JPH0468307B2 - - Google Patents
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- JPH0468307B2 JPH0468307B2 JP60273052A JP27305285A JPH0468307B2 JP H0468307 B2 JPH0468307 B2 JP H0468307B2 JP 60273052 A JP60273052 A JP 60273052A JP 27305285 A JP27305285 A JP 27305285A JP H0468307 B2 JPH0468307 B2 JP H0468307B2
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
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- Pyrane Compounds (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明はビタミンA又はそのカルボン酸エステ
ルの製造方法に関する。 ビタミンA及びそのアセテート、パルミテート
に代表されるカルボン酸エステルは医薬、飼料添
加剤などとして多量に使用されている。 〔従来の技術〕 従来、ビタミンA又はそのカルボン酸エステル
は次に示すような方法により製造されることが知
られている。 〔式中、Acはアセチル基を表わす;Helvetica
Chimiea Acta,30,1911(1947)参照〕 〔式中、Phはフエニル基を表わし、Xはハロ
ゲン原子を表わし、Acはアセチル基を表わす;
Chemie Ingeniuor Technik,45,646(1973)参
照〕 〔式中、Rはアリール基を表わし、Mはナトリ
ウム又はリチウムを表わし、Acはアセチル基を
表わす;Helvetica Chimica Acta,59,
Fasc.2,387(1976)参照〕 〔式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表わし、
Arはアリール基を表わし、Buはブチル基を表わ
す;J.Org.Chem.,41,3287(1976)参照〕 また、ビタミンA酸メチルの製造方法として、
最近、本発明者らとその共同研究者らによつて下
記のような方法が提案されている。 〔式中、Ph,Bu,p−Ts,R及びEtはそれぞ
れフエニル基、ブチル基、トシル基、テトラヒド
ロピラン−2−イル基及びエチル基を表わし、
THFはテトラヒドロフランを意味する;J.Am.
Chem.Soc.,106,3670(1984)参照〕 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来のビタミンA又はそのカルボン酸エス
テルの製造法(i)〜(iv)はいずれもβ−イオノンを出
発原料としている。このβ−イオノンはプソイド
イオノンを濃硫酸を大量に用いて閉環反応させる
ことにより工業的に製造されているが、収率がそ
れほど高くないこと、副生するα−イオノンなど
との蒸留分離の困難さなどから必ずしも安価に入
手できる工業原料ではない。 また、上記(v)のビタミンA酸メチルの製造方法
は、全トランスに立体規制された7−ホルミル−
3−メチル−2,6−オクタジエンカルボン酸メ
チルを使用するにもかかわらず、最終的には全ト
ランス体と13−シス体との1対1の混合物である
ビタミンA酸メチルを与える。従つて、この方法
により得られるビタミンA酸メチルを常法により
還元したとしても立体規制されたビタミンAは得
られない。 しかして、本発明の目的は安価にかつ容易に入
手できる工業原料から高収率でかつ容易にビタミ
ンA又はそのカルボン酸エステルを製造するため
の改良方法を提出するにある。 また、本発明のもう1つの目的は立体規制され
たビタミンA又はそのカルボン酸エステルを製造
するための改良された方法を提供するにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明によれば、上記の目的は、一般式 (式中、R1は置換されていてもよいアリール
基を表わし、R21基は水素原子又は低級アルカノ
イル基を表わし、R3は水酸基のアセタール型保
護基を表わす) で示される化合物を塩基で処理し、必要に応じて
生成するビタミンAをアシル化することを特徴と
するビタミンA又はそのカルボン酸エステルの製
造方法を提供することによつて達成され、また上
記一般式(−2)で示される化合物として、一
般式 (式中、R1は置換されていてもよいアリール
基を表わす) で示される化合物と一般式 (式中、R2は低級アルカノイル基を表わす) で示される化合物とを塩基の存在下に反応させる
ことにより一般式 (式中、R1及びR2は前記定義のとおりである) で示される化合物を得、ついで該一般式(−
1)で示される化合物に水酸基のアセタール型保
護基を導入し、必要に応じて生成する化合物を非
酸性条件下に加溶媒分解せしめることにより製造
されたものを用いるビタミンA又はそのカルボン
酸エステルの製造方法を提供することによつて達
成される。 上記の一般式におけるR1,R2,R21及びR3を詳
しく説明する。R1は置換されていてもよいアリ
ール基を表わし、ここで置換基としては、例えば
メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、
イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−
ブチルどの低級アルキル基;メトキシ、エトキ
シ、イソプロポキシ、n−プロポキシ、イソブト
キシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシなどの低級
アルコキシ基;塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲ
ン原子などが挙げられる。また、置換基はオルト
位、メタ位又はパラ位のいずれの位置にあつても
よく、1個又は2個以上の複数個であつてもよ
い。置換されていてもよいアリール基の具体例に
は、フエニル基、o−トリル基、m−トリル基、
p−トリル基、p−エチルフエニル基、p−n−
プロピルフエニル基、p−イソプロピルフエニル
基、p−n−ブチルフエニル基、2,4−ジメチ
ルフエニル基、p−メトキシフエニル基、2,4
−ジメトキシフエニル基、p−クロルフエニル
基、p−ブロムフエニル基などが挙げられる。こ
れらのうち、R1として特に好適なものはフエニ
ル基及びp−トリル基である。R2低級アルカノ
イル基を表わし、R21水素原子又は低級アルカノ
イル基を表わす。低級アルカノイル基としては、
例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基などが挙げられる。R3は水酸基
のアセタール型保護基を表わす。このアセタール
型保護基は、化学反応に際して水酸基の反応性を
一時的に遮蔽するために使用される通常のアセタ
ール型保護基が好ましく、具体的にはテトラヒド
ロピラン−2−イル基、4−メチルテトラヒドロ
ピラン−2−イル基;テトラヒドロフラン−2−
イル基;メトキシメチル、1−メトキシエチル、
1−エトキシエチル、1−n−ブトキシエチルど
の1−低級アルコキシアルキル基などである。な
お、本明細書中、「低級」なる語は、この語が付
された基又は化合物の炭素原子数は6個以下、好
ましくは4個以下であることを意味する。 本発明の方法に従えば、一般式(−2)で示
される化合物を塩基で処理することにより式 で示されるビタミンAが製造される。この処理に
用いられる塩基としては、例えばカリウムメトキ
シド、カリウムエトキシド、カリウムイソプロポ
キシド、カリウムn−プロポキシド、カリウムn
−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸
化カリウムなどのカリウムの低級アルコキシド及
び水酸化物が挙げられる。かかる塩基の使用量は
臨界的ではなく、用いる塩基の種類などに応じて
広範囲にわたり変えることができるが、一般には
一般式(−2)で示される化合物1モルに対し
て約2〜30モル、好ましくは約2〜10モル、さら
に好ましくは約3〜6モルの範囲内とすることが
できる。この反応はヘキサン、ヘプタン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの脂肪族又は
芳香族の炭化水素などの溶媒中で行なうのが好ま
しい。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、ま
た2種以上の混合溶媒として用いてもよい。溶媒
の使用量もまた臨界的ではないが、一般的には該
溶媒中における一般式(−2)で示される化合
物の濃度が約0.05〜1モル/、好ましくは約
0.1〜0.5モル/の範囲内となるような量で用い
るのが有利である。上記の処理の際の温度は用い
る塩基の種類などに応じて変えることができる
が、一般には約0〜100℃、好ましくは約20〜80
℃の範囲内の温度が適当である。また、この処理
は通常、ヘリウム、窒素、アルゴンなどの不活性
ガス雰囲気中で行なうのが好ましい。 上記の塩基での処理反応により、一般式(−
2)で示される化合物からビタミンAが高収率で
生成する。生成するビタミンAの反応混合物から
の分離回収はそれ自体既知の方法で行なうことが
できる。例えば、反応混合物に水、塩化アンモニ
ウム水溶液などに加え、有機層を分離し、この有
機層について必要により水洗及び/又は無水硫酸
ナトリウムでの乾燥及び/又は溶媒の減圧下での
留去を行なうことにより、ビタミンAを分離する
ことができる。必要に応じてさらに、このように
して分離されたビタミンAを再結晶などの精製手
段に付することにより高純度のビタミンAを取得
することができる。 また上記の如くして得られるビタミンAを通常
の方法によりアシル化することによりビタミンA
のカルボン酸エステルに誘導することができる。
このアシル化反応は上記のビタミンAの生成反応
によつて得られた反応混合物から分離されたビタ
ミンAを含有する有機層又は該有機層から前述の
如くして分離又はさらに精製されたビタミンAに
好適には有機溶媒中で第3級アミンの存在下にア
シル化剤を作用させることより行なわれる。アシ
ル化剤としては、例えば、無水酢酸、塩化アセチ
ル、塩化パルミトイルなどが使用される。アシル
化剤の使用量はビタミンAに対して約1〜10当
量、特に1〜3当量の範囲内が好ましい。有機溶
媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどの
炭化水素類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエ
タンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル
類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類な
どが使用され、これらの有機溶媒はビタミンAの
濃度が約0.1〜5モル/となる程度の量を使用
することが好ましい。第3級アミンとしては、例
えば、トリエチルアミン、ピリジンなどが使用さ
れる。これらの第3級アミンはビタミンAに対し
て約1〜10当量用いることが好ましいが、さらに
過剰量を用いることによつて該第3級アミンに有
機溶媒としての役割を兼ねさせることもできる。
該アシル化反応は一般に約−10℃〜30℃の温度範
囲内で行うのが好適である。反応終了後、反応混
合物から必要に応じて沈殿物を濾別したのち、該
反応混合物に希硫酸、水、飽和重曹水などを加
え、有機層を分離する。得られた有機層を、必要
により適宜水洗、乾燥、溶媒留去などの前処理を
行なうことによりビタミンAのカルボン酸エステ
ルを分離することができる。必要に応じてさら
に、このものを再結晶などの精製手段に付するこ
とにより高純度のビタミンAのカルボン酸エステ
ルを得ることができる。 原料として使用する一般式(−2)で示され
る化合物は前述のとおり次の方法により製造する
ことができる。 (上記式中、R1,R2,R21及びR3は前記定義の
とおりである) 一般式()で示される化合物と一般式()
で示される化合物との反応は塩基の存在下に行な
われる。一般式()で示される化合物は一般に
一般式()で示される化合物1モルに対して約
0.1〜10モル、好ましくは約1〜2モルの範囲内
で使用される。反応系内にに存在させうる塩基は
該一般式()で示される化合物において−
SO2R1基が結合している炭素原子にカルボアニオ
ンを発生させる能力のある塩基であり、例えば、
メチルリチウム、n−ブチルリチウムなどの有機
リチウム化合物;メチルマグネシウムクロライ
ド、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグ
ネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマ
イドなどの有機マグネシウムハライド(グリニヤ
ール試薬);水素化リチウム、水素化ナトリウム、
水素化カリウムなどのアルカリ金属の水素化物;
リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムア
ミドなどのアルカリ金属の水素化物;リチウムア
ミド、ナトリウムアミド、カリウムアミドなどの
アルカリ金属アミド;リチウムメトキシド、ナト
リウムメトキシド、カリウムメトキシド、カリウ
ムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの
アルカリ金属の低級アルコキシドなどである。こ
れら塩基の使用量は臨界的ではなく、用いる塩基
の種類などに応じて変えることができるが、一般
的にいえば、一般式()で示される化合物1モ
ルに対して約0.1〜1モル、好ましくは0.5〜1モ
ルの範囲内で変えることができる。この反応は通
常溶媒中で行なわれ、用いうる溶媒としては、例
えばヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンな
どの脂肪族又は芳香族炭化水素;ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどの鎖状又は環状エーテル;ジ
メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジ
メチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルト
リアミドなどの中から用いる塩基との組合わせに
おいて適宜選ばれる。反応は用いる塩基によつて
も異なるが、通常約−100℃〜150℃、好ましくは
約−80℃〜50℃の温度範囲内で行なわれる。また
反応はヘリウム、窒素、アルゴンなどの不活性ガ
ス雰囲気下で行なうのが有利である。反応時間は
採用した塩基、溶媒、反応温度などによつて変化
するが、例えば塩基としてn−ブチルリチウムを
使用し、テトラヒドロフラン溶媒中で約−80℃〜
−50℃の温度で反応を行なう場合には約2〜6時
間である。 反応混合液からの一般式(−1)で示される
化合物の分離回収は通常の方法により行なうこと
ができる。例えば、反応混合液を水、塩化アンモ
ニウム水溶液、希塩酸などに注いだのち、有機層
を分離し、その有機層を必要によりこれについて
水洗及び/又は無水硫酸ナトリウムでの乾燥及
び/又は溶媒の減圧下での留去を行なつたのち、
再結晶、クロマトグラフイーなどの精製手段に付
することにより一般式(−1)で示される化合
物を単離する。 一般式(−1)で示される化合物のR21が低
級アルカノイル基を表わす場合の一般式(−
2)で示される化合物への変換は、例えば、一般
式(−1)で示される化合物と3,4−ジヒド
ロ−2H−ピラン、4−メチル−3,4−ジヒド
ロ−2H−ピラン、2,3−ジヒドロフラン、低
級アルキルビニルエーテルなどのビニルエーテル
類とを酸性触媒の存在下に反応させるか、又は一
般式(−1)で示される化合物に五酸化リンな
どの存在下にメチラールを作用させることにより
行なわれる。一般式(−1)で示される化合物
とビニルエーテル類との反応は、必ずしも溶媒中
で行なうことを必要としないが、通常は塩化メチ
レン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、
ベンゼンなどの溶媒中で行なうのが好ましい。酸
性触媒としては、例えば、p−トルエンスルホン
酸若しくはそのピリジン塩、硫酸、塩酸などを使
用することができるが、p−トルエンスルホン酸
若しくはそのピリジン塩を使用するのが好まし
い。この反応において、ビニルエーテル類として
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、4−メチル−
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン又は2,3−ジ
ヒドロフランを用いる場合には、それぞれ一般式
(−2)においてR21が低級アルカノイル基で
ありかつR3がテトラヒドロピラン−2−イル基、
4−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基又は
テトラヒドロフラン−2−イル基である化合物が
得られる。またビニルエーテル類としてメチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどの低
級アルキルビニルエーテルを用いる場合には、一
般式(−2)おいてR21が低級アルカノイル基
でありかつR3が低級アルコキシエチル基である
化合物が得られる。他方、一般式(−1)で示
される化合物に五酸化リンなどの存在下にメチラ
ールを作用させることにより、一般式(−2)
においてR21が低級アルカノイル基でありかつR3
がメトキシメチル基である化合物が得られる。 上記の各反応により得られたR21が低級アルカ
ノイル基を表わす場合の一般式(−2)で示さ
れる化合物の反応混合物からの分離回収は通常の
方法により行なうことができる。例えば、反応混
合物を水に注いだのち、ベンゼン、ジエチルエー
テル、酢酸エチルどで抽出し、抽出液を水洗して
無水酢酸ナトリウムで乾燥する。ついで、抽出液
から低沸点物を減圧下に留去し、その残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフイーに付することに
よりR21が低級アルカノイル基を表わす場合の一
般式(−2)で示される化合物を単離すること
ができる。 このようにして得られるR21が低級アルカノイ
ル基を表わす場合の一般式(−2)で示される
化合物はそのまま前述の塩基による処理に付する
ことができ、又は所望により該化合物を非酸性条
件下に加溶媒分解せしめ、生成するR21が水素原
子を表わす場合の一般式(−2)で示される化
合物を前述の塩基による処理に付することもでき
る。非酸性条件下での加溶媒分解反応は、例えば
メタノール、エタノールなどのアルコール類;又
はこれらのアルコール類と水及び/又はベンゼ
ン、トルエンなどの炭化水素類との混合物どの溶
媒中で、好ましくはアルカリ金属の水酸化物又は
炭酸塩の存在下に行なわれる。アルカリ金属の水
酸化物又は炭酸塩としては、例えば、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸
カリウムなどが使用される。アルカリ金属の水酸
化物又は炭酸塩の使用量がR21が低級アルカノイ
ル基を表わす場合の一般式(−2)で示される
化合物に対して約1〜2当量の範囲内が好適であ
る。溶媒の使用量はR21が低級アルカノイル基を
表わす場合の一般式(−2)で示される化合物
の濃度が約0.1〜10モル/となる程度の量であ
ることが好ましい。溶媒としてアルコール類と水
及び/又は炭化水素類との混合物を使用する場合
には、該水及び/又は炭化水素類は反応系が相分
離を起こさない程度に用いることが好ましい。反
応は約−10℃〜30℃の温度範囲内で行なうのが適
当である。この反応により得られるR21が水素原
子を表わす場合の一般式(−2)で示される化
合物の反応混合物からの分離は、通常の方法によ
り行なうことができる。例えば、反応混合物に飽
和塩化アンモニウム水溶液、希塩酸、希硫酸など
を加えて残存するアルカリ金属の水酸化物又は炭
酸塩を中和し、必要に応じて溶媒として用いたア
ルコール類を留去し、その残渣に水を加えたの
ち、ベンゼン、塩化メチレン、ジエチルエーテ
ル、酢酸エチルなどで抽出し、抽出液を水洗して
無水硫酸ナトリウムで乾燥する。次いで、抽出液
から必要に応じて低沸点物を減圧下に留去し、そ
の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイーに
付することによりR21が水素原子を表わす場合の
一般式(−2)で示される化合物を単離するこ
とができる。 上記一般式(−2)で示される化合物の製造
において出発原料として使用する一般式()で
示される化合物はそれ自体既知の化合物であり
(特許第1168158号参照)、安価な工業原料である
リナロールから好収率でかつ容易に製造すること
ができる。例えば、一般式()においてR1が
フエニル基である化合物は次の方法により製造さ
れる。 すなわち、リナロールに塩化チオニルを作用さ
せることによりゲラニルクロライドを得、該ゲラ
ニルクロライドとフエニルスルフイン酸ナトリウ
ムとを反応させることによりゲラニルフエニルス
ルホンを得る。ゲラニルフエニルスルホンを酸触
媒、例えば硫酸と酢酸との混合酸の存在下に閉環
反応させることによりβ−シクロゲラニルフエニ
ルスルホンを得る。なお、閉環反応の際にβ−シ
クロゲラニルフエニルスルホンの異性体であるα
−シクロゲラニルフエニルスルホンが副生するこ
とがあるが、両者の生成混合物をヘキサンなどの
溶媒中で晶析することにより高純度のβ−シクロ
ゲラニルフエニルスルホンを得ることができる。
また、α−シクロゲラニルフエニルスルホンはこ
れを上記の閉環反応系にもどすことにより目的と
するβ−シクロゲラニルフエニルスルホンに変換
される。リナロールからのβ−シクロゲラニルフ
エニルスルホンの合計収率は通常約70〜90%であ
る。 またもう一方の出発原料である一般式()で
示される化合物もリナロールから好収率でかつ容
易に製造することができる。例えば、一般式
()においてR2がアセチル基である化合物は次
の方法により製造される。 すなわち、リナロールに無水酢酸を作用させる
ことにより、ゲラニルアセテートを得、該ゲラニ
ルアセテートを例えば、エタノール溶媒中で還流
下に二酸化セレンに作用させることにより目的と
する8−アセトキシ−2,6−ジメチル−2,6
−オクタジエナールを得る。リナロールからの8
−アセトキシ−2,6−ジメチル−2,6−オク
タジエナールの合計収率は通常約60〜80%であ
る。 上記の如くして製造される一般式(−1)で
示される化合物及び一般式(−2)で示される
化合物は従来の文献に未載の新規な化合物であ
る。一般式(−1)で示される化合物のうち、
R1としてはフエニル基又はp−トリル基である
ものが、そしてR2としてはアセチル基であるも
のが好適である。また一般式(−2)で示され
る化合物のうち、R1としてはフエニル基又はp
−トリル基であるものが、そしてR21として水素
原子又はアセチル基であるものが、さらにR3と
してはメトキシメチル基、1−エトキシエチル
基、1−n−ブトキシエチル基、テトラヒドロピ
ラン−2−イル基又は4−メチルテトラヒドロピ
ラン−2−イル基であるものが好適である。 以上述べた本発明の方法により製造されるビタ
ミンA又はそのカルボン酸エステルの立体構造
は、使用する一般式()で示される化合物の立
体構造に依存する。 (式中、R2前記定義のとおりである) すなわち、一般式()において2位及び6位
の炭素−炭素二重結合に基づく立体構造がともに
トランス(E)に規制されている化合物を使用する場
合には、全トランスに立体規制されたビタミン
A、さらにはそのカルボン酸エステルが優先的に
得られ、また一般式()において2位の炭素−
炭素二重結合に基づく立体構造がトランス(E)に規
制され、6位のそれがシス(Z)に規制されている化
合物を使用する場合には、13−位の炭素−炭素二
重結合に基づく立体構造がシスに規制されたビタ
ミンA、さらにはそのカルボン酸エステルが優先
的に得られる。 〔実施例〕 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。 実施例 1 窒素ガスで置換した200ml容三つ口フラスコに
β−シクロゲラニルフエニルスルホン(1)〜10.80g
(38.8mmol)及びトルエン100mlを入れ、ついで
エチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル
溶液(1.06mol/)24.2ml(25.6mmol)を内温
20〜25℃で滴下した。滴下終了後、内温40〜45℃
で3時間撹拌した。次に、内温が−40〜−30℃と
なるように冷却し、この溶液に8−アセトキシ−
2,6−ジメチル−2(E)、6(E)−オクタジエン−
1−アール(2〜−1)4.02g(19.1mmol)のト
ルエン10mlの溶液を滴下した。滴下終了後、同温
度にてさらに2時間激しく撹拌した。反応混合物
に10%塩酸水溶液を加え、トルエン層を分離し
た。このトルエン層を水洗し、さらに飽和塩化ナ
トリウム水溶液で洗滌し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。このトルエン層からトルエンを留去
し、その残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマ
トグラフイー(溶出液:ヘキサンと酢酸エチルと
の容量比7対3の混合液)により精製し、無色透
明の油状物(3〜−1)8.46gを得た。このものは
下記の機器分析データにより、1−アセトキシ−
8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−9−(2,
6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−
イル)−9−フエニルスルホニル−2(E)、6(E)−
ノナジエンのジアステレオマーの混合物であるこ
とを確認した。収率91%。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.61〜2.03(m,28H);2.87(br,1H); 3.95,4.20(d,合して1H);4.50(d,
2H); 4.85,4.97(d,合して1H);5.25,5.62(m,
合して2H); 7.40〜8.03(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):3500(OH),1735
(C=O),1140(SO2) FD−MASS m/e:488(M+) 100ml容なす形フラスコに化合物(3〜−1)
2.67g(5.5mmol)及びメチラール9.65ml
(110mmol)を入れ撹拌して溶液とした。この溶
液に五酸化リン0.22g(1.54mmol)を添加して
室温下で撹拌した。五酸化リン添加の2時間後及
び5時間後にそれぞれ五酸化リン0.21gを加えて
24時間反応させた。分液ロートに飽和重曹水を入
れ、この中に反応混合物の溶液部分を加えて分液
した。一方、その残渣にトルエンと飽和重曹水と
を加え、撹拌することによりタール分を溶解させ
た。得られた水層と有機層とを分液ロートに移し
て分液した。有機層を合し、飽和重曹水で洗滌
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸
マグネシウムを濾別したのち、40℃で溶媒を留去
することにより赤色の油状物を得た。この油状物
をシリカゲルクロマトグラフイー(展開液:酢酸
エチルとヘキサンとの容量比1対6〜1対4の混
合液)に付することにより、生成物2.68gを得
た。このものは下記の機器分析データにより、1
−アセトキシ−3,7−ジメチル−8−メトキシ
メトキシ−9−フエニルスルホニル−9−(2,
6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−
イル)−2(E)、6(E)−ノナジエン(4)〜であることを
確認した。収率92%。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.69〜1.99(m,28H);3.16,3.35(s,
3H); 3.96〜5.60(m,8H);7.38〜8.01(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):1730(C=O),1140
(SO2) FD−MASS m/e:532(M+) 100ml容なす形フラスコに化合物(4)〜2.68g
(5.04mmol)及びメタノール11mlを入れて溶液と
したのち、この溶液に水酸化ナトリウム0.33gを
加えて室温下で1.5時間撹拌した。反応混合液を
分液ロートへ移し、これに大量の水及びトルエン
を加えて抽出した。トルエン抽出液を飽和塩化ア
ンモニウム水及び水で洗滌し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別し
たのち、40℃でトルエンを減圧下に留去して、赤
色の油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフイー(展開液:酢酸エチルとヘ
キサンとの容量比1対4〜1対1の混合液)に付
することにより、生成物2.34gを得た。このもの
は下記の機器分析データにより、1−ヒドロキシ
−3,7−ジメチル−8−メトキシメトキシ−9
−フエニルフルホニル−9−(2,6,6−トリ
メチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2(E)、
6(E)−ノナジエン(5)〜であることを確認した。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.68〜2.04(m,26H);3.15,3.36(s,
3H); 3.95〜5.60(m,8H);7.40〜8.00(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):3500(OH),1140
(SO2) 窒素ガス雰囲気下、50ml容褐色なす形フラスコ
に化合物(5)〜0.5121g(1.05mmol)及びトルエン
5mlを入れ、撹拌して溶液とした。この溶液にカ
リウムメトキシド0.21g(3.15mmol)を加え、
室温で5分間、さらに40℃で2時間撹拌した。反
応混合物にヘキサン20ml及び水15mlを加え、得ら
れた混合液を分液ロートに移して分液した。水層
をヘキサン15mlで抽出した。ヘキサン層を合し、
水で2回洗滌したのち、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別し、35℃
で減圧下に溶媒を留去して、オレンジ色の油状物
(6〜−1)を得た。このもののIRスペクトルは市
販のビタミンAのそれと一致した。 窒素ガス雰囲気下、100ml容かつ色なす形フラ
スコに上記の油状物、ヘキサン4ml及びトリエチ
ルアミン1.1mlを入れ、氷水浴で冷却した。この
混合物に無水酢酸0.68mlを加え、冷却下に20分
間、さらに室温下で16時間撹拌した。反応混合物
にヘキサン25mlを加え、氷水浴中で冷却したの
ち、これに飽和重曹水10mlを加えた。15分間撹拌
したのち、混合物を分液ロートに移し、これにヘ
キサン15ml及び飽和重曹水10mlを加えて分液し
た。ヘキサン層を飽和重曹水で洗滌し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウム
を濾別したのち、溶媒を35℃で減圧下に留去し
て、オレンジ色の油状物0.3723gを得た。このも
のは高速液体クロマトグラフイー分析(カラム:
μ−ポラシル,展開液:ヘキサンとイソプロピル
エーテルとの容量比9対1の混合液)の結果、ビ
タミンAアセテート(7〜−1)(全トランス体比
率95%)を0.2755g含んでいた。化合物(5)〜からの
合計収率は80%であつた。 実施例 2 アルゴンガスで置換した200ml容フラスコにβ
−シクロゲラニルフエニルスルホン(1)〜5.00g
(18.0mmol)及びテトラヒドロフラン60mlを入
れ、−78℃に冷却したのち、n−ブチルリチウム
のヘキサン溶液(1.5mol/)6.6ml(9.9mmol)
を滴下し、同温度で3時間撹拌した。次に、この
溶液中に8−アセトキシ−2,6−ジメチル−2
(E)、6(E)−オクタジエン−1−アール(2〜−1)
1.89g(9.0mmol)のテトラヒドロフラン15mlの
溶液を−78℃で滴下し、同温度で2時間撹拌し、
さらに−50℃で2時間撹拌した。−78℃に冷却し
たのち、反応混合物に水を加え、ついで常温まで
昇温させた。得られた混合物をベンゼン100mlで
3回計300mlで抽出した。抽出液を水洗し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。この抽出液からベン
ゼンを留去し、その残渣をシリカゲルを用いたカ
ラムクロマトグラフイー(溶出液:ヘキサンと酢
酸エチルとの容量比5対1の混合液)により精製
し、無色透明の油状物(3〜−1)4.01gを得た。
このものは下記の機器分析データにより、1−ア
セトキシ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−
9−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキ
セン−1−イル)−9−フエニルスルホニル−2
(E)、6(E)−ノナジエンであることを確認した。収
率93%。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.62〜1.94(m,28H),3.73(br,1H), 3.81(d,1H),4.41(d,2H),4.90(d,
1H), 5.21(m,2H),7.38〜7.99(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):3500(OH),1735
(C=O),1140(SO2) FD−MASS m/e:488(M+) 100ml容フラスコに1−アセトキシ−3,7−
ジメチル−8−ヒドロキシ−9−フエニルスルホ
ニル−9−(2,6,6−トリメチル−1−シク
ロヘキセン−1−イル)−2(E)、6(E)−ノナジエ
ン(3〜−1)1.36g(2.8mmol)、触媒量のp−
トルエンスルホン酸ピリジン塩及び塩化メチレン
15mlをとり、氷水で冷却した。この溶液中に3,
4−ジヒドロ−2H−ピラン0.73ml(8.4mmol)
を滴下し、氷冷下で3時間撹拌した。反応混合液
中に重曹水を注ぎ、塩化メチレンで抽出した。塩
化メチレン抽出液を水洗したのち、無水硫酸ナト
リウム上で乾燥した。抽出液から塩化メチレンを
エバポレーターで留去したのち、残つた油分をシ
リカゲルカラムクロマトグラフイー(展開液:酢
酸エチルとヘキサンとの容量量比1対5の混合
液)にかけ、1−アセトキシ−3,7−ジメチル
−8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシ
−9−フエニルスルホニル−9−(2,6,6−
トリメチル−1−シクロヘキセ−1−イル)−2
(E)、6(E)−ノナジエン(8〜−1)を1.59g得た。
収率99%。生成物の機器分析データを次に示す。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.62〜2.03(m,34H);3.23〜5.36(m,
9H); 7.43〜8.15(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):1745(C=O),
1150(SO2) FD−MASS m/e:573(M++1),572
(M+) 窒素ガス雰囲気下、100ml容褐色フラスコに化
合物(8〜−1)1.59g及びトルエン15.9mlを入
れ、撹拌して溶液とした。この溶液に内温を27℃
に保ちながらカリウムメトキシド0.97gを加え、
その温度で0.3時間、さらに内温38℃で1.5時間撹
拌した。反応混合物にヘキサン60ml及び水45mlを
加えて撹拌したのち、混合液を分液ロートに移し
て分液した。水層をヘキサン45mlで抽出した。ヘ
キサン層を合し、水で2回洗滌し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾
別し、35℃で減圧下に溶媒を留去して、オレンジ
色の油状物(6〜−1)を得た。 窒素ガス雰囲気下、100ml容褐色なす形フラス
コに上記の油状物、ヘキサン10.6ml及びトリエチ
ルアミン2.9mlを入れ、氷水浴で冷却した。この
混合物に無水酢酸1.8mlを加え、冷却下に20分間、
さらに室温下で16時間撹拌した。反応混合物にヘ
キサン70mlを加え、氷水浴中で冷却したのち、こ
れに飽和重曹水27mlを加えて15分間撹拌した。こ
の混合物を分液ロートに移し、これにヘキサン40
ml及び飽和重曹水27mlを加えて分液した。ヘキサ
ン層を飽和重曹水で洗滌し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別した
のち、溶媒を35℃で減圧下に留去して、オレンジ
色の油状物を得た。このものは高速液体クロマト
グラフイー分析(カラム:μ−ポラシル,展開
液:ヘキサンとイソプロルエーテルと容量比9対
1の混合液)の結果、ビタミンAアセテート(7〜
−1)(全トランス体比率95%)を0.70g含んで
いた。化合物(8)〜からの合計収率は77%であつた。 実施例 3 窒素ガス雰囲気下、100ml容褐色なす形フラス
コに実施例1(B)で得た1−アセトキシ−3,7−
ジメチル−8−メトキシメトキシ−9−フエニル
スルホニル−9−(2,6,6−トリメチル−1
−シクロヘキセン−1−イル)−2(E)、6(E)−ノ
ナジエン(4)〜2.68g及びシクロヘキサン80mlを入
れ、撹拌して溶液とした。この溶液にカリウムメ
トキシド3.53gを加え、内温39℃で1.8時間撹拌
した。反応混合物にヘキサン96ml及び水72mlを加
えて撹拌したのち、混合液を分液ロートに移し
た。水層をヘキサン96mlで抽出した。ヘキサン層
を合し、水で2回洗滌したのち、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別
し、35℃で減圧下に溶媒を留去して、オレンジ色
の油状物(6〜−1)を得た。 次に窒素ガス雰囲気下、300ml容褐色なす形フ
ラスコに上記の油状物、ヘキサン(9.2ml及びト
リエチルアミン5.3mlに入れ、氷水浴で冷却した。
この混合物に無水酢酸3.26mlを加え、冷却下に20
分間、さらに室温下で16時間撹拌した。反応混合
物にヘキサン120mlを加え、氷水浴中で冷却した
のち、これに飽和重曹水48mlを加えた。15分間撹
拌したのち、混合物を分液ロートに移し、これに
ヘキサン72ml及び重曹水48mlを加えて分液した。
ヘキサン層を飽和重曹水で洗滌し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾
別したのち、溶媒を35℃で減圧下に留去して、オ
レンジ色の油状物を得た。このものは高速液体ク
ロマトグラフイー分析(カラム:μ−ポラシル,
展開液:ヘキサンとイソプロピルエーテルとの容
量比9対1の混合液)の結果、ビタミンAアセテ
ート(7〜−1)(全トランス体比率95%)を1.29
g含んでいた。化合物(4)〜からの合計収率は78%で
あつた。 実施例 4 アルゴンガスで置換した220ml容3つ口フラス
コにβ−シクロゲラニル−p−トリルスルホン(9)〜
7.01g(24.0mmol)及びテトラヒドロフラン70
mlを入れ、−78℃に冷却したのち、n−ブチルリ
チウムのヘキサン溶液(1.5mol/)9.6ml
(14.4mmol)を滴下し、同温度で2時間撹拌し
た。次に、この溶液中に8−アセトキシ−2,6
−ジメチル−2(E),6(E)−オクタジエン−1−ア
ール(2〜−1)2.52g(12.0mmol)のテトラヒ
ドロフラン15mlの溶液を−78℃で滴下し、同温度
で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、常温
まで昇温させた。得られた混合物をベンゼン50ml
で3回計150mlで抽出し、ベンゼン抽出液を水洗
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この抽出
液から溶媒を留去し、その残渣をシリカゲルを用
いたカラムクロマトグラフイー(溶出液:ヘキサ
ンと酢酸エチルとの容量比5対1〜3対1の混合
液)により精製し、白色の固型物4.88gを得た。
このものは下記の機器分析データにより、1−ア
セトキシ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−
9−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキ
セン−1−イル)−9−(p−トリル)スルホニル
−2(E),6(E)−ノナジエン(10)〜であることを確認し
た。収率81%。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.61〜2.01(m,28H),2.37(s,3H),3.71
(br,1H), 3.94(d,1H),4.49(d,2H),4.97(d,
1H), 5.16(m,2H),7.26(d,2H),7.86(d,
2H) IR(フイルム)ν(cm-1):3480(OH),1735
(C=O),1140(SO2) 100ml容なす形フラスコに化合物(10)〜1.00g
(1.99mmol)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン
0.52ml、塩化メチレン10ml及び触媒量のp−トル
エンスルホン酸を入れ、0℃で6時間撹拌した。
分液ロートに飽和重曹水を入れ、この中反応混合
物の溶液部分を加えて分液した。水層を塩化メチ
レンで抽出した。塩化メチレン層を合し、水洗し
たのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水
硫酸マグネシウムを濾別したのち、塩化メチレン
をエバポレーターで留去して、粘稠な油分1.47g
を得た。この油分をシリカゲルクロマトグラフイ
ー(展開液:酢酸エチルとヘキサンとの容量比1
対3の混合液)に付することにより、生成物1.09
gを得た。このものは下記のIRスペクトルによ
り、1−アセトキシ−3,7−ジメチル−8−
(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシ−9−
(p−トリル)スルホニル−9−(2,6,6−ト
リメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2
(E),6(E)−ノナジエン(11)〜であることを確認した。
収率93%。 IR(フイルム)ν(cm-1):2930,1740,
1600,1450,1380,1365,1300,1230,
1140,1080,1020,960,815 100ml容褐色なす形フラスコにカリウムメトキ
シド0.60g(8.53mmol)及びトルエン25mlを入
れ、アルゴン雰囲気下としたのち、化合物(11)〜1.00
g(1.71mmol)を5mlのトルエンに溶かした溶
液を室温下で加えた。室温で30分間、さらに40℃
で2時間撹拌した。反応混合物を塩化アンモニウ
ム水溶液に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。
抽出液を水洗し、さらに飽和食塩水で洗滌したの
ち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸
マグネシウムを濾別したのち、ジエチルエーテル
及びトルエンを留去して、赤黄色の油分(6〜−
1)0.76gを得た。 次いで、上記の油分を5mlのピリジンに溶か
し、この溶液に無水酢酸5ml及び触媒量のジメチ
ルアミノピリジンを加えて、室温下で2時間撹拌
した。反応混合物を多量の水に注ぎ、ヘキサンで
抽出した。ヘキサン抽出液を80%のメタノール水
溶液で洗滌し、さらに水で3回洗滌したのち、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネ
シウムを濾別したのち、ヘキサンを留去して、赤
黄色の油分0.64gを得た。この油分は液体クロマ
トグラフイー分析の結果、ビタミンAアセテート
(7〜−1)(全トランス体比率95%)を0.34g含ん
でいた。化合物((11)〜からの合計収率は61%であつ
た。 実施例 5〜7 実施例2(A)で得た1−アセトキシ−3,7−ジ
メチル−8−ヒドロキシ−9−フエニルスルホニ
ル−9−(2,6,6−トリメチル−1.シクロヘ
キセン−1−イル)−2(E),6(E)−ノナジエン
(3〜−1)1.36g(2.8mmol)及び塩化メチレン
15mlを使用して第1表に示す条件を採用する以外
は実施例2(B)におけると同様にして反応及び処理
を行ない、対応するアセタール類((12)〜〜(14)〜)を
得
た。結果を第1表に示す。
ルの製造方法に関する。 ビタミンA及びそのアセテート、パルミテート
に代表されるカルボン酸エステルは医薬、飼料添
加剤などとして多量に使用されている。 〔従来の技術〕 従来、ビタミンA又はそのカルボン酸エステル
は次に示すような方法により製造されることが知
られている。 〔式中、Acはアセチル基を表わす;Helvetica
Chimiea Acta,30,1911(1947)参照〕 〔式中、Phはフエニル基を表わし、Xはハロ
ゲン原子を表わし、Acはアセチル基を表わす;
Chemie Ingeniuor Technik,45,646(1973)参
照〕 〔式中、Rはアリール基を表わし、Mはナトリ
ウム又はリチウムを表わし、Acはアセチル基を
表わす;Helvetica Chimica Acta,59,
Fasc.2,387(1976)参照〕 〔式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表わし、
Arはアリール基を表わし、Buはブチル基を表わ
す;J.Org.Chem.,41,3287(1976)参照〕 また、ビタミンA酸メチルの製造方法として、
最近、本発明者らとその共同研究者らによつて下
記のような方法が提案されている。 〔式中、Ph,Bu,p−Ts,R及びEtはそれぞ
れフエニル基、ブチル基、トシル基、テトラヒド
ロピラン−2−イル基及びエチル基を表わし、
THFはテトラヒドロフランを意味する;J.Am.
Chem.Soc.,106,3670(1984)参照〕 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来のビタミンA又はそのカルボン酸エス
テルの製造法(i)〜(iv)はいずれもβ−イオノンを出
発原料としている。このβ−イオノンはプソイド
イオノンを濃硫酸を大量に用いて閉環反応させる
ことにより工業的に製造されているが、収率がそ
れほど高くないこと、副生するα−イオノンなど
との蒸留分離の困難さなどから必ずしも安価に入
手できる工業原料ではない。 また、上記(v)のビタミンA酸メチルの製造方法
は、全トランスに立体規制された7−ホルミル−
3−メチル−2,6−オクタジエンカルボン酸メ
チルを使用するにもかかわらず、最終的には全ト
ランス体と13−シス体との1対1の混合物である
ビタミンA酸メチルを与える。従つて、この方法
により得られるビタミンA酸メチルを常法により
還元したとしても立体規制されたビタミンAは得
られない。 しかして、本発明の目的は安価にかつ容易に入
手できる工業原料から高収率でかつ容易にビタミ
ンA又はそのカルボン酸エステルを製造するため
の改良方法を提出するにある。 また、本発明のもう1つの目的は立体規制され
たビタミンA又はそのカルボン酸エステルを製造
するための改良された方法を提供するにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明によれば、上記の目的は、一般式 (式中、R1は置換されていてもよいアリール
基を表わし、R21基は水素原子又は低級アルカノ
イル基を表わし、R3は水酸基のアセタール型保
護基を表わす) で示される化合物を塩基で処理し、必要に応じて
生成するビタミンAをアシル化することを特徴と
するビタミンA又はそのカルボン酸エステルの製
造方法を提供することによつて達成され、また上
記一般式(−2)で示される化合物として、一
般式 (式中、R1は置換されていてもよいアリール
基を表わす) で示される化合物と一般式 (式中、R2は低級アルカノイル基を表わす) で示される化合物とを塩基の存在下に反応させる
ことにより一般式 (式中、R1及びR2は前記定義のとおりである) で示される化合物を得、ついで該一般式(−
1)で示される化合物に水酸基のアセタール型保
護基を導入し、必要に応じて生成する化合物を非
酸性条件下に加溶媒分解せしめることにより製造
されたものを用いるビタミンA又はそのカルボン
酸エステルの製造方法を提供することによつて達
成される。 上記の一般式におけるR1,R2,R21及びR3を詳
しく説明する。R1は置換されていてもよいアリ
ール基を表わし、ここで置換基としては、例えば
メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、
イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−
ブチルどの低級アルキル基;メトキシ、エトキ
シ、イソプロポキシ、n−プロポキシ、イソブト
キシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシなどの低級
アルコキシ基;塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲ
ン原子などが挙げられる。また、置換基はオルト
位、メタ位又はパラ位のいずれの位置にあつても
よく、1個又は2個以上の複数個であつてもよ
い。置換されていてもよいアリール基の具体例に
は、フエニル基、o−トリル基、m−トリル基、
p−トリル基、p−エチルフエニル基、p−n−
プロピルフエニル基、p−イソプロピルフエニル
基、p−n−ブチルフエニル基、2,4−ジメチ
ルフエニル基、p−メトキシフエニル基、2,4
−ジメトキシフエニル基、p−クロルフエニル
基、p−ブロムフエニル基などが挙げられる。こ
れらのうち、R1として特に好適なものはフエニ
ル基及びp−トリル基である。R2低級アルカノ
イル基を表わし、R21水素原子又は低級アルカノ
イル基を表わす。低級アルカノイル基としては、
例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基などが挙げられる。R3は水酸基
のアセタール型保護基を表わす。このアセタール
型保護基は、化学反応に際して水酸基の反応性を
一時的に遮蔽するために使用される通常のアセタ
ール型保護基が好ましく、具体的にはテトラヒド
ロピラン−2−イル基、4−メチルテトラヒドロ
ピラン−2−イル基;テトラヒドロフラン−2−
イル基;メトキシメチル、1−メトキシエチル、
1−エトキシエチル、1−n−ブトキシエチルど
の1−低級アルコキシアルキル基などである。な
お、本明細書中、「低級」なる語は、この語が付
された基又は化合物の炭素原子数は6個以下、好
ましくは4個以下であることを意味する。 本発明の方法に従えば、一般式(−2)で示
される化合物を塩基で処理することにより式 で示されるビタミンAが製造される。この処理に
用いられる塩基としては、例えばカリウムメトキ
シド、カリウムエトキシド、カリウムイソプロポ
キシド、カリウムn−プロポキシド、カリウムn
−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸
化カリウムなどのカリウムの低級アルコキシド及
び水酸化物が挙げられる。かかる塩基の使用量は
臨界的ではなく、用いる塩基の種類などに応じて
広範囲にわたり変えることができるが、一般には
一般式(−2)で示される化合物1モルに対し
て約2〜30モル、好ましくは約2〜10モル、さら
に好ましくは約3〜6モルの範囲内とすることが
できる。この反応はヘキサン、ヘプタン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの脂肪族又は
芳香族の炭化水素などの溶媒中で行なうのが好ま
しい。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、ま
た2種以上の混合溶媒として用いてもよい。溶媒
の使用量もまた臨界的ではないが、一般的には該
溶媒中における一般式(−2)で示される化合
物の濃度が約0.05〜1モル/、好ましくは約
0.1〜0.5モル/の範囲内となるような量で用い
るのが有利である。上記の処理の際の温度は用い
る塩基の種類などに応じて変えることができる
が、一般には約0〜100℃、好ましくは約20〜80
℃の範囲内の温度が適当である。また、この処理
は通常、ヘリウム、窒素、アルゴンなどの不活性
ガス雰囲気中で行なうのが好ましい。 上記の塩基での処理反応により、一般式(−
2)で示される化合物からビタミンAが高収率で
生成する。生成するビタミンAの反応混合物から
の分離回収はそれ自体既知の方法で行なうことが
できる。例えば、反応混合物に水、塩化アンモニ
ウム水溶液などに加え、有機層を分離し、この有
機層について必要により水洗及び/又は無水硫酸
ナトリウムでの乾燥及び/又は溶媒の減圧下での
留去を行なうことにより、ビタミンAを分離する
ことができる。必要に応じてさらに、このように
して分離されたビタミンAを再結晶などの精製手
段に付することにより高純度のビタミンAを取得
することができる。 また上記の如くして得られるビタミンAを通常
の方法によりアシル化することによりビタミンA
のカルボン酸エステルに誘導することができる。
このアシル化反応は上記のビタミンAの生成反応
によつて得られた反応混合物から分離されたビタ
ミンAを含有する有機層又は該有機層から前述の
如くして分離又はさらに精製されたビタミンAに
好適には有機溶媒中で第3級アミンの存在下にア
シル化剤を作用させることより行なわれる。アシ
ル化剤としては、例えば、無水酢酸、塩化アセチ
ル、塩化パルミトイルなどが使用される。アシル
化剤の使用量はビタミンAに対して約1〜10当
量、特に1〜3当量の範囲内が好ましい。有機溶
媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどの
炭化水素類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエ
タンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル
類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類な
どが使用され、これらの有機溶媒はビタミンAの
濃度が約0.1〜5モル/となる程度の量を使用
することが好ましい。第3級アミンとしては、例
えば、トリエチルアミン、ピリジンなどが使用さ
れる。これらの第3級アミンはビタミンAに対し
て約1〜10当量用いることが好ましいが、さらに
過剰量を用いることによつて該第3級アミンに有
機溶媒としての役割を兼ねさせることもできる。
該アシル化反応は一般に約−10℃〜30℃の温度範
囲内で行うのが好適である。反応終了後、反応混
合物から必要に応じて沈殿物を濾別したのち、該
反応混合物に希硫酸、水、飽和重曹水などを加
え、有機層を分離する。得られた有機層を、必要
により適宜水洗、乾燥、溶媒留去などの前処理を
行なうことによりビタミンAのカルボン酸エステ
ルを分離することができる。必要に応じてさら
に、このものを再結晶などの精製手段に付するこ
とにより高純度のビタミンAのカルボン酸エステ
ルを得ることができる。 原料として使用する一般式(−2)で示され
る化合物は前述のとおり次の方法により製造する
ことができる。 (上記式中、R1,R2,R21及びR3は前記定義の
とおりである) 一般式()で示される化合物と一般式()
で示される化合物との反応は塩基の存在下に行な
われる。一般式()で示される化合物は一般に
一般式()で示される化合物1モルに対して約
0.1〜10モル、好ましくは約1〜2モルの範囲内
で使用される。反応系内にに存在させうる塩基は
該一般式()で示される化合物において−
SO2R1基が結合している炭素原子にカルボアニオ
ンを発生させる能力のある塩基であり、例えば、
メチルリチウム、n−ブチルリチウムなどの有機
リチウム化合物;メチルマグネシウムクロライ
ド、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグ
ネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマ
イドなどの有機マグネシウムハライド(グリニヤ
ール試薬);水素化リチウム、水素化ナトリウム、
水素化カリウムなどのアルカリ金属の水素化物;
リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムア
ミドなどのアルカリ金属の水素化物;リチウムア
ミド、ナトリウムアミド、カリウムアミドなどの
アルカリ金属アミド;リチウムメトキシド、ナト
リウムメトキシド、カリウムメトキシド、カリウ
ムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの
アルカリ金属の低級アルコキシドなどである。こ
れら塩基の使用量は臨界的ではなく、用いる塩基
の種類などに応じて変えることができるが、一般
的にいえば、一般式()で示される化合物1モ
ルに対して約0.1〜1モル、好ましくは0.5〜1モ
ルの範囲内で変えることができる。この反応は通
常溶媒中で行なわれ、用いうる溶媒としては、例
えばヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンな
どの脂肪族又は芳香族炭化水素;ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどの鎖状又は環状エーテル;ジ
メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジ
メチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルト
リアミドなどの中から用いる塩基との組合わせに
おいて適宜選ばれる。反応は用いる塩基によつて
も異なるが、通常約−100℃〜150℃、好ましくは
約−80℃〜50℃の温度範囲内で行なわれる。また
反応はヘリウム、窒素、アルゴンなどの不活性ガ
ス雰囲気下で行なうのが有利である。反応時間は
採用した塩基、溶媒、反応温度などによつて変化
するが、例えば塩基としてn−ブチルリチウムを
使用し、テトラヒドロフラン溶媒中で約−80℃〜
−50℃の温度で反応を行なう場合には約2〜6時
間である。 反応混合液からの一般式(−1)で示される
化合物の分離回収は通常の方法により行なうこと
ができる。例えば、反応混合液を水、塩化アンモ
ニウム水溶液、希塩酸などに注いだのち、有機層
を分離し、その有機層を必要によりこれについて
水洗及び/又は無水硫酸ナトリウムでの乾燥及
び/又は溶媒の減圧下での留去を行なつたのち、
再結晶、クロマトグラフイーなどの精製手段に付
することにより一般式(−1)で示される化合
物を単離する。 一般式(−1)で示される化合物のR21が低
級アルカノイル基を表わす場合の一般式(−
2)で示される化合物への変換は、例えば、一般
式(−1)で示される化合物と3,4−ジヒド
ロ−2H−ピラン、4−メチル−3,4−ジヒド
ロ−2H−ピラン、2,3−ジヒドロフラン、低
級アルキルビニルエーテルなどのビニルエーテル
類とを酸性触媒の存在下に反応させるか、又は一
般式(−1)で示される化合物に五酸化リンな
どの存在下にメチラールを作用させることにより
行なわれる。一般式(−1)で示される化合物
とビニルエーテル類との反応は、必ずしも溶媒中
で行なうことを必要としないが、通常は塩化メチ
レン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、
ベンゼンなどの溶媒中で行なうのが好ましい。酸
性触媒としては、例えば、p−トルエンスルホン
酸若しくはそのピリジン塩、硫酸、塩酸などを使
用することができるが、p−トルエンスルホン酸
若しくはそのピリジン塩を使用するのが好まし
い。この反応において、ビニルエーテル類として
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、4−メチル−
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン又は2,3−ジ
ヒドロフランを用いる場合には、それぞれ一般式
(−2)においてR21が低級アルカノイル基で
ありかつR3がテトラヒドロピラン−2−イル基、
4−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基又は
テトラヒドロフラン−2−イル基である化合物が
得られる。またビニルエーテル類としてメチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどの低
級アルキルビニルエーテルを用いる場合には、一
般式(−2)おいてR21が低級アルカノイル基
でありかつR3が低級アルコキシエチル基である
化合物が得られる。他方、一般式(−1)で示
される化合物に五酸化リンなどの存在下にメチラ
ールを作用させることにより、一般式(−2)
においてR21が低級アルカノイル基でありかつR3
がメトキシメチル基である化合物が得られる。 上記の各反応により得られたR21が低級アルカ
ノイル基を表わす場合の一般式(−2)で示さ
れる化合物の反応混合物からの分離回収は通常の
方法により行なうことができる。例えば、反応混
合物を水に注いだのち、ベンゼン、ジエチルエー
テル、酢酸エチルどで抽出し、抽出液を水洗して
無水酢酸ナトリウムで乾燥する。ついで、抽出液
から低沸点物を減圧下に留去し、その残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフイーに付することに
よりR21が低級アルカノイル基を表わす場合の一
般式(−2)で示される化合物を単離すること
ができる。 このようにして得られるR21が低級アルカノイ
ル基を表わす場合の一般式(−2)で示される
化合物はそのまま前述の塩基による処理に付する
ことができ、又は所望により該化合物を非酸性条
件下に加溶媒分解せしめ、生成するR21が水素原
子を表わす場合の一般式(−2)で示される化
合物を前述の塩基による処理に付することもでき
る。非酸性条件下での加溶媒分解反応は、例えば
メタノール、エタノールなどのアルコール類;又
はこれらのアルコール類と水及び/又はベンゼ
ン、トルエンなどの炭化水素類との混合物どの溶
媒中で、好ましくはアルカリ金属の水酸化物又は
炭酸塩の存在下に行なわれる。アルカリ金属の水
酸化物又は炭酸塩としては、例えば、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸
カリウムなどが使用される。アルカリ金属の水酸
化物又は炭酸塩の使用量がR21が低級アルカノイ
ル基を表わす場合の一般式(−2)で示される
化合物に対して約1〜2当量の範囲内が好適であ
る。溶媒の使用量はR21が低級アルカノイル基を
表わす場合の一般式(−2)で示される化合物
の濃度が約0.1〜10モル/となる程度の量であ
ることが好ましい。溶媒としてアルコール類と水
及び/又は炭化水素類との混合物を使用する場合
には、該水及び/又は炭化水素類は反応系が相分
離を起こさない程度に用いることが好ましい。反
応は約−10℃〜30℃の温度範囲内で行なうのが適
当である。この反応により得られるR21が水素原
子を表わす場合の一般式(−2)で示される化
合物の反応混合物からの分離は、通常の方法によ
り行なうことができる。例えば、反応混合物に飽
和塩化アンモニウム水溶液、希塩酸、希硫酸など
を加えて残存するアルカリ金属の水酸化物又は炭
酸塩を中和し、必要に応じて溶媒として用いたア
ルコール類を留去し、その残渣に水を加えたの
ち、ベンゼン、塩化メチレン、ジエチルエーテ
ル、酢酸エチルなどで抽出し、抽出液を水洗して
無水硫酸ナトリウムで乾燥する。次いで、抽出液
から必要に応じて低沸点物を減圧下に留去し、そ
の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイーに
付することによりR21が水素原子を表わす場合の
一般式(−2)で示される化合物を単離するこ
とができる。 上記一般式(−2)で示される化合物の製造
において出発原料として使用する一般式()で
示される化合物はそれ自体既知の化合物であり
(特許第1168158号参照)、安価な工業原料である
リナロールから好収率でかつ容易に製造すること
ができる。例えば、一般式()においてR1が
フエニル基である化合物は次の方法により製造さ
れる。 すなわち、リナロールに塩化チオニルを作用さ
せることによりゲラニルクロライドを得、該ゲラ
ニルクロライドとフエニルスルフイン酸ナトリウ
ムとを反応させることによりゲラニルフエニルス
ルホンを得る。ゲラニルフエニルスルホンを酸触
媒、例えば硫酸と酢酸との混合酸の存在下に閉環
反応させることによりβ−シクロゲラニルフエニ
ルスルホンを得る。なお、閉環反応の際にβ−シ
クロゲラニルフエニルスルホンの異性体であるα
−シクロゲラニルフエニルスルホンが副生するこ
とがあるが、両者の生成混合物をヘキサンなどの
溶媒中で晶析することにより高純度のβ−シクロ
ゲラニルフエニルスルホンを得ることができる。
また、α−シクロゲラニルフエニルスルホンはこ
れを上記の閉環反応系にもどすことにより目的と
するβ−シクロゲラニルフエニルスルホンに変換
される。リナロールからのβ−シクロゲラニルフ
エニルスルホンの合計収率は通常約70〜90%であ
る。 またもう一方の出発原料である一般式()で
示される化合物もリナロールから好収率でかつ容
易に製造することができる。例えば、一般式
()においてR2がアセチル基である化合物は次
の方法により製造される。 すなわち、リナロールに無水酢酸を作用させる
ことにより、ゲラニルアセテートを得、該ゲラニ
ルアセテートを例えば、エタノール溶媒中で還流
下に二酸化セレンに作用させることにより目的と
する8−アセトキシ−2,6−ジメチル−2,6
−オクタジエナールを得る。リナロールからの8
−アセトキシ−2,6−ジメチル−2,6−オク
タジエナールの合計収率は通常約60〜80%であ
る。 上記の如くして製造される一般式(−1)で
示される化合物及び一般式(−2)で示される
化合物は従来の文献に未載の新規な化合物であ
る。一般式(−1)で示される化合物のうち、
R1としてはフエニル基又はp−トリル基である
ものが、そしてR2としてはアセチル基であるも
のが好適である。また一般式(−2)で示され
る化合物のうち、R1としてはフエニル基又はp
−トリル基であるものが、そしてR21として水素
原子又はアセチル基であるものが、さらにR3と
してはメトキシメチル基、1−エトキシエチル
基、1−n−ブトキシエチル基、テトラヒドロピ
ラン−2−イル基又は4−メチルテトラヒドロピ
ラン−2−イル基であるものが好適である。 以上述べた本発明の方法により製造されるビタ
ミンA又はそのカルボン酸エステルの立体構造
は、使用する一般式()で示される化合物の立
体構造に依存する。 (式中、R2前記定義のとおりである) すなわち、一般式()において2位及び6位
の炭素−炭素二重結合に基づく立体構造がともに
トランス(E)に規制されている化合物を使用する場
合には、全トランスに立体規制されたビタミン
A、さらにはそのカルボン酸エステルが優先的に
得られ、また一般式()において2位の炭素−
炭素二重結合に基づく立体構造がトランス(E)に規
制され、6位のそれがシス(Z)に規制されている化
合物を使用する場合には、13−位の炭素−炭素二
重結合に基づく立体構造がシスに規制されたビタ
ミンA、さらにはそのカルボン酸エステルが優先
的に得られる。 〔実施例〕 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。 実施例 1 窒素ガスで置換した200ml容三つ口フラスコに
β−シクロゲラニルフエニルスルホン(1)〜10.80g
(38.8mmol)及びトルエン100mlを入れ、ついで
エチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル
溶液(1.06mol/)24.2ml(25.6mmol)を内温
20〜25℃で滴下した。滴下終了後、内温40〜45℃
で3時間撹拌した。次に、内温が−40〜−30℃と
なるように冷却し、この溶液に8−アセトキシ−
2,6−ジメチル−2(E)、6(E)−オクタジエン−
1−アール(2〜−1)4.02g(19.1mmol)のト
ルエン10mlの溶液を滴下した。滴下終了後、同温
度にてさらに2時間激しく撹拌した。反応混合物
に10%塩酸水溶液を加え、トルエン層を分離し
た。このトルエン層を水洗し、さらに飽和塩化ナ
トリウム水溶液で洗滌し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。このトルエン層からトルエンを留去
し、その残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマ
トグラフイー(溶出液:ヘキサンと酢酸エチルと
の容量比7対3の混合液)により精製し、無色透
明の油状物(3〜−1)8.46gを得た。このものは
下記の機器分析データにより、1−アセトキシ−
8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−9−(2,
6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−
イル)−9−フエニルスルホニル−2(E)、6(E)−
ノナジエンのジアステレオマーの混合物であるこ
とを確認した。収率91%。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.61〜2.03(m,28H);2.87(br,1H); 3.95,4.20(d,合して1H);4.50(d,
2H); 4.85,4.97(d,合して1H);5.25,5.62(m,
合して2H); 7.40〜8.03(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):3500(OH),1735
(C=O),1140(SO2) FD−MASS m/e:488(M+) 100ml容なす形フラスコに化合物(3〜−1)
2.67g(5.5mmol)及びメチラール9.65ml
(110mmol)を入れ撹拌して溶液とした。この溶
液に五酸化リン0.22g(1.54mmol)を添加して
室温下で撹拌した。五酸化リン添加の2時間後及
び5時間後にそれぞれ五酸化リン0.21gを加えて
24時間反応させた。分液ロートに飽和重曹水を入
れ、この中に反応混合物の溶液部分を加えて分液
した。一方、その残渣にトルエンと飽和重曹水と
を加え、撹拌することによりタール分を溶解させ
た。得られた水層と有機層とを分液ロートに移し
て分液した。有機層を合し、飽和重曹水で洗滌
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸
マグネシウムを濾別したのち、40℃で溶媒を留去
することにより赤色の油状物を得た。この油状物
をシリカゲルクロマトグラフイー(展開液:酢酸
エチルとヘキサンとの容量比1対6〜1対4の混
合液)に付することにより、生成物2.68gを得
た。このものは下記の機器分析データにより、1
−アセトキシ−3,7−ジメチル−8−メトキシ
メトキシ−9−フエニルスルホニル−9−(2,
6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−
イル)−2(E)、6(E)−ノナジエン(4)〜であることを
確認した。収率92%。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.69〜1.99(m,28H);3.16,3.35(s,
3H); 3.96〜5.60(m,8H);7.38〜8.01(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):1730(C=O),1140
(SO2) FD−MASS m/e:532(M+) 100ml容なす形フラスコに化合物(4)〜2.68g
(5.04mmol)及びメタノール11mlを入れて溶液と
したのち、この溶液に水酸化ナトリウム0.33gを
加えて室温下で1.5時間撹拌した。反応混合液を
分液ロートへ移し、これに大量の水及びトルエン
を加えて抽出した。トルエン抽出液を飽和塩化ア
ンモニウム水及び水で洗滌し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別し
たのち、40℃でトルエンを減圧下に留去して、赤
色の油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフイー(展開液:酢酸エチルとヘ
キサンとの容量比1対4〜1対1の混合液)に付
することにより、生成物2.34gを得た。このもの
は下記の機器分析データにより、1−ヒドロキシ
−3,7−ジメチル−8−メトキシメトキシ−9
−フエニルフルホニル−9−(2,6,6−トリ
メチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2(E)、
6(E)−ノナジエン(5)〜であることを確認した。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.68〜2.04(m,26H);3.15,3.36(s,
3H); 3.95〜5.60(m,8H);7.40〜8.00(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):3500(OH),1140
(SO2) 窒素ガス雰囲気下、50ml容褐色なす形フラスコ
に化合物(5)〜0.5121g(1.05mmol)及びトルエン
5mlを入れ、撹拌して溶液とした。この溶液にカ
リウムメトキシド0.21g(3.15mmol)を加え、
室温で5分間、さらに40℃で2時間撹拌した。反
応混合物にヘキサン20ml及び水15mlを加え、得ら
れた混合液を分液ロートに移して分液した。水層
をヘキサン15mlで抽出した。ヘキサン層を合し、
水で2回洗滌したのち、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別し、35℃
で減圧下に溶媒を留去して、オレンジ色の油状物
(6〜−1)を得た。このもののIRスペクトルは市
販のビタミンAのそれと一致した。 窒素ガス雰囲気下、100ml容かつ色なす形フラ
スコに上記の油状物、ヘキサン4ml及びトリエチ
ルアミン1.1mlを入れ、氷水浴で冷却した。この
混合物に無水酢酸0.68mlを加え、冷却下に20分
間、さらに室温下で16時間撹拌した。反応混合物
にヘキサン25mlを加え、氷水浴中で冷却したの
ち、これに飽和重曹水10mlを加えた。15分間撹拌
したのち、混合物を分液ロートに移し、これにヘ
キサン15ml及び飽和重曹水10mlを加えて分液し
た。ヘキサン層を飽和重曹水で洗滌し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウム
を濾別したのち、溶媒を35℃で減圧下に留去し
て、オレンジ色の油状物0.3723gを得た。このも
のは高速液体クロマトグラフイー分析(カラム:
μ−ポラシル,展開液:ヘキサンとイソプロピル
エーテルとの容量比9対1の混合液)の結果、ビ
タミンAアセテート(7〜−1)(全トランス体比
率95%)を0.2755g含んでいた。化合物(5)〜からの
合計収率は80%であつた。 実施例 2 アルゴンガスで置換した200ml容フラスコにβ
−シクロゲラニルフエニルスルホン(1)〜5.00g
(18.0mmol)及びテトラヒドロフラン60mlを入
れ、−78℃に冷却したのち、n−ブチルリチウム
のヘキサン溶液(1.5mol/)6.6ml(9.9mmol)
を滴下し、同温度で3時間撹拌した。次に、この
溶液中に8−アセトキシ−2,6−ジメチル−2
(E)、6(E)−オクタジエン−1−アール(2〜−1)
1.89g(9.0mmol)のテトラヒドロフラン15mlの
溶液を−78℃で滴下し、同温度で2時間撹拌し、
さらに−50℃で2時間撹拌した。−78℃に冷却し
たのち、反応混合物に水を加え、ついで常温まで
昇温させた。得られた混合物をベンゼン100mlで
3回計300mlで抽出した。抽出液を水洗し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。この抽出液からベン
ゼンを留去し、その残渣をシリカゲルを用いたカ
ラムクロマトグラフイー(溶出液:ヘキサンと酢
酸エチルとの容量比5対1の混合液)により精製
し、無色透明の油状物(3〜−1)4.01gを得た。
このものは下記の機器分析データにより、1−ア
セトキシ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−
9−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキ
セン−1−イル)−9−フエニルスルホニル−2
(E)、6(E)−ノナジエンであることを確認した。収
率93%。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.62〜1.94(m,28H),3.73(br,1H), 3.81(d,1H),4.41(d,2H),4.90(d,
1H), 5.21(m,2H),7.38〜7.99(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):3500(OH),1735
(C=O),1140(SO2) FD−MASS m/e:488(M+) 100ml容フラスコに1−アセトキシ−3,7−
ジメチル−8−ヒドロキシ−9−フエニルスルホ
ニル−9−(2,6,6−トリメチル−1−シク
ロヘキセン−1−イル)−2(E)、6(E)−ノナジエ
ン(3〜−1)1.36g(2.8mmol)、触媒量のp−
トルエンスルホン酸ピリジン塩及び塩化メチレン
15mlをとり、氷水で冷却した。この溶液中に3,
4−ジヒドロ−2H−ピラン0.73ml(8.4mmol)
を滴下し、氷冷下で3時間撹拌した。反応混合液
中に重曹水を注ぎ、塩化メチレンで抽出した。塩
化メチレン抽出液を水洗したのち、無水硫酸ナト
リウム上で乾燥した。抽出液から塩化メチレンを
エバポレーターで留去したのち、残つた油分をシ
リカゲルカラムクロマトグラフイー(展開液:酢
酸エチルとヘキサンとの容量量比1対5の混合
液)にかけ、1−アセトキシ−3,7−ジメチル
−8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシ
−9−フエニルスルホニル−9−(2,6,6−
トリメチル−1−シクロヘキセ−1−イル)−2
(E)、6(E)−ノナジエン(8〜−1)を1.59g得た。
収率99%。生成物の機器分析データを次に示す。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.62〜2.03(m,34H);3.23〜5.36(m,
9H); 7.43〜8.15(m,5H) IR(フイルム)ν(cm-1):1745(C=O),
1150(SO2) FD−MASS m/e:573(M++1),572
(M+) 窒素ガス雰囲気下、100ml容褐色フラスコに化
合物(8〜−1)1.59g及びトルエン15.9mlを入
れ、撹拌して溶液とした。この溶液に内温を27℃
に保ちながらカリウムメトキシド0.97gを加え、
その温度で0.3時間、さらに内温38℃で1.5時間撹
拌した。反応混合物にヘキサン60ml及び水45mlを
加えて撹拌したのち、混合液を分液ロートに移し
て分液した。水層をヘキサン45mlで抽出した。ヘ
キサン層を合し、水で2回洗滌し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾
別し、35℃で減圧下に溶媒を留去して、オレンジ
色の油状物(6〜−1)を得た。 窒素ガス雰囲気下、100ml容褐色なす形フラス
コに上記の油状物、ヘキサン10.6ml及びトリエチ
ルアミン2.9mlを入れ、氷水浴で冷却した。この
混合物に無水酢酸1.8mlを加え、冷却下に20分間、
さらに室温下で16時間撹拌した。反応混合物にヘ
キサン70mlを加え、氷水浴中で冷却したのち、こ
れに飽和重曹水27mlを加えて15分間撹拌した。こ
の混合物を分液ロートに移し、これにヘキサン40
ml及び飽和重曹水27mlを加えて分液した。ヘキサ
ン層を飽和重曹水で洗滌し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別した
のち、溶媒を35℃で減圧下に留去して、オレンジ
色の油状物を得た。このものは高速液体クロマト
グラフイー分析(カラム:μ−ポラシル,展開
液:ヘキサンとイソプロルエーテルと容量比9対
1の混合液)の結果、ビタミンAアセテート(7〜
−1)(全トランス体比率95%)を0.70g含んで
いた。化合物(8)〜からの合計収率は77%であつた。 実施例 3 窒素ガス雰囲気下、100ml容褐色なす形フラス
コに実施例1(B)で得た1−アセトキシ−3,7−
ジメチル−8−メトキシメトキシ−9−フエニル
スルホニル−9−(2,6,6−トリメチル−1
−シクロヘキセン−1−イル)−2(E)、6(E)−ノ
ナジエン(4)〜2.68g及びシクロヘキサン80mlを入
れ、撹拌して溶液とした。この溶液にカリウムメ
トキシド3.53gを加え、内温39℃で1.8時間撹拌
した。反応混合物にヘキサン96ml及び水72mlを加
えて撹拌したのち、混合液を分液ロートに移し
た。水層をヘキサン96mlで抽出した。ヘキサン層
を合し、水で2回洗滌したのち、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別
し、35℃で減圧下に溶媒を留去して、オレンジ色
の油状物(6〜−1)を得た。 次に窒素ガス雰囲気下、300ml容褐色なす形フ
ラスコに上記の油状物、ヘキサン(9.2ml及びト
リエチルアミン5.3mlに入れ、氷水浴で冷却した。
この混合物に無水酢酸3.26mlを加え、冷却下に20
分間、さらに室温下で16時間撹拌した。反応混合
物にヘキサン120mlを加え、氷水浴中で冷却した
のち、これに飽和重曹水48mlを加えた。15分間撹
拌したのち、混合物を分液ロートに移し、これに
ヘキサン72ml及び重曹水48mlを加えて分液した。
ヘキサン層を飽和重曹水で洗滌し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾
別したのち、溶媒を35℃で減圧下に留去して、オ
レンジ色の油状物を得た。このものは高速液体ク
ロマトグラフイー分析(カラム:μ−ポラシル,
展開液:ヘキサンとイソプロピルエーテルとの容
量比9対1の混合液)の結果、ビタミンAアセテ
ート(7〜−1)(全トランス体比率95%)を1.29
g含んでいた。化合物(4)〜からの合計収率は78%で
あつた。 実施例 4 アルゴンガスで置換した220ml容3つ口フラス
コにβ−シクロゲラニル−p−トリルスルホン(9)〜
7.01g(24.0mmol)及びテトラヒドロフラン70
mlを入れ、−78℃に冷却したのち、n−ブチルリ
チウムのヘキサン溶液(1.5mol/)9.6ml
(14.4mmol)を滴下し、同温度で2時間撹拌し
た。次に、この溶液中に8−アセトキシ−2,6
−ジメチル−2(E),6(E)−オクタジエン−1−ア
ール(2〜−1)2.52g(12.0mmol)のテトラヒ
ドロフラン15mlの溶液を−78℃で滴下し、同温度
で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、常温
まで昇温させた。得られた混合物をベンゼン50ml
で3回計150mlで抽出し、ベンゼン抽出液を水洗
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この抽出
液から溶媒を留去し、その残渣をシリカゲルを用
いたカラムクロマトグラフイー(溶出液:ヘキサ
ンと酢酸エチルとの容量比5対1〜3対1の混合
液)により精製し、白色の固型物4.88gを得た。
このものは下記の機器分析データにより、1−ア
セトキシ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−
9−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキ
セン−1−イル)−9−(p−トリル)スルホニル
−2(E),6(E)−ノナジエン(10)〜であることを確認し
た。収率81%。 NMR δCDCl3 (CH3)3SiOSi(CH3)3: 0.61〜2.01(m,28H),2.37(s,3H),3.71
(br,1H), 3.94(d,1H),4.49(d,2H),4.97(d,
1H), 5.16(m,2H),7.26(d,2H),7.86(d,
2H) IR(フイルム)ν(cm-1):3480(OH),1735
(C=O),1140(SO2) 100ml容なす形フラスコに化合物(10)〜1.00g
(1.99mmol)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン
0.52ml、塩化メチレン10ml及び触媒量のp−トル
エンスルホン酸を入れ、0℃で6時間撹拌した。
分液ロートに飽和重曹水を入れ、この中反応混合
物の溶液部分を加えて分液した。水層を塩化メチ
レンで抽出した。塩化メチレン層を合し、水洗し
たのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水
硫酸マグネシウムを濾別したのち、塩化メチレン
をエバポレーターで留去して、粘稠な油分1.47g
を得た。この油分をシリカゲルクロマトグラフイ
ー(展開液:酢酸エチルとヘキサンとの容量比1
対3の混合液)に付することにより、生成物1.09
gを得た。このものは下記のIRスペクトルによ
り、1−アセトキシ−3,7−ジメチル−8−
(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシ−9−
(p−トリル)スルホニル−9−(2,6,6−ト
リメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2
(E),6(E)−ノナジエン(11)〜であることを確認した。
収率93%。 IR(フイルム)ν(cm-1):2930,1740,
1600,1450,1380,1365,1300,1230,
1140,1080,1020,960,815 100ml容褐色なす形フラスコにカリウムメトキ
シド0.60g(8.53mmol)及びトルエン25mlを入
れ、アルゴン雰囲気下としたのち、化合物(11)〜1.00
g(1.71mmol)を5mlのトルエンに溶かした溶
液を室温下で加えた。室温で30分間、さらに40℃
で2時間撹拌した。反応混合物を塩化アンモニウ
ム水溶液に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。
抽出液を水洗し、さらに飽和食塩水で洗滌したの
ち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸
マグネシウムを濾別したのち、ジエチルエーテル
及びトルエンを留去して、赤黄色の油分(6〜−
1)0.76gを得た。 次いで、上記の油分を5mlのピリジンに溶か
し、この溶液に無水酢酸5ml及び触媒量のジメチ
ルアミノピリジンを加えて、室温下で2時間撹拌
した。反応混合物を多量の水に注ぎ、ヘキサンで
抽出した。ヘキサン抽出液を80%のメタノール水
溶液で洗滌し、さらに水で3回洗滌したのち、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネ
シウムを濾別したのち、ヘキサンを留去して、赤
黄色の油分0.64gを得た。この油分は液体クロマ
トグラフイー分析の結果、ビタミンAアセテート
(7〜−1)(全トランス体比率95%)を0.34g含ん
でいた。化合物((11)〜からの合計収率は61%であつ
た。 実施例 5〜7 実施例2(A)で得た1−アセトキシ−3,7−ジ
メチル−8−ヒドロキシ−9−フエニルスルホニ
ル−9−(2,6,6−トリメチル−1.シクロヘ
キセン−1−イル)−2(E),6(E)−ノナジエン
(3〜−1)1.36g(2.8mmol)及び塩化メチレン
15mlを使用して第1表に示す条件を採用する以外
は実施例2(B)におけると同様にして反応及び処理
を行ない、対応するアセタール類((12)〜〜(14)〜)を
得
た。結果を第1表に示す。
【表】
化合物(12)〜(14)の1.05mmol及びカリウムメトキ
シド5.25mmolを用いて第2表に示す条件を採用
する以外は実施例1(D)におけると同様にして反応
及び処理を行ない、ビタミンAアセテート(7〜−
1)を得た。結果を第2表に示す。
シド5.25mmolを用いて第2表に示す条件を採用
する以外は実施例1(D)におけると同様にして反応
及び処理を行ない、ビタミンAアセテート(7〜−
1)を得た。結果を第2表に示す。
本発明の方法によれば、上記の実施例から明ら
かなとおり、安価な工業材料であるリナロールか
ら容易にかつ好収率でともに製造される一般式
()で示される化合物及び一般式()で示さ
れる化合物の塩基の存在下での反応により高収率
でかつ容易に製造される一般式(−1)で示さ
れる化合物を経由し、この化合物から誘導される
一般式(−2)で示される化合物を塩基で処理
することより高収率でかつ容易に、しかも一般式
()で示される化合物の立体構造に依存する立
体規制されたビタミンA、さらにはそのカルボン
酸エステルを製造することができる。
かなとおり、安価な工業材料であるリナロールか
ら容易にかつ好収率でともに製造される一般式
()で示される化合物及び一般式()で示さ
れる化合物の塩基の存在下での反応により高収率
でかつ容易に製造される一般式(−1)で示さ
れる化合物を経由し、この化合物から誘導される
一般式(−2)で示される化合物を塩基で処理
することより高収率でかつ容易に、しかも一般式
()で示される化合物の立体構造に依存する立
体規制されたビタミンA、さらにはそのカルボン
酸エステルを製造することができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中、R1は置換されていてもよいアリール
基を表わし、R21は水素原子又は低級アルカノイ
ル基を表わし、R3は水酸基のアセタール型保護
基を表わす) で示される化合物を塩基で処理し、必要に応じて
生成するビタミンAをアシル化することを特徴と
するビタミンA又はそのカルボン酸エステルの製
造方法。 2 塩基がカリウムの低級アルコキシド及び水酸
化カリウムからなる群より選ばれる特許請求の範
囲第1項記載の方法。 3 該処理を脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素
からなる群より選ばれる溶媒中で行なう特許請求
の範囲第1項記載の方法。 4 該処理を約20〜80℃の範囲内の温度で行なう
特許請求の範囲第1項記載の方法。 5 該処理を不活性ガス雰囲気中で行なう特許請
求の範囲第1項記載の方法。 6 一般式 (式中、R1は置換されていてもよいアリール
基を表わす) で示される化合物と一般式 (式中、R2は低級アルカノイル基を表わす) で示される化合物とを塩基の存在下に反応させ、
得られる一般式 (式中、R1及びR2は前記定義のとおりであ
る。) で示される化合物に水酸基のアセタール型保護基
を導入し、必要に応じて生成する化合物を非酸性
条件下に加溶媒分解せしめることにより一般式 (式中、R1は前記定義のとおりであり、R21は
水素原子又は低級アルカノイル基を表わし、R3
は水酸基のアセタール型保護基を表わす) で示される化合物を得、ついで該一般式(−
2)で示される化合物を塩基で処理し、必要に応
じて生成するビタミンAをアシル化することを特
徴とするビタミンA又はそのカルボン酸エステル
の製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60-2964 | 1985-01-10 | ||
| JP296485 | 1985-01-10 | ||
| JP60-41667 | 1985-03-01 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS625952A JPS625952A (ja) | 1987-01-12 |
| JPH0468307B2 true JPH0468307B2 (ja) | 1992-11-02 |
Family
ID=11544048
Family Applications (2)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60273052A Granted JPS625952A (ja) | 1985-01-10 | 1985-12-03 | ビタミンa又はそのカルボン酸エステルの製造方法 |
| JP60273051A Granted JPS6259A (ja) | 1985-01-10 | 1985-12-03 | 新規なスルホン及びその製造方法 |
Family Applications After (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60273051A Granted JPS6259A (ja) | 1985-01-10 | 1985-12-03 | 新規なスルホン及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (2) | JPS625952A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE3512179A1 (de) * | 1985-04-03 | 1986-12-04 | Merck Patent Gmbh, 6100 Darmstadt | Fotoinitiatoren fuer die fotopolymerisation in waessrigen systemen |
| FR2698872B1 (fr) * | 1992-12-07 | 1995-01-13 | Rhone Poulenc Nutrition Animal | Procédé de préparation de la vitamine A et composés intermédiaires utiles pour ce procédé. |
-
1985
- 1985-12-03 JP JP60273052A patent/JPS625952A/ja active Granted
- 1985-12-03 JP JP60273051A patent/JPS6259A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0411539B2 (ja) | 1992-02-28 |
| JPS625952A (ja) | 1987-01-12 |
| JPS6259A (ja) | 1987-01-06 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |