JPH0464932B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0464932B2 JPH0464932B2 JP60063768A JP6376885A JPH0464932B2 JP H0464932 B2 JPH0464932 B2 JP H0464932B2 JP 60063768 A JP60063768 A JP 60063768A JP 6376885 A JP6376885 A JP 6376885A JP H0464932 B2 JPH0464932 B2 JP H0464932B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tin
- layer
- welded
- plating
- amount
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Rigid Containers With Two Or More Constituent Elements (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は錫メツキを有する表面処理鋼板を素材
とし、少なくとも缶胴内面側に塗膜を有する溶接
缶体に関する。 〔従来の技術及びその問題点〕 近年、食缶或いは飲料缶として溶接缶が用いら
れるようになつてきている。この溶接缶用素材と
しては錫メツキ鋼板(ブリキ材)やテインフリー
鋼板が用いられているが、このうち錫メツキ鋼板
としては、従来半田缶に用いられていたものを使
用するのが一般的であり、その錫メツキ量は半田
缶としての所謂半田性を保持する必要から2.8
g/m2以上のものであつた。しかし近時、資源上
の理由から錫価格が上昇する傾向にあり、また特
に溶接缶では溶接性を確保する上で半田缶ほどの
錫メツキ付着量を必要としないことから、錫メツ
キ量の少ない錫メツキ鋼板を溶接缶の素材として
用いる研究が盛んに進められている。しかしなが
ら、溶接缶にあつても、錫メツキ量を低減させて
いくと溶接性及び耐食性が劣化することは避けら
れず、このような問題から、従来メツキ付着量を
低減させたとしてもせいぜい1.8/m2程度の付着
量が限度であるとされていた。すなわち、錫メツ
キ鋼板において溶接性を確保するためには、少な
くともある程度以上の純錫の存在が必要とされる
が、缶素材の場合、溶接前に行われる塗装焼付工
程において錫と鉄との合金化が進み、錫鉄合金層
が増加し錫量が減少する。このような錫鉄合金層
は錫そのものよりも融点が高いため溶接性を低下
させるものであり、このため錫メツキ付着量を低
減させて薄メツキ化を図つた場合、錫メツキ量に
対する錫鉄合金層の割合が高くなり、特に極薄錫
メツキの場合には錫の全量が合金化してしまう程
にもなり、溶接性が著しく悪化することになる。 またこのような錫の薄メツキ化は塗膜の密着性
を害し、この結果耐食性にも悪影響を与えてしま
う。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明らはこのような従来の問題点を解決すべ
く、錫メツキ層を有する溶接缶体の被膜構造につ
いて種々検討を重ねたものであり、この結果、合
金化されていない純錫からなる錫層の付着構造そ
のものを特定すること、具体的には上記錫層を鋼
板面に対し不連続的に分布せしめることにより、
溶接性は錫メツキ量の低減によつて低下するどこ
ろか、むしろ改善されること、さらにはかかる錫
層を含めた特定の被膜構造を採ることにより錫メ
ツキ量の低減にかかわらず優れた耐食性が得られ
ることを見い出した。本発明はこのような知見に
基づき、缶体の錫層の特定及びこれと錫メツキ上
の後処理被膜との組み合せによる被膜構造を採る
ことにより、極薄錫メツキでありながら、耐食性
とともに優れた溶接性が確保される溶接缶体を提
供するものである。 このため本発明は少なくとも缶胴部内面側とな
るべき表面処理鋼板面に対し、その両側端縁部を
除いた部分に塗膜を形成し、該塗装缶材の両側端
縁部を重ね合せ加圧シーム溶接することにより缶
胴部を形成してなる溶接缶体において、缶胴部を
形成する表面処理鋼板を、基体鋼板上に少なくと
も錫鉄合金層、錫層及び付着量2〜20mg/m2の金
属クロムとクロム換算で付着量3〜20mg/m2の酸
化クロムとからなるクロム・クロメート被膜をこ
の順序で有し、溶接部を除く部分の錫層が錫付着
量50mg/m2以上で且つ鋼板表面の10〜60%の範囲
に不連続状に分布するよう構成せしめたものであ
る。 このような本発明は、鋼板の錫層、つまり合金
化せず残留した錫を50mg/m2以上確保しておき、
且つ該錫層を鋼板全面を覆うのではなくその10〜
60%の範囲に不連続状(島状若しくはまだら状)
に分布した状態で溶接を行うことにより製造され
るものであり、これによつて全体としての錫メツ
キ付着量を少なく抑えつつ極めて優れた溶接性が
得られる。 従来のメツキ技術では、錫メツキに限らず総て
メツキ均一性の確保が常識とされ、またこの均一
性確保のために様々な研究がなされてきた。そし
て、従来ブリキ材についてその薄メツキ化の限界
を論じる場合も、薄メツキ化によりメツキ被膜の
均一性が確保できるか否かという面が問題とされ
るだけであつた。このような従来の技術常識に対
し本発明者らは、錫メツキ量自体の付着量を減じ
ても、塗膜形成後溶接前の段階で所定量以上の錫
(遊離錫)を残留せしめ、且つこの錫を鋼板表面
に対し所定の分布割合で不連続状に形成しておく
ことにより、その後の溶接における溶接性が、錫
メツキ量の低減にかかわらず従来の通常のメツキ
付着量を有するブリキ材に較べてさえ大きく改善
されるという事実を見い出した。このような溶接
性改善の理由としては次のような点が考えられ
る。 すなわち、溶接性を評価する基準の1つとして
溶接有効電流範囲(以下ACRと称す)の広狭が
あるが、本発明ではこのACRを広く取り得るこ
とがまず第1の理由としてあげられる。錫メツキ
鋼板を溶接する場合、溶接強度を確保する上では
ある程度大きな溶接電流を流すことが必要となる
が、逆に溶接電流が大きくなるとスプラツシユを
生じ缶体品質を低下させることになり、スプラツ
シユを生ずることなく、しかも所定の溶接強度に
溶接し得る溶接電流の範囲が上記ACRとなる。
この点本発明では、錫が鋼板表面に対し所定の分
布割合で島状に不連続分布しているため、溶接時
溶融して接触抵抗を下げ、通常のブリキ並みの比
較的大きな溶接電流で溶接してもスプラツシユの
発生が抑えられ、このためACRを良好に確保す
ることができるものと考えられる。 第2に、溶接部におけるクラツク発生の防止作
用をあげることができる。溶接前の塗装缶材は溶
接部となる両側縁端部については塗装されない
が、現実には塗料のヒユームが付着することが避
けられない。そして、従来の塗装缶体において
は、錫メツキ量が多いことによつて板と板の接触
抵抗が小さくなるため、所定の発熱状態とこれに
よる溶接強度を得るには大きな電流を必要とする
が、板と径の小さい胴ローラとの間には必然的に
大きな電流が流れ、その表面にクラツクが発生す
るものと考えられる。すなわちそのような大電流
によつて溶接による缶材の溶融に欠陥を生じ、こ
れが溶接部のクラツクとして現われるという問題
であつた。この点本発明では、錫のメツキ付着量
を低減且つ島状に分布させるため、板と板との接
触抵抗がやや高くなり、所定の溶接発熱を得るた
めには前記ブリキより小さい電流で済み、この結
果溶接表面のクラツク発生が適切に抑えられる。 錫メツキ付着量の低減、とりわけ、本発明のよ
うな錫層を不連続分布させる被膜構造では、その
錫層だけを従来の錫メツキ鋼板と比較した場合耐
食性がある程度劣ることは避けられないが、本発
明者等の研究によりこのような耐食性の問題は錫
層上に所定のクロム・クロメート被膜を形成させ
ることにより解消できることが判つた。そこで本
発明では、錫層上に所定範囲量の金属クロムと酸
化クロムからなるクロム・クロメート被膜を形成
させた被膜構造とするものである。加えて、本発
明では錫層を鋼板全面ではなく部分的に分布させ
るものであるためめ、耐サルフアステン性につい
ても従来のブリキ材に較べ優れた特性が得られる
ものである。 以下本発明を詳細に説明する。 本発明は、缶胴部内面に相当する面側において
下層側から少なくと錫鉄合金層、錫層及びクロ
ム・クロメート被膜を有し、且つその上に塗膜が
形成された構成を有する。第1図はかかる本発明
缶体の非溶接部における被膜構造を示すももの
で、1は基体鋼板、2は錫鉄合金層、3は錫層、
4はクロム・クロメート被膜、5は塗膜である。 前記錫層3は、その錫量が50mg/m2以上必要で
あり、これを下回ると十分な溶接性が確保できな
くなる。さらにこの錫層3は鋼板表面に対し不連
続状に分布させる必要があるが、その分布割合、
すなわち鋼板面積に対して占める割合は10〜60%
のの範囲に規制される。この分布割合が60%を超
えると溶接時にスプラツシユが発生し易くなつて
溶接性を悪化させ、また錫量も必然的に多くなる
ため好ましくない。一方、10%未満では上述した
錫量50mg/m2以上を確保することが難しく、この
ため下限は10%とされる。錫層は鋼板の加熱によ
りその一部が合金化するものであり、したがつて
鋼板の加熱を伴う塗装工程前の段階、すなわち単
なる表面処理鋼板としての状態では塗装缶材とは
異つた錫量を有することは言うまでもない。この
ため、本発明の缶体を製造するためには、目標と
する塗装缶材の錫量と塗装時における錫の合金化
量とに応じ、塗装前段階での錫量を確保しておく
必要がある。 前記クロム・クロメート被膜4はこれを構成す
る金属クロムが付着量2〜20mg/m2、酸化クロム
がクロム換算で3〜20mg/m2の範囲に規制され
る。このクロム・クロメート被膜4は耐食性に有
効であるが、付着量が多過ぎると溶接性が劣化す
る難点があり、このため上記のような上限を設け
る必要がある。また上記下限を下回ると耐食性に
問題を生じる。 また、基体鋼板面には下地層を設けることがで
き、これにより耐食性の向上を図ることができ
る。この下地層としてはニツケルを含有する層が
耐食性を確保する上で特に好ましく、この場合に
はニツケル量が5〜200mg/m2のニツケル含有層
としては、基体鋼板面上に設けられニツケルメツ
キ層、該ニツケルメツキを焼鈍拡散処理してその
一部または全部を基体鋼板中に拡散させることに
より形成されたニツケル含有層、さらには基体鋼
板面上に設けられるニツケル−鉄合金メツキ層等
がある。第1図の6はニツケルメツキ後拡散処理
により鋼板中に形成されたニツケル含有層を示し
ている。なお、上記錫鉄合金層2はその下部が必
然的にニツケルを含む合金層となつている。 本発明缶体の素材たる塗装缶材は、所定の被膜
構造を有する表面処理鋼板の少なくとも缶胴部内
面側となるべき鋼板面に前記塗膜5を形成するこ
とによつて作られる。この塗膜5は溶接部となる
べき鋼板両側端縁部については形成されない。 この塗膜5は缶体を食缶、飲料缶として用いる
場合、缶に充填する内容物から缶材を保護し、ま
た缶材の溶出に起因する内容物の変色、フレーバ
ー低下を防止するものであり、錫メツキ付着量の
低減化を図る本発明では塗膜成分について配慮す
ることが好ましい。この塗料としては、熱硬化型
エポキシフエノール樹脂塗料が適しており、特に
ビスフエノールAから形成されたレゾール型フエ
ノール樹脂を65重量%以上含有するフエノール樹
脂と、数平均分子量1400〜7000のビスフエノール
A型エポキシ樹脂を50/50〜5/95重量比で含有
する熱硬化型エポキシフエノール樹脂系塗料を好
適例としてあげることができ、このような塗料を
塗布して膜厚2〜10μの樹脂塗膜を形成させるよ
うにすることが好ましい。 塗装缶材は缶胴ブランクサイズに栽断された
後、丸められてその両側端縁部が重ね合わされ、
その部分を溶接機により加圧シーム溶接すること
により缶胴が製造される。そして最終製品として
の缶体は、さらに溶接接合部の鉄面露出部及びそ
の近傍を被覆補正した後缶胴端にフランジ加工を
施し、その一端に蓋を巻締し、さらに必要に応じ
て缶体内面に対して補正塗装を施す等により得ら
れる。 なお、上述したような被膜構造、とりわけ鋼板
表面に対し不連続状に分布する錫層は、元になる
表面処理鋼板の被膜構造に由来するものであり、
上記不連続状(島状)の錫層を得るための方法と
しては、錫メツキ時に錫を鋼板(または下地層)
に対し不均一に付着させる方法、錫メツキ後のリ
フロー工程を特定の条件で行う方法。或いはこの
両方法を組み合せて用いる方法等が考えられる。
上記中錫メツキを均一に付着させる方法として
は、電気メツキの電流密度が過大または過小なメ
ツキ工程を、一連のメツキ工程中の一部に取り入
れて行う方法があり、またリフロー工程で行う方
法としては、通常行われているクラツクス液中へ
の鋼板の浸漬を止めリフローにより錫を不均一状
態に溶融せしめるようにする等の方法がある。 〔実施例〕 第1表に示される製造条件の下に本発明例及び
比較例たる溶接缶体を製造し、その溶接性及び缶
の耐食性について調べた。その結果を第1表に合
せて示す。なお、各特性試験の試験条件について
は第1表の注に記載した通りである。 なお、第1表中の塗料(イ)及び(ロ)は次のような内
容のものである。 ●塗料(イ) P−クレゾール75部とm−クレゾール25部の
混合フエノールにアンモニア触媒の存在下でホ
ルムアルデヒドを反応せしめて得られるレゾー
ル型フエノール樹脂15部と数平均分子量約3000
のビスフエノールA型エポキシ樹脂85部とをア
ルコール系、ケトン系、エステル系または芳香
族系有機溶剤からなる混合溶剤に溶解せしめて
得られる固形分30%、粘度(Fc4# ,25℃)40
秒のエポキシ・フエノール樹脂系塗料 ●塗料(ロ) ビスフエノールAにアンモニア触媒の存在下
でホルムアルデヒドを反応せしめて得られるレ
ゾール型フエノール樹脂20部と数平均分子量約
3410のビスフエノールA型エポキシ樹脂80部と
を混合溶剤に溶解せしめて得られる固形分29
%、粘度(Fc4# ,25℃)40秒の熱硬化型エポ
キシフエノール系塗料
とし、少なくとも缶胴内面側に塗膜を有する溶接
缶体に関する。 〔従来の技術及びその問題点〕 近年、食缶或いは飲料缶として溶接缶が用いら
れるようになつてきている。この溶接缶用素材と
しては錫メツキ鋼板(ブリキ材)やテインフリー
鋼板が用いられているが、このうち錫メツキ鋼板
としては、従来半田缶に用いられていたものを使
用するのが一般的であり、その錫メツキ量は半田
缶としての所謂半田性を保持する必要から2.8
g/m2以上のものであつた。しかし近時、資源上
の理由から錫価格が上昇する傾向にあり、また特
に溶接缶では溶接性を確保する上で半田缶ほどの
錫メツキ付着量を必要としないことから、錫メツ
キ量の少ない錫メツキ鋼板を溶接缶の素材として
用いる研究が盛んに進められている。しかしなが
ら、溶接缶にあつても、錫メツキ量を低減させて
いくと溶接性及び耐食性が劣化することは避けら
れず、このような問題から、従来メツキ付着量を
低減させたとしてもせいぜい1.8/m2程度の付着
量が限度であるとされていた。すなわち、錫メツ
キ鋼板において溶接性を確保するためには、少な
くともある程度以上の純錫の存在が必要とされる
が、缶素材の場合、溶接前に行われる塗装焼付工
程において錫と鉄との合金化が進み、錫鉄合金層
が増加し錫量が減少する。このような錫鉄合金層
は錫そのものよりも融点が高いため溶接性を低下
させるものであり、このため錫メツキ付着量を低
減させて薄メツキ化を図つた場合、錫メツキ量に
対する錫鉄合金層の割合が高くなり、特に極薄錫
メツキの場合には錫の全量が合金化してしまう程
にもなり、溶接性が著しく悪化することになる。 またこのような錫の薄メツキ化は塗膜の密着性
を害し、この結果耐食性にも悪影響を与えてしま
う。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明らはこのような従来の問題点を解決すべ
く、錫メツキ層を有する溶接缶体の被膜構造につ
いて種々検討を重ねたものであり、この結果、合
金化されていない純錫からなる錫層の付着構造そ
のものを特定すること、具体的には上記錫層を鋼
板面に対し不連続的に分布せしめることにより、
溶接性は錫メツキ量の低減によつて低下するどこ
ろか、むしろ改善されること、さらにはかかる錫
層を含めた特定の被膜構造を採ることにより錫メ
ツキ量の低減にかかわらず優れた耐食性が得られ
ることを見い出した。本発明はこのような知見に
基づき、缶体の錫層の特定及びこれと錫メツキ上
の後処理被膜との組み合せによる被膜構造を採る
ことにより、極薄錫メツキでありながら、耐食性
とともに優れた溶接性が確保される溶接缶体を提
供するものである。 このため本発明は少なくとも缶胴部内面側とな
るべき表面処理鋼板面に対し、その両側端縁部を
除いた部分に塗膜を形成し、該塗装缶材の両側端
縁部を重ね合せ加圧シーム溶接することにより缶
胴部を形成してなる溶接缶体において、缶胴部を
形成する表面処理鋼板を、基体鋼板上に少なくと
も錫鉄合金層、錫層及び付着量2〜20mg/m2の金
属クロムとクロム換算で付着量3〜20mg/m2の酸
化クロムとからなるクロム・クロメート被膜をこ
の順序で有し、溶接部を除く部分の錫層が錫付着
量50mg/m2以上で且つ鋼板表面の10〜60%の範囲
に不連続状に分布するよう構成せしめたものであ
る。 このような本発明は、鋼板の錫層、つまり合金
化せず残留した錫を50mg/m2以上確保しておき、
且つ該錫層を鋼板全面を覆うのではなくその10〜
60%の範囲に不連続状(島状若しくはまだら状)
に分布した状態で溶接を行うことにより製造され
るものであり、これによつて全体としての錫メツ
キ付着量を少なく抑えつつ極めて優れた溶接性が
得られる。 従来のメツキ技術では、錫メツキに限らず総て
メツキ均一性の確保が常識とされ、またこの均一
性確保のために様々な研究がなされてきた。そし
て、従来ブリキ材についてその薄メツキ化の限界
を論じる場合も、薄メツキ化によりメツキ被膜の
均一性が確保できるか否かという面が問題とされ
るだけであつた。このような従来の技術常識に対
し本発明者らは、錫メツキ量自体の付着量を減じ
ても、塗膜形成後溶接前の段階で所定量以上の錫
(遊離錫)を残留せしめ、且つこの錫を鋼板表面
に対し所定の分布割合で不連続状に形成しておく
ことにより、その後の溶接における溶接性が、錫
メツキ量の低減にかかわらず従来の通常のメツキ
付着量を有するブリキ材に較べてさえ大きく改善
されるという事実を見い出した。このような溶接
性改善の理由としては次のような点が考えられ
る。 すなわち、溶接性を評価する基準の1つとして
溶接有効電流範囲(以下ACRと称す)の広狭が
あるが、本発明ではこのACRを広く取り得るこ
とがまず第1の理由としてあげられる。錫メツキ
鋼板を溶接する場合、溶接強度を確保する上では
ある程度大きな溶接電流を流すことが必要となる
が、逆に溶接電流が大きくなるとスプラツシユを
生じ缶体品質を低下させることになり、スプラツ
シユを生ずることなく、しかも所定の溶接強度に
溶接し得る溶接電流の範囲が上記ACRとなる。
この点本発明では、錫が鋼板表面に対し所定の分
布割合で島状に不連続分布しているため、溶接時
溶融して接触抵抗を下げ、通常のブリキ並みの比
較的大きな溶接電流で溶接してもスプラツシユの
発生が抑えられ、このためACRを良好に確保す
ることができるものと考えられる。 第2に、溶接部におけるクラツク発生の防止作
用をあげることができる。溶接前の塗装缶材は溶
接部となる両側縁端部については塗装されない
が、現実には塗料のヒユームが付着することが避
けられない。そして、従来の塗装缶体において
は、錫メツキ量が多いことによつて板と板の接触
抵抗が小さくなるため、所定の発熱状態とこれに
よる溶接強度を得るには大きな電流を必要とする
が、板と径の小さい胴ローラとの間には必然的に
大きな電流が流れ、その表面にクラツクが発生す
るものと考えられる。すなわちそのような大電流
によつて溶接による缶材の溶融に欠陥を生じ、こ
れが溶接部のクラツクとして現われるという問題
であつた。この点本発明では、錫のメツキ付着量
を低減且つ島状に分布させるため、板と板との接
触抵抗がやや高くなり、所定の溶接発熱を得るた
めには前記ブリキより小さい電流で済み、この結
果溶接表面のクラツク発生が適切に抑えられる。 錫メツキ付着量の低減、とりわけ、本発明のよ
うな錫層を不連続分布させる被膜構造では、その
錫層だけを従来の錫メツキ鋼板と比較した場合耐
食性がある程度劣ることは避けられないが、本発
明者等の研究によりこのような耐食性の問題は錫
層上に所定のクロム・クロメート被膜を形成させ
ることにより解消できることが判つた。そこで本
発明では、錫層上に所定範囲量の金属クロムと酸
化クロムからなるクロム・クロメート被膜を形成
させた被膜構造とするものである。加えて、本発
明では錫層を鋼板全面ではなく部分的に分布させ
るものであるためめ、耐サルフアステン性につい
ても従来のブリキ材に較べ優れた特性が得られる
ものである。 以下本発明を詳細に説明する。 本発明は、缶胴部内面に相当する面側において
下層側から少なくと錫鉄合金層、錫層及びクロ
ム・クロメート被膜を有し、且つその上に塗膜が
形成された構成を有する。第1図はかかる本発明
缶体の非溶接部における被膜構造を示すももの
で、1は基体鋼板、2は錫鉄合金層、3は錫層、
4はクロム・クロメート被膜、5は塗膜である。 前記錫層3は、その錫量が50mg/m2以上必要で
あり、これを下回ると十分な溶接性が確保できな
くなる。さらにこの錫層3は鋼板表面に対し不連
続状に分布させる必要があるが、その分布割合、
すなわち鋼板面積に対して占める割合は10〜60%
のの範囲に規制される。この分布割合が60%を超
えると溶接時にスプラツシユが発生し易くなつて
溶接性を悪化させ、また錫量も必然的に多くなる
ため好ましくない。一方、10%未満では上述した
錫量50mg/m2以上を確保することが難しく、この
ため下限は10%とされる。錫層は鋼板の加熱によ
りその一部が合金化するものであり、したがつて
鋼板の加熱を伴う塗装工程前の段階、すなわち単
なる表面処理鋼板としての状態では塗装缶材とは
異つた錫量を有することは言うまでもない。この
ため、本発明の缶体を製造するためには、目標と
する塗装缶材の錫量と塗装時における錫の合金化
量とに応じ、塗装前段階での錫量を確保しておく
必要がある。 前記クロム・クロメート被膜4はこれを構成す
る金属クロムが付着量2〜20mg/m2、酸化クロム
がクロム換算で3〜20mg/m2の範囲に規制され
る。このクロム・クロメート被膜4は耐食性に有
効であるが、付着量が多過ぎると溶接性が劣化す
る難点があり、このため上記のような上限を設け
る必要がある。また上記下限を下回ると耐食性に
問題を生じる。 また、基体鋼板面には下地層を設けることがで
き、これにより耐食性の向上を図ることができ
る。この下地層としてはニツケルを含有する層が
耐食性を確保する上で特に好ましく、この場合に
はニツケル量が5〜200mg/m2のニツケル含有層
としては、基体鋼板面上に設けられニツケルメツ
キ層、該ニツケルメツキを焼鈍拡散処理してその
一部または全部を基体鋼板中に拡散させることに
より形成されたニツケル含有層、さらには基体鋼
板面上に設けられるニツケル−鉄合金メツキ層等
がある。第1図の6はニツケルメツキ後拡散処理
により鋼板中に形成されたニツケル含有層を示し
ている。なお、上記錫鉄合金層2はその下部が必
然的にニツケルを含む合金層となつている。 本発明缶体の素材たる塗装缶材は、所定の被膜
構造を有する表面処理鋼板の少なくとも缶胴部内
面側となるべき鋼板面に前記塗膜5を形成するこ
とによつて作られる。この塗膜5は溶接部となる
べき鋼板両側端縁部については形成されない。 この塗膜5は缶体を食缶、飲料缶として用いる
場合、缶に充填する内容物から缶材を保護し、ま
た缶材の溶出に起因する内容物の変色、フレーバ
ー低下を防止するものであり、錫メツキ付着量の
低減化を図る本発明では塗膜成分について配慮す
ることが好ましい。この塗料としては、熱硬化型
エポキシフエノール樹脂塗料が適しており、特に
ビスフエノールAから形成されたレゾール型フエ
ノール樹脂を65重量%以上含有するフエノール樹
脂と、数平均分子量1400〜7000のビスフエノール
A型エポキシ樹脂を50/50〜5/95重量比で含有
する熱硬化型エポキシフエノール樹脂系塗料を好
適例としてあげることができ、このような塗料を
塗布して膜厚2〜10μの樹脂塗膜を形成させるよ
うにすることが好ましい。 塗装缶材は缶胴ブランクサイズに栽断された
後、丸められてその両側端縁部が重ね合わされ、
その部分を溶接機により加圧シーム溶接すること
により缶胴が製造される。そして最終製品として
の缶体は、さらに溶接接合部の鉄面露出部及びそ
の近傍を被覆補正した後缶胴端にフランジ加工を
施し、その一端に蓋を巻締し、さらに必要に応じ
て缶体内面に対して補正塗装を施す等により得ら
れる。 なお、上述したような被膜構造、とりわけ鋼板
表面に対し不連続状に分布する錫層は、元になる
表面処理鋼板の被膜構造に由来するものであり、
上記不連続状(島状)の錫層を得るための方法と
しては、錫メツキ時に錫を鋼板(または下地層)
に対し不均一に付着させる方法、錫メツキ後のリ
フロー工程を特定の条件で行う方法。或いはこの
両方法を組み合せて用いる方法等が考えられる。
上記中錫メツキを均一に付着させる方法として
は、電気メツキの電流密度が過大または過小なメ
ツキ工程を、一連のメツキ工程中の一部に取り入
れて行う方法があり、またリフロー工程で行う方
法としては、通常行われているクラツクス液中へ
の鋼板の浸漬を止めリフローにより錫を不均一状
態に溶融せしめるようにする等の方法がある。 〔実施例〕 第1表に示される製造条件の下に本発明例及び
比較例たる溶接缶体を製造し、その溶接性及び缶
の耐食性について調べた。その結果を第1表に合
せて示す。なお、各特性試験の試験条件について
は第1表の注に記載した通りである。 なお、第1表中の塗料(イ)及び(ロ)は次のような内
容のものである。 ●塗料(イ) P−クレゾール75部とm−クレゾール25部の
混合フエノールにアンモニア触媒の存在下でホ
ルムアルデヒドを反応せしめて得られるレゾー
ル型フエノール樹脂15部と数平均分子量約3000
のビスフエノールA型エポキシ樹脂85部とをア
ルコール系、ケトン系、エステル系または芳香
族系有機溶剤からなる混合溶剤に溶解せしめて
得られる固形分30%、粘度(Fc4# ,25℃)40
秒のエポキシ・フエノール樹脂系塗料 ●塗料(ロ) ビスフエノールAにアンモニア触媒の存在下
でホルムアルデヒドを反応せしめて得られるレ
ゾール型フエノール樹脂20部と数平均分子量約
3410のビスフエノールA型エポキシ樹脂80部と
を混合溶剤に溶解せしめて得られる固形分29
%、粘度(Fc4# ,25℃)40秒の熱硬化型エポ
キシフエノール系塗料
【表】
【表】
以上述べた本発明によれば、錫メツキ付着量を
従来の錫メツキ鋼板に較べ低減せしめながら、製
缶溶接において優れた溶接性が得られ、しかも耐
食性にも優れた溶接缶体を提供し得るものであ
り、優れた品質の溶接缶を低コストで提供できる
効果がある。
従来の錫メツキ鋼板に較べ低減せしめながら、製
缶溶接において優れた溶接性が得られ、しかも耐
食性にも優れた溶接缶体を提供し得るものであ
り、優れた品質の溶接缶を低コストで提供できる
効果がある。
第1図は本発明溶接缶体の被膜構造の一例を示
す断面図である。
す断面図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 少なくとも缶胴部内面側となるべき表面処理
鋼板面に対し、その両側端縁部を除いた部分に塗
膜を形成し、該塗装缶材の両側端縁部を重ね合せ
加圧シーム溶接することにより缶胴部を形成して
なる溶接缶体において、缶胴部を形成する表面処
理鋼板は基体鋼板上に少なくとも錫鉄合金層、錫
層及び付着量2〜20mg/m2の金属クロムとクロム
換算で付着量3〜20mg/m2の酸化クロムとからな
るクロム・クロメート被膜をこの順序で有し、溶
接部を除く部分の錫層が錫付着量50mg/m2以上で
且つ鋼板表面の10〜60%の範囲に分布しているこ
とを特徴とする溶接缶体。 2 基体鋼板面に5〜200mg/m2のニツケルを含
む下地層を有することを特徴とする特許請求の範
囲1記載の溶接缶体。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60063768A JPS61232148A (ja) | 1985-03-29 | 1985-03-29 | 溶接缶体 |
| JP5251142A JPH0775745B2 (ja) | 1985-03-29 | 1993-09-13 | 溶接缶体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60063768A JPS61232148A (ja) | 1985-03-29 | 1985-03-29 | 溶接缶体 |
| JP5251142A JPH0775745B2 (ja) | 1985-03-29 | 1993-09-13 | 溶接缶体の製造方法 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5251142A Division JPH0775745B2 (ja) | 1985-03-29 | 1993-09-13 | 溶接缶体の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61232148A JPS61232148A (ja) | 1986-10-16 |
| JPH0464932B2 true JPH0464932B2 (ja) | 1992-10-16 |
Family
ID=26404896
Family Applications (2)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60063768A Granted JPS61232148A (ja) | 1985-03-29 | 1985-03-29 | 溶接缶体 |
| JP5251142A Expired - Lifetime JPH0775745B2 (ja) | 1985-03-29 | 1993-09-13 | 溶接缶体の製造方法 |
Family Applications After (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5251142A Expired - Lifetime JPH0775745B2 (ja) | 1985-03-29 | 1993-09-13 | 溶接缶体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (2) | JPS61232148A (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2527330B2 (ja) * | 1987-05-12 | 1996-08-21 | 北海製罐株式会社 | 食用缶詰容器 |
| DE69103511T2 (de) * | 1990-12-28 | 1995-03-30 | Hokkai Can | Geschweisste Dosen. |
| JP2606451B2 (ja) * | 1990-12-28 | 1997-05-07 | 東洋製罐株式会社 | 深絞り缶及びその製造方法 |
| JP2817562B2 (ja) * | 1993-02-26 | 1998-10-30 | 日本鋼管株式会社 | 缶用ラミネート鋼板 |
| EP0615840B1 (en) * | 1993-03-15 | 1998-12-23 | Hokkai Can Co., Ltd. | Can covering film, can body precursor including the same and production process thereof |
| CN103080380B (zh) | 2010-09-29 | 2014-06-18 | 新日铁住金株式会社 | 酸性液体用三片可再密封罐 |
| JP5948852B2 (ja) * | 2011-12-20 | 2016-07-06 | Jfeスチール株式会社 | 耐糸状錆性に優れた錫めっき鋼板 |
| EP2738111B1 (en) | 2012-05-31 | 2017-10-04 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Three-piece resealable bottle |
Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5912756B2 (ja) * | 1981-07-17 | 1984-03-26 | 新日本製鐵株式会社 | 高耐食性製缶用異種重層メツキ鋼板 |
| JPS59100285A (ja) * | 1982-11-30 | 1984-06-09 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 溶接缶用表面処理鋼板 |
| JPS6030589A (ja) * | 1983-07-29 | 1985-02-16 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 溶接缶胴の製造方法 |
| JPS6063768A (ja) * | 1983-09-19 | 1985-04-12 | Victor Co Of Japan Ltd | レコ−ドプレ−ヤのレコ−ドサイズ検出装置 |
| JPS60184688A (ja) * | 1984-03-01 | 1985-09-20 | Kawasaki Steel Corp | 溶接缶用表面処理鋼板 |
-
1985
- 1985-03-29 JP JP60063768A patent/JPS61232148A/ja active Granted
-
1993
- 1993-09-13 JP JP5251142A patent/JPH0775745B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0775745B2 (ja) | 1995-08-16 |
| JPS61232148A (ja) | 1986-10-16 |
| JPH06218462A (ja) | 1994-08-09 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CA1230954A (en) | Surface-treated steel strips seam weldable into cans | |
| JPH0464932B2 (ja) | ||
| JPS59598B2 (ja) | 溶接性にすぐれためつき鋼板 | |
| KR960000734B1 (ko) | 용접 캔(can)용 래미네이트 강판 | |
| JPS6214240B2 (ja) | ||
| JPS58177448A (ja) | 錫めつき鋼板を用いた溶接缶体 | |
| JP2910488B2 (ja) | 溶接缶用ラミネート鋼板 | |
| JP3183153B2 (ja) | 耐食性、溶接性及びラミネート密着性に優れた溶接缶用ラミネート鋼板 | |
| JPS60183070A (ja) | 溶接缶体の製造方法 | |
| JPS6324795B2 (ja) | ||
| JPH0434636B2 (ja) | ||
| JPH05106091A (ja) | シーム溶接性と塗料密着性に優れた溶接缶用材料 | |
| JP2580923B2 (ja) | 溶接缶用ラミネート鋼板とその製造方法 | |
| JP2723511B2 (ja) | 塗装された溶接缶胴 | |
| JPH0349628B2 (ja) | ||
| JPS6335719B2 (ja) | ||
| JPS632712B2 (ja) | ||
| JPH0160540B2 (ja) | ||
| JPH0425350B2 (ja) | ||
| JPH07166398A (ja) | 高速シーム溶接性、耐食性および塗装密着性に優れた溶接缶用鋼板の製造法 | |
| JPH0434631B2 (ja) | ||
| JP2001288585A (ja) | 溶接缶用めっき鋼板 | |
| JPH09125260A (ja) | 溶接缶用表面処理鋼板 | |
| JPH05106090A (ja) | シーム溶接性と塗料密着性に優れた溶接缶用材料 | |
| JP2007284742A (ja) | シーム溶接性、加工性に優れた溶接缶用鋼板 |