JPH0418023B2 - - Google Patents
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- JPH0418023B2 JPH0418023B2 JP59120391A JP12039184A JPH0418023B2 JP H0418023 B2 JPH0418023 B2 JP H0418023B2 JP 59120391 A JP59120391 A JP 59120391A JP 12039184 A JP12039184 A JP 12039184A JP H0418023 B2 JPH0418023 B2 JP H0418023B2
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Description
[発明の技術分野]
本発明は、基板面に対して垂直方向に磁化容易
軸を有する非晶質磁性薄膜からなる垂直磁化膜お
よびその製法に関する。さらに詳しくは、いわゆ
る垂直磁気記録媒体、光磁気記録媒体のような高
密度磁気記録媒体などに適用して好適な非晶質磁
性薄膜からなる垂直磁化膜およびその製法に関す
る。 [従来の技術] 高密度磁気記録に適した垂直磁気記録媒体とし
ては、20原子%弱のクロムを含有するコバルト薄
膜が検討されている。スバツタリング蒸着法(以
下、スパツタ法という)などで作製されたコバル
ト−クロム合金薄膜は高密度記録が可能であり、
耐蝕性も優れている。 前記のごときコバルト−クロム合金の垂直−軸
異方性定数Kuの最大値は2×106erg/cm3程度で
あり、磁化容易軸が基板に対して垂直であるため
には、Ku−N*Ms2>0(式中、N*は反磁界係数、
Msは飽和磁化、N*は記録密度が高いばあい0
に、低いばあい2πに近づき、0<N*<2πである)
なる条件を満足する必要がある。したがつて、コ
バルト−クロム合金垂直磁化膜のMsの最大値は
N*=2πとすると700ガウス程度である。 記録された情報を磁気誘導により読み出すばあ
い、再生信号の大きさはMsに比例すると考えら
れるから、Msが大きいほど記録媒体としては有
利である。 サマリウム−コバルト合金は、たとえば組成
SmCo5のばあいを例にとると、六方晶を形成し、
C軸方向が磁化容易軸となり、一軸異方性の大き
さは108erg/cm3台にも達する。非晶質サマリウム
−コバルト合金のばあいにも大きな異方性を期待
することができる。したがつて、もしサマリウム
−コバルト合金薄膜の磁化容易軸を基板に対して
垂直方向へ向けることができれば、Msの大きな
垂直磁化膜をうることができる。 また磁性薄膜の異方性が大きいと、該磁性薄膜
は大きな保磁力を与えるため、書き込まれた情報
が安定になり、情報の保存に重点が置かれるよう
なばあいには有利になる。 しかしながら、サマリウム−コバルト合金を特
別な工夫を行なうことなく、加熱蒸着法、スパツ
タ法などで蒸着したばあいには、その磁化容易軸
は基板に平行な方向になり、垂直磁化膜とはなり
えない。最近、スパツタ法において基板に負のバ
イアス電圧を印加することにより、垂直磁化膜が
えられることがわかつてきたが、この方法では、
使用される基板は多くのばあい絶縁体であり、電
圧の供給路を別に用意する必要があり、製法を複
雑にするし、なによりも抵抗加熱または電子ビー
ム加熱蒸着法などでは垂直磁化膜をうることがで
きない。 [発明の概要] 本発明者らは上記のごとき実情に鑑み、バイア
ス電圧を印加することなく、サマリウム−コバル
ト垂直磁化膜をうるため鋭意研究を重ねた結果、
第3成分としてビスマスを添加することにより、
サマリウム−コバルト垂直磁化膜がえられること
を見出し、本発明を完成した。 すなわち本発明は、ビスマスの割合が3.7〜40
原子%であり、サマリウムの割合が5〜50原子%
であるサマリウム−コバルト−ビスマス合金から
なり、基板上に保持され、基板に対して垂直な方
向に磁化容易軸を有する非晶質磁性薄膜からなる
ことを特徴とする垂直磁化膜、およびビスマスの
割合が3.7〜40原子%であり、サマリウムの割合
が5〜50原子%であるサマリウム−コバルト−ビ
スマス合金からなり、基板上に保持され、基板に
対して垂直な方向に磁化容易軸を有する非晶質磁
性薄膜からなる垂直磁化膜を製造するに際し、サ
マリウム、コバルトおよびビスマスを基板上に蒸
着することを特徴とする垂直磁化膜の製法に関す
る。 [発明の実施態様] 本発明の垂直磁化膜は、サマリウム−コバルト
−ビスマス合金から形成されている。 該合金中にしめるビスマスの割合は、3.7〜40
原子%であることが好ましく、3.7〜20原子%で
あることがさらに好ましい。該割合が3.7原子%
未満になると、ビスマス添加の効果が充分認めら
れなくなり、40原子%をこえると、飽和磁化の減
少が著しくさらに基板上に析出させた磁性薄膜が
剥離をおこすようになる。 前記合金中にしめるサマリウムの割合は、5〜
50原子%であり、10〜40原子%であることが好ま
しい。該割合が5原子%未満になると、合金の異
方性定数Kuは大きくなるが、Msも大きくなるた
めKu−N*Ms2<0となり垂直磁化膜がえられ
ず、50原子%をこえると、KuもMsも低下し、磁
気記録媒体としては好ましくない。 本発明の垂直磁化膜は、前記のごとき合金組成
になるように基板上にスパツタ法、加熱蒸着法、
イオンプレーテイング法などの蒸着法によつて作
製される。 基板としては、たとえばアルミニウム板、ガラ
ス板などの他にポリメチルメタクリレート、ポリ
イミド、ポリカーボネートなどから形成されたプ
ラスチツク板も問題なく使用できる。 スパツタ法により、サマリウム−コバルト−ビ
スマス垂直磁化膜をうる方法について実施態様に
もとづき説明する。 本発明においては、サマリウム−コバルト−ビ
スマスの組成を正確に制御することが重要であ
る。 ターゲツト(すなわちカソード)は、単一また
は複数にすることができる。単一ターゲツトの装
置を使用するばあいには、カソード、バツキング
プレート上に、たとえばまずビスマス板を敷き、
その上に所定の、たとえば10mm程度のコバルトチ
ツプまたは有孔コバルト板とサマリウムチツプを
敷き、それぞれのチツプ個数を変えることによつ
て、磁性膜の組成を好適に制御することができ
る。また、複数のターゲツトを使用できる装置に
おいては、各ターゲツトに供給する電力を調節す
ることにより組成を制御することができる。ま
た、任意組成の合金ターゲツトが使用できること
は当然である。複数のターゲツトを使用するばあ
いにはもちろんであるが、単一ターゲツトのばあ
いも、基板を自・公転させることにより、膜の組
成を均一化することができる。 スパツタ中のアルゴンガス圧は一般に1×10-3
〜1×10-2Torrで行なわれるが、異方性の増大
という観点からは低圧の方が好ましい。他のスパ
ツタ条件は一般的な方法と異ならないが、形成さ
れる磁性薄膜の結晶化を抑制する必要があるの
で、たとえば基板はあまり加熱せず、0°〜200℃
程度で、スパツタ速度も極端に速くせず、10〜
10000A/分程度にする方が好ましい。 好ましい膜厚は、100〜10000Aである。該膜厚
が100A未満では、もれ磁束が小さくなりすぎ、
記録材料として読み出し感度が低下する。一方、
10000Aをこえる膜厚は、書き込みを困難にし、
不経済である。 蒸着後にはシリコン、シリコン酸化物、シリコ
ン窒化物などの保護膜をコートしてもよい。本発
明の垂直磁化膜はコバルトを含むので、希土類−
鉄系合金磁性薄膜と比較すれば耐蝕性は優れてい
るが、希土類金属であるサマリウムを含むため、
酸化に対する耐蝕性が優れているとはいい難いか
ら、保護膜を施すばあいがあるのである。 つぎに本発明の垂直磁化膜の特徴を述べる。 第1に、ビスマスを添加するため大きな垂直磁
気異方性をもつた磁化膜をうることができる。 ビスマスを添加しないばあいには、垂直一軸異
方性定数Kuは−1×106erg/cm3以下の値を示し、
垂直磁化膜はえられない。ところがビスマスを添
加すると、ビスマス濃度に比例してKuは増大し、
1×106erg/cm3をこえるものがえられるようにな
る。一般にサマリウム濃度が低い方が、前記のよ
うに大きな異方性定数Kuがえられるが、このば
あいにはMsも増大し、Ku−N*Ms2<0となり、
垂直磁化膜はえられない。ビスマス添加により垂
直磁化膜がえられるサマリウム濃度は5〜50原子
%内に限られる。ビスマスの添加により飽和磁化
は減少し、またビスマス添加量が増大すると基板
上に析出した磁性薄膜が剥離をおこすようになる
ので、ビスマス添加量には上限がある。この上限
値は蒸着条件により異なり、とくに、基板に負の
バイアス電圧を印加したばあいには、小さな値に
なる。 このようにしてえられる磁性薄膜は保磁力とし
て300〜700Oe(エルステツド)を示す。なおこの
値は磁場を膜面に対して垂直に印加し、かつ同方
向から検出した値である。 以上のように、ビスマスを添加したサマリウム
−コバルト磁性薄膜は、バイアス電圧の存在がな
くても垂直磁化膜となりうるが、バイアス電圧の
印加とビスマス添加の両方を併用したばあいに
は、ビスマス添加単独のばあいと比較してさらに
大きな垂直異方性定数Kuを持つた磁性薄膜がえ
られる。たとえば、バイアス電圧を−40Vとした
ばあいには、ビスマスを添加しなくてもKu>0
となる。バイアス電圧を−40Vとし、ビスマスを
約20原子%添加すると6×106erg/cm3程度のKu
がえられる。この値は最大1000ガウス程度のMs
をもつ垂直磁化膜がえられることを意味する。 つぎにビスマスを添加することにより達成され
る第2の効果について述べる。 磁気的に記録された情報を読み出す方法として
は、一般に媒体からの磁束を、電磁誘導的に検出
する方法が多く採用されているが、本発明のよう
な垂直磁化膜を用いるばあいには、磁気極カ−効
果(以下、磁気カー効果という)を用いることも
可能である。そのばあい読み出し感度の観点か
ら、カー回転角が大きいほど好ましい。ビスマス
を添加したばあいの磁性薄膜の特徴は、ビスマス
の添加により上記カー回転角が増大することにあ
る。すなわち、ビスマスを含まないサマリウム−
コバルト磁性薄膜は0.2度のカー回転角をもつて
いるが、ビスマスを10原子%程度添加することに
より、0.33度まで増大する。しかしながら、10原
子%以上ビスマスを添加すると、カー回転角はか
えつて減少するようになる。したがつてカー回転
角の観点からはビスマス添加量は15原子%ぐらい
までが好ましい。 本発明のサマリウム−コバルト−ビスマス合金
垂直磁化膜は、X線回折による測定から非晶質で
あることが確認されており、このことは本発明の
垂直磁化膜の第3の特徴である。 すなわち、多結晶質の光磁気記録媒体から読み
出しを行うばあいには、粒界ノイズが問題になる
が、本発明のような非晶質膜のばあいには、粒界
ノイズは極めて少なく高S/N比での読み出しが
可能になる。 以上本発明の垂直磁化膜の3つの特徴について
述べたが、これらの記述より、本発明のサマリウ
ム−コバルト−ビスマス合金薄膜は、コバルト−
クロム合金薄膜と比較して垂直磁気異方性がより
大きく、かつ磁気カー効果の大きい記録媒体を提
供するものであり、とくに読み出し特性の優れた
高密度磁気記録媒体を提供するものであることが
わかる。 つぎに実施例にもとづき本発明の垂直磁化膜お
よびその製法について説明する。 実施例1〜6および比較例2,4,5 高周波2極スパツタ法による実施例について説
明する。 使用した装置は通常の高周波2極スパツタ装置
であり、下方にターゲツトを、上方に基板を配し
たスパツタアツプ方式である。ターゲツトは、最
下部に直径8cmのビスマス板を敷き、その上に6
mm径の孔を多数有するコバルト板を置き、さらに
その上に1cm角のサマリウムチツプを配した構成
であつた。孔およびチツプの数を調整することに
より、えられる磁性薄膜の組成を変えた。ビスマ
ス含量は、コバルト板の孔数に比例することにな
る。基板としては1mm厚のスライドグラスを使用
した。アルゴン圧2×10-3Torr、スパツタ速度
約1000A/分、基板にはバイアス電圧を印加せ
ず、基板ホルダーを裏面より水冷するというスパ
ツタ条件で、各種組成の磁性薄膜を作製した。 えられた磁性薄膜についてトルク法で膜面に対
して垂直方向の一軸異方性定数K⊥を測定し、振
動磁力計によつて飽和磁化Msを求め、Ku=K⊥
+2πMs2なる関係から、垂直異方性定数Kuを求
めた。それらの結果を第1表に示す。 えられた磁性薄膜の垂直方向の保磁力Hc⊥は
200〜900Oeであつた。 えられた膜についてX線回折分析を試みたとこ
ろ、いずれの膜についてもシヤープなピークは認
められなかつたことから非晶質と判断された。 比較例 1,3 コバルト板に孔をあけない以外は実施例1と同
様の方法で磁性薄膜を作製し、特性を評価した。
いずれのばあいもKuは負の値を示した。それら
結果を第1表に示す。
軸を有する非晶質磁性薄膜からなる垂直磁化膜お
よびその製法に関する。さらに詳しくは、いわゆ
る垂直磁気記録媒体、光磁気記録媒体のような高
密度磁気記録媒体などに適用して好適な非晶質磁
性薄膜からなる垂直磁化膜およびその製法に関す
る。 [従来の技術] 高密度磁気記録に適した垂直磁気記録媒体とし
ては、20原子%弱のクロムを含有するコバルト薄
膜が検討されている。スバツタリング蒸着法(以
下、スパツタ法という)などで作製されたコバル
ト−クロム合金薄膜は高密度記録が可能であり、
耐蝕性も優れている。 前記のごときコバルト−クロム合金の垂直−軸
異方性定数Kuの最大値は2×106erg/cm3程度で
あり、磁化容易軸が基板に対して垂直であるため
には、Ku−N*Ms2>0(式中、N*は反磁界係数、
Msは飽和磁化、N*は記録密度が高いばあい0
に、低いばあい2πに近づき、0<N*<2πである)
なる条件を満足する必要がある。したがつて、コ
バルト−クロム合金垂直磁化膜のMsの最大値は
N*=2πとすると700ガウス程度である。 記録された情報を磁気誘導により読み出すばあ
い、再生信号の大きさはMsに比例すると考えら
れるから、Msが大きいほど記録媒体としては有
利である。 サマリウム−コバルト合金は、たとえば組成
SmCo5のばあいを例にとると、六方晶を形成し、
C軸方向が磁化容易軸となり、一軸異方性の大き
さは108erg/cm3台にも達する。非晶質サマリウム
−コバルト合金のばあいにも大きな異方性を期待
することができる。したがつて、もしサマリウム
−コバルト合金薄膜の磁化容易軸を基板に対して
垂直方向へ向けることができれば、Msの大きな
垂直磁化膜をうることができる。 また磁性薄膜の異方性が大きいと、該磁性薄膜
は大きな保磁力を与えるため、書き込まれた情報
が安定になり、情報の保存に重点が置かれるよう
なばあいには有利になる。 しかしながら、サマリウム−コバルト合金を特
別な工夫を行なうことなく、加熱蒸着法、スパツ
タ法などで蒸着したばあいには、その磁化容易軸
は基板に平行な方向になり、垂直磁化膜とはなり
えない。最近、スパツタ法において基板に負のバ
イアス電圧を印加することにより、垂直磁化膜が
えられることがわかつてきたが、この方法では、
使用される基板は多くのばあい絶縁体であり、電
圧の供給路を別に用意する必要があり、製法を複
雑にするし、なによりも抵抗加熱または電子ビー
ム加熱蒸着法などでは垂直磁化膜をうることがで
きない。 [発明の概要] 本発明者らは上記のごとき実情に鑑み、バイア
ス電圧を印加することなく、サマリウム−コバル
ト垂直磁化膜をうるため鋭意研究を重ねた結果、
第3成分としてビスマスを添加することにより、
サマリウム−コバルト垂直磁化膜がえられること
を見出し、本発明を完成した。 すなわち本発明は、ビスマスの割合が3.7〜40
原子%であり、サマリウムの割合が5〜50原子%
であるサマリウム−コバルト−ビスマス合金から
なり、基板上に保持され、基板に対して垂直な方
向に磁化容易軸を有する非晶質磁性薄膜からなる
ことを特徴とする垂直磁化膜、およびビスマスの
割合が3.7〜40原子%であり、サマリウムの割合
が5〜50原子%であるサマリウム−コバルト−ビ
スマス合金からなり、基板上に保持され、基板に
対して垂直な方向に磁化容易軸を有する非晶質磁
性薄膜からなる垂直磁化膜を製造するに際し、サ
マリウム、コバルトおよびビスマスを基板上に蒸
着することを特徴とする垂直磁化膜の製法に関す
る。 [発明の実施態様] 本発明の垂直磁化膜は、サマリウム−コバルト
−ビスマス合金から形成されている。 該合金中にしめるビスマスの割合は、3.7〜40
原子%であることが好ましく、3.7〜20原子%で
あることがさらに好ましい。該割合が3.7原子%
未満になると、ビスマス添加の効果が充分認めら
れなくなり、40原子%をこえると、飽和磁化の減
少が著しくさらに基板上に析出させた磁性薄膜が
剥離をおこすようになる。 前記合金中にしめるサマリウムの割合は、5〜
50原子%であり、10〜40原子%であることが好ま
しい。該割合が5原子%未満になると、合金の異
方性定数Kuは大きくなるが、Msも大きくなるた
めKu−N*Ms2<0となり垂直磁化膜がえられ
ず、50原子%をこえると、KuもMsも低下し、磁
気記録媒体としては好ましくない。 本発明の垂直磁化膜は、前記のごとき合金組成
になるように基板上にスパツタ法、加熱蒸着法、
イオンプレーテイング法などの蒸着法によつて作
製される。 基板としては、たとえばアルミニウム板、ガラ
ス板などの他にポリメチルメタクリレート、ポリ
イミド、ポリカーボネートなどから形成されたプ
ラスチツク板も問題なく使用できる。 スパツタ法により、サマリウム−コバルト−ビ
スマス垂直磁化膜をうる方法について実施態様に
もとづき説明する。 本発明においては、サマリウム−コバルト−ビ
スマスの組成を正確に制御することが重要であ
る。 ターゲツト(すなわちカソード)は、単一また
は複数にすることができる。単一ターゲツトの装
置を使用するばあいには、カソード、バツキング
プレート上に、たとえばまずビスマス板を敷き、
その上に所定の、たとえば10mm程度のコバルトチ
ツプまたは有孔コバルト板とサマリウムチツプを
敷き、それぞれのチツプ個数を変えることによつ
て、磁性膜の組成を好適に制御することができ
る。また、複数のターゲツトを使用できる装置に
おいては、各ターゲツトに供給する電力を調節す
ることにより組成を制御することができる。ま
た、任意組成の合金ターゲツトが使用できること
は当然である。複数のターゲツトを使用するばあ
いにはもちろんであるが、単一ターゲツトのばあ
いも、基板を自・公転させることにより、膜の組
成を均一化することができる。 スパツタ中のアルゴンガス圧は一般に1×10-3
〜1×10-2Torrで行なわれるが、異方性の増大
という観点からは低圧の方が好ましい。他のスパ
ツタ条件は一般的な方法と異ならないが、形成さ
れる磁性薄膜の結晶化を抑制する必要があるの
で、たとえば基板はあまり加熱せず、0°〜200℃
程度で、スパツタ速度も極端に速くせず、10〜
10000A/分程度にする方が好ましい。 好ましい膜厚は、100〜10000Aである。該膜厚
が100A未満では、もれ磁束が小さくなりすぎ、
記録材料として読み出し感度が低下する。一方、
10000Aをこえる膜厚は、書き込みを困難にし、
不経済である。 蒸着後にはシリコン、シリコン酸化物、シリコ
ン窒化物などの保護膜をコートしてもよい。本発
明の垂直磁化膜はコバルトを含むので、希土類−
鉄系合金磁性薄膜と比較すれば耐蝕性は優れてい
るが、希土類金属であるサマリウムを含むため、
酸化に対する耐蝕性が優れているとはいい難いか
ら、保護膜を施すばあいがあるのである。 つぎに本発明の垂直磁化膜の特徴を述べる。 第1に、ビスマスを添加するため大きな垂直磁
気異方性をもつた磁化膜をうることができる。 ビスマスを添加しないばあいには、垂直一軸異
方性定数Kuは−1×106erg/cm3以下の値を示し、
垂直磁化膜はえられない。ところがビスマスを添
加すると、ビスマス濃度に比例してKuは増大し、
1×106erg/cm3をこえるものがえられるようにな
る。一般にサマリウム濃度が低い方が、前記のよ
うに大きな異方性定数Kuがえられるが、このば
あいにはMsも増大し、Ku−N*Ms2<0となり、
垂直磁化膜はえられない。ビスマス添加により垂
直磁化膜がえられるサマリウム濃度は5〜50原子
%内に限られる。ビスマスの添加により飽和磁化
は減少し、またビスマス添加量が増大すると基板
上に析出した磁性薄膜が剥離をおこすようになる
ので、ビスマス添加量には上限がある。この上限
値は蒸着条件により異なり、とくに、基板に負の
バイアス電圧を印加したばあいには、小さな値に
なる。 このようにしてえられる磁性薄膜は保磁力とし
て300〜700Oe(エルステツド)を示す。なおこの
値は磁場を膜面に対して垂直に印加し、かつ同方
向から検出した値である。 以上のように、ビスマスを添加したサマリウム
−コバルト磁性薄膜は、バイアス電圧の存在がな
くても垂直磁化膜となりうるが、バイアス電圧の
印加とビスマス添加の両方を併用したばあいに
は、ビスマス添加単独のばあいと比較してさらに
大きな垂直異方性定数Kuを持つた磁性薄膜がえ
られる。たとえば、バイアス電圧を−40Vとした
ばあいには、ビスマスを添加しなくてもKu>0
となる。バイアス電圧を−40Vとし、ビスマスを
約20原子%添加すると6×106erg/cm3程度のKu
がえられる。この値は最大1000ガウス程度のMs
をもつ垂直磁化膜がえられることを意味する。 つぎにビスマスを添加することにより達成され
る第2の効果について述べる。 磁気的に記録された情報を読み出す方法として
は、一般に媒体からの磁束を、電磁誘導的に検出
する方法が多く採用されているが、本発明のよう
な垂直磁化膜を用いるばあいには、磁気極カ−効
果(以下、磁気カー効果という)を用いることも
可能である。そのばあい読み出し感度の観点か
ら、カー回転角が大きいほど好ましい。ビスマス
を添加したばあいの磁性薄膜の特徴は、ビスマス
の添加により上記カー回転角が増大することにあ
る。すなわち、ビスマスを含まないサマリウム−
コバルト磁性薄膜は0.2度のカー回転角をもつて
いるが、ビスマスを10原子%程度添加することに
より、0.33度まで増大する。しかしながら、10原
子%以上ビスマスを添加すると、カー回転角はか
えつて減少するようになる。したがつてカー回転
角の観点からはビスマス添加量は15原子%ぐらい
までが好ましい。 本発明のサマリウム−コバルト−ビスマス合金
垂直磁化膜は、X線回折による測定から非晶質で
あることが確認されており、このことは本発明の
垂直磁化膜の第3の特徴である。 すなわち、多結晶質の光磁気記録媒体から読み
出しを行うばあいには、粒界ノイズが問題になる
が、本発明のような非晶質膜のばあいには、粒界
ノイズは極めて少なく高S/N比での読み出しが
可能になる。 以上本発明の垂直磁化膜の3つの特徴について
述べたが、これらの記述より、本発明のサマリウ
ム−コバルト−ビスマス合金薄膜は、コバルト−
クロム合金薄膜と比較して垂直磁気異方性がより
大きく、かつ磁気カー効果の大きい記録媒体を提
供するものであり、とくに読み出し特性の優れた
高密度磁気記録媒体を提供するものであることが
わかる。 つぎに実施例にもとづき本発明の垂直磁化膜お
よびその製法について説明する。 実施例1〜6および比較例2,4,5 高周波2極スパツタ法による実施例について説
明する。 使用した装置は通常の高周波2極スパツタ装置
であり、下方にターゲツトを、上方に基板を配し
たスパツタアツプ方式である。ターゲツトは、最
下部に直径8cmのビスマス板を敷き、その上に6
mm径の孔を多数有するコバルト板を置き、さらに
その上に1cm角のサマリウムチツプを配した構成
であつた。孔およびチツプの数を調整することに
より、えられる磁性薄膜の組成を変えた。ビスマ
ス含量は、コバルト板の孔数に比例することにな
る。基板としては1mm厚のスライドグラスを使用
した。アルゴン圧2×10-3Torr、スパツタ速度
約1000A/分、基板にはバイアス電圧を印加せ
ず、基板ホルダーを裏面より水冷するというスパ
ツタ条件で、各種組成の磁性薄膜を作製した。 えられた磁性薄膜についてトルク法で膜面に対
して垂直方向の一軸異方性定数K⊥を測定し、振
動磁力計によつて飽和磁化Msを求め、Ku=K⊥
+2πMs2なる関係から、垂直異方性定数Kuを求
めた。それらの結果を第1表に示す。 えられた磁性薄膜の垂直方向の保磁力Hc⊥は
200〜900Oeであつた。 えられた膜についてX線回折分析を試みたとこ
ろ、いずれの膜についてもシヤープなピークは認
められなかつたことから非晶質と判断された。 比較例 1,3 コバルト板に孔をあけない以外は実施例1と同
様の方法で磁性薄膜を作製し、特性を評価した。
いずれのばあいもKuは負の値を示した。それら
結果を第1表に示す。
【表】
実施例 7,9
2元マグネトロン型スパツタ装置を用い、かつ
基板に負のバイアス電圧を印加した実施例につい
て説明する。 この実験に使用したスパツタ装置は、互いに独
立にパワーを制御できる2個のターゲツトを有
し、基板はターゲツト上を回転するものである。
一方のターゲツトは底部にサマリウム板を敷き、
その上に扇形のコバルトチツプを配置した。他方
のターゲツトはビスマス板単独である。アルゴン
圧1×10-2Torr、析出速度約500A/分、基板回
転数60rpm、基板にはバイアス電圧−40Vを印加
し、基板を水冷するというスパツタ条件下で作製
したサマリウム−コバルト−ビスマス磁性薄膜の
垂直異方性定数Kuを実施例1と同様にして測定
した。それらの結果を第2表に示す。 比較例 6 ビスマスターゲツトを使用しない以外は実施例
7と同様の方法で磁性薄膜を作製し、特性を評価
した。このばあいKuは正の値を示すが、実施例
7〜9に示すKuの値よりは小さかつた。それら
の結果を第2表に示す。
基板に負のバイアス電圧を印加した実施例につい
て説明する。 この実験に使用したスパツタ装置は、互いに独
立にパワーを制御できる2個のターゲツトを有
し、基板はターゲツト上を回転するものである。
一方のターゲツトは底部にサマリウム板を敷き、
その上に扇形のコバルトチツプを配置した。他方
のターゲツトはビスマス板単独である。アルゴン
圧1×10-2Torr、析出速度約500A/分、基板回
転数60rpm、基板にはバイアス電圧−40Vを印加
し、基板を水冷するというスパツタ条件下で作製
したサマリウム−コバルト−ビスマス磁性薄膜の
垂直異方性定数Kuを実施例1と同様にして測定
した。それらの結果を第2表に示す。 比較例 6 ビスマスターゲツトを使用しない以外は実施例
7と同様の方法で磁性薄膜を作製し、特性を評価
した。このばあいKuは正の値を示すが、実施例
7〜9に示すKuの値よりは小さかつた。それら
の結果を第2表に示す。
【表】
比較例 10〜13
実施例7と同様にして作製したサマリウム−コ
バルト−ビスマス磁性薄膜の極カー効果を、カー
効果ヒステリシス測定装置を用いて、He−Neガ
スレーザーを光源として使用し、波長633nmで薄
膜表面側から測定した。 えられた(飽和)カー回転角の測定結果を第3
表に示す。 比較例 7 ビスマスを添加しない以外は実施例10と同様の
方法で磁性薄膜を作製し、特性を測定した。ビス
マスを含まないサマリウム−コバルト磁性薄膜で
ある本例のカー回転角は、実施例10〜13の値にく
らべて小さかつた。 えられたカー回転角の測定結果を第3表に示
す。
バルト−ビスマス磁性薄膜の極カー効果を、カー
効果ヒステリシス測定装置を用いて、He−Neガ
スレーザーを光源として使用し、波長633nmで薄
膜表面側から測定した。 えられた(飽和)カー回転角の測定結果を第3
表に示す。 比較例 7 ビスマスを添加しない以外は実施例10と同様の
方法で磁性薄膜を作製し、特性を測定した。ビス
マスを含まないサマリウム−コバルト磁性薄膜で
ある本例のカー回転角は、実施例10〜13の値にく
らべて小さかつた。 えられたカー回転角の測定結果を第3表に示
す。
【表】
実施例 14
アルゴン圧1×10-2Torr、基板にはバイアス
電圧を印加しなかつたほかは実施例7と同様にし
て、サマリウム−コバルト−ビスマス合金薄膜を
作製した。 えられた膜の組成式は(Sm16Co84)62Bi38、膜
厚は1800A、飽和磁化は410Gであつた。磁気ト
ルクメーターを使用し、外部磁界17KOeを印加
して、垂直異方性定数を測定したところ、0.6×
106erg/cm3であり、Ku=K⊥+2πMs2により補
正したKuは1.66×106erg/cm3であつた。膜面に
対して垂直(⊥)及び平行(//)な方向での磁
化曲線を測定したところ第1図のようになつた。
電圧を印加しなかつたほかは実施例7と同様にし
て、サマリウム−コバルト−ビスマス合金薄膜を
作製した。 えられた膜の組成式は(Sm16Co84)62Bi38、膜
厚は1800A、飽和磁化は410Gであつた。磁気ト
ルクメーターを使用し、外部磁界17KOeを印加
して、垂直異方性定数を測定したところ、0.6×
106erg/cm3であり、Ku=K⊥+2πMs2により補
正したKuは1.66×106erg/cm3であつた。膜面に
対して垂直(⊥)及び平行(//)な方向での磁
化曲線を測定したところ第1図のようになつた。
第1図は組成式(Sm16Co84)62Bi38で示される
えられたサマリウム−コバルト−ビスマス合金薄
膜の磁化曲線を示すグラフである。
えられたサマリウム−コバルト−ビスマス合金薄
膜の磁化曲線を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ビスマスの割合が3.7〜40原子%であり、サ
マリウムの割合が5〜50原子%であるサマリウム
−コバルト−ビスマス合金からなり、基板上に保
持され、基板に対して垂直な方向に磁化容易軸を
有する非晶質磁性薄膜からなることを特徴とする
垂直磁化膜。 2 ビスマスの割合が3.7〜40原子%であり、サ
マリウムの割合が5〜50原子%であるサマリウム
−コバルト−ビスマス合金からなり、基板上に保
持され、基板に対して垂直な方向に磁化容易軸を
有する非晶質磁性薄膜からなる垂直磁化膜を製造
するに際し、サマリウム、コバルトおよびビスマ
スを基板上に蒸着することを特徴とする垂直磁化
膜の製法。 3 前記蒸着がスパツタリング蒸着法による蒸着
である特許請求の範囲第2項記載の製法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59120391A JPS61544A (ja) | 1984-06-12 | 1984-06-12 | 垂直磁化膜 |
| US06/743,134 US4675239A (en) | 1984-06-12 | 1985-06-10 | Perpendicular magnetization film |
| EP85107164A EP0164725B1 (en) | 1984-06-12 | 1985-06-11 | Perpendicular magnetization film and its production |
| DE8585107164T DE3573352D1 (en) | 1984-06-12 | 1985-06-11 | Perpendicular magnetization film and its production |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59120391A JPS61544A (ja) | 1984-06-12 | 1984-06-12 | 垂直磁化膜 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61544A JPS61544A (ja) | 1986-01-06 |
| JPH0418023B2 true JPH0418023B2 (ja) | 1992-03-26 |
Family
ID=14785043
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59120391A Granted JPS61544A (ja) | 1984-06-12 | 1984-06-12 | 垂直磁化膜 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4675239A (ja) |
| EP (1) | EP0164725B1 (ja) |
| JP (1) | JPS61544A (ja) |
| DE (1) | DE3573352D1 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4597573A (en) * | 1985-02-07 | 1986-07-01 | Crown Zellerbach Corporation | System for handling discrete sheets |
| JPS6326827A (ja) * | 1986-07-21 | 1988-02-04 | Hitachi Ltd | 磁気記録媒体の製造方法 |
| JP2819292B2 (ja) * | 1988-05-31 | 1998-10-30 | ファーネス重工株式会社 | 炉 |
| JP3090128B2 (ja) * | 1998-08-28 | 2000-09-18 | 日本電気株式会社 | 垂直磁気記録媒体 |
| KR100341843B1 (ko) * | 2000-04-12 | 2002-06-24 | 황정남 | 자성체내의 자화 용이축 회전 및 다중 자화축 물질 제조방법 |
| KR100598578B1 (ko) * | 2004-11-25 | 2006-07-13 | 한국전자통신연구원 | 정보저장용 디스크의 제작 방법 |
Family Cites Families (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4126494A (en) * | 1975-10-20 | 1978-11-21 | Kokusai Denshin Denwa Kabushiki Kaisha | Magnetic transfer record film |
| JPS53104897A (en) * | 1977-02-25 | 1978-09-12 | Toshiba Corp | Magnetic head |
| DE2909891A1 (de) * | 1979-03-14 | 1980-09-25 | Basf Ag | Magnetischer aufzeichnungstraeger |
| DE2911992C2 (de) * | 1979-03-27 | 1981-12-10 | Philips Patentverwaltung Gmbh, 2000 Hamburg | Magnetooptisches Speicherelement, Verfahren zu seiner Herstellung und es verwendende Speichervorrichtung |
| JPH06104870B2 (ja) * | 1981-08-11 | 1994-12-21 | 株式会社日立製作所 | 非晶質薄膜の製造方法 |
| JPS5967612A (ja) * | 1982-10-09 | 1984-04-17 | Yoshifumi Sakurai | 光磁気記録媒体の製造方法 |
| US4469536A (en) * | 1982-11-10 | 1984-09-04 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy | Alloys and method of making |
| JPS59208706A (ja) * | 1983-05-12 | 1984-11-27 | Daido Steel Co Ltd | 熱磁気記録材料 |
-
1984
- 1984-06-12 JP JP59120391A patent/JPS61544A/ja active Granted
-
1985
- 1985-06-10 US US06/743,134 patent/US4675239A/en not_active Expired - Fee Related
- 1985-06-11 DE DE8585107164T patent/DE3573352D1/de not_active Expired
- 1985-06-11 EP EP85107164A patent/EP0164725B1/en not_active Expired
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61544A (ja) | 1986-01-06 |
| US4675239A (en) | 1987-06-23 |
| DE3573352D1 (en) | 1989-11-02 |
| EP0164725B1 (en) | 1989-09-27 |
| EP0164725A2 (en) | 1985-12-18 |
| EP0164725A3 (en) | 1986-12-30 |
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