭素数は1乃至8が適当であ
る。 アルコキシ基はフエニレン核に対して1個でも
良いし、それ以上でも良い。2個以上の場合、ア
ルコキシ基は各々同一であつても異つていてもよ
く、目的に応じて選択できる。 フエニレン核には、アルコキシ基以外の基であ
つても、電子供与性の基であれば、例えばアルキ
ル基の如き他の置換基があつても良い(この様な
ものも含めて単に置換ポリフエニレンと略称す
る)。 本発明で用いる置換ポリフエニレンの製造方法
としては、アルコキシベンゼン類をルイス酸、及
び酸化剤の存在下で重合させる方法、ジハロアル
コキシベンゼン類をマグネシユーム、銅等の存在
下で重合させる方法等公知のポリフエニレンの製
造方法がすべて可能である。アルコキシベンゼン
類を不活性溶媒中、ルイス酸及び酸化剤の存在下
に重合する方法で合成したものは一般に高重合度
のものを与える。本発明においては、置換フエニ
レン基の繰返し数は平均8以上である。用いられ
るルイス酸類としては、無水塩化アルミニウム、
無水塩化第二鉄、無水塩化チタン()、無水塩
化第二錫、無水塩化モリブデン、無水塩化タング
ステン、無水塩化アンチモン()、フツ化ホウ
素およびフツ化ホウ素エーテラートなどが使用さ
れるが、無水塩化アルミニウム、無水塩化第二鉄
が特に好ましい。また前記金属塩化物に対応する
金属臭化物等他のハロゲン化物の使用も有効であ
る。 不活性溶媒は通常のフリーデルクラフト反応に
用いられるもので、ルイス酸アリールカチオンに
不活性な有機溶媒はいずれも使用可能であるが、
特にニトロアルカン類が好適である。 重合反応は常圧、加圧、減圧いずれの場合も可
能であるが、発生する塩化水素を除去しうる様圧
力10〜40mmHgといつた減圧状態にすることによ
り、耐熱性および成形性等に優れた重合体が得ら
れる。 ルイス酸と酸化剤による酸化的カチオン重合法
の他に、ジハロゲン化合物からグリニヤール中間
体を経て、炭素−炭素カツプリング反応の後に重
合させる方法も適用できる。この場合、例えばジ
ハロアルコキシベンゼン類を原料として(ここで
適当なハロゲンは、塩素又は臭素である)、不活
性気流として窒素気流中で無水のアルキルエーテ
ルあるいはテトラヒドロフラン等の溶媒の存在
下、金属マグネシウムと反応させることにより、
原料ハロゲン化物を対応するグリニヤール試薬と
することができる。生成したグリニヤール試薬
は、ニツケル、パラジウム、クロム鉄などの第一
遷移金属の塩類あるいは錯体を触媒として、グリ
ニヤール部分と、ハロゲン部分とから、ハロゲン
化マグネシウムを脱離させ、炭素−炭素結合を生
成させることができ、この反応を連続的に行わせ
ることにより、目的とする置換ポリフエニレンを
生成させることができる。この脱ハロゲン化マグ
ネシウムを促進させる触媒としては、ニツケル、
鉄、クロム、パラジウム等のハロゲン化物、酢酸
塩、硫酸塩、硝酸塩等の塩類の無水物あるいはニ
ツケル、パラジウムの2価、0価の錯体が例示さ
れる。 本発明は、前記置換ポリフエニレンを、特定の
ハロゲン化物と気相中で反応させ、その後減圧及
び/又は加熱処理を行なうことにより製造するこ
とを特徴とするポリ(アルコキシフエニレン)変
性体の製造法に関するものである。 ここで用いる特定のハロゲン化物とは、B族
元素のハロゲン化物もしくはB族元素以外で2
種以上の原子価状態をとり得る元素の高原子価状
ハロゲン化物一般を指称する。適用可能なB族
元素のハロゲン化物としては、代表的なものを挙
げると、BF3、BCl3、AlCl3、GaCl3およびこれ
らのエーテル錯体等である。また高原子価状ハロ
ゲン化物の代表例としては、SnCl4、GeCl4のご
ときB族元素のハロゲン化物、PF5、AsF5、
SbF5、SbCl5のごときB族元素のハロゲン化
物、SF5、SF6のごときB族ハロゲン化物、
TiCl4、VF5、VOCl3、FeCl3、MoF6、WF6のご
とき遷移金属ハロゲン化物などがある。このう
ち、B族元素のハロゲン化物に比して、高原子
価状ハロゲン化物の方が反応性が高く、このこと
から推測すると本発明は酸化力を有する高原子価
状ハロゲン化物と、アルコキシ基により化学的に
活性化された置換ポリフエニレンの化学的反応が
利用されていると考えられる。従つて、B族元
素のハロゲン化物が有効な理由は必ずしも明白と
は言えないが、酸化力を有しない低原子価のハロ
ゲン化物例えばAgCl、Hg2Cl2、CaCl2等は有効
ではない。 本発明者らは、本発明における置換ポリフエニ
レンとハロゲン化物を液相中で反応させことによ
つて同様の目的物を得る方法を発明し、その発明
についても別途特許出願が為されている。その方
法は、反応の効果が高くまた反応操作としても好
ましいものであるが、反応中に置換フエニレンの
形状を維持し、目的とする変性物をその形状にお
いて好ましいものとするために、十分な配慮を要
する。 本発明は、置換ポリフエニレンを気相中でハロ
ゲン化合物と反応させるものであるから、置換ポ
リフエニンの元の形状を維持することが容易であ
り、まさにこの点に着目されて成されたものであ
る。しかしながら単に気相中で反応させるだけで
は反応効率の点でやや問題があり、この点の解決
策として、本発明では反応処理後に減圧及び/又
は加熱処理が施こされる。 即ち、置換ポリフエニレンとハロゲン化物との
反応は、固体状の置換ポリフエニレンを気体状の
ハロゲン化物中におき接触させることにより行な
うのが一般的であるが、この場合の反応速度は置
換ポリフエニレンの表面積、ハロゲン化物の濃
度、蒸気圧等に依存する。一般に置換ポリフエニ
レンの単位体積当りの表面積は大きい程反応は円
滑に進み、この意味から置換ポリフエニレンは、
薄膜状、フイルム状又は多孔質状に成形したもの
であることが望ましい。しかしこれは必須の条件
ではなく、例えば表面層のみに導電性を有する成
形物の製造等、必要、目的に応じて置換ポリフエ
ニレンの形状を選択することができる。又ハロゲ
ン化物単独の気相中で反応処理する場合、蒸気圧
は高い程反応速度は大となるが、反応の制御、均
一化による品質管理も重要であり、このため蒸気
圧は目的に応じて選択される。一般的には0.1mm
Hg以上の蒸気圧で行なうのが好ましい。又反応
は2種以上のハロゲン化物の混合気体中で行なつ
ても、又本反応系に不活性な気体、例えば、N2、
Ar等により希釈した系で行なつてもよい。反応
温度も目的に応じて選択できるが、ハロゲン化物
の蒸気圧が必要以上に小さくなる様な低温で行な
うのは好ましくない。 既述の如く、ハロゲン化物による反応後、減圧
及び/又は加熱処理を行なう。減圧処理は、通常
300mmHg以下好ましくは100mmHg以下で行ない、
加熱処理は通常30℃〜300℃、好ましくは50℃〜
200℃で行なう。必要に応じて両者の処理を同時
又は前後に組み合わせることもできる。減圧及
び/又は加熱処理工程は前段の工程に連続して施
しても、一定時間経過後施してもよく、また反応
処理とその後処理の2つの工程を2回以上繰り返
して行なつてもよい。この場合、1回目と2回以
降に異なつたハロゲン化物を用いてもよい。反応
処理後に生成物をN2、Ar等の不活性気体気流中
に長時間放置した場合も本発明の製造法と同様の
効果が得られるが、工程が極めて長時間になり実
用上好ましくない。この様な減圧処理又は加熱処
理は、反応の促進、残留未反応物の除去、反応の
完結等の効果があると考えられ、言わば、反応処
理の一部分を成す補完処理と言えるであろう。 本発明方法によつて製造される変性体は、アル
コキシ基により化学的に活性化されたフエニレン
核を有する置換ポリフエニレンと、それに対して
前記の如き活性を有する特定のハロゲン化物とが
化学的に反応されたものである。従つて元の置換
ポリフエニレンに比して新たな化学結合、官能基
の脱離等に基く化学構造の変化やそれに起因する
立体配置の変化を伴つており、端的に言えば、本
発明の変性体は元の置換ポリフエニレンが新たに
分子内または分子間またはその両者で架橋された
ものと言い得ると推定される。 従つて本発明方法は、従来J Chem Phys
71,1506(1979)に記載された如き、電子受容性
または電子供与性ドーピング剤との電荷移動錯体
の形成を目的としたドーピングの手法とは本質的
に性格を異にするものである。ドーピングの手法
を用いる場合、導電性向上には効果的であるが、
反面、安定性、強度、耐久性等の低下がみられ実
用上問題になる。 本発明のハロゲン化物による反応処理の場合、
反応条件を選択すれば、処理前の置換ポリフエニ
レンと比較して、ドーピング手法は逆に、強度、
耐久性等の向上という副次的効果もある。又、本
発明の変性体は、一般に空気中で安定であり、こ
れらの点は本発明変性体を電気電子デバイスや電
極材料に応用する場合、きわめて有利である。 本発明変性体の導電性は、元の置換ポリフエニ
レンの種類や反応処理の条件によつて相違はある
ものの、少くとも10-4、一般的に10-3〜10-1Ω-1
cm-1に達する。この値は、元の置換ポリフエニレ
ンの導電性が一般的に10-14Ω-1cm-1前後であるか
ら、高分子物質自体が示す値としては著しく高
く、しかも置換ポリフエニレンに対してドープ剤
を添加することでは到達し得ない値である。 尚、この明細書において導電性を具体的に示す
電気伝導度の測定に当つては、通例に従つてアル
ゴン中にて4端子法を用いて測定を行つた。4端
子法については、井口、中田、旗野による「有機
半導体」(共立出版昭和41年発行)P53に示され
る。 一方また、本発明の方法で製造した変性体は、
この様にそれ自体で充分高導電性を有するが、更
に導電性を向上させるため電子受容性ドープ剤及
び電子供与性ドープ剤を添加し電荷移動錯体を形
成させることもできる。 適用可能なドープ剤の代表例には、リチウム、
ナトリウム、カリウム、等のIA族金属、ナトリ
ウムナフタレン、カリウムナフタレン、ナトリウ
ムビフエニル及びカリウムビフエニル等のIA族
金属アリーレン、カルシウム等のA族金属等の
電子供与剤及びヨウ素、臭素のごときハロゲン類
HClO4、HSO3Fを含むブレンステツド酸、SO3
及びN2O5を含む非金属酸化物、Sb2S5を含む族
元素のスルフイド、B、遷移金属、B、
A及びA族元素のハロゲン化物、BCl3、AsF5、
SbF5、PF5、BF5、BCl5、SbBr3、CuCl2、NiCl2
及びMoCl5、WCl6、VOCl3、SnCl4等のハロゲン
化物及びFSO2OOSO2Fを含むフツ素含有過酸化
物又はそれ等の混合物等の電子受容剤、銀および
アルカリ金属、アルカリ土類金属および4級アン
モニウムのテトラフロロホウ酸塩、6フツ化ホス
ホニウム塩、過塩素酸塩、ヘキサフロロアンチモ
ン酸塩、ヘキサフロロヒ酸塩などがある。どの型
のドープ剤を選択するかは、生成組成物にいかな
る電気特性を所望するかによつて異なる。IA族
金属及びIA族金属アリーレン等の電子供与ドー
プ剤はn型導電材料を提供し、電子受容ドープ剤
はP型材料を提供し用途、目的に応じて選択する
ことができる。 導電ドープ剤を本発明の変性高分子物質に添加
して電荷移動錯体を形成する方法としては例えば
気相からのドープ剤の添加、溶液相からの添加、
溶融相での添加或いは固体材料の緊密混合による
添加、電気化学反応を用いて酸化状態を変化させ
ドープ剤と電荷移動錯体を形成させる等種々のも
のが可能である。本発明の方法で反応処理して製
造した変性高分子物質にさらにドープ剤と電荷移
動錯体を形成させたものは反応処理を行なつてい
ない置換ポリフエニレンを同様のドープ剤と電荷
移動錯体を形成させたものに比較すると、反応処
理条件、ドープ剤の選択により10万倍以上の高導
電性を示す。 本発明に用いる置換ポリフエニレンはアルコキ
シ基の構造、数を選択することにより溶剤による
キヤスト法、溶融成形法、加圧焼結法等通常のポ
リマー加工技術を用いて膜、フイルム、繊維、フ
イラーとの複合体等所望の形状に成形加工するこ
とができる。従つて、あらかじめ所望の形状に加
工した置換ポリフエニレンを特定ハロゲン化物で
反応処理を施すことにより任意の形状の変性体を
得ることが可能である。 本発明に係る変性体の応用物としては、前記組
成を有する素材による特定の有形物品、即ち成形
物も意味される。従つてその様な組成物を応用し
たn型およびP型材料、整流ダイオード及びトラ
ンジスター、P−n接合等の電導体、半導体装
置、太陽電池等々を挙げることが可能である。こ
の様な各種成形物を得るに当り、素材としての本
発明変性体が他の導電性高分子材料、例えばポリ
アセチレン、(SN)x等と比べて有利な点は、所
望の形状を得ることが容易な点である。これは原
料となる置換ポリフエニレンの良好な成形性に由
来する。また、高電気伝導性の本発明変性体は、
赤外領域の広範囲のスペクトル域にわたり、高吸
収能を有する。従つて斯かる材料はフイルター材
料、例えば太陽エネルギー用赤外線吸収体として
使用可能である。 また本発明組成物は、電気伝導性なので静電防
止材料又は装置、例えば溶剤容器の蓋の内部ガス
ケツトとして使用することができる。 以下実施例をあげて本発明を具体的に更に詳細
に説明する。 実施例 1、2 無水塩化第二鉄40gを溶解したニトロメタン50
mlを、20mmHgの減圧下におき、室温でニトロメ
タン120mlに溶解したパラジブトキシベンゼン
19.8gを内温が40℃をこえないように注意深く加
え、終了后、2時間、20mmHgの減圧下で室温で
かくはんする。反応物を室温でメタノール300ml
に加え、一時間かくはんし、不溶物を過する。
不溶物を2N塩酸水で繰り返しよく洗つたのち、
100℃で真空下一夜乾燥する。収量12.7g(65%)
の置換ポリフエニレンを得た。置換ポリフエニ
レンをトルエン溶液からキヤスト法により成膜
し10cm×10cm×20μのフイルムを2枚作成した。
このフイルムを夫々AlCl3またはSnCl4雰囲気下
100℃または60℃で24時間放置した。各フイルム
を所定時間後反応容器から取り出し、0.1mmHgの
減圧下夫々60℃で8時間または40℃で3時間減圧
処理すると、黒色のトルエンに不溶な変性高分子
物質のフイルムを得た。この2枚のフイルムは空
気中で安定で、アルゴン中での電気伝導度は夫々
1.4×10-3または5.0×10-3Ω-1cm-1であつた。 尚、元の置換ポリフエニレンは、赤外線吸収
スペクトルを調べた結果、3200〜3600cm-1に水酸
基にもとずく吸収が認められない。また元素分析
の結果、ポリマーの繰返し単位がC6H2(OC4H9)2
であることを仮定したときの計算値(C;76.32
%、H;9.15%)と実測値(C;76.28%、H;
9.12%)は良い一致を示し、塩素原子は検出され
なかつた。得られたポリマーを濃硫酸に溶解し、
C(g/100ml)が1.0から0.1の範囲で得られる
n(η/ηo)/Cの曲線をC=0に外挿して得ら
れる極限粘度〔η〕は、37℃において0.30を示し
た。このポリマーは有機溶媒に可溶であり、ソツ
クスレー抽出器によりすべてトルエンに抽出され
た。またこのポリマーの空気中における熱重量分
析(TGA)の結果は、5%重量減少温度320℃、
同じく50%温度500℃である。またポリマーを
THFに溶解してGPCにより分子量を測定したと
ころ、ポリスチレン換算で重量平均分子量(
w)が140000を示した。 実施例 3、4 AlCl3のかわりにBBr3またはSbF5を用いる以
外は実施例1と同様の方法で行なうと、黒色のト
ルエン不溶な変性高分子物質のフイルム2枚を得
た。このフイルムは共に空気中で安定で、アルゴ
ン中での電気伝導度は夫々8.6×10-4または4.1×
10-1Ω-1cm-1であつた。 実施例 5、6 AlCl3のかわりにBF3またはVOCl3を用いBF3
については室温で、VOCl3については40℃で処理
する以外は実施例1と同様の方法で行なうと黒色
のトルエン不溶変性高分子物質のフイルム2枚を
得た。このフイルムは共に空気中で安定であり、
アルゴン中での電気伝導度は夫々5.2×10-4また
は1.9×10-3Ω-1cm-1であつた。 実施例 7、8 トルエン溶液からキヤスト法で成膜された置換
ポリフエニレンのフイルムを、アセトン/メタ
ノール(10/90)の混合溶媒中に浸漬し1夜お
く。これを引きあげ、減圧下でよく乾燥すること
によりフイルム表面が、やや白味をおび多孔が生
成することが認められた。この多孔質フイルム2
枚を用いて、実施例1と同様にAlCl3の雰囲気下
60℃で4時間またはSnCl4の雰囲気下室温で24時
間放置した。所定時間後反応容器から取り出し
0.1mmHgの減圧下60℃3時間減圧処理すると、黒
色のトルエンに不溶な変性高分子物質のフイルム
2枚を得た。この変性多孔質高分子フイルムは、
空気中で安定で、アルゴン中の電気伝導度は夫々
10-3または6.6×10-3Ω-1cm-1であつた。 実施例 9、10 1,4−ジブロモ−2,5−ジイソプロボキシ
ベンゼン7.036gとマグネシウム0.4864gを窒素
雰囲気下、無水テトラヒドロフラン25ml中で混合
し、還流下で反応させる。金属マグネシウムが消
失し、グリニヤール試薬の生成が完了したら10mg
のジクロロ(2,2′−ピリジル)ニツケル()
(NiCl2(bpy);bpy=2,2′−ピリジン)を加え
5時間還流する。反応液を一度室温に冷却後、メ
タノール30mlを加え、得られた沈澱物をロカによ
つて集める。水、メタノール、1規定塩酸でくり
かえし洗浄し、真空下で乾燥する。収量1.27g
(収率33%)で置換ポリフエニレンを得た。置
換ポリフエニレンを200℃で溶融後成膜するこ
とにより10cm×10cm×20μのフイルム2枚を作成
した。このフイルムを夫々BBr3雰囲気中室温で
12時間またはSbCl3雰囲気下80℃で8時間放置す
る。所定時間後反応容器から取り出し前者につい
ては1mmHgの減圧下室温で16時間、後者につい
ては0.01mmHgの減圧下室温で10時間減圧処理す
ると、黒色の200℃でも不融のフイルム2枚を得
た。このフイルムの電気伝導度は夫々7.0×10-4
または1.2×10-1Ω-1cm-1であつた。 尚、元の置換ポリフエニレンは、熱THFに
可溶で、室温では微か溶解する。このTHF溶液
をGPCによつて分子量を測定すると、wが
6800であつた。 実施例 11、12 BBr3のかわりにBF3またはFeCl3を用いる以外
は実施例9と同様の方法で行なうと200℃でも不
融のフイルム2枚を得た。このフイルムの電気伝
導度は夫々1.0×10-3または、1.4×10-3Ω-1cm-1で
あつた。 実施例 13、14 パラジブトキシベンゼンのかわりにp−メトキ
シメチルベンゼン11.0gを用いる以外は実施例1
と同様の方法で置換ポリフエニレンの合成を行な
うと収量5.3g(49%)の置換ポリフエニレン
を得た。置換ポリフエニレンを室温、200Kg/
cm2の圧力で加圧成形することにより径13mm厚さ
0.1mmの円板状のペレツトを作成した。このペレ
ツトをAlCl3の雰囲気下150℃で12時間または
VoCl3の雰囲気下室温で24時間放置した。所定時
間後反応容器から取り出し10mmHg減圧下100℃で
8時間乾燥すると黒色の円板状ペレツト2枚を得
た。夫々の電気伝導度は2.1×10-3または8.7×
10-4Ω-1cm-1であつた。 実施例 15、16 置換ポリフエニレンの粉末をAlCl3の雰囲気
下150℃で12時間またはSbCl5雰囲気下に50℃で
24時間放置した。所定時間後反応容器から取り出
し100℃3時間加熱すると黒色粉末を生成した。
各黒色粉末を室温200Kg/cm2の圧力で加圧成形す
ることにより径13mm厚さ0.1mmの円板状ペレツト
2枚を作成した。夫々の電気伝導度は7.7×10-4
または7.8×10-2Ω-1cm-1であつた。 実施例 17 実施例1で作成した変性高分子物質のフイルム
を無水硫酸雰囲気下20℃で3時間放置した。(無
水硫酸の蒸気圧は約200mmHg)所定時間後フイル
ムを取り出しアルゴン雰囲気下で電気伝導度を測
定すると1.8×10-1Ω-1cm-1であつた。 比較例 実施例1で作成した置換ポリフエニレンのフ
イルムを無水硫酸雰囲気下20℃で3時間放置し
た。(無水硫酸の蒸気圧は約200mmHg)所定時間
後フイルムを取り出し、アルゴン雰囲気下で電気
伝導度を測定すると8.2×10-5Ω-1cm-1であつた。 実施例 18 1,4−ジブロモ−2,5−ビス(テトラヒド
ロフリルオキシ)ベンゼン4.1g(0.01mole)を
無水テトラヒドロフラン50ml中に溶解し、−78℃
に冷却する。これによくかくはんしながらn−ブ
チルリシウムのヘキサン溶液(15%6.2ml)を加
え、ゆつくり1時間かけて反応器内の温度を−10
℃まで昇温する。ここに無水塩化亜鉛(1.43g)
の無水テトラヒドロフラン溶液(20ml)を加え、
0℃で1時間かくはんを継続する。つづいて反応
器内を10℃まで昇温し、ここに無水塩化ニツケル
−ピピリジン錯体(〔Ni(bip)Cl2〕)10mgを加え
たのち、昇温し、テトラヒドロフランの還流温度
で5時間反応させる。反応液を200mlのメタノー
ルにあけ、生成する不溶物をロカであつめる。不
溶物はメタノール、水、1/2規定塩酸でくりかえ
し洗浄し、1.66gの置換ポリフエニレンを得た
(収率67%)。この置換ポリフエニレンを室温
400Kg/cm2の圧力で加圧成形することにより径13
mm厚さ0.05mmの円板状ペレツトを作成した。この
ペレツトをSbF5の雰囲気中室温で48時間放置し
た。所定時間後、反応容器から取り出し0.2mmHg
の減圧下室温で4時間処理した。この変性体成形
物をアルゴン雰囲気中で電気伝導度を測定する
と、1.5×10-1Ω-1cm-1であつた。 尚、元の置換ポリフエニレンは、それを
THFに溶解し分子量を測定したところ、wが
ポリスチレン換算で3800であつた。 実施例 19 1,4−ジブロモ−2,5−ビス(エトキシメ
トキシ)ベンゼン3.84g(10mmole)を無水テト
ラヒドロフラン50mlに溶解し、−78℃に冷却する。
これによくかくはんしながらn−ブチルリシウム
のヘキサン溶液(15%6.2ml)をゆつくり加えた
のち、反応器内の温度を0℃に昇温し、ここに無
水臭化マグネシウム1.84gを加える。つづいて10
℃に昇温し、無水塩化ニツケル−ビピリジン錯体
10mgと無水n−ブチルエーテル50mlを加え、昇温
し還流下で6時間反応させる。反応液をメタノー
ル200mlにあけ、生成する不溶物をあつめ、メタ
ノール、水、希塩酸でくりかえし洗浄後、真空下
で乾燥する。収量1.17g(収率52%)で置換ポリ
フエニレンを得た。これを実施例18と同様の方
法で成形し径13mm厚さ0.05mmの円板状ペレツトを
得た。これをSbF5のかわりにSnCl4を用いる以外
実施例18と同様の方法で反応処理を行なうことに
より、アルゴン中の電気伝導度3.5×10-3Ω-1cm-1
の変性体成形物を得た。 尚、元の置換ポリフエニレンは、それを
THFに溶解し、GPCにより分子量を測定したと
ころ、wがポリスチレン換算で4500であつた。 実施例 20 1,4−ジブロモ−2,5−ビス(トリメチル
シロキシ)ベンゼン4.44g(10mmole)を無水テ
トラヒドロフラン50mlに溶解し、−78℃に冷却す
る。これによくかくはんしながらn−ブチルリシ
ウムのヘキサン溶液(15%62ml)をゆつくり加え
たのち、反応器内の温度を0℃に昇温し、ここに
無水塩化亜鉛1.43gを加える。つづいて10℃に昇
温し、無水のニツケル()アセチルアセトナト
10mgと、無水n−ブチルエーテル50mlを加え、還
流下で6時間反応させる。冷却後反応液をメタノ
ール200ml中にあけ、生成する不溶物をロカであ
つめる。生成物は冷メタノール、冷水でくり返し
洗浄し、真空下で乾燥させると置換ポリフエニレ
ン1.56gを得た(収率55%)。 これを150℃で溶融成形することにより10cm×
10cm×100μのシート状成形物を得た。これを
SbF5のかわりにVOCl3を用いる以外は実施例18
と同様の方法で反応処理を行なうと、変性体がシ
ート状成形物として得られた。この変性体のアル
ゴン中の電気伝導度は1.6×10-2Ω-1cm-1であつ
た。 尚、元の置換ポリフエニレンは、これを
THFに溶解し、GPCにより分子量を測定したと
ころ、wがポリスチレン換算で3400であつた。
このポリマーの赤外線吸収スペクトルは、3300cm
-1近傍に強く幅広い吸収と、2800cm-1と3000cm-1
の間に多重の鋭い吸収を示しポリマーのメタノー
ル洗浄等により、トリメチルシリル基の一部が、
分解されていることが考えられる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 フエニレン核に少くとも1つのアルコキシ基
を有する置換フエニレン基を実質的繰返し単位と
し、該繰返し単位の平均数が8以上である実質的
に線状のポリ(アルコキシフエニレン)系高分子
化合物を、B族元素のハロゲン化物もしくは
B族元素以外で2種以上の原子価状態をとり得る
元素の高原子価状ハロゲン化物の気相中で、また
は該ハロゲン化物を含有する気相中で該ハロゲン
化物と反応させることによつて前記高分子化合物
を分子内または分子間で架橋させ、次いで反応系
を減圧もしくは加熱するか、または減圧と加熱を
同時にもしくは交互に行うことを特徴とする、ポ
リ(アルコキシフエニレン)変性体の製造法。 2 ハロゲン化物の蒸気圧が0.1mmHg以上である
特許請求の範囲第1項記載の製造法。 3 減圧処理が300mmHg以下の圧力である特許請
求の範囲第1または2項記載の製造法。 4 加熱処理が50℃以上の温度である特許請求の
範囲第1、2または3項記載の製造法。 5 得られたポリ(アルコキシフエニレン)変性
体の電気伝導度が、アルゴン中にて4端子法によ
り測定すると10-4Ω-1cm-1以上である特許請求の
範囲第1、2、3または4項記載の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16653883A JPS6058428A (ja) | 1983-09-12 | 1983-09-12 | ポリ(アルコキシフエニレン)変性体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16653883A JPS6058428A (ja) | 1983-09-12 | 1983-09-12 | ポリ(アルコキシフエニレン)変性体の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6058428A JPS6058428A (ja) | 1985-04-04 |
| JPH0363970B2 true JPH0363970B2 (ja) | 1991-10-03 |
Family
ID=15833136
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16653883A Granted JPS6058428A (ja) | 1983-09-12 | 1983-09-12 | ポリ(アルコキシフエニレン)変性体の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6058428A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016037506A (ja) * | 2014-08-05 | 2016-03-22 | Jsr株式会社 | 重合体および該重合体を含む樹脂組成物ならびに樹脂成形体 |
-
1983
- 1983-09-12 JP JP16653883A patent/JPS6058428A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6058428A (ja) | 1985-04-04 |
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