JPH045421B2 - - Google Patents

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JPH045421B2
JPH045421B2 JP58019385A JP1938583A JPH045421B2 JP H045421 B2 JPH045421 B2 JP H045421B2 JP 58019385 A JP58019385 A JP 58019385A JP 1938583 A JP1938583 A JP 1938583A JP H045421 B2 JPH045421 B2 JP H045421B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は豆乳を原料とする乳化組成物の製造方
法、特に豆乳を水相部とする水中油型乳化組成物
の製造方法に関する。
乳化食品は食慾を増進させるため、PH3.5〜6.0
の範囲の弱酸性とするのが好ましいけれども、こ
のPH領域は大豆蛋白が最も乳化し難い領域である
と謂われている。本発明による製品は斯るPH領域
においても良好なる乳化状態を示しかつ食品とし
て好ましい食感と物性上の特徴とを有するもので
ある。
豆乳は脂質、蛋白質、炭水化物を主成分とし而
も微量の栄養素を含む栄養的にもすぐれたもので
あるため、その侭飲用に供されたり、又豆腐、ゆ
ば、その他の各種食品に応用されているものであ
る。この豆乳を用いて弱酸性の乳化組成物を得る
ことができれば豆乳の応用範囲はさらに拡大し、
かつ健康志向の面からも歓迎されるべきことであ
るが、豆乳の乳化安定性は大豆蛋白の等電点付近
において最低となり、その侭では弱酸性乳化食品
に利用できない欠点を有する。従来、これが解決
策としては豆乳の成分である大豆蛋白を分離し、
これを種々加工したものを使用して弱酸性乳化物
とすることが試みられた。
例えば分離大豆蛋白を熱又はアルコール変性さ
せた後酵素により部分分解させたものを乳化剤と
する方法(特開昭55−39725、昭56−158073号参
照)又は分離大豆蛋白を稀酸処理して部分分解し
たものを弱酸性領域で乳化剤として使用する方法
(青木食品工業誌24(1977)p511参照)、分離大
豆蛋白をアシル化などの化学的改質によつて乳化
力を向上させる方法(J.Agric.Food Chemistry
24(1976)p788参照)、或は未変性分離大豆蛋白
を用いてPH4前後で乳化物を得る方法(特公昭38
−2776、特開昭55−96076号参照)などが考えら
れた。
本発明は上記の方法と異なり豆乳より複雑な工
程により大豆蛋白を分離、加工することなく豆乳
を直接利用し得るよう研究を重ねた結果、大豆を
原料として豆乳を生成するに当り、1価又は2価
の塩類水溶液を用いて抽出を行ない、かつ有機酸
にて弱酸性とし、かつ加熱処理された上記塩類を
含有する豆乳を直接乳化するに際し水相部として
使用することにより弱酸性領域においても乳化良
好な乳化物を得ることに成功したものである。
従来、大豆蛋白を抽出するに際し、各種塩類を
添加する方法は公知であるが、これらは何れも純
度、収量の改良、蛋白成分の分別、苦味及び臭い
の除去を目的として添加するものであり、豆乳を
原料とする乳化物を得る際に乳化安定性を向上す
るために使用された例はまだない。
本発明において用いる塩類は1価又は(及び)
2価の水溶性の中性金属塩であればよく、例えば
NaCl、KCl、Na2SO4、CaCl2、MgCl2などが使
用され、1価と2価の塩の乳化安定性に及ぼす効
果は同一イオン強度であるならば2価の金属塩の
方がすぐれており、又同一価数で同一イオン強度
であれば金属塩の種類に関係なく乳化安定性に大
きな差はない。又1価及び2価の金属塩の2種以
上の組合せは乳化安定性に対し有効なものであ
り、それらのイオン強度の合計が0.2以上であれ
ば如何なる組合せでも使用できることを知見し
た。但し食品としては1価の塩を主体とした方が
風味上好ましい。
第1図に塩含有豆乳のイオン強度と乳化安定性
との関係を示す。
ここにおける乳化安定性とは下記の試験法によ
り測定したものである。即ち、丸大豆を塩類水溶
液を用いて抽出して生成した豆乳20gに4%酢酸
水溶液5gを添加してPH4.5に調整後、大豆油25
gを加えてユニバーサルホモジナイザー(日本精
機製作所)で5分間、1500RPMにて撹拌後20℃
にて一昼夜放置し、3000RPMで5分間遠心分離
して得られた乳化部分の全体に対する体積比率を
乳化安定性とした。この乳化安定性の値が70%以
下のものは40℃の保存において1週間以内に水及
び油の分離が認められた。この値は第1図におい
て豆乳中に含有する塩類例えばNaCl、CaCl2
イオン強度の0.2に対応する。又イオン強度が4.0
以上ではほとんど乳化安定性は向上せず、食味の
点で不適当である。
従つて本発明においては豆乳中の塩濃度を0.2
〜4.0のイオン強度となるように抽出時の塩濃度
を調整するが、抽出溶液の塩類はその侭豆乳中に
含有されるので抽出溶液の塩濃度を0.2〜4.0のイ
オン強度とするのが好ましいが、抽出後さらに塩
類を適宜添加して調節することもある。
大豆より豆乳を抽出するときの温度は特に限定
されるものではないが、風味の面から80℃以上の
熱水処理が好ましい。大豆に5〜15倍量の前記塩
類含有水溶液又は熱水溶液を加えた後微粉砕し、
オカラ分を除去して塩類含有豆乳を抽出する。
本発明においては上記塩含有豆乳に有機酸を添
加してPH3.5〜6.0の酸性領域までPHを低下させ
る。有機酸としては食品添加物として認められる
ものならば使用可能であり、例えば酢酸、クエン
酸、乳酸などが使用され、第2図に示すように塩
類を含有しない豆乳はこの酸性領域において乳化
安定性が著しく低下するのに対しNaCl、CaCl2
を含有する豆乳は殆んど低下することがない。本
発明は斯る知見に基いてPHを3.5〜6.0に調整して
乳化剤とするものである。
上記の弱酸性の塩含有豆乳を水相部として油を
乳化する前に加熱処理することが好ましく、第3
図に示すように70℃以上に加熱すると乳化安定性
が向上する。然しあまり高温で長時間加熱する
と、その効果は飽和し寧ろ変色するなど好ましく
ない結果となるので、この処理としては70〜157
℃で60分〜3秒間加熱するのが好適である。
乳化物中の大豆固形分は乳化物の乳化安定性及
び物性に影響を与えるので固形分は乳化物中1.5
〜12%、好ましくは2.5〜8%とする。この濃度
以下では乳化状態が不安定となり、又12%は豆乳
抽出の工業的限界である。こゝでいう大豆固形分
とは大豆より抽出された豆乳の脂質、蛋白質、炭
水化物などから成る大豆成分である。
本発明における乳化物の油相原料は特に制限さ
れるものではなく通常の動植物性油脂及び加工油
脂並びにそれらの混合物が使用される。これに必
要に応じ乳化助剤、香料、香辛料などを添加使用
しても差支えない。又油相と水相との比は30〜70
%:70〜30%が適当である。
上記水相部と油相部とを乳化する方法としては
通常の乳化方法でよく、ミキサー、コロイドル、
パドルミキサー、アジテーター、ホモジナイザー
などの混合機或は乳化機を用いて水中油型乳化物
を製造する。
本発明による製品は弱酸性塩含有乳化物である
ので、応用範囲は多岐にわたるが、下記にその実
例としてマヨネーズ様調味料、クリームチーズ様
食品について示す。
実施例 1 マヨネーズ様調味料の製造 脱皮大豆200gに1.5のイオン強度の食塩熱水溶
液(80〜100℃)1200c.c.を加え、ミキサーにて10
分間破砕する。生成する呉を遠心分離にかけ不溶
性成分(オカラ)を除去し塩含有豆乳1200c.c.を得
る。この豆乳は大豆固形分14%、PH6.2であつた。
この豆乳300部に4%酢酸194部、耐酸耐塩性安定
剤キサンタンガム3部を加え80℃に30分間加熱
し、これに調味剤、香辛料を3部を加え、冷却し
て水相部とする。この水相部のPHは4.1であつた。
これをミキサーに入れ、レシチン1部を添加した
大豆サラダ油500部を加えて予備乳化し、脱気後
ホモジナイザーにて均質化しマヨネーズ様調味料
を得る。
この製品は乳化物として大豆固形分4.2%;PH
4.15;油分51%より成る組成を示し、レオメータ
ーによる物性試験及び40℃保存安定性試験におい
て下記の実積を収め、従来のものに比し遜色がな
かつた。
咀しやく、弾性、粘性試験法(フドーのレオメ
ーター使用例参照) 試料を一定容器に入れ、20℃、2日間放置後、
1.5cm球型アダプターを試料中に上下させてでき
たチヤートの高さを硬度とし(g)、その緩和率
を弾性とし、試料より引きはなす力とその時間と
の比を粘性とした。
実施例(1)製品 市販マヨネーズ 硬 度 18.8g 18.3g 弾 性 67.0% 62.2% 粘 性 198 % 195 % 40℃保存安定剤 1 週 良好 良好 2 〃 〃 〃 3 〃 〃 〃 4 〃 〃 〃 (注) 水又は油の分離の有無及び硬度変化を観察
し、変化がなければ“良好”とした。
実施例 2 クリームチーズ様食品の製造 0.3のイオン強度を有する食塩熱水溶液にて実
施例1と同様にして食塩含有豆乳を得る。この豆
乳は固形分9.2%、PH6.4であつた。この豆乳620
部にゲル化剤としてゼラチン10部、増粘剤として
グアーガム3部を加え、さらにクエン酸3部を加
えて80℃で30分間加熱(PH5.0)後香料、呈味料
25部を添加して50℃まで冷却し、これに精製ヤシ
硬化油(融点32℃)339部を加え撹拌乳化後ホモ
ジナイザーを通じ均質な乳化物を得る。この乳化
物は大豆固形分5.8%;PH5.1;油分35%であつ
た。これをさらに真空ニーダーに入れ、20℃まで
急速に冷却した後型に入れ5℃で固化させる。こ
の製品は食感及び風味において満足すべきもので
あり、下記の如き市販のクリームチーズと同様な
物性を示した。物性の測定はフドーのレオメータ
ーを使用し咀しやく試験を行なつた(食品工業
Vol22No.24、1979参照)。即ち、アダプター8mm
円柱を試料中に2度上下させそのチヤートから最
大押えこみに要する力を硬さとし、1回目の咀し
やくの押えこみに要した仕事量に対する2回の咀
しやく時のそれの比を凝集性とした。弾力性は1
回目の押え込み量に対する2回目の押えこみ量の
比として表わした。付着性は試料を引張つている
間の仕事量で表わしている。
実施例(2)製品 市販クリームチーズ 硬 さ 945 g 908 g 凝集性 0.27 0.23 付着性 0.22 0.20 弾力性 35.6 37.1 咀しやく性 250 g 190 g
【図面の簡単な説明】
第1図は塩含有豆乳のイオン強度と乳化安定性
との関係を示す図表、第2図は豆乳のPHと乳化安
定性との関係を示す図表、第3図は豆乳の加熱処
理温度と乳化安定性との関係を示す図表である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 大豆を1価又は(及び)2価の塩類を含有す
    る水溶液又は熱水溶液を用いて抽出しかつ有機酸
    を添加してPHを3.5〜6.0、塩濃度をイオン強度0.2
    〜4.0に調整し加熱処理された豆乳を水相部とし
    て油を乳化して弱酸性乳化物を得ることを特徴と
    する豆乳を原料とする乳化組成物の製造方法。 2 1価又は(及び)2価の塩類を含有する水溶
    液としてNaCl、KCl、Na2SO4、CaCl2、MgCl2
    より成る群より選ばれる中性塩水溶液を使用する
    特許請求の範囲第1項記載の豆乳を原料とする乳
    化組成物の製造方法。 3 乳化物中の大豆固形分として1.5〜12%含有
    するような豆乳を使用する特許請求の範囲第1項
    記載の豆乳を原料とする乳化組成物の製造方法。 4 豆乳の加熱処理はPH調整の前か又は後で行な
    い、かつ70〜150℃に60分〜3秒間加熱する特許
    請求の範囲第1項記載の豆乳を原料とする乳化組
    成物の製造方法。 5 乳化する油として動植物油脂又は(及び)そ
    の加工油脂を乳化物中30〜70%含有せしめる特許
    請求の範囲第1項記載の豆乳を原料とする乳化組
    成物の製造方法。
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