JPH0411112B2 - - Google Patents
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- JPH0411112B2 JPH0411112B2 JP61005107A JP510786A JPH0411112B2 JP H0411112 B2 JPH0411112 B2 JP H0411112B2 JP 61005107 A JP61005107 A JP 61005107A JP 510786 A JP510786 A JP 510786A JP H0411112 B2 JPH0411112 B2 JP H0411112B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は磁気記録用二軸延伸積層ポリエステル
フイルムに関し、更に詳しくは電磁変換特性にす
ぐれ且つ繰返し使用時の走行耐久性及び耐削れ性
にすぐれた磁気記録媒体を賦与する二軸延伸積層
ポリエステルフイルムに関する。 〔従来技術〕 ポリエステルフイルムをベースとした磁気記録
媒体として例えばビデオテープ,オーデオテー
プ,コンピユータテープ,フロツピーデイスク等
が知られ、かつ広く用いられている。 これらの用途分野は近年、高密度記録化,高品
質化の要求がますます高まり、これに伴つてベー
スとなるポリエステルフイルムは表面が平坦でし
かも滑り性にすぐれ、かつ耐久走行性,耐削れ性
にすぐれていることの要求がますます強くなつて
いる。 従来、易滑性を向上させる方法としてポリエス
テルに酸化ケイ素,炭酸カルシウム等の無機質粒
子を添加する方法、又はポリエステルの合成時に
重合系内でカルシウム,リチウムあるいはリンを
含む微粒子を析出せしめる方法が提案されてい
る。いずれの方法もポリエステルを製膜した際に
微粒子に由来してフイルム表面に突起を形成し、
フイルムの易滑性を向上させるものである。 しかしながら、上記の如き微粒子による突起に
よつてフイルムの滑り性を改善する方法では通
常、フイルム表面を粗面化する程滑り性は向上す
るが、一方では該粗面化に起因して磁気塗料を塗
布後の表面が粗れ、電磁変換特性が悪化する傾向
がある。 これらの相反する平坦性と易滑性とを解決する
方策として、大粒径の粒子と小粒径の粒子とを組
合せた複合系粒子を利用する手段が提案されてい
るが、単層フイルムにはフイルム両面が共に同一
の表面性を有することから限界があり満足できる
レベルではない。 そこで、更に露出する一方の面がすぐれた滑り
性を有し、もう一方の露出する面が平坦であるよ
うな表裏異面フイルムがいくつか提案されてお
り、この手段として積層フイルムも用いられてい
る。 しかしながら、この手段による従来法にも次の
ような問題点がある。すなわち、易滑性とする
ために表面を粗くしようとすると、もう一方の表
面にもその影響があらわれ、平坦性が損なわれ
る。この傾向はフイルム厚みが薄くなると特に顕
著となる。平坦・易滑の表裏異面フイルムに磁
気塗料が塗布されるフイルム面が平坦であつて
も、その反対面が粗面でありすぎると、塗布され
た磁性層表面にフイルム粗面の凹凸が裏写り転写
して、磁性層表面に凹凸が発生し、その結果平坦
性が損われ、電磁変換特性が不充分となる。一
般に、優れた易滑性を与えようとするとフイルム
表面の突起が高くなり、その結果磁気記録テープ
化工程における不織布でのクリーニング工程ある
いはカレンダー加工工程において高い突起部が削
り落され、ドロツプアウトの原因をひき起す。
フイルム表面突起の形成手段としての添加粒子の
分布が従来技術では殆んど制御されていないこと
から、フイルム表面の突起が設計された通りに調
整し難い。等の問題点がある。 本発明者は、上述の問題点を解決し、高級品質
の磁気記録用途分野に適用可能な平坦性と易滑性
と耐削れ性とを兼備した積層フイルムの開発に成
功した。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、磁気記録媒体として高密度記
録化,高品質でしかも繰り返し使用に耐え得るベ
ースフイルムを提供することにあり、更にはフイ
ルム表面に大きな突起はなく、ドロツプアウト等
のノイズの原因とならず、電磁変換特性を悪化さ
せ難い平坦な表面(B面)と、繰返し走行時の摩
擦係数が小さく、磁気記録媒体の加工工程及び磁
気記録再生装置の部分との接触によるフイルムの
削れ性が極めて少なく、継続的使用における耐久
性が良好で、磁気層面に裏写り転写するような大
突起の少ない易滑面(A面)とを兼ね備えた二軸
延伸積層ポリエステルフイルムを提供することに
ある。 〔発明の構成・効果〕 本発明のかかる目的は、本発明によれば、芳香
族ジカルボン酸を主たる酸成分とし脂肪族グリコ
ールを主たるグリコール成分とするフイルム形成
性芳香族ポリエステルからなる二軸延伸積層フイ
ルムであつて、該フイルムの露出する一方の面
(A面)は表面粗さRaAが0.025μm以下0.010μm
以上であり、突起数20ケ/mm2以上の領域で求めた
突起の数(y:ケ/mm2)と突起の高さ(x:μm)
との関係を表わす分布曲線が式(1) log10y=−9.8x+4.4 ……(1) で表わされる直線と、log10y>1.3の範囲におい
て交差しない突起分布を有し、更に該突起分布曲
線の最大値より大きい部分の曲線が式(2) log10y≧−18x+3.7 ……(2) の範囲にあり、かつ突起高さ(x)が0.87μm以
上のものは実質的に含まない易滑面を与え、 露出するもう一方の面(B面)は表面粗さ
RaBが0.012μm以下0.004μm以上であり、突起数
20ケ/mm2以上の領域で求めた突起の数(y:ケ/
mm2)と突起の高さ(x:μm)との関係を表わす
分布曲線において該突起分布曲線の最大値より大
きい部分の曲線が式(3) log10y=−18x+3.7 ……(3) と交叉し、さらに式(4) log10y≧−44.1x+4.33 ……(4) の範囲にあり、かつ突起高さ(x)が0.13μm以
上のものは実質的に含まない平坦面を与え、 さらにA面(易滑面)の表面粗さRaAとB面
(平坦面)の表面粗さRaBとは式(5) 1.3≦RaA/RaB≦5 ……(5) を満足し、かつ該積層フイルムの密度ρと厚み方
向の屈折率nzとが式(6),(7) 1.352≦nz−ρ/10≦1.366 ……(6) 1.385≦ρ≦1.405 ……(7) を満足することを特徴とする磁気記録用二軸延伸
積層ポリエステルフイルムによつて達成される。 本発明の二軸延伸積層ポリエステルフイルムは
易滑面を与える層と平坦面を与える層との積層フ
イルムである。 この易滑面(A面)を与える層は、フイルム表
面特性として、表面粗さRaAが0.025μm以上
0.010μm以下であり、突起高さ(x)が0.87μm以
上の突起は実質的に含まず、かつ突起数20ケ/mm2
以上の領域で求めた突起の数(y:ケ/mm2)と突
起の高さ(x:μm)との関係を表わす分布曲線
が下記式(1) log10y=−9.8x+4.4 ……(1) で表わされる直線とlog10y>1.3の範囲において
交差しない突起分布を有し、更に該突起分布曲線
の最大値より大きい部分の曲線が下記式(2) log10y≧−18x+3.7 ……(2) の範囲にある特性を備えている。この表面粗さ
RaAが0.025μmより大きくなると、ベースフイル
ムの表面が粗れすぎ、裏写り転写により磁性面の
平坦性が損なわれるため電磁変換特性が悪化する
ので好ましくない。またRaAが0.010μmより小さ
くなると走行性が悪くなり、好ましくない。好ま
しい表面粗さRaAは0.020μm以下0.0125μm以上
である。 更にまた、起数20ケ/mm2以上の領域で求めた突
起の数(y)と突起の高さ(x)との関係を表わ
す分布曲線が上記式(1)で表わされる直線とlog10y
>1.3の範囲において交差すると、裏写り転写に
より磁性面の平坦性が損なわれ、電磁変換特性が
悪化するので好ましくないとともにテープ加工工
程特にカレンダー工程での突起の削れ落ちが生
じ、またテープの繰り返し使用時に削れが生じて
摩擦係数が上るとともに削れ粉がテープ面に付着
し、ドロツプアウトを増大するというトラブルを
生じるので好ましくない。更にまた上記分布曲線
の最大値より大きい部分の曲線が上記式(2)の範囲
にないとフイルム表面が平坦になりすぎ、200回
繰り返し後の摩擦係数(μk)が0.15〜0.35の範囲
を満足するのが難しくなるので好ましくない。上
記分布曲線において、最大値を超えた側の曲線は −18x+3.7≦log10y≦−9.8x+4.4 の範囲(但し、log10y>1.3)を満足することが
好ましい。更にまた、フイルム表面に0.87μm以
上の突起が在ると、テープの走行性は向上するが
加工工程での突起削れの原因になると共にその部
分がドロツプアウトの原因にもなるので好ましく
ない。 本発明の積層ポリエステルフイルムにおいて平
坦面(B面)を与える層は、フイルム表面特性と
して、表面粗さRaBが0.012μm以上であり、突起
高さ(x)が0.13μm以上の突起は存在せず、か
つ突起数20ケ/mm2以上の領域で求めた突起数
(y:ケ/mm2)と突起高さ(x:μm)との関係を
表わす分布曲線において該突起分布曲線の最大値
より大きい部分の曲線が下記式(3) log10=−18x+3.7 ……(3) と交叉し、さらに下記式(4) log10y≧−44.1×+4.33 ……(4) の範囲にある特性を備えている。この表面粗さ
RaBが0.012μmより大きくなると、磁性面の表面
は高級品質の磁気記録用テープとして必要な電磁
変換特性を維持することができない為好ましくな
い。好ましい表面粗さRaBは0.010μm以下
0.004μm以上である。また、突起数20ケ/mm2以上
の領域で求めた突起の数(y)と突起の高さ
(x)との関係を表わす分布曲線において該突起
分布曲線の最大値より大きい部分の曲線が上記式
(3)と交叉しないと、例えば突起分布曲線の最大値
より大きい部分の曲線が常に上記式(2)を満足する
場合には、フイルム表面が粗れすぎまた突起高さ
0.13μm以上の突起が存在する場合も多くなり、
電磁変換特性が低下し、高級品質の磁気記録用テ
ープとして必要な特性を維持することができない
ため好ましくない。また逆に、突起数20ケ/mm2以
上の領域で突起分布曲線が常に log10y<−18x+3.7 を満足する場合には、フイルム表面が平坦になり
すぎ、摩擦係数が大きくなる為ベースフイルムの
製膜時や磁気記録材料の加工工程時のフイルム取
扱い性が悪く、しわが入る等のトラブルを起す為
好ましくない。 本発明の二軸延伸積層ポリエステルフイルムは
上述したフイルム表面特性を備えると同時に易滑
面(A面)の表面粗さRaAと平坦面(B面)の
表面粗さRaBとの間に下記式(5) 1.3≦RaA/RaB≦5 ……(5) なる関係式を満足する特性を備えている。RaA/RaB の値が1.3より小さくなると平坦性と易滑性とを
同時に満足する特性が発揮できず電磁変換特性,
走行性のいずれかが充分となるので好ましくな
い。またRaA/RaBの値が5より大きくなると積層フ イルムの表面と裏面とで滑り性の差が大きすぎ、
フイルムの巻取中にシワが発生したり、加工工程
で折れシワが発生したり、スリ傷が発生したりし
て好ましくない。これらの点から1.5≦RaA/RaB≦3 であることがさらに好ましい。 本発明の二軸延伸積層ポリエステルフイルム
は、前述のフイルム表面特性を備えると同時にさ
らにフイルムの厚み方向の屈折率nzと密度ρとが
下記式(6),(7) 1.352≦nz−ρ/10≦1.366 ……(6) 1.385≦ρ≦1.405 ……(7) を満足するという特性を備えている。(nz−ρ/10) の値が1.352より低くなると、走行性が悪くなる
ので好ましくない。また(nz−ρ/10)の値は大き くなると削れ性、走行性が良好となるが、1.366
を越えるとフイルムを製膜する際の厚み斑が悪く
なり、巻きが良好な製品が得られ難くなるので好
ましくない。(nz−ρ/10)の値は好ましくは1.355 以上1.362以下であり、特に好ましくは1.356以上
1.360以下である。 更に密度ρが1.405〔g/cm3〕を越えると、削れ
性が悪くなり、スクラツチがはいり易くなるので
好ましくない。一方密度ρが1.385〔g/cm3〕より
小さくなると、熱収縮率が大きくなり、磁気テー
プ製造工程中の加熱工程部でシワが入り易くなる
ので好ましくない。密度ρは1.390g/cm3以上
1.400g/cm3以下が好ましく、1.394g/cm3以上
1.398g/cm3以下が特に好ましい。 本発明における芳香族ポリエステルとは芳香族
ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコ
ールを主たるグリコール成分とするポリエステル
である。かかるポリエステルは実質的に線状であ
り、そしてフイルム形成性特に溶融成形によるフ
イルム形成性を有する。芳香族ジカルボン酸とし
ては、例えばテレフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、イソフタル酸、ジフエノキシエタンジカル
ボン酸,ジフエニルジカルボン酸,ジフエニルエ
ーテルジカルボン酸,ジフエニルスルホンジカル
ボン酸,ジフエニルケトンジカルボン酸,アンス
ラセンジカルボン酸等をあげることができる。脂
肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコ
ール,トリメチレングリコール,テトラメチレン
グリコール,ペンタメチレングリコール,ヘキサ
メチレングリコール,デカメチレングリコールの
如き炭素数2〜10のポリメチレングリコールある
いはシクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジ
オール等をあげることができる。 本発明において、ポリエステルとしては例えば
アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレン
ナフタレートを主たる構成成分とするものが好ま
しく用いられる。 かかるポリエステルのうちでも例えばポリエチ
レンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート
はもちろんのこと、例えば全ジカルボン酸成分の
80モル%以上がテレフタル酸及び/又はナフタレ
ンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モ
ル%以上がエチレングリコールである共重合体が
特に好ましい。その際全酸成の20モリ%以下のジ
カルボン酸は上記芳香族ジカルボン酸であること
ができ、また例えばアジピン酸、セバチン酸の如
き脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサン−1.4−
ジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等である
ことができる。また、全グリコール成分の20モル
%以下は、エチレングリコール以外の上記グリコ
ールであることができ、あるいは例えばハイドロ
キノン,レゾルシノール,2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフエニル)プロパンの如き芳香族ジオー
ル;1,4−ジヒドロキシメチルベンゼンの如き
芳香族を含む脂肪族ジオール;ポリエチレングリ
コール,ポリプロピレングリコール,ポリテトラ
メチレングリコールの如きポリアルキレングリコ
ール(ポリオキシアルキレングリコール)等であ
ることもできる。 また、本発明で用いられる芳香族ポリエステル
には、例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オ
キシ酸;ω−ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族
オキシ酸等のオキシカルボン酸に由来する成分
を、ジカルボン酸成分およびオキシカルボン酸成
分の総量に対し20モル%以下で含有するものも包
含される。さらに本発明における芳香族ポリエス
テルには実質的に線状である範囲の量、例えば全
酸成分に対し2モル%以下の量で、3官能以上の
ポリカルボン酸又はポリヒドロキシ化合物、例え
ばトリメリツト酸,ペンタエリスリトールを共重
合したものをも包含される。 上記芳香族ポリエステルは、それ自体公知であ
り、且つそれ自体公知の方法で製造することがで
きる。 上記芳香族ポリエステルとしては、o−クロロ
フエノール中の溶液として35℃で測定して求めた
固有粘度が約0.4〜約0.9のものが好ましい。 本発明において露出する一方の面(A面:易滑
面)を形成するポリエステルフイルム層中には、
好ましくは大きい粒子と小さい粒子とからなる不
活性粒子が含有されている。該不活性粒子を構成
する大きい粒子として用い得る粒子は、組成的に
は炭酸カルシウムよりなり、製法的には軽質炭酸
カルシウム又は重炭酸カルシウムのいずれのもの
でもよい。この大きい粒子の炭酸カルシウ粒子
は、その粒度分布に特徴があり、対数確率紙上に
炭酸カルシウム粒子の粒度分布をプロツトした
際、炭酸カルシウムの積算重量が75%の時の粒子
直径との比で表わされる粒度分布比、すなわち下
記式(8) 〔γ〕=粒子精算重量が25%の時の直径/粒子精算重量
が75%の時の直径……(8) で表わされる粒度分布比〔γ〕の値が1.5〜2.3の
範囲、好ましくは1.5〜2.2の範囲、更に好ましく
は1.5〜2.1の範囲となるように制御された粒度分
布を有する。本発明に用いられる炭酸カルシウム
粒子の制御された粒度分布は前述の本発明の目的
を達成する為には特に好ましい条件であり、この
粒度分布比〔γ〕の値が低いほど炭酸カルシウム
粒子の粒度分布がシヤープであることを示してい
る。この様な特定の範囲の粒度分布比を有する炭
酸カルシウム粒子は単に市販品を使用するだけで
は得られず、エチレングリコールの如き溶媒中で
粉砕又は解砕処理を施し、沈降処理により粗大粒
子分を分離し、更に濾過処理等の前処理を実施し
て初めて得られるものである。 更に、不活性粒子を構成する小さい粒子は、組
成的には二酸化チタンからなり、結晶形態的には
アナターゼ型二酸化チタンである。更に好ましく
は、後述する如く燐元素とカリウム元素を特定量
含有する特殊な二酸化チタンである。このアナタ
ーゼ型二酸化チタン粒子は、その粒度分布に特徴
があり、上記式(8)で表わされる粒度分布比〔γ〕
の値が1.2〜2.3の範囲、好ましくは1.4〜2.2の範
囲、更に好ましくは1.4〜2.1の範囲にある制御さ
れた粒度分布を有する。本発明に用いられる二酸
化チタン粒子の制御された粒度分布は前述の本発
明の目的を達成する為には特に好ましい条件であ
り、この粒度分布比〔γ〕の値が小さい程、二酸
化チタン粒子の粒度分布がシヤープであることを
示している。しかしながら、粒度分布比〔γ〕の
値が1.2未満の粒度分布を持たせることは経験的
に大変困難で達成が難しい。この様な特定の範囲
の粒度分布比を有する二酸化チタン粒子は単に市
販品を使用するだけでは得られずエチレングリコ
ールの如き溶媒中に粉砕又は解砕処理を施し、沈
降処理により粗大粒子分を分離し、更に濾過処理
等の前処理を組合せて実施して初めて得られる粒
度分布が制御された特定の粒子である。この粒度
分布比〔γ〕の値が、2.3を超える場合には、不
活性粒子中の粗大粒子が多くなり、フイルム表面
の突起形状が大きくなる。そして製品の電磁変換
特性も急激に悪化する傾向がある。また、炭酸カ
ルシウム粒子又はチタン粒子のどちらか一方の粒
度分布比〔γ〕の値が2.3を超える場合にも不活
性粒子中の粗大粒子が、重量%的には少ないにも
拘らず個数的には多く存在する様になり、フイル
ム表面においてNa光線による干渉縞が3環以上
になる突起が増加し、100cm3当り20ケより多くな
つてしまう。 本発明に供する炭酸カルシウム粒子は、その平
均粒径が0.3〜0.9μmの範囲、好ましくは0.35〜
0.8μmの範囲、更に好ましくは0.4〜0.7μmの範囲
にあることを特徴としている。炭酸カルシウム粒
子のフイルム中の含量(WB)は0.06〜0.5重量%
の範囲、好ましくは0.1〜0.4重量%の範囲、更に
好ましくは0.15〜0.3重量%の範囲にあることも
特徴とするものである。炭酸カルシウム粒子の平
均粒径が0.9μmよりも大きく、炭酸カルシウムの
フイルム中の含量(WB)が0.50重量%よりも多
い場合にはベースフイルムの易滑性は良好である
が、フイルム表面の凹凸の頻度が増し、磁気記録
時の雑音が大きくなりやすい。炭酸カルシウム粒
子のフイルムにおける含有量が、0.1〜0.5重量%
の場合と0.06重量%以上0.1%未満(重量)(殊に
0.06〜0.09重量%)の場合とを比較すると前者は
フイルム表面の粗さ(RaAの値)を増加させる
傾向を有し、後者はフイルム走行面の走行摩擦係
数〔μk〕が繰返し使用によつても変化しないと
いう傾向を示す。従つて、炭酸カルシウムの含有
率が0.1重量%未満ではフイルムの走行(使用)
による耐久性,滑り特性の不安定さが現われる。 本発明に供する不活性粒子の中の二酸化チタン
粒子は、その平均粒径が0.10〜0.50μmの範囲、好
ましくは0.15〜0.50μmの範囲、更に好ましくは
0.20〜0.40μmの範囲にあると好ましい。本発明に
供する二酸化チタン粒子のフイルム中含量(WB)
は、0.10〜0.60重量%の範囲、好ましくは0.12〜
0.50重量%の範囲、更に好ましくは0.15〜0.40重
量%の範囲にあることを特徴としている。二酸化
チタン粒子の平粒粒径が0.10μmよりも小さく、
フイルム中の含量(WS)が0.10重量%未満の場
合にはベースフイルム表面の滑性が低く、フイル
ム成形時において巻き取れないというトラブルが
多発する。 本発明では、炭酸カルシウム粒子の平均粒径と
二酸化チタン粒子の平均粒径との比は、1.5〜10
の範囲、更には1.5〜8の範囲、特に1.6〜5の範
囲にあることが好ましい。炭酸カルシウム粒子の
平均粒径と二酸化チタン粒子の平均粒径の比が10
よりも大きい場合には、フイルム表面の凹凸が大
きくなり、磁気記録の再現性がよくない。また炭
酸カルシウム粒子の平均粒径との比は1.5よりも
小さい場合に、ベースフイルム形成時における巻
き性が悪く、ベースフイルムの巾方向の巻き硬さ
に硬度の差が生じる場合が多くなる傾向がある。 本発明で用いられる二酸化チタン粒子は、その
組成においてP2O5換算で0.25重量%以上、好まし
くは0.25重量%から1.0重量%までの範囲、更に
好ましくは0.28重量%から1.0重量%までの範囲
の燐元素を含み、かつK2O換算で0.1重量%以上、
好ましくは0.1重量%から0.30重量%の範囲、更
に好ましくは0.1重量%から0.28重量%の範囲の
カリウム元素を含んでいることを特徴としてい
る。二酸化チタン粒子の組成において、P2O5換
算による燐元素の含有量が0.25重量%未満である
場合、或はK2O換算によるカリウム元素の含有量
が0.1重量%未満である場合には、二酸化チタン
粒子の色調が悪くなりやすく二酸化チタン粒子の
エチレングリコール中での凝集安定性が低くなる
という傾向がある。なお本発明で好ましく用いら
れる二酸化チタン粒子は、上記範囲のリン元素と
カリウム元素を含んでいるために、低摩耗性を呈
することが特徴である。その結果、使用する装置
特にダイヤスリツターの刃等の損傷が少なく、作
業性、装置メンテナンス、コストなどの点におい
て低摩耗性の効果が現われる。さらに、フイルム
表面にもスクラツチ傷、スリ傷が発生しにくいと
いう効果もある。 本発明において露出するもう一方の面(B面:
平坦面)を形成するポリエステルフイルム層中に
は、平坦性を損なわない程度に不活性粒子が含有
されることが好ましい。該不活性粒子は、易滑面
(A面)を形成するポリエステルフイルム層中に
含有される小さい粒子、特に二酸化チタン粒子で
あることが好ましい。この二酸化チタン粒子の説
明は、基本的には、上述した内容をそのまま採用
できる。この二酸化チタン粒子はその平均粒径が
0.10乃至0.50μmの範囲、好ましくは0.12〜0.50μm
の範囲、更に好ましくは0.15〜0.40μmの範囲にあ
ることを特徴としている。更に、この二酸化チタ
ン粒子のフイルム中含量(WS)は、0.01〜1.0重
量%の範囲、好ましくは0.02〜0.60重量%の範
囲、更に好ましくは0.05〜0.40重量%の範囲にあ
ることを特徴としている。二酸化チタン粒子の平
均粒径が0.10μmよりも小さく、二酸化チタン粒
子のフイルム中含量(WS)が0.01重量%未満の
場合には、ベースフイルム表面の滑性が悪く、フ
イルム成形時において、巻き取れないというトラ
ブルが多発する。 本発明における積層フイルムの厚み構成は特に
限定されないが、易滑層(A面)は、添加された
不活性粒子の効果を最大限に発揮させるために
は、二軸延伸後の層厚みが2μm以上であることが
好ましく、さらには3μm以上、特には4μm以上で
あることが好ましい。易滑層の厚みが薄すぎる
と、突起に小粒子による突起が発現しにくくな
り、走行性・耐スクラツチ性が悪くなる。また、
平坦面(B面)を与える層は、平坦性を保持する
ためには、二軸延伸後の層厚みが3μm以上である
ことが好ましく、さらには4μm以上、特には5μm
以上であることが好ましい。平坦層の厚みが薄す
ぎると、易滑層中の不活性粒子の影響で平坦性が
損なわれ、好ましくない。 本発明の積層フイルムは、二層以上の多層構造
をとるフイルムではあるが、特に二層構造のもの
が好ましい。三層以上の積層フイルムの場合、最
外層が上述の表面A,Bのポリエステルフイルム
層であれば、中間層は任意のポリマー層で良い。 本発明の積層フイルムの製造は、従来から蓄積
された積層フイルムの製造法で製造することがで
きる。例えば表面Aを形成するポリエステル層と
表面Bを形成するポリエステル層とを、溶融状態
又は冷却固化された状態で積層することができ
る。更に具体的には、例えば共押出・エクストル
ージヨンコーテイング等の方法で製造できる。上
述の方法で積層されたフイルムは従来から蓄積さ
れた二軸延伸フイルムの製造法に順じた方法で逐
次二軸延伸または同時二軸延伸され、更に熱処理
される。その際、フイルム表面特性は、固体微粒
子の形状,粒径、量等によつて、また延伸条件に
よつて変化するので従来の延伸条件から適宜選択
する。例えば、延伸温度は1段目延伸温度(例え
ば縦方向延伸温度:T1)が(Tg−10)〜(Tg+
45)℃の範囲(但し、Tgポリエステルのガラス
転移温度)から、2段目延伸温度(例えば横方向
延伸温度:T2)が(T1+15)〜(T1+40)℃の
範囲から選択するとよい。また、延伸倍率は一軸
方向の延伸倍率が2.5以上、特に3倍以上でかつ
面積倍率が8倍以上、特に10倍以上となる範囲か
ら選択するとよい。更にまた、熱固定温度は180
〜250℃、更には200〜230℃の範囲から選択する
とよい。なお、前述のnzと密度ρとの関係を満足
するためには、縦方向延伸温度が(Tg+25)℃
以上、縦方向延伸速度が1500%/秒以下、好まし
くは900%/秒以下が望ましい。 本発明による二軸延伸積層ポリエステルフイル
ムは磁気記録媒体用、特に高級磁気テープ用とし
て優秀な特性を有する。 〔実施例〕 以下、実施例を掲げて本発明を更に説明する。 なお、本発明における種々の物性値および特性
は以下の如くして測定されたものであり且つ定義
される。 (1) 不活性固体粒子の平均粒径 島津製作所CP−50型セントリフユグル パ
ーテイクル サイズ アナライザー
(Centrifugal Particle Size Analyser)を用
いて測定した。得られた遠心沈降曲線を基に算
出した各粒径の粒子とその存在量との累積曲線
から、50マス パーセント(mass percent)
に相当する粒径を読み取り、この値を上記平均
粒径とした(「粒度測定技術」日刊工業新聞社
発行,1975年,頁242〜247参照)。 (2) 不活性固体粒子の粒度分布比〔γ〕 不活性無機粒子の平均粒径の測定において得
られた遠心沈降曲線を基に、各粒径の粒子とそ
の存在量との累積曲線を算出して描き、粒子の
積算重量が25マスパーセントに相当する粒径
と、粒子の積算重量が75マスパーセントに相当
する粒径を読みとり、前者の値を後者の値で除
して各々の不活性固体粒子の粒度分布比〔γ〕
を算出する。 (3) フイルム表面粗さ(Ra) JIS B 0601に準じて測定した。東京精密社
(株)製の触針式表面粗さ計(SURFCOM 3B)
を用いて、針の半径2μ,荷重0.07gの条件下に
チヤートにフイルム表面粗さ曲線をかかせた。
フイルム表面粗さ曲線からその中心線の方向に
測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部
分の中心線をX軸とし、縦倍率の方向をY軸と
して、粗さ曲線をY=f〔x〕で表わしたとき、
次の式で与えられる値(Ra:μm)をフイルム
表面粗さとして定義する。 Ra=1/L∫L p|f(x)|dx 本発明では、基準長さを0.25mmとして8個測
定し、値の大きい方から3個除いた5個の平均
値としてRaを表わした。 (4) 表面突起数 フイルムの表面に400〜500Å乃至それ以下の
厚みにアルミニウムを均一に真空蒸着し、反対
の非蒸着面(フイルム面)にコロジオンを塗つ
て貼付け、幹燥した。Tl単色光多量干渉反射
式顕微鏡(例えば、Carl Leiss JENA社製)
を用い100倍の倍率でアルミニウム蒸着面の任
意の100cm2を観察した。顕微鏡視野中の突起物
の突起高さに対応して生じる3環以上
(0.87μm以上)の干渉縞を持つ突起数H3(個)
をカウントした。 (5) フイルムの摩擦係数(μk) 図−2に示した装置を用いて下記のようにし
て測定した。図−2中、1は巻出しリール,2
はテンシヨンコントローラ,3,5,6,8,
9および11はフリーローラー,4はテンシヨ
ン検出機(入口),7はステンレス鋼SUS 304
製の固定棒(外径5mmφ)、10はテンシヨン
検出機(出口),12はガイドローラー,13
は巻取りリールをそれぞれ示す。 温度20℃,湿度60%の環境で、巾1/2インチ
に裁断したフイルムを、7の固定棒(表面粗さ
0.3μm)に角度θ=152/180xラジアン(152゜)で 接触させて毎分200cmの速さで移動(摩擦)さ
せる。入口テンシヨンT1が35gとなるようにテ
ンシヨンコントローラー2を調整した時の出口
テンシヨン(Tig)をフイルムが90m走行した
のちに出口テンシヨン検出機で検出し、次式で
走行摩擦係数μkを算出する。 μk=2.303/θlogT2/T1=0.868logT2/35 (6) 削れ性 ベースフイルムの走行面の削れ性を5段のミ
ニスーパーカレンダーを使用して評価した。カ
レンダーはナイロンロールとスチールロールの
5段カレンダーであり、処理温度は80℃、フイ
ルムにかかる線圧は200Kg/cm,フイルムスピ
ードは50m/分で走行させた。走行フイルムは
全長2000m走行させた時点でカレンダーのトツ
プローラーに付着する汚れでベースフイルムの
削れ性を評価した。 〈5段階判定〉 ◎ ナイロンロールの汚れ全くなし 〇 ナイロンロールの汚れほとんどなし △ ナイロンロールが汚れる × ナイロンロールが非常に汚れる ×× ナイロンロールがひどく汚れる (7) 磁気コーテイングフイルムの電磁変換特性
(クロマS/N) フイルム上に、下記組成 Co含有酸化鉄粉末 100重量部 エスレツクA(積水化学製塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体) 10 〃 ニツポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウ
レタンエラストマー) 10 〃 コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソ
シアネート) 5 〃 レシチン 1 〃 メチルエチルケトン 75重量部 メチルイソブチルケトン 75 〃 トルエン 75 〃 添加剤(潤滑剤,シリコン樹脂) 0.15 〃 を持つ磁性粉末塗料をグラビアロールにより塗
布し、ドクターナイフにより磁性塗料層をスム
ージングし、磁性塗料の未だ乾かぬ間に常法に
より磁気配向させ、しかる後オーブンに導びい
て乾燥キユアリングする。更にカレンダー加工
して塗布表面を均一にし、スリツトして約5μ
の磁性層を形成した1/2インチ巾の磁気コーテ
イングテープを作成する。この磁気コーテイン
グテープの電磁変換特性(クロマS/N)を下
記の方法にて測定する。 市販の家庭用VTRを用いて50%白レベル信
号(100%白レベル信号はピーク;ツー;ピー
クの電圧が0.714ボルトである)に、100%クロ
マレベル信号を重量した信号を記録し、その再
生信号をシバソクノイズメーター:タイプ925
Rを用いて測定を行う。クロマS/Nの定義は
シバソクの定義に従い次の通りである。 クロマS/N(dB)=20logES(p−p)/EN(rms) ここでES(p−p)は白レベル信号の再生信
号のピーク ツー ピークの電圧差(p−p)
である。 ES(p−p)=0.714V(p−p) また、EN(rms)はクロマレベル信号の再生信
号のピークの電圧の平方根値である。 EN(rms)=AMノイズ実効値電圧(V) (8) ドロツプアウト 上記(7)にて磁性粉末塗料を塗布処理したテー
プ(1/2インチ巾)を市販のドロツプアウトカ
ウンター(例えばシバソクVH01BZ型)にて
5μsec×10dBのドロツプアウトをカウントし1
分間のカウント数を算出した。 (9) スクラツチ判定 ベースフイルムを1/2インチ巾にスリツトし
上記(5)の摩擦係数測定と同時に固定棒に152゜の
角度までフイルムをかけ20cm/secのフイルム
速度で10m走行させ、これを50回繰返した後の
1/2インチ巾ベースフイルムの表面に入つたス
クラツチの太さ、深さ,数を総合して次の5段
階判定した。 〈5段階判定〉 ◎ 1/2インチ巾ベースフイルムに全くスク
ラツチが認められない 〇 1/2インチ巾ベースフイルムにほとんど
スクラツチが認められない △ 1/2インチ巾ベースフイルムにスクラツ
チが認められる。(何本か) × 1/2インチ巾ベースフイルムに太いスク
ラツチが何本か認められる ×× 1/2インチ巾ベースフイルムに太く深
いスクラツチが多数全面に認められる (10) 突起分布測定法 小坂研究所製三次元粗さ計(SE−3OK)を
用いて、針径μmR、針圧30mg、測定長1mmサ
ンプリングピツチ2μm、カツトオフ0.25mm、縦
方向拡大倍率2万倍、横方向拡大倍率200倍、
走査本数150本の条件にて突起分布を測定し、
突起高さ(x軸)ほ基準レベルからの面積比率
が70%になる点の突起高さ(zレベル)を0レ
ベルとし、その高さとの差を突起高さとして、
それに対応する突起数をy軸にプロツトした。 実施例 1 〔スラリーの調製〕 A 炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールス
ラリーの調製 市販の炭酸カルシウム粒子30重量部をエチレ
ングリコール70重量部に撹拌しながら投入し、
ホモゲナイサーにて高速撹拌して濃度30重量%
のスラリー(1)を作成した。このスラリーを構成
している炭酸カルシウムの平均粒径は1.03μm
であり、粒度分布比〔γ〕の値は2.6であつた。 次に、サンドグラインダー粉砕機にて該炭酸
カルシウムの30重量%エチレングリコールスラ
リーを処理し、炭酸カルシウムのエチレングリ
コールスラリー(2)を作成した。このスラリー粒
子の平均粒径は0.56μmであり、粒度分布比
〔γ〕の値は2.9であつた。 次に、高速回転するデカンター分級機により
スラリー(2)を処理して炭酸カルシウムの粗大粒
子部分を分級し、続いてフイルター(市販公称
目開き3μm)にて濾過してエチレングリコール
スラリー(3)を作成した。このスラリー粒子の平
均粒径は0.52μmであり、粒度分布比〔γ〕の
値は1.9であつた。 B アナターゼ型二酸化チタン粒子のエチレング
リコールスラリーの調製 市販のアナターゼ型二酸化チタン粒子とエチ
レングリコールとをホモゲナイザー混合機にて
高速撹拌混合し、濃度30重量%のスラリー(1)を
作成した。 次にサンドグラインダー粉砕機にスラリー(1)
を通して処理し、スラリー(2)を作成した。 更に、高速回転するデカンター分級機で処理
してからフイルターにて濾過してスラリー(3)を
作成した。 各々のスラリーの粒度分布を測定した。その
結果は次の通り。 スラリー種類 平均粒径 粒度分布比〔γ〕 (1) 0.64μm 2.7 (2) 0.33μm 2.8 (3) 0.31μm 1.9 〔フイルム用ポリマーの製法〕 ジメチルテレフタレート100重量部およびエチ
レングリコール70重量部にジメチルテレフタレー
トに対し0.015モル%の酢酸マンガン、及び0.010
モル%の酢酸ナトリウムを加え、150〜250℃でメ
タノールを留出しつつエステル交換反応を行つ
た。その際、前以つて調製しておいた炭酸カルシ
ウム粒子のエチレングリコールスラリー(濃度10
%)を添加した。 エステル交換反応終了後、エチレングリコール
共存下加熱還流されたトリメチルホスフエートを
ジメチルテレフタレートに対し0.015モル%添加
した。更に、三酸化アンチモンをジメチルテレフ
タレートに対し0.030モル%添加し、1Torr以下
の高真空下で重縮合反応を行つた。重縮合反応終
了後ポリマーを水冷、切断して、炭酸カルシウム
粒子が分散含有されたポリエチレンテレフタレー
トペレツトを得た〔以下、ポリエステルとい
う〕。 炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラ
リーの代りに前以つて調製しておいた二酸化チタ
ン粒子のエチレングリコールスラリーを添加する
以外は上記と同様にエステル交換反応及び重縮合
反応を行い、二酸化チタン粒子が分散されたポリ
エチレンテレフタレートペレツトを得た〔以下、
ポリエステルという〕。 次に、ポリエステルの製法において不活性粒
子を添加せずにエステル交換反応及び重縮合反応
を行い、外部不活性粒子の添加されていないポリ
エチレンテレフタレートペレツトを得た〔以下、
ポリエステル〕という。 〔製膜〕 ポリエステル,ポリエステル,及びポリエ
ステルを、炭酸カルシウム粒子含量が0.35重量
%に、かつ二酸化チタン粒子含量が0.15%重量に
なるように混合してブレンド物Aを得、また、ポ
リエステル及びポリエステルを二酸化チタン
粒子の含量が0.15重量%となるように混合してブ
レンド物Bを得た。そして、ブレンド物AがA面
を形成する層となるように、更にブレンド物Bが
B面を形成する層となるように製膜機の別々の押
出機に供給し、かつA面を形成するポリエステル
層の厚みが積層フイルム厚さの60%を占るように
ダイから押出して、200μmの未延伸フイルムを得
た。 この未延伸フイルムを縦延伸温度115℃、縦延
伸倍率3.1倍,横延伸温度120℃、横延伸倍率3.2
倍で逐次二軸延伸を行い、さらに225℃で熱処理
を施した。 このようにして得られた積層ポリエステルフイ
ルムの特性を表−1に示し、またフイルム表面の
凹凸の分布を図−1に曲線イとして示す。なお、
記号AはA面を、記号BはB面を意味する。ま
た、該積層フイルムの密度ρは1.3980g/cm3であ
り、フイルム厚み方向の屈折率nzと密度ρより求
めた〔nz−ρ/10〕値は1.3590であつた。 このフイルムは表裏異面フイルムであり、易滑
面(A面)の削れ性も良好であり、スリ傷も少な
く、磁性層塗布後の電磁変換特性、スクラツチ性
も良好であつた。 実施例2及び比較例1〜2 実施例1において、添加する炭酸カルシウム粒
子と、アナターゼ型二酸化チタン粒子を変える以
外は実施例1と同様にして二軸延伸積層フイルム
を製造した。この結果表−1,図−1に示す通り
である。なお、図−1中、曲線ロはは実施例2の
もの、曲線ハは比較例1のもの、曲線ニは比較例
2のものを示す。更に記号AはA面の特性を、記
号BはB面の特性を意味する。 比較例1における易滑面の添加粒子が平均粒径
1.1μmの炭酸カルシウムである場合には、走行性
は良好であるが、高突起があり、電磁変換特性が
悪く、更にカレンダー削れも悪く、使用に耐えな
かつた。また、比較例2における易滑面(A面)
が平坦すぎる場合、200回繰り返し後の摩擦係数
(μk)が高くなり、走行性が悪くなり、使用に耐
えなかつた。 比較例 3,4 実施例1において、添加する炭酸カルシウム粒
子と、アナターゼ型二酸化チタン粒子を変える以
外は実施例1と同様にして二軸延伸積層フイルム
を製造した。 この結果は表−1に示す通りである。なお、比
較例3はA面の突起分布グラフが式(2)の条件を満
足しない場合であり、比較例4はA面の突起分布
グラフが式(1)の条件を満足しない場合である。比
較例3のフイルムは走行性が悪く、一方比較例4
のフイルムは高突起があり、電磁変換特性が悪
く、更にカレンダー削れも悪いものである。 比較例 5 実施例2において、縦延伸倍率を3.7倍に、横
延伸倍率を3.5倍に変更する以外は実施例2と同
様にして二軸延伸積層フイルムを製造した。この
結果は表−1に示す通りである。 この結果より、延伸倍率が高すぎると nz−ρ/10が低くなり、フイルムの走行性が悪くな ることがわかる。
フイルムに関し、更に詳しくは電磁変換特性にす
ぐれ且つ繰返し使用時の走行耐久性及び耐削れ性
にすぐれた磁気記録媒体を賦与する二軸延伸積層
ポリエステルフイルムに関する。 〔従来技術〕 ポリエステルフイルムをベースとした磁気記録
媒体として例えばビデオテープ,オーデオテー
プ,コンピユータテープ,フロツピーデイスク等
が知られ、かつ広く用いられている。 これらの用途分野は近年、高密度記録化,高品
質化の要求がますます高まり、これに伴つてベー
スとなるポリエステルフイルムは表面が平坦でし
かも滑り性にすぐれ、かつ耐久走行性,耐削れ性
にすぐれていることの要求がますます強くなつて
いる。 従来、易滑性を向上させる方法としてポリエス
テルに酸化ケイ素,炭酸カルシウム等の無機質粒
子を添加する方法、又はポリエステルの合成時に
重合系内でカルシウム,リチウムあるいはリンを
含む微粒子を析出せしめる方法が提案されてい
る。いずれの方法もポリエステルを製膜した際に
微粒子に由来してフイルム表面に突起を形成し、
フイルムの易滑性を向上させるものである。 しかしながら、上記の如き微粒子による突起に
よつてフイルムの滑り性を改善する方法では通
常、フイルム表面を粗面化する程滑り性は向上す
るが、一方では該粗面化に起因して磁気塗料を塗
布後の表面が粗れ、電磁変換特性が悪化する傾向
がある。 これらの相反する平坦性と易滑性とを解決する
方策として、大粒径の粒子と小粒径の粒子とを組
合せた複合系粒子を利用する手段が提案されてい
るが、単層フイルムにはフイルム両面が共に同一
の表面性を有することから限界があり満足できる
レベルではない。 そこで、更に露出する一方の面がすぐれた滑り
性を有し、もう一方の露出する面が平坦であるよ
うな表裏異面フイルムがいくつか提案されてお
り、この手段として積層フイルムも用いられてい
る。 しかしながら、この手段による従来法にも次の
ような問題点がある。すなわち、易滑性とする
ために表面を粗くしようとすると、もう一方の表
面にもその影響があらわれ、平坦性が損なわれ
る。この傾向はフイルム厚みが薄くなると特に顕
著となる。平坦・易滑の表裏異面フイルムに磁
気塗料が塗布されるフイルム面が平坦であつて
も、その反対面が粗面でありすぎると、塗布され
た磁性層表面にフイルム粗面の凹凸が裏写り転写
して、磁性層表面に凹凸が発生し、その結果平坦
性が損われ、電磁変換特性が不充分となる。一
般に、優れた易滑性を与えようとするとフイルム
表面の突起が高くなり、その結果磁気記録テープ
化工程における不織布でのクリーニング工程ある
いはカレンダー加工工程において高い突起部が削
り落され、ドロツプアウトの原因をひき起す。
フイルム表面突起の形成手段としての添加粒子の
分布が従来技術では殆んど制御されていないこと
から、フイルム表面の突起が設計された通りに調
整し難い。等の問題点がある。 本発明者は、上述の問題点を解決し、高級品質
の磁気記録用途分野に適用可能な平坦性と易滑性
と耐削れ性とを兼備した積層フイルムの開発に成
功した。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、磁気記録媒体として高密度記
録化,高品質でしかも繰り返し使用に耐え得るベ
ースフイルムを提供することにあり、更にはフイ
ルム表面に大きな突起はなく、ドロツプアウト等
のノイズの原因とならず、電磁変換特性を悪化さ
せ難い平坦な表面(B面)と、繰返し走行時の摩
擦係数が小さく、磁気記録媒体の加工工程及び磁
気記録再生装置の部分との接触によるフイルムの
削れ性が極めて少なく、継続的使用における耐久
性が良好で、磁気層面に裏写り転写するような大
突起の少ない易滑面(A面)とを兼ね備えた二軸
延伸積層ポリエステルフイルムを提供することに
ある。 〔発明の構成・効果〕 本発明のかかる目的は、本発明によれば、芳香
族ジカルボン酸を主たる酸成分とし脂肪族グリコ
ールを主たるグリコール成分とするフイルム形成
性芳香族ポリエステルからなる二軸延伸積層フイ
ルムであつて、該フイルムの露出する一方の面
(A面)は表面粗さRaAが0.025μm以下0.010μm
以上であり、突起数20ケ/mm2以上の領域で求めた
突起の数(y:ケ/mm2)と突起の高さ(x:μm)
との関係を表わす分布曲線が式(1) log10y=−9.8x+4.4 ……(1) で表わされる直線と、log10y>1.3の範囲におい
て交差しない突起分布を有し、更に該突起分布曲
線の最大値より大きい部分の曲線が式(2) log10y≧−18x+3.7 ……(2) の範囲にあり、かつ突起高さ(x)が0.87μm以
上のものは実質的に含まない易滑面を与え、 露出するもう一方の面(B面)は表面粗さ
RaBが0.012μm以下0.004μm以上であり、突起数
20ケ/mm2以上の領域で求めた突起の数(y:ケ/
mm2)と突起の高さ(x:μm)との関係を表わす
分布曲線において該突起分布曲線の最大値より大
きい部分の曲線が式(3) log10y=−18x+3.7 ……(3) と交叉し、さらに式(4) log10y≧−44.1x+4.33 ……(4) の範囲にあり、かつ突起高さ(x)が0.13μm以
上のものは実質的に含まない平坦面を与え、 さらにA面(易滑面)の表面粗さRaAとB面
(平坦面)の表面粗さRaBとは式(5) 1.3≦RaA/RaB≦5 ……(5) を満足し、かつ該積層フイルムの密度ρと厚み方
向の屈折率nzとが式(6),(7) 1.352≦nz−ρ/10≦1.366 ……(6) 1.385≦ρ≦1.405 ……(7) を満足することを特徴とする磁気記録用二軸延伸
積層ポリエステルフイルムによつて達成される。 本発明の二軸延伸積層ポリエステルフイルムは
易滑面を与える層と平坦面を与える層との積層フ
イルムである。 この易滑面(A面)を与える層は、フイルム表
面特性として、表面粗さRaAが0.025μm以上
0.010μm以下であり、突起高さ(x)が0.87μm以
上の突起は実質的に含まず、かつ突起数20ケ/mm2
以上の領域で求めた突起の数(y:ケ/mm2)と突
起の高さ(x:μm)との関係を表わす分布曲線
が下記式(1) log10y=−9.8x+4.4 ……(1) で表わされる直線とlog10y>1.3の範囲において
交差しない突起分布を有し、更に該突起分布曲線
の最大値より大きい部分の曲線が下記式(2) log10y≧−18x+3.7 ……(2) の範囲にある特性を備えている。この表面粗さ
RaAが0.025μmより大きくなると、ベースフイル
ムの表面が粗れすぎ、裏写り転写により磁性面の
平坦性が損なわれるため電磁変換特性が悪化する
ので好ましくない。またRaAが0.010μmより小さ
くなると走行性が悪くなり、好ましくない。好ま
しい表面粗さRaAは0.020μm以下0.0125μm以上
である。 更にまた、起数20ケ/mm2以上の領域で求めた突
起の数(y)と突起の高さ(x)との関係を表わ
す分布曲線が上記式(1)で表わされる直線とlog10y
>1.3の範囲において交差すると、裏写り転写に
より磁性面の平坦性が損なわれ、電磁変換特性が
悪化するので好ましくないとともにテープ加工工
程特にカレンダー工程での突起の削れ落ちが生
じ、またテープの繰り返し使用時に削れが生じて
摩擦係数が上るとともに削れ粉がテープ面に付着
し、ドロツプアウトを増大するというトラブルを
生じるので好ましくない。更にまた上記分布曲線
の最大値より大きい部分の曲線が上記式(2)の範囲
にないとフイルム表面が平坦になりすぎ、200回
繰り返し後の摩擦係数(μk)が0.15〜0.35の範囲
を満足するのが難しくなるので好ましくない。上
記分布曲線において、最大値を超えた側の曲線は −18x+3.7≦log10y≦−9.8x+4.4 の範囲(但し、log10y>1.3)を満足することが
好ましい。更にまた、フイルム表面に0.87μm以
上の突起が在ると、テープの走行性は向上するが
加工工程での突起削れの原因になると共にその部
分がドロツプアウトの原因にもなるので好ましく
ない。 本発明の積層ポリエステルフイルムにおいて平
坦面(B面)を与える層は、フイルム表面特性と
して、表面粗さRaBが0.012μm以上であり、突起
高さ(x)が0.13μm以上の突起は存在せず、か
つ突起数20ケ/mm2以上の領域で求めた突起数
(y:ケ/mm2)と突起高さ(x:μm)との関係を
表わす分布曲線において該突起分布曲線の最大値
より大きい部分の曲線が下記式(3) log10=−18x+3.7 ……(3) と交叉し、さらに下記式(4) log10y≧−44.1×+4.33 ……(4) の範囲にある特性を備えている。この表面粗さ
RaBが0.012μmより大きくなると、磁性面の表面
は高級品質の磁気記録用テープとして必要な電磁
変換特性を維持することができない為好ましくな
い。好ましい表面粗さRaBは0.010μm以下
0.004μm以上である。また、突起数20ケ/mm2以上
の領域で求めた突起の数(y)と突起の高さ
(x)との関係を表わす分布曲線において該突起
分布曲線の最大値より大きい部分の曲線が上記式
(3)と交叉しないと、例えば突起分布曲線の最大値
より大きい部分の曲線が常に上記式(2)を満足する
場合には、フイルム表面が粗れすぎまた突起高さ
0.13μm以上の突起が存在する場合も多くなり、
電磁変換特性が低下し、高級品質の磁気記録用テ
ープとして必要な特性を維持することができない
ため好ましくない。また逆に、突起数20ケ/mm2以
上の領域で突起分布曲線が常に log10y<−18x+3.7 を満足する場合には、フイルム表面が平坦になり
すぎ、摩擦係数が大きくなる為ベースフイルムの
製膜時や磁気記録材料の加工工程時のフイルム取
扱い性が悪く、しわが入る等のトラブルを起す為
好ましくない。 本発明の二軸延伸積層ポリエステルフイルムは
上述したフイルム表面特性を備えると同時に易滑
面(A面)の表面粗さRaAと平坦面(B面)の
表面粗さRaBとの間に下記式(5) 1.3≦RaA/RaB≦5 ……(5) なる関係式を満足する特性を備えている。RaA/RaB の値が1.3より小さくなると平坦性と易滑性とを
同時に満足する特性が発揮できず電磁変換特性,
走行性のいずれかが充分となるので好ましくな
い。またRaA/RaBの値が5より大きくなると積層フ イルムの表面と裏面とで滑り性の差が大きすぎ、
フイルムの巻取中にシワが発生したり、加工工程
で折れシワが発生したり、スリ傷が発生したりし
て好ましくない。これらの点から1.5≦RaA/RaB≦3 であることがさらに好ましい。 本発明の二軸延伸積層ポリエステルフイルム
は、前述のフイルム表面特性を備えると同時にさ
らにフイルムの厚み方向の屈折率nzと密度ρとが
下記式(6),(7) 1.352≦nz−ρ/10≦1.366 ……(6) 1.385≦ρ≦1.405 ……(7) を満足するという特性を備えている。(nz−ρ/10) の値が1.352より低くなると、走行性が悪くなる
ので好ましくない。また(nz−ρ/10)の値は大き くなると削れ性、走行性が良好となるが、1.366
を越えるとフイルムを製膜する際の厚み斑が悪く
なり、巻きが良好な製品が得られ難くなるので好
ましくない。(nz−ρ/10)の値は好ましくは1.355 以上1.362以下であり、特に好ましくは1.356以上
1.360以下である。 更に密度ρが1.405〔g/cm3〕を越えると、削れ
性が悪くなり、スクラツチがはいり易くなるので
好ましくない。一方密度ρが1.385〔g/cm3〕より
小さくなると、熱収縮率が大きくなり、磁気テー
プ製造工程中の加熱工程部でシワが入り易くなる
ので好ましくない。密度ρは1.390g/cm3以上
1.400g/cm3以下が好ましく、1.394g/cm3以上
1.398g/cm3以下が特に好ましい。 本発明における芳香族ポリエステルとは芳香族
ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコ
ールを主たるグリコール成分とするポリエステル
である。かかるポリエステルは実質的に線状であ
り、そしてフイルム形成性特に溶融成形によるフ
イルム形成性を有する。芳香族ジカルボン酸とし
ては、例えばテレフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、イソフタル酸、ジフエノキシエタンジカル
ボン酸,ジフエニルジカルボン酸,ジフエニルエ
ーテルジカルボン酸,ジフエニルスルホンジカル
ボン酸,ジフエニルケトンジカルボン酸,アンス
ラセンジカルボン酸等をあげることができる。脂
肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコ
ール,トリメチレングリコール,テトラメチレン
グリコール,ペンタメチレングリコール,ヘキサ
メチレングリコール,デカメチレングリコールの
如き炭素数2〜10のポリメチレングリコールある
いはシクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジ
オール等をあげることができる。 本発明において、ポリエステルとしては例えば
アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレン
ナフタレートを主たる構成成分とするものが好ま
しく用いられる。 かかるポリエステルのうちでも例えばポリエチ
レンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート
はもちろんのこと、例えば全ジカルボン酸成分の
80モル%以上がテレフタル酸及び/又はナフタレ
ンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モ
ル%以上がエチレングリコールである共重合体が
特に好ましい。その際全酸成の20モリ%以下のジ
カルボン酸は上記芳香族ジカルボン酸であること
ができ、また例えばアジピン酸、セバチン酸の如
き脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサン−1.4−
ジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等である
ことができる。また、全グリコール成分の20モル
%以下は、エチレングリコール以外の上記グリコ
ールであることができ、あるいは例えばハイドロ
キノン,レゾルシノール,2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフエニル)プロパンの如き芳香族ジオー
ル;1,4−ジヒドロキシメチルベンゼンの如き
芳香族を含む脂肪族ジオール;ポリエチレングリ
コール,ポリプロピレングリコール,ポリテトラ
メチレングリコールの如きポリアルキレングリコ
ール(ポリオキシアルキレングリコール)等であ
ることもできる。 また、本発明で用いられる芳香族ポリエステル
には、例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オ
キシ酸;ω−ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族
オキシ酸等のオキシカルボン酸に由来する成分
を、ジカルボン酸成分およびオキシカルボン酸成
分の総量に対し20モル%以下で含有するものも包
含される。さらに本発明における芳香族ポリエス
テルには実質的に線状である範囲の量、例えば全
酸成分に対し2モル%以下の量で、3官能以上の
ポリカルボン酸又はポリヒドロキシ化合物、例え
ばトリメリツト酸,ペンタエリスリトールを共重
合したものをも包含される。 上記芳香族ポリエステルは、それ自体公知であ
り、且つそれ自体公知の方法で製造することがで
きる。 上記芳香族ポリエステルとしては、o−クロロ
フエノール中の溶液として35℃で測定して求めた
固有粘度が約0.4〜約0.9のものが好ましい。 本発明において露出する一方の面(A面:易滑
面)を形成するポリエステルフイルム層中には、
好ましくは大きい粒子と小さい粒子とからなる不
活性粒子が含有されている。該不活性粒子を構成
する大きい粒子として用い得る粒子は、組成的に
は炭酸カルシウムよりなり、製法的には軽質炭酸
カルシウム又は重炭酸カルシウムのいずれのもの
でもよい。この大きい粒子の炭酸カルシウ粒子
は、その粒度分布に特徴があり、対数確率紙上に
炭酸カルシウム粒子の粒度分布をプロツトした
際、炭酸カルシウムの積算重量が75%の時の粒子
直径との比で表わされる粒度分布比、すなわち下
記式(8) 〔γ〕=粒子精算重量が25%の時の直径/粒子精算重量
が75%の時の直径……(8) で表わされる粒度分布比〔γ〕の値が1.5〜2.3の
範囲、好ましくは1.5〜2.2の範囲、更に好ましく
は1.5〜2.1の範囲となるように制御された粒度分
布を有する。本発明に用いられる炭酸カルシウム
粒子の制御された粒度分布は前述の本発明の目的
を達成する為には特に好ましい条件であり、この
粒度分布比〔γ〕の値が低いほど炭酸カルシウム
粒子の粒度分布がシヤープであることを示してい
る。この様な特定の範囲の粒度分布比を有する炭
酸カルシウム粒子は単に市販品を使用するだけで
は得られず、エチレングリコールの如き溶媒中で
粉砕又は解砕処理を施し、沈降処理により粗大粒
子分を分離し、更に濾過処理等の前処理を実施し
て初めて得られるものである。 更に、不活性粒子を構成する小さい粒子は、組
成的には二酸化チタンからなり、結晶形態的には
アナターゼ型二酸化チタンである。更に好ましく
は、後述する如く燐元素とカリウム元素を特定量
含有する特殊な二酸化チタンである。このアナタ
ーゼ型二酸化チタン粒子は、その粒度分布に特徴
があり、上記式(8)で表わされる粒度分布比〔γ〕
の値が1.2〜2.3の範囲、好ましくは1.4〜2.2の範
囲、更に好ましくは1.4〜2.1の範囲にある制御さ
れた粒度分布を有する。本発明に用いられる二酸
化チタン粒子の制御された粒度分布は前述の本発
明の目的を達成する為には特に好ましい条件であ
り、この粒度分布比〔γ〕の値が小さい程、二酸
化チタン粒子の粒度分布がシヤープであることを
示している。しかしながら、粒度分布比〔γ〕の
値が1.2未満の粒度分布を持たせることは経験的
に大変困難で達成が難しい。この様な特定の範囲
の粒度分布比を有する二酸化チタン粒子は単に市
販品を使用するだけでは得られずエチレングリコ
ールの如き溶媒中に粉砕又は解砕処理を施し、沈
降処理により粗大粒子分を分離し、更に濾過処理
等の前処理を組合せて実施して初めて得られる粒
度分布が制御された特定の粒子である。この粒度
分布比〔γ〕の値が、2.3を超える場合には、不
活性粒子中の粗大粒子が多くなり、フイルム表面
の突起形状が大きくなる。そして製品の電磁変換
特性も急激に悪化する傾向がある。また、炭酸カ
ルシウム粒子又はチタン粒子のどちらか一方の粒
度分布比〔γ〕の値が2.3を超える場合にも不活
性粒子中の粗大粒子が、重量%的には少ないにも
拘らず個数的には多く存在する様になり、フイル
ム表面においてNa光線による干渉縞が3環以上
になる突起が増加し、100cm3当り20ケより多くな
つてしまう。 本発明に供する炭酸カルシウム粒子は、その平
均粒径が0.3〜0.9μmの範囲、好ましくは0.35〜
0.8μmの範囲、更に好ましくは0.4〜0.7μmの範囲
にあることを特徴としている。炭酸カルシウム粒
子のフイルム中の含量(WB)は0.06〜0.5重量%
の範囲、好ましくは0.1〜0.4重量%の範囲、更に
好ましくは0.15〜0.3重量%の範囲にあることも
特徴とするものである。炭酸カルシウム粒子の平
均粒径が0.9μmよりも大きく、炭酸カルシウムの
フイルム中の含量(WB)が0.50重量%よりも多
い場合にはベースフイルムの易滑性は良好である
が、フイルム表面の凹凸の頻度が増し、磁気記録
時の雑音が大きくなりやすい。炭酸カルシウム粒
子のフイルムにおける含有量が、0.1〜0.5重量%
の場合と0.06重量%以上0.1%未満(重量)(殊に
0.06〜0.09重量%)の場合とを比較すると前者は
フイルム表面の粗さ(RaAの値)を増加させる
傾向を有し、後者はフイルム走行面の走行摩擦係
数〔μk〕が繰返し使用によつても変化しないと
いう傾向を示す。従つて、炭酸カルシウムの含有
率が0.1重量%未満ではフイルムの走行(使用)
による耐久性,滑り特性の不安定さが現われる。 本発明に供する不活性粒子の中の二酸化チタン
粒子は、その平均粒径が0.10〜0.50μmの範囲、好
ましくは0.15〜0.50μmの範囲、更に好ましくは
0.20〜0.40μmの範囲にあると好ましい。本発明に
供する二酸化チタン粒子のフイルム中含量(WB)
は、0.10〜0.60重量%の範囲、好ましくは0.12〜
0.50重量%の範囲、更に好ましくは0.15〜0.40重
量%の範囲にあることを特徴としている。二酸化
チタン粒子の平粒粒径が0.10μmよりも小さく、
フイルム中の含量(WS)が0.10重量%未満の場
合にはベースフイルム表面の滑性が低く、フイル
ム成形時において巻き取れないというトラブルが
多発する。 本発明では、炭酸カルシウム粒子の平均粒径と
二酸化チタン粒子の平均粒径との比は、1.5〜10
の範囲、更には1.5〜8の範囲、特に1.6〜5の範
囲にあることが好ましい。炭酸カルシウム粒子の
平均粒径と二酸化チタン粒子の平均粒径の比が10
よりも大きい場合には、フイルム表面の凹凸が大
きくなり、磁気記録の再現性がよくない。また炭
酸カルシウム粒子の平均粒径との比は1.5よりも
小さい場合に、ベースフイルム形成時における巻
き性が悪く、ベースフイルムの巾方向の巻き硬さ
に硬度の差が生じる場合が多くなる傾向がある。 本発明で用いられる二酸化チタン粒子は、その
組成においてP2O5換算で0.25重量%以上、好まし
くは0.25重量%から1.0重量%までの範囲、更に
好ましくは0.28重量%から1.0重量%までの範囲
の燐元素を含み、かつK2O換算で0.1重量%以上、
好ましくは0.1重量%から0.30重量%の範囲、更
に好ましくは0.1重量%から0.28重量%の範囲の
カリウム元素を含んでいることを特徴としてい
る。二酸化チタン粒子の組成において、P2O5換
算による燐元素の含有量が0.25重量%未満である
場合、或はK2O換算によるカリウム元素の含有量
が0.1重量%未満である場合には、二酸化チタン
粒子の色調が悪くなりやすく二酸化チタン粒子の
エチレングリコール中での凝集安定性が低くなる
という傾向がある。なお本発明で好ましく用いら
れる二酸化チタン粒子は、上記範囲のリン元素と
カリウム元素を含んでいるために、低摩耗性を呈
することが特徴である。その結果、使用する装置
特にダイヤスリツターの刃等の損傷が少なく、作
業性、装置メンテナンス、コストなどの点におい
て低摩耗性の効果が現われる。さらに、フイルム
表面にもスクラツチ傷、スリ傷が発生しにくいと
いう効果もある。 本発明において露出するもう一方の面(B面:
平坦面)を形成するポリエステルフイルム層中に
は、平坦性を損なわない程度に不活性粒子が含有
されることが好ましい。該不活性粒子は、易滑面
(A面)を形成するポリエステルフイルム層中に
含有される小さい粒子、特に二酸化チタン粒子で
あることが好ましい。この二酸化チタン粒子の説
明は、基本的には、上述した内容をそのまま採用
できる。この二酸化チタン粒子はその平均粒径が
0.10乃至0.50μmの範囲、好ましくは0.12〜0.50μm
の範囲、更に好ましくは0.15〜0.40μmの範囲にあ
ることを特徴としている。更に、この二酸化チタ
ン粒子のフイルム中含量(WS)は、0.01〜1.0重
量%の範囲、好ましくは0.02〜0.60重量%の範
囲、更に好ましくは0.05〜0.40重量%の範囲にあ
ることを特徴としている。二酸化チタン粒子の平
均粒径が0.10μmよりも小さく、二酸化チタン粒
子のフイルム中含量(WS)が0.01重量%未満の
場合には、ベースフイルム表面の滑性が悪く、フ
イルム成形時において、巻き取れないというトラ
ブルが多発する。 本発明における積層フイルムの厚み構成は特に
限定されないが、易滑層(A面)は、添加された
不活性粒子の効果を最大限に発揮させるために
は、二軸延伸後の層厚みが2μm以上であることが
好ましく、さらには3μm以上、特には4μm以上で
あることが好ましい。易滑層の厚みが薄すぎる
と、突起に小粒子による突起が発現しにくくな
り、走行性・耐スクラツチ性が悪くなる。また、
平坦面(B面)を与える層は、平坦性を保持する
ためには、二軸延伸後の層厚みが3μm以上である
ことが好ましく、さらには4μm以上、特には5μm
以上であることが好ましい。平坦層の厚みが薄す
ぎると、易滑層中の不活性粒子の影響で平坦性が
損なわれ、好ましくない。 本発明の積層フイルムは、二層以上の多層構造
をとるフイルムではあるが、特に二層構造のもの
が好ましい。三層以上の積層フイルムの場合、最
外層が上述の表面A,Bのポリエステルフイルム
層であれば、中間層は任意のポリマー層で良い。 本発明の積層フイルムの製造は、従来から蓄積
された積層フイルムの製造法で製造することがで
きる。例えば表面Aを形成するポリエステル層と
表面Bを形成するポリエステル層とを、溶融状態
又は冷却固化された状態で積層することができ
る。更に具体的には、例えば共押出・エクストル
ージヨンコーテイング等の方法で製造できる。上
述の方法で積層されたフイルムは従来から蓄積さ
れた二軸延伸フイルムの製造法に順じた方法で逐
次二軸延伸または同時二軸延伸され、更に熱処理
される。その際、フイルム表面特性は、固体微粒
子の形状,粒径、量等によつて、また延伸条件に
よつて変化するので従来の延伸条件から適宜選択
する。例えば、延伸温度は1段目延伸温度(例え
ば縦方向延伸温度:T1)が(Tg−10)〜(Tg+
45)℃の範囲(但し、Tgポリエステルのガラス
転移温度)から、2段目延伸温度(例えば横方向
延伸温度:T2)が(T1+15)〜(T1+40)℃の
範囲から選択するとよい。また、延伸倍率は一軸
方向の延伸倍率が2.5以上、特に3倍以上でかつ
面積倍率が8倍以上、特に10倍以上となる範囲か
ら選択するとよい。更にまた、熱固定温度は180
〜250℃、更には200〜230℃の範囲から選択する
とよい。なお、前述のnzと密度ρとの関係を満足
するためには、縦方向延伸温度が(Tg+25)℃
以上、縦方向延伸速度が1500%/秒以下、好まし
くは900%/秒以下が望ましい。 本発明による二軸延伸積層ポリエステルフイル
ムは磁気記録媒体用、特に高級磁気テープ用とし
て優秀な特性を有する。 〔実施例〕 以下、実施例を掲げて本発明を更に説明する。 なお、本発明における種々の物性値および特性
は以下の如くして測定されたものであり且つ定義
される。 (1) 不活性固体粒子の平均粒径 島津製作所CP−50型セントリフユグル パ
ーテイクル サイズ アナライザー
(Centrifugal Particle Size Analyser)を用
いて測定した。得られた遠心沈降曲線を基に算
出した各粒径の粒子とその存在量との累積曲線
から、50マス パーセント(mass percent)
に相当する粒径を読み取り、この値を上記平均
粒径とした(「粒度測定技術」日刊工業新聞社
発行,1975年,頁242〜247参照)。 (2) 不活性固体粒子の粒度分布比〔γ〕 不活性無機粒子の平均粒径の測定において得
られた遠心沈降曲線を基に、各粒径の粒子とそ
の存在量との累積曲線を算出して描き、粒子の
積算重量が25マスパーセントに相当する粒径
と、粒子の積算重量が75マスパーセントに相当
する粒径を読みとり、前者の値を後者の値で除
して各々の不活性固体粒子の粒度分布比〔γ〕
を算出する。 (3) フイルム表面粗さ(Ra) JIS B 0601に準じて測定した。東京精密社
(株)製の触針式表面粗さ計(SURFCOM 3B)
を用いて、針の半径2μ,荷重0.07gの条件下に
チヤートにフイルム表面粗さ曲線をかかせた。
フイルム表面粗さ曲線からその中心線の方向に
測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部
分の中心線をX軸とし、縦倍率の方向をY軸と
して、粗さ曲線をY=f〔x〕で表わしたとき、
次の式で与えられる値(Ra:μm)をフイルム
表面粗さとして定義する。 Ra=1/L∫L p|f(x)|dx 本発明では、基準長さを0.25mmとして8個測
定し、値の大きい方から3個除いた5個の平均
値としてRaを表わした。 (4) 表面突起数 フイルムの表面に400〜500Å乃至それ以下の
厚みにアルミニウムを均一に真空蒸着し、反対
の非蒸着面(フイルム面)にコロジオンを塗つ
て貼付け、幹燥した。Tl単色光多量干渉反射
式顕微鏡(例えば、Carl Leiss JENA社製)
を用い100倍の倍率でアルミニウム蒸着面の任
意の100cm2を観察した。顕微鏡視野中の突起物
の突起高さに対応して生じる3環以上
(0.87μm以上)の干渉縞を持つ突起数H3(個)
をカウントした。 (5) フイルムの摩擦係数(μk) 図−2に示した装置を用いて下記のようにし
て測定した。図−2中、1は巻出しリール,2
はテンシヨンコントローラ,3,5,6,8,
9および11はフリーローラー,4はテンシヨ
ン検出機(入口),7はステンレス鋼SUS 304
製の固定棒(外径5mmφ)、10はテンシヨン
検出機(出口),12はガイドローラー,13
は巻取りリールをそれぞれ示す。 温度20℃,湿度60%の環境で、巾1/2インチ
に裁断したフイルムを、7の固定棒(表面粗さ
0.3μm)に角度θ=152/180xラジアン(152゜)で 接触させて毎分200cmの速さで移動(摩擦)さ
せる。入口テンシヨンT1が35gとなるようにテ
ンシヨンコントローラー2を調整した時の出口
テンシヨン(Tig)をフイルムが90m走行した
のちに出口テンシヨン検出機で検出し、次式で
走行摩擦係数μkを算出する。 μk=2.303/θlogT2/T1=0.868logT2/35 (6) 削れ性 ベースフイルムの走行面の削れ性を5段のミ
ニスーパーカレンダーを使用して評価した。カ
レンダーはナイロンロールとスチールロールの
5段カレンダーであり、処理温度は80℃、フイ
ルムにかかる線圧は200Kg/cm,フイルムスピ
ードは50m/分で走行させた。走行フイルムは
全長2000m走行させた時点でカレンダーのトツ
プローラーに付着する汚れでベースフイルムの
削れ性を評価した。 〈5段階判定〉 ◎ ナイロンロールの汚れ全くなし 〇 ナイロンロールの汚れほとんどなし △ ナイロンロールが汚れる × ナイロンロールが非常に汚れる ×× ナイロンロールがひどく汚れる (7) 磁気コーテイングフイルムの電磁変換特性
(クロマS/N) フイルム上に、下記組成 Co含有酸化鉄粉末 100重量部 エスレツクA(積水化学製塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体) 10 〃 ニツポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウ
レタンエラストマー) 10 〃 コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソ
シアネート) 5 〃 レシチン 1 〃 メチルエチルケトン 75重量部 メチルイソブチルケトン 75 〃 トルエン 75 〃 添加剤(潤滑剤,シリコン樹脂) 0.15 〃 を持つ磁性粉末塗料をグラビアロールにより塗
布し、ドクターナイフにより磁性塗料層をスム
ージングし、磁性塗料の未だ乾かぬ間に常法に
より磁気配向させ、しかる後オーブンに導びい
て乾燥キユアリングする。更にカレンダー加工
して塗布表面を均一にし、スリツトして約5μ
の磁性層を形成した1/2インチ巾の磁気コーテ
イングテープを作成する。この磁気コーテイン
グテープの電磁変換特性(クロマS/N)を下
記の方法にて測定する。 市販の家庭用VTRを用いて50%白レベル信
号(100%白レベル信号はピーク;ツー;ピー
クの電圧が0.714ボルトである)に、100%クロ
マレベル信号を重量した信号を記録し、その再
生信号をシバソクノイズメーター:タイプ925
Rを用いて測定を行う。クロマS/Nの定義は
シバソクの定義に従い次の通りである。 クロマS/N(dB)=20logES(p−p)/EN(rms) ここでES(p−p)は白レベル信号の再生信
号のピーク ツー ピークの電圧差(p−p)
である。 ES(p−p)=0.714V(p−p) また、EN(rms)はクロマレベル信号の再生信
号のピークの電圧の平方根値である。 EN(rms)=AMノイズ実効値電圧(V) (8) ドロツプアウト 上記(7)にて磁性粉末塗料を塗布処理したテー
プ(1/2インチ巾)を市販のドロツプアウトカ
ウンター(例えばシバソクVH01BZ型)にて
5μsec×10dBのドロツプアウトをカウントし1
分間のカウント数を算出した。 (9) スクラツチ判定 ベースフイルムを1/2インチ巾にスリツトし
上記(5)の摩擦係数測定と同時に固定棒に152゜の
角度までフイルムをかけ20cm/secのフイルム
速度で10m走行させ、これを50回繰返した後の
1/2インチ巾ベースフイルムの表面に入つたス
クラツチの太さ、深さ,数を総合して次の5段
階判定した。 〈5段階判定〉 ◎ 1/2インチ巾ベースフイルムに全くスク
ラツチが認められない 〇 1/2インチ巾ベースフイルムにほとんど
スクラツチが認められない △ 1/2インチ巾ベースフイルムにスクラツ
チが認められる。(何本か) × 1/2インチ巾ベースフイルムに太いスク
ラツチが何本か認められる ×× 1/2インチ巾ベースフイルムに太く深
いスクラツチが多数全面に認められる (10) 突起分布測定法 小坂研究所製三次元粗さ計(SE−3OK)を
用いて、針径μmR、針圧30mg、測定長1mmサ
ンプリングピツチ2μm、カツトオフ0.25mm、縦
方向拡大倍率2万倍、横方向拡大倍率200倍、
走査本数150本の条件にて突起分布を測定し、
突起高さ(x軸)ほ基準レベルからの面積比率
が70%になる点の突起高さ(zレベル)を0レ
ベルとし、その高さとの差を突起高さとして、
それに対応する突起数をy軸にプロツトした。 実施例 1 〔スラリーの調製〕 A 炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールス
ラリーの調製 市販の炭酸カルシウム粒子30重量部をエチレ
ングリコール70重量部に撹拌しながら投入し、
ホモゲナイサーにて高速撹拌して濃度30重量%
のスラリー(1)を作成した。このスラリーを構成
している炭酸カルシウムの平均粒径は1.03μm
であり、粒度分布比〔γ〕の値は2.6であつた。 次に、サンドグラインダー粉砕機にて該炭酸
カルシウムの30重量%エチレングリコールスラ
リーを処理し、炭酸カルシウムのエチレングリ
コールスラリー(2)を作成した。このスラリー粒
子の平均粒径は0.56μmであり、粒度分布比
〔γ〕の値は2.9であつた。 次に、高速回転するデカンター分級機により
スラリー(2)を処理して炭酸カルシウムの粗大粒
子部分を分級し、続いてフイルター(市販公称
目開き3μm)にて濾過してエチレングリコール
スラリー(3)を作成した。このスラリー粒子の平
均粒径は0.52μmであり、粒度分布比〔γ〕の
値は1.9であつた。 B アナターゼ型二酸化チタン粒子のエチレング
リコールスラリーの調製 市販のアナターゼ型二酸化チタン粒子とエチ
レングリコールとをホモゲナイザー混合機にて
高速撹拌混合し、濃度30重量%のスラリー(1)を
作成した。 次にサンドグラインダー粉砕機にスラリー(1)
を通して処理し、スラリー(2)を作成した。 更に、高速回転するデカンター分級機で処理
してからフイルターにて濾過してスラリー(3)を
作成した。 各々のスラリーの粒度分布を測定した。その
結果は次の通り。 スラリー種類 平均粒径 粒度分布比〔γ〕 (1) 0.64μm 2.7 (2) 0.33μm 2.8 (3) 0.31μm 1.9 〔フイルム用ポリマーの製法〕 ジメチルテレフタレート100重量部およびエチ
レングリコール70重量部にジメチルテレフタレー
トに対し0.015モル%の酢酸マンガン、及び0.010
モル%の酢酸ナトリウムを加え、150〜250℃でメ
タノールを留出しつつエステル交換反応を行つ
た。その際、前以つて調製しておいた炭酸カルシ
ウム粒子のエチレングリコールスラリー(濃度10
%)を添加した。 エステル交換反応終了後、エチレングリコール
共存下加熱還流されたトリメチルホスフエートを
ジメチルテレフタレートに対し0.015モル%添加
した。更に、三酸化アンチモンをジメチルテレフ
タレートに対し0.030モル%添加し、1Torr以下
の高真空下で重縮合反応を行つた。重縮合反応終
了後ポリマーを水冷、切断して、炭酸カルシウム
粒子が分散含有されたポリエチレンテレフタレー
トペレツトを得た〔以下、ポリエステルとい
う〕。 炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラ
リーの代りに前以つて調製しておいた二酸化チタ
ン粒子のエチレングリコールスラリーを添加する
以外は上記と同様にエステル交換反応及び重縮合
反応を行い、二酸化チタン粒子が分散されたポリ
エチレンテレフタレートペレツトを得た〔以下、
ポリエステルという〕。 次に、ポリエステルの製法において不活性粒
子を添加せずにエステル交換反応及び重縮合反応
を行い、外部不活性粒子の添加されていないポリ
エチレンテレフタレートペレツトを得た〔以下、
ポリエステル〕という。 〔製膜〕 ポリエステル,ポリエステル,及びポリエ
ステルを、炭酸カルシウム粒子含量が0.35重量
%に、かつ二酸化チタン粒子含量が0.15%重量に
なるように混合してブレンド物Aを得、また、ポ
リエステル及びポリエステルを二酸化チタン
粒子の含量が0.15重量%となるように混合してブ
レンド物Bを得た。そして、ブレンド物AがA面
を形成する層となるように、更にブレンド物Bが
B面を形成する層となるように製膜機の別々の押
出機に供給し、かつA面を形成するポリエステル
層の厚みが積層フイルム厚さの60%を占るように
ダイから押出して、200μmの未延伸フイルムを得
た。 この未延伸フイルムを縦延伸温度115℃、縦延
伸倍率3.1倍,横延伸温度120℃、横延伸倍率3.2
倍で逐次二軸延伸を行い、さらに225℃で熱処理
を施した。 このようにして得られた積層ポリエステルフイ
ルムの特性を表−1に示し、またフイルム表面の
凹凸の分布を図−1に曲線イとして示す。なお、
記号AはA面を、記号BはB面を意味する。ま
た、該積層フイルムの密度ρは1.3980g/cm3であ
り、フイルム厚み方向の屈折率nzと密度ρより求
めた〔nz−ρ/10〕値は1.3590であつた。 このフイルムは表裏異面フイルムであり、易滑
面(A面)の削れ性も良好であり、スリ傷も少な
く、磁性層塗布後の電磁変換特性、スクラツチ性
も良好であつた。 実施例2及び比較例1〜2 実施例1において、添加する炭酸カルシウム粒
子と、アナターゼ型二酸化チタン粒子を変える以
外は実施例1と同様にして二軸延伸積層フイルム
を製造した。この結果表−1,図−1に示す通り
である。なお、図−1中、曲線ロはは実施例2の
もの、曲線ハは比較例1のもの、曲線ニは比較例
2のものを示す。更に記号AはA面の特性を、記
号BはB面の特性を意味する。 比較例1における易滑面の添加粒子が平均粒径
1.1μmの炭酸カルシウムである場合には、走行性
は良好であるが、高突起があり、電磁変換特性が
悪く、更にカレンダー削れも悪く、使用に耐えな
かつた。また、比較例2における易滑面(A面)
が平坦すぎる場合、200回繰り返し後の摩擦係数
(μk)が高くなり、走行性が悪くなり、使用に耐
えなかつた。 比較例 3,4 実施例1において、添加する炭酸カルシウム粒
子と、アナターゼ型二酸化チタン粒子を変える以
外は実施例1と同様にして二軸延伸積層フイルム
を製造した。 この結果は表−1に示す通りである。なお、比
較例3はA面の突起分布グラフが式(2)の条件を満
足しない場合であり、比較例4はA面の突起分布
グラフが式(1)の条件を満足しない場合である。比
較例3のフイルムは走行性が悪く、一方比較例4
のフイルムは高突起があり、電磁変換特性が悪
く、更にカレンダー削れも悪いものである。 比較例 5 実施例2において、縦延伸倍率を3.7倍に、横
延伸倍率を3.5倍に変更する以外は実施例2と同
様にして二軸延伸積層フイルムを製造した。この
結果は表−1に示す通りである。 この結果より、延伸倍率が高すぎると nz−ρ/10が低くなり、フイルムの走行性が悪くな ることがわかる。
【表】
図−1はフイルム表面の突起高さ(μm)と突
起の数(ケ/mm2)の関係を示す図である。図−2
は摩擦係数(μk)測定に用いた装置のフイルム
フローを示す図である。
起の数(ケ/mm2)の関係を示す図である。図−2
は摩擦係数(μk)測定に用いた装置のフイルム
フローを示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、肪
脂族グリコールを主たるグリコール成分とするフ
イルム形成性芳香族ポリエステルからなる二軸延
伸積層フイルムであつて、 該フイルムの露出する一方の面(A面)は表面
粗さRaAが0.025μm以下0.010μm以上であり、突
起数20ケ/mm2以上の領域で求めた突起の数(y:
ケ/mm2)と突起の高さ(x:μm)との関係を表
わす分布曲線が式(1) log10y=−9.8x+4.4 ……(1) で表わされる直線とlog10y>1.3の範囲において
交差しない突起分布を有し、更に該突起分布曲線
の最大値より大きい部分の曲線が式(2) log10y≧−18x+3.7 ……(2) の範囲にあり、かつ突起高さ(x)が0.87μm以
上のものは実質的に含まない易滑面を与え、 露出するもう一方の面(B面)は表面粗さ
RaBが0.012μm以下0.004μm以上であり、突起数
20ケ/mm2以上の領域で求めた突起の数(y:ケ/
mm2)と突起の高さ(x:μm)との関係を表わす
分布曲線において該突起分布曲線の最大値より大
きい部分の曲線が式(3) log10y=−18x+3.7 ……(3) と交叉し、さらに式(4) log10y≧−44.1×+4.33 ……(4) の範囲にあり、かつ突起高さ(x)が0.13μm以
上のものは実質的に含まない平坦面を与え、 さらにA面(易滑面)の表面粗さRaAとB面
(平坦面)の表面粗さRaBとは式(5) 1.3≦RaA/RaB≦5 ……(5) を満足し、かつ該積層フイルムの密度ρと厚み方
向の屈折率nzとが式(6),(7) 1.352≦nz−ρ/10≦1.366 ……(6) 1.385≦ρ≦1.405 ……(7) を満足することを特徴とする磁気記録用二軸延伸
積層ポリエステルフイルム。 2 A面(易滑面)を形成するフイルム層中に
は、0.1〜0.5重量%の炭酸カルシウムと0.1〜0.6
重量%のアナターゼ型二酸化チタンが含有され、
かつ該炭酸カルシウムは下記式(8) 〔γ〕=粒子の積算重量が25%の時の直径/粒子の積
算重量が75%の時の直径 ……(8) で表わされる粒度分布比〔γ〕の値が1.5〜2.3の
範囲にありしかも平均粒径が0.3〜0.9μmの範囲に
あり、更に該二酸化チタンは上記式(8)で表わされ
る粒度分布比〔γ〕の値が1.2〜2.3の範囲にあり
しかも平均粒径が0.1〜0.5μmの範囲にあつて炭酸
カルシウムの平均粒径より小さいことを特徴とす
る特許請求の範囲第1項記載の二軸延伸積層ポリ
エステルフイルム。 3 B面(平坦面)を形成するフイルム層中に
は、上記式(8)で表わされる粒度分布比〔γ〕の値
が1.2〜2.3の範囲にありかつ平均粒径が0.1〜
0.5μmの範囲にあるアナターゼ型二酸化チタンが
0.01〜1重量%含有されていることを特徴とする
特許請求の範囲第1項記載の二軸延伸積層ポリエ
ステルフイルム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP510786A JPS62164538A (ja) | 1986-01-16 | 1986-01-16 | 二軸延伸積層ポリエステルフイルム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP510786A JPS62164538A (ja) | 1986-01-16 | 1986-01-16 | 二軸延伸積層ポリエステルフイルム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62164538A JPS62164538A (ja) | 1987-07-21 |
| JPH0411112B2 true JPH0411112B2 (ja) | 1992-02-27 |
Family
ID=11602135
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP510786A Granted JPS62164538A (ja) | 1986-01-16 | 1986-01-16 | 二軸延伸積層ポリエステルフイルム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62164538A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0662792B2 (ja) * | 1987-08-11 | 1994-08-17 | 東洋紡績株式会社 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
| JPH0399847A (ja) * | 1989-09-14 | 1991-04-25 | Toray Ind Inc | 二軸配向熱可塑性樹脂フイルム |
| US5814385A (en) * | 1994-07-19 | 1998-09-29 | Teijin Limited | Laminated polyester film to be laminated onto metal plate |
Family Cites Families (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57162126A (en) * | 1981-03-30 | 1982-10-05 | Teijin Ltd | Polyester film for magnetic recording tape |
| JPS58155940A (ja) * | 1982-03-11 | 1983-09-16 | 東レ株式会社 | 複合フイルム |
| JPS59179555A (ja) * | 1983-03-30 | 1984-10-12 | Teijin Ltd | 二軸延伸ポリエステルフイルム |
| JPS59178224A (ja) * | 1983-03-30 | 1984-10-09 | Teijin Ltd | 延伸ポリエステルフイルム |
| JPS60115022A (ja) * | 1983-11-28 | 1985-06-21 | Teijin Ltd | 磁気記録媒体用積層ポリエステルフイルム |
| JPS60195727A (ja) * | 1984-03-16 | 1985-10-04 | Teijin Ltd | 磁気テ−プ用ポリエステルフイルム |
| JPS60202530A (ja) * | 1984-03-27 | 1985-10-14 | Diafoil Co Ltd | 高密度磁気記録体用強力化複合フイルム |
-
1986
- 1986-01-16 JP JP510786A patent/JPS62164538A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62164538A (ja) | 1987-07-21 |
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|---|---|---|---|
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