JPH0467502B2 - - Google Patents
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- JPH0467502B2 JPH0467502B2 JP61151878A JP15187886A JPH0467502B2 JP H0467502 B2 JPH0467502 B2 JP H0467502B2 JP 61151878 A JP61151878 A JP 61151878A JP 15187886 A JP15187886 A JP 15187886A JP H0467502 B2 JPH0467502 B2 JP H0467502B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel sheet
- film
- undercoat
- aluminum
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
[技術分野]
本発明は、アルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板
を基板とした塗装鋼板に関するものである。 [背景技術] アルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板としては、
特公昭46−7161号公報に示されるようなAlが55.0
重量%、Znが43.4重量%、Siが1.6重量%の合金
をめつきした鋼板、Alが4〜5重量%で残りの
大半がZnと微量のLaやCeを主体とするミツシユ
メタルの合金をめつきした鋼板、Alが4〜5重
量%で残りの大半がZnと0.1重量%のMgの合金を
めつきした鋼板などが知られている。これらのア
ルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板は従来から汎用
される亜鉛めつき鋼板より優れた耐久性を持つこ
とを狙つて開発されたものであり、裸のまま(無
塗装)のものや塗装したものが屋根や壁などの建
築材料、農業施設、電気機器、自動車、産業機器
などの用途に急速に普及しつつある。すなわちア
ルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板は亜鉛めつき鋼
板に比べてめつき層の厚みが同じであれば、例え
ばAlが55.0重量%、Znが43.4重量%、Siが1.6重
量%の合金めつき鋼板の場合には耐食性において
3〜6倍の実績があり、またAlが4〜7重量%
の低アルミニウムの合金めつき鋼板の場合も亜鉛
めつき鋼板の2倍近い耐食性があるといわれてお
り、従つてこのようなアルミニウム−亜鉛合金め
つき鋼板、特にアルミニウム−亜鉛合金めつき鋼
板を基板とする塗装鋼板が急速に普及しつつある
のである。 しかしながらこのアルミニウム−亜鉛合金めつ
き鋼板を基板として塗装を施した塗装鋼板におい
ては、亜鉛めつき鋼板を基板として塗装を施した
塗装鋼板に比較して、その切断端部は電気化学的
に不利であつて、腐食性雰囲気下においては切断
端部に塗膜のふくれが発生し易いという問題があ
る。そこでこの問題を解決するために特開昭58−
120784号公報「アルミニウム−亜鉛合金めつき鋼
板を基板とした塗装鋼板」や特開昭59−14942号
公報「塗装鋼板」によつて開示されているよう
に、下塗り塗料中に水溶解度の低いクロム酸スト
ロンチユームなどのようなクロム酸系防錆顔料と
水溶解度の高いクロム酸カルシウムなどのクロム
酸系防錆顔料を混合添加したり、あるいは高濃度
にクロム酸ストロンチユーム、クロム酸バリウ
ム、クロム酸亜鉛カリなどのようなクロム酸系防
錆顔料を添加することがおこなわれており、これ
によつて塗膜のふくれの発生を防止するようにし
ている。しかしこれらの対策によつて切断端部の
塗膜のふくれを改善することはできるが、十分と
はいえないものである。 一方、アルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板に塗
装を施す場合、塗膜の密着力を向上させるために
化成処理によつて表面処理をおこなうことがなさ
れる。しかし化成処理を施すにあたつて燐酸亜鉛
系や燐酸鉄系などの燐酸系の化成処理液を使用す
ると、アルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板のめつ
き層中のアルミニウムが燐酸中に溶解し、そして
これが或る一定濃度に達すると化成処理被膜の形
成が阻害されて塗膜密着力が低下するおそれがあ
る。そこでクロム酸系またはクロム酸とシリカゲ
ルとの混合化成処理液やクロム酸とシリカゲル及
び燐酸を含有する化成処理液のようなクロム酸系
化成処理液を使用することがなされており、この
ものでは塗膜の密着力を亜鉛鉄板の場合と同等も
しくはそれ以上に高めることができる。しかしな
がらこのようなクロム酸系化成処理液を用いる場
合、燐酸亜鉛系や燐酸鉄系などの燐酸系化成処理
液を用いる場合に比べて塗膜の耐スクラツチ性な
ど耐傷付性が劣るという問題がある。 [発明の目的] 本発明は、上記の点に鑑みて為されたものであ
り、耐食性雰囲気中における切断端部の塗膜のふ
くれの発生を防止することができ、しかも耐スク
ラツチ性など耐傷付き性に優れたアルミニウム−
亜鉛合金めつき鋼板を基板とする塗装鋼板を提供
することを目的とするものである。 [発明の開示] しかして本発明に係る塗装鋼板は、クロム酸系
化成処理液で化成処理されたアルミニウム−亜鉛
合金めつき鋼板の表面にクロム酸塩を主体とした
防錆顔料が配合された下塗り塗料の塗膜が形成さ
れていると共に、この下塗り塗膜の表面にシラン
系カツプリング剤で表面処理されたガラス繊維を
配合した不飽和ポリエステル系上塗り塗料の上塗
り塗膜が形成されて成ることを特徴とするもので
あり、以下本発明を詳細に説明する。 アルミニウム−亜鉛合金めつきとしては既述し
たものなど任意のものを用いることができ、まず
このアルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板の表面に
化成処理を施す。化成処理をおこなうにあたつて
本発明では塗膜の密着性の向上のためにクロム酸
系、クロム酸とシリカゲルを含有する系、クロム
酸とシリカゲルと燐酸を含有する系などの化成処
理液を用いる。これらのうちクロム酸系やクロム
酸とシリカゲルの混合化成処理液でも十分ではあ
るが、クロム酸とシリカゲル及び燐酸を含有する
化成処理液が最も適しており、この化成処理液に
おいてクロム酸(CrO3)、シリカゲル(SiO2)、
燐酸(H3PO4)の配合重量比率は燐酸を1とす
るとクロム酸を1〜3、シリカゲルを1〜3に設
定するのが好ましい。また化成処理液の塗布量は
乾燥状態で5〜60mg/m2程度に設定されるのが好
ましく、その乾燥温度は60〜100℃程度に設定さ
れるのが好ましいが、もちろんこれらに限定され
るものではない。このように化成処理をおこなつ
たのちに、アルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板の
表面に下塗き塗料を塗布する。 下塗り塗料としてはクロム酸ストロンチユーム
やクロム酸カルシウム、クロム酸バリウム、クロ
ム酸亜鉛カリなどのクロム酸塩を主体とする防錆
顔料を配合したエポキシ系、エポキシウレタン
系、ポリエステル系、高分子ポリエステル系の塗
料が用いられ、この下塗り塗料にはさらに酸化チ
タンや雲母粉末などを配合するのが好ましい。ク
ロム酸塩を主体とする防錆顔料の下塗り塗料の樹
脂系に対する配合量は不揮発成分に対して15〜60
重量%が好ましい。15重量%未満であるとこの防
錆顔料の配合による上塗り塗料の塗膜の切断端部
でのふくれを防止する効果が不十分になり、また
60重量%を超えてもこのふくれ防止効果の向上は
望めず、却つてアルミニウム−亜鉛合金めつき鋼
板への下塗り塗料の密着性が悪くなつて、折り曲
げ加工の際に塗膜が剥がれるなど折り曲げ加工性
が低下することになるものである。アルミニウム
−亜鉛合金めつき鋼板へのこの下塗り塗料の塗布
厚みは、乾燥塗膜の厚みで3〜10μが望ましい。
厚みが3μ未満では上塗り塗料の塗膜の切断端部
でのふくれを防止する効果が不十分であり、上塗
り塗料の塗膜の耐スクラツチ性も低下する。この
場合、酸化チタンや雲母粉末の添加によつて耐ス
クラツチ性の低下を抑えることができる。また厚
みが10μを超えると折り曲げ加工性が悪くなる傾
向を示すものである。このようにアルミニウム−
亜鉛合金めつき鋼板の表面に下塗り塗料を塗布し
て下塗り塗膜を形成させた後、この表面にガラス
繊維を配合した上塗り塗料を塗布する。 上塗り塗料としては不飽和ポリエステル樹脂塗
料やシリコン不飽和ポリエステル樹脂塗料のよう
な不飽和ポリエステル樹脂系塗料が用いられるも
のであり、この上塗り塗料にはガラス繊維が配合
される。ここで特公昭50−25485号公報「プレコ
ート鋼板」や、特公昭51−8128号公報「薄片状ガ
ラス入りプレコート鋼板用塗料」などにおいて開
示されているように、塗料に繊維状やフレーク
状、ビーズ状(本発明では塗膜性能の点から繊維
状のものを用いる)のEガラスやCガラスを添加
して用いることによつて、塗膜の強度を上げると
共に高硬度にし、耐傷付性や耐摩耗性を改善する
ことができる。そこで本発明においても不飽和ポ
リエステル樹脂系の上塗り塗料にガラス繊維を配
合することによつて、上塗り塗料の塗膜の強度を
上げると共に高硬度にし、耐傷付性や耐摩耗性を
改善するようにしたものである。しかしガラス繊
維は一般にその表面がOH基のような親水性極性
基で覆われているために塗料との濡れ性が悪くて
馴染まず、塗膜中への均一な分散が難しくて単に
ガラス繊維を添加するだけでは塗膜はポーラスと
なつて却つて水分を通し易くなり、金属基板と塗
膜との密着性の低下や亜鉛イオンの溶出などがあ
つて耐食性が低下してしまうおそれがある。そこ
で本発明においては、ガラス繊維の表面をシラン
系カツプリング剤で表面処理することによつて塗
料樹脂へのガラス繊維の馴染みを良くするように
したものである。不飽和ポリエステル樹脂塗料や
シリコン不飽和ポリエステル樹脂塗料のような不
飽和ポリエステル樹脂系の塗料の場合は、ガラス
繊維の表面をシラン系カツプリング剤で処理する
ことにより、ガラス繊維と塗料樹脂との間に濡れ
性を持たせてガラス繊維を塗膜中に均一に分散さ
せ、塗膜の耐透水性、耐透湿性、耐ガス性などを
向上させることができ、耐食性を向上させること
ができるものである。 シラン系カツプリング剤としては、化学構造式
がCH2=CHSi(OCH3)3で代表されるビニルタイ
プのもの、
を基板とした塗装鋼板に関するものである。 [背景技術] アルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板としては、
特公昭46−7161号公報に示されるようなAlが55.0
重量%、Znが43.4重量%、Siが1.6重量%の合金
をめつきした鋼板、Alが4〜5重量%で残りの
大半がZnと微量のLaやCeを主体とするミツシユ
メタルの合金をめつきした鋼板、Alが4〜5重
量%で残りの大半がZnと0.1重量%のMgの合金を
めつきした鋼板などが知られている。これらのア
ルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板は従来から汎用
される亜鉛めつき鋼板より優れた耐久性を持つこ
とを狙つて開発されたものであり、裸のまま(無
塗装)のものや塗装したものが屋根や壁などの建
築材料、農業施設、電気機器、自動車、産業機器
などの用途に急速に普及しつつある。すなわちア
ルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板は亜鉛めつき鋼
板に比べてめつき層の厚みが同じであれば、例え
ばAlが55.0重量%、Znが43.4重量%、Siが1.6重
量%の合金めつき鋼板の場合には耐食性において
3〜6倍の実績があり、またAlが4〜7重量%
の低アルミニウムの合金めつき鋼板の場合も亜鉛
めつき鋼板の2倍近い耐食性があるといわれてお
り、従つてこのようなアルミニウム−亜鉛合金め
つき鋼板、特にアルミニウム−亜鉛合金めつき鋼
板を基板とする塗装鋼板が急速に普及しつつある
のである。 しかしながらこのアルミニウム−亜鉛合金めつ
き鋼板を基板として塗装を施した塗装鋼板におい
ては、亜鉛めつき鋼板を基板として塗装を施した
塗装鋼板に比較して、その切断端部は電気化学的
に不利であつて、腐食性雰囲気下においては切断
端部に塗膜のふくれが発生し易いという問題があ
る。そこでこの問題を解決するために特開昭58−
120784号公報「アルミニウム−亜鉛合金めつき鋼
板を基板とした塗装鋼板」や特開昭59−14942号
公報「塗装鋼板」によつて開示されているよう
に、下塗り塗料中に水溶解度の低いクロム酸スト
ロンチユームなどのようなクロム酸系防錆顔料と
水溶解度の高いクロム酸カルシウムなどのクロム
酸系防錆顔料を混合添加したり、あるいは高濃度
にクロム酸ストロンチユーム、クロム酸バリウ
ム、クロム酸亜鉛カリなどのようなクロム酸系防
錆顔料を添加することがおこなわれており、これ
によつて塗膜のふくれの発生を防止するようにし
ている。しかしこれらの対策によつて切断端部の
塗膜のふくれを改善することはできるが、十分と
はいえないものである。 一方、アルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板に塗
装を施す場合、塗膜の密着力を向上させるために
化成処理によつて表面処理をおこなうことがなさ
れる。しかし化成処理を施すにあたつて燐酸亜鉛
系や燐酸鉄系などの燐酸系の化成処理液を使用す
ると、アルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板のめつ
き層中のアルミニウムが燐酸中に溶解し、そして
これが或る一定濃度に達すると化成処理被膜の形
成が阻害されて塗膜密着力が低下するおそれがあ
る。そこでクロム酸系またはクロム酸とシリカゲ
ルとの混合化成処理液やクロム酸とシリカゲル及
び燐酸を含有する化成処理液のようなクロム酸系
化成処理液を使用することがなされており、この
ものでは塗膜の密着力を亜鉛鉄板の場合と同等も
しくはそれ以上に高めることができる。しかしな
がらこのようなクロム酸系化成処理液を用いる場
合、燐酸亜鉛系や燐酸鉄系などの燐酸系化成処理
液を用いる場合に比べて塗膜の耐スクラツチ性な
ど耐傷付性が劣るという問題がある。 [発明の目的] 本発明は、上記の点に鑑みて為されたものであ
り、耐食性雰囲気中における切断端部の塗膜のふ
くれの発生を防止することができ、しかも耐スク
ラツチ性など耐傷付き性に優れたアルミニウム−
亜鉛合金めつき鋼板を基板とする塗装鋼板を提供
することを目的とするものである。 [発明の開示] しかして本発明に係る塗装鋼板は、クロム酸系
化成処理液で化成処理されたアルミニウム−亜鉛
合金めつき鋼板の表面にクロム酸塩を主体とした
防錆顔料が配合された下塗り塗料の塗膜が形成さ
れていると共に、この下塗り塗膜の表面にシラン
系カツプリング剤で表面処理されたガラス繊維を
配合した不飽和ポリエステル系上塗り塗料の上塗
り塗膜が形成されて成ることを特徴とするもので
あり、以下本発明を詳細に説明する。 アルミニウム−亜鉛合金めつきとしては既述し
たものなど任意のものを用いることができ、まず
このアルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板の表面に
化成処理を施す。化成処理をおこなうにあたつて
本発明では塗膜の密着性の向上のためにクロム酸
系、クロム酸とシリカゲルを含有する系、クロム
酸とシリカゲルと燐酸を含有する系などの化成処
理液を用いる。これらのうちクロム酸系やクロム
酸とシリカゲルの混合化成処理液でも十分ではあ
るが、クロム酸とシリカゲル及び燐酸を含有する
化成処理液が最も適しており、この化成処理液に
おいてクロム酸(CrO3)、シリカゲル(SiO2)、
燐酸(H3PO4)の配合重量比率は燐酸を1とす
るとクロム酸を1〜3、シリカゲルを1〜3に設
定するのが好ましい。また化成処理液の塗布量は
乾燥状態で5〜60mg/m2程度に設定されるのが好
ましく、その乾燥温度は60〜100℃程度に設定さ
れるのが好ましいが、もちろんこれらに限定され
るものではない。このように化成処理をおこなつ
たのちに、アルミニウム−亜鉛合金めつき鋼板の
表面に下塗き塗料を塗布する。 下塗り塗料としてはクロム酸ストロンチユーム
やクロム酸カルシウム、クロム酸バリウム、クロ
ム酸亜鉛カリなどのクロム酸塩を主体とする防錆
顔料を配合したエポキシ系、エポキシウレタン
系、ポリエステル系、高分子ポリエステル系の塗
料が用いられ、この下塗り塗料にはさらに酸化チ
タンや雲母粉末などを配合するのが好ましい。ク
ロム酸塩を主体とする防錆顔料の下塗り塗料の樹
脂系に対する配合量は不揮発成分に対して15〜60
重量%が好ましい。15重量%未満であるとこの防
錆顔料の配合による上塗り塗料の塗膜の切断端部
でのふくれを防止する効果が不十分になり、また
60重量%を超えてもこのふくれ防止効果の向上は
望めず、却つてアルミニウム−亜鉛合金めつき鋼
板への下塗り塗料の密着性が悪くなつて、折り曲
げ加工の際に塗膜が剥がれるなど折り曲げ加工性
が低下することになるものである。アルミニウム
−亜鉛合金めつき鋼板へのこの下塗り塗料の塗布
厚みは、乾燥塗膜の厚みで3〜10μが望ましい。
厚みが3μ未満では上塗り塗料の塗膜の切断端部
でのふくれを防止する効果が不十分であり、上塗
り塗料の塗膜の耐スクラツチ性も低下する。この
場合、酸化チタンや雲母粉末の添加によつて耐ス
クラツチ性の低下を抑えることができる。また厚
みが10μを超えると折り曲げ加工性が悪くなる傾
向を示すものである。このようにアルミニウム−
亜鉛合金めつき鋼板の表面に下塗り塗料を塗布し
て下塗り塗膜を形成させた後、この表面にガラス
繊維を配合した上塗り塗料を塗布する。 上塗り塗料としては不飽和ポリエステル樹脂塗
料やシリコン不飽和ポリエステル樹脂塗料のよう
な不飽和ポリエステル樹脂系塗料が用いられるも
のであり、この上塗り塗料にはガラス繊維が配合
される。ここで特公昭50−25485号公報「プレコ
ート鋼板」や、特公昭51−8128号公報「薄片状ガ
ラス入りプレコート鋼板用塗料」などにおいて開
示されているように、塗料に繊維状やフレーク
状、ビーズ状(本発明では塗膜性能の点から繊維
状のものを用いる)のEガラスやCガラスを添加
して用いることによつて、塗膜の強度を上げると
共に高硬度にし、耐傷付性や耐摩耗性を改善する
ことができる。そこで本発明においても不飽和ポ
リエステル樹脂系の上塗り塗料にガラス繊維を配
合することによつて、上塗り塗料の塗膜の強度を
上げると共に高硬度にし、耐傷付性や耐摩耗性を
改善するようにしたものである。しかしガラス繊
維は一般にその表面がOH基のような親水性極性
基で覆われているために塗料との濡れ性が悪くて
馴染まず、塗膜中への均一な分散が難しくて単に
ガラス繊維を添加するだけでは塗膜はポーラスと
なつて却つて水分を通し易くなり、金属基板と塗
膜との密着性の低下や亜鉛イオンの溶出などがあ
つて耐食性が低下してしまうおそれがある。そこ
で本発明においては、ガラス繊維の表面をシラン
系カツプリング剤で表面処理することによつて塗
料樹脂へのガラス繊維の馴染みを良くするように
したものである。不飽和ポリエステル樹脂塗料や
シリコン不飽和ポリエステル樹脂塗料のような不
飽和ポリエステル樹脂系の塗料の場合は、ガラス
繊維の表面をシラン系カツプリング剤で処理する
ことにより、ガラス繊維と塗料樹脂との間に濡れ
性を持たせてガラス繊維を塗膜中に均一に分散さ
せ、塗膜の耐透水性、耐透湿性、耐ガス性などを
向上させることができ、耐食性を向上させること
ができるものである。 シラン系カツプリング剤としては、化学構造式
がCH2=CHSi(OCH3)3で代表されるビニルタイ
プのもの、
【式】で代表され
るエポキシタイプのもの、
【式】で代表され
るメタクリロキシタイプのもの、
HSC3H6Si(OCH3)3で代表されるメルカプトタ
イプのもの、その他クロロプポピルタイプのもの
等を用いることができる。 不飽和ポリエステル樹脂系塗料の上塗り塗料は
不飽和ポリエステル樹脂やシリコン不飽和ポリエ
ステル樹脂と顔料、溶剤等によつて構成されてい
る。そしてこの上塗り塗料のシラン系カツプリン
グ剤で表面処理したガラス繊維の配合量は、塗料
100重量部に対して8〜40重量部に設定するのが
好ましい。配合量が8重量%未満であるとガラス
繊維の配合による上塗り塗膜の硬度向上による耐
傷付性の効果を十分に得ることができず、また40
重量%を超えると塗膜の伸びが極端に低下し、折
り曲げ加工性が悪くなるものである。またこのガ
ラス繊維としてはEガラスやCガラスなどのもの
を用いることができるが、ガラス繊維の直径は3
〜30μに繊維長さは3〜100μにそれぞれ設定され
るのが好ましい。不飽和ポリエステル樹脂系の上
塗り塗料は塗膜厚みが20〜35μと薄くなるように
塗布されるが、ガラス繊維の直径がこれより大き
くなると塗膜表面にガラス繊維が配列して加工時
の塗膜に亀裂が発生したり、またガラス繊維が塗
膜から欠落したりし易くなるものであり、ガラス
繊維の直径がこれより小さくなると塗膜の強度の
向上の効果が十分でなくなるものである。またガ
ラス繊維の繊維長さがこれより長くなると塗料へ
のガラス繊維の分散が均一におこなえなくなり、
ガラス繊維の繊維長さがこれより短くなると塗膜
の強度の向上の効果が十分でなくなるものであ
る。このようにガラス繊維を配合して撹拌するこ
とによつて塗料化をし、アルミニウム−亜鉛合金
めつき鋼板に施した下塗り塗膜の上に塗布するこ
とによつて上塗り塗膜を形成させ、塗装鋼板に仕
上げるものである。 ここで上塗り塗膜の透湿度を試験するために、
シラン系カツプリング剤で表面処理した直径が
13μで繊維長さが30〜50μのガラス繊維を0重量
%、10重量%、20重量%、30重量%の4水準で不
飽和ポリエステル樹脂塗料に添加し、これをフツ
素樹脂クリアー塗装板にバーコーターによつて乾
燥塗膜厚で50μとなるように塗布し、5〜10分の
セツテイングののちに雰囲気温度140℃の電気炉
で10分間焼き付けをおこない、塗膜を塗装板から
剥離することによつて供試フリーフイルムを得
た。そしてこのフイルムをJISZ0208に準拠して
温度40℃±0.5℃、湿度90±2%RHの条件で透湿
試験を20時間と72時間とについて実施した。第1
表に示す結果のようにガラス繊維の添加量が10重
量%程度までは透湿度に関係せず、10重量%を超
えると添加量の増加によつて透湿度が低下するこ
とが見られる。
イプのもの、その他クロロプポピルタイプのもの
等を用いることができる。 不飽和ポリエステル樹脂系塗料の上塗り塗料は
不飽和ポリエステル樹脂やシリコン不飽和ポリエ
ステル樹脂と顔料、溶剤等によつて構成されてい
る。そしてこの上塗り塗料のシラン系カツプリン
グ剤で表面処理したガラス繊維の配合量は、塗料
100重量部に対して8〜40重量部に設定するのが
好ましい。配合量が8重量%未満であるとガラス
繊維の配合による上塗り塗膜の硬度向上による耐
傷付性の効果を十分に得ることができず、また40
重量%を超えると塗膜の伸びが極端に低下し、折
り曲げ加工性が悪くなるものである。またこのガ
ラス繊維としてはEガラスやCガラスなどのもの
を用いることができるが、ガラス繊維の直径は3
〜30μに繊維長さは3〜100μにそれぞれ設定され
るのが好ましい。不飽和ポリエステル樹脂系の上
塗り塗料は塗膜厚みが20〜35μと薄くなるように
塗布されるが、ガラス繊維の直径がこれより大き
くなると塗膜表面にガラス繊維が配列して加工時
の塗膜に亀裂が発生したり、またガラス繊維が塗
膜から欠落したりし易くなるものであり、ガラス
繊維の直径がこれより小さくなると塗膜の強度の
向上の効果が十分でなくなるものである。またガ
ラス繊維の繊維長さがこれより長くなると塗料へ
のガラス繊維の分散が均一におこなえなくなり、
ガラス繊維の繊維長さがこれより短くなると塗膜
の強度の向上の効果が十分でなくなるものであ
る。このようにガラス繊維を配合して撹拌するこ
とによつて塗料化をし、アルミニウム−亜鉛合金
めつき鋼板に施した下塗り塗膜の上に塗布するこ
とによつて上塗り塗膜を形成させ、塗装鋼板に仕
上げるものである。 ここで上塗り塗膜の透湿度を試験するために、
シラン系カツプリング剤で表面処理した直径が
13μで繊維長さが30〜50μのガラス繊維を0重量
%、10重量%、20重量%、30重量%の4水準で不
飽和ポリエステル樹脂塗料に添加し、これをフツ
素樹脂クリアー塗装板にバーコーターによつて乾
燥塗膜厚で50μとなるように塗布し、5〜10分の
セツテイングののちに雰囲気温度140℃の電気炉
で10分間焼き付けをおこない、塗膜を塗装板から
剥離することによつて供試フリーフイルムを得
た。そしてこのフイルムをJISZ0208に準拠して
温度40℃±0.5℃、湿度90±2%RHの条件で透湿
試験を20時間と72時間とについて実施した。第1
表に示す結果のようにガラス繊維の添加量が10重
量%程度までは透湿度に関係せず、10重量%を超
えると添加量の増加によつて透湿度が低下するこ
とが見られる。
【表】
上記のようにして得られる塗装鋼板にあつて
は、アルミニウム−亜鉛めつき鋼板の表面の化成
処理はクロム酸系の化成処理液によつておこなわ
れているために、この化成処理膜で基板と塗膜と
の密着性を向上させることができると共に、また
クロム酸塩を主体とした防錆顔料が配合された下
塗り塗料を用いているために下塗り塗膜で上塗り
塗膜と基板との間の密着性を向上させることがで
き、この結果クロム酸系化成処理とクロム酸塩を
主体とする防錆顔料を配合した下塗り塗料との相
乗作用で基板と塗膜との密着性を高度に確保し
て、切断端部の塗膜ふくれの発生を防止すること
ができるものである。そしてこのようにクロム酸
系化成処理液で化成処理をおこなうと塗膜の耐ス
クラツチ性など耐傷付性が低下する傾向が生じる
が、上塗り塗料に配合したガラス繊維によつて塗
膜の硬度を高めて耐傷付性の低下を防いで耐スク
ラツチ性などを向上させることができるものであ
り、しかもこのときガラス繊維はシラン系カツプ
リング剤で表面処理された状態で不飽和ポリエス
テル樹脂系の上塗り塗料に配合するようにしてあ
るために、シラン系カツプリング剤の作用で不飽
和ポリエステル樹脂系上塗り塗料中の樹脂などに
対するガラス繊維の濡れ性が良くなり、水分の透
過性が高くなるようなことなくガラス繊維の配合
による塗膜強度と塗膜硬度の向上を有効に発揮さ
せることができるものである。 次に本発明を実施例によつて例証する。 実施例 厚みが0.4mm、55.0%Al−43.4%Zn−1.6%Siの
合金めつきを80g/m2(片面)で施したアルミニ
ウム−亜鉛めつき鋼板を基板として用い、クロム
酸:シリカゲル:燐酸=2:2:1の重量比率で
配合されたクロム酸系化成処理液をこの基板の表
面に処理被膜量50mg/m2(片面)でロール塗布す
ると共に90℃、20秒の条件で乾燥することによつ
て、アルミニウム−亜鉛めつき鋼板を化成処理し
た。 次に防錆顔料としてクロム酸ストロンチウムが
25重量%、クロム酸カルシウムが25重量%それぞ
れ配合されたエポキシ樹脂系下塗り塗料をアルミ
ニウム−亜鉛めつき鋼板の化成処理した表面に塗
布した。塗布は乾燥塗膜厚が4μになるようにロ
ール塗布によつておこない、200℃、60秒の条件
で乾燥することによつて下塗り塗膜を形成させ
た。 さらに不飽和ポリエステル樹脂系上塗り塗料
(日本ペイント株式会社製スーパーラツクDIF F
−60艶消、青色)に、直径が13μ、繊維長が30〜
50μでエポキシタイプのシランカツプリング剤で
表面処理されたガラス繊維を塗料100重量部に対
して20重量部宛で添加し、これをアルミニウム−
亜鉛めつき鋼板の下塗り塗膜上に塗布した。塗布
は乾燥塗膜厚が20μになるようにロール塗布によ
つておこない、200℃、60秒の条件で乾燥するこ
とによつて上塗り塗膜を形成させ、塗装アルミニ
ウム−亜鉛めつき鋼板を得た。 比較例 1 上塗り塗料へのガラス繊維の添加量を塗料100
重量部に対して5重量部に設定した他は実施例と
同様にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき鋼板
を得た。 比較例 2 上塗り塗料へのガラス繊維の添加量を塗料100
重量部に対して60重量部に設定した他は実施例と
同様にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき鋼板
を得た。 比較例 3 上塗り塗料に添加するガラス繊維として直径が
1μのものを用いるようにした他は実施例と同様
にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき鋼板を得
た。 比較例 4 上塗り塗料に添加するガラス繊維として直径が
50μのものを用いるようにした他は実施例と同様
にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき鋼板を得
た。 比較例 5 上塗り塗料に添加するガラス繊維として繊維長
が1〜2μのものを用いるようにした他は実施例
と同様にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき鋼
板を得た。 比較例 6 上塗り塗料に添加するガラス繊維として繊維長
が130〜150μのものを用いるようにした他は実施
例と同様にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき
鋼板を得た。 比較例 7 上塗り塗料に添加するガラス繊維としてカツプ
リング剤による処理をおこなつていないものを用
いるようにした他は実施例と同様にして、塗装ア
ルミニウム−亜鉛めつき鋼板を得た。 比較例 8 上塗り塗料としてガラス繊維を添加しないもの
を用いるようにした他は実施例と同様にして、塗
装アルミニウム−亜鉛めつき鋼板を得た。 比較例 9 下塗り塗料として防錆顔料を添加しないものを
用いるようにした他は実施例と同様にして、塗装
アルミニウム−亜鉛めつき鋼板を得た。 比較例 10 防錆顔料としてクロム酸ストロンチウムを5重
量%、クロム酸カルシウムを5重量%配合して調
製した下塗り塗料を用いるようにした他は実施例
と同様にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき鋼
板を得た。 比較例 11 防錆顔料としてクロム酸ストロンチウムを40重
量%、クロム酸カルシウムを40重量%配合して調
製した下塗り塗料を用いるようにした他は実施例
と同様にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき鋼
板を得た。 比較例 12 厚みが0.4mmのZ25の亜鉛鉄板を基板として用
い、リン酸亜鉛系化成処理液(日本パーカライジ
ング社製ボンデライト103)をこの基板の表面に
被膜量1.0g/m2で浸漬処理することによつて亜
鉛鉄板を化成処理した。次に防錆顔料としてクロ
ム酸ストロンチウムが10重量%配合されたエポキ
シ樹脂系下塗り塗料を亜鉛鉄板の化成処理した表
面に塗布した。塗布は乾燥塗膜厚が4μになるよ
うにロール塗布によつておこない、200℃、60秒
の条件で乾燥することによつて下塗り塗膜を形成
させた。さらに不飽和ポリエステル樹脂系上塗り
塗料(日本ペイント株式会社製スーパーラツク
DIF F−60艶消、青色)に、直径が13μ、繊維長
が30〜50μでカツプリング剤によつて処理しない
ガラス繊維を塗料100重量部に対して20重量部宛
で添加し、これを亜鉛鉄板の下塗り塗膜上に塗布
した。塗布は乾燥塗膜厚が20μになるようにロー
ル塗布によつておこない、200℃、60秒の条件で
乾燥することによつて上塗り塗膜を形成させ、塗
装亜鉛鉄板を得た。 比較例 13 上塗り塗料としてガラス繊維を添加しないもの
を用いるようにした他は比較例12と同様にして、
塗装亜鉛鉄板を得た。 比較例 14 防錆顔料としてクロム酸ストロンチウムを10重
量部添加して下塗り塗料を調製し、また上塗り塗
料としてガラス繊維を添加しないものを用いるよ
うにした他は実施例と同様にして、塗装アルミニ
ウム−亜鉛めつき鋼板を得た。 上記実施例及び比較例1乃至14によつて得た塗
装アルミニウム−亜鉛めつき鋼板や塗装亜鉛鉄板
について、耐傷付性、加工性、耐食性の試験をお
こなつた。結果を第2表に示す。ここで第2表の
「耐傷付性」における「鉛筆硬度」はJIS D
0202に基づいて試験をおこなつた。また「耐傷付
性」における「コインスクラツチ」は、塗膜表面
を10円硬貨で45度の角度で引つ掻くことによつて
試験をおこない、塗膜に生じた引つ掻き傷の程度
にて5段階評価をし、下塗り塗膜に達していない
場合を「5」、10%下塗り塗膜に達する場合を
「4」、30%下塗り塗膜に達する場合を「3」、70
%下塗り塗膜に達する場合を「2」、100%下塗り
塗膜に達する場合を「1」とそれぞれ表示した。
「加工性」の「折曲げ性」は、厚み0.4mmの4枚の
鋼板をはさんで試験片を180度の角度で折曲げ、
折曲部にセロハンテープを接着して剥がしたとき
のセロハンテープへの塗膜の接着度合を判定する
ことによつて試験をおこない、セロハンテープへ
の塗膜の付着無しを「○」、セロハンテープへの
塗膜の付着が30%以下の場合を「△」、セロハン
テープへの付着が30%を超えるものを「×」で表
示した。「耐食性」の「耐エツジクリープ性」は、
試験片の三辺の端面及び表面と裏面をポリエステ
ルテープでシールし、この一辺の端面を露出させ
た試験片を塩水噴霧試験機(JIS K 5400)に
1000hr暴露して、シールしていない露出端面から
の塗膜のプリスターふくれ状態を評価することで
試験をおこない、そのブリスター最大長さを表示
した。「耐食性」の「塩水噴霧試験400hr」は、平
板のままの試験片(「平面部」に表示」、0.4mm厚
さの2枚の鋼板をはさんで180度の角度で折り曲
げた試験片(「2T折曲部」に表示)、NTカツタ
ー(「クロスカツト部」に表示)にて塗装面から
基板に達する傷をクロス状につけた試験片をそれ
ぞれ用い、各試験片の端面をポリエステルテープ
でシールしてこれを塩水噴霧試験機(JIS K
5400)に4000hr暴露し、その外観を評価すること
によつて試験をおこない、塗膜表面に異常のない
ものを「◎」、塗膜プリスターあるいは白錆の発
生が30%以下のものを「○」、塗膜プリスターあ
るいは白錆の発生が30%を超えるものを「△」、
赤錆の発生したものを「×」で表示した。
は、アルミニウム−亜鉛めつき鋼板の表面の化成
処理はクロム酸系の化成処理液によつておこなわ
れているために、この化成処理膜で基板と塗膜と
の密着性を向上させることができると共に、また
クロム酸塩を主体とした防錆顔料が配合された下
塗り塗料を用いているために下塗り塗膜で上塗り
塗膜と基板との間の密着性を向上させることがで
き、この結果クロム酸系化成処理とクロム酸塩を
主体とする防錆顔料を配合した下塗り塗料との相
乗作用で基板と塗膜との密着性を高度に確保し
て、切断端部の塗膜ふくれの発生を防止すること
ができるものである。そしてこのようにクロム酸
系化成処理液で化成処理をおこなうと塗膜の耐ス
クラツチ性など耐傷付性が低下する傾向が生じる
が、上塗り塗料に配合したガラス繊維によつて塗
膜の硬度を高めて耐傷付性の低下を防いで耐スク
ラツチ性などを向上させることができるものであ
り、しかもこのときガラス繊維はシラン系カツプ
リング剤で表面処理された状態で不飽和ポリエス
テル樹脂系の上塗り塗料に配合するようにしてあ
るために、シラン系カツプリング剤の作用で不飽
和ポリエステル樹脂系上塗り塗料中の樹脂などに
対するガラス繊維の濡れ性が良くなり、水分の透
過性が高くなるようなことなくガラス繊維の配合
による塗膜強度と塗膜硬度の向上を有効に発揮さ
せることができるものである。 次に本発明を実施例によつて例証する。 実施例 厚みが0.4mm、55.0%Al−43.4%Zn−1.6%Siの
合金めつきを80g/m2(片面)で施したアルミニ
ウム−亜鉛めつき鋼板を基板として用い、クロム
酸:シリカゲル:燐酸=2:2:1の重量比率で
配合されたクロム酸系化成処理液をこの基板の表
面に処理被膜量50mg/m2(片面)でロール塗布す
ると共に90℃、20秒の条件で乾燥することによつ
て、アルミニウム−亜鉛めつき鋼板を化成処理し
た。 次に防錆顔料としてクロム酸ストロンチウムが
25重量%、クロム酸カルシウムが25重量%それぞ
れ配合されたエポキシ樹脂系下塗り塗料をアルミ
ニウム−亜鉛めつき鋼板の化成処理した表面に塗
布した。塗布は乾燥塗膜厚が4μになるようにロ
ール塗布によつておこない、200℃、60秒の条件
で乾燥することによつて下塗り塗膜を形成させ
た。 さらに不飽和ポリエステル樹脂系上塗り塗料
(日本ペイント株式会社製スーパーラツクDIF F
−60艶消、青色)に、直径が13μ、繊維長が30〜
50μでエポキシタイプのシランカツプリング剤で
表面処理されたガラス繊維を塗料100重量部に対
して20重量部宛で添加し、これをアルミニウム−
亜鉛めつき鋼板の下塗り塗膜上に塗布した。塗布
は乾燥塗膜厚が20μになるようにロール塗布によ
つておこない、200℃、60秒の条件で乾燥するこ
とによつて上塗り塗膜を形成させ、塗装アルミニ
ウム−亜鉛めつき鋼板を得た。 比較例 1 上塗り塗料へのガラス繊維の添加量を塗料100
重量部に対して5重量部に設定した他は実施例と
同様にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき鋼板
を得た。 比較例 2 上塗り塗料へのガラス繊維の添加量を塗料100
重量部に対して60重量部に設定した他は実施例と
同様にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき鋼板
を得た。 比較例 3 上塗り塗料に添加するガラス繊維として直径が
1μのものを用いるようにした他は実施例と同様
にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき鋼板を得
た。 比較例 4 上塗り塗料に添加するガラス繊維として直径が
50μのものを用いるようにした他は実施例と同様
にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき鋼板を得
た。 比較例 5 上塗り塗料に添加するガラス繊維として繊維長
が1〜2μのものを用いるようにした他は実施例
と同様にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき鋼
板を得た。 比較例 6 上塗り塗料に添加するガラス繊維として繊維長
が130〜150μのものを用いるようにした他は実施
例と同様にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき
鋼板を得た。 比較例 7 上塗り塗料に添加するガラス繊維としてカツプ
リング剤による処理をおこなつていないものを用
いるようにした他は実施例と同様にして、塗装ア
ルミニウム−亜鉛めつき鋼板を得た。 比較例 8 上塗り塗料としてガラス繊維を添加しないもの
を用いるようにした他は実施例と同様にして、塗
装アルミニウム−亜鉛めつき鋼板を得た。 比較例 9 下塗り塗料として防錆顔料を添加しないものを
用いるようにした他は実施例と同様にして、塗装
アルミニウム−亜鉛めつき鋼板を得た。 比較例 10 防錆顔料としてクロム酸ストロンチウムを5重
量%、クロム酸カルシウムを5重量%配合して調
製した下塗り塗料を用いるようにした他は実施例
と同様にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき鋼
板を得た。 比較例 11 防錆顔料としてクロム酸ストロンチウムを40重
量%、クロム酸カルシウムを40重量%配合して調
製した下塗り塗料を用いるようにした他は実施例
と同様にして、塗装アルミニウム−亜鉛めつき鋼
板を得た。 比較例 12 厚みが0.4mmのZ25の亜鉛鉄板を基板として用
い、リン酸亜鉛系化成処理液(日本パーカライジ
ング社製ボンデライト103)をこの基板の表面に
被膜量1.0g/m2で浸漬処理することによつて亜
鉛鉄板を化成処理した。次に防錆顔料としてクロ
ム酸ストロンチウムが10重量%配合されたエポキ
シ樹脂系下塗り塗料を亜鉛鉄板の化成処理した表
面に塗布した。塗布は乾燥塗膜厚が4μになるよ
うにロール塗布によつておこない、200℃、60秒
の条件で乾燥することによつて下塗り塗膜を形成
させた。さらに不飽和ポリエステル樹脂系上塗り
塗料(日本ペイント株式会社製スーパーラツク
DIF F−60艶消、青色)に、直径が13μ、繊維長
が30〜50μでカツプリング剤によつて処理しない
ガラス繊維を塗料100重量部に対して20重量部宛
で添加し、これを亜鉛鉄板の下塗り塗膜上に塗布
した。塗布は乾燥塗膜厚が20μになるようにロー
ル塗布によつておこない、200℃、60秒の条件で
乾燥することによつて上塗り塗膜を形成させ、塗
装亜鉛鉄板を得た。 比較例 13 上塗り塗料としてガラス繊維を添加しないもの
を用いるようにした他は比較例12と同様にして、
塗装亜鉛鉄板を得た。 比較例 14 防錆顔料としてクロム酸ストロンチウムを10重
量部添加して下塗り塗料を調製し、また上塗り塗
料としてガラス繊維を添加しないものを用いるよ
うにした他は実施例と同様にして、塗装アルミニ
ウム−亜鉛めつき鋼板を得た。 上記実施例及び比較例1乃至14によつて得た塗
装アルミニウム−亜鉛めつき鋼板や塗装亜鉛鉄板
について、耐傷付性、加工性、耐食性の試験をお
こなつた。結果を第2表に示す。ここで第2表の
「耐傷付性」における「鉛筆硬度」はJIS D
0202に基づいて試験をおこなつた。また「耐傷付
性」における「コインスクラツチ」は、塗膜表面
を10円硬貨で45度の角度で引つ掻くことによつて
試験をおこない、塗膜に生じた引つ掻き傷の程度
にて5段階評価をし、下塗り塗膜に達していない
場合を「5」、10%下塗り塗膜に達する場合を
「4」、30%下塗り塗膜に達する場合を「3」、70
%下塗り塗膜に達する場合を「2」、100%下塗り
塗膜に達する場合を「1」とそれぞれ表示した。
「加工性」の「折曲げ性」は、厚み0.4mmの4枚の
鋼板をはさんで試験片を180度の角度で折曲げ、
折曲部にセロハンテープを接着して剥がしたとき
のセロハンテープへの塗膜の接着度合を判定する
ことによつて試験をおこない、セロハンテープへ
の塗膜の付着無しを「○」、セロハンテープへの
塗膜の付着が30%以下の場合を「△」、セロハン
テープへの付着が30%を超えるものを「×」で表
示した。「耐食性」の「耐エツジクリープ性」は、
試験片の三辺の端面及び表面と裏面をポリエステ
ルテープでシールし、この一辺の端面を露出させ
た試験片を塩水噴霧試験機(JIS K 5400)に
1000hr暴露して、シールしていない露出端面から
の塗膜のプリスターふくれ状態を評価することで
試験をおこない、そのブリスター最大長さを表示
した。「耐食性」の「塩水噴霧試験400hr」は、平
板のままの試験片(「平面部」に表示」、0.4mm厚
さの2枚の鋼板をはさんで180度の角度で折り曲
げた試験片(「2T折曲部」に表示)、NTカツタ
ー(「クロスカツト部」に表示)にて塗装面から
基板に達する傷をクロス状につけた試験片をそれ
ぞれ用い、各試験片の端面をポリエステルテープ
でシールしてこれを塩水噴霧試験機(JIS K
5400)に4000hr暴露し、その外観を評価すること
によつて試験をおこない、塗膜表面に異常のない
ものを「◎」、塗膜プリスターあるいは白錆の発
生が30%以下のものを「○」、塗膜プリスターあ
るいは白錆の発生が30%を超えるものを「△」、
赤錆の発生したものを「×」で表示した。
【表】
第2表の結果、実施例のものは耐傷付性、加工
性、耐食性のいずれにおいても優れることが確認
される。これに対してガラス繊維にカツプリング
剤で表面処理を施していない比較例7や防錆顔料
を配合していない下塗り塗料を用いた比較例9で
は耐食性が劣り、また上塗り塗料にガラス繊維を
配合していない比較例8では表面硬度が低くて耐
傷付性が劣ることが確認される。 [発明の効果] 上述のように本発明は、クロム酸系化成処理液
で化成処理されたアルミニウム−亜鉛合金めつき
鋼板の表面にクロム酸塩を主体とした防錆顔料が
配合された下塗り塗料の塗膜が形成されていると
共に、この下塗り塗膜の表面にシラン系カツプリ
ング剤で表面処理されたガラス繊維を配合した不
飽和ポリエステル樹脂系上塗り塗料の上塗り塗膜
が形成されているものであるから、クロム酸系化
成処理とクロム酸塩を主体とする防錆顔料を配合
した下塗り塗料との両者の作用で基板と塗膜との
密着性を高度に向上させることができ、切断端部
の塗膜ふくれの発生を防止することができるもの
であり、またこのようにクロム酸系化成処理液で
化成処理をおこなうようにしたにもかかわらず上
塗り塗料に配合したガラス繊維によつて塗膜の硬
度を高め、耐スクラツチ性などの耐傷付性の低下
を防いで耐スクラツチ性などを向上させることが
でき、しかもこのときガラス繊維はシラン系カツ
プリング剤で表面処理された状態で不飽和ポリエ
ステル樹脂系の上塗り塗料に配合するようにして
あつて、シラン系カツプリング剤の作用で不飽和
ポリエステル樹脂系上塗り塗料中の樹脂などに対
するガラス繊維の濡れ性が良くなり、水分の透過
性が高くなるようなことなくガラス繊維の配合に
よる塗膜硬度の向上の効果を有効に発揮させるこ
とができるものである。
性、耐食性のいずれにおいても優れることが確認
される。これに対してガラス繊維にカツプリング
剤で表面処理を施していない比較例7や防錆顔料
を配合していない下塗り塗料を用いた比較例9で
は耐食性が劣り、また上塗り塗料にガラス繊維を
配合していない比較例8では表面硬度が低くて耐
傷付性が劣ることが確認される。 [発明の効果] 上述のように本発明は、クロム酸系化成処理液
で化成処理されたアルミニウム−亜鉛合金めつき
鋼板の表面にクロム酸塩を主体とした防錆顔料が
配合された下塗り塗料の塗膜が形成されていると
共に、この下塗り塗膜の表面にシラン系カツプリ
ング剤で表面処理されたガラス繊維を配合した不
飽和ポリエステル樹脂系上塗り塗料の上塗り塗膜
が形成されているものであるから、クロム酸系化
成処理とクロム酸塩を主体とする防錆顔料を配合
した下塗り塗料との両者の作用で基板と塗膜との
密着性を高度に向上させることができ、切断端部
の塗膜ふくれの発生を防止することができるもの
であり、またこのようにクロム酸系化成処理液で
化成処理をおこなうようにしたにもかかわらず上
塗り塗料に配合したガラス繊維によつて塗膜の硬
度を高め、耐スクラツチ性などの耐傷付性の低下
を防いで耐スクラツチ性などを向上させることが
でき、しかもこのときガラス繊維はシラン系カツ
プリング剤で表面処理された状態で不飽和ポリエ
ステル樹脂系の上塗り塗料に配合するようにして
あつて、シラン系カツプリング剤の作用で不飽和
ポリエステル樹脂系上塗り塗料中の樹脂などに対
するガラス繊維の濡れ性が良くなり、水分の透過
性が高くなるようなことなくガラス繊維の配合に
よる塗膜硬度の向上の効果を有効に発揮させるこ
とができるものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 クロム酸系化成処理液で化成処理されたアル
ミニウム−亜鉛合金めつき鋼板の表面にクロム酸
塩を主体とした防錆顔料が配合された下塗り塗料
の塗膜が形成されていると共に、この下塗り塗膜
の表面にシラン系カツプリング剤で表面処理され
たガラス繊維を配合した不飽和ポリエステル樹脂
系上塗り塗料の上塗り塗膜が形成されて成ること
を特徴とする塗装鋼板。 2 下塗り塗料にはクロム酸塩を主体とする防錆
顔料が下塗り塗料中の不揮発分に対して15〜60重
量%配合されて成ることを特徴とする特許請求の
範囲第1項記載の塗装鋼板。 3 ガラス繊維は直径が3〜30μで、繊維長さが
3〜100μであることを特徴とする特許請求の範
囲第1項又は第2項記載の塗装鋼板。 4 不飽和ポリエステル樹脂系上塗り塗料におけ
るガラス繊維の配合量は8〜40重量%であること
を特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第3項の
いずれかに記載の塗装鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15187886A JPS635938A (ja) | 1986-06-26 | 1986-06-26 | 塗装鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15187886A JPS635938A (ja) | 1986-06-26 | 1986-06-26 | 塗装鋼板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS635938A JPS635938A (ja) | 1988-01-11 |
| JPH0467502B2 true JPH0467502B2 (ja) | 1992-10-28 |
Family
ID=15528178
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15187886A Granted JPS635938A (ja) | 1986-06-26 | 1986-06-26 | 塗装鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS635938A (ja) |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5640543A (en) * | 1979-09-08 | 1981-04-16 | Nippon Steel Corp | Wearrproof anticorrosive painted steel plate and its manufacture |
| JPH0232355B2 (ja) * | 1982-01-07 | 1990-07-19 | Daido Kohan Kk | Aruminiumuuaengokinmetsukikohanokibantoshitatosokohan |
| JPS59159336A (ja) * | 1983-03-02 | 1984-09-08 | 日新製鋼株式会社 | 塗装Al−Zn合金メツキ鋼板 |
-
1986
- 1986-06-26 JP JP15187886A patent/JPS635938A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS635938A (ja) | 1988-01-11 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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