JPH0460825B2 - - Google Patents
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- JPH0460825B2 JPH0460825B2 JP63267601A JP26760188A JPH0460825B2 JP H0460825 B2 JPH0460825 B2 JP H0460825B2 JP 63267601 A JP63267601 A JP 63267601A JP 26760188 A JP26760188 A JP 26760188A JP H0460825 B2 JPH0460825 B2 JP H0460825B2
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Description
「産業上の利用分野」
本発明は、展張作業がやり易く、展張後は防塵
性、防曇性が優れ、これらの優れた性質が長期間
持続する耐久性の優れた農業用軟質塩化ビニル系
樹脂フイルムに関するものである。 「従来の技術」 近年、有用植物を栽培している農家は、収益性
向上を目的として、有用植物をハウス(温室)又
はトンネル内で促進栽培又は抑制栽培する方法が
広く採用されるようになつた。 このハウス(温室)又はトンネルの被覆資材と
しては、ポリエチレンフイルム、エチレン−酢酸
ビニル共重合体フイルム、ポリエステルフイル
ム、ポリカーボネートフイルム、塩化ビニル系樹
脂フイルム、ガラス等が使用されている。中でも
軟質塩化ビニル系樹脂フイルムは、他の合成樹脂
フイルムに比較して、光線透過性、保温性、機械
的強度、耐久性、作業性、経済性等を総合して最
も優れているので、広く使用されている。 ハウス又はトンネルの被覆資材として使用され
るものに要求される性質は、 長期間にわたつて外側表面が汚れず防塵性に
優れ、良好な光線透過率を維持し、栽培作物の
生育を促進すること。 被覆資材の内側表面に付着した凝縮水を、栽
培作物に落下させることなく、フイルム内面に
沿つて流下させるという「防曇性」に優れ、ハ
ウス又はトンネル内を適度な湿度に維持し、病
気の発生を抑制すること。 等である。 一方、従来の経験からすれば、農業用に使用さ
れる軟質塩化ビニル系樹脂フイルムは、展張使用
される地域、場所等によつて影響をうけるが、使
用を開始して2年間も経過すると、外側表面の防
塵性が著しく定価し、使用に耐えられなくなる。
また、フイルム展張開始から二夏(フタナツ、二
回目の夏のこと)が経過すると、内側表面の防曇
性が低下し、その後の使用は困難となる。 防塵性を改善する方法として、特公昭47−
28740号公報、特公昭50−31195号公報、特開昭56
−99237号公報、特公昭56−99665号公報等に記載
されているように、特定のアクリル系樹脂の被膜
を、基体の塩化ビニル系樹脂フイルムの片面又は
両面に形成する方法がある。さらに、特開昭51−
70282号公報には、紫外線吸収剤を配合した特定
組成のアクリル系樹脂の被膜を、基体のフイルム
表面に形成する手法が記載されている。しかし、
これら手法において基体フイルムに形成される被
膜は、いずれも熱可塑性樹脂を主体としたもので
あるため、特に夏季の外気温が高い時期に、基体
フイルムに配合されている添加剤が被膜を通して
表面に移行し、流し去られ消失してしまうのを、
完全に抑制することは困難であり、フイルムを長
期間屋外で展張して使用するには、未だ問題があ
つた。 そこで、さらに上記欠点を改良するために、特
開昭56−53070号公報、特開昭57−70031号公報、
特開昭57−163568号公報等に記載されているよう
に、塩化ビニル系樹脂フイルムの少なくとも一方
の表面を、カチオン重合系のエネルギー線硬化性
樹脂組成物で被覆する方法が提案されている。し
かし、この方法に従つてカチオン重合系のエネル
ギー線硬化性樹脂組成物として好ましく使用され
るエポキシ系樹脂組成物は、これから形成される
被膜が耐候劣化をうけやすく、充分に所期の目的
を達し得ないという欠点があつた。 また、防曇性を改良するために、通常グリセリ
ンの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステ
ル等、いわゆる防曇剤を基材樹脂に練り込む方法
が採用されているが、農業用フイルムからの防曇
剤のブリードが速く、該フイルムをハウスに展張
後一年も経過すると防曇性の効果が薄れ、防曇持
続性の改良検討が行われている。 「発明が解決しようとする問題点」 本発明者らは、かかる状況にあつて、展張作業
がやり易く、屋外での展張によつて引きおこされ
る変色、脆化、防曇性の低下などの好ましくない
劣化現象が大幅に改善され、耐久性を向上させた
農業用塩化ビニル系樹脂フイルムを提供すること
を目的として、鋭意検討した結果、軟質塩化ビニ
ル系樹脂フイルムの片面にシラン化合物とアクリ
ル系樹脂とからなる防塵被膜組成物を、他面にコ
ロイダルシリカまたはアルミナゾルを主成分とす
る防曇剤組成物を塗布することにより、良好な改
善効果の得られることを見い出し、本発明を完成
するに到つた。 「問題点を解決するための手段」 しかして、本発明の要旨とするところは、軟質
塩化ビニル系樹脂フイルムの片面に、珪素原子に
直結する加水分解性基を有するシラン化合物また
はその加水分解物およびアクリル系樹脂を配合し
た被覆組成物に由来する被膜が形成され、フイル
ムの他の面にコロイダルシリカ及び/又はアルミ
ナゾルとバインダーを主成分とする防曇剤組成物
に由来する被膜が形成されてなることを特徴とす
る農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルムに存す
る。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明において塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩
化ビニルのほか、塩化ビニルが主成分を占める共
重合体を含む。塩化ビニルと共重合しうる単量体
化合物としては、塩化ビニリデン、エチレン、プ
ロピレン、アクリロニトリル、マレイン酸、イタ
コン酸、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル
等があげられる。これら塩化ビニル系樹脂は、乳
化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法
等の従来公知の製造法のうち、いずれの方法によ
つて製造されたものであつてもよい。 本発明に係る農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイ
ルムに、優れた柔軟性と機械的強度を付与するた
めに、基体樹脂100重量部に対して、通常20〜60
重量部程度の可塑剤を配合する。 可塑剤としては、例えば、ジ−n−オクチルフ
タレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、
ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ジドデシルフタレート、ジウンデシルフタレ
ート等のフタル酸誘導体;ジイソオクチルフタレ
ート等のイソフタル酸誘導体;ジ−n−ブチルア
ジペート、ジオクチルアジペート等のアジピン酸
誘導体;ジ−n−ブチルマレート等のマレイン酸
誘導体;トリ−n−ブチルシトレート等のクエン
酸誘導体;モノブチルイタコネート等のイタコン
酸誘導体;ブチルオレエート等のオレイン酸誘導
体;グリセリンモノシノレート等のリシノール酸
誘導体;その他トリクレジルホスフエート、エポ
キシ化大豆油、エポキシ樹脂系可塑剤等があげら
れる。 また、樹脂フイルムに柔軟性を付与するため
に、上述の可塑剤に限られるものではなく、例え
ば熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル等
を使用することもできる。 本発明の農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルム
は、紫外線吸収剤または光安定剤が含有されてい
るのが望ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾ
フエノン系、ベンゾトリアゾール系等各種のもの
が使用でき、また光安定剤としては、次の一般式
[]で表わされるヒンダードアミン系化合物が
適当である。 一般式 (式中、Rは1〜4価のカルボン酸から誘導され
るモノ〜テトラアルシル基、R1〜R4は炭素原子
数1〜4のアルキル基、nは1〜4の整数をそれ
ぞれ示す。) しかして、紫外線吸収剤(A)と光安定剤(B)との塩
化ビニル系樹脂に対する配合割合は、樹脂100重
量部に当り、(A)及び(B)の合計量が0.02〜8重量部
の範囲、特に0.1〜3重量部の範囲にあるのが好
ましい。(A)及び(B)の配合量が8重量部よりも多く
なると、後述する防塵性被膜及び防曇性被膜を通
して噴き出すおそれがある。また(A)と(B)の配合割
合は、農業用フイルムの耐久性を保つため、重量
比で(A)/(B)が15/1〜1/15の範囲、特に8/1
〜1/8の範囲にあるのが好ましい。勿論、本発
明の農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルムには、
必要に応じてその他の樹脂用添加剤、例えば酸化
防止剤、熱安定剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料等
を配合、含有せしめることができる。 本発明の農業用フイルムの基体となる軟質塩化
ビニル系樹脂フイルム(以下基体フイルムとい
う)は、例えば塩化ビニル系樹脂に、必要とする
樹脂用添加剤を添加した樹脂組成物を、リボンブ
レンダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサ
ー等の配合機、混練機で均一にした後、通常のフ
イルムの製造方法、例えばカレンダー成形法、押
出成形法、インフレーシヨンフイルム成形法等を
採用して、0.03〜0.3mm、好ましくは0.075〜0.25
mmの厚さに成形される。 基体フイルムの片面に防塵性被膜を形成する被
覆組成物は珪素原子に直結する加水分解性基を有
するシラン化合物またはその加水分解物とアクリ
ル系樹脂を主成分としたものであり、基体フイル
ムに塗布後、容易に被膜に形成されることが必要
である。 上述のシラン化合物としては例えば、アミノメ
チルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル
アミノメチルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(トリメトキシ
シリルプロピル)−エチレンジアミン、N−(ジメ
トキシメチルシリルプロピル)−エチレンジアミ
ン等のアミノアルキルアルコキシシラン;γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン等の
エポキシアルキルアルコキシシラン;γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプ
トアルキルアルコキシシラン;テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、トリメトキシネオペントキシシラン、ジメ
トキシジネオペントキシシラン等のテトラアルコ
キシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン等のアルキルトリ
アルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン等のジアルキルジアル
コキシシラン;γ−クロロプロピルトリメトキシ
シラン、3,3,3−トリクロロプロピルトリメ
トキシシラン等のハロゲン化アルキルアルコキシ
シラン;メチルトリアセトキシシラン、ジメチル
ジアセトキシシラン等のアルキルアシロキシシラ
ン;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン等
のヒドロシラン化合物;ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−
メトキシエトキシ)シラン、アリルトリエトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシラン等の不飽和
基含有シラン化合物の単量体もしくは重合体があ
げられる。本発明においてはさらにその加水分解
物を用いることができる。加水分解物は、例えば
酸ないしアルカリ触媒存在下、加水分解性基を有
するシラン化合物にアルコール併用系にて水を添
加することによつて得られるものであつて、加水
分解性基を有するシラン化合物に対して当量以上
の水を添加すると完全に加水分解したアルコール
性のシリカゲルないしシリカゾル、シロキサン系
複合物が得られ、当量に満たない水を添加した場
合にはその比率に応じた部分加水分解物が調製さ
れる。又、この部分加水分解物には、完全に加水
分解したシリカゾルが一部含まれていてもかまわ
ない。これら珪素原子に直結する加水分解性基を
有するシラン化合物の中で、特に、テトラアルコ
キシシランの単量体もしくは重合体あるいはその
加水分解物が好ましい。又、上記シラン化合物
は、二種以上を併用しても差支えない。 被覆組成物の一成分であるアクリル系樹脂は、
アクリル酸或いはメタクリル酸のアルキルエステ
ル類(以下これを(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル類と記す。)単量体単独又はこれとアルケ
ニルベンゼン類単量体との混合物、及び共重合し
うるα、β−エチレン性不飽和単量体とを通常の
重合条件に従つて重合させて得られるものであ
る。 (メタ)アクリル酸アルキルエステル類として
は、例えばアクリル酸メチルエステル、アクリル
酸エチルエステル、アクリル酸−n−プロピルエ
ステル、アクリル酸イソプロピルエステル、アク
リル酸−n−ブチルエステル、アクリル酸−2−
エチルヘキシルエステル、アクリル酸デシル、メ
タクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチル
エステル、メタクリル酸−n−プロピルエステ
ル、メタクリル酸イソプロピルエステル、メタク
リル酸−n−ブチルエステル、メタクリル酸−2
−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸デシル
などが挙げられ、一般には、アルキル基の炭素数
が1〜20個のアクリル酸アルキルエステル又はメ
タクリル酸アルキルエステルが使用される。 (メタ)アクリル酸エステル類に混合されるア
ルケニルベンゼン類としては、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げ
られる。アルケニルベンゼン類と(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル類との単量体混合物を用い
る場合いには、α、β−スチレン性不飽和単量体
の使用量によつても異なるが、通常(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類の使用割合を10重量%
以上とするのがよい。 アクリル系樹脂を得るために用いる共重合しう
るその他のα、β−エチレン性不飽和単量体とし
ては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、
イタコン酸等のα、β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸類;エチレンスルホン酸のようなα、β−エ
チレン性不飽和スルホン酸類;2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパン酸;α、β−エチレン性
不飽和ホスホン酸類;アクリロニトリル類;アク
リルアマイド類;アクリル酸又はメタクリル酸の
ヒドロキシアルキルエステル等の水酸基含有ビニ
ル単量体;アクリル酸又はメタクリル酸のアミノ
エステル類;アクリル酸又はメタクリル酸のグリ
シジルエステル類;アクリル酸又はメタクリル酸
塩類などがある。これら単量体は、単独で用いて
も、又は2種以上併用でもよい。 アクリル系樹脂は、これら単量体の2種以上を
所定量組合せて、例えばアルコール類、芳香族炭
化水素類、酢酸エステル類、ケトン類、テトラヒ
ドロフラン等の有機溶媒とともに重合缶に仕込
み、アゾビスイソブチロニトリルやベンゾイルパ
ーオキサイド等の重合開始剤、必要に応じてメル
カプタン等の分子量調節剤を加えて撹拌しつつ加
熱、重合して製造される。 被覆組成物のシラン化合物をアクリル系樹脂の
配合割合は、固形分重量比で前者5〜90対後者95
〜10(両者の合計量を100とする。)の割合がよく、
特に好ましいのは、10〜80対90〜20である。この
範囲内であると、シラン化合物とアクリル系樹脂
との相乗効果が発揮される。前者の配合割合がこ
れより多い場合には、形成された被膜がべたつき
易く、着塵し易くなり、又、耐久性の効果も充分
発揮できない。又、逆に前者の配合割合がこれよ
り少ない場合は、充分な防塵効果が発揮できない
ばかりか、形成される被膜の耐候性への効果が充
分でなく好ましくない。 被覆組成物には上述の必須成分以外に架橋性化
合物、少量の酸ないしアルカリ消泡剤、界面活性
剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、造膜助剤、増粘剤、顔料、顔料分散剤、防カ
ビ剤、防藻剤、無機フイラーなどの各種の添加剤
を混合することができる。 架橋性化合物は、シラン化合物中のシラノール
基、アルコキシ基等の加水分解性基またはアクリ
ル系樹脂と架橋反応を起し、または架橋反応を促
進し、被膜を強靭にしうるものであり、例えばフ
エノール樹脂類、アミノ樹脂類、アミン化合物
類、アジリジン化合物類、エポキシ化合物類、イ
ソシアネート化合物類等が挙げられるが、特にイ
ソシアネート化合物類、アミン化合物類が好適で
ある。 被覆組成物は、通常有機溶媒に分散または溶解
して用いられ、有機溶媒としてはアクリル系樹脂
製造時に使用した有機溶媒と同一のものが使用し
うる。 基体フイルムへの被覆組成物によつて形成され
る被膜の付着量は、乾燥固化後の量として、0.1
g/m2〜10g/m2の範囲とするのが好ましい。
0.1g/m2より少ないと、軟質塩化ビニル系樹脂
フイルム中の可塑剤の表面移行を防止する効果が
不充分である。また、10g/m2以上であると、被
覆量が多過ぎて、経済的に不利となり、フイルム
自体の機械的強度が低下することがある。したが
つて、通常は、0.5g/m2〜5g/m2の範囲が最
も好ましい。 基体フイルムの他の面に防曇性被膜を形成する
防曇剤組成物は、シリカ及び/又はアルミナゾル
を主成分としており、これにシリカまたはアルミ
ナのバインダー成分が混入されている。 コロイダルシリカ及び/又はアルミナゾルは平
均粒子径が5〜100mμの範囲のものが好ましい。
平均粒子径が100mμを超えると塗膜が白く失透
し易くまた、5mμに満たないときは防曇組成物
の安定性に欠けるので好ましくない。これらは、
それぞれ単独で使用してもよいし、両者を組合せ
て使用してもよい。また、単独又は両者を組合せ
て使用する際に平均粒子径の異なる2種以上のも
のを組合せて用いてもよい。両者を組合せるとき
は、重量比でコロイダルシリカ/アルミナゾルが
95〜5/5〜95(全体として100とする)の割合に
するのが好ましい。 アルミナゾルは、通常市販されている製品その
もの、または通常市販されているアルミナ粉末を
水に分散させて水性ゾルとしたもの、いずれであ
つてもよい。アルミナゾルは、高濃度で水に分散
させようとすると、分散液の粘度が急激に高まる
といういわゆるチキソトロピー性を示し、均質な
分散液が得にくいが、コロイドミルの様な媒質剪
断内部撹拌機を用いると、均質な分散液を得るこ
とができる。また、この分散液にコロイダルシリ
カを混合すると、分散液の粘度を降下させること
ができる。 他方のコロイダルシリカは、多くの場合粒子表
面は陰電荷に帯電しているが、アルミナゾルと組
合せて用いるときは陰電荷に帯電しているものを
用いるのは好ましくない。これは、コロイダルシ
リカとアルミナゾルとを混合すると、混合分散液
は急激に凝集し、ゲル化し、分散不良を生起す
る。従つて、コロイダルシリカは、粒子表面に陽
電荷に帯電したものとするのがよい。 防曇剤組成物に配合されるバインダー成分とし
ては、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活
性剤、非イオン系界面活性剤等の界面活性剤また
は熱可塑性樹脂など公知、公用のものが使用され
る。界面活性剤は、コロイダルシリカまたはアル
ミナゾルによつて、その使用種類を変える必要が
ある。例えば、一般に、陰電荷に帯電するシリカ
ゾルと陽イオン系界面活性剤、陽電荷に帯電する
アルミナゾルと陰イオン系界面活性剤との組合せ
は避けるべきである。これらの組合せは、ゾルの
ゲル化や防曇剤組成物の凝集・分離を起こしやす
く、塗布を困難にする。 バインダー成分として使用する熱可塑性樹脂と
しては、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、スチロール系樹
脂、酢酸ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹
脂等が挙げられるが、特にアクリル系樹脂が好適
である。 防曇剤組成物の主成分であるコロイダルシリカ
及び/又はアルミナゾルは、その配合量が固形分
重量比でバインダー成分の0.5〜40倍の範囲にあ
るのが好ましい。40倍を超えるときは、防曇効果
が配合量に比例して向上しないばかりでなく、塗
布後に形成される塗膜が白濁化し光線透過率を低
下させる現象があらわれる。また塗膜が粗雑で脆
弱になり易くなる傾向がある。一方0.5に満たな
いときは、充分な防曇効果を発揮し難くなる。 防曇剤組成物には、バインダー成分同志を架橋
させる架橋性化合物を併用してもよい。こうする
ことにより防曇被膜の耐水性を向上させることが
できる。架橋性化合物としては、前述の防曇用の
被覆組成物に使用される同じものが防曇剤組成物
においても使用することができる。架橋性化合物
の使用量は、バインダー成分の固形分に対し0.1
〜30重量%の範囲、特に0.5〜10重量%の範囲が
好ましい。 また、防曇剤組成物には、必要に応じ上述防塵
用の被覆組成物に用いることのできる消泡剤、滑
剤、帯電防止剤、その他各種の添加剤を混合する
ことができる。 しかして、防曇剤組成物は、通常液状で使用さ
れる。液状分散媒としては、水を含む親和性ない
し水混合性溶媒が含まれ、水;メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール
等の一価アルコール類;エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコ
ール類;ベンジルアルコール等の環式アルコール
類;セロソルブアセテート類;ケトン類等が挙げ
られる。 これらは単独で用いても併用してもよいが、本
発明で用いる防曇剤組成物の分散安定性、フイル
ム表面に塗布した後の濡れ性、液状分散媒除去の
難易、経済性を勘案して決めるのが好ましい。 また、基体フイルムの表面に形成される防曇剤
組成物の被膜は、固形分の付着量として、一般に
0.01〜10g/m2、特に0.1〜5g/m2の範囲であ
るのが好ましい。 基体フイルムの表面に防塵性の被覆組成物及び
防曇性組成物の被膜を形成するには、一般に各組
成物の溶液または分散液をドクターブレードコー
ト法、ロールコート法、デイツプコート法、スプ
レーコート法、ロツドコート法、バーコート法、
ナイフコート法、ハケ塗り法等それ自体公知の塗
布方法を採用し、塗布後乾燥すればよい。塗布後
の乾燥方法は、防塵性の被覆組成物の場合、被膜
の物性上、加熱乾燥する必要があり、加熱温度50
〜150℃の範囲で10秒〜10分の間保持するのが好
ましく、また、防曇剤組成物の場合には自然乾燥
及び強制乾燥のいずれの方法を採用してもよく、
強制乾燥方法を採用する場合、通常50〜250℃、
好ましくは70〜200℃の温度範囲で乾燥すればよ
い。加熱乾燥には、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、
遠赤外線乾燥法等適宜方法を採用すればよく、乾
燥速度、安全性を勘案すれば熱風乾燥法を採用す
るのが有利である。 なお、防塵性の被覆組成物は、それを溶液状と
せず、組成物自体を、基体フイルムと共押出しを
するか、または基体フイルムへの押出コーテイン
グ、押出ラミネート等で被膜に形成することもで
きる。 被覆組成物及び防曇剤組成物による被膜の基体
フイルム表面への形成順序は、加熱条件等を考慮
して定められる。 また、基体フイルムと両組成物に由来する被膜
との接着性が充分でない場合には、基体フイルム
の表面を予めアルコールまたは水で洗浄したり、
プラズマ放電処理、あるいはコロナ放電処理した
り、他の塗料あるいはプライマーを下塗りする等
の前処理を施しておいてもよい。 「発明の効果」 本発明は、次のように特別に顕著な効果を奏
し、その産業上の利用価値は、極めて大である。 (1) 本発明に係る農業用軟質塩化ビニル系樹脂フ
イルムは、フイルム両表面に被膜が形成されて
いるので、フイルムに添加されている可塑剤、
各種樹脂添加物のフイルム表面への移行をおさ
えることができる。従つて、フイルムの柔軟性
を長期にわたつて維持することができ、かつ、
フイルム表面(特にハウス又はトンネルとした
ときの外側となる面)への塵の付着は少なく、
防塵効果は、3年間以上もの長期間にわたつて
持続する。 (2) 本発明に係る農業用軟質塩化ビニル系樹脂フ
イルムは、フイルムの一方の表面に防曇剤組成
物に由来する被膜が形成されており、該フイル
ムを防曇組成物の被膜がハウス等の内側になる
ように展張したとき、水滴の付着を抑制する機
能を果し、防曇効果は長期間にわたつて持続す
る。 (3) 本発明に係る農業用軟質塩化ビニル系樹脂フ
イルムは、可塑剤のフイルム表面への移行が押
えられているので、柔軟性の低下が少なく、耐
久性が優れ、フイルム張替え頻度が減少し、廃
農ビフイルムの問題が軽減され、省資源とな
り、農園芸ハウスを設置する際のコストが低減
される。 「実施例」 次に、本発明を実施例にもとづいて詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の例に限定されるものではない。 実施例1〜6、比較例1〜6 (1) 基体フイルムの調製 ポリ塩化ビニル(=1400) 100重量部 ジオクチルフタレート 50 〃 トリクレジルフオスフエート 5 〃 エポキシ化大豆油 1 〃 Ba/Zn系複合安定剤 1.5 〃 ステアリン酸バリウム 0.2 〃 ステアリン酸亜鉛 0.4 〃 ソルビタンモノラウレート 1.5 〃 2,4−ジヒドロキシベンゾフエノン
0.6 〃 ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート 0.4 〃 上記の配合物を、スーパーミキサーで10分間
撹拌混合したのち、180℃に加温したミルロー
ル上で混練し、厚さ0.15mmの基体フイルムを調
製した。 (2) アクリル系樹脂の調製 製造例 1〜4 温度計、撹拌機、還流冷却器および原材料添
加用ノズルを備えた反応器に、イソプロピルア
ルコール100重量部、過酸化ベンゾイル1.0重量
部及び第1表に示した各単量体の混合物100重
量部を仕込み、窒素ガス気流中で撹拌しつつ、
80℃で3時間更に過酸化ベンゾイルを0.5重量
部添加して反応を約3時間、同温度で継続して
アクリル系樹脂A〜Dを得た。
性、防曇性が優れ、これらの優れた性質が長期間
持続する耐久性の優れた農業用軟質塩化ビニル系
樹脂フイルムに関するものである。 「従来の技術」 近年、有用植物を栽培している農家は、収益性
向上を目的として、有用植物をハウス(温室)又
はトンネル内で促進栽培又は抑制栽培する方法が
広く採用されるようになつた。 このハウス(温室)又はトンネルの被覆資材と
しては、ポリエチレンフイルム、エチレン−酢酸
ビニル共重合体フイルム、ポリエステルフイル
ム、ポリカーボネートフイルム、塩化ビニル系樹
脂フイルム、ガラス等が使用されている。中でも
軟質塩化ビニル系樹脂フイルムは、他の合成樹脂
フイルムに比較して、光線透過性、保温性、機械
的強度、耐久性、作業性、経済性等を総合して最
も優れているので、広く使用されている。 ハウス又はトンネルの被覆資材として使用され
るものに要求される性質は、 長期間にわたつて外側表面が汚れず防塵性に
優れ、良好な光線透過率を維持し、栽培作物の
生育を促進すること。 被覆資材の内側表面に付着した凝縮水を、栽
培作物に落下させることなく、フイルム内面に
沿つて流下させるという「防曇性」に優れ、ハ
ウス又はトンネル内を適度な湿度に維持し、病
気の発生を抑制すること。 等である。 一方、従来の経験からすれば、農業用に使用さ
れる軟質塩化ビニル系樹脂フイルムは、展張使用
される地域、場所等によつて影響をうけるが、使
用を開始して2年間も経過すると、外側表面の防
塵性が著しく定価し、使用に耐えられなくなる。
また、フイルム展張開始から二夏(フタナツ、二
回目の夏のこと)が経過すると、内側表面の防曇
性が低下し、その後の使用は困難となる。 防塵性を改善する方法として、特公昭47−
28740号公報、特公昭50−31195号公報、特開昭56
−99237号公報、特公昭56−99665号公報等に記載
されているように、特定のアクリル系樹脂の被膜
を、基体の塩化ビニル系樹脂フイルムの片面又は
両面に形成する方法がある。さらに、特開昭51−
70282号公報には、紫外線吸収剤を配合した特定
組成のアクリル系樹脂の被膜を、基体のフイルム
表面に形成する手法が記載されている。しかし、
これら手法において基体フイルムに形成される被
膜は、いずれも熱可塑性樹脂を主体としたもので
あるため、特に夏季の外気温が高い時期に、基体
フイルムに配合されている添加剤が被膜を通して
表面に移行し、流し去られ消失してしまうのを、
完全に抑制することは困難であり、フイルムを長
期間屋外で展張して使用するには、未だ問題があ
つた。 そこで、さらに上記欠点を改良するために、特
開昭56−53070号公報、特開昭57−70031号公報、
特開昭57−163568号公報等に記載されているよう
に、塩化ビニル系樹脂フイルムの少なくとも一方
の表面を、カチオン重合系のエネルギー線硬化性
樹脂組成物で被覆する方法が提案されている。し
かし、この方法に従つてカチオン重合系のエネル
ギー線硬化性樹脂組成物として好ましく使用され
るエポキシ系樹脂組成物は、これから形成される
被膜が耐候劣化をうけやすく、充分に所期の目的
を達し得ないという欠点があつた。 また、防曇性を改良するために、通常グリセリ
ンの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステ
ル等、いわゆる防曇剤を基材樹脂に練り込む方法
が採用されているが、農業用フイルムからの防曇
剤のブリードが速く、該フイルムをハウスに展張
後一年も経過すると防曇性の効果が薄れ、防曇持
続性の改良検討が行われている。 「発明が解決しようとする問題点」 本発明者らは、かかる状況にあつて、展張作業
がやり易く、屋外での展張によつて引きおこされ
る変色、脆化、防曇性の低下などの好ましくない
劣化現象が大幅に改善され、耐久性を向上させた
農業用塩化ビニル系樹脂フイルムを提供すること
を目的として、鋭意検討した結果、軟質塩化ビニ
ル系樹脂フイルムの片面にシラン化合物とアクリ
ル系樹脂とからなる防塵被膜組成物を、他面にコ
ロイダルシリカまたはアルミナゾルを主成分とす
る防曇剤組成物を塗布することにより、良好な改
善効果の得られることを見い出し、本発明を完成
するに到つた。 「問題点を解決するための手段」 しかして、本発明の要旨とするところは、軟質
塩化ビニル系樹脂フイルムの片面に、珪素原子に
直結する加水分解性基を有するシラン化合物また
はその加水分解物およびアクリル系樹脂を配合し
た被覆組成物に由来する被膜が形成され、フイル
ムの他の面にコロイダルシリカ及び/又はアルミ
ナゾルとバインダーを主成分とする防曇剤組成物
に由来する被膜が形成されてなることを特徴とす
る農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルムに存す
る。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明において塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩
化ビニルのほか、塩化ビニルが主成分を占める共
重合体を含む。塩化ビニルと共重合しうる単量体
化合物としては、塩化ビニリデン、エチレン、プ
ロピレン、アクリロニトリル、マレイン酸、イタ
コン酸、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル
等があげられる。これら塩化ビニル系樹脂は、乳
化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法
等の従来公知の製造法のうち、いずれの方法によ
つて製造されたものであつてもよい。 本発明に係る農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイ
ルムに、優れた柔軟性と機械的強度を付与するた
めに、基体樹脂100重量部に対して、通常20〜60
重量部程度の可塑剤を配合する。 可塑剤としては、例えば、ジ−n−オクチルフ
タレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、
ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ジドデシルフタレート、ジウンデシルフタレ
ート等のフタル酸誘導体;ジイソオクチルフタレ
ート等のイソフタル酸誘導体;ジ−n−ブチルア
ジペート、ジオクチルアジペート等のアジピン酸
誘導体;ジ−n−ブチルマレート等のマレイン酸
誘導体;トリ−n−ブチルシトレート等のクエン
酸誘導体;モノブチルイタコネート等のイタコン
酸誘導体;ブチルオレエート等のオレイン酸誘導
体;グリセリンモノシノレート等のリシノール酸
誘導体;その他トリクレジルホスフエート、エポ
キシ化大豆油、エポキシ樹脂系可塑剤等があげら
れる。 また、樹脂フイルムに柔軟性を付与するため
に、上述の可塑剤に限られるものではなく、例え
ば熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル等
を使用することもできる。 本発明の農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルム
は、紫外線吸収剤または光安定剤が含有されてい
るのが望ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾ
フエノン系、ベンゾトリアゾール系等各種のもの
が使用でき、また光安定剤としては、次の一般式
[]で表わされるヒンダードアミン系化合物が
適当である。 一般式 (式中、Rは1〜4価のカルボン酸から誘導され
るモノ〜テトラアルシル基、R1〜R4は炭素原子
数1〜4のアルキル基、nは1〜4の整数をそれ
ぞれ示す。) しかして、紫外線吸収剤(A)と光安定剤(B)との塩
化ビニル系樹脂に対する配合割合は、樹脂100重
量部に当り、(A)及び(B)の合計量が0.02〜8重量部
の範囲、特に0.1〜3重量部の範囲にあるのが好
ましい。(A)及び(B)の配合量が8重量部よりも多く
なると、後述する防塵性被膜及び防曇性被膜を通
して噴き出すおそれがある。また(A)と(B)の配合割
合は、農業用フイルムの耐久性を保つため、重量
比で(A)/(B)が15/1〜1/15の範囲、特に8/1
〜1/8の範囲にあるのが好ましい。勿論、本発
明の農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルムには、
必要に応じてその他の樹脂用添加剤、例えば酸化
防止剤、熱安定剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料等
を配合、含有せしめることができる。 本発明の農業用フイルムの基体となる軟質塩化
ビニル系樹脂フイルム(以下基体フイルムとい
う)は、例えば塩化ビニル系樹脂に、必要とする
樹脂用添加剤を添加した樹脂組成物を、リボンブ
レンダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサ
ー等の配合機、混練機で均一にした後、通常のフ
イルムの製造方法、例えばカレンダー成形法、押
出成形法、インフレーシヨンフイルム成形法等を
採用して、0.03〜0.3mm、好ましくは0.075〜0.25
mmの厚さに成形される。 基体フイルムの片面に防塵性被膜を形成する被
覆組成物は珪素原子に直結する加水分解性基を有
するシラン化合物またはその加水分解物とアクリ
ル系樹脂を主成分としたものであり、基体フイル
ムに塗布後、容易に被膜に形成されることが必要
である。 上述のシラン化合物としては例えば、アミノメ
チルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル
アミノメチルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(トリメトキシ
シリルプロピル)−エチレンジアミン、N−(ジメ
トキシメチルシリルプロピル)−エチレンジアミ
ン等のアミノアルキルアルコキシシラン;γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン等の
エポキシアルキルアルコキシシラン;γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプ
トアルキルアルコキシシラン;テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、トリメトキシネオペントキシシラン、ジメ
トキシジネオペントキシシラン等のテトラアルコ
キシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン等のアルキルトリ
アルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン等のジアルキルジアル
コキシシラン;γ−クロロプロピルトリメトキシ
シラン、3,3,3−トリクロロプロピルトリメ
トキシシラン等のハロゲン化アルキルアルコキシ
シラン;メチルトリアセトキシシラン、ジメチル
ジアセトキシシラン等のアルキルアシロキシシラ
ン;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン等
のヒドロシラン化合物;ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−
メトキシエトキシ)シラン、アリルトリエトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシラン等の不飽和
基含有シラン化合物の単量体もしくは重合体があ
げられる。本発明においてはさらにその加水分解
物を用いることができる。加水分解物は、例えば
酸ないしアルカリ触媒存在下、加水分解性基を有
するシラン化合物にアルコール併用系にて水を添
加することによつて得られるものであつて、加水
分解性基を有するシラン化合物に対して当量以上
の水を添加すると完全に加水分解したアルコール
性のシリカゲルないしシリカゾル、シロキサン系
複合物が得られ、当量に満たない水を添加した場
合にはその比率に応じた部分加水分解物が調製さ
れる。又、この部分加水分解物には、完全に加水
分解したシリカゾルが一部含まれていてもかまわ
ない。これら珪素原子に直結する加水分解性基を
有するシラン化合物の中で、特に、テトラアルコ
キシシランの単量体もしくは重合体あるいはその
加水分解物が好ましい。又、上記シラン化合物
は、二種以上を併用しても差支えない。 被覆組成物の一成分であるアクリル系樹脂は、
アクリル酸或いはメタクリル酸のアルキルエステ
ル類(以下これを(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル類と記す。)単量体単独又はこれとアルケ
ニルベンゼン類単量体との混合物、及び共重合し
うるα、β−エチレン性不飽和単量体とを通常の
重合条件に従つて重合させて得られるものであ
る。 (メタ)アクリル酸アルキルエステル類として
は、例えばアクリル酸メチルエステル、アクリル
酸エチルエステル、アクリル酸−n−プロピルエ
ステル、アクリル酸イソプロピルエステル、アク
リル酸−n−ブチルエステル、アクリル酸−2−
エチルヘキシルエステル、アクリル酸デシル、メ
タクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチル
エステル、メタクリル酸−n−プロピルエステ
ル、メタクリル酸イソプロピルエステル、メタク
リル酸−n−ブチルエステル、メタクリル酸−2
−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸デシル
などが挙げられ、一般には、アルキル基の炭素数
が1〜20個のアクリル酸アルキルエステル又はメ
タクリル酸アルキルエステルが使用される。 (メタ)アクリル酸エステル類に混合されるア
ルケニルベンゼン類としては、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げ
られる。アルケニルベンゼン類と(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル類との単量体混合物を用い
る場合いには、α、β−スチレン性不飽和単量体
の使用量によつても異なるが、通常(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類の使用割合を10重量%
以上とするのがよい。 アクリル系樹脂を得るために用いる共重合しう
るその他のα、β−エチレン性不飽和単量体とし
ては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、
イタコン酸等のα、β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸類;エチレンスルホン酸のようなα、β−エ
チレン性不飽和スルホン酸類;2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパン酸;α、β−エチレン性
不飽和ホスホン酸類;アクリロニトリル類;アク
リルアマイド類;アクリル酸又はメタクリル酸の
ヒドロキシアルキルエステル等の水酸基含有ビニ
ル単量体;アクリル酸又はメタクリル酸のアミノ
エステル類;アクリル酸又はメタクリル酸のグリ
シジルエステル類;アクリル酸又はメタクリル酸
塩類などがある。これら単量体は、単独で用いて
も、又は2種以上併用でもよい。 アクリル系樹脂は、これら単量体の2種以上を
所定量組合せて、例えばアルコール類、芳香族炭
化水素類、酢酸エステル類、ケトン類、テトラヒ
ドロフラン等の有機溶媒とともに重合缶に仕込
み、アゾビスイソブチロニトリルやベンゾイルパ
ーオキサイド等の重合開始剤、必要に応じてメル
カプタン等の分子量調節剤を加えて撹拌しつつ加
熱、重合して製造される。 被覆組成物のシラン化合物をアクリル系樹脂の
配合割合は、固形分重量比で前者5〜90対後者95
〜10(両者の合計量を100とする。)の割合がよく、
特に好ましいのは、10〜80対90〜20である。この
範囲内であると、シラン化合物とアクリル系樹脂
との相乗効果が発揮される。前者の配合割合がこ
れより多い場合には、形成された被膜がべたつき
易く、着塵し易くなり、又、耐久性の効果も充分
発揮できない。又、逆に前者の配合割合がこれよ
り少ない場合は、充分な防塵効果が発揮できない
ばかりか、形成される被膜の耐候性への効果が充
分でなく好ましくない。 被覆組成物には上述の必須成分以外に架橋性化
合物、少量の酸ないしアルカリ消泡剤、界面活性
剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、造膜助剤、増粘剤、顔料、顔料分散剤、防カ
ビ剤、防藻剤、無機フイラーなどの各種の添加剤
を混合することができる。 架橋性化合物は、シラン化合物中のシラノール
基、アルコキシ基等の加水分解性基またはアクリ
ル系樹脂と架橋反応を起し、または架橋反応を促
進し、被膜を強靭にしうるものであり、例えばフ
エノール樹脂類、アミノ樹脂類、アミン化合物
類、アジリジン化合物類、エポキシ化合物類、イ
ソシアネート化合物類等が挙げられるが、特にイ
ソシアネート化合物類、アミン化合物類が好適で
ある。 被覆組成物は、通常有機溶媒に分散または溶解
して用いられ、有機溶媒としてはアクリル系樹脂
製造時に使用した有機溶媒と同一のものが使用し
うる。 基体フイルムへの被覆組成物によつて形成され
る被膜の付着量は、乾燥固化後の量として、0.1
g/m2〜10g/m2の範囲とするのが好ましい。
0.1g/m2より少ないと、軟質塩化ビニル系樹脂
フイルム中の可塑剤の表面移行を防止する効果が
不充分である。また、10g/m2以上であると、被
覆量が多過ぎて、経済的に不利となり、フイルム
自体の機械的強度が低下することがある。したが
つて、通常は、0.5g/m2〜5g/m2の範囲が最
も好ましい。 基体フイルムの他の面に防曇性被膜を形成する
防曇剤組成物は、シリカ及び/又はアルミナゾル
を主成分としており、これにシリカまたはアルミ
ナのバインダー成分が混入されている。 コロイダルシリカ及び/又はアルミナゾルは平
均粒子径が5〜100mμの範囲のものが好ましい。
平均粒子径が100mμを超えると塗膜が白く失透
し易くまた、5mμに満たないときは防曇組成物
の安定性に欠けるので好ましくない。これらは、
それぞれ単独で使用してもよいし、両者を組合せ
て使用してもよい。また、単独又は両者を組合せ
て使用する際に平均粒子径の異なる2種以上のも
のを組合せて用いてもよい。両者を組合せるとき
は、重量比でコロイダルシリカ/アルミナゾルが
95〜5/5〜95(全体として100とする)の割合に
するのが好ましい。 アルミナゾルは、通常市販されている製品その
もの、または通常市販されているアルミナ粉末を
水に分散させて水性ゾルとしたもの、いずれであ
つてもよい。アルミナゾルは、高濃度で水に分散
させようとすると、分散液の粘度が急激に高まる
といういわゆるチキソトロピー性を示し、均質な
分散液が得にくいが、コロイドミルの様な媒質剪
断内部撹拌機を用いると、均質な分散液を得るこ
とができる。また、この分散液にコロイダルシリ
カを混合すると、分散液の粘度を降下させること
ができる。 他方のコロイダルシリカは、多くの場合粒子表
面は陰電荷に帯電しているが、アルミナゾルと組
合せて用いるときは陰電荷に帯電しているものを
用いるのは好ましくない。これは、コロイダルシ
リカとアルミナゾルとを混合すると、混合分散液
は急激に凝集し、ゲル化し、分散不良を生起す
る。従つて、コロイダルシリカは、粒子表面に陽
電荷に帯電したものとするのがよい。 防曇剤組成物に配合されるバインダー成分とし
ては、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活
性剤、非イオン系界面活性剤等の界面活性剤また
は熱可塑性樹脂など公知、公用のものが使用され
る。界面活性剤は、コロイダルシリカまたはアル
ミナゾルによつて、その使用種類を変える必要が
ある。例えば、一般に、陰電荷に帯電するシリカ
ゾルと陽イオン系界面活性剤、陽電荷に帯電する
アルミナゾルと陰イオン系界面活性剤との組合せ
は避けるべきである。これらの組合せは、ゾルの
ゲル化や防曇剤組成物の凝集・分離を起こしやす
く、塗布を困難にする。 バインダー成分として使用する熱可塑性樹脂と
しては、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、スチロール系樹
脂、酢酸ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹
脂等が挙げられるが、特にアクリル系樹脂が好適
である。 防曇剤組成物の主成分であるコロイダルシリカ
及び/又はアルミナゾルは、その配合量が固形分
重量比でバインダー成分の0.5〜40倍の範囲にあ
るのが好ましい。40倍を超えるときは、防曇効果
が配合量に比例して向上しないばかりでなく、塗
布後に形成される塗膜が白濁化し光線透過率を低
下させる現象があらわれる。また塗膜が粗雑で脆
弱になり易くなる傾向がある。一方0.5に満たな
いときは、充分な防曇効果を発揮し難くなる。 防曇剤組成物には、バインダー成分同志を架橋
させる架橋性化合物を併用してもよい。こうする
ことにより防曇被膜の耐水性を向上させることが
できる。架橋性化合物としては、前述の防曇用の
被覆組成物に使用される同じものが防曇剤組成物
においても使用することができる。架橋性化合物
の使用量は、バインダー成分の固形分に対し0.1
〜30重量%の範囲、特に0.5〜10重量%の範囲が
好ましい。 また、防曇剤組成物には、必要に応じ上述防塵
用の被覆組成物に用いることのできる消泡剤、滑
剤、帯電防止剤、その他各種の添加剤を混合する
ことができる。 しかして、防曇剤組成物は、通常液状で使用さ
れる。液状分散媒としては、水を含む親和性ない
し水混合性溶媒が含まれ、水;メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール
等の一価アルコール類;エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコ
ール類;ベンジルアルコール等の環式アルコール
類;セロソルブアセテート類;ケトン類等が挙げ
られる。 これらは単独で用いても併用してもよいが、本
発明で用いる防曇剤組成物の分散安定性、フイル
ム表面に塗布した後の濡れ性、液状分散媒除去の
難易、経済性を勘案して決めるのが好ましい。 また、基体フイルムの表面に形成される防曇剤
組成物の被膜は、固形分の付着量として、一般に
0.01〜10g/m2、特に0.1〜5g/m2の範囲であ
るのが好ましい。 基体フイルムの表面に防塵性の被覆組成物及び
防曇性組成物の被膜を形成するには、一般に各組
成物の溶液または分散液をドクターブレードコー
ト法、ロールコート法、デイツプコート法、スプ
レーコート法、ロツドコート法、バーコート法、
ナイフコート法、ハケ塗り法等それ自体公知の塗
布方法を採用し、塗布後乾燥すればよい。塗布後
の乾燥方法は、防塵性の被覆組成物の場合、被膜
の物性上、加熱乾燥する必要があり、加熱温度50
〜150℃の範囲で10秒〜10分の間保持するのが好
ましく、また、防曇剤組成物の場合には自然乾燥
及び強制乾燥のいずれの方法を採用してもよく、
強制乾燥方法を採用する場合、通常50〜250℃、
好ましくは70〜200℃の温度範囲で乾燥すればよ
い。加熱乾燥には、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、
遠赤外線乾燥法等適宜方法を採用すればよく、乾
燥速度、安全性を勘案すれば熱風乾燥法を採用す
るのが有利である。 なお、防塵性の被覆組成物は、それを溶液状と
せず、組成物自体を、基体フイルムと共押出しを
するか、または基体フイルムへの押出コーテイン
グ、押出ラミネート等で被膜に形成することもで
きる。 被覆組成物及び防曇剤組成物による被膜の基体
フイルム表面への形成順序は、加熱条件等を考慮
して定められる。 また、基体フイルムと両組成物に由来する被膜
との接着性が充分でない場合には、基体フイルム
の表面を予めアルコールまたは水で洗浄したり、
プラズマ放電処理、あるいはコロナ放電処理した
り、他の塗料あるいはプライマーを下塗りする等
の前処理を施しておいてもよい。 「発明の効果」 本発明は、次のように特別に顕著な効果を奏
し、その産業上の利用価値は、極めて大である。 (1) 本発明に係る農業用軟質塩化ビニル系樹脂フ
イルムは、フイルム両表面に被膜が形成されて
いるので、フイルムに添加されている可塑剤、
各種樹脂添加物のフイルム表面への移行をおさ
えることができる。従つて、フイルムの柔軟性
を長期にわたつて維持することができ、かつ、
フイルム表面(特にハウス又はトンネルとした
ときの外側となる面)への塵の付着は少なく、
防塵効果は、3年間以上もの長期間にわたつて
持続する。 (2) 本発明に係る農業用軟質塩化ビニル系樹脂フ
イルムは、フイルムの一方の表面に防曇剤組成
物に由来する被膜が形成されており、該フイル
ムを防曇組成物の被膜がハウス等の内側になる
ように展張したとき、水滴の付着を抑制する機
能を果し、防曇効果は長期間にわたつて持続す
る。 (3) 本発明に係る農業用軟質塩化ビニル系樹脂フ
イルムは、可塑剤のフイルム表面への移行が押
えられているので、柔軟性の低下が少なく、耐
久性が優れ、フイルム張替え頻度が減少し、廃
農ビフイルムの問題が軽減され、省資源とな
り、農園芸ハウスを設置する際のコストが低減
される。 「実施例」 次に、本発明を実施例にもとづいて詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の例に限定されるものではない。 実施例1〜6、比較例1〜6 (1) 基体フイルムの調製 ポリ塩化ビニル(=1400) 100重量部 ジオクチルフタレート 50 〃 トリクレジルフオスフエート 5 〃 エポキシ化大豆油 1 〃 Ba/Zn系複合安定剤 1.5 〃 ステアリン酸バリウム 0.2 〃 ステアリン酸亜鉛 0.4 〃 ソルビタンモノラウレート 1.5 〃 2,4−ジヒドロキシベンゾフエノン
0.6 〃 ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート 0.4 〃 上記の配合物を、スーパーミキサーで10分間
撹拌混合したのち、180℃に加温したミルロー
ル上で混練し、厚さ0.15mmの基体フイルムを調
製した。 (2) アクリル系樹脂の調製 製造例 1〜4 温度計、撹拌機、還流冷却器および原材料添
加用ノズルを備えた反応器に、イソプロピルア
ルコール100重量部、過酸化ベンゾイル1.0重量
部及び第1表に示した各単量体の混合物100重
量部を仕込み、窒素ガス気流中で撹拌しつつ、
80℃で3時間更に過酸化ベンゾイルを0.5重量
部添加して反応を約3時間、同温度で継続して
アクリル系樹脂A〜Dを得た。
【表】
【表】
(3) 被覆組成物の被膜の形成
第2表に示した種類及び量のシラン化合物、
アクリル系樹脂及び架橋性化合物を配合し、こ
れに固形分が20重量%となるようにイソプロピ
ルアルコールを加え、被覆組成物を得た。ただ
し、比較例1にあつてはシラン化合物を配合し
なかつた。又、比較例2にあつてはアクリル系
樹脂を配合しなかつた。 前記(1)の方法で調製した基体フイルムの片面
に、被覆組成物を、#5バーコーターを用い
て、各々塗布した。塗布したフイルムを130℃
のオーブン中に3分間保持して、溶剤を揮散さ
せると同時に、熱処理を行つた。得られた各フ
イルムの被膜の量は約2g/m2であつた。 (4) 防曇剤組成物の被膜の形成 第2表に示した主成分(コロイダルシリカ及
び/又はアルミナゾル)とバインダー成分と架
橋剤及び液状分散媒とを配合して防曇剤組成物
を得た。ただし、比較例3にあつては主成分を
配合しなかつた。又、比較例4にあつてはバイ
ンダー成分を配合しなかつた。 防塵性の被膜を形成した基体フイルムのもう
一方の面に、上記防曇剤組成物を#5バーコー
ターを用いて、各々塗布した。塗布したフイル
ムを80℃のオーブン中に1分間保持して液状分
散媒を揮散させた。得られた各フイルムの被膜
の量は約1g/cm2であつた。 なお、比較例5にあつてはフイルムに被覆組
成物に由来する被膜及び防曇剤組成物に由来す
る被膜を形成しなかつた。
アクリル系樹脂及び架橋性化合物を配合し、こ
れに固形分が20重量%となるようにイソプロピ
ルアルコールを加え、被覆組成物を得た。ただ
し、比較例1にあつてはシラン化合物を配合し
なかつた。又、比較例2にあつてはアクリル系
樹脂を配合しなかつた。 前記(1)の方法で調製した基体フイルムの片面
に、被覆組成物を、#5バーコーターを用い
て、各々塗布した。塗布したフイルムを130℃
のオーブン中に3分間保持して、溶剤を揮散さ
せると同時に、熱処理を行つた。得られた各フ
イルムの被膜の量は約2g/m2であつた。 (4) 防曇剤組成物の被膜の形成 第2表に示した主成分(コロイダルシリカ及
び/又はアルミナゾル)とバインダー成分と架
橋剤及び液状分散媒とを配合して防曇剤組成物
を得た。ただし、比較例3にあつては主成分を
配合しなかつた。又、比較例4にあつてはバイ
ンダー成分を配合しなかつた。 防塵性の被膜を形成した基体フイルムのもう
一方の面に、上記防曇剤組成物を#5バーコー
ターを用いて、各々塗布した。塗布したフイル
ムを80℃のオーブン中に1分間保持して液状分
散媒を揮散させた。得られた各フイルムの被膜
の量は約1g/cm2であつた。 なお、比較例5にあつてはフイルムに被覆組
成物に由来する被膜及び防曇剤組成物に由来す
る被膜を形成しなかつた。
【表】
【表】
第2表中の防曇剤組成物
〈主成分〉
OSCAL−1432は触媒化成工業(株)製の溶剤分散
型のコロイダルシリカである。 カタロイドSI−80PとカタロイドSI−30は触媒
化成工業(株)製の水分散型コロイダルシリカであ
る。 アルミナゾル−520は日産化学工業(株)製の水分
散型のアルミナゾルである。 〈バインダー成分〉 ダイヤナールBR−101は三菱レイヨン(株)製の
熱可塑性アクリルレジンである。 カラクリルレジンH−300は日本化薬工業(株)製
のアクリルエマルジヨンである。 メトローズ65SH50は信越化学工業(株)製の水溶
性セルロースエーテルである。 〈架橋剤〉 エピクロン860は大日本インキ化学工業(株)製の
ビスフエノールAタイプエポキシ化合物を有効成
分とする架橋剤である。 T.A.Z.Mは前記のアジリジン系化合物である。 (5) フイルムの評価 以下の方法により農業用軟質塩化ビニル系樹
脂フイルムの性能を評価し、その結果を第3表
に示した。 防塵性 12種類のフイルムを、三重県一志郡の試験
圃場に設置したパイプハウス(間口3m、奥
行き5m、棟高1.5m、屋根勾配30度)に、
被覆組成物の被膜を外側にして被覆した。展
張中のフイルムを、経時的に回収し、波長
555ミリミクロンでの光線透過率を、分光光
度計(日立製作所製、EPS−2U型)によつ
て測定した。測定結果の表示は、次のとおり
とした。 ◎…光線透過率が80%以上のもの。 ○…光線透過率が65〜79%の範囲のもの。 △…光線透過率が45〜64%の範囲のもの。 ×…光線透過率が45%未満のもの。 防塵性 12種類の展張中のフイルムの防曇剤組成物
の被膜の形成された面に、水滴の付着する状
況を、経時的に肉眼で観察した。評価基準
は、次のとおりである。 ◎…フイルム表面(ハウス内側に面した方)
に付着した水滴同士が合体して薄膜状に広が
り、この薄膜状部分の面積がフイルム表面
(同上)の1/2以上にわたるもの。 ○…フイルム表面(同上)に付着した水滴同
士が合体して薄膜状に広がつた状態は認めら
れるが、この薄膜状部分の面積がフイルム表
面(同上)の1/2未満のもの。 △…フイルム表面(同上)に付着した水滴同
士の合体は認められるが、薄膜状部分の形状
が認められないもの。 ×…フイルム表面(同上)に付着した水滴同
士の合体が認められないもの。 耐久性 展張中のフイルムを経時的に回収し、伸度
を測定し、次式により伸度保持率を算出し
た。 屋外展張後のフイルムの伸度/屋外展張前のフイルム
の伸度×100(%) 結果の表示は、次のとおりとした。 ◎…伸度保持率が80%以上のもの。 ○…伸度保持率が60〜79%の範囲のもの。 △…伸度保持率が40〜59%の範囲のもの。 ×…伸度保持率が40%未満のもの。
型のコロイダルシリカである。 カタロイドSI−80PとカタロイドSI−30は触媒
化成工業(株)製の水分散型コロイダルシリカであ
る。 アルミナゾル−520は日産化学工業(株)製の水分
散型のアルミナゾルである。 〈バインダー成分〉 ダイヤナールBR−101は三菱レイヨン(株)製の
熱可塑性アクリルレジンである。 カラクリルレジンH−300は日本化薬工業(株)製
のアクリルエマルジヨンである。 メトローズ65SH50は信越化学工業(株)製の水溶
性セルロースエーテルである。 〈架橋剤〉 エピクロン860は大日本インキ化学工業(株)製の
ビスフエノールAタイプエポキシ化合物を有効成
分とする架橋剤である。 T.A.Z.Mは前記のアジリジン系化合物である。 (5) フイルムの評価 以下の方法により農業用軟質塩化ビニル系樹
脂フイルムの性能を評価し、その結果を第3表
に示した。 防塵性 12種類のフイルムを、三重県一志郡の試験
圃場に設置したパイプハウス(間口3m、奥
行き5m、棟高1.5m、屋根勾配30度)に、
被覆組成物の被膜を外側にして被覆した。展
張中のフイルムを、経時的に回収し、波長
555ミリミクロンでの光線透過率を、分光光
度計(日立製作所製、EPS−2U型)によつ
て測定した。測定結果の表示は、次のとおり
とした。 ◎…光線透過率が80%以上のもの。 ○…光線透過率が65〜79%の範囲のもの。 △…光線透過率が45〜64%の範囲のもの。 ×…光線透過率が45%未満のもの。 防塵性 12種類の展張中のフイルムの防曇剤組成物
の被膜の形成された面に、水滴の付着する状
況を、経時的に肉眼で観察した。評価基準
は、次のとおりである。 ◎…フイルム表面(ハウス内側に面した方)
に付着した水滴同士が合体して薄膜状に広が
り、この薄膜状部分の面積がフイルム表面
(同上)の1/2以上にわたるもの。 ○…フイルム表面(同上)に付着した水滴同
士が合体して薄膜状に広がつた状態は認めら
れるが、この薄膜状部分の面積がフイルム表
面(同上)の1/2未満のもの。 △…フイルム表面(同上)に付着した水滴同
士の合体は認められるが、薄膜状部分の形状
が認められないもの。 ×…フイルム表面(同上)に付着した水滴同
士の合体が認められないもの。 耐久性 展張中のフイルムを経時的に回収し、伸度
を測定し、次式により伸度保持率を算出し
た。 屋外展張後のフイルムの伸度/屋外展張前のフイルム
の伸度×100(%) 結果の表示は、次のとおりとした。 ◎…伸度保持率が80%以上のもの。 ○…伸度保持率が60〜79%の範囲のもの。 △…伸度保持率が40〜59%の範囲のもの。 ×…伸度保持率が40%未満のもの。
【表】
【表】
第3表より、次のことが明らかとなる。
(1) 比較例1、比較例2及び比較例6は、防曇性
の点では良好であるが、防塵性が劣り、また、
経時的に防塵性の被膜を通して可塑剤等の樹脂
用添加物がブリード・アウトするためか、フイ
ルムの柔軟性が劣り結果として耐久性の劣つた
ものとなつている。 (2) 比較例3及び比較例4は、ハウス外面への塵
埃の付着はなく、肉眼観察での防塵性は優れて
いるが、防曇性被膜の付着性が劣るため、被膜
自体が流去され、また、経時的に可塑剤等の樹
脂用添加物がブリード・アウトして流去されて
しまうため、防曇性被膜形成されたハウス内面
に汚れが付着し、光線透過光で測定した防塵性
の値を劣つたものにしている。さらに、前記(1)
と同様、フイルムに柔軟性が劣り、耐久性が悪
くなつている。 (3) これに反し、本発明の農業用軟質塩化ビニル
系樹脂フイルムは、その内、外面にそれぞれ防
曇性被膜及び防塵性被膜が形成され、可塑剤等
の樹脂用添加物の経時的ブリード・アウトが少
なく、長期間使用しても優れた防曇性、防塵性
を有しかつ耐久性にも優れており、農業用フイ
ルムとして最適な構造となつている。
の点では良好であるが、防塵性が劣り、また、
経時的に防塵性の被膜を通して可塑剤等の樹脂
用添加物がブリード・アウトするためか、フイ
ルムの柔軟性が劣り結果として耐久性の劣つた
ものとなつている。 (2) 比較例3及び比較例4は、ハウス外面への塵
埃の付着はなく、肉眼観察での防塵性は優れて
いるが、防曇性被膜の付着性が劣るため、被膜
自体が流去され、また、経時的に可塑剤等の樹
脂用添加物がブリード・アウトして流去されて
しまうため、防曇性被膜形成されたハウス内面
に汚れが付着し、光線透過光で測定した防塵性
の値を劣つたものにしている。さらに、前記(1)
と同様、フイルムに柔軟性が劣り、耐久性が悪
くなつている。 (3) これに反し、本発明の農業用軟質塩化ビニル
系樹脂フイルムは、その内、外面にそれぞれ防
曇性被膜及び防塵性被膜が形成され、可塑剤等
の樹脂用添加物の経時的ブリード・アウトが少
なく、長期間使用しても優れた防曇性、防塵性
を有しかつ耐久性にも優れており、農業用フイ
ルムとして最適な構造となつている。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの片面に、珪
素原子に直結する加水分解性基を有するシラン化
合物またはその加水分解物およびアクリル系樹脂
を配合した被覆組成物に由来する被膜が形成さ
れ、フイルムの他の面にコロイダルシリカ及び/
又はアルミナゾルとバインダーを主成分とする防
曇剤組成物に由来する被膜が形成されてなること
を特徴とする農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイル
ム。 2 バインダー成分がアクリル系樹脂である特許
請求の範囲第1項記載の農業用軟質塩化ビニル系
樹脂フイルム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26760188A JPH02113939A (ja) | 1988-10-24 | 1988-10-24 | 農業用軟質塩化ビニル系樹脂フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26760188A JPH02113939A (ja) | 1988-10-24 | 1988-10-24 | 農業用軟質塩化ビニル系樹脂フィルム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02113939A JPH02113939A (ja) | 1990-04-26 |
| JPH0460825B2 true JPH0460825B2 (ja) | 1992-09-29 |
Family
ID=17446997
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26760188A Granted JPH02113939A (ja) | 1988-10-24 | 1988-10-24 | 農業用軟質塩化ビニル系樹脂フィルム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH02113939A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2810340B2 (ja) * | 1995-10-12 | 1998-10-15 | 株式会社大隅芝園 | 植物栽培用ブロック |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57119974A (en) * | 1981-01-20 | 1982-07-26 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | Anti-fogging agent composition |
| JPS61239A (ja) * | 1984-06-13 | 1986-01-06 | Mitsubishi Kasei Vinyl Co | 耐久性の優れた農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルム |
| JPS6178806A (ja) * | 1984-09-25 | 1986-04-22 | Chisso Corp | 被覆用熱硬化性アクリル樹脂組成物の製造法 |
| JPS62283135A (ja) * | 1986-02-18 | 1987-12-09 | Mitsubishi Kasei Vinyl Co | 農業用塩化ビニル系樹脂フイルム |
-
1988
- 1988-10-24 JP JP26760188A patent/JPH02113939A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02113939A (ja) | 1990-04-26 |
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Legal Events
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