JPH0466185B2 - - Google Patents
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- JPH0466185B2 JPH0466185B2 JP1248687A JP1248687A JPH0466185B2 JP H0466185 B2 JPH0466185 B2 JP H0466185B2 JP 1248687 A JP1248687 A JP 1248687A JP 1248687 A JP1248687 A JP 1248687A JP H0466185 B2 JPH0466185 B2 JP H0466185B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は農業用多層フイルムに関するものであ
り、更に詳しくは、保温性、耐熱融着性、透明
性、防曇性、作業性にすぐれた農業用多層フイル
ムに関するものである。 (従来技術) 近年農作物栽培の近代化に伴い、施設栽培、例
えば、ハウス栽培、トンネル栽培が広く行なわれ
るに至つた。これらの栽培においてプラスチツク
ハウス、トンネル等の一次被覆材、カーテンのよ
うな内張り用の2次被覆材として使用される保温
被覆材にはポリエチレンフイルム、ポリ塩化ビニ
ルフイルム、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂フ
イルム、その他各種の樹脂フイルムがあるが、中
でも軟質ポリ塩化ビニルフイルムは保温性、透明
性、作業強度等にすぐれ、又価格も安価であるこ
とから現在被覆資材の主流を占めている。 しかしポリ塩化ビニルフイルムは廃棄処理の際
にハロゲン系ガスが発生すること及び燃焼性が低
いことなど廃棄処理自体に難点があつた。 又このフイルムは一般に表面が可塑剤のブリー
ドアウトによりべたついており、長期間の屋外使
用でほこり等が付着し、光線透過率が低下するこ
とから長期間の使用に難点があつた。 一方これに替るエチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂フイルムでは保温性、耐熱融着性、作業強度が
ポリ塩化ビニルフイルムに比較して劣つているた
め使用条件に制約があつた。 又ポリエチレンフイルムは保温性、防曇性、透
明性がポリ塩化ビニルフイルムに比較して劣つて
いるため、その使用は制限されていた。 そこでこれらの欠点を解消するため最近エチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂の保温性および作業性
を改善するため各種の方法が提案されている。 例えば保温性を向上するため、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂にシリカ(特公昭47−13853号
公報)、マグネシウム化合物(特開昭59−226037
号公報)ハイドロタルサイト(特開昭60−104141
号公報)等のフイラーの添加、吸水性樹脂(特開
昭61−81446号公報)やエチレン−ビニルアルコ
ール共重合樹脂(特開昭55−118941号公報)の添
加等の方法である。 さらに特開昭57−160638号公報には、水滴防止
材を含有するポリオレフイン層と含金属有機化合
物を添加したポリオレフイン層が積層されたフイ
ルム、また特開昭58−160146号公報にはリニア
ー・ローデンシテイポリエチレン(以下L−
LDPEと略すこともある)を主体とする基材層と
界面活性剤を含む樹脂層を重層した農業用フイル
ムが開示されている。しかし、これらの積層フイ
ルムも市場で要求されている保温性改良のレベル
には到達していないことがわかつた。即ち従来の
手段では、透明性、耐熱融着性、保温性、作業強
度の全てを満足するフイルムを得ることが困難で
あつた。 本発明者らは、こうした欠点を改良するには、
ハイドロタルサイトを含有したエチレン系樹脂層
と防曇剤を含有した酢酸ビニル含有量10〜20重量
%のエチレン−酢酸ビニル共重合体層が多層フイ
ルムの表面に存在する農業用多層フイルムが有効
であることを見出し、特許出願を行なつた(特願
昭61−262017号他)。 しかし、その後検討を続けた結果、前記発明の
フイルムをある特殊な使い方をした場合、例えば
日中、ハウス内の温度コントロールの目的で、換
気を行うため、フイルムを巻き上げ長時間直射日
光にさらした際、フイルムが熱融着を起し、実用
面に支障のあるとが判明した。そしてこの問題を
解決するために、内層に低密度ポリエチレン或い
は酢酸ビニル含有量10重量%未満のエチレン−酢
酸ビニル共重合体を使用することが有効であるこ
とを見出した。 (問題点を解決するための手段および作用) したがつて本発明は農業用多層フイルムに係
り、このフイルムはハイドロタルサイトまたはそ
の類緑化合物および防曇剤を含有する農業用多層
フイルムにおいて、該多層フイルムが、内層とし
て (A) 0.1〜2重量%の防曇剤を含有し且つハイド
ロタルサイトまたはその類緑化合物の含有量が
重量比で防曇剤に対し3以下である低密度ポリ
エチレン或いは酢酸ビニル含有量10重量%未満
のエチレン−酢酸ビニル共重合体の層 を含み且つ内層以外の層として、 (B) 1〜60重量%のハイドロタルサイトまたはそ
の類緑化合物を含有するエチレン系樹脂層 を含むことを特徴とする農業用多層フイルムで
ある。 本発明において内層(A)層を構成する重合体は、
低密度ポリエチレン或いは酢酸ビニル含有量10重
量%未満のエチレン−酢酸ビニル共重合体であ
る。 低密度ポリエチレンとは密度が0.930g/cm3未満
のポリエチレンを言う。このような低密度ポリエ
チレンは分岐状低密度ポリエチレンと直鎖状低密
度ポリエチレンに大別される。 分岐状低密度ポリエチレンは、エチレンまたは
エチレンと少量のコモノマーを過酸化物の存在
下、高圧ラジカル重合反応プロセスにより反応さ
せて製造される。 直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンとα−
オレフインを遷移金属化合物を含む触媒(いわゆ
るチーグラ法)、アルミナ又はシリカ−アルミナ
に担持させた酸化クロム触媒(フイリツプス法)、
アルミナに担持させた酸化モリブデン触媒(スタ
ンダード法)などの存在下、液相又は気相で製造
される。 これら低密度ポリエチレンは密度が0.930g/cm3
未満で、0.930g/cm3以上になると透明性が悪くな
るので好ましくない。 酢酸ビニル含有量10重量%未満のエチレン−酢
酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルを過
酸化物の存在下、高圧ラジカル重合プロセスによ
り反応させて製造される。酢酸ビニル含有量は10
重量%未満であり、10重量%以上になると耐熱融
着性が悪くなるので好ましくない。 これらの重合体のMFRは0.5〜10好ましくは0.5
〜5である。MFRが小さすぎるとフイルムの成
形性特に押出加工性、高速延伸性が悪くなるので
好ましくない、又MFRが大きくなるとフイルム
の成形性特にインフレーシヨン成形におけるバブ
ルの不安定性をきたすので好ましくない。 内層用には、これらの重合体の1種を選択して
使用することも可能であるが、最終平均酢酸ビニ
ル含有量が10重量%未満になるならば、2種以上
の重合体をブレンドして使用することもできる。
さらに内層としての機能を損わない範囲で、各種
ポリオレフイン樹脂、ゴム等を添加することも妨
げない。 この内層に添加する防曇剤はこの技術分野でよ
く知られた各種防曇剤を使用することが出来る。 例えば非イオン系、アニオン系、及びカチオン
系の界面活性剤が使用される。これらに該当する
化合物として、ポリオキシアルキレンエーテル、
多価アルコールの部分エステル、多価アルコール
のアルキレンオキサイド付加物の部分エステル、
高級アルコール硫酸エステルアルカリ金属塩、ア
ルキルアリールスルホネート、四級アンモニウム
塩、脂肪酸アミン誘導体が挙げられる。 具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリ
エチレングリコールモノパルミテート、ポリエチ
レングリコールモノステアレート、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノパルミテート、グリセリン
モノラウレート、グリセリンモノパルミテート、
グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオ
レート、ペンタエリスリトールモノラウレート、
ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベ
ヘネート、ソルビタンジステアレート、ジグリセ
リンモノオレート、トリグリセリンジオレート、
ナトリウムラウリルサルフエート、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、ブチルナフタレンス
ルホン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアン
モニウムクロライド、ドデシルアミン塩酸塩、ラ
ウリン酸ラウリルアミドエチル燐酸塩、トリエチ
ルセチルアンモニウムイオダイド、オレイルアミ
ノジエチルアミン塩酸塩、ドデシルピリジニウム
硫酸塩の塩基性ピリジニウム塩などがあげられ
る。 中でも炭素数14〜22の脂肪酸とソルビタン、ソ
ルビトール、グリセリン、ポリグリセリン、プロ
ピレングリコールなどの多価アルコールとのエス
テルあるいはそのアルキレンオキサイド付加物を
主成分とする非イオン系界面活性剤等が好ましい
ものとして挙げられる。 これらの防曇剤の1種を選択して使用すること
も可能であるが、初期流滴性、流滴持続性、低温
流滴性等を同時に満足させるために2種以上の防
曇剤をブレンドして使用することもできる。 防曇剤の含有量は(A)層を構成する重合体に対し
て0.1〜2重量%の範囲で適宜選択される。0.1重
量%未満では防曇性が低下して好ましくない。2
重量%を越えると耐熱性が低下し又気温が上昇し
た春等の使用時にフイルムの白化が著しくなるの
で好ましくない。 (A)層は30μ以上を満足する必要がある。この厚
みより小さいと防曇性が悪くなる。 この(A)層に(B)層で詳述するハイドロタルサイト
を添加してもよいがその添加量は重量比で防曇剤
に対して3以下であることが望ましい。これ以上
になると防曇性の低下が著しく農業用フイルムと
しての使用に適さない。 本発明における(B)層を構成するエチレン系樹脂
は密度0.930未満の高圧法低密度ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アル
キル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−
α−オレフイン共重合体等である。もちろんこれ
らの樹脂は単独あるいは2種以上を混合して使用
することも可能である。 密度0.930未満の高圧法低密度ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アル
キル(メタ)アクリレート共重合体等は高圧ラジ
カルプロセスによつて製造され、そのMFRは0.5
〜10好ましくは0.5〜5のものが使用される。
MFRが小さすぎるとフイルムの成形性特に押出
加工性、高速延伸性が悪くなるので好ましくな
い。又MFRが大きくなるとフイルムの成形性特
にインフレーシヨン成形におけるバブルの不安定
性をきたすので好ましくない。高圧ラジカル重合
プロセスで製造される重合体の中では、酢酸ビニ
ル含有量45重量%以下、特に20重量%以下のエチ
レン−酢酸ビニル共重合体が透明性、保温性、耐
熱融着性、価格等の点で最も好ましい。 エチレン−α−オレフイン共重合体はエチレン
とプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1,4−
メチルペンテン−1、オクテンなどのα−オレフ
インとの共重合体であり、この共重合体は遷移金
属化合物を含む触媒(いわゆるチーグラ法)、ア
ルミナ又はシリカ−アルミナに担持させた酸化ク
ロム触媒(フイリツプス法)、アルミナに担持さ
せた酸化モリブデン触媒(スタンダード法)など
の存在下、液相又は気相で共重合を行うことによ
り製造され、メルトフローレート(以下MFRと
略す、単位g/10min)は0.5〜20、好ましくは
0.5〜10、密度は0.940g/cm3以下好ましくは
0.935g/cm3以下である。 MFRが低すぎるとフイルムの成形性特に押出
加工性、高速延伸性、が悪くなるので好ましくな
い。又MFRが大きくなると機械強度が低下する
ので好ましくない。密度が高すぎると透明性が失
われるので好ましくない。密度が低すぎると腰が
弱くなり、展張作業性が乏しくなるので好ましく
ない。 (B)層に添加するハイドロタルサイトまたはその
類緑化合物とは(以下ハイドロタルサイトと略
す) (M2+)1-xAlx(OH)2 (An-)x/o・mH2O …(1) 但し式中、M2+はMg,Ca及びZoよりなる群か
らえらばれた二価金属イオンを示し、An-はn価
のアニオンを示し、そしてx及びmは下記式の条
件を満足する、 0<x<0.5 0≦m≦2 で表わされる化合物やその焼成物等である。 上記式(1)に於いてAn-で表わされるn価のアニ
オンの例としてはCl-,Br-,I-,NO3 -,ClO4 -,
SO4 2-,CO3 2-,SiO3 2-,HPO4 2-,HBO3 2-,
PO4 2-などの如きアニオンを例示することができ
る。 その具体例としては協和化学工業(株)のアルカマ
イザー1(x=0.33,m=0,A=CO3 2-)、アル
カマイザー2(x=0.33,m=0,A=CO3 2-)等
が挙げられる。 そしてその平均粒径は10μ以下が好ましく、更
に3μ以下のものがより好適に用いられる。平均
粒径が10μをこえると、フイルムの強度及び透明
性が大巾に低下するので農業用フイルムとして使
用することが難しくなる。又上記ハイドロタルサ
イトの分散性を向上させるため、表面処理剤で処
理して使用することが好ましい。表面処理剤の例
として、パラフイン、脂肪酸、高級アルコール、
多価アルコール、チタネート系カツプリング剤、
シラン系カツプリング剤等が挙げられる。 ハイドロタルサイトの使用量はエチレン系樹
脂/ハイドロタルサイト類=99〜40/1〜60重量
部で適宜選択される。更に好ましくはその比が98
〜75/2〜25で使用される。 上記量範囲を逸脱して、過少量にすぎると、所
謂赤外線吸入能が低下し夜間赤外線が農業用フイ
ルムを透過、放射するのを阻止する能力が不十分
となる。即ち保温性が不十分となる。 一方上記量範囲を逸脱して過大量すぎると、樹
脂とハイドロタルサイトの分散が不十分となり、
透明性の低下が大きくなつて可視光線透過率が低
下する。このため日中太陽光線エネルギーの農業
用フイルムの透過が減少するのでハウス内の地温
が上らなくなり、結局作物の生育に必要なエネル
ギー量が低下して生育が悪くなる。この透明性の
低下以外に更に、フイルムの機械強度が低下し裂
け易くなり展張作業性が低下する。 この層には防曇剤を含有させることができる。
この防曇剤は内層の防曇剤がフイルム展張中に、
外層に移行し、結果的に内層の防曇剤濃度が稀薄
になるのを防止する役目あるいは内層表面の防曇
剤が水滴により流され、短期間で防曇性能を低下
させた場合に防曇剤を補給する役目を果す。した
がつて、その濃度は特に規定されないが、一般に
内層と同様に0.1〜2重量%含有することが好ま
しい。また使用する防曇剤は前記内層と同一であ
つてもよいし、内層と異なつて例えば遅効性の防
曇剤を使用してもよい。 但し(B)層が外層に存在し、且つハウスの外張り
等に使用する場合には、(B)層中には防曇剤を含有
させないことが好ましいが、防曇剤/ハイドロタ
ルサイトの比が0.3以下、好ましくは0.1以下であ
れば添加してもよい。これを超えると防曇剤がフ
イルムの外表面にブリード−アウトして、フイル
ムの白化や屋外のほこり、砂じん付着によるフイ
ルム汚染が発生し、最終的にフイルムの可視光線
透過率が低下するので、日中太陽光線エネルギー
の農業用フイルムの透過が減少するので好ましく
ない。 本発明のフイルムは (1) 内層(A)/外層(B) (2) 内層(A)/中間層(B)/外層(C) (3) 内層(A)/中間層(C)/外層(B) (4) 内層(A)/中間層(B)/中間層(D)/外層(C) (5) 内層(A)/中間層(D)/中間層(B)/外層(C) (6) 内層(A)/中間層(D)/中間層(B)/中間層(D)/ 外層(C) (7) 内層(A)/中間層(D)/中間層(B)/中間層(E)/ 外層(C) 等2層以上の各種多層フイルムとして使用し得
る。 (A)層、(B)層以外の各層に使用する樹脂としては
(B)層に関して説明したエチレン系樹脂即ち低密度
ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合
体、エチレン−α−オレフイン共重合体等を使用
することができる。これらの層には必要に応じて
ハイドロタルサイト、防曇剤を添加することがで
きる。なおハイドロタルサイトの濃度は、前述の
理由から60%以下である。防曇剤は内層(A)で説明
した各種防曇剤を適宜選択し得る。 本発明の多層フイルムのバリ等は各層に添加し
て使用することを妨げない。 以上の構成よりなる各層には必要に応じて、こ
の技術分野に慣用の種々の他の添加剤を含有する
ことが出来る。 この様な他の添加剤の例としては酸化防止剤、
光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、ア
ンチブロツキング剤、防霧剤など、この技術分野
によく知られた各種の添加剤を挙げることができ
る。 本発明の農業用フイルムは無色のフイルムのみ
ならず、顔料、染料などで着色したフイルムも成
形される。 本発明のフイルムはインフレーシヨン法、キヤ
スト法等で成形され、その全厚は強度、性能、生
産コスト等を考慮して0.035〜0.3mmの範囲、好ま
しくは0.05〜0.2mm厚みの範囲である。また各層
の厚みの比率は、(A)層と(B)層の厚みの和が0.03mm
以上を満足する限り、各層の厚み比率は任意に選
び得る。 (発明の効果) 本発明者らはエチレン系重合体を用いて軟質ポ
リ塩化ビニルフイルムよりもすぐれた農業用保温
被覆フイルムを製造する方法を検討した。 その結果は以下のことを見出した。 (1) (A)層に用いる樹脂としては耐熱融着性能を考
慮して、低密度ポリエチレン或いは酢酸ビニル
含量10重量%未満のエチレン−酢酸ビニル共重
合体が最適である。 (2) 一方これらの重合体は、防曇剤の移行性が比
較的大きいので、この層にハイドロタルサイト
を添加すると、ハイドロタルサイトへ防曇剤が
吸着又は相溶するため、フイルム表面への防曇
剤の移行が抑制される傾向にある。このよう
に、防曇剤の移行速度を調節する目的および保
温性を向上する目的で若干量のハイドロタルサ
イトを(A)層へ添加してもよいが、いずれの重合
体を用いる場合にもハイドロタルサイトの添加
重量は防曇剤重量に対して3以下に押えること
が必要である。 (3) (B)層に用いる樹脂としては、強度、耐スクラ
ツチ性、展張作業性、フイラー保持能力等を考
慮して、エチレン系樹脂の中から適宜選択して
使用することができる。 (4) (B)層に添加する赤外線吸収剤ハイドロタルサ
イトは赤外線吸収効果がすぐれ、保温性農業用
フイルムの添加剤として最もすぐれたものの一
つであり、その保温効果はその添加量の増加に
つれて向上する。 本発明者らは、以上の実験結果を踏まえて、フ
イルムを構成する原料樹脂を特定するとともに、
内層(A)層および(B)層に添加する防曇剤の量、ハイ
ドロタルサイトの量および両者の濃度比を特定す
ることによつて本発明を完成した。 本発明の農業用多層フイルムは、保温性、耐熱
融着性、透明性、防曇性、作業強度がすぐれてお
り耐汚染性や廃棄処理の点でポリ塩化ビニルフイ
ルムよりもすぐれている。それ故施設栽培用の被
覆フイルムとして極めて有用なものである。 (実施例) 以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の
例に限定されるものでない。 実施例1〜4 比較例1〜7 三層インフレーシヨン成形装置として三層ダイ
に150mmφ(トミー機械工業(株)製)を用い、押出機
は外層を40mmφ押出機(モダンマシナリー(株)製)、
中間層を45mmφ押出機(プラコー(株)製)内層を50
mmφ押出機(モダンマシナリー(株)製)として成形
温度160℃、ブロー比1.5、引取速度5m/分にて、
第1表に示す構成の多層又は単層フイルムを得
た。なお軟質ポリ塩化ビニルフイルムは市販品を
用いた。 各フイルムについて次のような評価試験を行つ
た。その結果を第1表に示す。 (1) 低温時の防曇性 25℃の水を容器容量の2/3まで入れた保温容器
(直径15cm、高さ17cm)の上部を試料で密封し、−
10℃の冷風循環式低温室に静置し、20時間後室温
に戻し4時間静置した。このサイクルを7回繰り
返した。 完全に透明で曇りの発生が全然ない場合を10と
し結露した水滴によつてフイルムが完全に曇つた
場合を1として10段階に評価した。 (2) 防曇持続性 50℃に保つた恒温水槽上に、水平面から5°の傾
きをもつて試料フイルムを展張し、フイルム内面
に対する水の凝縮状態を時間の経過とともに観察
し、低温時の防曇性と同様に10段階で評価した。 (3) 防曇性 以下に述べる保温性の測定用に作成したトンネ
ルに積層フイルムを4ケ月間展張し、4ケ月後の
透明性(太陽光線透過率)の展張初期における透
明性(太陽光線透過率)に対する減少率で判定し
た。太陽光線透過率は照度計(東京光電(株)製、
ANA 300型)により測定した。 A−3%以下、B−3〜10%、C−10%以上 (4) 融着温度 フイルムの内面同志を重ねて赤外線を照射す
る。フイルムの赤外線照射面の反対側に熱電対を
セツトしその温度を測定する。照射後のフイルム
の内面同志間の接着強度を測定する。20g/20mm
幅に相当する温度をもつて融着温度とする。接着
強度の測定条件は23℃、クロスヘツト速度300
mm/minで行つた。 (5) 保温性 この積層フイルムをアーチ状の架設体に密封状
に展張してトンネルを作成した。なおアーチ状の
架設体は高さが約0.65m、幅が約1.5mの大きさの
ものであつた。 地表から20cmの高さのハウス内外の気温の差を
10分毎に計測し(昭和61年1月、於:千葉県市原
市)午後6時から翌朝6時までの7日間の平均を
算出した。この結果を表1に示した。 (6) 破断点強度 引張試験(JIS K 6783に準拠)により積層フ
イルムのMD方向およびTD方向の破断点強度を
測定した。 (7) 破断点伸び 破断点強度の測定法と同様に積層フイルムの
MD方向およびTD方向の破断点伸びを測定した。 (8) 落球衝撃強度 ASTM D 1709A法に準拠して測定した。 (9) フイルムステイフネス Handle−C−Meterによつてフイルムステイ
フネスを測定した。 (10) 引張強度 JIS K 6783に準拠して、積層フイルムのMD
方向およびTD方向の引張強度を測定した。 各々の結果を表1に示した。
り、更に詳しくは、保温性、耐熱融着性、透明
性、防曇性、作業性にすぐれた農業用多層フイル
ムに関するものである。 (従来技術) 近年農作物栽培の近代化に伴い、施設栽培、例
えば、ハウス栽培、トンネル栽培が広く行なわれ
るに至つた。これらの栽培においてプラスチツク
ハウス、トンネル等の一次被覆材、カーテンのよ
うな内張り用の2次被覆材として使用される保温
被覆材にはポリエチレンフイルム、ポリ塩化ビニ
ルフイルム、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂フ
イルム、その他各種の樹脂フイルムがあるが、中
でも軟質ポリ塩化ビニルフイルムは保温性、透明
性、作業強度等にすぐれ、又価格も安価であるこ
とから現在被覆資材の主流を占めている。 しかしポリ塩化ビニルフイルムは廃棄処理の際
にハロゲン系ガスが発生すること及び燃焼性が低
いことなど廃棄処理自体に難点があつた。 又このフイルムは一般に表面が可塑剤のブリー
ドアウトによりべたついており、長期間の屋外使
用でほこり等が付着し、光線透過率が低下するこ
とから長期間の使用に難点があつた。 一方これに替るエチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂フイルムでは保温性、耐熱融着性、作業強度が
ポリ塩化ビニルフイルムに比較して劣つているた
め使用条件に制約があつた。 又ポリエチレンフイルムは保温性、防曇性、透
明性がポリ塩化ビニルフイルムに比較して劣つて
いるため、その使用は制限されていた。 そこでこれらの欠点を解消するため最近エチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂の保温性および作業性
を改善するため各種の方法が提案されている。 例えば保温性を向上するため、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂にシリカ(特公昭47−13853号
公報)、マグネシウム化合物(特開昭59−226037
号公報)ハイドロタルサイト(特開昭60−104141
号公報)等のフイラーの添加、吸水性樹脂(特開
昭61−81446号公報)やエチレン−ビニルアルコ
ール共重合樹脂(特開昭55−118941号公報)の添
加等の方法である。 さらに特開昭57−160638号公報には、水滴防止
材を含有するポリオレフイン層と含金属有機化合
物を添加したポリオレフイン層が積層されたフイ
ルム、また特開昭58−160146号公報にはリニア
ー・ローデンシテイポリエチレン(以下L−
LDPEと略すこともある)を主体とする基材層と
界面活性剤を含む樹脂層を重層した農業用フイル
ムが開示されている。しかし、これらの積層フイ
ルムも市場で要求されている保温性改良のレベル
には到達していないことがわかつた。即ち従来の
手段では、透明性、耐熱融着性、保温性、作業強
度の全てを満足するフイルムを得ることが困難で
あつた。 本発明者らは、こうした欠点を改良するには、
ハイドロタルサイトを含有したエチレン系樹脂層
と防曇剤を含有した酢酸ビニル含有量10〜20重量
%のエチレン−酢酸ビニル共重合体層が多層フイ
ルムの表面に存在する農業用多層フイルムが有効
であることを見出し、特許出願を行なつた(特願
昭61−262017号他)。 しかし、その後検討を続けた結果、前記発明の
フイルムをある特殊な使い方をした場合、例えば
日中、ハウス内の温度コントロールの目的で、換
気を行うため、フイルムを巻き上げ長時間直射日
光にさらした際、フイルムが熱融着を起し、実用
面に支障のあるとが判明した。そしてこの問題を
解決するために、内層に低密度ポリエチレン或い
は酢酸ビニル含有量10重量%未満のエチレン−酢
酸ビニル共重合体を使用することが有効であるこ
とを見出した。 (問題点を解決するための手段および作用) したがつて本発明は農業用多層フイルムに係
り、このフイルムはハイドロタルサイトまたはそ
の類緑化合物および防曇剤を含有する農業用多層
フイルムにおいて、該多層フイルムが、内層とし
て (A) 0.1〜2重量%の防曇剤を含有し且つハイド
ロタルサイトまたはその類緑化合物の含有量が
重量比で防曇剤に対し3以下である低密度ポリ
エチレン或いは酢酸ビニル含有量10重量%未満
のエチレン−酢酸ビニル共重合体の層 を含み且つ内層以外の層として、 (B) 1〜60重量%のハイドロタルサイトまたはそ
の類緑化合物を含有するエチレン系樹脂層 を含むことを特徴とする農業用多層フイルムで
ある。 本発明において内層(A)層を構成する重合体は、
低密度ポリエチレン或いは酢酸ビニル含有量10重
量%未満のエチレン−酢酸ビニル共重合体であ
る。 低密度ポリエチレンとは密度が0.930g/cm3未満
のポリエチレンを言う。このような低密度ポリエ
チレンは分岐状低密度ポリエチレンと直鎖状低密
度ポリエチレンに大別される。 分岐状低密度ポリエチレンは、エチレンまたは
エチレンと少量のコモノマーを過酸化物の存在
下、高圧ラジカル重合反応プロセスにより反応さ
せて製造される。 直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンとα−
オレフインを遷移金属化合物を含む触媒(いわゆ
るチーグラ法)、アルミナ又はシリカ−アルミナ
に担持させた酸化クロム触媒(フイリツプス法)、
アルミナに担持させた酸化モリブデン触媒(スタ
ンダード法)などの存在下、液相又は気相で製造
される。 これら低密度ポリエチレンは密度が0.930g/cm3
未満で、0.930g/cm3以上になると透明性が悪くな
るので好ましくない。 酢酸ビニル含有量10重量%未満のエチレン−酢
酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルを過
酸化物の存在下、高圧ラジカル重合プロセスによ
り反応させて製造される。酢酸ビニル含有量は10
重量%未満であり、10重量%以上になると耐熱融
着性が悪くなるので好ましくない。 これらの重合体のMFRは0.5〜10好ましくは0.5
〜5である。MFRが小さすぎるとフイルムの成
形性特に押出加工性、高速延伸性が悪くなるので
好ましくない、又MFRが大きくなるとフイルム
の成形性特にインフレーシヨン成形におけるバブ
ルの不安定性をきたすので好ましくない。 内層用には、これらの重合体の1種を選択して
使用することも可能であるが、最終平均酢酸ビニ
ル含有量が10重量%未満になるならば、2種以上
の重合体をブレンドして使用することもできる。
さらに内層としての機能を損わない範囲で、各種
ポリオレフイン樹脂、ゴム等を添加することも妨
げない。 この内層に添加する防曇剤はこの技術分野でよ
く知られた各種防曇剤を使用することが出来る。 例えば非イオン系、アニオン系、及びカチオン
系の界面活性剤が使用される。これらに該当する
化合物として、ポリオキシアルキレンエーテル、
多価アルコールの部分エステル、多価アルコール
のアルキレンオキサイド付加物の部分エステル、
高級アルコール硫酸エステルアルカリ金属塩、ア
ルキルアリールスルホネート、四級アンモニウム
塩、脂肪酸アミン誘導体が挙げられる。 具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリ
エチレングリコールモノパルミテート、ポリエチ
レングリコールモノステアレート、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノパルミテート、グリセリン
モノラウレート、グリセリンモノパルミテート、
グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオ
レート、ペンタエリスリトールモノラウレート、
ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベ
ヘネート、ソルビタンジステアレート、ジグリセ
リンモノオレート、トリグリセリンジオレート、
ナトリウムラウリルサルフエート、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、ブチルナフタレンス
ルホン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアン
モニウムクロライド、ドデシルアミン塩酸塩、ラ
ウリン酸ラウリルアミドエチル燐酸塩、トリエチ
ルセチルアンモニウムイオダイド、オレイルアミ
ノジエチルアミン塩酸塩、ドデシルピリジニウム
硫酸塩の塩基性ピリジニウム塩などがあげられ
る。 中でも炭素数14〜22の脂肪酸とソルビタン、ソ
ルビトール、グリセリン、ポリグリセリン、プロ
ピレングリコールなどの多価アルコールとのエス
テルあるいはそのアルキレンオキサイド付加物を
主成分とする非イオン系界面活性剤等が好ましい
ものとして挙げられる。 これらの防曇剤の1種を選択して使用すること
も可能であるが、初期流滴性、流滴持続性、低温
流滴性等を同時に満足させるために2種以上の防
曇剤をブレンドして使用することもできる。 防曇剤の含有量は(A)層を構成する重合体に対し
て0.1〜2重量%の範囲で適宜選択される。0.1重
量%未満では防曇性が低下して好ましくない。2
重量%を越えると耐熱性が低下し又気温が上昇し
た春等の使用時にフイルムの白化が著しくなるの
で好ましくない。 (A)層は30μ以上を満足する必要がある。この厚
みより小さいと防曇性が悪くなる。 この(A)層に(B)層で詳述するハイドロタルサイト
を添加してもよいがその添加量は重量比で防曇剤
に対して3以下であることが望ましい。これ以上
になると防曇性の低下が著しく農業用フイルムと
しての使用に適さない。 本発明における(B)層を構成するエチレン系樹脂
は密度0.930未満の高圧法低密度ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アル
キル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−
α−オレフイン共重合体等である。もちろんこれ
らの樹脂は単独あるいは2種以上を混合して使用
することも可能である。 密度0.930未満の高圧法低密度ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アル
キル(メタ)アクリレート共重合体等は高圧ラジ
カルプロセスによつて製造され、そのMFRは0.5
〜10好ましくは0.5〜5のものが使用される。
MFRが小さすぎるとフイルムの成形性特に押出
加工性、高速延伸性が悪くなるので好ましくな
い。又MFRが大きくなるとフイルムの成形性特
にインフレーシヨン成形におけるバブルの不安定
性をきたすので好ましくない。高圧ラジカル重合
プロセスで製造される重合体の中では、酢酸ビニ
ル含有量45重量%以下、特に20重量%以下のエチ
レン−酢酸ビニル共重合体が透明性、保温性、耐
熱融着性、価格等の点で最も好ましい。 エチレン−α−オレフイン共重合体はエチレン
とプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1,4−
メチルペンテン−1、オクテンなどのα−オレフ
インとの共重合体であり、この共重合体は遷移金
属化合物を含む触媒(いわゆるチーグラ法)、ア
ルミナ又はシリカ−アルミナに担持させた酸化ク
ロム触媒(フイリツプス法)、アルミナに担持さ
せた酸化モリブデン触媒(スタンダード法)など
の存在下、液相又は気相で共重合を行うことによ
り製造され、メルトフローレート(以下MFRと
略す、単位g/10min)は0.5〜20、好ましくは
0.5〜10、密度は0.940g/cm3以下好ましくは
0.935g/cm3以下である。 MFRが低すぎるとフイルムの成形性特に押出
加工性、高速延伸性、が悪くなるので好ましくな
い。又MFRが大きくなると機械強度が低下する
ので好ましくない。密度が高すぎると透明性が失
われるので好ましくない。密度が低すぎると腰が
弱くなり、展張作業性が乏しくなるので好ましく
ない。 (B)層に添加するハイドロタルサイトまたはその
類緑化合物とは(以下ハイドロタルサイトと略
す) (M2+)1-xAlx(OH)2 (An-)x/o・mH2O …(1) 但し式中、M2+はMg,Ca及びZoよりなる群か
らえらばれた二価金属イオンを示し、An-はn価
のアニオンを示し、そしてx及びmは下記式の条
件を満足する、 0<x<0.5 0≦m≦2 で表わされる化合物やその焼成物等である。 上記式(1)に於いてAn-で表わされるn価のアニ
オンの例としてはCl-,Br-,I-,NO3 -,ClO4 -,
SO4 2-,CO3 2-,SiO3 2-,HPO4 2-,HBO3 2-,
PO4 2-などの如きアニオンを例示することができ
る。 その具体例としては協和化学工業(株)のアルカマ
イザー1(x=0.33,m=0,A=CO3 2-)、アル
カマイザー2(x=0.33,m=0,A=CO3 2-)等
が挙げられる。 そしてその平均粒径は10μ以下が好ましく、更
に3μ以下のものがより好適に用いられる。平均
粒径が10μをこえると、フイルムの強度及び透明
性が大巾に低下するので農業用フイルムとして使
用することが難しくなる。又上記ハイドロタルサ
イトの分散性を向上させるため、表面処理剤で処
理して使用することが好ましい。表面処理剤の例
として、パラフイン、脂肪酸、高級アルコール、
多価アルコール、チタネート系カツプリング剤、
シラン系カツプリング剤等が挙げられる。 ハイドロタルサイトの使用量はエチレン系樹
脂/ハイドロタルサイト類=99〜40/1〜60重量
部で適宜選択される。更に好ましくはその比が98
〜75/2〜25で使用される。 上記量範囲を逸脱して、過少量にすぎると、所
謂赤外線吸入能が低下し夜間赤外線が農業用フイ
ルムを透過、放射するのを阻止する能力が不十分
となる。即ち保温性が不十分となる。 一方上記量範囲を逸脱して過大量すぎると、樹
脂とハイドロタルサイトの分散が不十分となり、
透明性の低下が大きくなつて可視光線透過率が低
下する。このため日中太陽光線エネルギーの農業
用フイルムの透過が減少するのでハウス内の地温
が上らなくなり、結局作物の生育に必要なエネル
ギー量が低下して生育が悪くなる。この透明性の
低下以外に更に、フイルムの機械強度が低下し裂
け易くなり展張作業性が低下する。 この層には防曇剤を含有させることができる。
この防曇剤は内層の防曇剤がフイルム展張中に、
外層に移行し、結果的に内層の防曇剤濃度が稀薄
になるのを防止する役目あるいは内層表面の防曇
剤が水滴により流され、短期間で防曇性能を低下
させた場合に防曇剤を補給する役目を果す。した
がつて、その濃度は特に規定されないが、一般に
内層と同様に0.1〜2重量%含有することが好ま
しい。また使用する防曇剤は前記内層と同一であ
つてもよいし、内層と異なつて例えば遅効性の防
曇剤を使用してもよい。 但し(B)層が外層に存在し、且つハウスの外張り
等に使用する場合には、(B)層中には防曇剤を含有
させないことが好ましいが、防曇剤/ハイドロタ
ルサイトの比が0.3以下、好ましくは0.1以下であ
れば添加してもよい。これを超えると防曇剤がフ
イルムの外表面にブリード−アウトして、フイル
ムの白化や屋外のほこり、砂じん付着によるフイ
ルム汚染が発生し、最終的にフイルムの可視光線
透過率が低下するので、日中太陽光線エネルギー
の農業用フイルムの透過が減少するので好ましく
ない。 本発明のフイルムは (1) 内層(A)/外層(B) (2) 内層(A)/中間層(B)/外層(C) (3) 内層(A)/中間層(C)/外層(B) (4) 内層(A)/中間層(B)/中間層(D)/外層(C) (5) 内層(A)/中間層(D)/中間層(B)/外層(C) (6) 内層(A)/中間層(D)/中間層(B)/中間層(D)/ 外層(C) (7) 内層(A)/中間層(D)/中間層(B)/中間層(E)/ 外層(C) 等2層以上の各種多層フイルムとして使用し得
る。 (A)層、(B)層以外の各層に使用する樹脂としては
(B)層に関して説明したエチレン系樹脂即ち低密度
ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合
体、エチレン−α−オレフイン共重合体等を使用
することができる。これらの層には必要に応じて
ハイドロタルサイト、防曇剤を添加することがで
きる。なおハイドロタルサイトの濃度は、前述の
理由から60%以下である。防曇剤は内層(A)で説明
した各種防曇剤を適宜選択し得る。 本発明の多層フイルムのバリ等は各層に添加し
て使用することを妨げない。 以上の構成よりなる各層には必要に応じて、こ
の技術分野に慣用の種々の他の添加剤を含有する
ことが出来る。 この様な他の添加剤の例としては酸化防止剤、
光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、ア
ンチブロツキング剤、防霧剤など、この技術分野
によく知られた各種の添加剤を挙げることができ
る。 本発明の農業用フイルムは無色のフイルムのみ
ならず、顔料、染料などで着色したフイルムも成
形される。 本発明のフイルムはインフレーシヨン法、キヤ
スト法等で成形され、その全厚は強度、性能、生
産コスト等を考慮して0.035〜0.3mmの範囲、好ま
しくは0.05〜0.2mm厚みの範囲である。また各層
の厚みの比率は、(A)層と(B)層の厚みの和が0.03mm
以上を満足する限り、各層の厚み比率は任意に選
び得る。 (発明の効果) 本発明者らはエチレン系重合体を用いて軟質ポ
リ塩化ビニルフイルムよりもすぐれた農業用保温
被覆フイルムを製造する方法を検討した。 その結果は以下のことを見出した。 (1) (A)層に用いる樹脂としては耐熱融着性能を考
慮して、低密度ポリエチレン或いは酢酸ビニル
含量10重量%未満のエチレン−酢酸ビニル共重
合体が最適である。 (2) 一方これらの重合体は、防曇剤の移行性が比
較的大きいので、この層にハイドロタルサイト
を添加すると、ハイドロタルサイトへ防曇剤が
吸着又は相溶するため、フイルム表面への防曇
剤の移行が抑制される傾向にある。このよう
に、防曇剤の移行速度を調節する目的および保
温性を向上する目的で若干量のハイドロタルサ
イトを(A)層へ添加してもよいが、いずれの重合
体を用いる場合にもハイドロタルサイトの添加
重量は防曇剤重量に対して3以下に押えること
が必要である。 (3) (B)層に用いる樹脂としては、強度、耐スクラ
ツチ性、展張作業性、フイラー保持能力等を考
慮して、エチレン系樹脂の中から適宜選択して
使用することができる。 (4) (B)層に添加する赤外線吸収剤ハイドロタルサ
イトは赤外線吸収効果がすぐれ、保温性農業用
フイルムの添加剤として最もすぐれたものの一
つであり、その保温効果はその添加量の増加に
つれて向上する。 本発明者らは、以上の実験結果を踏まえて、フ
イルムを構成する原料樹脂を特定するとともに、
内層(A)層および(B)層に添加する防曇剤の量、ハイ
ドロタルサイトの量および両者の濃度比を特定す
ることによつて本発明を完成した。 本発明の農業用多層フイルムは、保温性、耐熱
融着性、透明性、防曇性、作業強度がすぐれてお
り耐汚染性や廃棄処理の点でポリ塩化ビニルフイ
ルムよりもすぐれている。それ故施設栽培用の被
覆フイルムとして極めて有用なものである。 (実施例) 以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の
例に限定されるものでない。 実施例1〜4 比較例1〜7 三層インフレーシヨン成形装置として三層ダイ
に150mmφ(トミー機械工業(株)製)を用い、押出機
は外層を40mmφ押出機(モダンマシナリー(株)製)、
中間層を45mmφ押出機(プラコー(株)製)内層を50
mmφ押出機(モダンマシナリー(株)製)として成形
温度160℃、ブロー比1.5、引取速度5m/分にて、
第1表に示す構成の多層又は単層フイルムを得
た。なお軟質ポリ塩化ビニルフイルムは市販品を
用いた。 各フイルムについて次のような評価試験を行つ
た。その結果を第1表に示す。 (1) 低温時の防曇性 25℃の水を容器容量の2/3まで入れた保温容器
(直径15cm、高さ17cm)の上部を試料で密封し、−
10℃の冷風循環式低温室に静置し、20時間後室温
に戻し4時間静置した。このサイクルを7回繰り
返した。 完全に透明で曇りの発生が全然ない場合を10と
し結露した水滴によつてフイルムが完全に曇つた
場合を1として10段階に評価した。 (2) 防曇持続性 50℃に保つた恒温水槽上に、水平面から5°の傾
きをもつて試料フイルムを展張し、フイルム内面
に対する水の凝縮状態を時間の経過とともに観察
し、低温時の防曇性と同様に10段階で評価した。 (3) 防曇性 以下に述べる保温性の測定用に作成したトンネ
ルに積層フイルムを4ケ月間展張し、4ケ月後の
透明性(太陽光線透過率)の展張初期における透
明性(太陽光線透過率)に対する減少率で判定し
た。太陽光線透過率は照度計(東京光電(株)製、
ANA 300型)により測定した。 A−3%以下、B−3〜10%、C−10%以上 (4) 融着温度 フイルムの内面同志を重ねて赤外線を照射す
る。フイルムの赤外線照射面の反対側に熱電対を
セツトしその温度を測定する。照射後のフイルム
の内面同志間の接着強度を測定する。20g/20mm
幅に相当する温度をもつて融着温度とする。接着
強度の測定条件は23℃、クロスヘツト速度300
mm/minで行つた。 (5) 保温性 この積層フイルムをアーチ状の架設体に密封状
に展張してトンネルを作成した。なおアーチ状の
架設体は高さが約0.65m、幅が約1.5mの大きさの
ものであつた。 地表から20cmの高さのハウス内外の気温の差を
10分毎に計測し(昭和61年1月、於:千葉県市原
市)午後6時から翌朝6時までの7日間の平均を
算出した。この結果を表1に示した。 (6) 破断点強度 引張試験(JIS K 6783に準拠)により積層フ
イルムのMD方向およびTD方向の破断点強度を
測定した。 (7) 破断点伸び 破断点強度の測定法と同様に積層フイルムの
MD方向およびTD方向の破断点伸びを測定した。 (8) 落球衝撃強度 ASTM D 1709A法に準拠して測定した。 (9) フイルムステイフネス Handle−C−Meterによつてフイルムステイ
フネスを測定した。 (10) 引張強度 JIS K 6783に準拠して、積層フイルムのMD
方向およびTD方向の引張強度を測定した。 各々の結果を表1に示した。
【表】
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ハイドロタルサイトまたはその類縁化合物お
よび防曇剤を含有する農業用多層フイルムにおい
て、該多層フイルムが、内層として、 (A) 0.1〜2重量%の防曇剤を含有し且つハイド
ロタルサイトまたはその類縁化合物の含有量が
重量比で防曇剤に対し3以下である低密度ポリ
エチレン或いは酢酸ビニル含有量10重量%未満
のエチレン−酢酸ビニル共重合体の層 を含み且つ内層以外の層として、 (B) 1〜60重量%のハイドロタルサイトまたはそ
の類縁化合物を含有するエチレン系樹脂層 を含むことを特徴とする農業用多層フイルム。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62012486A JPS63182146A (ja) | 1987-01-23 | 1987-01-23 | 農業用多層フイルム |
| KR1019870012414A KR920000001B1 (ko) | 1986-01-05 | 1987-11-05 | 농업용 다층 필름 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62012486A JPS63182146A (ja) | 1987-01-23 | 1987-01-23 | 農業用多層フイルム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63182146A JPS63182146A (ja) | 1988-07-27 |
| JPH0466185B2 true JPH0466185B2 (ja) | 1992-10-22 |
Family
ID=11806728
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62012486A Granted JPS63182146A (ja) | 1986-01-05 | 1987-01-23 | 農業用多層フイルム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63182146A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2619673B2 (ja) * | 1988-01-14 | 1997-06-11 | 日本ユニカー株式会社 | 農業用積層フイルム |
| JP2000354426A (ja) * | 1999-06-16 | 2000-12-26 | C I Kasei Co Ltd | 5層構造の防曇性オレフィン系農業用フイルム |
-
1987
- 1987-01-23 JP JP62012486A patent/JPS63182146A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63182146A (ja) | 1988-07-27 |
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