JPH0430450B2 - - Google Patents
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- JPH0430450B2 JPH0430450B2 JP61246217A JP24621786A JPH0430450B2 JP H0430450 B2 JPH0430450 B2 JP H0430450B2 JP 61246217 A JP61246217 A JP 61246217A JP 24621786 A JP24621786 A JP 24621786A JP H0430450 B2 JPH0430450 B2 JP H0430450B2
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Description
[産業上の利用分野]
本発明は蒸着用Ni−Fe基合金に係り、特にそ
の高透磁率を利用したヘツド材や磁気記録材料の
下地材料として用いられる薄膜の製造に好適な蒸
着用Ni−Fe基合金に関する。 [従来の技術] 非磁性基板上に磁性合金薄膜を形成した磁気記
録材料は周知である。 この磁気記録材料の薄膜を製造する方法として
は、スパツタリングや真空蒸着、イオンプレーテ
イング等の蒸着法が広く用いられている。 特にスパツタリング法は、均一な内部組成で一
定の合金元素を含んだターゲツト材が得られさえ
すれば、スパツタリング装置内の圧力をコントロ
ールしながら組成的に均一な薄膜を得ることがで
きる点で有利である。 磁性合金薄膜を形成する強磁性合金としては、
ニツケル合金、コバルト合金、鉄合金などが従来
より用いられているが、これらのうち、Ni−Fe
基合金は、透磁率が大きいことから種々のものが
実用されている。例えばNi−Fe系の35〜90%Ni
合金は高い透磁率を有する合金という意味でパー
マロイ(Pemalloy)と称され、特に70〜80%Ni
合金はパーマロイ(PA)と称し、弱磁場で初透
磁率μo、最大透磁率μmが大きい。特に近年は
薄膜ヘツドと共に、垂直磁気記録材料の下地材と
して注目されている。 ところで、パーマロイの大きな透磁率は高温度
(約600℃以上)から急冷して得られるので、製品
の特性が不均一になりやすい。この欠点を改善す
るために、Mo、Cr、Cu、Nbなどの元素を加え
て規則格子の生成を抑制し、徐冷状態で極めて大
きな透磁率が再現性よく得られている。 [発明が解決しようとする問題点] 従来より用いられている磁性合金について種々
検討を重ねたところ、酸素、窒素、硫黄、炭素、
その他金属酸化物等の介在物が比較的多量に含ま
れており、得られる薄膜の磁気特性に多大な悪影
響をもたらすことが認められた。 [問題点を解決するための手段] 本発明は上記従来の実情に鑑み、不純物含有量
の少ない高特性磁性薄膜を安定かつ効率的に得る
ことができる蒸着用Ni−Fe基合金を提供するべ
くなされたものであつて、 Ni35〜85重量%、Mo、Cr、Cu及びNbよりな
る群から選ばれる1種又は2種以上3〜15重量
%、Al0.005〜1重量%、Ti1重量%以下、Ca及
び/又はMg300ppm以下、並びに、不純物とし
てO30ppm以下及びN30ppm以下を含有し、残部
が実質的にFeであることを特徴とする蒸着用Ni
−Fe基合金、 を要旨とするものである。 即ち、本発明者は、蒸着用合金の不純物に起因
する問題を解決し、高特性磁性薄膜を得るべく、
鋭意検討を重ねた結果、蒸着用Ni−Fe基合金中
に、特定量のCa及び/又はMgとAl及びTiとを
含有させることにより、不純物含有量の少ない合
金が得られ、しかもCa及び/又はMgとAl及び/
又はTiとによるゲツタ作用により、蒸着雰囲気
中のガス成分をも低減し、極めて高純度で高特性
の磁性薄膜を得ることができることを見出し、本
発明を完成させた。 以下、本発明につき詳細に説明する。 なお、本明細書において、「%」は「重量%」
を表すものである。 本発明の蒸着用Ni−Fe基合金は、真空蒸着あ
るいはスパツタリング、イオンプレーテイング等
の蒸着用材料として用いられ、磁性薄膜の製造等
に利用されるものであつて、その組成は、下記の
通りである。 Ni:35〜82% Mo、Cr、Cu及びNbの1種以上: 3〜15% Fe:残部 Al:0.005〜1% Ti:1%以下 Ca及び/又はMg:300ppm以下 O:30ppm以下 N:30ppm以下 以下に本発明の合金組成の限定理由について説
明する。 本発明の蒸着用Ni−Fe基合金において、Niは
35〜85%とする。これは、この範囲のNi含有率
にて、極めて高い透磁率が得られるためであつ
て、好ましいNi含有率は70〜85%、特に78.5%と
することにより、著しく高い透磁率が得られる。 Mo、Cr、Cu、Nbは、前述の如く、透磁率の
改善、磁気特性の改善に有効に作用する。しかし
ながら、その含有量があまりに多過ぎるとNi−
Fe基合金の高透磁率特性に悪影響を及ぼすこと
から、その含有量は3〜15%、好ましくはMo3
〜8%、Cr3〜15%、Cu5〜15%、Nb3〜15%と
する。 本発明の蒸着用Ni−Fe基合金のNiと上記Mo、
Cr、Cu、Nbとの成分比(%)の具体例として
は、下記のようなパーマロイC級合金系のものが
挙げられる。 1040合金:72Ni−14Cu−3Mo−Fe ミユーメタル:77Ni−5Cu−4Mo−Fe Cr−パーマロイ:78.5Ni−3.8Cu−Fe Mo−パーマロイ:79Ni−4Mo−Fe スーパーマロイ:79Ni−5Mo−Fe ハードパーム:79Ni−9Nb−Fe Al及びTiは、合金の溶製を行なう際に、Ca、
Mgと共に合金の清浄化に作用し、また蒸着雰囲
気中にてガス成分を捕促するゲツタ作用を有す
る。ただし、Al、Tiはその量があまりに多過ぎ、
合金特性に影響を及ぼす量であつて好ましくな
く、このため本発明においては、各々1%以下と
する。当然のことながら、Al、Tiは、その量が
あまりに少な過ぎると上記清浄化作用及びゲツタ
作用による十分な効果が得られないことから、特
にAlは0.005%以上とする。本発明においては、
Al0.005〜0.5%及びTi0.5%以下、より好ましく
は、Al0.05〜0.2%及びTi0.2%以下とするのが望
ましい。なお、Al又はTiは、固溶Al又は固溶Ti
の形態で合金中に存在することにより、本発明の
効果を奏するものであるので、Al又はTiの存在
形態は固溶状態であることが重要である。 Ca及びMgは前述の如くAl及び/又はTiと共
に合金の清浄化に作用し、またゲツタ作用を奏す
る。Ca及びMgは、その含有量があまりに多過ぎ
ると合金特性に影響を及ぼし、また、金属間化合
物の析出により合金を脆くすることがある。この
ため、本発明においてはCa及び/又はMgの含有
量は300ppm以下とする。一方、Ca及び/又は
Mgの含有量は少な過ぎても、Ca、Mgによる十
分な清浄化作用及びゲツタ作用が現れない。この
ようなことから、Ca、Mg含有量は、各々、5〜
100ppmの範囲、好ましくは各々10〜50ppmの範
囲とするのが好ましい。なお、CaはCaOないし
CaO−Al2O3の形態では本発明の効果は奏し得
ず、同様に、MgはMgOの形態では本発明の効果
を奏し得ないことから、合金中のCa、Mgの存在
形態は金属Ca、金属Mgであることが重要であ
る。 合金中の不純物であるO、Nの量が多いと、蒸
着に使用した際に、蒸着雰囲気の真空度を悪化さ
せたり、また良好な蒸着が行なえず、高特性の磁
性薄膜が得られない。このため、合金中のO含有
量は30ppm以下、好ましくは20ppm以下、N含有
量は30ppm以下、好ましくは20ppm以下とする。 なお、本発明において、Si、Mn、P、S等の
不純物が合金中に不可避的に含有されるのは、特
に問題とはならないが、上述したことと同様の理
由から、本発明において、合金中の他の不純物は
できるだけ少なくするのが良く、例えば、Si含有
量は0.1%以下、Mn含有量は0.05%以下、P含有
量は50ppm以下、S含有量は10ppm以下とするの
が好ましい。 このような本発明の蒸着用Ni−Fe基合金は、
例えば、以下に説明する方法に従つて製造するこ
とができる。 即ち、まず、合金化のためのNi、Fe、Mo、
Cr、Cu及びNbの1種以上、Al、Tiの金属又は
合金材料を、内面がCaO質耐火材で構成された容
器中で、真空又はアルゴン等の不活性ガス雰囲気
等の非酸化性雰囲気にて、常法例えば高周波ある
いは低周波誘導加熱法等で加熱して溶解すること
により、所望の組成の合金溶湯を得る。 本発明において、用いられる容器の内面を構成
するCaO質耐火材としては、カルシア(CaO)、
ラルナイト(安定化2CaO・SiO2)、メルウイナ
イト(3CaO・MgO・2SiO2)、アノルサイト
(CaO・Al2O3・2SiO2)ならびにCaOを富化した
ドロマイト等が挙げられるが、特に、電融カルシ
アが好適である。 このようなカルシア質炉材は、そのCaO含有率
が40%以上、特に60%以上のものが好ましい。 CaOは高融点であると共に、高温で極めて安定
であり、溶製にあたり、金属酸化物を生成して溶
湯を不純物により汚染することがなく、高清浄な
溶湯を得ることが可能とされる。 特に、CaO含有量の高いCaO質耐火材で内面が
構成された容器を用いた場合には、脱O、脱S、
脱介在物等の精錬作用も奏され、極めて有利であ
る。 しかも、溶湯中にAl及びTiが存在するため、
溶湯中の脱O、脱Sが行なわれ、これに伴つて脱
Nも起こる。また、炉壁材のCaOとAlとの反応
により溶湯中へのCaの溶出もおこる。即ち、Al
は溶湯中のO及び炉壁のCaOと溶湯中のSと反応
して CaO+S→CaS+O となつて生じたOと反応して、 2Al+3O→Al2O3 となり、Al2O3を生じる。また溶湯中のAlは炉壁
のCaOと反応して 2Al+3CaO→Al2O3+3Ca(g) となり、これによつてもAl2O3が生じる。(この
場合、生じたCaは、ガスとなつて系外に抜ける
が、一部が合金中に残留して、本発明の合金の
Ca含有量を満足させる。) Al2O3は次式の如く炉壁のCaOと反応して。
3CaO・Al2O3又は12CaO・7Al2O3の活性な層が
炉壁表面に形成される。 Al2O3+3CaO→3CaO・Al2O3 7Al2O3+12CaO→ 12CaO・7Al2O3 この12CaO・7Al2O3及び3CaO・Al2O3、特に
3CaO・Al2O3は溶湯の脱S能が高く、脱Sが良
好に進行する。 このように、Alにより脱Oが、またAlの還元
作用により生じた活性な3CaO・Al2O3、12CaO、
7Al2O3やCaOにより脱Sが行なわれる。 また、耐火材がCaO−MgO系の容器を用いて
溶製を行なつた場合、Caと共にMgの溶出も見ら
れ、溶湯中に金属態Mgが残留し、Caと同様に蒸
着時にゲツタ作用を奏し、その効果を補完し、更
に強力なものとする。即ち、炉壁のMgOは 3MgO+CaO+2Al→CaO・Al2O3+3Mg(g) となり、生じたMgの一部が合金中に残留する。 また溶湯中のNは前述のAlとCaOとの反応に
より生じたCa等の蒸発(沸騰)等に伴つて溶湯
中から離脱し、溶湯中のN量も低減される。 Tiは、Alの作用を補完し、更にAlと同様の作
用により脱O、脱S、脱Nを行なう。 従つて、内面がCaO質耐火材で構成された容器
中で溶製を行なうことにより、本発明の低O、低
N含有量のNi−Fe基合金を容易に得ることがで
きる。 ところで、本発明においては、内面がCaO質耐
火材で構成された容器中にて溶製する際に、Al
及びTiを冷却固化後のAl及びTi残留量が本発明
の範囲、即ち、Al0.005〜1%及びTi1%以下と
なるように添加するのであるが、溶製に用いる容
器の内面を、特にCaO及びMgO(MgO含有率60
〜15%)のカルシア系耐火物よりなるものとする
ことにより、Al及びTiの添加により、溶湯中へ
CaだけでなくMgの溶出も認められ、得られる合
金中のCa、Mg含有量を容易に本発明の範囲即ち
300ppm以下とすることができる。 このようにして得られた合金溶湯を、常法に従
つて非酸化性雰囲気下で鋳造する。 このような方法によれば、Ni35〜85重量%、
Mo、Cr、Cu及びNbよりなる群から選ばれる1
種又は2種以上3〜15%、Al0.005〜1%、Ti1
%以下、Ca及び/又はMg300ppm以下、不純物
としてO30ppm以下及びN30ppm以下を含有し、
残部が実質的にFeである本発明の蒸着用Ni−Fe
基合金を極めて容易に製造することができる。 [作用] 本発明の蒸着用Ni−Fe基合金は、O、N含有
量が少ないため、高特性の磁性薄膜を得ることが
できる。 また、本発明の蒸着用Ni−Fe基合金に含有さ
れるAl及びTi、Ca、Mgは、真空蒸着又はスパ
ツタリング等の蒸着雰囲気中にて、 4Al+3O2→2Al2O3 2Al+N2→2AlN 2Ca+O2→2CaO 3Ca+N2→Ca3N2 のように反応して、雰囲気中のガス成分を低下さ
せる、いわゆるゲツタ作用を奏する。 Ti、Mgについても同様にそれぞれAl、Caの
作用を下式のように補完して良好なゲツタ作用を
奏する。 Ti+O2→TiO2 Ti+N2→TiN2 2Mg+O2→2MgO 3Mg+N2→Mg3N2 このため、蒸着時の薄膜形成安定性及び形成速
度を向上させると共に、得られる薄膜は高純度で
磁気特性が大幅に改善され、高特性薄膜を高生産
効率で製造することを可能とする。 [実施例] 以下、実施例について説明する。 実施例 1 第1表に示す組成のNi−Fe基合金を蒸着用材
料として用い、下記仕様のスパツタリング装置に
て、直径10cmのガラス基盤上に各3回ずつ薄膜を
形成した。なお、基盤加熱温度は150℃とした。 スパツタリング装置仕様 マグネトロンタイプ高周波スパツタリング装置 最大出力:1KW 到達真空度:10-7torr ターゲツト寸法:100mm(φ)×3mmmm(t)
の高透磁率を利用したヘツド材や磁気記録材料の
下地材料として用いられる薄膜の製造に好適な蒸
着用Ni−Fe基合金に関する。 [従来の技術] 非磁性基板上に磁性合金薄膜を形成した磁気記
録材料は周知である。 この磁気記録材料の薄膜を製造する方法として
は、スパツタリングや真空蒸着、イオンプレーテ
イング等の蒸着法が広く用いられている。 特にスパツタリング法は、均一な内部組成で一
定の合金元素を含んだターゲツト材が得られさえ
すれば、スパツタリング装置内の圧力をコントロ
ールしながら組成的に均一な薄膜を得ることがで
きる点で有利である。 磁性合金薄膜を形成する強磁性合金としては、
ニツケル合金、コバルト合金、鉄合金などが従来
より用いられているが、これらのうち、Ni−Fe
基合金は、透磁率が大きいことから種々のものが
実用されている。例えばNi−Fe系の35〜90%Ni
合金は高い透磁率を有する合金という意味でパー
マロイ(Pemalloy)と称され、特に70〜80%Ni
合金はパーマロイ(PA)と称し、弱磁場で初透
磁率μo、最大透磁率μmが大きい。特に近年は
薄膜ヘツドと共に、垂直磁気記録材料の下地材と
して注目されている。 ところで、パーマロイの大きな透磁率は高温度
(約600℃以上)から急冷して得られるので、製品
の特性が不均一になりやすい。この欠点を改善す
るために、Mo、Cr、Cu、Nbなどの元素を加え
て規則格子の生成を抑制し、徐冷状態で極めて大
きな透磁率が再現性よく得られている。 [発明が解決しようとする問題点] 従来より用いられている磁性合金について種々
検討を重ねたところ、酸素、窒素、硫黄、炭素、
その他金属酸化物等の介在物が比較的多量に含ま
れており、得られる薄膜の磁気特性に多大な悪影
響をもたらすことが認められた。 [問題点を解決するための手段] 本発明は上記従来の実情に鑑み、不純物含有量
の少ない高特性磁性薄膜を安定かつ効率的に得る
ことができる蒸着用Ni−Fe基合金を提供するべ
くなされたものであつて、 Ni35〜85重量%、Mo、Cr、Cu及びNbよりな
る群から選ばれる1種又は2種以上3〜15重量
%、Al0.005〜1重量%、Ti1重量%以下、Ca及
び/又はMg300ppm以下、並びに、不純物とし
てO30ppm以下及びN30ppm以下を含有し、残部
が実質的にFeであることを特徴とする蒸着用Ni
−Fe基合金、 を要旨とするものである。 即ち、本発明者は、蒸着用合金の不純物に起因
する問題を解決し、高特性磁性薄膜を得るべく、
鋭意検討を重ねた結果、蒸着用Ni−Fe基合金中
に、特定量のCa及び/又はMgとAl及びTiとを
含有させることにより、不純物含有量の少ない合
金が得られ、しかもCa及び/又はMgとAl及び/
又はTiとによるゲツタ作用により、蒸着雰囲気
中のガス成分をも低減し、極めて高純度で高特性
の磁性薄膜を得ることができることを見出し、本
発明を完成させた。 以下、本発明につき詳細に説明する。 なお、本明細書において、「%」は「重量%」
を表すものである。 本発明の蒸着用Ni−Fe基合金は、真空蒸着あ
るいはスパツタリング、イオンプレーテイング等
の蒸着用材料として用いられ、磁性薄膜の製造等
に利用されるものであつて、その組成は、下記の
通りである。 Ni:35〜82% Mo、Cr、Cu及びNbの1種以上: 3〜15% Fe:残部 Al:0.005〜1% Ti:1%以下 Ca及び/又はMg:300ppm以下 O:30ppm以下 N:30ppm以下 以下に本発明の合金組成の限定理由について説
明する。 本発明の蒸着用Ni−Fe基合金において、Niは
35〜85%とする。これは、この範囲のNi含有率
にて、極めて高い透磁率が得られるためであつ
て、好ましいNi含有率は70〜85%、特に78.5%と
することにより、著しく高い透磁率が得られる。 Mo、Cr、Cu、Nbは、前述の如く、透磁率の
改善、磁気特性の改善に有効に作用する。しかし
ながら、その含有量があまりに多過ぎるとNi−
Fe基合金の高透磁率特性に悪影響を及ぼすこと
から、その含有量は3〜15%、好ましくはMo3
〜8%、Cr3〜15%、Cu5〜15%、Nb3〜15%と
する。 本発明の蒸着用Ni−Fe基合金のNiと上記Mo、
Cr、Cu、Nbとの成分比(%)の具体例として
は、下記のようなパーマロイC級合金系のものが
挙げられる。 1040合金:72Ni−14Cu−3Mo−Fe ミユーメタル:77Ni−5Cu−4Mo−Fe Cr−パーマロイ:78.5Ni−3.8Cu−Fe Mo−パーマロイ:79Ni−4Mo−Fe スーパーマロイ:79Ni−5Mo−Fe ハードパーム:79Ni−9Nb−Fe Al及びTiは、合金の溶製を行なう際に、Ca、
Mgと共に合金の清浄化に作用し、また蒸着雰囲
気中にてガス成分を捕促するゲツタ作用を有す
る。ただし、Al、Tiはその量があまりに多過ぎ、
合金特性に影響を及ぼす量であつて好ましくな
く、このため本発明においては、各々1%以下と
する。当然のことながら、Al、Tiは、その量が
あまりに少な過ぎると上記清浄化作用及びゲツタ
作用による十分な効果が得られないことから、特
にAlは0.005%以上とする。本発明においては、
Al0.005〜0.5%及びTi0.5%以下、より好ましく
は、Al0.05〜0.2%及びTi0.2%以下とするのが望
ましい。なお、Al又はTiは、固溶Al又は固溶Ti
の形態で合金中に存在することにより、本発明の
効果を奏するものであるので、Al又はTiの存在
形態は固溶状態であることが重要である。 Ca及びMgは前述の如くAl及び/又はTiと共
に合金の清浄化に作用し、またゲツタ作用を奏す
る。Ca及びMgは、その含有量があまりに多過ぎ
ると合金特性に影響を及ぼし、また、金属間化合
物の析出により合金を脆くすることがある。この
ため、本発明においてはCa及び/又はMgの含有
量は300ppm以下とする。一方、Ca及び/又は
Mgの含有量は少な過ぎても、Ca、Mgによる十
分な清浄化作用及びゲツタ作用が現れない。この
ようなことから、Ca、Mg含有量は、各々、5〜
100ppmの範囲、好ましくは各々10〜50ppmの範
囲とするのが好ましい。なお、CaはCaOないし
CaO−Al2O3の形態では本発明の効果は奏し得
ず、同様に、MgはMgOの形態では本発明の効果
を奏し得ないことから、合金中のCa、Mgの存在
形態は金属Ca、金属Mgであることが重要であ
る。 合金中の不純物であるO、Nの量が多いと、蒸
着に使用した際に、蒸着雰囲気の真空度を悪化さ
せたり、また良好な蒸着が行なえず、高特性の磁
性薄膜が得られない。このため、合金中のO含有
量は30ppm以下、好ましくは20ppm以下、N含有
量は30ppm以下、好ましくは20ppm以下とする。 なお、本発明において、Si、Mn、P、S等の
不純物が合金中に不可避的に含有されるのは、特
に問題とはならないが、上述したことと同様の理
由から、本発明において、合金中の他の不純物は
できるだけ少なくするのが良く、例えば、Si含有
量は0.1%以下、Mn含有量は0.05%以下、P含有
量は50ppm以下、S含有量は10ppm以下とするの
が好ましい。 このような本発明の蒸着用Ni−Fe基合金は、
例えば、以下に説明する方法に従つて製造するこ
とができる。 即ち、まず、合金化のためのNi、Fe、Mo、
Cr、Cu及びNbの1種以上、Al、Tiの金属又は
合金材料を、内面がCaO質耐火材で構成された容
器中で、真空又はアルゴン等の不活性ガス雰囲気
等の非酸化性雰囲気にて、常法例えば高周波ある
いは低周波誘導加熱法等で加熱して溶解すること
により、所望の組成の合金溶湯を得る。 本発明において、用いられる容器の内面を構成
するCaO質耐火材としては、カルシア(CaO)、
ラルナイト(安定化2CaO・SiO2)、メルウイナ
イト(3CaO・MgO・2SiO2)、アノルサイト
(CaO・Al2O3・2SiO2)ならびにCaOを富化した
ドロマイト等が挙げられるが、特に、電融カルシ
アが好適である。 このようなカルシア質炉材は、そのCaO含有率
が40%以上、特に60%以上のものが好ましい。 CaOは高融点であると共に、高温で極めて安定
であり、溶製にあたり、金属酸化物を生成して溶
湯を不純物により汚染することがなく、高清浄な
溶湯を得ることが可能とされる。 特に、CaO含有量の高いCaO質耐火材で内面が
構成された容器を用いた場合には、脱O、脱S、
脱介在物等の精錬作用も奏され、極めて有利であ
る。 しかも、溶湯中にAl及びTiが存在するため、
溶湯中の脱O、脱Sが行なわれ、これに伴つて脱
Nも起こる。また、炉壁材のCaOとAlとの反応
により溶湯中へのCaの溶出もおこる。即ち、Al
は溶湯中のO及び炉壁のCaOと溶湯中のSと反応
して CaO+S→CaS+O となつて生じたOと反応して、 2Al+3O→Al2O3 となり、Al2O3を生じる。また溶湯中のAlは炉壁
のCaOと反応して 2Al+3CaO→Al2O3+3Ca(g) となり、これによつてもAl2O3が生じる。(この
場合、生じたCaは、ガスとなつて系外に抜ける
が、一部が合金中に残留して、本発明の合金の
Ca含有量を満足させる。) Al2O3は次式の如く炉壁のCaOと反応して。
3CaO・Al2O3又は12CaO・7Al2O3の活性な層が
炉壁表面に形成される。 Al2O3+3CaO→3CaO・Al2O3 7Al2O3+12CaO→ 12CaO・7Al2O3 この12CaO・7Al2O3及び3CaO・Al2O3、特に
3CaO・Al2O3は溶湯の脱S能が高く、脱Sが良
好に進行する。 このように、Alにより脱Oが、またAlの還元
作用により生じた活性な3CaO・Al2O3、12CaO、
7Al2O3やCaOにより脱Sが行なわれる。 また、耐火材がCaO−MgO系の容器を用いて
溶製を行なつた場合、Caと共にMgの溶出も見ら
れ、溶湯中に金属態Mgが残留し、Caと同様に蒸
着時にゲツタ作用を奏し、その効果を補完し、更
に強力なものとする。即ち、炉壁のMgOは 3MgO+CaO+2Al→CaO・Al2O3+3Mg(g) となり、生じたMgの一部が合金中に残留する。 また溶湯中のNは前述のAlとCaOとの反応に
より生じたCa等の蒸発(沸騰)等に伴つて溶湯
中から離脱し、溶湯中のN量も低減される。 Tiは、Alの作用を補完し、更にAlと同様の作
用により脱O、脱S、脱Nを行なう。 従つて、内面がCaO質耐火材で構成された容器
中で溶製を行なうことにより、本発明の低O、低
N含有量のNi−Fe基合金を容易に得ることがで
きる。 ところで、本発明においては、内面がCaO質耐
火材で構成された容器中にて溶製する際に、Al
及びTiを冷却固化後のAl及びTi残留量が本発明
の範囲、即ち、Al0.005〜1%及びTi1%以下と
なるように添加するのであるが、溶製に用いる容
器の内面を、特にCaO及びMgO(MgO含有率60
〜15%)のカルシア系耐火物よりなるものとする
ことにより、Al及びTiの添加により、溶湯中へ
CaだけでなくMgの溶出も認められ、得られる合
金中のCa、Mg含有量を容易に本発明の範囲即ち
300ppm以下とすることができる。 このようにして得られた合金溶湯を、常法に従
つて非酸化性雰囲気下で鋳造する。 このような方法によれば、Ni35〜85重量%、
Mo、Cr、Cu及びNbよりなる群から選ばれる1
種又は2種以上3〜15%、Al0.005〜1%、Ti1
%以下、Ca及び/又はMg300ppm以下、不純物
としてO30ppm以下及びN30ppm以下を含有し、
残部が実質的にFeである本発明の蒸着用Ni−Fe
基合金を極めて容易に製造することができる。 [作用] 本発明の蒸着用Ni−Fe基合金は、O、N含有
量が少ないため、高特性の磁性薄膜を得ることが
できる。 また、本発明の蒸着用Ni−Fe基合金に含有さ
れるAl及びTi、Ca、Mgは、真空蒸着又はスパ
ツタリング等の蒸着雰囲気中にて、 4Al+3O2→2Al2O3 2Al+N2→2AlN 2Ca+O2→2CaO 3Ca+N2→Ca3N2 のように反応して、雰囲気中のガス成分を低下さ
せる、いわゆるゲツタ作用を奏する。 Ti、Mgについても同様にそれぞれAl、Caの
作用を下式のように補完して良好なゲツタ作用を
奏する。 Ti+O2→TiO2 Ti+N2→TiN2 2Mg+O2→2MgO 3Mg+N2→Mg3N2 このため、蒸着時の薄膜形成安定性及び形成速
度を向上させると共に、得られる薄膜は高純度で
磁気特性が大幅に改善され、高特性薄膜を高生産
効率で製造することを可能とする。 [実施例] 以下、実施例について説明する。 実施例 1 第1表に示す組成のNi−Fe基合金を蒸着用材
料として用い、下記仕様のスパツタリング装置に
て、直径10cmのガラス基盤上に各3回ずつ薄膜を
形成した。なお、基盤加熱温度は150℃とした。 スパツタリング装置仕様 マグネトロンタイプ高周波スパツタリング装置 最大出力:1KW 到達真空度:10-7torr ターゲツト寸法:100mm(φ)×3mmmm(t)
【表】
【表】
スパツタ電力、アルゴンガス圧を変えて、各蒸
着用材料により形成された薄膜の膜厚を調べた結
果を、それぞれ第1図、第2図に示す。 第1図、第2図より、本発明の蒸着用Ni−Fe
基合金は、バツチごとのバラツキが少なく、均質
な上に膜形成効率が高いことが認められる。 実施例 2 実施例1で用いたスパツタリング装置及び基盤
を用い、第1表のNo.1〜8の蒸着用合金にて、
Ar圧又は基板加熱温度を変えて、それぞれ3μm
厚さの薄膜を3回ずつ形成して高透磁率薄膜を作
成した。なお、スパツタ電圧は500Wで行なつた。 得られた高透磁率材料薄膜の保磁率Hcを調べ、
基盤加熱温度又はAr圧との関係をそれぞれ第3
図、第4図に示す。 第3図及び第4図より、本発明の蒸着用Ni−
Fe基合金によれば、極めて保磁率の低い高透磁
率な磁性材料がバラツキなく安定して得られるこ
とが認められる。また、基盤加熱等の生産上手数
がかかる工程も省略することができ、工業上極め
て有利となる。 実施例 3 実施例2において、No.1及び2の合金材料より
基盤加熱温度200℃、Ar圧4×10-2torrにて得ら
れた高透磁率材料について、その磁気特性を調べ
た結果を第2表に示す。第2表には同時に比較合
金No.5、6の値も示した。
着用材料により形成された薄膜の膜厚を調べた結
果を、それぞれ第1図、第2図に示す。 第1図、第2図より、本発明の蒸着用Ni−Fe
基合金は、バツチごとのバラツキが少なく、均質
な上に膜形成効率が高いことが認められる。 実施例 2 実施例1で用いたスパツタリング装置及び基盤
を用い、第1表のNo.1〜8の蒸着用合金にて、
Ar圧又は基板加熱温度を変えて、それぞれ3μm
厚さの薄膜を3回ずつ形成して高透磁率薄膜を作
成した。なお、スパツタ電圧は500Wで行なつた。 得られた高透磁率材料薄膜の保磁率Hcを調べ、
基盤加熱温度又はAr圧との関係をそれぞれ第3
図、第4図に示す。 第3図及び第4図より、本発明の蒸着用Ni−
Fe基合金によれば、極めて保磁率の低い高透磁
率な磁性材料がバラツキなく安定して得られるこ
とが認められる。また、基盤加熱等の生産上手数
がかかる工程も省略することができ、工業上極め
て有利となる。 実施例 3 実施例2において、No.1及び2の合金材料より
基盤加熱温度200℃、Ar圧4×10-2torrにて得ら
れた高透磁率材料について、その磁気特性を調べ
た結果を第2表に示す。第2表には同時に比較合
金No.5、6の値も示した。
【表】
第2表より、本発明の蒸着用Ni−Fe基合金に
より得られる高透磁率材料はヒステリシス特性に
優れ、透磁率が高く、極めて高特性のものである
ことがが認められる。 [発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の蒸着用Ni−Fe基
合金は、O、N含有量が少ない上に、Al及びTi
とCa及び/又はMgによるゲツタ作用により、蒸
着雰囲気中のガス成分が大幅に低減される。 このため、蒸着による膜形成安定性及び膜形成
速度が向上されるとともに、得られる薄膜は高純
度で極めて磁気特性に優れたものとなる。 従つて、本発明の蒸着用Ni−Fe基合金によれ
ば、高特性薄膜を高効率で得ることができ、本発
明の蒸着用Ni−Fe基合金は、高透磁率材料の薄
膜製造用蒸着材料として極めて有用である。
より得られる高透磁率材料はヒステリシス特性に
優れ、透磁率が高く、極めて高特性のものである
ことがが認められる。 [発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の蒸着用Ni−Fe基
合金は、O、N含有量が少ない上に、Al及びTi
とCa及び/又はMgによるゲツタ作用により、蒸
着雰囲気中のガス成分が大幅に低減される。 このため、蒸着による膜形成安定性及び膜形成
速度が向上されるとともに、得られる薄膜は高純
度で極めて磁気特性に優れたものとなる。 従つて、本発明の蒸着用Ni−Fe基合金によれ
ば、高特性薄膜を高効率で得ることができ、本発
明の蒸着用Ni−Fe基合金は、高透磁率材料の薄
膜製造用蒸着材料として極めて有用である。
第1図、第2図は実施例1で得られた結果を示
すグラフであつて、それぞれ、スパツタ電圧、ア
ルゴン圧、スパツタ時間と得られる膜厚との関係
を示す。第3図及び第4図は実施例2で得られた
結果を示すグラフであつて、それぞれ、基盤加熱
温度、アルゴン圧と磁気記録材料の保磁率との関
係を示す。
すグラフであつて、それぞれ、スパツタ電圧、ア
ルゴン圧、スパツタ時間と得られる膜厚との関係
を示す。第3図及び第4図は実施例2で得られた
結果を示すグラフであつて、それぞれ、基盤加熱
温度、アルゴン圧と磁気記録材料の保磁率との関
係を示す。
Claims (1)
- 1 Ni35〜85重量%、Mo、Cr、Cu及びNbより
なる群から選ばれる1種又は2種以上3〜15重量
%、Al0.005〜1重量%、Ti1重量%以下、Ca及
び/又はMg300ppm以下、並びに不純物として
O30ppm以下及びN30ppm以下を含有し、残部が
実質的にFeであることを特徴とする蒸着用Ni−
Fe基合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24621786A JPS63100148A (ja) | 1986-10-16 | 1986-10-16 | 蒸着用Ni−Fe基合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24621786A JPS63100148A (ja) | 1986-10-16 | 1986-10-16 | 蒸着用Ni−Fe基合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63100148A JPS63100148A (ja) | 1988-05-02 |
| JPH0430450B2 true JPH0430450B2 (ja) | 1992-05-21 |
Family
ID=17145254
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24621786A Granted JPS63100148A (ja) | 1986-10-16 | 1986-10-16 | 蒸着用Ni−Fe基合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63100148A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2777319B2 (ja) * | 1993-07-30 | 1998-07-16 | 財団法人電気磁気材料研究所 | 耐摩耗性高透磁率合金およびその製造法ならびに磁気記録再生ヘッド |
| JP4047114B2 (ja) * | 2002-09-13 | 2008-02-13 | アルプス電気株式会社 | 薄膜磁気ヘッド |
| JP4948122B2 (ja) * | 2006-11-06 | 2012-06-06 | 株式会社ジェイテクト | 傾斜溝入り砥石 |
| JP5532767B2 (ja) * | 2009-09-04 | 2014-06-25 | 大同特殊鋼株式会社 | Cu電極保護膜用NiCu合金ターゲット材 |
| JP6639922B2 (ja) * | 2016-01-20 | 2020-02-05 | 国立大学法人広島大学 | 炭化珪素半導体装置及びその製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH06104895B2 (ja) * | 1986-02-12 | 1994-12-21 | 日立金属株式会社 | タ−ゲツト部材 |
-
1986
- 1986-10-16 JP JP24621786A patent/JPS63100148A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63100148A (ja) | 1988-05-02 |
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