JPH0469214B2 - - Google Patents
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- JPH0469214B2 JPH0469214B2 JP62149085A JP14908587A JPH0469214B2 JP H0469214 B2 JPH0469214 B2 JP H0469214B2 JP 62149085 A JP62149085 A JP 62149085A JP 14908587 A JP14908587 A JP 14908587A JP H0469214 B2 JPH0469214 B2 JP H0469214B2
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C49/00—Alloys containing metallic or non-metallic fibres or filaments
- C22C49/14—Alloys containing metallic or non-metallic fibres or filaments characterised by the fibres or filaments
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- Y10T428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10T428/12—All metal or with adjacent metals
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
Description
産業上の利用分野
この発明は、炭素繊維で強化したアルミニウム
合金(以下、CF/A1という)を成形するときに
素材として使用するワイヤプリフオーム(以下、
プリフオームという)に関する。 従来の技術 炭素繊維を強化材とし、金属をマトリクスとす
る炭素繊維強化金属(以下、CFRMという)は、
金属のみからなるものにくらべで比強度や比弾性
率が高いことから、いろいろな分野で注目されて
いる。なかでも、アルミニウム合金をマトリクス
とするCFRM、すなわちCF/A1は、比強度や比
弾性率が特に優れていることから、軽量構造材と
して、航空・宇宙分野をはじめとする分野で大き
な期待が寄せられている。 ところで、一般に、炭素繊維は、溶融したアル
ミニウム合金との濡れ性に乏しく、しかも、高温
でアルミニウムと容易に反応して特性が低下する
という性質があり、そのため、濡れ性を改善した
り、反応を防止したりするためのいろいろな工夫
がなされている。 たとえば、特公昭59−12733号公報には、炭素
繊維に、ホウ化チタンや、炭化チタンとホウ化チ
タンとの混合物を被覆することが濡れ性の改善に
有効であることが記載されている。しかしなが
ら、この方法では、炭素繊維とアルミニウムとの
反応を十分に防止できず、炭素繊維として、いわ
ゆる高強度タイプと呼ばれる米国ユニオンカーバ
イド社の“Thornel”300を使用し、アルミニウ
ム合金としてAA202を使用した場合でも、 4Al+3C→Al4C3 なる反応が起こり、引張強度は、炭素繊維の体積
含有率(以下、Vfという)が29%のときでわず
かに0.24GPaにすぎない(“Jou.of Composite
Materials”、第10巻、第279〜296頁、1976年10
月)。 一方、特開昭61−69448号公報には、炭素繊維
に炭素を被覆し、その上に金属炭化物等を主成分
とする物質をさらに被覆すると、劣化反応が防止
され、複合則の86%の引張強度をもつプリフオー
ムが得られるむねの記載がある。しかしながら、
濡れ性はほとんど改善されないので、チタンやホ
ウ素等を主成分とする物質をさらに被覆する必要
がでてくる。これは、製造コストの面で大変不利
である。また、工程も煩雑になる。 そこで、特開昭61−130439号発明においては、
アルミニウムとの反応性が低い、引張弾性率が
373GPa(38トン/mm2)以上で、しかも、表面酸化
処理を施していない炭素繊維(以下、無処理CF
という)の連続繊維束に溶融アルミニウム合金を
含浸し、Vfが50%で引張強度が1.5GPAのプリフ
オームを得ている。すなわち、高弾性率の無処理
CFは、不活性、すなわち表面エネルギーが小さ
いために、表面酸化処理が施されている炭素繊維
(以下、処理CFという)を使用するときにくらべ
て劣化反応が起こりにくい。しかしながら、なお
十分であるとはいえない。 発明が解決しようとする課題 この発明の目的は、従来のプリフオームの上述
した問題点を解決し、強度に優れたCF/Al用プ
リフオームを提供するにある。 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、この発明は、レー
ザーラマン分光分析によつて得られるスペクトル
のうち、波数1585cm-1付近の、黒鉛構造のE2g
対称の振動によるラマンバンドのピーク高さの2/
3におけるバンド幅が25〜75cm-1である炭素繊維
の連続繊維束に、銅の量が0.1重量%以下で、ケ
イ素の量が0.45重量%以下であるアルミニウム合
金が含浸され、かつ、上記炭素繊維の連続繊維束
を構成している各単繊維には、炭素、炭化ケイ
素、チタン、炭化チタン、ホウ素およびホウ化チ
タンから選ばれた1種または2種の物質が被覆さ
れていることを特徴とする炭素繊維強化アルミニ
ウム合金用ワイヤプリフオームを提供する。 以下、この発明のプリフオームをその製造方法
とともにさらに詳細に説明する。 この発明においては、連続繊維束の形態の炭素
繊維を使用する。炭素繊維は、ポリアクリロニト
リル系、ピツチ系、レーヨン系等、いずれであつ
てもよいが、ポリアクリロニトリル系炭素繊維が
最も好ましい。また、炭素繊維は、無処理CFで
あつても、処理CFであつても、いずれでもよい。
処理CFを使用する場合、処理は、一般に行われ
ている方法によることができる。すなわち、たと
えば、炭素繊維を、それを陽極として通電ローラ
を介して直流電流を流しながら0.01〜1N水酸化
ナトリウム水溶液中に通し、炭素繊維にその1g
あたり5〜2000クーロン、好ましくは5〜1000ク
ーロン、さらに好ましくは5〜500クーロンのエ
ネルギーを与えることによつて行うことができ
る。 また、この発明においては、レーザーラマン分
光分析によつて分析したとき、黒鉛構造のE2g
対称の振動によるものであるといわれる波数1585
cm-1付近におけるラマンバンド(以下、結晶バン
ドという)のピーク高さ(強度)の2/3における
バンド幅(以下、2/3幅という)が、25〜75cm-1、
好ましくは30〜60cm-1、さらに好ましくは35〜55
cm-1の範囲にある炭素繊維を使用する。かかる炭
素繊維を使用することによつて、高強度のプリフ
オームを安定して効率よく製造することができる
ようになる。このような炭素繊維を使用するの
は、次のような理由による。 すなわち、一般に、炭素繊維は、繊維軸方向に
配向する、ベンゼン環で縮合された細長いリボン
状の多環芳香族分子状断片を構造単位としてい
る。このリボン状断片は、ベンゼン環の縮合度が
極めて高く、芳香族の究極的な化合物とみること
ができるが、それらはいくつか積み重なつて黒鉛
結晶領域を形成している(「工業材料」、第26巻、
第41〜44頁、1978年7月)。したがつて、炭素繊
維の黒鉛化度と上述した劣化反応とは密接な関係
がある。炭素繊維の黒鉛化度は、プリカーサーの
種類や黒鉛化の際の延伸度等にも影響されるが、
焼成温度に大きく依存する。そこで、発明者は、
まず黒鉛化度と劣化反応との関係を検討し、炭素
繊維の極く表層における黒鉛化度が劣化反応に大
きな影響を及ぼしていること、また、黒鉛化度
は、焼成温度だけではなく、表面の酸化処理の程
度にも依存し、レーザーラマン分光分析における
2/3幅とよく対応していることを見出した。さら
に、発明者は、2/3幅と、プリフオームの引張強
度と、収率との関係について検討を重ね、2/3幅
が25〜75cm-1の範囲にある炭素繊維を使用する
と、高い引張強度を有するプリフオームを安定し
て効率よく製造できることを見出した。 上述した炭素繊維を使用すると、製造工程でプ
リフオーム中に生成するAl4C3と、炭素繊維との
重量の比、すなわちAl4C3/C(以下、重量比と
いう)が、極く微量の0.01以下になつて、上述し
た劣化反応によるプリフオームの引張強度の低下
を防止できるようになる。しかも、そのような炭
素繊維は、濡れ性付与の目的で被覆する物質が容
易に付着する程度の表面エネルギーを有してい
て、収率も大きく向上する。2/3幅が75cm-1を超
える炭素繊維は、劣化反応が激しいためにプリフ
オームの引張強度が極端に低くなり、また、25cm
-1未満のものは、表層の黒鉛化度が非常に高いた
めに表面エネルギーが小さく、被覆される物質と
の接着性に乏しくて収率が著しく悪くなる。な
お、重量比は、プリフオームを6Nの塩酸に浸漬
し、発生するガス中のメタンの濃度をガスクロマ
トグラフイによつて定量し、計算によつて求め
る。 ここで、レーザーラマン分光分析は、物質にレ
ーザー光を照射したとき、その物質に特有な量だ
け波長がシフトした散乱光が出てくる現象(ラマ
ン効果)を利用して物質の分子構造に関する情報
を得るものであり、この発明においては、この分
析を、仏国ジヨバン・イボン(Jobin Yvon)社
製レーザーラマンシステム“Ramanor”U−
1000を使用し、ホルダーに取り付けた炭素繊維束
に窒素雰囲気中にて波長514.5nmのアルゴンイオ
ンレーザーをあて、ラマン散乱光を集光した後ダ
ブルグレーデイングで分光し、その光をフオトマ
ルチメーターで検出し、フオトンカウンテイング
方式(Photon Counting System)によつてスペ
クトルを測定するとともにチヤート上に記録し、
チヤート上から2/3幅を読み取ることによつて行
う。 さて、この発明においては、上述した炭素繊維
の連続繊維束の各単繊維に、アルミニウム合金と
の濡れ性を向上させるための炭素、炭化ケイ素、
チタン、炭化チタン、ホウ素およびホウ化チタン
から選ばれた1種または2種の物質を被覆する。
被覆操作は、特公昭59−12733号公報に記載され
ている化学気相蒸着法(CVD法)や、溶射等の
物理蒸着法(PVD法)等、周知の方法によつて
行えばよい。 この発明においては、次に、各単繊維に濡れ性
付与物質が被覆されている連続繊維束に、アルミ
ニウム合金を含浸し、凝固させてプリフオームを
得る。この含浸は、アルミニウム合金の溶湯に連
続繊維束を浸漬し、走行せしめることによつて行
う。ここで、マトリクスとしては、銅の量が0.1
重量%以下で、ケイ素の量が0.45重量%以下であ
るアルミニウム合金を使用する。 すなわち、発明者は、炭素繊維とマトリクスと
の界面に着目して検討を重ねた結果、マトリクス
であるアルミニウム合金中における化学成分のう
ち、銅とケイ素が、プリフオームの製造中におけ
る、溶融したアルミニウム合金の凝固過程におい
て炭素繊維の表面に優先的に脆性な共晶組織を形
成する傾向が極めて高く、特に処理CFを使用し
たときにプリフオームの強度低下が著しいことを
見出した。したがつて、アルミニウム合金中に含
まれる銅とケイ素は可能な限り少ないほうが好ま
しいが、上述したように、銅が0.1重量%以下、
ケイ素が0.45重量%以下であれば問題はない。好
ましい銅の量は0.05重量%であり、さらに好まし
くは0.03重量%である。また、好ましいケイ素の
量は0.3重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%
以下である。銅とケイ素以外のものについては、
鉄が0.5重量%以下、マンガンが1.5重量%以下、
マグネシウムが6重量%以下、クロムが0.35重量
%以下、亜鉛が0.25重量%以下、チタンが0.2重
量%以下であるのが好ましい。 かくして、この発明のプリフオームが得られる
が、このプリフオームを使用したCF/Alの成形
は、周知の、ホツトプレス成形法、ロール成形
法、引抜成形法等の、いわゆる固相法や、液相法
等によることができる。 実施例 実施例 1 アクリル酸を共重合させたポリアクリロニトリ
ル系重合体を、ジメチルスルオキシドを溶媒と
し、水を凝固剤として湿式紡糸し、単繊維数が
3000本であるアクリル繊維の連続繊維束を得た。 次に、上記連続繊維束を、酸化性雰囲気中にて
240℃で2時間焼成して耐炎化し、さらに窒素雰
囲気中にて1800〜2800℃の範囲で焼成温度を変え
て熱処理して炭素繊維の連続繊維束とした後、そ
の連続繊維束を陽極とし、通電ローラーを介して
炭素繊維1gあたり20〜80クーロンの範囲でエネ
ルギーを与えて表面を酸化処理し、2/3幅が異な
る、第1表に示すNo.1〜5の5種類の炭素繊維の
連続繊維束を得た。すなわち、窒素雰囲気中にお
ける焼成温度と、その後の表面処理における電気
量を変えることで、2/3幅が異なる5種類の炭素
繊維の連続繊維束を得たもので、焼成温度と電気
量は、それぞれ、No.1が2800℃、20クーロン/
g、No.2が2500℃、20クーロン/g、No.3が2500
℃、50クーロン/g、No.4が2000℃、80クーロ
ン/g、No.5が1800℃、80クーロン/gである。 次に、No.1〜5の各連続繊維束を、四塩化チタ
ンが3.2重量%、亜鉛が2.5重量%、アルゴンが
94.3重量%である680℃の混合蒸気中で1分間処
理し、各単繊維に厚みが100nmのチタン被覆を施
した。 次に、チタン被覆を施した各連続繊維束を、温
度が665℃で、銅の量が0.02重量%で、ケイ素の
量が0.2重量%であるアルミニウム合金(JIS
1100)の溶湯に通し、引き上げながらアルミニウ
ム合金を凝固させ、Vfが約50%の5種類のプリ
フオームを得た。 次に、上記5種類のプリフオームについて、株
式会社島津製作所製オートグラフAG−500Bを用
いて、引張速度2mm/分の条件で引張試験をし
た。試験結果を第1表に示す。 第1表から、高い収率で、しかも、高い引張強
度を有するプリフオームは、2/3幅が25〜75cm-1
の範囲にある炭素繊維を使用した場合に限られる
ことがわかる。ここで、収率は、式、 収率=[得られたプリフオームの長さ/アルミニ
ウム合金の溶湯に供給された炭素繊維の連続繊
維束の長さ]×100 として定義されるものである。また、強度発現率
は、プリフオームの任意の位置から長さ290mmの
試験片を合計20本採取し、それぞれの引張強度を
測定して、式、 強度発現率=[試験片の引張強度/(炭素繊維の
連続繊維束の引張強度×Vf)]×100 で求めた。 実施例 2 実施例1における、2/3幅が52cm-1であるNo.3
の炭素繊維の連続繊維束を使用し、それを構成し
ている各単繊維に第2表に示す被覆を施し、次い
で上記アルミニウム合金を含浸することによつ
て、10種類の、Vfが約50%のプリフオームを製
造し、同様に引張試験を行なつた。 その結果、第2表に示すように、この発明にお
ける被覆を有するものは、強度発現率、収率とも
に高かつたが、それ以外のものは、プリフオーム
の形態にほとんどならなかつた。 実施例 3 実施例1におけるNo.3の炭素繊維を使用し、こ
れを三塩化ホウ素が1.2重量%で、四塩化チタン
が5.1重量%で、アルゴンが93.7重量%である680
℃の混合蒸気中で1分間処理し、各単繊維に厚み
が30nmのホウ化チタン被覆を施した。 次に、ホウ化チタン被覆を施した連続繊維束
に、第3表に示すアルミニウム合金を含浸し、
Vfが約50%である4種類のプリフオームを製造
し、得られた各プリフオームについて同様に引張
試験をした。試験結果を第3表に示す。 第3表に示すように、いずれのプリフオームも
高い収率で製造できるが、強度発現率が高いの
は、銅の量が0.1重量%以下で、ケイ素の量が
0.45重量%以下の範囲にあるアルミニウム合金を
使用したものに限られることがわかる。
合金(以下、CF/A1という)を成形するときに
素材として使用するワイヤプリフオーム(以下、
プリフオームという)に関する。 従来の技術 炭素繊維を強化材とし、金属をマトリクスとす
る炭素繊維強化金属(以下、CFRMという)は、
金属のみからなるものにくらべで比強度や比弾性
率が高いことから、いろいろな分野で注目されて
いる。なかでも、アルミニウム合金をマトリクス
とするCFRM、すなわちCF/A1は、比強度や比
弾性率が特に優れていることから、軽量構造材と
して、航空・宇宙分野をはじめとする分野で大き
な期待が寄せられている。 ところで、一般に、炭素繊維は、溶融したアル
ミニウム合金との濡れ性に乏しく、しかも、高温
でアルミニウムと容易に反応して特性が低下する
という性質があり、そのため、濡れ性を改善した
り、反応を防止したりするためのいろいろな工夫
がなされている。 たとえば、特公昭59−12733号公報には、炭素
繊維に、ホウ化チタンや、炭化チタンとホウ化チ
タンとの混合物を被覆することが濡れ性の改善に
有効であることが記載されている。しかしなが
ら、この方法では、炭素繊維とアルミニウムとの
反応を十分に防止できず、炭素繊維として、いわ
ゆる高強度タイプと呼ばれる米国ユニオンカーバ
イド社の“Thornel”300を使用し、アルミニウ
ム合金としてAA202を使用した場合でも、 4Al+3C→Al4C3 なる反応が起こり、引張強度は、炭素繊維の体積
含有率(以下、Vfという)が29%のときでわず
かに0.24GPaにすぎない(“Jou.of Composite
Materials”、第10巻、第279〜296頁、1976年10
月)。 一方、特開昭61−69448号公報には、炭素繊維
に炭素を被覆し、その上に金属炭化物等を主成分
とする物質をさらに被覆すると、劣化反応が防止
され、複合則の86%の引張強度をもつプリフオー
ムが得られるむねの記載がある。しかしながら、
濡れ性はほとんど改善されないので、チタンやホ
ウ素等を主成分とする物質をさらに被覆する必要
がでてくる。これは、製造コストの面で大変不利
である。また、工程も煩雑になる。 そこで、特開昭61−130439号発明においては、
アルミニウムとの反応性が低い、引張弾性率が
373GPa(38トン/mm2)以上で、しかも、表面酸化
処理を施していない炭素繊維(以下、無処理CF
という)の連続繊維束に溶融アルミニウム合金を
含浸し、Vfが50%で引張強度が1.5GPAのプリフ
オームを得ている。すなわち、高弾性率の無処理
CFは、不活性、すなわち表面エネルギーが小さ
いために、表面酸化処理が施されている炭素繊維
(以下、処理CFという)を使用するときにくらべ
て劣化反応が起こりにくい。しかしながら、なお
十分であるとはいえない。 発明が解決しようとする課題 この発明の目的は、従来のプリフオームの上述
した問題点を解決し、強度に優れたCF/Al用プ
リフオームを提供するにある。 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、この発明は、レー
ザーラマン分光分析によつて得られるスペクトル
のうち、波数1585cm-1付近の、黒鉛構造のE2g
対称の振動によるラマンバンドのピーク高さの2/
3におけるバンド幅が25〜75cm-1である炭素繊維
の連続繊維束に、銅の量が0.1重量%以下で、ケ
イ素の量が0.45重量%以下であるアルミニウム合
金が含浸され、かつ、上記炭素繊維の連続繊維束
を構成している各単繊維には、炭素、炭化ケイ
素、チタン、炭化チタン、ホウ素およびホウ化チ
タンから選ばれた1種または2種の物質が被覆さ
れていることを特徴とする炭素繊維強化アルミニ
ウム合金用ワイヤプリフオームを提供する。 以下、この発明のプリフオームをその製造方法
とともにさらに詳細に説明する。 この発明においては、連続繊維束の形態の炭素
繊維を使用する。炭素繊維は、ポリアクリロニト
リル系、ピツチ系、レーヨン系等、いずれであつ
てもよいが、ポリアクリロニトリル系炭素繊維が
最も好ましい。また、炭素繊維は、無処理CFで
あつても、処理CFであつても、いずれでもよい。
処理CFを使用する場合、処理は、一般に行われ
ている方法によることができる。すなわち、たと
えば、炭素繊維を、それを陽極として通電ローラ
を介して直流電流を流しながら0.01〜1N水酸化
ナトリウム水溶液中に通し、炭素繊維にその1g
あたり5〜2000クーロン、好ましくは5〜1000ク
ーロン、さらに好ましくは5〜500クーロンのエ
ネルギーを与えることによつて行うことができ
る。 また、この発明においては、レーザーラマン分
光分析によつて分析したとき、黒鉛構造のE2g
対称の振動によるものであるといわれる波数1585
cm-1付近におけるラマンバンド(以下、結晶バン
ドという)のピーク高さ(強度)の2/3における
バンド幅(以下、2/3幅という)が、25〜75cm-1、
好ましくは30〜60cm-1、さらに好ましくは35〜55
cm-1の範囲にある炭素繊維を使用する。かかる炭
素繊維を使用することによつて、高強度のプリフ
オームを安定して効率よく製造することができる
ようになる。このような炭素繊維を使用するの
は、次のような理由による。 すなわち、一般に、炭素繊維は、繊維軸方向に
配向する、ベンゼン環で縮合された細長いリボン
状の多環芳香族分子状断片を構造単位としてい
る。このリボン状断片は、ベンゼン環の縮合度が
極めて高く、芳香族の究極的な化合物とみること
ができるが、それらはいくつか積み重なつて黒鉛
結晶領域を形成している(「工業材料」、第26巻、
第41〜44頁、1978年7月)。したがつて、炭素繊
維の黒鉛化度と上述した劣化反応とは密接な関係
がある。炭素繊維の黒鉛化度は、プリカーサーの
種類や黒鉛化の際の延伸度等にも影響されるが、
焼成温度に大きく依存する。そこで、発明者は、
まず黒鉛化度と劣化反応との関係を検討し、炭素
繊維の極く表層における黒鉛化度が劣化反応に大
きな影響を及ぼしていること、また、黒鉛化度
は、焼成温度だけではなく、表面の酸化処理の程
度にも依存し、レーザーラマン分光分析における
2/3幅とよく対応していることを見出した。さら
に、発明者は、2/3幅と、プリフオームの引張強
度と、収率との関係について検討を重ね、2/3幅
が25〜75cm-1の範囲にある炭素繊維を使用する
と、高い引張強度を有するプリフオームを安定し
て効率よく製造できることを見出した。 上述した炭素繊維を使用すると、製造工程でプ
リフオーム中に生成するAl4C3と、炭素繊維との
重量の比、すなわちAl4C3/C(以下、重量比と
いう)が、極く微量の0.01以下になつて、上述し
た劣化反応によるプリフオームの引張強度の低下
を防止できるようになる。しかも、そのような炭
素繊維は、濡れ性付与の目的で被覆する物質が容
易に付着する程度の表面エネルギーを有してい
て、収率も大きく向上する。2/3幅が75cm-1を超
える炭素繊維は、劣化反応が激しいためにプリフ
オームの引張強度が極端に低くなり、また、25cm
-1未満のものは、表層の黒鉛化度が非常に高いた
めに表面エネルギーが小さく、被覆される物質と
の接着性に乏しくて収率が著しく悪くなる。な
お、重量比は、プリフオームを6Nの塩酸に浸漬
し、発生するガス中のメタンの濃度をガスクロマ
トグラフイによつて定量し、計算によつて求め
る。 ここで、レーザーラマン分光分析は、物質にレ
ーザー光を照射したとき、その物質に特有な量だ
け波長がシフトした散乱光が出てくる現象(ラマ
ン効果)を利用して物質の分子構造に関する情報
を得るものであり、この発明においては、この分
析を、仏国ジヨバン・イボン(Jobin Yvon)社
製レーザーラマンシステム“Ramanor”U−
1000を使用し、ホルダーに取り付けた炭素繊維束
に窒素雰囲気中にて波長514.5nmのアルゴンイオ
ンレーザーをあて、ラマン散乱光を集光した後ダ
ブルグレーデイングで分光し、その光をフオトマ
ルチメーターで検出し、フオトンカウンテイング
方式(Photon Counting System)によつてスペ
クトルを測定するとともにチヤート上に記録し、
チヤート上から2/3幅を読み取ることによつて行
う。 さて、この発明においては、上述した炭素繊維
の連続繊維束の各単繊維に、アルミニウム合金と
の濡れ性を向上させるための炭素、炭化ケイ素、
チタン、炭化チタン、ホウ素およびホウ化チタン
から選ばれた1種または2種の物質を被覆する。
被覆操作は、特公昭59−12733号公報に記載され
ている化学気相蒸着法(CVD法)や、溶射等の
物理蒸着法(PVD法)等、周知の方法によつて
行えばよい。 この発明においては、次に、各単繊維に濡れ性
付与物質が被覆されている連続繊維束に、アルミ
ニウム合金を含浸し、凝固させてプリフオームを
得る。この含浸は、アルミニウム合金の溶湯に連
続繊維束を浸漬し、走行せしめることによつて行
う。ここで、マトリクスとしては、銅の量が0.1
重量%以下で、ケイ素の量が0.45重量%以下であ
るアルミニウム合金を使用する。 すなわち、発明者は、炭素繊維とマトリクスと
の界面に着目して検討を重ねた結果、マトリクス
であるアルミニウム合金中における化学成分のう
ち、銅とケイ素が、プリフオームの製造中におけ
る、溶融したアルミニウム合金の凝固過程におい
て炭素繊維の表面に優先的に脆性な共晶組織を形
成する傾向が極めて高く、特に処理CFを使用し
たときにプリフオームの強度低下が著しいことを
見出した。したがつて、アルミニウム合金中に含
まれる銅とケイ素は可能な限り少ないほうが好ま
しいが、上述したように、銅が0.1重量%以下、
ケイ素が0.45重量%以下であれば問題はない。好
ましい銅の量は0.05重量%であり、さらに好まし
くは0.03重量%である。また、好ましいケイ素の
量は0.3重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%
以下である。銅とケイ素以外のものについては、
鉄が0.5重量%以下、マンガンが1.5重量%以下、
マグネシウムが6重量%以下、クロムが0.35重量
%以下、亜鉛が0.25重量%以下、チタンが0.2重
量%以下であるのが好ましい。 かくして、この発明のプリフオームが得られる
が、このプリフオームを使用したCF/Alの成形
は、周知の、ホツトプレス成形法、ロール成形
法、引抜成形法等の、いわゆる固相法や、液相法
等によることができる。 実施例 実施例 1 アクリル酸を共重合させたポリアクリロニトリ
ル系重合体を、ジメチルスルオキシドを溶媒と
し、水を凝固剤として湿式紡糸し、単繊維数が
3000本であるアクリル繊維の連続繊維束を得た。 次に、上記連続繊維束を、酸化性雰囲気中にて
240℃で2時間焼成して耐炎化し、さらに窒素雰
囲気中にて1800〜2800℃の範囲で焼成温度を変え
て熱処理して炭素繊維の連続繊維束とした後、そ
の連続繊維束を陽極とし、通電ローラーを介して
炭素繊維1gあたり20〜80クーロンの範囲でエネ
ルギーを与えて表面を酸化処理し、2/3幅が異な
る、第1表に示すNo.1〜5の5種類の炭素繊維の
連続繊維束を得た。すなわち、窒素雰囲気中にお
ける焼成温度と、その後の表面処理における電気
量を変えることで、2/3幅が異なる5種類の炭素
繊維の連続繊維束を得たもので、焼成温度と電気
量は、それぞれ、No.1が2800℃、20クーロン/
g、No.2が2500℃、20クーロン/g、No.3が2500
℃、50クーロン/g、No.4が2000℃、80クーロ
ン/g、No.5が1800℃、80クーロン/gである。 次に、No.1〜5の各連続繊維束を、四塩化チタ
ンが3.2重量%、亜鉛が2.5重量%、アルゴンが
94.3重量%である680℃の混合蒸気中で1分間処
理し、各単繊維に厚みが100nmのチタン被覆を施
した。 次に、チタン被覆を施した各連続繊維束を、温
度が665℃で、銅の量が0.02重量%で、ケイ素の
量が0.2重量%であるアルミニウム合金(JIS
1100)の溶湯に通し、引き上げながらアルミニウ
ム合金を凝固させ、Vfが約50%の5種類のプリ
フオームを得た。 次に、上記5種類のプリフオームについて、株
式会社島津製作所製オートグラフAG−500Bを用
いて、引張速度2mm/分の条件で引張試験をし
た。試験結果を第1表に示す。 第1表から、高い収率で、しかも、高い引張強
度を有するプリフオームは、2/3幅が25〜75cm-1
の範囲にある炭素繊維を使用した場合に限られる
ことがわかる。ここで、収率は、式、 収率=[得られたプリフオームの長さ/アルミニ
ウム合金の溶湯に供給された炭素繊維の連続繊
維束の長さ]×100 として定義されるものである。また、強度発現率
は、プリフオームの任意の位置から長さ290mmの
試験片を合計20本採取し、それぞれの引張強度を
測定して、式、 強度発現率=[試験片の引張強度/(炭素繊維の
連続繊維束の引張強度×Vf)]×100 で求めた。 実施例 2 実施例1における、2/3幅が52cm-1であるNo.3
の炭素繊維の連続繊維束を使用し、それを構成し
ている各単繊維に第2表に示す被覆を施し、次い
で上記アルミニウム合金を含浸することによつ
て、10種類の、Vfが約50%のプリフオームを製
造し、同様に引張試験を行なつた。 その結果、第2表に示すように、この発明にお
ける被覆を有するものは、強度発現率、収率とも
に高かつたが、それ以外のものは、プリフオーム
の形態にほとんどならなかつた。 実施例 3 実施例1におけるNo.3の炭素繊維を使用し、こ
れを三塩化ホウ素が1.2重量%で、四塩化チタン
が5.1重量%で、アルゴンが93.7重量%である680
℃の混合蒸気中で1分間処理し、各単繊維に厚み
が30nmのホウ化チタン被覆を施した。 次に、ホウ化チタン被覆を施した連続繊維束
に、第3表に示すアルミニウム合金を含浸し、
Vfが約50%である4種類のプリフオームを製造
し、得られた各プリフオームについて同様に引張
試験をした。試験結果を第3表に示す。 第3表に示すように、いずれのプリフオームも
高い収率で製造できるが、強度発現率が高いの
は、銅の量が0.1重量%以下で、ケイ素の量が
0.45重量%以下の範囲にあるアルミニウム合金を
使用したものに限られることがわかる。
【表】
【表】
【表】
発明の効果
この発明のプリフオームは、レーザーラマン分
光分析によつて得られるスペクトルのうち、波数
1585cm-1付近の、黒鉛構造のE2g対称の振動に
よるラマンバンドのピーク高さの2/3におけるバ
ンド幅が25〜75cm-1である炭素繊維の連続繊維束
に、銅の量が0.1重量%以下で、ケイ素の量が
0.45重量%以下であるアルミニウム合金が含浸さ
れ、かつ、炭素繊維の連続繊維束を構成している
各単繊維に、炭素、炭化ケイ素、チタン、炭化チ
タン、ホウ素およびホウ化チタンから選ばれた1
種または2種の物質が被覆されているものである
から、実施例と比較例との対比からも明らかなよ
うに、強度が大変高い。しかも、製造上は収率が
優れている。
光分析によつて得られるスペクトルのうち、波数
1585cm-1付近の、黒鉛構造のE2g対称の振動に
よるラマンバンドのピーク高さの2/3におけるバ
ンド幅が25〜75cm-1である炭素繊維の連続繊維束
に、銅の量が0.1重量%以下で、ケイ素の量が
0.45重量%以下であるアルミニウム合金が含浸さ
れ、かつ、炭素繊維の連続繊維束を構成している
各単繊維に、炭素、炭化ケイ素、チタン、炭化チ
タン、ホウ素およびホウ化チタンから選ばれた1
種または2種の物質が被覆されているものである
から、実施例と比較例との対比からも明らかなよ
うに、強度が大変高い。しかも、製造上は収率が
優れている。
Claims (1)
- 1 レーザーラマン分光分析によつて得られるス
ペクトルのうち、波数1585cm-1付近の、黒鉛構造
のE2g対称の振動によるラマンバンドのピーク
高さの2/3におけるバンド幅が25〜75cm-1である
炭素繊維の連続繊維束に、銅の量が0.1重量%以
下で、ケイ素の量が0.45重量%以下であるアルミ
ニウム合金が含浸され、かつ、上記炭素繊維の連
続繊維束を構成している各単繊維には、炭素、炭
化ケイ素、チタン、炭化チタン、ホウ素およびホ
ウ化チタンから運ばれた1種または2種の物質が
被覆されていることを特徴とする炭素繊維強化ア
ルミニウム合金用ワイヤプリフオーム。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62149085A JPS63312923A (ja) | 1987-06-17 | 1987-06-17 | 炭素繊維強化アルミニウム合金用ワイヤプリフォーム |
| EP88109489A EP0295635B1 (en) | 1987-06-17 | 1988-06-14 | A preform wire for a carbon fiber reinforced aluminum composite material and a method for manufacturing the same |
| DE3852848T DE3852848T2 (de) | 1987-06-17 | 1988-06-14 | Vorgeformter Draht für kohlenstoffaserverstärkten Aluminiumverbundwerkstoff und Verfahren zu dessen Herstellung. |
| US07/208,039 US4929513A (en) | 1987-06-17 | 1988-06-17 | Preform wire for a carbon fiber reinforced aluminum composite material and a method for manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62149085A JPS63312923A (ja) | 1987-06-17 | 1987-06-17 | 炭素繊維強化アルミニウム合金用ワイヤプリフォーム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63312923A JPS63312923A (ja) | 1988-12-21 |
| JPH0469214B2 true JPH0469214B2 (ja) | 1992-11-05 |
Family
ID=15467370
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62149085A Granted JPS63312923A (ja) | 1987-06-17 | 1987-06-17 | 炭素繊維強化アルミニウム合金用ワイヤプリフォーム |
Country Status (4)
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| US (1) | US4929513A (ja) |
| EP (1) | EP0295635B1 (ja) |
| JP (1) | JPS63312923A (ja) |
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- 1988-06-17 US US07/208,039 patent/US4929513A/en not_active Expired - Lifetime
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