JPH0460823B2 - - Google Patents
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- JPH0460823B2 JPH0460823B2 JP63262076A JP26207688A JPH0460823B2 JP H0460823 B2 JPH0460823 B2 JP H0460823B2 JP 63262076 A JP63262076 A JP 63262076A JP 26207688 A JP26207688 A JP 26207688A JP H0460823 B2 JPH0460823 B2 JP H0460823B2
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Description
「産業上の利用分野」
本発明は、農業用塩化ビニル系樹脂フイルムに
関する。更に詳しくは、屋外での展張時にひき起
こされる変色、脆化、防塵性の低下などの好まし
くない劣化現象を防止し、耐久性を改良した農業
用塩化ビニル系樹脂フイルムに関する。 「従来技術」 従来、農業用ハウス又はトンネルの被覆資材と
して使用される塩化ビニル系樹脂フイルムの、太
陽光線などによる光劣化現象を防止する目的で、
基体の塩化ビニル系樹脂に紫外線吸収剤又は酸化
防止剤を添加配合し、フイルム化する技術が広く
採用されている(例えば、特公昭48−37459号公
報、特公昭53−47383号公報等を参照)。この方法
によれば、フイルムの劣化を促進する有害な光線
が、フイルムを透過する際に、入射側から反対側
に進むに従つて、徐々に吸収され、弱められる。
この際、フイルムの光線が入射する側は有害光線
により害を受けることになり、フイルムの耐候性
を充分に改良することができないという欠点があ
つた。 一方、従来の経験からすると、農業用に使用さ
れる軟質塩化ビニル系樹脂フイルムは、展張使用
される地域、場所等によつて程度の差はあるが、
使用を開始してから2年も経過すると、ハウスま
たはトンネルの外側に位置している面の防塵性が
著しく低下し、使用に耐えられなくなる。 上記欠点を排除する方法として、特公昭47−
28740号公報、特公昭50−31195号公報、特開昭56
−99237号公報、特公昭56−99665号公報等に記載
されているように、特定のアクリル系樹脂の比較
を、基体に塩化ビニル系樹脂フイルムの片面又は
両面に形成する方法がある。さらに、特開昭51−
70282号公報には、紫外線吸収剤を配合椎た特定
組成のアクリル系樹脂の被膜を、基体のフイルム
表面に形成する手法が記載されている。しかし、
これら手法において基体フイルムに形成される被
膜は、いずれも熱可塑性樹脂を主体としたもので
あるため、特に夏季の外気温が高い時期に、基体
フイルムに配合されている添加剤が被膜を通して
表面に移行し、流し去られ消失してしまうのを、
完全に抑制することは困難であり、フイルムを長
期間屋外で展張して使用するには、未だ問題があ
つた。 そこで、さらに上記欠点を改良するために、特
開昭56−53070号公報、特開昭57−70031号公報、
特開昭57−163568号公報等に記載されているよう
に、塩化ビニル系樹脂フイルムの少なくとも一方
の表面を、カチオン重合系のエネルギー線硬化性
樹脂組成物で被覆する方法が提案されている。し
かし、この方法に従つてカチオン重合系のエネル
ギー線硬化性樹脂組成物として好ましく使用され
るエポキシ系樹脂組成物、これから形成される被
膜が耐候劣化をうけやすく、充分に所期の目的を
達し得ないという欠点があつた。 「発明が解決しうようとする問題点」 本発明者らは、かかる状況にあつて、屋外での
展張によつて引きおこされる変色、脆化、防塵性
の低下などの好ましくない劣化現象が大幅に改善
され、耐久性を向上させた農業用塩化ビニル系樹
脂フイルムを提供することを目的として、鋭意検
討した結果、本発明を完成するに至つたものであ
る。 「問題点を解決するための手段」 しかして、本発明の要旨とするところは、有機
リン酸エステル又は有機リン酸金属塩を含有する
軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの片面又は両面
に、[A]珪素原子に直結する加水分解性基を有
するシラン化合物、[B]特定アクリル系樹脂及
び[C]架橋性化合物の3成分を主成分とする組
成物の被膜が加熱処理のもとで形成されてなる農
業用塩化ビニル系樹脂フイルムに存する。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明において塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩
化ビニルのほか、塩化ビニルが主成分を占める共
重合体を含む、塩化ビニルと共重合しうる単量体
化合物としては、塩化ビニリデン、エチレン、プ
ロピレン、アクリロニトリル、マレイン酸、イタ
コン酸、アクル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等
があげれらる。これら塩化ビニル系樹脂は、乳化
重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等
の従来公知の製造法のうち、いずれの方法によつ
て製造されたものであつてもよい。 上記基体となる塩化ビニル系樹脂には、柔軟性
を付与するために、この樹脂100重量部に対して、
20〜60重量部の可塑剤が配合される。可塑剤の配
合量を上記範囲とするとにより、目的の塩化ビニ
ル系樹脂フイルムに、すぐれた柔軟性と機械的性
質を付与させることができる。 可塑剤としては、例えば、ジ−n−オクチルフ
タレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、
ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ジドデシルフタレート、ジウンデシルフタレ
ート等のフタル酸誘導体;ジオクチルフタレート
等のイソフタ酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペー
ト、ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導
体;ジ−n−ブチルマレート等のマレイン酸誘導
体;トリ−n−ブチルシトレート等のクエン酸誘
導体;モノブチルイタコネート等のイタコン酸誘
導体;ブチルオレエート等のオレイン酸誘導体;
グリセリンモノリシノレート等のリシノール酸誘
導体;その他、エポキシ化大豆油、エポキシ樹脂
系可塑剤等があげられる。 本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フイルムは、
上記塩化ビニル系樹脂に、有機リン酸エステル又
は有機リン酸金属塩が配合されている。 有機リン酸エステルとしてはトリイソプロピル
フエニルホスフエート、イソデシルジフエニルホ
スフエート、トリクレジルホスフエート、トリス
(イソプロピルフエニル)ホスフエート、トリブ
チルホスフエート、トリエチルホスフエート、ト
リオクチルホスフエート、トリブトキシエチルホ
スフエート、トリフエニルホスフエート、オクチ
ルジフエニルホスフエート、トリキシレニルホス
フエート等があるが中でもトリクレジルホスフエ
ート、及びトリキシレニルホスフエートが特に好
ましい。 本発明の農業用フイルムはさらに有機リン酸エ
ステルを主成分とする複合物も使用できる。例え
ば有機リン酸エステルと有機亜リン酸エステルの
複合物が挙げられる。又、例えばジフエニルホス
ホネートのようなホスホネート系化合物も含まれ
る。これらは、一般に塩化ビニル系樹脂の可塑剤
であり、フイルムの耐候性を改良するとともに、
形成被膜と相まつて防塵性を向上させる。これら
有機リン酸エステルは、1種又は2種以上併用し
て用いることができる。 有機リン酸金属塩としては、一般式[]又は
[] (式中、Mは、亜鉛、カルシウム、バリウム、マ
グネシウム、コバルト又はストロンチユウムを意
味する。また、R1、R2およびR3は各々、アルキ
ル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリ
ール又はエーテル結合を有するアルキル基を意味
する。)で示されるものがあげられる。 R1、R2及びR3で表わされるアルキル基の例と
しては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、第2ブチル、第3ブチ
ル、アミル、ネオペンチル、イソアミル、ヘキス
ル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオ
クチル、2−エチルヘキシル、デシル、イソデシ
ル、ラウリル、トリデシル、C12〜C13混合アルキ
ル、ステアリル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロオクチル、シクロドデシル、4−メチ
ルシクロヘキシル基等を挙げるとができる。 アリール基の例としては、フエニル、ナフチル
基等を挙げることができる。 アリールアルキル基の例としては、ベンジル、
β−フエニルエチル、α−フエニルプロピル、β
−フエニルプロピル基等をあげることができる。 アルキルアリール基の例としては、トリル、キ
シリル、エチルフエニル、ブチルフエニル、第3
ブチルフエニル、オクチルフエニル、イソオクチ
ルフエニル、第3オクチルフエニル、ノニルフエ
ニル、2,4−ジ−第3ブチルフエニル基等が挙
げられる。 エーテル結合を有するアルキル基としては、フ
ルフリル、テトラヒドロフルフリル、5−メチル
フルフリル及びα−メチルフルフリル基、又は、
メチル−、エチル−、イソプロピル−、ブチル
−、イソブチル−、ヘキシル−、シクロヘキシル
−、フエニルセロソルブ残基;メチル−、エチル
−、イソプロピル−、ブチル−、イソブチルカル
ビトトール残基;トリエチレングリコールモノメ
チルエーテル、−モノエチルエーテル、−モノブチ
ルエーテル残基;グリセリン1,2−ジメチルエ
ーテル、−1,3−ジエルエーテル、−1−エチル
−2−プロピルエーテル残基;ノニルフエノキシ
ポリエトキシエチル、ラウロキシポリエトキシエ
チル残基等が挙げられる。又、金属の種類では亜
鉛、カルシウム及びバリウムが特に好ましい。以
上のような各種置換基を有する有機リン酸金属塩
は、1種又は2種以上組み合わせて配合すること
ができる。 本発明の農業用フイルムは、有機リン酸エステ
ル及び有機リン酸金属塩を併用するのが被膜の形
成性、屋外展張性の点から最も好ましい。 有機リン酸エステル又は有機リン酸金属塩の配
合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.1
〜15重量部の範囲内、好ましくは、0.2〜10重量
部の範囲内で選ばれる。配合量が0.1重量部未満
では軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの耐候性及び
防塵性は向上しない。配合量が15重量部より多い
とフイルムの透明性が極度に劣つてしまうので好
ましくない。前記範囲内では0.2〜8重量部の範
囲であるのが特に好ましい。 また、前記塩化ビニル系樹脂には、上記可塑
剤、有機リン酸エステル又は有機リン酸金属塩の
ほかに、必要に応じて、成形用の合成樹脂に通常
配合される公知の樹脂添加物、例えば、滑剤、熱
安定性、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、
安定化助剤、帯電防止剤、防曇剤、防カビ剤、防
藻剤、無機フイラー、着色剤等を配合することが
でができる。 本発明に係るフイルムに配合しうる滑剤、熱安
定剤、ないし酸化防止剤としては、例えばポリエ
チレンワツクス、ビスアマイド系化合物、流動パ
ラフイン、有機フオスフアイト化合物、β−ジケ
トン化合物、等があげられる。 以上の各種樹脂添加物は、それぞれ1種又は数
種を組み合わせて使用することができる。 上記各種樹脂添加物の添加量は、フイルムの性
質を悪化させない範囲、通常は基体の塩化ビニル
系樹脂100重量部に対して、10重量部以下の範囲
で選ぶことができる。 フイルムの基体となる塩化ビニル系樹脂に、前
記可塑剤、有機リン酸エステル又は有機リン酸金
属塩、更に他の樹脂添加物を配合するには、各々
必要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミ
キサー、スパーミキサーその他従来から知られて
いる配合機、混合機を使用すればよい。 このようにして得られた樹脂組成物をフイルム
化するには、それ自体公知の方法、例えば溶融押
出成形法(T−ダイ法、インフレーシヨン法を含
む)、カレンダー成形法、溶液流延法等によれば
よい。 本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フイルムは、
その片面または両面に、シラン化合物、特定のア
クリル系樹脂及び両者を架橋させる架橋性化合物
を主成分とする組成物の被膜が、加熱処理のもと
で形成されている。 本発明で使用するシラン化合物[A]とは、珪
素原子に直結する加水分解性基を有するものであ
る。 具体的には、アミノメチルトリエトキシシラ
ン、N−β−アミノエチルアミノメチルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)−エチ
レジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルプロ
ピル)−エチレンジアミン等のアミノアルキルア
ルコキシシラン;γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシクロヘキシル)エチルメチル
ジメトキシシラン等のエポキシアルキルアルコキ
シシラン;γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン等のメルカプトアルキルアルコキシシラ
ン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラブトキシシラン、トリメトキシネオペ
ントキシシラン、ジメトキシジネオペントキシシ
ラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチ
ルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン等のアルキルトリアルコキシシラン;ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等
のジアルキルジアルコキシシラン;γ−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリク
ロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン化
アルキルアルコキシシラン;メチルトリアセトキ
シシラン、ジメチルジアセトキシシラン等のアル
キルアシロキシシラン;トリメトキシシラン、ト
リエトキシシラン等のヒドロシラン化合物;ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、
ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、
アリルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシ
シラン等の不飽和基含有シラン化合物の単量体も
しくは重合体、さらにはその加水分解物を挙げる
ことができる。 加水分解物は、例えば、酸ないしアルカリ触媒
存在下、加水分解性基を有するシラン化合物にア
ルコール併用系にて水を添加することによつて得
られるものであつて、加水分解基を有するシラン
化合物に対して当量以上の水を添加すると完全に
加水分解したアルコール性のシリカゲルないしシ
リカゾル、シロキサン系複合物が得られ、当量に
満たない水を添加した場合には、その比率に応じ
た部分加水分解物が調製される。 これらシラン化合物の中で、特に一般式 (R4O)3Si[OSi(OR5)2]o(OR6) (式中、R4〜R6は、各々、同一又は異なるアル
キル基、アリール基アルキルアリール基、アリー
ルアルキル基、アリーロキシアルキル基、又はア
ルキロキシアルキル基を表わし、nは0又は正の
整数を表わす。)で示されるテトラアルコキシシ
ランの単量体もしくは重合体、さらには加水分解
性基を加水分解して得た化合物が好ましい。その
中で特にR4〜R6が化々、同一又は異なる炭素原
子数4以下のアルキル基で示される化合物が好適
である。 これらシラン化合物は、単独で用いても、又は
2種以上の併用でも差支えない。 本発明におけるアクリル系樹脂[B]とは、ア
クリル酸或いはメタクリル酸のアルキルエステル
類(以下これを(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル類を記す。)の単量体単独又はこれとアルケ
ニルベンゼン類単量体との混合物、及び共重合し
うるα,β−エチレン性不飽和単量体とを通常の
重合条件に従つて重合させて得られるものであ
る。 本発明で用いられる(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル類としては、例えばアクリル酸メチル
エステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル
酸−n−プロピルエステル、アクリル酸イソプロ
ピルエステル、アクリル酸−n−ブチルエステ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、
アクリル酸デシル、メタクリル酸メチルエステ
ル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸
−n−プロピルエステル、メタクリル酸イソプロ
ピルエステル、メタクリル酸−n−ブチルエステ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルエステ
ル、メタクリル酸デシルなどが挙げられ、一般に
は、アルキル基の炭素数が1〜20個のアクリル酸
アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエス
テルが使用される。 (メタ)アクリル酸アルキルエステル類と混合
されるアルケニルベンゼン類としては、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンな
どが挙げられる。このようなアルケニルベンゼン
類と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類と
の単量体混合物を用いる場合その使用割合は、
α,β−エチレン性不飽和単量体の使用量によつ
ても異なるが、通常(メタ)アクリル酸アルキル
エステル類の使用割合を10重量%以上とするのが
よい。 アクリル系樹脂[B]を得るために用いる共重
合しうるその他のα,β−エチレン性不飽和単量
体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロト
ン酸、イタコン酸等のα,β−エチレン性不飽和
カルボン酸類;エチレンスルホン酸のようなα,
β−エチレン性不飽和スルホン酸類;2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパン酸;α,β−エチ
レン性不飽和ホスホン酸類;アクリロニトリル
類;アクリルアマイド類;アクリル酸又はメタク
リル酸のヒドロキシアルキルエステル等の水酸基
含有ビニル単量体;アクリル酸又はメタクリル酸
のアミノエステル類;アクリル酸又はメタクリル
酸のグリシジルエステル類;アクリル酸又はメタ
クリル酸塩類などがある。これら単量体は、単独
で用いても、又は2種以上併用でもよい。 アクリル系樹脂[B]の製造に当つて用いられ
る重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;アセチルパ
ーオキサイド、過酸化ベンゾイルなどの有機過酸
化分などが挙げられる。これらは、単量体の仕込
み合計量に対して0.1〜10重量%の範囲で使用さ
れる。 アクリル系樹脂は、塊状重合法、溶液重合法、
懸濁重合法、乳化重合法等、いずれの重合法によ
つても製造することができる。 得られたアクリル系樹脂には、さらに例えば塩
化ビニル/酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、セルロースエーテル等の化合物を添加して用
いることができる。 本発明で使用する架橋性化合物[C]とは、シ
ラン化合物[A]中シラノール基、アルコキシ基
等の加水分解性基またはアクリル系樹脂を架橋反
応させうるものであつて、例えばイソシアネート
系、カルボキシル系、エポキシ系、アルキルエー
テル系、アミン系、アジリジン系、フエノール樹
脂、アミノ樹脂等の化合物を挙げることができ
る。その中でも特にイソシアネート系化合物を使
用するのが好適である。 シラン化合物[A]とアクリル系樹脂[B]と
の配合割合は、[A]対[B]が重量比で20対1
ないし1対15の割合であるのが好ましい。シラン
化合物[A]の割合が上記の範囲以上であると、
架橋性化合物[C]を添加してもフイルムに形成
された被膜が脆いものとなり、基材との密着性に
乏しく、剥離しやすくなり、又アクリル系樹脂
[B]の割合が上記の範囲以上であると耐汚染性
の効果がきわだつて発現しにくくなる。特に、
[A]対[B]が重量比で15対1ないし1対10の
範囲であるのが好ましい。 架橋性化合物[C]の配合量は、シラン化合物
[A]に対して有形成分あたり重量比で[A]対
[C]が100対0.1ないし100対50の範囲であるのが
望ましい。 架橋性化合物[C]の割合が上記の範囲以上で
あると、塗布液のポツトライフが低下する一方、
フイルムに形成された被膜が脆いものとなり、剥
離しやすくなる。又、架橋性化合物[C]の割合
が上記の範囲以下であると充分な防塵性効果が発
揮し難くくなる。中でも特に、[A]対[C]が
100対1ないし100対30の範囲であるのが好まし
い。 被膜用の組成物には必要に応じて液状分散媒が
配合される。かゝる液状分散媒としては、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール等の一価アルコール類;エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、グリセリンなどの
多価アルコール類;ジベンジルアルコールなどの
環式アルコール類;セロソルブアセテート類;ケ
トン類などが挙げあれる。これら液状分散媒は、
単独で用いても併用してもよいが、被膜組成物の
分散安定性、フイルム表面に塗布した後の濡れ
性、液状分散媒除去の難易、経済性を勘案して決
めるのが好ましい。 また、上記組成物には更に少量の酸ないしアル
カリ消泡剤、界面活性剤、滑剤、帯電防止剤、可
塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、造
膜助剤、増粘剤、防カビ剤、防藻剤、顔料、顔料
分散剤、無機フイラーなどの慣用の添加剤を混合
してもよい。。 被膜組成物を塗布して軟質塩化ビニル系樹脂フ
イルム表面に被膜を形成するには、公知の各種方
法が適用される。例えば、液状状態で被膜を形成
する場合は、ドクターブレードコート法、グラビ
アロールコート法、エヤナイフコート法、リバー
スロールコート法、デイツプコート法、ハケ塗り
法、スプレイコート法、バーコート法、ナイフコ
ート法などそれ自体公知の如何なる方法によつて
もよい。又、溶液状態とせず上記被膜組成物の共
押出し法、押出しコーテイング法、押出しラミネ
ート法、ラミネート法を採用してもよい。 被膜組成物に由来する被膜は、軟質塩化ビニル
系樹脂フイルム表面に、加熱処理のもとで形成さ
れる。加熱処理によりシラン化合物、アクリル系
樹脂及び架橋性化合物は化学的に結合し、被膜は
強固でかつ耐候劣化因子物質、汚染物質に対して
バリアー性に優れたものとなり、耐候性及び防塵
性が向上する。被膜形成法として、塗布方式を用
いた場合の加熱処理方法としては、例えば、熱風
加熱法、赤外線加熱法、遠赤外線加熱法等がある
が、加熱処理効率、安全性を勘案すれば熱風加熱
法が有利である。この場合の温度条件は50〜200
℃の範囲とし、時間は10秒〜60分の間で選ぶのが
よい。 軟質塩化ビニル系樹脂フイルム表面に加熱処理
のもとで形成された被膜の付着量は、0.1〜10
g/m2の範囲とすることが好ましい。0.1g/m2
より少ないと、軟質塩化ビニル系樹脂フイルム中
の可塑剤の表面移行を防止する効果が不充分であ
る。また、10g/m2以上であると、被膜量が多過
ぎて、経済的に不利となり、フイルム自体の機械
的強度が低下することにある。したがつて、通常
は、0.5g/m2〜7g/m2の範囲が最も好ましい。 なお、被膜組成物を被覆する前に、軟質塩化ビ
ニル系樹脂フイルムの表面を予め、アルコールま
たは水で洗浄したり、プラズマ放電処理、あるい
はコロナ放電処理したり、他の塗料あるいはプラ
ズマーを下塗りする等の前処理を施しておいても
よい。 本発明に農業用塩化ビニル系樹脂フイルムを実
際に農業用被覆材として使用するにあたつては、
被膜が片面のみに形成されているときは、この被
膜の設けられた側を、ハウスまたはトンネルの外
側となるようにして使用する。 「作用」 本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フイルム
は、その表面に形成された被膜がフイルムに配合
された各種樹脂添加物の滲み出しを防止するので
フイルムは長期間屋外に展張していても、表面の
汚染が少なく光線透過率の低下が少ない。又、こ
の被膜は可撓性及び密着性にも優れている。 また、基体フイルムに有機リン酸エステル又は
有機リン酸金属塩が配合されていることもあつて
伸度保持率が高く耐久性にも優れている。 「実施例」 次に、本発明を実施例にもとづいて詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の例に限定されるものではない。 実施例1〜6、比較例1〜6 基体フイルムの調製 ポリ塩化ビニル(=1400) 100重量部 ジオクチルフタレート 50 〃 エピコート828(エポキシ化合物、米国シエル社
製商品名) 1 〃 Ba/Zn系複合安定剤 1.5 〃 ステアリン酸バリウム(安定剤) 0.2 〃 ステアリン酸亜鉛 0.4 〃 ソルビタンモノラウレート 1.5 〃 よりなる樹脂組成物を準備し、第1表に示した種
類及び量の有機リン酸エステル又は有機リン酸金
属塩を配合した。ただし、比較例1、2、3にあ
つては、配合しなかつた。 各配合物を、スーパーミキサーで10分間撹拌混
合したのち、180℃に加温したミルロール上で混
練し、厚さ0.15mmの基体フイルムを調製した。 アクリル系樹脂の調製 製造例 1〜4 温度計、撹拌機、還流冷却器および原材料添加
用ノズルを備えた反応器に、イソプロピルアルコ
ール100重量部、過酸化ベンゾイル1.0重量部及び
第2表に示した各単量体の混合物100重量部を仕
込み、窒素ガス気流中で撹拌しつつ、80℃で3時
間更に過酸化ベンゾイルを0.5重量部添加して反
応を約3時間、同温度で継続してアクリル系樹脂
イ〜ニの四種を得た。 被膜の形成 第1表に示した種類及び量のシラン化合物、ア
クリル系樹脂及び架橋性化合物を配合し、これに
固形分が20重量%となるようにイソプロピルアル
コールを加えて被膜組成物を得た。ただし、比較
例1にあつてはシラン化合物を、比較例2にあつ
てはアクリル系樹脂を、比較例3にあつては架橋
性化合物をそれぞれ配合しなかつた。 これら組成物それぞれを基体フイルムの片面
に、#5バーコーターを用いて塗布した。塗布し
たフイルムを130℃のオーブン中に3分間保持し
て、用材を揮散させると同時に、熱処理を行つ
た。ただし、比較例6にあつては、被膜成形物を
塗布後、加熱処理せず、自然乾燥にて溶媒を揮散
させた。得られた各フイルムの被膜の付着量は約
2g/m2であつた。 フイルムの評価 以下の方法においてフイルムの性能を評価し、
その結果を第1表に示す。 被膜の架橋性 被膜組成物を、離型紙上に乾燥後、約2g/
m2となるように塗布し、130℃の雰囲気で3分
間加熱して溶剤を揮散させた。 被膜を剥離かき集め、イソプロピルアルコー
ル(IPA)溶剤中に浸漬し35℃に保持した恒温
水槽内に1時間放置した。ついでIPA溶剤を分
離した後24時間真空乾燥し、その重量を測定し
た。この重量比(浸漬乾燥後重量/初期重量×
100)の数値の大きいほど、被膜が架橋してい
ることを示す。 被膜の柔軟性 各フイルムを、幅5cm、長さ15cmに切断し、
長さ方向に対して直角の方向に、2cmの間隔で
交互に折り返した。この状態で、上から2Kgの
荷重をかけ、15℃に保持した恒温槽内に24時間
放置した。ついで、荷重をとり、フイルムの折
り目をのばして、被膜の外観を肉眼で観察し
た。結果を、第1表に示す。この試験での評価
基準は、次のとおりである。 ◎…折り目部分の被膜に変化が全く認められな
いもの。 △…折り目部分の被膜に、クラツクが認められ
るもの。 ×…折り目部分の被膜に、クラツクが著しく認
められるもの。 屋外展張試験 12種類のフイルムを、三重県一志郡の試験圃
場に設置した屋根型ハウス(間口3m、奥行き
5m、棟高1.5m、屋根勾配30度)に、被膜を
設けた面をハウスの外側にして被覆し、昭和61
年8月から昭和63年7月までの2年間展張試験
を行つた。 展張したフイルムについて、以下の方法によ
り、フイルムの外観試験、フイルムの伸度保持
率を測定し、展張試験中のフイルムについて、
防塵性を評価した。 () フイルムの外観……外観を肉眼で観察し
たもの。 評価基準は、次のとおりである。 ◎…変色等の外観変化が認められないもの。 ○…わずかな変色等の外観変化が一部認めら
れるもの。 △…変色等の外観変化がかなり認められるも
の。 ×…全面に変色が認められるもの。 () フイルムの伸度保持率……次式により算
出した値を意味する。 屋外展張後のフイルムの伸度/屋外展張前のフイル
ムの伸度×100(%) () 防塵性……次式により算出した値を意味
する。 屋外展張後、経時的に回収したフイル
ムの光線透過率/屋外展張前のフイルムの光線透過率*
×100(%) *波長555mμにおける直光線透過(日立製
作所製、EPS−2U型使用) 測定結果の表示は、次のとおりとした。 ◎…展張後の光線透過率が展張前の90%以上
のもの。 ○…展張後の光線透過率が展張前の70〜89%
の範囲のもの。 △…展張後の光線透過率が展張前の50〜69%
の範囲のもの。 ×…展張後の光線透過率が展張前の50%未満
の範囲のもの。
関する。更に詳しくは、屋外での展張時にひき起
こされる変色、脆化、防塵性の低下などの好まし
くない劣化現象を防止し、耐久性を改良した農業
用塩化ビニル系樹脂フイルムに関する。 「従来技術」 従来、農業用ハウス又はトンネルの被覆資材と
して使用される塩化ビニル系樹脂フイルムの、太
陽光線などによる光劣化現象を防止する目的で、
基体の塩化ビニル系樹脂に紫外線吸収剤又は酸化
防止剤を添加配合し、フイルム化する技術が広く
採用されている(例えば、特公昭48−37459号公
報、特公昭53−47383号公報等を参照)。この方法
によれば、フイルムの劣化を促進する有害な光線
が、フイルムを透過する際に、入射側から反対側
に進むに従つて、徐々に吸収され、弱められる。
この際、フイルムの光線が入射する側は有害光線
により害を受けることになり、フイルムの耐候性
を充分に改良することができないという欠点があ
つた。 一方、従来の経験からすると、農業用に使用さ
れる軟質塩化ビニル系樹脂フイルムは、展張使用
される地域、場所等によつて程度の差はあるが、
使用を開始してから2年も経過すると、ハウスま
たはトンネルの外側に位置している面の防塵性が
著しく低下し、使用に耐えられなくなる。 上記欠点を排除する方法として、特公昭47−
28740号公報、特公昭50−31195号公報、特開昭56
−99237号公報、特公昭56−99665号公報等に記載
されているように、特定のアクリル系樹脂の比較
を、基体に塩化ビニル系樹脂フイルムの片面又は
両面に形成する方法がある。さらに、特開昭51−
70282号公報には、紫外線吸収剤を配合椎た特定
組成のアクリル系樹脂の被膜を、基体のフイルム
表面に形成する手法が記載されている。しかし、
これら手法において基体フイルムに形成される被
膜は、いずれも熱可塑性樹脂を主体としたもので
あるため、特に夏季の外気温が高い時期に、基体
フイルムに配合されている添加剤が被膜を通して
表面に移行し、流し去られ消失してしまうのを、
完全に抑制することは困難であり、フイルムを長
期間屋外で展張して使用するには、未だ問題があ
つた。 そこで、さらに上記欠点を改良するために、特
開昭56−53070号公報、特開昭57−70031号公報、
特開昭57−163568号公報等に記載されているよう
に、塩化ビニル系樹脂フイルムの少なくとも一方
の表面を、カチオン重合系のエネルギー線硬化性
樹脂組成物で被覆する方法が提案されている。し
かし、この方法に従つてカチオン重合系のエネル
ギー線硬化性樹脂組成物として好ましく使用され
るエポキシ系樹脂組成物、これから形成される被
膜が耐候劣化をうけやすく、充分に所期の目的を
達し得ないという欠点があつた。 「発明が解決しうようとする問題点」 本発明者らは、かかる状況にあつて、屋外での
展張によつて引きおこされる変色、脆化、防塵性
の低下などの好ましくない劣化現象が大幅に改善
され、耐久性を向上させた農業用塩化ビニル系樹
脂フイルムを提供することを目的として、鋭意検
討した結果、本発明を完成するに至つたものであ
る。 「問題点を解決するための手段」 しかして、本発明の要旨とするところは、有機
リン酸エステル又は有機リン酸金属塩を含有する
軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの片面又は両面
に、[A]珪素原子に直結する加水分解性基を有
するシラン化合物、[B]特定アクリル系樹脂及
び[C]架橋性化合物の3成分を主成分とする組
成物の被膜が加熱処理のもとで形成されてなる農
業用塩化ビニル系樹脂フイルムに存する。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明において塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩
化ビニルのほか、塩化ビニルが主成分を占める共
重合体を含む、塩化ビニルと共重合しうる単量体
化合物としては、塩化ビニリデン、エチレン、プ
ロピレン、アクリロニトリル、マレイン酸、イタ
コン酸、アクル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等
があげれらる。これら塩化ビニル系樹脂は、乳化
重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等
の従来公知の製造法のうち、いずれの方法によつ
て製造されたものであつてもよい。 上記基体となる塩化ビニル系樹脂には、柔軟性
を付与するために、この樹脂100重量部に対して、
20〜60重量部の可塑剤が配合される。可塑剤の配
合量を上記範囲とするとにより、目的の塩化ビニ
ル系樹脂フイルムに、すぐれた柔軟性と機械的性
質を付与させることができる。 可塑剤としては、例えば、ジ−n−オクチルフ
タレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、
ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ジドデシルフタレート、ジウンデシルフタレ
ート等のフタル酸誘導体;ジオクチルフタレート
等のイソフタ酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペー
ト、ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導
体;ジ−n−ブチルマレート等のマレイン酸誘導
体;トリ−n−ブチルシトレート等のクエン酸誘
導体;モノブチルイタコネート等のイタコン酸誘
導体;ブチルオレエート等のオレイン酸誘導体;
グリセリンモノリシノレート等のリシノール酸誘
導体;その他、エポキシ化大豆油、エポキシ樹脂
系可塑剤等があげられる。 本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フイルムは、
上記塩化ビニル系樹脂に、有機リン酸エステル又
は有機リン酸金属塩が配合されている。 有機リン酸エステルとしてはトリイソプロピル
フエニルホスフエート、イソデシルジフエニルホ
スフエート、トリクレジルホスフエート、トリス
(イソプロピルフエニル)ホスフエート、トリブ
チルホスフエート、トリエチルホスフエート、ト
リオクチルホスフエート、トリブトキシエチルホ
スフエート、トリフエニルホスフエート、オクチ
ルジフエニルホスフエート、トリキシレニルホス
フエート等があるが中でもトリクレジルホスフエ
ート、及びトリキシレニルホスフエートが特に好
ましい。 本発明の農業用フイルムはさらに有機リン酸エ
ステルを主成分とする複合物も使用できる。例え
ば有機リン酸エステルと有機亜リン酸エステルの
複合物が挙げられる。又、例えばジフエニルホス
ホネートのようなホスホネート系化合物も含まれ
る。これらは、一般に塩化ビニル系樹脂の可塑剤
であり、フイルムの耐候性を改良するとともに、
形成被膜と相まつて防塵性を向上させる。これら
有機リン酸エステルは、1種又は2種以上併用し
て用いることができる。 有機リン酸金属塩としては、一般式[]又は
[] (式中、Mは、亜鉛、カルシウム、バリウム、マ
グネシウム、コバルト又はストロンチユウムを意
味する。また、R1、R2およびR3は各々、アルキ
ル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリ
ール又はエーテル結合を有するアルキル基を意味
する。)で示されるものがあげられる。 R1、R2及びR3で表わされるアルキル基の例と
しては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、第2ブチル、第3ブチ
ル、アミル、ネオペンチル、イソアミル、ヘキス
ル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオ
クチル、2−エチルヘキシル、デシル、イソデシ
ル、ラウリル、トリデシル、C12〜C13混合アルキ
ル、ステアリル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロオクチル、シクロドデシル、4−メチ
ルシクロヘキシル基等を挙げるとができる。 アリール基の例としては、フエニル、ナフチル
基等を挙げることができる。 アリールアルキル基の例としては、ベンジル、
β−フエニルエチル、α−フエニルプロピル、β
−フエニルプロピル基等をあげることができる。 アルキルアリール基の例としては、トリル、キ
シリル、エチルフエニル、ブチルフエニル、第3
ブチルフエニル、オクチルフエニル、イソオクチ
ルフエニル、第3オクチルフエニル、ノニルフエ
ニル、2,4−ジ−第3ブチルフエニル基等が挙
げられる。 エーテル結合を有するアルキル基としては、フ
ルフリル、テトラヒドロフルフリル、5−メチル
フルフリル及びα−メチルフルフリル基、又は、
メチル−、エチル−、イソプロピル−、ブチル
−、イソブチル−、ヘキシル−、シクロヘキシル
−、フエニルセロソルブ残基;メチル−、エチル
−、イソプロピル−、ブチル−、イソブチルカル
ビトトール残基;トリエチレングリコールモノメ
チルエーテル、−モノエチルエーテル、−モノブチ
ルエーテル残基;グリセリン1,2−ジメチルエ
ーテル、−1,3−ジエルエーテル、−1−エチル
−2−プロピルエーテル残基;ノニルフエノキシ
ポリエトキシエチル、ラウロキシポリエトキシエ
チル残基等が挙げられる。又、金属の種類では亜
鉛、カルシウム及びバリウムが特に好ましい。以
上のような各種置換基を有する有機リン酸金属塩
は、1種又は2種以上組み合わせて配合すること
ができる。 本発明の農業用フイルムは、有機リン酸エステ
ル及び有機リン酸金属塩を併用するのが被膜の形
成性、屋外展張性の点から最も好ましい。 有機リン酸エステル又は有機リン酸金属塩の配
合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.1
〜15重量部の範囲内、好ましくは、0.2〜10重量
部の範囲内で選ばれる。配合量が0.1重量部未満
では軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの耐候性及び
防塵性は向上しない。配合量が15重量部より多い
とフイルムの透明性が極度に劣つてしまうので好
ましくない。前記範囲内では0.2〜8重量部の範
囲であるのが特に好ましい。 また、前記塩化ビニル系樹脂には、上記可塑
剤、有機リン酸エステル又は有機リン酸金属塩の
ほかに、必要に応じて、成形用の合成樹脂に通常
配合される公知の樹脂添加物、例えば、滑剤、熱
安定性、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、
安定化助剤、帯電防止剤、防曇剤、防カビ剤、防
藻剤、無機フイラー、着色剤等を配合することが
でができる。 本発明に係るフイルムに配合しうる滑剤、熱安
定剤、ないし酸化防止剤としては、例えばポリエ
チレンワツクス、ビスアマイド系化合物、流動パ
ラフイン、有機フオスフアイト化合物、β−ジケ
トン化合物、等があげられる。 以上の各種樹脂添加物は、それぞれ1種又は数
種を組み合わせて使用することができる。 上記各種樹脂添加物の添加量は、フイルムの性
質を悪化させない範囲、通常は基体の塩化ビニル
系樹脂100重量部に対して、10重量部以下の範囲
で選ぶことができる。 フイルムの基体となる塩化ビニル系樹脂に、前
記可塑剤、有機リン酸エステル又は有機リン酸金
属塩、更に他の樹脂添加物を配合するには、各々
必要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミ
キサー、スパーミキサーその他従来から知られて
いる配合機、混合機を使用すればよい。 このようにして得られた樹脂組成物をフイルム
化するには、それ自体公知の方法、例えば溶融押
出成形法(T−ダイ法、インフレーシヨン法を含
む)、カレンダー成形法、溶液流延法等によれば
よい。 本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フイルムは、
その片面または両面に、シラン化合物、特定のア
クリル系樹脂及び両者を架橋させる架橋性化合物
を主成分とする組成物の被膜が、加熱処理のもと
で形成されている。 本発明で使用するシラン化合物[A]とは、珪
素原子に直結する加水分解性基を有するものであ
る。 具体的には、アミノメチルトリエトキシシラ
ン、N−β−アミノエチルアミノメチルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)−エチ
レジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルプロ
ピル)−エチレンジアミン等のアミノアルキルア
ルコキシシラン;γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシクロヘキシル)エチルメチル
ジメトキシシラン等のエポキシアルキルアルコキ
シシラン;γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン等のメルカプトアルキルアルコキシシラ
ン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラブトキシシラン、トリメトキシネオペ
ントキシシラン、ジメトキシジネオペントキシシ
ラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチ
ルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン等のアルキルトリアルコキシシラン;ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等
のジアルキルジアルコキシシラン;γ−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリク
ロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン化
アルキルアルコキシシラン;メチルトリアセトキ
シシラン、ジメチルジアセトキシシラン等のアル
キルアシロキシシラン;トリメトキシシラン、ト
リエトキシシラン等のヒドロシラン化合物;ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、
ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、
アリルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシ
シラン等の不飽和基含有シラン化合物の単量体も
しくは重合体、さらにはその加水分解物を挙げる
ことができる。 加水分解物は、例えば、酸ないしアルカリ触媒
存在下、加水分解性基を有するシラン化合物にア
ルコール併用系にて水を添加することによつて得
られるものであつて、加水分解基を有するシラン
化合物に対して当量以上の水を添加すると完全に
加水分解したアルコール性のシリカゲルないしシ
リカゾル、シロキサン系複合物が得られ、当量に
満たない水を添加した場合には、その比率に応じ
た部分加水分解物が調製される。 これらシラン化合物の中で、特に一般式 (R4O)3Si[OSi(OR5)2]o(OR6) (式中、R4〜R6は、各々、同一又は異なるアル
キル基、アリール基アルキルアリール基、アリー
ルアルキル基、アリーロキシアルキル基、又はア
ルキロキシアルキル基を表わし、nは0又は正の
整数を表わす。)で示されるテトラアルコキシシ
ランの単量体もしくは重合体、さらには加水分解
性基を加水分解して得た化合物が好ましい。その
中で特にR4〜R6が化々、同一又は異なる炭素原
子数4以下のアルキル基で示される化合物が好適
である。 これらシラン化合物は、単独で用いても、又は
2種以上の併用でも差支えない。 本発明におけるアクリル系樹脂[B]とは、ア
クリル酸或いはメタクリル酸のアルキルエステル
類(以下これを(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル類を記す。)の単量体単独又はこれとアルケ
ニルベンゼン類単量体との混合物、及び共重合し
うるα,β−エチレン性不飽和単量体とを通常の
重合条件に従つて重合させて得られるものであ
る。 本発明で用いられる(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル類としては、例えばアクリル酸メチル
エステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル
酸−n−プロピルエステル、アクリル酸イソプロ
ピルエステル、アクリル酸−n−ブチルエステ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、
アクリル酸デシル、メタクリル酸メチルエステ
ル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸
−n−プロピルエステル、メタクリル酸イソプロ
ピルエステル、メタクリル酸−n−ブチルエステ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルエステ
ル、メタクリル酸デシルなどが挙げられ、一般に
は、アルキル基の炭素数が1〜20個のアクリル酸
アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエス
テルが使用される。 (メタ)アクリル酸アルキルエステル類と混合
されるアルケニルベンゼン類としては、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンな
どが挙げられる。このようなアルケニルベンゼン
類と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類と
の単量体混合物を用いる場合その使用割合は、
α,β−エチレン性不飽和単量体の使用量によつ
ても異なるが、通常(メタ)アクリル酸アルキル
エステル類の使用割合を10重量%以上とするのが
よい。 アクリル系樹脂[B]を得るために用いる共重
合しうるその他のα,β−エチレン性不飽和単量
体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロト
ン酸、イタコン酸等のα,β−エチレン性不飽和
カルボン酸類;エチレンスルホン酸のようなα,
β−エチレン性不飽和スルホン酸類;2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパン酸;α,β−エチ
レン性不飽和ホスホン酸類;アクリロニトリル
類;アクリルアマイド類;アクリル酸又はメタク
リル酸のヒドロキシアルキルエステル等の水酸基
含有ビニル単量体;アクリル酸又はメタクリル酸
のアミノエステル類;アクリル酸又はメタクリル
酸のグリシジルエステル類;アクリル酸又はメタ
クリル酸塩類などがある。これら単量体は、単独
で用いても、又は2種以上併用でもよい。 アクリル系樹脂[B]の製造に当つて用いられ
る重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;アセチルパ
ーオキサイド、過酸化ベンゾイルなどの有機過酸
化分などが挙げられる。これらは、単量体の仕込
み合計量に対して0.1〜10重量%の範囲で使用さ
れる。 アクリル系樹脂は、塊状重合法、溶液重合法、
懸濁重合法、乳化重合法等、いずれの重合法によ
つても製造することができる。 得られたアクリル系樹脂には、さらに例えば塩
化ビニル/酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、セルロースエーテル等の化合物を添加して用
いることができる。 本発明で使用する架橋性化合物[C]とは、シ
ラン化合物[A]中シラノール基、アルコキシ基
等の加水分解性基またはアクリル系樹脂を架橋反
応させうるものであつて、例えばイソシアネート
系、カルボキシル系、エポキシ系、アルキルエー
テル系、アミン系、アジリジン系、フエノール樹
脂、アミノ樹脂等の化合物を挙げることができ
る。その中でも特にイソシアネート系化合物を使
用するのが好適である。 シラン化合物[A]とアクリル系樹脂[B]と
の配合割合は、[A]対[B]が重量比で20対1
ないし1対15の割合であるのが好ましい。シラン
化合物[A]の割合が上記の範囲以上であると、
架橋性化合物[C]を添加してもフイルムに形成
された被膜が脆いものとなり、基材との密着性に
乏しく、剥離しやすくなり、又アクリル系樹脂
[B]の割合が上記の範囲以上であると耐汚染性
の効果がきわだつて発現しにくくなる。特に、
[A]対[B]が重量比で15対1ないし1対10の
範囲であるのが好ましい。 架橋性化合物[C]の配合量は、シラン化合物
[A]に対して有形成分あたり重量比で[A]対
[C]が100対0.1ないし100対50の範囲であるのが
望ましい。 架橋性化合物[C]の割合が上記の範囲以上で
あると、塗布液のポツトライフが低下する一方、
フイルムに形成された被膜が脆いものとなり、剥
離しやすくなる。又、架橋性化合物[C]の割合
が上記の範囲以下であると充分な防塵性効果が発
揮し難くくなる。中でも特に、[A]対[C]が
100対1ないし100対30の範囲であるのが好まし
い。 被膜用の組成物には必要に応じて液状分散媒が
配合される。かゝる液状分散媒としては、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール等の一価アルコール類;エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、グリセリンなどの
多価アルコール類;ジベンジルアルコールなどの
環式アルコール類;セロソルブアセテート類;ケ
トン類などが挙げあれる。これら液状分散媒は、
単独で用いても併用してもよいが、被膜組成物の
分散安定性、フイルム表面に塗布した後の濡れ
性、液状分散媒除去の難易、経済性を勘案して決
めるのが好ましい。 また、上記組成物には更に少量の酸ないしアル
カリ消泡剤、界面活性剤、滑剤、帯電防止剤、可
塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、造
膜助剤、増粘剤、防カビ剤、防藻剤、顔料、顔料
分散剤、無機フイラーなどの慣用の添加剤を混合
してもよい。。 被膜組成物を塗布して軟質塩化ビニル系樹脂フ
イルム表面に被膜を形成するには、公知の各種方
法が適用される。例えば、液状状態で被膜を形成
する場合は、ドクターブレードコート法、グラビ
アロールコート法、エヤナイフコート法、リバー
スロールコート法、デイツプコート法、ハケ塗り
法、スプレイコート法、バーコート法、ナイフコ
ート法などそれ自体公知の如何なる方法によつて
もよい。又、溶液状態とせず上記被膜組成物の共
押出し法、押出しコーテイング法、押出しラミネ
ート法、ラミネート法を採用してもよい。 被膜組成物に由来する被膜は、軟質塩化ビニル
系樹脂フイルム表面に、加熱処理のもとで形成さ
れる。加熱処理によりシラン化合物、アクリル系
樹脂及び架橋性化合物は化学的に結合し、被膜は
強固でかつ耐候劣化因子物質、汚染物質に対して
バリアー性に優れたものとなり、耐候性及び防塵
性が向上する。被膜形成法として、塗布方式を用
いた場合の加熱処理方法としては、例えば、熱風
加熱法、赤外線加熱法、遠赤外線加熱法等がある
が、加熱処理効率、安全性を勘案すれば熱風加熱
法が有利である。この場合の温度条件は50〜200
℃の範囲とし、時間は10秒〜60分の間で選ぶのが
よい。 軟質塩化ビニル系樹脂フイルム表面に加熱処理
のもとで形成された被膜の付着量は、0.1〜10
g/m2の範囲とすることが好ましい。0.1g/m2
より少ないと、軟質塩化ビニル系樹脂フイルム中
の可塑剤の表面移行を防止する効果が不充分であ
る。また、10g/m2以上であると、被膜量が多過
ぎて、経済的に不利となり、フイルム自体の機械
的強度が低下することにある。したがつて、通常
は、0.5g/m2〜7g/m2の範囲が最も好ましい。 なお、被膜組成物を被覆する前に、軟質塩化ビ
ニル系樹脂フイルムの表面を予め、アルコールま
たは水で洗浄したり、プラズマ放電処理、あるい
はコロナ放電処理したり、他の塗料あるいはプラ
ズマーを下塗りする等の前処理を施しておいても
よい。 本発明に農業用塩化ビニル系樹脂フイルムを実
際に農業用被覆材として使用するにあたつては、
被膜が片面のみに形成されているときは、この被
膜の設けられた側を、ハウスまたはトンネルの外
側となるようにして使用する。 「作用」 本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フイルム
は、その表面に形成された被膜がフイルムに配合
された各種樹脂添加物の滲み出しを防止するので
フイルムは長期間屋外に展張していても、表面の
汚染が少なく光線透過率の低下が少ない。又、こ
の被膜は可撓性及び密着性にも優れている。 また、基体フイルムに有機リン酸エステル又は
有機リン酸金属塩が配合されていることもあつて
伸度保持率が高く耐久性にも優れている。 「実施例」 次に、本発明を実施例にもとづいて詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の例に限定されるものではない。 実施例1〜6、比較例1〜6 基体フイルムの調製 ポリ塩化ビニル(=1400) 100重量部 ジオクチルフタレート 50 〃 エピコート828(エポキシ化合物、米国シエル社
製商品名) 1 〃 Ba/Zn系複合安定剤 1.5 〃 ステアリン酸バリウム(安定剤) 0.2 〃 ステアリン酸亜鉛 0.4 〃 ソルビタンモノラウレート 1.5 〃 よりなる樹脂組成物を準備し、第1表に示した種
類及び量の有機リン酸エステル又は有機リン酸金
属塩を配合した。ただし、比較例1、2、3にあ
つては、配合しなかつた。 各配合物を、スーパーミキサーで10分間撹拌混
合したのち、180℃に加温したミルロール上で混
練し、厚さ0.15mmの基体フイルムを調製した。 アクリル系樹脂の調製 製造例 1〜4 温度計、撹拌機、還流冷却器および原材料添加
用ノズルを備えた反応器に、イソプロピルアルコ
ール100重量部、過酸化ベンゾイル1.0重量部及び
第2表に示した各単量体の混合物100重量部を仕
込み、窒素ガス気流中で撹拌しつつ、80℃で3時
間更に過酸化ベンゾイルを0.5重量部添加して反
応を約3時間、同温度で継続してアクリル系樹脂
イ〜ニの四種を得た。 被膜の形成 第1表に示した種類及び量のシラン化合物、ア
クリル系樹脂及び架橋性化合物を配合し、これに
固形分が20重量%となるようにイソプロピルアル
コールを加えて被膜組成物を得た。ただし、比較
例1にあつてはシラン化合物を、比較例2にあつ
てはアクリル系樹脂を、比較例3にあつては架橋
性化合物をそれぞれ配合しなかつた。 これら組成物それぞれを基体フイルムの片面
に、#5バーコーターを用いて塗布した。塗布し
たフイルムを130℃のオーブン中に3分間保持し
て、用材を揮散させると同時に、熱処理を行つ
た。ただし、比較例6にあつては、被膜成形物を
塗布後、加熱処理せず、自然乾燥にて溶媒を揮散
させた。得られた各フイルムの被膜の付着量は約
2g/m2であつた。 フイルムの評価 以下の方法においてフイルムの性能を評価し、
その結果を第1表に示す。 被膜の架橋性 被膜組成物を、離型紙上に乾燥後、約2g/
m2となるように塗布し、130℃の雰囲気で3分
間加熱して溶剤を揮散させた。 被膜を剥離かき集め、イソプロピルアルコー
ル(IPA)溶剤中に浸漬し35℃に保持した恒温
水槽内に1時間放置した。ついでIPA溶剤を分
離した後24時間真空乾燥し、その重量を測定し
た。この重量比(浸漬乾燥後重量/初期重量×
100)の数値の大きいほど、被膜が架橋してい
ることを示す。 被膜の柔軟性 各フイルムを、幅5cm、長さ15cmに切断し、
長さ方向に対して直角の方向に、2cmの間隔で
交互に折り返した。この状態で、上から2Kgの
荷重をかけ、15℃に保持した恒温槽内に24時間
放置した。ついで、荷重をとり、フイルムの折
り目をのばして、被膜の外観を肉眼で観察し
た。結果を、第1表に示す。この試験での評価
基準は、次のとおりである。 ◎…折り目部分の被膜に変化が全く認められな
いもの。 △…折り目部分の被膜に、クラツクが認められ
るもの。 ×…折り目部分の被膜に、クラツクが著しく認
められるもの。 屋外展張試験 12種類のフイルムを、三重県一志郡の試験圃
場に設置した屋根型ハウス(間口3m、奥行き
5m、棟高1.5m、屋根勾配30度)に、被膜を
設けた面をハウスの外側にして被覆し、昭和61
年8月から昭和63年7月までの2年間展張試験
を行つた。 展張したフイルムについて、以下の方法によ
り、フイルムの外観試験、フイルムの伸度保持
率を測定し、展張試験中のフイルムについて、
防塵性を評価した。 () フイルムの外観……外観を肉眼で観察し
たもの。 評価基準は、次のとおりである。 ◎…変色等の外観変化が認められないもの。 ○…わずかな変色等の外観変化が一部認めら
れるもの。 △…変色等の外観変化がかなり認められるも
の。 ×…全面に変色が認められるもの。 () フイルムの伸度保持率……次式により算
出した値を意味する。 屋外展張後のフイルムの伸度/屋外展張前のフイル
ムの伸度×100(%) () 防塵性……次式により算出した値を意味
する。 屋外展張後、経時的に回収したフイル
ムの光線透過率/屋外展張前のフイルムの光線透過率*
×100(%) *波長555mμにおける直光線透過(日立製
作所製、EPS−2U型使用) 測定結果の表示は、次のとおりとした。 ◎…展張後の光線透過率が展張前の90%以上
のもの。 ○…展張後の光線透過率が展張前の70〜89%
の範囲のもの。 △…展張後の光線透過率が展張前の50〜69%
の範囲のもの。 ×…展張後の光線透過率が展張前の50%未満
の範囲のもの。
【表】
【表】
【表】
「発明の効果」
以上、実施例からも明らかなように本発明は、
次のような効果を奏し、その農業上の利用価値
は、極めて大である。 (1) 本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フイ
ルムは、屋外に長期間、展張されても、変色
や、、物性の低下、防塵性の低下の度合が少な
く、長期間の使用に耐える。 (2) 本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フイ
ルムはその基体フイルム表面に形成さた被膜が
基体フイルムとの密着に優れ、かつ、可撓性に
富んでいるので、被膜は剥離しにくく、長期間
の使用に耐える。
次のような効果を奏し、その農業上の利用価値
は、極めて大である。 (1) 本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フイ
ルムは、屋外に長期間、展張されても、変色
や、、物性の低下、防塵性の低下の度合が少な
く、長期間の使用に耐える。 (2) 本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フイ
ルムはその基体フイルム表面に形成さた被膜が
基体フイルムとの密着に優れ、かつ、可撓性に
富んでいるので、被膜は剥離しにくく、長期間
の使用に耐える。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 有機リン酸エステルまたは有機リン酸金属塩
を含有する軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの片面
または両面に、[A]珪素原子に直結する加水分
解性基を有するシラン化合物、[B]アクリル酸
或いはメタクリル酸のアルキルエステル類から選
ばれる単量体、又はこれとアルケニルベンゼン類
単量体との混合物、及び共重合しうるα,β−エ
チレン性不飽和単量体とを重合させて得られるア
クリル系樹脂及び[C]架橋性化合物の3成分を
主成分とする組成物の被膜が加熱処理のもとで形
成されてなる農業用塩化ビニル系樹脂フイルム。 2 シラン化合物[A]が、一般式 (R4O)3Si[OSi(OR5)2]o(OR6) (式中、R4〜R6は、各々、同一の又は異なるア
ルキル基、アリール基、アルキルアリール基、ア
リールアルキル基、アリーロキシアルキル基、又
はアルキロキシアルキル基を表わし、nは0又は
正の整数を表わす。) で示されるテトラアルコキシシランの単量体もし
くは重合体、さらには加水分解性基を加水分解し
て得た化合物である特許請求の範囲第1項記載の
農業用塩化ビニル系樹脂フイルム。 3 架橋性化合物[C]がイソシアネート系化合
物である特許請求の範囲第1項または第2項記載
の農業用塩化ビニル系樹脂フイルム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26207688A JPH02108536A (ja) | 1988-10-18 | 1988-10-18 | 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26207688A JPH02108536A (ja) | 1988-10-18 | 1988-10-18 | 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02108536A JPH02108536A (ja) | 1990-04-20 |
| JPH0460823B2 true JPH0460823B2 (ja) | 1992-09-29 |
Family
ID=17370695
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26207688A Granted JPH02108536A (ja) | 1988-10-18 | 1988-10-18 | 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH02108536A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003319721A (ja) * | 2002-05-02 | 2003-11-11 | Kazariichi:Kk | 紙マルチシート |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57172917A (en) * | 1981-04-17 | 1982-10-25 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | Resin composition |
| JPS6178806A (ja) * | 1984-09-25 | 1986-04-22 | Chisso Corp | 被覆用熱硬化性アクリル樹脂組成物の製造法 |
| JPS61101544A (ja) * | 1984-10-25 | 1986-05-20 | Sakai Chem Ind Co Ltd | 塩化ビニル樹脂組成物 |
| JPS62283135A (ja) * | 1986-02-18 | 1987-12-09 | Mitsubishi Kasei Vinyl Co | 農業用塩化ビニル系樹脂フイルム |
-
1988
- 1988-10-18 JP JP26207688A patent/JPH02108536A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02108536A (ja) | 1990-04-20 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |