JPH0367676B2 - - Google Patents
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- JPH0367676B2 JPH0367676B2 JP61180024A JP18002486A JPH0367676B2 JP H0367676 B2 JPH0367676 B2 JP H0367676B2 JP 61180024 A JP61180024 A JP 61180024A JP 18002486 A JP18002486 A JP 18002486A JP H0367676 B2 JPH0367676 B2 JP H0367676B2
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、酵素によるリン脂質の製造方法に関
し、特に、塩基構造が変換されたリン脂質を製造
する方法に関する。 (従来の技術) リン脂質は、単に乳化剤に用い得るのみならず
リポソームの基材として薬剤運搬体、人工血液、
人工細胞等への応用が近年注目されており、ま
た、それ自体生理活性・薬理作用を持つものとし
て、医学・薬学・工学的分野の様々な用途が考え
られている。このような多様な要求に対応するた
めに、各々の用途に応じた構造を有するリン脂質
を効率的に製造する方法を開発することは、産業
上非常に意義あることである。 酵素によるリン脂質の製造方法として、リン脂
質にホスホリパーゼDを任意の受容体の存在下に
作用させ、ホスフアチジル基転移反応を利用して
目的とする塩基を持つリン脂質を製造する技術は
公知である〔S.F.Yang,et al.,J.Biol.Chem.,
242,(3)477〜484(1967)〕:〔R.M.C.Dawson,
Biochem.J.,102,205〜210(1967)〕。 ホスホリパーゼDによるホスフアチジル基転移
反応を利用してリン脂質の塩基部分を交換しよう
とする場合、一般に水相と有機溶媒相との二相系
が用いられる。すなわち、主として水溶性である
酵素、受容体、PH緩衝液、無機塩等を含む水溶液
と、主として親油性である原料リン脂質を含む有
機溶媒相とを撹拌・混合する反応系である。前出
の技術をはじめ、その後の研究(K.Bruzik and
M.Tsai,Biochemistry23,(8)1656−1661(1984)
など〕においても広く用いられている。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、従来用いられていたこのような反応系
は、水溶性成分の溶媒としての多量の水の存在が
原因となり、ホスホリパーゼDが本質的に加水分
解活性を持つているために、副反応として加水分
解が起こり、ホスフアチジン酸(以下PAと略す)
を生成するという欠点を有している。 加水分解によるPAの生成は、反応後の目的リ
ン脂質の分離精製を困難にするばかりでなく、加
水分解反応によつても原料リン脂質が消費される
ため、糖や二級アルコール等の反応性の低い受容
体に対してホスフアチジル基を転移させようとす
る場合、その反応速度が加水分解の反応速度に対
して極端に低いために事実上目的生成物を得るこ
とができなかつた。 このような問題点は、ホスホリパーゼD自体が
本来加水分解酵素である以上、水が存在する限り
不可避である。 そこで、本発明者らは、反応系中の水分含量を
酵素が失活しない範囲で極限まで減少させること
によりこの問題を解決すべく、種々検討の結果、
従来水溶液として反応系に添加していた成分を、
担体に吸着あるいは担持せしめて添加する新規な
反応系を見出し、本発明に至つたものである。 (問題点を解決するための手段) 塩基構造が変換されたリン脂質を製造するにあ
たり、原料リン脂質と水酸基を有する受容体と
を、担体に吸着させたホスホリパーゼDに接触さ
せて、反応系中の水分含量が1重量%以下の状態
で有機溶媒中で反応させることを特徴とする酵素
によるリン脂質の製造方法である。 本発明において用いられる原料リン脂質として
は、ホスホリパーゼDの基質となり得るものであ
れば、天然から抽出したもの、または抽出後精製
したもの、あるいは合成したものを問わず使用で
きる。また、市販のものあるいは公知の方法で調
製したものを使用しても差し支えない。 例として脱脂大豆レシチン、卵黄レシチン、ホ
スフアチジルコリン(以下PCと略す)、ホスフア
チジルエタノールアミン(以下PEと略す)、ホス
フアチジルセリン(以下PSと略す)、ホスフアチ
ジルグリセロール(以下PGと略す)等またはそ
れらの混合物等があげられる。本発明の効果を最
大に発揮するためには、原料リン脂質として精製
したものないしは組成の単純なものを用いた方が
反応生成物の精製の面で都合が良い。また、原料
コストと入手の容易さ、酵素に対する反応性の面
から特にPC、PEまたはPSが工業的に効果が高
く好ましい。 反応は、原料リン脂質を溶解または懸濁する有
機溶媒の存在下で行うことが好ましく、酵素を失
活させることの少ない溶媒系であればいずれも使
用できる。例として、石油エーテル、ジエチルエ
ーテル、メチルエチルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩
化炭素、ジクロロエタン、n−ヘキサン、シクロ
ヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、酢酸エ
チル、ジオキサン、ベンゼン等の溶媒、またはこ
れらの混合溶媒系、またはこれらにアセトン、ア
セトニトリルなどの極性溶媒を配合した混合溶媒
系があげられる。ただしアルコール類は目的反応
の基質となるため、基質として添加する以外に用
いることはあまり好ましくない。 ホスホリパーゼDとしては、ホスフアチジル基
転移活性を有するものであれば、市販のものある
いは公知の方法で調製したものを問わず使用でき
る。例として、ベーリンガー・マンハイム社
(Boehringer Mannheim GmbH)製のキヤベツ
由来のホスホリパーゼD、東洋醸造(株)製の微生物
由来のホスホリパーゼD(PLDP)、公知の方法
〔一例としてケーツとサストリイ(M.Kates and
P.S.Sastry)の方法、“Methods in
Enzymology”(J.M.Lowenstein,ed.),vol.14,
pp197−203,Achademic Press,New York
(1969)〕により抽出し精製または部分精製した酵
素標品、または抽出した粗酵素があげられる。 受容体としては、コリン、メタノール、エタノ
ール、エタノールアミン、セリン、グリセロー
ル、グルコース等の従来ホスフアチジル基転移反
応の受容体として知られている化合物のみなら
ず、1−アミノ−2−プロパノール、1−オルソ
メチルグルコシド、トレハロースをはじめとする
従来ホスフアチジル基転移反応の受容体とはなら
ないとされていた糖類を含む一級または二級アル
コール構造を持つ化合物を用いることができる。 ホスホリパーゼDを吸着あるいは担持させる担
体の材質としては活性炭、活性白土、ケイ酸、シ
リカゲル、ケイ藻土、ゼオライト、アルミナ、多
孔質ガラス、陶器、磁器、樹脂などがあげられ、
形状としては粒径0.02〜0.5mm程度の粒状あるい
はビーズ状が好ましい。またこれらの担体は、原
料リン脂質および受容体を吸着あるいは担持させ
ることもできる。 ホスホリパーゼDおよび受容体を担体に吸着あ
るいは担持させる方法の例としては、該成分の水
溶液を担体と接触させ、ろ別後過剰の水を凍結乾
燥し、あるいはジエチルエーテルまたはクロロホ
ルム等の酵素を失活させない乾燥有機溶媒を繰り
返しまたは連続的に接触させることにより除去す
る方法、あるいは粉末状にした該成分と担体とを
混合したところへ微量の水を加えて更に混合する
方法などがある。 酵素、受容体その他の成分を吸着または担持さ
せた担体と、原料リン脂質を溶解または懸濁した
有機溶媒とを接触させる方法としては、容器中で
担体を溶媒系中に分散、懸濁し撹拌する方法、ま
たは担体をカラムなどに充填し溶媒系を循環させ
る方法などがある。 原料リン脂質を担体に吸着あるいは担持させる
方法の例としては、低極性有機溶媒に溶解した原
料リン脂質を担体と接触し吸着させた後、濾過に
より溶媒を除去する方法、あるいは原料リン脂質
を溶解した有機溶媒を担体に含浸させた後、溶媒
を溜去する方法などがある。 反応系全体の水分含量は、1%以下に抑えるこ
とにより加水分解反応が従来の反応系に比べて抑
制できるが、更に0.5%以下に抑えることが好ま
しい。特に、水分含量を0.2%以下に制御するこ
とにより従来の反応系では反応し得なかつた受容
体をも反応させることができ、本発明の効果が最
大に発揮される。 反応温度は用いる酵素の至適温度であればよ
く、通常30〜40℃の範囲である。ただし、用いる
溶媒が低沸点のものである場合等はこの限りでは
ない。 反応時間は0.5〜36時間で、好ましくは4〜24
時間である。 このようにして製造した任意の塩基を持つ目的
リン脂質は溶材分画、ケイ酸またはシリカゲルク
ロマトグラフイー、アルミナクロマトグラフイ
ー、DEAE−セルロースクロマトグラフイー等の
公知の手段を適宜用いることにより、容易に精製
することができる。 (発明の効果) 本発明は、反応系中の水分含量を酵素が失活し
ない範囲で極限まで減少させるため、本質的に非
水系の反応系を用いるので、従来の反応系で見ら
れたようなPAの大量の生成は抑制され、反応後
の目的リン脂質の分離精製が容易になり収率が向
上した。 更に、従来の反応系では得ることのできなかつ
た多くの種類の目的リン脂質をも製造することが
可能となつた。 (実施例) 以下、参考例、実施例、および比較例に基づい
て本発明を具体的に説明する。 なお、リン脂質の組成分析、純度検定は薄層ク
ロマトグラフイー(TLC)で行つた。TLC板
(メルク社製 No.5721)に脂質試料20〜100μgを
直径3〜5mmにスポツトし、クロロホルム−メタ
ノール−水(120:70:5)またはクロロホルム
−アセトン−酢酸−メタノール−水(50:20:
15:10:5)で展開した。検出にはジツトマー試
薬、50%硫酸、ニンヒドリン試薬またはアンスロ
ン試薬を目的に応じて使用した。定量的な測定に
はジツトマー試薬で発色したものを高速薄層クロ
マトスキヤナー(島津製作所製CS−920型)で測
定した。 また、反応生成物の同定は、特に記さない限
り、標準品とのTLC上でのRf値の比較と各種試
薬に対する発色反応で行つた。反応系中の水分は
カールフイツシヤー法により測定した。 参考例 1 ホウレン草のホスホリパーゼDを前出の公知の
方法の一例、ケーツとサストリイ(M.Kates
and P.S.Sastry)の方法に従つて抽出した。 近在の農家から入手した新鮮なホウレン草(パ
レード種)を水洗後細断し、100gに水200mlを加
え、氷冷下で5分間ホモジナイズした。5重にし
たガーゼで濾過した濾液を4℃で2000×g、15分
間遠心分離し、上清210mlを得た。この上清を4
℃で水1に対し3回透析し、4℃で10000×g、
15分間遠心分離した上清195mlをホウレン草粗酵
素液として用いた。なお、この粗酵素液には検出
可能量のリン脂質は含まれていないことを確認し
た。 参考例 2 大豆PCおよびPEをパルダン(Von H.
Pardun)の方法〔Fette Seifen Anstrichmitte
86,(2)55−62(1984)〕により分離、分画した。 市販脱脂大豆レシチン粉末(PC24%、PE21
%、ホスフアチジルイノシトール14%、PA8%)
20gをイソプロパノール−メタノール−水(50:
45:5)100mlに分散し、40℃で加熱撹拌し溶解
した。撹拌しながら20℃まで冷却し、20℃に1時
間保つた。不溶物を20℃に保つたまま遠心分離ま
たはガラスフイルターで減圧濾過した。集めた上
清を減圧下で乾固し、PCおよびPE濃縮物
(PC68%、PE17%、PA7%、PSは含まない)9.7
gを得た。 参考例 3 卵黄レシチンから常法によりPCを精製した。 市販卵黄レシチン(PC67%、PE19%、PA8
%、リゾPC3%)10gをシリカゲルカラム(径
3.8cm×60cm)を用いて分画した。溶出溶媒とし
てクロロホルム−メタノール(5:1)1.5、
クロロホルム−メタノール(3:1)3を流
し、PCを多く含む画分を集め、減圧乾固してPC
(PC97%)4.3gを得た。 参考例 4 精製卵黄PCを多孔質ガラスに担持させた。 参考例3で得た精製卵黄PC500mgを100mlのn
−ヘキサンに溶かし、直径0.5mm以下に砕いた多
孔質ガラス5gに含浸させた後、n−ヘキサンを
減圧乾固して担持させた。 参考例 5 牛脳からリーズ(M.Lees)の方法〔“Methods
in Enzymology”(S.P.Colowick and N.O.
Kaplan ed.),vol.3,pp328,Achademic
Press,New York(1957)〕により粗セフアリン
を抽出し、DEAE−セルロースカラムクロマトグ
ラフイーで精製した。 近在の屠殺場で入手した新鮮な牛脳の脳膜およ
び血管を取り除いたもの300gを1.2のアセトン
中でホモジナイズし、抽出した。濾過残渣をもう
一度1.2のアセトンで抽出する。濾過残渣を1.2
のエタノールで抽出する。濾過残渣を同様にし
て1.2の石油エーテルで2回抽出し、抽出液を
集めて減圧乾固し、粗セフアリン画分3.9gを得
た。 このものをクロロホルムに溶解し、酢酸型に調
製したDEAE−セルロースカラム(ワツトマン社
製DE32、径2.5cm×20cm)を用いて分画した。ク
ロロホルム−メタノール(1:4)1でカラム
を洗浄後、酢酸750mlで溶出した画分を集めた。
酢酸溶出画分に等容のクロロホルムを加え、2倍
容の水で4回洗浄した。クロロホルム層を減圧乾
固し、PS(PS98%)0.8gを得た。 参考例 6 市販ケイ藻土を水および溶剤で洗浄し精製し
た。 No.503セライト(ジヨンズ・マンビル・セイル
ズ社製、商品名)100gを2の水に懸濁し洗浄
すると同時にデカンテーシヨンにより微粒子を除
去した。同様にして更に水で2回、メタノールで
1回、クロロホルムで1回洗浄し、最後にアセト
ン500mlに懸濁したものを減圧濾過した。風乾後
120℃で5時間乾燥し、精製セライト74gを得た。 実施例 1 L−セリン50g、キヤベツホスホリパーゼD
(ベーリンガー・マンハイム社製)0.5g、塩化カ
ルシウム・二水塩0.25gを500mlの5mM酢酸緩
衝液PH5.6に溶かし、特級活性炭(和光純薬(株)製)
40gを加え、室温で30分間撹拌した。濾別後、8
時間凍結乾燥し、酵素、受容体その他を吸着させ
た活性炭53.7gを得た。 参考例2で得た大豆PCおよびPE濃縮物8gを
500mlのジエチルエーテルに溶かし、酵素、受容
体その他を吸着させた活性炭53.5gを加え分散さ
せた。密閉容器中で37℃に保温し、17時間
500rpmで撹拌して反応させた。反応系中の水分
は0.1重量%であつた。 反応溶媒を濾過により回収し、活性炭は200ml
のクロロホルムで3回洗つた。反応溶媒と洗液を
合わせて減圧乾固し、リン脂質混合物(PC8%、
PE8%、PA9%、PS72%)6.9gを得た。 このものをクロロホルムに溶かしてDEAE−セ
ルロースカラム(ワツトマン社製DE32、径3.8×
27cm)で分画した。カラムをクロロホルム−メタ
ノール(1:4)1.5で洗浄後、酢酸1.2で溶
出した画分から参考例5に示したと同様にして
PS(PS99%)3.4gを回収した。 実施例 2 塩酸でPH5.0に調整した1Mエタノールアミン水
溶液25mlと参考例1で調製したホウレン草粗酵素
液25mlの混合液に参考例6で得た精製セライト
2.5gを加え、室温で30分間撹拌した。濾別後少
量のジイソプロピルエーテルに懸濁し、カラム
(径1×3.5cm)に充填した。乾燥したジイソプロ
ピルエーテル2.5を流して過剰の水を吸収、除
去した後、市販卵黄レシチン(PC67%、PE19
%、PA8%、リゾPC3%)3gを溶かしたジイソ
プロピルエーテル20mlを定量ポンプを用いて流速
0.3〜0.5ml/分、30℃で6時間循環させ、反応さ
せた。反応系中の水分は0.9重量%であつた。 反応溶媒を回収し、カラムを10mlのクロロホル
ムで3回洗つた。反応溶媒と洗液を合わせて減圧
乾固し、リン脂質混合物(PC1%、PE85%、
PA10%、リゾPC2%)2.7gを得た。 このものをクロロホルムに溶かしてシリカゲル
カラム(径2.5×40cm)で分画した。クロロホル
ム−メタノール−水(65:25:2)2で溶出
し、PEを含む画分を集めて減圧乾固し、PE
(PE97%)1.6gを得た。 実施例 3 塩酸でPH5.5に調整した333mM1−アミノ−2
−プロパノール水溶液2mlにキヤベツホスホリパ
ーゼD(ベーリンガー・マンハイム社製)50mg、
塩化カルシウム・二水塩0.5mgを溶解し、参考例
6で得た精製セライト200mgを加え、15分間よく
振り混ぜた。12000×gで15分間遠心分離した沈
殿を6時間凍結乾燥し、酵素、受容体その他を吸
着させたセライト278mgを得た。 10mlのn−ヘキサン−アセトン(95:5)に参
考例4で得た精製卵黄PCを担持させた多孔質ガ
ラス600mg、および酵素、受容体その他を吸着さ
せたセライト276mgを懸濁、分散した。37℃で24
時間500rpmで撹拌し、反応させた。反応系中の
水分は0.1重量%であつた。 反応溶媒を濾過により回収し、担体は5mlのク
ロロホルムで3回洗つた。反応溶媒と洗液を合わ
せて減圧乾固し、リン脂質混合物42mgを得た。 このものにはPA4%が含まれるが、PCは検出
されず、残りの94%を占めるものはジツトマー試
薬にもニンヒドリン試薬にも陽性で、TLC上の
Rf値が標準PEときわめて近いことから、1−ア
ミノ−2−プロパノールにホスフアチジル基が導
入された目的リン脂質であると判定した。 実施例 4 参考例1で得たホウレン草粗酵素液を凍結乾燥
した粉末100mgと活性炭300mgとをよく混ぜ、グリ
セロール(水分3%)60mgを加えてよく練り混ぜ
た。このものを参考例5で得た牛脳PS50mgを溶
かした15mlのクロロホルム中に分散し、35℃で5
時間500rpmで撹拌し、反応させた。反応系中の
水分は0.5重量%であつた。 反応溶媒を濾過により回収し、活性炭は5mlの
クロロホルムで3回洗つた。反応溶媒と洗液を合
わせて減圧乾固し、リン脂質混合物(PS28%、
PA3%、PG67%)44mgを得た。 実施例 5 1−オルソメチルグルコシド600mg、ホスホリ
パーゼD(東洋醸造(株)製PLDP)12μgを5mlの5
mM酢酸緩衝液PH5.6に溶かし、活性炭1gに実
施例3と同様にして吸着させ、凍結乾燥した。 ジパルミトイルPC45mgを溶かしたクロロホル
ム−イソオクタン(1:1)15mlに酵素、受容体
等を吸着させた活性炭950mgを分散し、38℃で12
時間500rpmで撹拌して反応させた。反応系中の
水分は0.2重量%であつた。 実施例4と同様にしてリン脂質混合物48mgを得
た。 このものをNo.5745分取用TLCプレート(メル
ク社製)を用い、クロロホルム−メタノール−水
(120:70:5)を展開溶媒として分画、分取し、
未同定リン脂質29mgを得た。 このリン脂質をJMS−DX303型質量分析装置
(日本電子(株)製)を用い、下記条件にて分析した
ところ、陽イオン側の親ピークがm/e847、陰イ
オン側の親ピークがm/e823であつた。 測定条件 イオン化法 :FAB法 衝撃ガス :Xe 一次イオン加速電圧 :6kV フイラメント電流: 20mA 検出器 :コンバーシヨン・ダイノード 押し出し電圧 :15kV マトリクス:トリエタノールアミン(陽イオンの
場合塩化ナトリウム添加) データ処理 :JMA−DA5000 これらの値は1−オルソメチルグルコシドにホ
スフアチジル基が導入されたと仮定した分子量
(824)の各々ナトリウム塩(分子量824+23)お
よび陰イオン(分子量824−1)と一致したこと
から、目的リン脂質であると同定した。 実施例 6 トレハロース1gとホスホリパーゼD(東洋醸
造(株)製PLDP)10μgを5mlの水に溶かし、乾燥
した市販のビーズ状スチレン−ジビニルベンゼン
樹脂を加えて4℃で5時間撹拌し、含浸させた。
濾別後18時間凍結乾燥したものをジパルミトイル
PC45mgを溶かした乾燥したジクロロメタン20ml
中に分散させ、37℃で24時間、40rpmで回転浸盪
し、反応させた。反応系中の水は0.1重量%であ
つた。 反応溶媒を濾過により回収し、樹脂を20mlのジ
クロロメタン3回洗つた。反応溶媒と洗液とを合
わせて減圧乾固し、リン脂質混合物43mgを得た。 このものはPC38%、PA5%を含んでいたが、
54%を占めるリン脂質はジツトマー試薬とアンス
ロン試薬に陽性であることから、トレハロースに
ホスフアチジル基が導入された目的リン脂質であ
ると判定した。 更に、実施例5と同様にして一部をTLCで分
取し、質量分析を行つたところ、陽イオン側親ピ
ークm/e995、陰イオン側親ピークm/e971で、
計算分子量(972)の各々ナトリウム塩(分子量
972+23)、陰イオン(分子量972−1)と一致し
たことから、目的リン脂質であると同定した。 比較例 1 従来の反応系で、実施例1とできるだけ近い条
件で反応を行つた。 L−セリン200mM、塩化カルシウム40mM、
ホスホリパーゼD(ベーリンガー・マンハイム社
製)2.5mgを含むPH5.6の50mM酢酸緩衝液5ml
と、参考例2で得た大豆PCおよびPEの濃縮物40
mgを溶かしたジエチルエーテル5mlを37℃、
500rpmで撹拌した。 同一のもの5検体を平行して各1、2、4、
8、16時間反応させた。反応後、5mlのジエチル
エーテルで3回脂質を抽出し、リン脂質組成を分
析した。結果を第1表に示す。 【表】 比較例 2 従来の反応系で、実施例2とできるだけ近い条
件で反応を行つた。 塩酸でPH5.0に調整した1Mエタノールアミン水
溶液0.35mlと参考例1で得たホウレン草粗酵素液
0.375ml、水4.275ml、市販卵黄レシチン45mgを溶
かしたジイソプロピルエーテル5mlを30℃、
500rpmで撹拌した。 同一のもの4検体を平行して各1、2、4、6
時間反応させ、比較例1と同様にして分析した。 結果を第2表に示す。 【表】 比較例 3 従来の反応系で、実施例5とできるだけ近い条
件で反応を行つた。 1−オルソ−メチルグルコシド600mg、ホスホ
リパーゼD(東洋醸造(株)製PLDP)12μgを溶かし
たPH5.6の50mM酢酸緩衝液5mlとジパルミトイ
ルPC45mgを溶かしたクロロホルム−イソオクタ
ン(1:1)5mlを38℃、500rpmで撹拌し、反
応させた。 比較例1および2と同様にして経時的に分析し
たが、実施例5で認められた目的リン脂質に相当
するスポツトがTLC上に認められず、8時間反
応した時点で基質が完全に分解されたため、分析
を打ち切つた。 比較例 4 実施例1に準じた方法でキヤベツホスホリパー
ゼDのみを活性炭に吸着させて凍結乾燥した。上
記で得た活性炭吸着ホスホリパーゼDを用いて、
反応系中の水分を10重量%にした以外は比較例1
と同様にして反応させ、同様に分析した。結果を
第3表に示す。 【表】 各比較例の結果から明らかなように、反応系中
に水分が大量に存在すると、時間の経過と共に加
水分解が著しく進行し、PAの量が増大して、目
的物がほとんど得られないことがわかる。
し、特に、塩基構造が変換されたリン脂質を製造
する方法に関する。 (従来の技術) リン脂質は、単に乳化剤に用い得るのみならず
リポソームの基材として薬剤運搬体、人工血液、
人工細胞等への応用が近年注目されており、ま
た、それ自体生理活性・薬理作用を持つものとし
て、医学・薬学・工学的分野の様々な用途が考え
られている。このような多様な要求に対応するた
めに、各々の用途に応じた構造を有するリン脂質
を効率的に製造する方法を開発することは、産業
上非常に意義あることである。 酵素によるリン脂質の製造方法として、リン脂
質にホスホリパーゼDを任意の受容体の存在下に
作用させ、ホスフアチジル基転移反応を利用して
目的とする塩基を持つリン脂質を製造する技術は
公知である〔S.F.Yang,et al.,J.Biol.Chem.,
242,(3)477〜484(1967)〕:〔R.M.C.Dawson,
Biochem.J.,102,205〜210(1967)〕。 ホスホリパーゼDによるホスフアチジル基転移
反応を利用してリン脂質の塩基部分を交換しよう
とする場合、一般に水相と有機溶媒相との二相系
が用いられる。すなわち、主として水溶性である
酵素、受容体、PH緩衝液、無機塩等を含む水溶液
と、主として親油性である原料リン脂質を含む有
機溶媒相とを撹拌・混合する反応系である。前出
の技術をはじめ、その後の研究(K.Bruzik and
M.Tsai,Biochemistry23,(8)1656−1661(1984)
など〕においても広く用いられている。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、従来用いられていたこのような反応系
は、水溶性成分の溶媒としての多量の水の存在が
原因となり、ホスホリパーゼDが本質的に加水分
解活性を持つているために、副反応として加水分
解が起こり、ホスフアチジン酸(以下PAと略す)
を生成するという欠点を有している。 加水分解によるPAの生成は、反応後の目的リ
ン脂質の分離精製を困難にするばかりでなく、加
水分解反応によつても原料リン脂質が消費される
ため、糖や二級アルコール等の反応性の低い受容
体に対してホスフアチジル基を転移させようとす
る場合、その反応速度が加水分解の反応速度に対
して極端に低いために事実上目的生成物を得るこ
とができなかつた。 このような問題点は、ホスホリパーゼD自体が
本来加水分解酵素である以上、水が存在する限り
不可避である。 そこで、本発明者らは、反応系中の水分含量を
酵素が失活しない範囲で極限まで減少させること
によりこの問題を解決すべく、種々検討の結果、
従来水溶液として反応系に添加していた成分を、
担体に吸着あるいは担持せしめて添加する新規な
反応系を見出し、本発明に至つたものである。 (問題点を解決するための手段) 塩基構造が変換されたリン脂質を製造するにあ
たり、原料リン脂質と水酸基を有する受容体と
を、担体に吸着させたホスホリパーゼDに接触さ
せて、反応系中の水分含量が1重量%以下の状態
で有機溶媒中で反応させることを特徴とする酵素
によるリン脂質の製造方法である。 本発明において用いられる原料リン脂質として
は、ホスホリパーゼDの基質となり得るものであ
れば、天然から抽出したもの、または抽出後精製
したもの、あるいは合成したものを問わず使用で
きる。また、市販のものあるいは公知の方法で調
製したものを使用しても差し支えない。 例として脱脂大豆レシチン、卵黄レシチン、ホ
スフアチジルコリン(以下PCと略す)、ホスフア
チジルエタノールアミン(以下PEと略す)、ホス
フアチジルセリン(以下PSと略す)、ホスフアチ
ジルグリセロール(以下PGと略す)等またはそ
れらの混合物等があげられる。本発明の効果を最
大に発揮するためには、原料リン脂質として精製
したものないしは組成の単純なものを用いた方が
反応生成物の精製の面で都合が良い。また、原料
コストと入手の容易さ、酵素に対する反応性の面
から特にPC、PEまたはPSが工業的に効果が高
く好ましい。 反応は、原料リン脂質を溶解または懸濁する有
機溶媒の存在下で行うことが好ましく、酵素を失
活させることの少ない溶媒系であればいずれも使
用できる。例として、石油エーテル、ジエチルエ
ーテル、メチルエチルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩
化炭素、ジクロロエタン、n−ヘキサン、シクロ
ヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、酢酸エ
チル、ジオキサン、ベンゼン等の溶媒、またはこ
れらの混合溶媒系、またはこれらにアセトン、ア
セトニトリルなどの極性溶媒を配合した混合溶媒
系があげられる。ただしアルコール類は目的反応
の基質となるため、基質として添加する以外に用
いることはあまり好ましくない。 ホスホリパーゼDとしては、ホスフアチジル基
転移活性を有するものであれば、市販のものある
いは公知の方法で調製したものを問わず使用でき
る。例として、ベーリンガー・マンハイム社
(Boehringer Mannheim GmbH)製のキヤベツ
由来のホスホリパーゼD、東洋醸造(株)製の微生物
由来のホスホリパーゼD(PLDP)、公知の方法
〔一例としてケーツとサストリイ(M.Kates and
P.S.Sastry)の方法、“Methods in
Enzymology”(J.M.Lowenstein,ed.),vol.14,
pp197−203,Achademic Press,New York
(1969)〕により抽出し精製または部分精製した酵
素標品、または抽出した粗酵素があげられる。 受容体としては、コリン、メタノール、エタノ
ール、エタノールアミン、セリン、グリセロー
ル、グルコース等の従来ホスフアチジル基転移反
応の受容体として知られている化合物のみなら
ず、1−アミノ−2−プロパノール、1−オルソ
メチルグルコシド、トレハロースをはじめとする
従来ホスフアチジル基転移反応の受容体とはなら
ないとされていた糖類を含む一級または二級アル
コール構造を持つ化合物を用いることができる。 ホスホリパーゼDを吸着あるいは担持させる担
体の材質としては活性炭、活性白土、ケイ酸、シ
リカゲル、ケイ藻土、ゼオライト、アルミナ、多
孔質ガラス、陶器、磁器、樹脂などがあげられ、
形状としては粒径0.02〜0.5mm程度の粒状あるい
はビーズ状が好ましい。またこれらの担体は、原
料リン脂質および受容体を吸着あるいは担持させ
ることもできる。 ホスホリパーゼDおよび受容体を担体に吸着あ
るいは担持させる方法の例としては、該成分の水
溶液を担体と接触させ、ろ別後過剰の水を凍結乾
燥し、あるいはジエチルエーテルまたはクロロホ
ルム等の酵素を失活させない乾燥有機溶媒を繰り
返しまたは連続的に接触させることにより除去す
る方法、あるいは粉末状にした該成分と担体とを
混合したところへ微量の水を加えて更に混合する
方法などがある。 酵素、受容体その他の成分を吸着または担持さ
せた担体と、原料リン脂質を溶解または懸濁した
有機溶媒とを接触させる方法としては、容器中で
担体を溶媒系中に分散、懸濁し撹拌する方法、ま
たは担体をカラムなどに充填し溶媒系を循環させ
る方法などがある。 原料リン脂質を担体に吸着あるいは担持させる
方法の例としては、低極性有機溶媒に溶解した原
料リン脂質を担体と接触し吸着させた後、濾過に
より溶媒を除去する方法、あるいは原料リン脂質
を溶解した有機溶媒を担体に含浸させた後、溶媒
を溜去する方法などがある。 反応系全体の水分含量は、1%以下に抑えるこ
とにより加水分解反応が従来の反応系に比べて抑
制できるが、更に0.5%以下に抑えることが好ま
しい。特に、水分含量を0.2%以下に制御するこ
とにより従来の反応系では反応し得なかつた受容
体をも反応させることができ、本発明の効果が最
大に発揮される。 反応温度は用いる酵素の至適温度であればよ
く、通常30〜40℃の範囲である。ただし、用いる
溶媒が低沸点のものである場合等はこの限りでは
ない。 反応時間は0.5〜36時間で、好ましくは4〜24
時間である。 このようにして製造した任意の塩基を持つ目的
リン脂質は溶材分画、ケイ酸またはシリカゲルク
ロマトグラフイー、アルミナクロマトグラフイ
ー、DEAE−セルロースクロマトグラフイー等の
公知の手段を適宜用いることにより、容易に精製
することができる。 (発明の効果) 本発明は、反応系中の水分含量を酵素が失活し
ない範囲で極限まで減少させるため、本質的に非
水系の反応系を用いるので、従来の反応系で見ら
れたようなPAの大量の生成は抑制され、反応後
の目的リン脂質の分離精製が容易になり収率が向
上した。 更に、従来の反応系では得ることのできなかつ
た多くの種類の目的リン脂質をも製造することが
可能となつた。 (実施例) 以下、参考例、実施例、および比較例に基づい
て本発明を具体的に説明する。 なお、リン脂質の組成分析、純度検定は薄層ク
ロマトグラフイー(TLC)で行つた。TLC板
(メルク社製 No.5721)に脂質試料20〜100μgを
直径3〜5mmにスポツトし、クロロホルム−メタ
ノール−水(120:70:5)またはクロロホルム
−アセトン−酢酸−メタノール−水(50:20:
15:10:5)で展開した。検出にはジツトマー試
薬、50%硫酸、ニンヒドリン試薬またはアンスロ
ン試薬を目的に応じて使用した。定量的な測定に
はジツトマー試薬で発色したものを高速薄層クロ
マトスキヤナー(島津製作所製CS−920型)で測
定した。 また、反応生成物の同定は、特に記さない限
り、標準品とのTLC上でのRf値の比較と各種試
薬に対する発色反応で行つた。反応系中の水分は
カールフイツシヤー法により測定した。 参考例 1 ホウレン草のホスホリパーゼDを前出の公知の
方法の一例、ケーツとサストリイ(M.Kates
and P.S.Sastry)の方法に従つて抽出した。 近在の農家から入手した新鮮なホウレン草(パ
レード種)を水洗後細断し、100gに水200mlを加
え、氷冷下で5分間ホモジナイズした。5重にし
たガーゼで濾過した濾液を4℃で2000×g、15分
間遠心分離し、上清210mlを得た。この上清を4
℃で水1に対し3回透析し、4℃で10000×g、
15分間遠心分離した上清195mlをホウレン草粗酵
素液として用いた。なお、この粗酵素液には検出
可能量のリン脂質は含まれていないことを確認し
た。 参考例 2 大豆PCおよびPEをパルダン(Von H.
Pardun)の方法〔Fette Seifen Anstrichmitte
86,(2)55−62(1984)〕により分離、分画した。 市販脱脂大豆レシチン粉末(PC24%、PE21
%、ホスフアチジルイノシトール14%、PA8%)
20gをイソプロパノール−メタノール−水(50:
45:5)100mlに分散し、40℃で加熱撹拌し溶解
した。撹拌しながら20℃まで冷却し、20℃に1時
間保つた。不溶物を20℃に保つたまま遠心分離ま
たはガラスフイルターで減圧濾過した。集めた上
清を減圧下で乾固し、PCおよびPE濃縮物
(PC68%、PE17%、PA7%、PSは含まない)9.7
gを得た。 参考例 3 卵黄レシチンから常法によりPCを精製した。 市販卵黄レシチン(PC67%、PE19%、PA8
%、リゾPC3%)10gをシリカゲルカラム(径
3.8cm×60cm)を用いて分画した。溶出溶媒とし
てクロロホルム−メタノール(5:1)1.5、
クロロホルム−メタノール(3:1)3を流
し、PCを多く含む画分を集め、減圧乾固してPC
(PC97%)4.3gを得た。 参考例 4 精製卵黄PCを多孔質ガラスに担持させた。 参考例3で得た精製卵黄PC500mgを100mlのn
−ヘキサンに溶かし、直径0.5mm以下に砕いた多
孔質ガラス5gに含浸させた後、n−ヘキサンを
減圧乾固して担持させた。 参考例 5 牛脳からリーズ(M.Lees)の方法〔“Methods
in Enzymology”(S.P.Colowick and N.O.
Kaplan ed.),vol.3,pp328,Achademic
Press,New York(1957)〕により粗セフアリン
を抽出し、DEAE−セルロースカラムクロマトグ
ラフイーで精製した。 近在の屠殺場で入手した新鮮な牛脳の脳膜およ
び血管を取り除いたもの300gを1.2のアセトン
中でホモジナイズし、抽出した。濾過残渣をもう
一度1.2のアセトンで抽出する。濾過残渣を1.2
のエタノールで抽出する。濾過残渣を同様にし
て1.2の石油エーテルで2回抽出し、抽出液を
集めて減圧乾固し、粗セフアリン画分3.9gを得
た。 このものをクロロホルムに溶解し、酢酸型に調
製したDEAE−セルロースカラム(ワツトマン社
製DE32、径2.5cm×20cm)を用いて分画した。ク
ロロホルム−メタノール(1:4)1でカラム
を洗浄後、酢酸750mlで溶出した画分を集めた。
酢酸溶出画分に等容のクロロホルムを加え、2倍
容の水で4回洗浄した。クロロホルム層を減圧乾
固し、PS(PS98%)0.8gを得た。 参考例 6 市販ケイ藻土を水および溶剤で洗浄し精製し
た。 No.503セライト(ジヨンズ・マンビル・セイル
ズ社製、商品名)100gを2の水に懸濁し洗浄
すると同時にデカンテーシヨンにより微粒子を除
去した。同様にして更に水で2回、メタノールで
1回、クロロホルムで1回洗浄し、最後にアセト
ン500mlに懸濁したものを減圧濾過した。風乾後
120℃で5時間乾燥し、精製セライト74gを得た。 実施例 1 L−セリン50g、キヤベツホスホリパーゼD
(ベーリンガー・マンハイム社製)0.5g、塩化カ
ルシウム・二水塩0.25gを500mlの5mM酢酸緩
衝液PH5.6に溶かし、特級活性炭(和光純薬(株)製)
40gを加え、室温で30分間撹拌した。濾別後、8
時間凍結乾燥し、酵素、受容体その他を吸着させ
た活性炭53.7gを得た。 参考例2で得た大豆PCおよびPE濃縮物8gを
500mlのジエチルエーテルに溶かし、酵素、受容
体その他を吸着させた活性炭53.5gを加え分散さ
せた。密閉容器中で37℃に保温し、17時間
500rpmで撹拌して反応させた。反応系中の水分
は0.1重量%であつた。 反応溶媒を濾過により回収し、活性炭は200ml
のクロロホルムで3回洗つた。反応溶媒と洗液を
合わせて減圧乾固し、リン脂質混合物(PC8%、
PE8%、PA9%、PS72%)6.9gを得た。 このものをクロロホルムに溶かしてDEAE−セ
ルロースカラム(ワツトマン社製DE32、径3.8×
27cm)で分画した。カラムをクロロホルム−メタ
ノール(1:4)1.5で洗浄後、酢酸1.2で溶
出した画分から参考例5に示したと同様にして
PS(PS99%)3.4gを回収した。 実施例 2 塩酸でPH5.0に調整した1Mエタノールアミン水
溶液25mlと参考例1で調製したホウレン草粗酵素
液25mlの混合液に参考例6で得た精製セライト
2.5gを加え、室温で30分間撹拌した。濾別後少
量のジイソプロピルエーテルに懸濁し、カラム
(径1×3.5cm)に充填した。乾燥したジイソプロ
ピルエーテル2.5を流して過剰の水を吸収、除
去した後、市販卵黄レシチン(PC67%、PE19
%、PA8%、リゾPC3%)3gを溶かしたジイソ
プロピルエーテル20mlを定量ポンプを用いて流速
0.3〜0.5ml/分、30℃で6時間循環させ、反応さ
せた。反応系中の水分は0.9重量%であつた。 反応溶媒を回収し、カラムを10mlのクロロホル
ムで3回洗つた。反応溶媒と洗液を合わせて減圧
乾固し、リン脂質混合物(PC1%、PE85%、
PA10%、リゾPC2%)2.7gを得た。 このものをクロロホルムに溶かしてシリカゲル
カラム(径2.5×40cm)で分画した。クロロホル
ム−メタノール−水(65:25:2)2で溶出
し、PEを含む画分を集めて減圧乾固し、PE
(PE97%)1.6gを得た。 実施例 3 塩酸でPH5.5に調整した333mM1−アミノ−2
−プロパノール水溶液2mlにキヤベツホスホリパ
ーゼD(ベーリンガー・マンハイム社製)50mg、
塩化カルシウム・二水塩0.5mgを溶解し、参考例
6で得た精製セライト200mgを加え、15分間よく
振り混ぜた。12000×gで15分間遠心分離した沈
殿を6時間凍結乾燥し、酵素、受容体その他を吸
着させたセライト278mgを得た。 10mlのn−ヘキサン−アセトン(95:5)に参
考例4で得た精製卵黄PCを担持させた多孔質ガ
ラス600mg、および酵素、受容体その他を吸着さ
せたセライト276mgを懸濁、分散した。37℃で24
時間500rpmで撹拌し、反応させた。反応系中の
水分は0.1重量%であつた。 反応溶媒を濾過により回収し、担体は5mlのク
ロロホルムで3回洗つた。反応溶媒と洗液を合わ
せて減圧乾固し、リン脂質混合物42mgを得た。 このものにはPA4%が含まれるが、PCは検出
されず、残りの94%を占めるものはジツトマー試
薬にもニンヒドリン試薬にも陽性で、TLC上の
Rf値が標準PEときわめて近いことから、1−ア
ミノ−2−プロパノールにホスフアチジル基が導
入された目的リン脂質であると判定した。 実施例 4 参考例1で得たホウレン草粗酵素液を凍結乾燥
した粉末100mgと活性炭300mgとをよく混ぜ、グリ
セロール(水分3%)60mgを加えてよく練り混ぜ
た。このものを参考例5で得た牛脳PS50mgを溶
かした15mlのクロロホルム中に分散し、35℃で5
時間500rpmで撹拌し、反応させた。反応系中の
水分は0.5重量%であつた。 反応溶媒を濾過により回収し、活性炭は5mlの
クロロホルムで3回洗つた。反応溶媒と洗液を合
わせて減圧乾固し、リン脂質混合物(PS28%、
PA3%、PG67%)44mgを得た。 実施例 5 1−オルソメチルグルコシド600mg、ホスホリ
パーゼD(東洋醸造(株)製PLDP)12μgを5mlの5
mM酢酸緩衝液PH5.6に溶かし、活性炭1gに実
施例3と同様にして吸着させ、凍結乾燥した。 ジパルミトイルPC45mgを溶かしたクロロホル
ム−イソオクタン(1:1)15mlに酵素、受容体
等を吸着させた活性炭950mgを分散し、38℃で12
時間500rpmで撹拌して反応させた。反応系中の
水分は0.2重量%であつた。 実施例4と同様にしてリン脂質混合物48mgを得
た。 このものをNo.5745分取用TLCプレート(メル
ク社製)を用い、クロロホルム−メタノール−水
(120:70:5)を展開溶媒として分画、分取し、
未同定リン脂質29mgを得た。 このリン脂質をJMS−DX303型質量分析装置
(日本電子(株)製)を用い、下記条件にて分析した
ところ、陽イオン側の親ピークがm/e847、陰イ
オン側の親ピークがm/e823であつた。 測定条件 イオン化法 :FAB法 衝撃ガス :Xe 一次イオン加速電圧 :6kV フイラメント電流: 20mA 検出器 :コンバーシヨン・ダイノード 押し出し電圧 :15kV マトリクス:トリエタノールアミン(陽イオンの
場合塩化ナトリウム添加) データ処理 :JMA−DA5000 これらの値は1−オルソメチルグルコシドにホ
スフアチジル基が導入されたと仮定した分子量
(824)の各々ナトリウム塩(分子量824+23)お
よび陰イオン(分子量824−1)と一致したこと
から、目的リン脂質であると同定した。 実施例 6 トレハロース1gとホスホリパーゼD(東洋醸
造(株)製PLDP)10μgを5mlの水に溶かし、乾燥
した市販のビーズ状スチレン−ジビニルベンゼン
樹脂を加えて4℃で5時間撹拌し、含浸させた。
濾別後18時間凍結乾燥したものをジパルミトイル
PC45mgを溶かした乾燥したジクロロメタン20ml
中に分散させ、37℃で24時間、40rpmで回転浸盪
し、反応させた。反応系中の水は0.1重量%であ
つた。 反応溶媒を濾過により回収し、樹脂を20mlのジ
クロロメタン3回洗つた。反応溶媒と洗液とを合
わせて減圧乾固し、リン脂質混合物43mgを得た。 このものはPC38%、PA5%を含んでいたが、
54%を占めるリン脂質はジツトマー試薬とアンス
ロン試薬に陽性であることから、トレハロースに
ホスフアチジル基が導入された目的リン脂質であ
ると判定した。 更に、実施例5と同様にして一部をTLCで分
取し、質量分析を行つたところ、陽イオン側親ピ
ークm/e995、陰イオン側親ピークm/e971で、
計算分子量(972)の各々ナトリウム塩(分子量
972+23)、陰イオン(分子量972−1)と一致し
たことから、目的リン脂質であると同定した。 比較例 1 従来の反応系で、実施例1とできるだけ近い条
件で反応を行つた。 L−セリン200mM、塩化カルシウム40mM、
ホスホリパーゼD(ベーリンガー・マンハイム社
製)2.5mgを含むPH5.6の50mM酢酸緩衝液5ml
と、参考例2で得た大豆PCおよびPEの濃縮物40
mgを溶かしたジエチルエーテル5mlを37℃、
500rpmで撹拌した。 同一のもの5検体を平行して各1、2、4、
8、16時間反応させた。反応後、5mlのジエチル
エーテルで3回脂質を抽出し、リン脂質組成を分
析した。結果を第1表に示す。 【表】 比較例 2 従来の反応系で、実施例2とできるだけ近い条
件で反応を行つた。 塩酸でPH5.0に調整した1Mエタノールアミン水
溶液0.35mlと参考例1で得たホウレン草粗酵素液
0.375ml、水4.275ml、市販卵黄レシチン45mgを溶
かしたジイソプロピルエーテル5mlを30℃、
500rpmで撹拌した。 同一のもの4検体を平行して各1、2、4、6
時間反応させ、比較例1と同様にして分析した。 結果を第2表に示す。 【表】 比較例 3 従来の反応系で、実施例5とできるだけ近い条
件で反応を行つた。 1−オルソ−メチルグルコシド600mg、ホスホ
リパーゼD(東洋醸造(株)製PLDP)12μgを溶かし
たPH5.6の50mM酢酸緩衝液5mlとジパルミトイ
ルPC45mgを溶かしたクロロホルム−イソオクタ
ン(1:1)5mlを38℃、500rpmで撹拌し、反
応させた。 比較例1および2と同様にして経時的に分析し
たが、実施例5で認められた目的リン脂質に相当
するスポツトがTLC上に認められず、8時間反
応した時点で基質が完全に分解されたため、分析
を打ち切つた。 比較例 4 実施例1に準じた方法でキヤベツホスホリパー
ゼDのみを活性炭に吸着させて凍結乾燥した。上
記で得た活性炭吸着ホスホリパーゼDを用いて、
反応系中の水分を10重量%にした以外は比較例1
と同様にして反応させ、同様に分析した。結果を
第3表に示す。 【表】 各比較例の結果から明らかなように、反応系中
に水分が大量に存在すると、時間の経過と共に加
水分解が著しく進行し、PAの量が増大して、目
的物がほとんど得られないことがわかる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 塩基構造が変換されたリン脂質を製造するに
あたり、原料リン脂質と水酸基を有する受容体と
を、担体に吸着させたホスホリパーゼDに接触さ
せて、反応系中の水分含量が1重量%以下の状態
で有機溶媒中で反応させることを特徴とする酵素
によるリン脂質の製造方法。 2 受容体およびホスホリパーゼDを吸着させた
担体とを混合し反応させる特許請求の範囲第1項
記載の製造方法。 3 原料リン脂質を吸着させた担体と、受容体お
よびホスホリパーゼDを吸着させた担体とを混合
し反応させる特許請求の範囲第1項記載の製造方
法。 4 担体が活性炭、活性白土、ケイ酸、シリカゲ
ル、ケイ藻土、ゼオライト、アルミナ、多孔質ガ
ラス、陶器、磁器、または樹脂である特許請求の
範囲第1、2または3項記載の製造方法。 5 受容体が、セリン、エタノールアミン、1−
アミノ−2−プロパノール、1−オルソメチル−
グルコシド、トレハロースのいずれかである特許
請求の範囲第1、2、3または4項記載の製造方
法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP18002486A JPS6336791A (ja) | 1986-08-01 | 1986-08-01 | 酵素によるリン脂質の製造方法 |
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|---|---|---|---|
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|---|---|
| JPS6336791A JPS6336791A (ja) | 1988-02-17 |
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| JP18002486A Granted JPS6336791A (ja) | 1986-08-01 | 1986-08-01 | 酵素によるリン脂質の製造方法 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6336791A (ja) |
Families Citing this family (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| KR101122388B1 (ko) * | 2009-05-23 | 2012-03-23 | 주식회사 고센바이오텍 | 배추 포스포리파아제 d에 의한 난황 인지질로부터 포스파티딜세린의 생합성 방법 |
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| JPS59187787A (ja) * | 1983-04-11 | 1984-10-24 | Meito Sangyo Kk | 酵素法スフインゴリン脂質誘導体の製法 |
-
1986
- 1986-08-01 JP JP18002486A patent/JPS6336791A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
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