JPH04253385A - 薄膜積層デバイス - Google Patents

薄膜積層デバイス

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JPH04253385A
JPH04253385A JP3028058A JP2805891A JPH04253385A JP H04253385 A JPH04253385 A JP H04253385A JP 3028058 A JP3028058 A JP 3028058A JP 2805891 A JP2805891 A JP 2805891A JP H04253385 A JPH04253385 A JP H04253385A
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thin film
hard carbon
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勝幸 山田
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Hidekazu Ota
英一 太田
Yuji Kimura
裕治 木村
Masayoshi Takahashi
高橋 正悦
Kenji Kameyama
健司 亀山
Makoto Tanabe
誠 田辺
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、薄膜積層デバイスに関し、詳し
くはOA機器用やTV用等のフラットパネルディスプレ
イなどに好適に使用しうるスイッチング素子に関する。
【0002】
【従来技術】OA機器端末機や液晶TVは大面積液晶パ
ネルの使用の要望が強く、そのため、アクティブマトリ
ックス方式では各画素ごとにスイッチを設け、電圧を保
持するように工夫されている。また、近年液晶パネルの
軽量化、低コスト化が盛んに行なわれており、スイッチ
ング素子の基板にプラスチックを用いることが検討され
ている。しかし、プラスチック上に、薄膜積層スイッチ
ング素子を形成するとプラスチック基板の変形やカール
を生じ、膜ハガレ等の問題があった。また、薄膜積層ス
イッチング素子を作製する際、酸、アルカリ、水等の溶
液中にプラスチックを浸漬するフォトリソグラフィーの
工程があり、プラスチック内に酸、アルカリ、水等が残
存し、素子劣化の原因となった。薄膜積層デバイスを微
細パターン化する場合、基板の伸縮によってパターンず
れを生じ、大面積を一括露光することが困難であった。 また、基板伸縮の異方性は、パターン形成をさらに困難
なものとした。プラスチックフィルム基板を用いた液晶
表示装置の作製において、配向処理の際、プラスチック
特有の配向方法を行なう必要があった。しかしSiO2
層をプラスチックフィルムの片面に形成することによっ
て、ガラス基板と同様の方法で配向処理ができるように
したことが特公平1−47769号公報に開示されてい
る。しかし、SiO2をプラスチックフィルムにコート
し、その上に薄膜積層デバイスを作製した場合、作製時
の熱を伴う工程でSiO2のクラックを生じることがし
ばしば認められ、薄膜積層デバイスの信頼性を不充分な
ものとした。
【0003】
【目    的】本発明は前記従来の課題を解決し、軽
量、低コスト、膜ハガレ、カール等がなく、信頼性の良
好な薄膜積層デバイスを提供することを目的としている
【0004】
【構    成】前記の目的を達成させるため、本発明
者らは、軽量、安価なプラスチック上にスイッチング素
子を作製することを検討し、研究を重ねた結果、素子作
製プロセスにおけるプラスチツク基板の変形がプラスチ
ックフィルムの場合ではカールが最大の問題であること
が明らかとなった。また、プラスチックの変形やプラス
チックフィルムのカールの原因は、積層する薄膜の内部
応力、プラスチックの熱伸縮、酸、アルカリ、水による
膨潤などであることを知見し、無機物質からなる非晶質
薄膜を両面に形成したプラスチック基板を用いることが
効果的であることが明らかとなり、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、基板と該基板上に形成さ
れた薄膜積層デバイスにおいて、基板がその両面に無機
物質からなる非晶質薄膜を形成したプラスチックである
ことを特徴としている。
【0005】無機物質からなる非晶質薄膜は波長400
〜850nmにおいて透過率が75%以上であることが
好ましい。 無機物質としては、SiO2,Si3N4,Si:N:
O,Si:O:H,Si:N:H,Si:O:N:H,
AlNよりなる群から選ばれたものであることが好まし
い。また、薄膜積層デバイスとしては、硬質炭素膜を絶
縁層とするMIM型素子が本発明の特徴を極めて有効に
発揮することができる。プラスチック基板へのSiO2
等の無機物質薄膜の形成はその上に作製する薄膜積層デ
バイスのはがれなどの問題解決のため重要である。プラ
スチック基板(フィルム)の片面のみに前記薄膜を形成
したのでは無機物質薄膜の内部応力に応じたカールが発
生し、ハンドリングなどの問題を生じる。また、前記無
機物質薄膜が結晶性である場合には、プラスチック基板
に内在する水分等が結晶粒界を通って薄膜積層デバイス
下に達し、素子の劣化をもたらすことが判明した。さら
に、薄膜積層デバイス作製プロセスにおける熱工程にお
いて結晶粒界を核として無機物質薄膜にクラックが生じ
た。さらに、薄膜積層デバイスを微細加工する際に、無
機物質の熱膨張異方性に基づく基板伸縮の異方性を生じ
、パターンの形成を困難なものとすることも判明した。 これらの問題を回避するため、プラスチック基板(フィ
ルム)の両面に無機物質からなる非晶質薄膜を形成する
ことが大切である。本発明の薄膜積層デバイスを液晶表
示駆動素子に用いる場合、表示コントラストを確保する
ため、無機物質の透過率が波長400〜850nmにお
いて75%以上有することが好ましい。本発明の薄膜積
層デバイスを作製するためには、まずポリエチレンテレ
フタレート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン
、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリメチルメタク
リレート、ポリイミドなどのプラスチックあるいはプラ
スチックフィルム両面にSiOx(1≦×≦2),Si
:O:N,Si:O:H,Si:N:H,Si:O:N
:H,SixNy(y=1−x),TiO2,ZnS,
ZnO,Al2O3,AlN,MgO,GeO,ZrO
2,Nb2O5,SiC,Ta2O5などの無機物質を
スパッタ法、蒸着法、プラズマCVD法等により300
〜15000Å、好ましくは1000〜10000Åの
厚さで形成する。これら無機物質を非晶質にするために
は基板温度を200℃以下、好ましくは150℃以下に
し、スパッタ法あるいはプラズマCVD法で作製するこ
とが好ましい。形成される薄膜は、必ずしも両面の無機
物質が同一である必要はなく、また膜厚も同一である必
要はない。特に好ましい無機物質としては、パッシベー
ション効果の大きいSiO2,Si3N4,Si:N:
O,Si:O:H,Si:N:H,Si:O:N:H,
AlNなどがある。プラスチックの厚さは、50μm〜
2mmのものを使用するが、500μm以下、特に30
0μm以下が好ましい。さらに、無機物質で両面コート
されたプラスチックの上に、薄膜積層デバイスを形成す
る。薄膜積層デバイスとしては、金属−絶縁体−金属層
構成のMIM型素子、特開昭61−275811号公報
でいうところのMSI素子(Metal−Semi−I
nsulator)、半導体−絶縁体−半導体層構成の
SIS素子、特開昭64−7577号公報に記載の金属
−絶縁体−金属−絶縁体−金属のMIMIM素子などが
ある。 なかでも、絶縁体に硬質炭素膜を用いたMIM型素子が
有利である。硬質炭素膜を絶縁層に用いた場合プラスチ
ック基板(フィルム)は大きくカールするので基板両面
に無機物質膜を形成し基板の剛性を大きくすることによ
り対応する。
【0006】次に前記素子の製法について詳細に説明す
る。まず、前記の無機物質を両面にコート(2a,2b
)したプラスチック基板1上に画素電極用透明電極材料
を蒸着、スパッタリング等の方法で堆積し、所定のパタ
ーンにパターニングし、画素電極4とする。次に、蒸着
、スパッタリング等の方法で下部電極用導体薄膜を形成
し、ウエット又はドライエッチングにより所定のパター
ンにパターニングして下部電極となる第1導体7とし、
その上にプラズマCVD法、イオンビーム法等により硬
質炭素膜2を被覆後、ドライエッチング、ウエットエッ
チング又はレジストを用いるリフトオフ法により所定の
パターンにパターニングして絶縁膜とし、次にその上に
蒸着、スパッタリング等の方法によりバスライン用導体
薄膜を被覆し、所定のパターンにパターニングしてバス
ラインとなる第2導体6を形成し、最後に下部電極の不
必要部分を除去し、透明電極パターンを露出させ、画素
電極4とする。この場合、MIM素子の構成はこれに限
られるものではなく、MIM素子の作製後、最上層に透
明電極を設けたもの、透明電極が上部又は下部電極を兼
ねた構成のもの、下部電極の側面にMIM素子を形成し
たもの等、種々の変形が可能である。ここで下部電極、
上部電極及び透明電極の厚さは通常、夫々数百〜数千Å
、数百〜数千Å、数百〜数千Åの範囲である。硬質炭素
膜の厚さは、100〜8000Å、望ましくは200〜
6000Å、さらに望ましくは300〜4000Åの範
囲である。又プラスチック基板の場合、いままでその耐
熱性から能動素子を用いたアクティブマトリックス装置
の作製が非常に困難であった。しかし硬質炭素膜は室温
程度の基板温度で良質な膜の作製が可能であり、プラス
チック基板においても作製が可能であり、非常に有効な
画質向上手段である。
【0007】次に本発明で使用されるMIM素子の材料
について更に詳しく説明する。下部電極となる第1導体
7の材料としては、Al,Ta,Cr,W,Mo,Pt
,Ni,Ti,Cu,Au,ITO,ZnO:Al,I
n2O3,SnO2等種々の導電体が使用される。次に
バスラインとなる第2導体6の材料としては、Al,C
r,Ni,Mo,Pt,Ag,Ti,Cu,Au,W,
Ta,ITO,ZnO:Al,In2O3,SnO2等
種々の導電体が使用されるが、I−V特性の安定性及び
信頼性が特に優れている点からNi,Pt,Agが好ま
しい。絶縁膜として硬質炭素膜2を用いたMIM素子は
電極の種類を変えても対称性が変化せず、またlnI∝
√vの関係からプールフレンケル型の伝導をしているこ
とが判る。またこの事からこの種のMIM素子の場合、
上部電極と下部電極との組合せをどのようにしてもよい
ことが判る。しかし硬質炭素膜と電極との密着力や界面
状態により素子特性(I−V特性)の劣化及び変化が生
じる。これらを考慮すると、Ni,Pt,Agが良いこ
とがわかった。本発明のMIM素子の電流−電圧特性は
図4のように示され、近似的には以下に示すような伝導
式で表わされる。
【0008】
【数1】
【0009】I:電流 V:印加電圧 κ:導電係数 
β:プールフレンケル係数 n:キャリヤ密度  μ:キャリヤモビリティ  q:
電子の電荷量 Φ:トラップ深さ  ρ:比抵抗  d:硬質炭素の膜
厚(Å)k:ボルツマン定数  T:雰囲気温度  ε
1:硬質炭素の誘電率 ε2:真空誘電率
【0010】次に図3により液晶表示装置の作製法を述
べる。まず、絶縁基板1´上に共通電極4´用の透明導
体、例えばITO,ZnO:Al,ZnO:Si,Sn
O2,In2O3等をスパッタリング、蒸着等で数百Å
から数μm堆積させ、ストライプ状にパターニングして
共通電極4´とする。この共通電極4´を設けた基板1
´と先にMIM素子をマトリックス状に設けた基板1の
各々の表面にポリイミドのような配向材8を付け、ラビ
ング処理を行ない、シール材を付け、ギャップ材9を入
れてギャップを一定にし、液晶3を封入して液晶表示装
置とする。このようにして液晶表示装置が得られる。
【0011】本発明デバイスのMIM素子に使用する硬
質炭素膜について詳しく説明する。硬質炭素膜を形成す
るためには有機化合物ガス、特に炭化水素ガスが用いら
れる。これら原料における相状態は常温常圧において必
ずしも気相である必要はなく、加熱或は減圧等により溶
融、蒸発、昇華等を経て気化し得るものであれば、液相
でも固相でも使用可能である。原料ガスとしての炭化水
素ガスについては、例えばCH4,C2H6,C3H8
,C4H10等のパラフィン系炭化水素、C2H4等の
オレフィン系炭化水素、ジオレフィン系炭化水素、さら
には芳香族炭化水素などすベての炭化水素を少なくとも
含むガスが使用可能である。さらに、炭化水素以外でも
、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エス
テル類、CO,CO2等、少なくとも炭素元素を含む化
合物であれば使用可能である。本発明における原料ガス
からの硬質炭素膜の形成方法としては、成膜活性種が、
直流、低周波、高周波、或いはマイクロ波等を用いたプ
ラズマ法により生成されるプラズマ状態を経て形成され
る方法が好ましいが、より大面積化、均一性向上、低温
成膜の目的で、低圧下で堆積を行なうため、磁界効果を
利用する方法がさらに好ましい。また高温における熱分
解によっても活性種を形成できる。その他にも、イオン
化蒸着法、或いはイオンビーム蒸着法等により生成され
るイオン状態を経て形成されてもよいし、真空蒸着法、
或いはスパッタリング法等により生成される中性粒子か
ら形成されてもよいし、さらには、これらの組み合せに
より形成されてもよい。
【0012】こうして作製される硬質炭素膜の堆積条件
の一例はプラズマCVD法の場合、次の通りである。 RF出力:0.1〜50W/cm2     圧    力:1/103〜10Torr堆積
温度:室温〜350℃ このプラズマ状態により原料ガスがラジカルとイオンと
に分解され反応することによって、基板上に炭素原子C
と水素原子Hとからなるアモルファス(非晶質)及び微
結晶質(結晶の大きさは数10Å〜数μm)の少くとも
一方を含む硬質炭素膜が堆積する。また、硬質炭素膜の
諸特性を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】注)測定法; 比抵抗(ρ)   :コプレナー型セルによるI−V特
性より求める。光学的バンドギャップ(Egopt):
分光特性から吸収係数(α)を求め、数2式の関係より
決定。
【0015】
【数2】 膜中水素量〔C(H)〕:赤外吸収スペクトルから29
00/cm近のピークを積分し、吸収断面積Aを掛けて
求める。すなわち、 〔C(H)〕=A・∫α(v)/v・dvSP3/SP
2比:赤外吸収スペクトルを、SP3,SP2にそれぞ
れ帰属されるガウス関数に分解し、その面積比より求め
る。 ヒ゛ッカース硬度(H):マイクロビッカース計による
。 屈折率(n)   :エリプソメーターによる。 欠陥密度    :ESRによる。
【0016】こうして形成される硬質炭素膜はラマン分
光法及びIR吸収法による分析の結果、夫々、図6及び
図7に示すように炭素原子がSP3の混成軌道とSP2
の混成軌道とを形成した原子間結合が混在していること
が明らかになっている。SP3結合とSP2結合の比率
は、IRスペクトルをピーク分離することで概ね推定で
きる。IRスペクトルには、2800〜3150/cm
に多くのモードのスペクトルが重なって測定されるが、
夫々の波数に対応するピークの帰属は明らかになってお
り、図5の如くガウス分布によってピーク分離を行ない
、夫々のピーク面積を算出し、その比率を求めればSP
3/SP2を知ることができる。また、X線及び電子回
折分析によればアモルファス状態(a−C:H)、及び
/又は約50Å〜数μm程度の微結晶粒を含むアモルフ
ァス状態にあることが判っている。一般に量産に適して
いるプラズマCVD法の場合には、RF出力が小さいほ
ど膜の比抵抗値および硬度が増加し、低圧力なほど活性
種の寿命が増加するために基板温度の低温化、大面積で
の均一化が図れ、かつ比抵抗、硬度が増加する傾向にあ
る。更に、低圧力ではプラズマ密度が減少するため、磁
場閉じ込め効果を利用する方法は比抵抗の増加には特に
効果的である。さらに、この方法は常温〜150℃程度
の比較的低い温度条件でも同様に良質の硬質炭素膜を形
成できるという特徴を有しているため、MIM素子製造
プロセスの低温化には最適である。従って、使用する基
板材料の選択自由度が広がり、基板温度をコントロール
し易いために大面積に均一な膜が得られるという特徴を
もっている。また硬質炭素膜の構造、物性は表1に示し
たように、広範囲に制御可能であるため、デバイス特性
を自由に設計できる利点もある。さらには膜の比誘電率
も2〜6と従来のMIM素子に使用されていたTa2O
5,Al2O3,SiNxと比較して小さいため、同じ
電気容量を持った素子を作る場合、素子サイズが大きく
てすむので、それほど微細加工を必要とせず、歩留りが
向上する(駆動条件の関係からLCDとMIM素子の容
量比はC(LCD)/C(MIM)=10:1程度必要
である)。また、素子急峻性β∝1/√ε・√dである
ため、比誘電率εが小さければ急峻性は大きくなり、オ
ン電流Ionとオフ電流Ioffとの比が大きくとれる
ようになる。このためより低デューティ比でのLCD駆
動が可能となり、高密度のLCDが実現できる。さらに
膜の硬度が高いため、液晶材料封入時のラビング工程に
よる損傷が少なくこの点からも歩留りが向上する。以上
の点を顧みるに、硬質炭素膜を使用することで、低コス
ト、階調性(カラー化)、高密度LCDが実現できる。 さらにこの硬質炭素膜が炭素原子及び水素原子の他に、
周期律表第III族元素、同第IV族元素、同第V族元
素、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、窒素原
子、酸素元素、カルコゲン系元素又はハロゲン原子を構
成元素として含んでもよい。構成元素の1つとして周期
律表第III族元素、同じく第V族元素、アルカリ金属
元素、アルカリ土類金属元素、窒素原子又は酸素原子を
導入したものは硬質炭素膜の膜厚をノンドープのものに
比べて約2〜3倍に厚くすることができ、またこれによ
り素子作製時のピンホールの発生を防止すると共に、素
子の機械的強度を飛躍的に向上することができる。更に
窒素原子又は酸素原子の場合は以下に述べるような周期
律表第IV族元素等の場合と同様な効果がある。同様に
周期律表第IV族元素、カルコゲン系元素又はハロゲン
元素を導入したものは硬質炭素膜の安定性が飛躍的に向
上すると共に、膜の硬度も改善されることも相まって高
信頼性の素子が作製できる。これらの効果が得られるの
は第IV族元素及びカルコゲン系元素の場合は硬質炭素
膜中に存在する活性な2重結合を減少させるからであり
、またハロゲン元素の場合は、1)水素に対する引抜き
反応により原料ガスの分解を促進して膜中のダングリン
グボンドを減少させ、2)成膜過程でハロゲン元素Xが
C−H結合中の水素を引抜いてこれと置換し、C−X結
合として膜中に入り、結合エネルギーが増大する(C−
H間及びC−X間の結合エネルギーはC−X間の方が大
きい)からである。これらの元素を膜の構成元素とする
ためには、原料ガスとしては炭化水素ガス及び水素の他
に、ドーパントとして膜中に周期律表第III族元素、
同第IV族元素、同第V族元素、アルカリ金属元素、ア
ルカリ土類金属元素、窒素原子、酸素原子、カルコゲン
系元素又はハロゲン元素を含有させるために、これらの
元素又は原子を含む化合物(又は分子)(以下、これら
を「他の化合物」ということもある)のガスが用いられ
る。ここで周期律表第III族元素を含む化合物として
は、例えばB(OC2H5)3,B2H6,BCl3,
BBr3,BF3,Al(O−i−C3H7)3,(C
H3)3Al,(C2H5)3Al,(i−C4H9)
3Al,AlCl3,Ga(O−i−C3H7)3,(
CH3)3Ga,(C2H5)3Ga,GaCl3,G
aBr3,(O−i−C3H7)3In,(C2H5)
3In等がある。 周期律表第IV族元素を含む化合物としては、例えばS
i2H6,(C2H5)3SiH,SiF4,SiH2
Cl2,SiCl4,Si(OCH3)4,Si(OC
2H5)4,Si(OC3H7)4,GeCl4,Ge
H4,Ge(OC2H5)4,Ge(C2H5)4,(
CH3)4Sn,(C2H5)4Sn,SnCl4等が
ある。 周期律表第V族元素を含む化合物としては、例えばPH
3,PF3,PF5,PCl2F3,PCl3,PCl
2F,PBr3,PO(OCH3)3,P(C2H5)
3,POCl3,AsH3,AsCl3,AsBr3,
AsF3,AsF5,AsCl3,SbH3,SbF3
,SbCl3,Sb(OC2H5)3等がある。 アルカリ金属原子を含む化合物としては、例えばLiO
−i−C3H7,NaO−i−C3H7,KO−i−C
3H7等がある。 アルカリ土類金属原子を含む化合物としては、例えばC
a(OC2H5)3,Mg(OC2H5)2,(C2H
5)2Mg等がある。 窒素原子を含む化合物としては、例えば窒素ガス、アン
モニア等の無機化合物、アミノ基、シアノ基等の官能基
を有する有機化合物及び窒素を含む複素環等がある。 酸素原子を含む化合物としては、例えば酸素ガス、オゾ
ン、水(水蒸気)、過酸化水素、一酸化炭素、二酸化炭
素、亜酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素、三酸化二窒
素、五酸化二窒素、三酸化窒素等の無機化合物、水酸基
、アルデヒド基、アシル基、ケトン基、ニトロ基、ニト
ロソ基、スルホン基、エーテル結合、エステル結合、ペ
プチド結合、酸素を含む複素環等の官能基或いは結合を
有する有機化合物、更には金属アルコキシド等が挙げら
れる。 カルコゲン系元素を含む化合物としては、例えばH2S
,(CH3)(CH2)4S(CH2)4CH3,CH
2=CHCH2SCH2CH=CH2,C2H5SC2
H5,C2H5SCH3,チオフェン、H2Se,(C
2H5)2Se,H2Te等がある。 またハロゲン元素を含む化合物としては、例えば弗素、
塩素、臭素、沃素、弗化水素、弗化炭素、弗化塩素、弗
化臭素、弗化沃素、塩化水素、塩化臭素、塩化沃素、臭
化水素、臭化沃素、沃化水素等の無機化合物、ハロゲン
化アルキル、ハロゲン化アリール、ハロゲン化スチレン
、ハロゲン化ポリメチレン、ハロホルム等の有機化合物
が用いられる。液晶駆動MIM素子として好適な硬質炭
素膜は、駆動条件から膜厚が100〜8000Å、比抵
抗が106〜1013Ω・cmの範囲であることが有利
である。なお、駆動電圧と耐圧(絶縁破壊電圧)とのマ
ージンを考慮すると膜厚は200Å以上であることが望
ましく、また、画素部と薄膜二端子素子部の段差(セル
ギャップ差)に起因する色むらが実用上問題とならない
ようにするには膜厚は6000Å以下であることが望ま
しいことから、硬質炭素膜の膜厚は200〜6000Å
、比抵抗は5×106〜1013Ω・cmであることが
より好ましい。硬質炭素膜のピンホールによる素子の欠
陥数は膜厚の減少にともなって増加し、300Å以下で
は特に顕著になること(欠陥率は1%を越える)、及び
、膜厚の面内分布の均一性(ひいては素子特性の均一性
)が確保できなくなる(膜厚制御の精度は30Å程度が
限度で、膜厚のバラツキが10%を越える)ことから、
膜厚は300Å以上であることがより望ましい。また、
ストレスによる硬質炭素膜の剥離が起こりにくくするた
め、及び、より低デューティ比(望ましくは1/100
0以下)で駆動するために、膜厚は4000Å以下であ
ることがより望ましい。これらを総合して考慮すると、
硬質炭素膜の膜厚は300〜4000Å、比抵抗率は1
07〜1011Ω・cmであることが一層好ましい。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。 実施例1 図1に示すように、100μm厚のポリアリレートフィ
ルム1両面に基板温度50℃でスパッタリング法によっ
て6000Åの厚さのSiO2層(2a,2b)を作製
した。X線回折によりSiO2膜が非晶質であることが
わかった。 また、波長400〜850nmにおいて80%以上の透
過率を示した。次にSiO2上にITOをスパッタリン
グ法により約1000Å厚に堆積後、パターン化して画
素電極を形成した。次に、MIM素子を次のようにして
設けた。まず、Alを蒸着法により約1000Å厚に堆
積後パターン化して下部電極7を形成し、その上に、絶
縁層2として、硬質炭素膜をプラズマCVD法により約
1000Å厚に堆積させたのち、ドライエッチングによ
りパターン化した。この時の硬質炭素膜の成膜条件は以
下の通りである。 圧      力:0.035TorrCH4 流量:
10 SCCM RFパワー:0.2W/cm2   更にこの上にNiをEB蒸着法により約1000Å
厚に堆積後パターン化して上部電極6を形成した。
【0018】実施例2 図1に示すように250μm厚のポリエーテルサルフォ
ンフィルム両面に基板温度30℃でスパッタリング法に
よって5000Åの厚さのSi3N4層2a,2bを作
製した。X線回折によってSi3N4層が非晶質である
ことがわかった。また、波長400〜850nmにおい
て80%以上の透過率を示した。次にSi3N4上にI
TOをスパッタリング法により約1000Å厚に堆積後
、パターン化して画素電極を形成した。次に、MIM素
子を次のようにして設けた。まず、Alを蒸着法により
約1000Å厚に堆積後パターン化して下部電極7を形
成し、その上に、絶縁層2として、硬質炭素膜をプラズ
マCVD法により約1000Å厚に堆積させたのち、ド
ライエッチングによりパターン化した。 この時の硬質炭素膜の成膜条件は以下の通りである。 圧      力:0.035TorrCH4 流量:
10 SCCM RFパワー:0.2W/cm2   更にこの上にNiをEB蒸着法により約1000Å
厚に堆積後パターン化して上部電極6を形成した。実施
例1,2に示したMIM型素子は膜ハガレ、基板の変形
、基板のカール、無機物質のクラツクはみられなかった
。また、80℃、1000時間の高温保存でも劣化はみ
られなかった。
【0019】
【効果】本発明は、以上説明したように構成されている
から、本発明の薄膜積層デバイスは、基板の変形、カー
ル等がなく、かつ低コスト、軽量化を達成でき、さらに
薄膜積層デバイスを絶縁層に硬質炭素膜を用いたMIM
型素子にすると、硬質炭素膜が、1)  プラズマCV
D法等の気相合成法で作製されるため、成膜条件によっ
て物性が広範に制御でき、従ってデバイス設計上の自由
度が大きい、2)  硬質でしかも厚膜にできるため、
機械的損傷を受け難く、また厚膜化によるピンホールの
減少も期待できる、3)  室温付近の低温においても
良質な膜を形成できるので、基板材質に制約がない、4
)  膜厚、膜質の均一性に優れているため、薄膜デバ
イス用として適している、5)  誘電率が低いので、
高度の微細加工技術を必要とせず、従って素子の大面積
化に有利であり、さらに誘電率が低いので素子の急峻性
が高くIon/Ioff比がとれるので、低デューティ
比での駆動が可能である、等の特長を有し、このため特
に信頼性の高い液晶表示用スイッチング素子として好適
であって、産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜デバイスの構造を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の薄膜デバイスにより構成されたMIM
素子の要部説明図である。
【図3】本発明の薄膜デバイスを組込んだ液晶表示装置
の一部断面斜視図である。
【図4】a,bはそれぞれMIM素子のI−V特性曲線
、lnI−√v特性曲線を示すグラフである。
【図5】本発明のMIM素子の絶縁層に使用した硬質炭
素膜のIRスペクトルのガウス分布を示す。
【図6】本発明のMIM素子の絶縁層に使用した硬質炭
素膜をIR吸収法で分光した分析結果を示すスペクトル
図である。
【図7】本発明のMIM素子の絶縁層に使用した硬質炭
素膜をラマンスペクトル法で分析した分析結果を示すス
ペクトル図である。
【符号の説明】
1  プラスチツク基板 1´  プラスチツク基板 2  硬質炭素膜 2a  無機物質層 2b  無機物質層 3  液晶 4  画素電極 4´  共通電極 5  能動素子(MIM素子) 6  第2導体(バスライン)(上部電極)7  第1
導体(下部電極) 8  配向膜 9  ギャップ材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  無機物質からなる薄膜を両面に形成し
    たプラスチック基板と該基板上に形成された薄膜積層デ
    バイスにおいて無機物質からなる薄膜が非晶質であるこ
    とを特徴とする薄膜積層デバイス。
  2. 【請求項2】  前記無機物質からなる薄膜が波長40
    0〜850nmにおいて透過率が75%以上である請求
    項1記載の薄膜積層デバイス。
  3. 【請求項3】  薄膜積層デバイスが硬質炭素膜を絶縁
    層とするMIM型素子である請求項1または2記載の薄
    膜積層デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100473225B1 (ko) * 2001-12-31 2005-03-08 엘지.필립스 엘시디 주식회사 알루미늄 금속층과 투명도전성 금속층의 접촉구조와 그를 위한 제조방법

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KR100473225B1 (ko) * 2001-12-31 2005-03-08 엘지.필립스 엘시디 주식회사 알루미늄 금속층과 투명도전성 금속층의 접촉구조와 그를 위한 제조방법

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