JPH037158B2 - - Google Patents

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JPH037158B2
JPH037158B2 JP58021984A JP2198483A JPH037158B2 JP H037158 B2 JPH037158 B2 JP H037158B2 JP 58021984 A JP58021984 A JP 58021984A JP 2198483 A JP2198483 A JP 2198483A JP H037158 B2 JPH037158 B2 JP H037158B2
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Japan
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sheet
electromagnetic wave
shielding material
wave shielding
weight
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JP58021984A
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Teruo Hosokawa
Masashi Furuide
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Description

【発明の詳細な説明】
〔〕 発明の目的 本発明は少なくとも二層のシートからなる電磁
波遮蔽材の製造方法に関する。さらにくわしく
は、(A)少なくとも熱可塑性樹脂を有するシートな
らびに(B)(1)熱可塑性樹脂および(2)導電性カーボン
ブラツクなどの導電性物質の粉末状物、繊維状物
および/またはフレーク状物を少なくとも含有す
るシートからなる電磁波遮蔽材の製造方法であ
り、該電磁波遮蔽材の製造に使われるシートの熱
変形温度差は多くとも27℃であり、これらのシー
トをスタンピング成形することを特徴とする電磁
波遮蔽材の製造方法に関するものであり、金属製
のものに比べて軽量であり、さらに電磁波の遮蔽
性が大であるばかりでなく、製造中あるいは製造
後、収縮から生じる剥離のない電磁波遮蔽材を提
供することを目的とするものである。 〔〕 発明の背景 産業の高度化および家庭生活の高水準化によつ
て電磁波の放射源が増大している。そのため、電
磁波の漏洩により、人体への危険な害および電子
機器関係におけるICの誤動作などの悪影響があ
り、社会的に重大な問題となつている。特に、電
子計算機、各種事務処理機器から放射される電磁
波がテレビ、音響機器に障害を与えている。 また、自動車の分野においても、エンジンをは
じめ、各種機器の自動制御装置、さらには速度
計、回転計などに電子機器が使用されるようにな
つている。さらに、マイクロ・コンピユーターを
搭載するに至つている。また、電話、ラジオ、テ
レビなどの電子機器が自動車内に設置し、居住性
を改善されてきている。これらの各種電子機器は
エンジン部分から放出される電磁波、さらには外
部からの電磁波によつて誤動作が生じるなどの障
害が発生している。 これらのことから、近年、電磁波の遮蔽とし
て、各種の方法が採用されている。 一般に、金属は電磁波を吸収または反射する性
質を有しているため、電子レンジ、種々の通信機
器の電磁波の遮蔽材として用いられて効果を発揮
している。また、同じ目的のためにプラスチツク
に金属の容射、蒸着、塗装、メツキなどを施すこ
とも行なわれている。さらに、プラスチツクにカ
ーボン粉末および金属粉末のごとき添加剤を比較
的多量に混入することによつて得られる材料も使
用されている。 しかし、材料として金属を使用する方法または
プラスチツクに金属の溶射などの処理を施す方法
は、比重が大きいこと、加工性が劣ることおよび
処理方法が容易でなく、処理費用がかかることな
どにおいて欠点がある。 また、添加剤を混入する方法については、この
添加剤を少量混入すれば、その効果を十分に発揮
することができない。一方、多量に混入すれば、
効果を発揮することができるが、得られる成形物
の機械的強度が大幅に低下すると云う欠点があ
る。 以上のことから、熱可塑性樹脂またはその組成
物を使用して射出成形法で電磁波遮蔽剤を製造す
ることが考えられる。この射出成形法のうち、二
色成形法またはストラクチヤーフオームのごとき
方法にて成形物の片側あるいはコア層(中心部
分)に導電性を有する熱可塑性樹脂または組成物
を用いて電磁波を遮蔽することが行なわれてい
る。これらの方法では、導電性物質の含有量を多
くする必要があるために組成物の流動性が悪く、
成形物がシヨートシヨツトになり易い。かりに、
適性な流動性を有している組成物であつても、添
加されている導電性物質の形状がフレーク状物、
長繊維状物のものでは、組成物全体として流動性
が均一性を持せられないため、高速、高圧の射出
成形では導電性物質が均一に分散せず、偏存しや
すい。そのために機能を充分発揮することができ
ず、それを補う目的な肉厚な形状によつて効果を
発揮させようとするため経済的とは云えない。さ
らに、ストラクチヤーフオームのごとき方法で
は、金型、成形機の設備規模が大きいにもかかわ
らず、一般に電磁波遮蔽剤としは、モデルチエン
ジなどによりその市場規模は小さく、コスト的に
引き合わないために対象物品が限定されやすい。 〔〕 発明の構成 以上のことから、本発明者らは、電磁波の遮蔽
性が大であり、製造中あるいは製造後、収縮から
生じる剥離のない電磁遮蔽剤を得ることについて
種々探索した結果、 (A) 少なくとも熱可塑性樹脂を有するシート〔以
下「シートA」と云う〕 ならびに (B)(1) 熱可塑性樹脂 および (2) 導電性カーボンブラツク、アルミニウム、
銀、銅およびフエライトからなる群からえら
ばれた少なくとも一種の導電性物質の粉末状
物、繊維状物および/またはフレーク状物 を少なくとも含有するシート〔以下「シート
B」と云う〕 からなる電磁波遮蔽材の製造方法であり、該電磁
遮蔽材の製造に使われるシートの熱変形温度差は
多くとも27℃であり、これらのシートをスタンピ
ング成形することを特徴とする電磁遮蔽材の製造
方法が、 電磁波の遮蔽性が大であり、製造中あるいは製造
後、収縮から生じる剥離のない電磁波遮蔽材を製
造することができることを見出し、本発明に到達
した。 〔〕 発明の効果および用途 本発明によつて得られる電磁波遮蔽材はその製
造方法も含めて下記のごとき効果を発揮する。 (1) 本発明の製造方法によれば、一般に行なわれ
ている射出成形法に比べて前記導電性物質が均
一に分散した電磁波遮蔽を得ることが可能であ
る。 (2) 導電性物質が均一に分散しているため、電磁
波遮の機能を低下することなく製品の厚みを薄
肉化することができる。 (3) 前記したごとく、導電性物質を含有するシー
は厚みが薄くても充分電磁波遮蔽性を発揮する
ために導電性物質を含まないシートを肉厚にし
て外観および機械的強度を充分に保持させるこ
とが可能である。したがつて、これらの特性を
充分に発揮するばかりでなく成形性についても
良好な材料を選択する範囲を広く取ることがで
き、かつ電磁遮蔽性能の高い電磁波遮蔽材を製
造することができる。 (4) 電磁波遮蔽性能および機械的強度が同じ程度
である電磁遮蔽材を製造するには、他の方法に
よつて得られるものに比べて肉薄化することが
できるため、電磁波遮蔽材全体として軽量化す
ることが可能であり、したがつて経済的であ
る。 (5) 成形性がすぐれているため、任意の形状に加
工や成形が容易である。 (6) 電磁波遮蔽処理(たとえば、金属の溶射、導
電塗装、メツキなど)に要する二次加工費が不
要となり、大幅なコストダウンになる。 (7) 電磁波遮蔽材の表面層として導電性物質を含
まないシートを用いることにより、電磁波遮蔽
材として絶緑化することができるため、下記に
示される用途に使用するさいに好都合である。 本発明によつて得られる電磁波遮蔽材は、電磁
波の遮蔽性能がすぐれているのみならず、上記の
ごとき良好な効果を有するために多方面にわたつ
て利用することができる。代表的な用途を下記に
示す。 (1) フアクシミリー、プリンター、ワードプロセ
ツサなどの事務機器のハウジング材 (2) オフインコンピユーター、大型コンピユータ
ーおよびマイコンのごときコンピユーター類の
ハウジング材ならびに構造材 (3) テレビ、ヒデア、エアコン、ミシンなどの民
生家電ならびに通信機器類、各種計測機器、医
療用機器などの電子機器のハウジング材 (4) 自動車の各計器の保護ケース (5) 自動車の各コントロール機器のハウジング (6) 自動車、家庭電器、OA機器内の電線の配線
カバー(たとえば、フアーネスチユーブ) (7) 工業用分野としてのNC工作機器、産業用ロ
ボツトなどの制御機器のハウジング材 〔〕 発明の具体的説明 (A) 熱可塑性樹脂 本発明のシートAおよびシートBを製造する
ために使われる熱可塑性樹脂は広く工業的に生
産され、多方面にわたつて利用されているもの
であり、それらの製造方法および種々の物性に
ついてよく知られているものである。それらの
分子量は種類によつて異なるが、一般には一万
ないし100万である。この熱可塑性樹脂の代表
的なものとは、エチレン、プロピレン、塩化ビ
ニルおよびスチレンのごとき二重結合を有する
モノマーの単独重合体、これらを主成分(50重
量%以上)とする共重合体、スチレンとアクリ
ロニトリルとの共重合体(AS樹脂)メチルメ
タクリレートを主成分とする樹脂(MMA樹
脂)プタジエン単独重合ゴム、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、スチレン
−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリルゴ
ム、エチレン−プロピレン共重合ゴム
(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元
共重合ゴム(EPDM)および塩素化ポリエチ
レンのごときゴムにスチレン単独またはスチレ
ンと他のビニル化合物(たとえば、アクリロニ
トリル、メチルメタクリレート)とをグラフト
共重合することによつて得られるグラフト共重
合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリフエニレンエーテル樹脂ならびにポリカー
ボネート樹脂があげられる。さらに、これらの
熱可塑性樹脂に少なくとも一個の二重結合を有
する有機化合物(たとえば、不飽和カルボン
酸、その無水物)をグラフトなどによつて変性
された樹脂であつても、電磁波遮蔽性の性質を
そこなわず、かつ加工性についてもすぐれたも
のでも用いることができる。また、電磁波遮蔽
材が特に耐衝撃性を要望される場合には、相溶
性が良好であり、かつ加工性もすぐれていれ
ば、前記のグラフト共重合樹脂の製造に使用さ
れるゴムを配合してもよい。このさい、熱可塑
性樹脂とゴムとの合計量中に占めるゴムの配合
割合は通常多くとも30重量%(好ましくは、20
重量%以下)である。 (B) 導電性物質 また、本発明において用いられる導電性物質
は導電性カーボンブラツク、アルミニウム、
銀、銅およびフエライトからなる群からえらば
れる。これらの導電性物質のうち、導電性カー
ボンブラツク、アルミニウム、銅およびフエラ
イトか望ましく、殊に導電性カーボンブラツ
ク、アルミニウムが好ましい。特に、導電性カ
ーボンブラツクおよびアルミニウムが好適であ
る。 また、これらの導電性物質の形状は粉末状
物、繊維状物およびフレーク状物であり、これ
らのうち、粉末状物では、その平均の大きさは
一般には250メツシユないし20メツシユである。
また、繊維状物としては、その直径は一般には
0.0020〜0.20mmであり、長さが10mm以下のもの
が加工し易いため望ましい。さらに、フレーク
状物としては、断面積が0.1×0.1mmから5×5
mmを有する円形、正方形、長方形、四角形など
の任意の形状のものを用いることができるが、
とりわけその厚さが0.1mm以下のものが望まし
い。なかでも、約1×1mmの断面積をもつ四角
形状で厚さが約0.03mmのものが分散性が良好で
ある。導電性物質のフレーク状物は熱可塑性樹
脂内での分散性がよく、繊維状物のようにそれ
自体でからまつて玉状物を形成することがな
い。また、成形時に熱可塑性樹脂の流れ方向に
沿つて配合する傾向が強く、同一混合量では導
電性が良いばかりか、曲げ弾性率などを向上さ
せる。とりわけ、1mm×1mmの表面積をもつフ
レーク状物は分散性の点から最つとも好まし
い。これらの粉末状物、繊維状物またはフレー
ク状物は単独で使用してもよいが、二種以上を
併用することによつて本発明の目的を達成する
ために少ない混合率で効果を発揮することがで
きるため好適である。 また、本発明において用いられる導電性カー
ボンブラツクとしては、一般にはその比表面積
が低温窒素吸着法およびBET法で測定して20
〜1800m2/gおよび細孔容積が細孔半径30〜
7500〓の範囲において水銀圧入法で測定して
1.5〜4.0c.c./gであり、特に比表面積が600〜
1200m2/gのものが有効である。 該カーボンブラツクとしては、チヤネルブラ
ツク、アセチレンブラツクおよびフアーネスブ
ラツク法によつて製造されるカーボンブラツク
があげられる。これらのカーボンブラツクにつ
いては、カーボンブラツク協会編“カーボンブ
ラツク便覧”(図書出版社、昭和47年発行)、ラ
バーダイジエスト社編“便覧、ゴム・プラスチ
ツク配合薬品”(ラバーダイジエスト社、昭和
49年発行)、前記“合成ゴムハンドブツク”な
どによつてそれらの製造方法および物性などが
良く知られているものである。 さらに、アルミニウムおよび銅ではそれらの
みの金属として使用してもよいが、それらを少
なくとも80重量%含有する合金を用いてもよ
い。 (C) その他の配合成分 本発明のシートAは熱可塑性樹脂単独で成形
することによつて得られる。また、シートBは
熱可塑性樹脂および導電性物質からなる組成物
を成形することによつて得られる。本発明によ
つて得られる電磁波遮蔽材は主として自動車工
業、家庭電器工業および電算機工業の分野に使
用され、これらの分野においては、難燃性であ
る部品、ハウジング材などが要望されている。
そのために後記のハロゲン含有有機化合物およ
び酸化アンチモンを配合させることによつて難
燃性のすぐれた(UL94法にて、1/8インチでV
−Q)電磁波遮蔽材を製造することができる
が、シートBの製造において導電性カーボンブ
ラツクを使用する場合、これらの難燃化剤のほ
かに、さらに後記の含水無機物質を配合するこ
とが望ましい。 (1) ハロゲン含有有機化合物 これらの難燃化剤のうち、ハロゲン含有有
機化合物は難燃化剤として広く知られている
ものである。その代表例として、無水テトラ
クロロフタル酸、塩素化パラフイン、塩素化
ビスフエーノールA、臭素化ビスフエノール
S、塩素化ジフエール、臭素化ジフエニー
ル、塩素化ナフタリン、トリス(β−クロロ
エチル)ホスフエートおよびトリス(ジプロ
モブチル)ホスフエートがあげられる。該ハ
ロゲン含有有機化合物のハロゲン含有量は一
般には20〜90重量%であり、30〜90重量%が
好ましく、特に40〜85重量%のものが好適で
ある。該ハロゲン含有有機化合物は室温(20
℃)では液体または固体であるが、分解開始
温度または沸点が200℃以上のものが望まし
い。さらに、分子量は通常300〜5000であり、
とりわけ300〜4000のものが好適である。 (2) 酸化アンチモン さらに、酸化アンチモンは前記ハロゲン含
有有機物の難燃化助剤として一般に用いられ
ているものである。代表例としては、三酸化
アンチモンおよび五酸化アンチモンがあげら
れる。 これらのハロゲン含有有機化合物および酸
化アンチモンは前記“便覧、ゴム・プラスチ
ツク配合薬品”などによつてよく知られてい
るものである。 (3) 含水無機物質 また、含水無機物質は、結合水量を10〜80
重量%含有するものであり、真比重は1.0〜
5.0である。含水無機物質の代表例は周期律
表のA族、B族およびB族の金属およ
びそれらの金属を含む塩の水和物である。該
含水無機物質としては、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム
(Al2O3・nH2O)、水和石膏、カホリンクレ
ー、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイト、
塩基性炭酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウ
ム、沈降性硫酸バリウムなどのように分子内
に水分を有する化合物があげられる。これら
の含水無機物質は水に対して難溶性であり、
100c.c.の水に対する溶解度は20℃の温度にお
いて、一般には10g以下であり、1g以下が
望ましく、とりわけ0.1g以下が好適である。
好適な含水無機物質としては、水酸化アルミ
ニウム、水和石膏、水酸化マグネシウム、炭
酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、沈
降性硫酸マグネシウムおよびケイ酸マグネシ
ウム(MgO・SiO2)があげられる。これら
の含水無機物質については、ラバーダイジエ
スト社編“便覧、ゴム・プラスチツク配合薬
品”(ラバーダイジエスト社、昭和49年発行)
第221頁ないし第253頁などによつて、それら
の製造方法、物性および商品名などが記載さ
れており、よく知られているものである。 これらの酸化アンチモンおよび含水無機物
質の平均粒径は通常0.1〜100ミクロンであ
り、0.2〜50ミクロンのものが望ましく、と
りわけ0.3〜40ミクロンのものが好適である。 さらに、その他の配合成分としてそれぞれ
の熱可性樹脂の分野において一般に用いられ
ている酸素、光(紫外線)および熱に対する
安定剤、金属劣化防止剤、可塑剤、充填剤、
滑剤ならびに加工性改良剤を配合(添加)し
てもよい。 (D) 配合割合 本発明のシートBにおいて熱可塑性樹脂と導
電性物質との合計量中に占める導電性物質の配
合割合は通常10〜60容量%であり、10〜50容量
%が望ましく、とりわけ15〜50容量%が好適で
ある。熱可塑性樹脂と導電性物質との合計量中
に占める導電性物質の配合割合が10容量%未満
では、電磁波遮蔽材の遮蔽効果を充分に発揮す
ることができない。一方、60容量%を越える
と、均一状の組成物を得ることが難しいばかり
でなく、たとえ組成物が得られたとしても、シ
ートへの成形性および良好な電磁波遮蔽材を製
造することが困難なために好ましくない。前記
したごとく、導電性物質として「アルミニウム
またはアルミニウムの合金の粉末状物、繊維状
物および/もしくはフレーク状物」(以下「ア
ルミニウムの粉末状物など」と云う)と導電性
カーボンブラツクとを併用することが好適であ
るが、併用する場合アルミニウムの粉末状物な
どと導電性カーボンブラツクとの容量比が
4.0:1ないし1:4.0の範囲が望ましく、とり
わけ3.5:1ないし1:3.5の範囲が好適であ
る。特に、低周波数領域(MHz)において遮蔽
効果のある導電性カーボンブラツクと高周波領
域(KHz)における電磁波遮蔽効果のあるアル
ミニウムの粉末状物などを混合することによ
り、より広い周波数領域にわたつて遮蔽効果を
示すのみならず、単独で用いた場合では、ほと
んど効果を発現しない領域でも、両者を併用す
ることによつて著しい遮蔽効果を発揮すること
を見い出したものである。この著しい効果を示
す理由については明らかではないが、アルミニ
ウムの粉末状物などに反射または吸収された電
磁波エネルギーが導電性カーボンブラツクを媒
介として接地されるものと推定される。かかる
理由わうらづける結果としては、導電性カーボ
ンブラツクを併用することにより、本発明の組
成物の導電性を著しく向上させることである。 さらに、シートAおよびシートBの難燃性を
付与させるために酸化アンチモンおよびハロゲ
ン含有有機化合物を添加させる場合、100重量
部の熱可塑性樹脂に対するハロゲン含有機化合
物および酸化アンチモンの配合割合は合計量と
して多くとも50重量部であり、それぞれ5重量
部以上添加させることが好ましく、とりわけ合
計量として10〜45重量部添加させることが好適
である。さらに、100重量部のハロゲン含有有
機化合物中のハロゲン元素量に対する酸化アン
チモンの配合割合は、一般には100〜600重量部
であり、100〜400重量部が好ましく、特に難燃
性およびブリード性の点から150〜400重量部が
好適である。 また、導電性物質として導電性カーボンブラ
ツクを配合する場合には、100重量部の熱可塑
性樹脂に対して多くとも50重量部(望ましく
は、45重量部)の含水無機物質を配合させるこ
とである。しかし、前記導電性カーボンブラツ
ク100重量部に対して含水機物の配合割合は少
なくとも5重量部(好ましくは10重量部)配合
させることが必要である。これらの範囲の含水
無機物質を配合させることによつて難燃性の良
好な電磁波遮蔽材を製造することができる。 (E) 混合物(組成物)の製造 本発明のシートAおよびシートBを製造する
にあたり、シートBおよびシートA(熱可塑性
樹脂のほかに他の配合成分を含有する場合)
は、それぞれあらかじめそれらのシートを製造
するための組成物を作成する。これらの組成物
を製造するには、それぞれの熱可塑性樹脂の業
界において一般に使われているヘンシエルミキ
サーのごとき混合機を用いてドライブレンドし
てもよく、バンバリーミキサー、ニーダー、ロ
ールミルおよびスクリユー式押出機のごとき混
合機を使用して溶融混練することによつて得る
ことができる。このさい、あらかじめ少なくと
も一回ドライブレンドし、得られる組成物(混
合物)をさらに少なくとも一回溶融混練するこ
とによつて均一状の組成物を得ることができ
る。この場合、一般にはそれぞれの組成物を最
終的に溶融混練した後、ベレツト状物に成形
し、後記のそれぞれのシートの成形に供する。 (E) 各シートの製造および電磁波遮蔽材の製造 本発明のそれぞれのシートは使用される各熱
可塑性樹脂の分野において一般に行なわれてい
る方法を適用すればよい。このシートの製造は
種々の方法があるが、なかでも押出成形法が好
適である。このようにして製造されるシートは
下記のスタンピング成形法によつて本発明の電
磁波遮蔽材が製造される。 本発明の電磁波遮蔽材を製造するにあたり、
スタンピング成形法を適用することは次の二つ
の利点があるためである。 第一の利点は射出成形法に比べて金型内での
圧力が小さく、また金属板の塑性加工と同様
に、結晶性の熱可塑性樹脂では融点以下、非晶
性の熱可塑性樹脂では半溶融の状態においてシ
ートを温間加工することができる。 また、第二の利点は後記の射出成形法や真空
成形法に比べ、本発明の電磁波遮蔽材の製造の
一つの材料として用いられる導電性物質を高充
填したシートと導電性物質を含まないシートと
の組合せによつて得られる二層または多層にお
いては材料が結晶性熱可塑性樹脂(たとえば、
オレフイン系樹脂)では融点以において実施す
ることができる。また、結晶性および非結晶性
を問わず、真空成形が実施されているようにシ
ートの温度を上げる必要がない。これは半溶融
多層シートの界面接着強度の低減することなく
成形することが可能である。とりわけ、真空成
形法の機に成形上の制約から結晶性の熱可塑性
樹脂においては融点以上、また非結晶性の熱可
塑性樹脂では軟化に必要なまで温度を上げる必
要がないばかりか、本発明のスタンピング成形
法では得られる電磁波遮蔽材の偏肉は極めて小
さく、使用されるシートが引き伸ばさせること
も小さい。したがつて、異形材における界面の
接着強度は剪断力の働く程度が小さいために界
面の剥離がないことはもちろん、成形物である
電磁波遮蔽材としての信頼性を高めることが期
待できる。 これに対して、一般に行なわれている射出成
形法では、二色またはストラクチヤーホームの
ごとく、二層または多層成形する場合には、流
れの不均一性があり、特に本発明のごとく導電
性物質を比較的に多量に含有するシートを使用
する場合では、期待できる程の効果を発揮する
ことができない。 また、真空成形法では、シートがそれぞれほ
ぼ溶融状態になつてはじめて引き伸ばされて成
形することができるが、この成形可能になる前
に二層または多層では成形中に界面より剥離を
生じ易い。これは材料による線膨張率の違いあ
るいは軟化の状態が大幅に異なることによつて
接着強度が低下によるためである。さらに、成
形温度を上げてこの現象を回避しようと試みれ
ば、両者に浮きが生じ易く、極端な場合にはシ
ートが加熱中に一方がタレ落ちることさえあ
る。 本発明のスタンピング成形法によつて電磁波
遮蔽材を製造するにあたり、導電性物質を含む
シート導電性物質を含まないシートの熱変形温
度の差は多くとも27℃であり、25℃以下が望ま
しい。かりに、これらのシートの熱変形温度の
差が27℃を越えた条件でスタンピング成形法を
実施すれば、電磁波遮蔽材を成形中あるいはそ
の後においてシートの収縮から生じる剥離を生
じる。 本発明の電磁波遮蔽材を製造するさい、シー
トの熱変形温度が異なる場合では両者の間にお
いて実施することが好ましい。また、二種のシ
ートを三層もしくはそれ以上の電磁波遮蔽材を
製造するさいに熱変形温度が接近している場
合、または同じある場合の成形温度はその熱変
形温度から、電磁波遮蔽材の内層のシートより
も熱変形温度から10℃まで近く行なうことがで
きる。これは三層またはそれ以上においては、
外層のシートが断熱材として働き、内層の余熱
によつてスタンピング成形を行なうことができ
る。 スタンピング成形の圧力はシートの成形温度
によつて異なるが、二種のシートで二層の電磁
波遮蔽材を成形する場合ではシートの熱変形温
度の差が25℃以内の成形温度とし、この温度範
囲で軟化したシートを立型プレスに着装した絞
り金型に導き込み、5〜50Kg/cm2(望ましく
は、10〜20Kg/cm2)の圧力下で実施することが
好ましい。その他の場合でも、この成形圧力の
条件で行なうことが一般的である。加圧の時間
は通常15秒以上であり、15〜40秒が一般的であ
る。また、シートの熱変形温度が同じである場
合には上記の成形条件では良好な成形物(電磁
波遮蔽材)を製造することが困難なため、二段
の圧力条件で成形することが好ましい。この場
合には、一段目は10〜20Kg/cm2の加圧下で15〜
40秒加圧した後、二段目は40〜50Kg/cm2の加圧
下で5秒以上加圧することによつて各シート間
の剥離に対して有効である。また、特に流動性
の悪い金属粉を含むシートとの二層あるいは内
層として該シートを用いる場合には、この二段
成形法が良好である。 このようにして製造される電磁波遮蔽材の導
電性物質を含むシートの厚さは通常0.1〜5mm
であり、特に0.1〜3mmが好ましい。また、主
として外観および機械的強度の役目をする導電
性物質を含まないシートの厚さは一般には0.1
〜5mmであり、とりわけ0.1〜3mmが望ましい。 以上のようにして得られる電磁波遮蔽材は、前
記したごとく、電磁波の遮蔽性が良好であるばか
りでなく、肉簿化することができたために軽量化
することができる。さらに、その成形中または使
用時をおいて、各シート間の剥離がほとんどな
い。 〔〕 実施例および比較例 以下、実施例によつて本発明をさらにくわしく
説明する。 なお、実施例および比較例において、メルトフ
ローインデツクス(以下「MFI」と云う)はJIS
K−6758にしたがい、温度230℃および荷重が
21.6Kgの条件で測定した。また、放射電界強度測
定はFCC(アメリカ連邦通信委員会)文書20780
に規定された放射無線雑音試験測定法にしたが
い、放射電界強度(dB、μV/m)の測定を放射
周波数が30〜100MHzの範囲にわたつて行なつた。
なお、測定に使用したサンプルは第1図に示され
る箱状物(450×450mm、高さ400mm、蓋の高さ20
mm)を使つた。この蓋および本体は、それぞれ導
電性物質を含まないシート(以下「シートA」と
云う)および導電性物質を含有するシート(以下
シートB」と云う)からなる二層または三層によ
つて構成されており(それぞれの厚さを第2表に
示す)、二層の場合を第2A図に、三層の場合を
第2B図に示す。これらの図面は第1図の箱状物
の断面図である。第1図、第2A図および第2B
図において、1はそれぞれ蓋を表わし、2はそれ
ぞれ本体を表わす。第2A図および第2B図にお
いて、AはシートA、BはシートBを表わす。測
定はシールドルーム内で行ない、発振器は箱状物
の中央に置き、蓋をした。測定器はこの発振器よ
り3m離れた場所に1/2波長のダイポールアンテ
ナに結線した電界強度計を置いて対向させた。ま
ず、蓋をとり、遮蔽物のない状態で電界強度
(E0)を測定し、ついで蓋をかぶせ密着させ、遮
蔽が完全な状態における電界強度(E1)を測定
した。なお、絶対値としての補正は電界強度計に
アテネツターを用いて行なつた。遮蔽による減衰
率は下式によつて求めた。 減衰率(dB)=20logE1/E0 また、剥離試験はJIS K−6744にしたがい、
180℃の角度にシートAを引張試験機を用いて10
cm/分の速度で引張つて測定を行なつた。さら
に、剥離テストはJIS S−6040による引張剪断試
験を採用した。この剥離テストにおいて、落下試
験は前記の箱状物が水平に落下するように3mの
高さから鉄板(厚さ5mm)上に自由落下させて箱
状物を観察した。また、ヒートサイクル試験は室
温から2℃/分で昇温し、80℃において2時間保
持した後、2℃/分で冷却した。ついで、室温で
1時間保持した後、2℃/分で−40℃に降温して
2時間保持した。ついで、2℃/分で昇温して室
温で保持した。以上の操作を1サイクルとした。 以上の落下試験およびヒートサイクルの剥離テ
ストの結果を下記のように表示する。 ◎ 落下による剥離なし。ヒートサイクル5サイ
クルで割れなし ○ 落下による剥離なし。ヒートサイクル3サイ
クルで剥離なし △ 落下による剥離なし。ヒートサイクル1サイ
クルで剥離を生じる × 落下による剥離あり。ヒートサイクル1サイ
クルで剥離を生じる なお、実施例および比較例において、使用した
物質の製造法、物性などを下記に示す。 〔(A) ポリプロピレン〕 ポリプロピレンとして、MFRが2.0g/10分で
あるプロピレン−エチレンブロツク共重合体(ゴ
ム含有量11重量%、ゴム中のエチレン含有量40重
量%、以下「PP」と云う)を使用した。 〔(B) 塩化ビニル単独重合体〕 塩化ビニル単独重合体として、重合度が約820
である単独重合体(以下「PVC」と云う)を使
つた。 〔(C) ABS樹脂〕 20のステンレス製オートクレープにスチレン
−ブタジエン共重合ゴム(ブタジエン含有量80重
量%、ゴムのゲル含有量80%)280.0g(固形分
として)、2.0gの過硫酸アンモニウム、80.0gの
不均化ロジン酸ナトリウム、21.0gのラウリルメ
ルカプタンおよび8.0の水を仕込み、均一状に
撹拌した。これに単量体として2520gのスチレン
と1200gのアクリロニトリルを加えて撹拌し、つ
いで、撹拌しながら70℃に昇温させた。この温度
において撹拌しながら10時間重合を行なつた。つ
いで、5%の硫酸アルミニウムの水溶液を上記の
ようにして得られた重合体(グラフト物)を含有
するラテツクス状物に加え、得られたグラフト物
を凝固した。この凝固物を約1%の水酸化ナトリ
ウムの水溶液約5.2を用いて洗浄し、さらに多
量(約30)の70℃の温水を使つて洗浄した。こ
のグラフト物を約80℃において減圧下で一昼夜乾
燥を行なつた。その結果、3775gの白色粉末状の
グラフト物が得られたグラフト物のアイゾツト衝
撃強度は7.8Kg−cm/cm−ノツチであり、引張強
度は465Kg/cm2であつた。また、この重合物のビ
カツト軟化点は101.0℃であつた。このグラフト
物のゴム状物の含有量は7.3重量%であつた。以
下、このグラフト物を「ABS」という。 〔(D) PPO樹脂〕 2,6−キシレノールを酸化カツプリング法に
よつて重縮合し、ポリ2,6−ジメチルフエニレ
ン−1,4−エーテル〔固有粘度(30℃、クロロ
ホルム中で測定、単位dl/g)0.53〕を製造し
た。100重量部の該ポリ2,6−ジメチルフエニ
レン−1,4−エーテルに25重量部のステレン単
量体、10重量部のスチレン単独重合体〔メルトフ
ローインデツクス(JIS K−6870にしたがい、温
度が190℃および荷重が10Kgの条件で測定)・13.0
g/10分〕および2.1重量部のジ−第三級−ブチ
ルパ−オキサイドをヘンシエルミキサーを使つて
10分間混合した後、二軸押出機(径30mm、樹脂温
度270℃)を用いてスチレングラフト物(以下
「PPO」と云う)を製造した。 〔(E) タルク〕 タルクとして、平均粒径が2ミクロンのタルク
(比表面積120m2/g)を用いた。 〔(F) 鱗片状黒鉛〕 鱗片状黒鉛として、平均粒径が10ミクロンの黒
鉛(アスペクト比1.8)を使つた。 〔(G) フエライト/カーボン混合物〕 平均粒径が10ミクロンのフエライトと平均粒径
が2ミクロンのカーボンブラツクとをボールミル
を使つて粉砕しながら混合を行なつた〔混合割
合:フエライト/カーボン(重量比)2〕。この
さい、ミルパツキングが生じないように前記フエ
ライトとカーボンの合計量100重量部に対して1
重量部のテトラエチルシリケートを添加した。得
られたフエライトとカーボンブラツクとの混合物
(以下「混合物」と云う)の平均粒径は4ミクロ
ンであつた。 〔(H) アルミニウム・フレーク〕 アルミニウム・フレークとして、断面積が1×
1mm、厚さが0.03mmの正方形のフレーク状アルミ
ニウム(以下「Alフレーク」と云う」を用いた。 〔(J) 酸化アンチモン〕 酸化アンチモンとして、密度が5.25g/cm3であ
る三酸化アンチモン(以下「Sb2O3」と云う)を
使用した。 〔(K) 塩素化ポリエチレン〕 塩素化ポリエチレンとして、ブテン−1を3.0
重量%含有するエチレン−ブテン−1共重合体
(密度0.950g/c.c.、平均分子量約20万)を水性懸
濁液中で塩素化し、非晶性の塩素化ポリエチレン
〔塩素含有量31.5重量%、ムーニー粘度(ML1+4
108、以下「CPE(a)」と云う〕を製造した。 (各ペレツトの製造) 以上の物質(原料)を使用し、あらかじめヘン
シエミキサーを用いてドライブレンドを行なつ
た。得られた各混合物を押出機を用いて均一状に
なるように溶融混練しながらペレツトを製造した
(ただし、ペレツトの製造に用いた物質が一種の
場合は上記ドライブレンドおよび溶融混練するこ
となく、ペレツト状の物質として使用)。各ペレ
ツトの製造に用いた物質の種類および混合割合を
第1表に示す。
【表】 実施例1〜7、比較例1〜4 シートAを製造するためにペレツト(a)ないし(h)
を用い、またシートBを製造するためにペレツト
(i)ないし(o)を使つて径が65のスクリユーを有する
T−ダイの幅が600mmの共押出シート成形機を使
用し、第2表にシートの幅が示されるシートAと
シートBからなる積層物を製造した。シートAと
シートBの厚さ、シートBの体積固有抵抗、シー
トAとシートBの熱変形温度の差、積層物を製造
するさいのシートの温度およびシートの溝成(二
層とあるのはシートA/シートBからなる積層物
を表わし、三層とあるのはシートA/シートB/
シートAからなる積層物)を表わす。
【表】 あらかじめそれぞれのシートの表面温度を第3
表に示されるように結晶性のPPでは融点より低
い温度で、また非晶性のPS、PPO、PVC、ABS
では真空成形あるいは圧空成形な温度より低い温
度を予熱した。この温度において、第1図に示さ
れる箱状物および蓋を成形する金型を縦型プレス
に着装し、第3表に示される条件で一段階または
二段階でスタンピング成形を行なつた。 得られた各成形物より剥離試験、落下試験物お
よびヒートサイクル試験物の剥離テストならびに
遮蔽による減衰率の測定を行なつた。それらの結
果を第3表に示す。 第3表から、シートAとシートBの材料の熱変
形温度の差が27℃以内では、良好な接着強度およ
び剥離テストを示していることが明白である。こ
れに反し、熱変形温度の差が27℃を越えるなら
ば、スタンピング成形加工による剪断力によつて
シートAとシートBの界面の接着強度が衝撃によ
る剥離テストおよびヒートサイクル試験から低い
ことが明らかである。このように両シートの軟化
の度合が大きい場合には、成形時に残留歪みによ
つて接着強度が著しく低下するばかりでなく、極
端な場合には、比較例1および比較例4にみられ
るごとく、部分的な剥離を生じる。また、この比
較例1および4では、接着性を向上するために成
形時の第二段の保圧および時間を大きくしてもそ
れらの改善がみられない。 また、全実施例および比較例によつて得られる
成形物は、遮蔽による減衰率が改良されているか
ら、電磁波の遮蔽性がすぐれていることは明らか
である。 さらに、第3図に実施例1によつて得られた成
形物(箱状物および蓋)の放射電界強度の測定の
結果をAとして図示する。
【表】 比較例 5〜12 実施例1ないし7において用いた材料(ペレツ
トを使つて成形温度(成形時の加熱したときの表
面温度)が比較例5ないし9では170℃、比較例
10および11では150℃で前記と同じ形状を有する
形成物(それぞれのシートの厚さは前記の対応す
る実施例1と同じ)を真空成形によつて製造した
(なお、比較例5では前記実施例1と同じ材料を
使用、比較例6では実施例4と同じ材料を使用、
比較例7では実施例5と同じ材料を使用)。比較
例5〜7では、いずれもコーナー切れによつて成
形物を製造することができなかつた。比較例12
(実施例7と同じ材料を使用、成形温度240℃)で
は、成形物が得られなかつた。また、比較例8〜
11によつて得られる成形物は、いずれも偏肉の度
合はコーナーが薄く、強度が満足し得る成形物は
得られなかつた。比較例8ないし11によつて得ら
れた成形物の剥離試験、剥離テストおよび遮蔽に
よる減衰率の測定を行なつた。得られた結果を第
4表に示す。
【表】 比較例 13〜20 実施例1ないし7において使用した材料(ペレ
ツト)を用いて第5表に示される成形温度および
成形圧で前記と同形状を有する形状物(各シート
の厚さは前記の対応する実施例と同じ)を射出成
形によつて製造した。得られた成形物の剥離試
験、剥離テストおよび遮蔽による減衰率の測定を
行なつた。得られた結果および成形物の外観(○
は成形物の表面のふくれの発生がなしを表わし、
×は成形物の表面のふくれの発生が大を表わす)
を第5表に示す。
【表】 以上の比較例5ないし20の結果から、熱可塑性
樹脂にアルミニウムフレーク、カーボンブラツ
ク、鱗片状黒鉛およびフエライトのごとき電磁波
遮蔽性を有する改良剤を配合させたシートを成形
可能な温度まで上げて真空成形または射出成形す
る収縮率および軟化の度合が異なるために、シー
トAとシートBの界面に浮きが生じ、成形時に剥
離を生じることもある(比較例5〜7)。また、
電磁波遮蔽性についても、いずれの成形法によつ
て得られる成形物では不十分である(真空成形法
ではコーナー部の偏肉が大きく、射出成形法では
軟X線で透視すると前記改良剤の偏在が大きい)
ことが明らかである。 さらに、比較例8(B)および13(C)によつて得られ
た成形物の放射電界強度の測定を第1図に示す。 以上の実施例および比較例の結果から、導電性
物質を有するシートBと含まないシートAを成形
して積層物を製造するにあたり、両者の熱変形温
度の差が27℃以内のシート(成形物)をスタンピ
ングすることによつて、電磁波遮蔽性がすぐれて
いるのみならず、成形性および接着性の良好な積
層物が得られることが明白であり、他の成形法
(真空成形法、射出成形法)で製造しようとして
も、電磁波遮蔽性および成形性および接着性のい
ずれもがすぐれた成形物を得ることができないこ
とは明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例および比較例において製造した
成形物の斜視図であり、第2A図は該成形物の二
層の場合の断面図であり、第2B図は三層の場合
の断面図である。また、第3図は実施例1ならび
に比較例8および13によつて得られた放射電界強
度の測定図である。この第3図においてAは実施
例1によつて得られた成形物の、Bは比較例8に
よつて得られた成形物のまたCは比較例13によつ
て得られた成形物の結果であり、横軸は周波数で
あり、縦軸は放射電界強度(dB、μV/m)であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) 少なくとも熱可塑性樹脂を有するシート
    ならびに (B)(1) 熱可塑性樹脂 および (2) 導電性カーボンブラツク、アルミニウム、
    銀、銅およびフエライトからなる群からえら
    ばれた少なくとも一種の導電性物質の粉末状
    物、繊維状物および/またはフレーク状物 を少なくとも含有するシート からなる電磁波遮蔽材の製造方法であり、該電磁
    波遮蔽材の製造に使われるシートの熱変形温度差
    は多くとも27℃であり、これらのシートをスタン
    ピング成形することを特徴とする電磁波遮蔽材の
    製造方法。
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